JP6103707B2 - ポリスチレン系樹脂積層発泡シート - Google Patents

ポリスチレン系樹脂積層発泡シート Download PDF

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本発明は、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートに関し、詳しくはビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートにゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が積層された積層発泡シートに関する。
近年、スチレン−アクリル酸共重合体やスチレン−メタアクリル酸共重合体等の高耐熱性のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面にゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が押出ラミネートにより積層接着された積層発泡シートの熱成形容器が、電子レンジ加熱食品用容器として使用され、その需要が増えている。
前記各種の積層発泡シートは、通常、ゴム変性ポリスチレン系樹脂層や樹脂フィルムを積層してから数日間のうちに容器へと熱成形される。しかし、生産工程の変更などにより積層後長期間を経て熱成形が行なわれることがある。その場合、積層直後には耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートとゴム変性ポリスチレン系樹脂層とが十分に接着していても、積層後長期間経過すると耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートとゴム変性ポリスチレン系樹脂層との間の接着力が低下し、熱成形前又は熱成形時に両者が剥がれてしまうという問題(デラミ)が生じることが判明した。なお、この耐熱ポリスチレン系樹脂発泡シートからのゴム変性ポリスチレン系樹脂層のデラミは、通常のポリスチレンを基材樹脂とする発泡シートにゴム変性ポリスチレン系樹脂を押出ラミネートにより積層接着した場合には、起きない問題である。
この積層後長期間経過すると耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートとゴム変性ポリスチレン系樹脂層との間の接着力が低下し、熱成形時に両者が剥がれてしまうという問題を解決するために、特許文献1ではゴム変性ポリスチレン系樹脂層にゴム粒径が小さいゴム変性ポリスチレン系樹脂等を用いることが提案されている。
特開2012−224025号公報
上記特定のゴム変性ポリスチレン系樹脂を使用することにより、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートとゴム変性ポリスチレン系樹脂層との間の接着力が径時により低下するという問題を解決することが可能となった。しかし、使用できるゴム変性ポリスチレン系樹脂の種類が制限されてしまため、容器の形状によっては成形性が悪化する場合や、容器の光沢具合等の外観についてのユーザーからの要求に応えられない場合があった。従って、特定のゴム粒径を有するゴム変性ポリスチレン系樹脂を用いなくとも、経時による接着力の低下が起きることがなく、多様な要求に応えることができる高耐熱性のポリスチレン系樹脂積層発泡シートの開発が求められている。
本発明は、前記問題点に鑑み、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートの表面にゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が積層されている積層発泡シートにおいて、特定のゴム変性ポリスチレン系樹脂を用いなくとも、発泡シートと樹脂層との間にデラミが発生しにくい、ポリスチレン系樹脂積層発泡シートを提供することを目的とする。
本発明によれば、以下に示すポリスチレン系樹脂積層発泡シートが提供される。
[1] ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートに、ゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が押出ラミネートにより積層接着された積層発泡シートであって、該耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートの基材樹脂がスチレン−αメチルスチレン共重合体またはスチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
[2] 前記樹脂層の表面に、熱可塑性樹脂フィルムが積層接着されていることを特徴とする前記1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シート(以下、単に積層発泡シートともいう。)は、耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シート(以下、単に発泡シートともいう。)の基材樹脂がスチレン−αメチルスチレン共重合体またはスチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂であることにより、樹脂層を構成するゴム変性ポリスチレン系樹脂として汎用のものを用いた場合であっても、経時による該耐熱性発泡シートと樹脂層間の接着強度の低下がほとんどなく、耐熱性発泡シートと樹脂層間の剥離が発生することがないものである。本発明の積層発泡シートは、ゴム変性ポリスチレン系樹脂の選択の自由度が広いことにより、容器の形状や光沢具合、オリゴマー溶出量の低減等ユーザーのニーズに幅広く応えることが可能なものである。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートについて詳細に説明する。
本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートは、ビカット軟化温度が110℃以上のポリスチレン系樹脂(以下、耐熱性ポリスチレン系樹脂ともいう。)を基材樹脂とする耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートの少なくとも片面にゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が積層接着されたものである。
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、スチレン系単量体成分単位を50重量%以上含む樹脂を意味し、ポリスチレンや、2種以上のスチレン系単量体の共重合体、スチレン系単量体と他のモノマーとの共重合体、具体的には、スチレン−αメチルスチレン共重合体、スチレン−pメチルスチレン共重合体や、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等が挙げられる。なお、ポリスチレン系樹脂には、ジビニルベンゼンや多分岐状マクロモノマーなどの多官能モノマー成分単位が含まれていても良い。また、これらのポリスチレン系樹脂の2種以上の混合物、またはこれらのポリスチレン系樹脂と他の熱可塑性樹脂やエラストマーとの混合物であってもよい。
本発明において、耐熱性発泡シートの基材樹脂のビカット軟化温度は110℃以上、好ましくは112℃以上、より好ましくは114℃以上であることから、該基材樹脂は耐熱性に優れるものである。なお、耐熱性の観点からは、ビカット軟化温度の上限は特に限定されるものではないが、その上限は概ね160℃である。
本発明においては、ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂として、スチレン−αメチルスチレン共重合体またはスチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂が用いられる。耐熱性発泡シートの基材樹脂が、スチレン−αメチルスチレン共重合体またはスチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂であることにより、耐熱性発泡シートの耐熱性を維持しつつ、経時による耐熱性発泡シートと樹脂層間のデラミの発生を防止することができる。
前記スチレン−αメチルスチレン共重合体のビカット軟化温度は該共重合体中のαメチルスチレンの含有比率が大きくなるほど高くなるので、該ビカット軟化温度はαメチルスチレンとスチレンとの共重合比率によって制御することができる。具体的には、該共重合体のαメチルスチレンの比率を25モル%以上とすることにより、ビカット軟化温度を110℃以上とすることができ、例えばスチレン54モル%、αメチルスチレン46モル%の比率でビカット軟化温度は約130℃となる。また、スチレン−αメチルスチレン共重合体は、ポリスチレンとの相溶性が高いことから、ビカット軟化温度が高いスチレン−αメチルスチレン共重合体をポリスチレンと混合し、両者の混合比率を制御することにより、適宜所定のビカット軟化温度(耐熱性)に調整することができる。
前記耐熱性発泡シートを構成する耐熱性ポリスチレン系樹脂が、スチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂の場合、スチレン−αメチルスチレン共重合体のビカット軟化温度によっても異なるが、通常、スチレン−αメチルスチレン共重合体の配合割合は、基材樹脂中に40重量%以上であることが好ましく、より好ましくは50重量%以上である。一方、その上限は特に制限されるものではないが、99重量%以下であることが好ましく、より好ましくは90重量%以下である。
本願明細書におけるビカット軟化温度の測定は、JIS K7206:1999のA50法に基づき行う。
前記スチレン−αメチルスチレン共重合体のメルトフローレイト(MFR)は0.05〜5g/10分が好ましく、より好ましくは0.1〜1g/10分である。該メルトフローレイトがこの範囲内であることにより、独立気泡構造を有し、機械的強度に優れる耐熱性発泡シートを広い製造条件範囲に亘って得ることができる。
また、スチレン−αメチルスチレン共重合体との混練性の観点から、混合されるポリスチレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、0.5〜20g/10分が好ましく、より好ましくは1〜5g/10分である。
本願明細書においては、メルトフローレイトは、JIS K7210:1999の条件H(200℃、荷重5kg)に基づいて測定される。
更に、本発明における耐熱性発泡シートの基材樹脂である耐熱性ポリスチレン系樹脂は、そのビカット軟化温度が110℃以上であれば、上記スチレン−αメチルスチレン共重合体及びポリスチレン以外のポリスチレン系樹脂や、他の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体やその水添物などのエラストマーを本発明の所期の目的が阻害されない程度に含んでもよい。
本発明においては、前記耐熱性発泡シートの片面又は両面に非発泡の樹脂層が積層される。該樹脂層の基材樹脂はゴム変性ポリスチレン系樹脂である。該ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、ゴム状重合体にスチレン系重合体がグラフトし、分散相を形成するゴム状重合体粒子と、連続相を形成するスチレン系重合体で構成されるものである。該ゴム変性ポリスチレン系樹脂は、通常、ゴム状重合体の存在下、スチレン系単量体をラジカル重合して得られる樹脂である。
前記ゴム変性ポリスチレン系樹脂を構成するスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。スチレン系単量体は単独で使用することも混合物として使用することもできる。また、これらのスチレン系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体以外のビニル系モノマーや、ジビニルベンゼン等の多官能モノマーも、ゴム変性ポリスチレン系樹脂組成物の性能を損なわない程度、例えばスチレン系単量体100質量部に対し、5質量部以下であれば、重合時に添加することができる。
前記ゴム変性ポリスチレン系樹脂を構成するゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレンのランダムまたはブロック共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられ、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体が好適に用いられる。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。
なお、前記樹脂層中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば酸化防止剤、熱安定剤、無機充填剤、着色剤等を添加することができる。
本発明において使用される前記ゴム変性ポリスチレン系樹脂のメルトフローレイト(MFR)は1〜15g/10分が好ましく、より好ましくは2〜10g/10分である。メルトフローレイトがこの範囲内であれば、押出ラミネートにより外観良好な樹脂層を容易に形成することができ、かつ樹脂層が耐衝撃性などの機械的強度に優れたものとなる。
本発明においては、前記耐熱性発泡シートの見掛け密度は、0.05〜0.7g/cmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.3g/cmである。見掛け密度がこの範囲内であると、積層発泡シートを熱成形して得た容器が強度軽量性、断熱性などのバランスに特に優れたものとなる。
また、樹脂層を積層する側の耐熱性発泡シートの表面から200μmの部分の密度(以下、表層密度という)は、0.1〜0.3g/cmが好ましく、より好ましくは0.15〜0.25g/cmである。該表層密度がこの範囲内であると、耐熱性発泡シートと樹脂層との接着性により優れた積層発泡シートとなる。
前記表層密度の測定は次のように行なう。
耐熱性発泡シートの表面から200μmの部分をスライスし、幅5mm×長さ20mmの試験片に切りそろえるとともに、試験片の重量と厚みをゲージで測定する。試験片の重量を試験片の体積(幅×長さ×厚み)で割算し、単位換算して表層密度を求める。
上記測定を、耐熱性発泡シートの幅方向における等間隔の10箇所について行い、それらの算術平均値を積層面の表層密度とする。
本発明においては、樹脂層の坪量(積層量)は20〜300g/mが好ましく、特に40〜200g/mが好ましく、50〜180g/mが更に好ましい。樹脂層の積層量がこの範囲内であると耐熱性や剛性、突き刺し強度に特に優れた容器を得ることができる。
樹脂層を積層する側の耐熱性発泡シートの表面粗さは、0.5μm以上が好ましく、より好ましくは0.7μm以上、更に好ましくは1μm以上である。該表面粗さが小さすぎると、経時と共に耐熱性発泡シートと樹脂層との接着力が低下しやすくなる虞がある。表面粗さの上限に制限はないが、概ね5μm好ましくは3μmである。
本発明における表面粗さとは中心線表面粗さをいい、表面粗さ計を用いてJIS−B0601(1994)に準じて、積層前の耐熱性発泡シートについて測定する。表面粗さ計としては一般に使用されているものでよく、例えば、(株)小坂研究所製のサーフコーダSE−3OD、サーフコーダSE1700αが挙げられる。中心線表面粗さの測定は、前記測定サンプルの幅方向に沿って8mmの測定距離を5回測定し、その平均値を中心線表面粗さとする。なお、測定時の計測速度は0.25mm/秒以下で実施する。
上記測定を、耐熱性発泡シートの幅方向における等間隔の10箇所について行い、それらの算術平均値を積層面の表面粗さとする。
なお、表層密度及び表面粗さは、発泡直後の発泡体の表面にエア等の冷却媒体を吹きかけるなどの従来周知の方法によって調整することができる。すなわち、発泡直後に強く冷却することにより、表層密度を高め、表面粗さを小さくすることができる。
本発明の積層発泡シートにおいて、その厚みは、熱成形性と、熱成形により得られる容器の断熱性、剛性などの物性とのバランスに優れることから、好ましくは0.7〜5mm、更に好ましくは1〜3mm、特に好ましくは1.2〜2.0mmである。
積層発泡シートの見掛け密度は、0.05〜0.5g/cmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.3g/cmである。見掛け密度がこの範囲内であると、積層発泡シートを熱成形して得た容器が強度、軽量性、断熱性などのバランスに特に優れたものとなる。
積層発泡シートの坪量は、150〜500g/mが好ましく、更に好ましくは200〜400g/mである。坪量がこの範囲内であると、積層発泡シートを熱成形して得た容器が、剛性と軽量性とのバランスに特に優れたものとなる。
また、積層発泡シートの平均気泡径は0.02〜0.4mmが好ましく、更に好ましくは0.04〜0.2mmである。平均気泡径がこの範囲内であることにより、積層発泡シートの熱成形性と、得られた容器の強度、外観、印刷適性などの物性とのバランスが特に優れたものとなる。尚、耐熱性発泡シートの平均気泡径は、気泡調整剤の量を調節したり、耐熱性発泡シートの拡幅比や引取速度を調節することにより、調整することができる。
前記平均気泡径は、つぎのように求められる。積層発泡シートの幅方向に等間隔で10箇所、押出方向に垂直方向の断面を顕微鏡で撮影し、各々の断面写真について耐熱性発泡シートの厚さtを測定する。次に、各断面写真の厚さ方向に直線lを引き、直線lと交わる耐熱性発泡シートにおける全ての気泡径を数える。このようにして得られたtとnから各断面写真について気泡径(t/n)を計算し、10箇所の(t/n)の平均を耐熱性発泡シートの平均気泡径とする。
また、本発明の積層発泡シート全体の独立気泡率は、熱成形時の二次発泡性や得られる成形体の強度等の観点から、60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上である。
本明細書における積層発泡シートの独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、東芝ベックマン株式会社の空気比較式比重計930型を使用して測定(無作為に積層シートから25mm×25mm×シート厚みに切断したカットサンプルを、サンプルの厚みの総和が20mmに最も近づくように(ただし、20mmを超えない。)複数枚重ねてサンプルカップ内に収容して測定する。)された積層シート(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記(1)式により独立気泡率S(%)を計算し、N=5の平均値として求める。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (1)
耐熱性発泡シートと樹脂層との接着強度は、300gf/25mm以上であることが好ましく、より好ましくは350gf/25mm以上、更に好ましくは400gf/25mm以上、特に好ましくは500gf/25mm以上である。なお、接着強度の上限は、1000gf/25mm程度である。該接着強度は、一方で発泡シートを、他方で樹脂層を掴んで行う90度剥離試験(JIS Z0237、剥離速度条件400mm/min)における剥離強度により評価することができる。
次に、本発明の積層発泡シートの製造方法について説明する。
本発明の積層発泡シートを構成する耐熱性発泡シートは、従来公知の所謂押出発泡により得ることができる。即ち、押出機を用いて前記基材樹脂、発泡剤、必要に応じて気泡調整剤等の各種の添加剤を溶融混練した後、目的とする樹脂温度に調整された発泡性溶融樹脂を、ダイ内から大気圧下に押出することによって形成される。
発泡剤としては、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類または二酸化炭素、窒素、水等の物理発泡剤を用いることができる。この中では、耐熱性発泡シートの製造が容易で、得られる積層発泡体の物性が優れていることから、ブタンが好ましい。
発泡剤の添加量、気泡調整剤の添加量は、基材樹脂の種類、発泡剤の種類、気泡調整剤の種類や、目的とする発泡層の密度によって適宜選択できるが、通常は、基材樹脂100重量部に対して、発泡剤は0.5〜10重量部、気泡調整剤は0.1〜0.4重量部である。又、上記放出される溶融樹脂混合物の樹脂温度は、基材樹脂の種類、発泡剤の種類や、目的とする発泡層の密度によって適宜選択できるが、通常は130〜180℃である。
前記耐熱性発泡シートの片面又は両面に、樹脂層を押出ラミネートにより積層接着することにより、本発明の積層発泡シートが得られる。押出ラミネートは、押出機にゴム変性ポリスチレン系樹脂を供給して溶融樹脂とし、押出機の出口に取り付けられたTダイから溶融樹脂をシート状に押出して発泡シートに積層接着することにより行われる。
本発明の積層発泡シートにおいては、前記積層発泡シートの樹脂層の表面にさらに熱可塑性樹脂フィルムを積層することができる。該熱可塑性樹脂フィルムの基材樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂等、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂が挙げられ、これらの樹脂が用いられた多層フィルムが好ましく用いられる。これらの樹脂フィルムの中でも、耐油性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂フィルムを積層することが好ましい。ゴム変性ポリスチレン系樹脂と熱接着性を有さない熱可塑性樹脂フィルムを積層発泡シートに積層する場合、熱可塑性樹脂フィルムを接着層を介して積層発泡シートに積層するか、熱可塑性樹脂フィルムとポリスチレン系樹脂フィルムとを予め積層接着したフィルムを、熱可塑性樹脂フィルム面側が表面となるように積層することが好ましい。積層方法は特に限定されるものではなく、予め樹脂層が積層された積層発泡シートの樹脂層面に熱可塑性樹脂フィルムを熱ラミネートにより積層してもよく、耐熱性発泡シートに樹脂層を押出ラミネートにより積層する際に熱可塑性樹脂フィルムを樹脂層に重ね合わせて一対のロール間を通過させることにより樹脂層及びフィルムを耐熱性発泡シートに積層してもよい。
本発明の積層発泡シートを熱成形して得られる成形体は電子レンジ加熱食品用容器として好適に用いられるものである。
熱成形方法としては、真空成形や圧空成形、更にこれらの応用としてフリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合わせた成形方法等が挙げられる。かかる熱成形法は、短時間に連続して容器を得ることができるので、好ましい方法である。
次に、本発明のポリスチレン系樹脂積層発泡シートについて、実施例、比較例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例において、製造装置として、第一押出機(スクリュー径115mm)と第二押出機(スクリュー径150mm)と第二押出機の出口に取付けられた口径180mmの環状ダイとを有するタンデム押出機を用いた。
実施例、比較例で用いたスチレン−αメチルスチレン共重合体を表1に、ポリスチレンを表2に、スチレン−メタクリル酸共重合体を表3に、ゴム変性ポリスチレン樹脂を表4に示す。
気泡調整剤として、タルク(松村産業株式会社製商品名「ハイフィラー#12」)を用いた。
[耐熱性発泡シートの製造]
実施例1〜5
スチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンと、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業社製タフプレン125)とを表5に示す通りに配合した混合樹脂100重量部に対し、気泡調整剤としてタルクが表5に示す量となるように添加し、第一押出機のホッパー上にセットしたバッチ式連続混合装置にて均一に混和した後、押出機へ供給した。押出機のシリンダー温度は最高設定温度を240℃とし、発泡剤として混合ブタン(ノルマルブタン35重量%とイソブタン65重量%との混合物)を前記混合樹脂100重量部に対して表5に示す量圧入し、続いて第二押出機にて、表5に示す押出温度に冷却してから、環状ダイに供給し、ダイのスリットを通して吐出量300kg/時で円筒状に押出して円筒状の発泡体を形成し、その直後に、円筒状の発泡体を、その内側と外側にエアーをかけて冷却すると共に、直径670mmの冷却装置(マンドレル)の外面に沿わて引取り、さらに押出方向に沿って2枚に切り開いて幅1050mmの耐熱性発泡シートを得た。得られた耐熱性発泡シートの物性を表6に示す。
比較例1〜4
表5に示すスチレン−メタクリル酸共重合体96重量部と、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(旭化成工業社製タフプレン125)4重量部との混合樹脂100重量部に対し、気泡調整剤としてタルクが表5に示す量となるように添加した以外は実施例1と同様に耐熱性発泡シートを得た。
[ビカット軟化温度]
耐熱性発泡シートの基材樹脂のビカット軟化温度は、JIS K7206:1999に基づいて、A50法で測定した。実施例及び比較例と同配合で押出機にて溶融混練したポリスチレン系樹脂の混練物を230℃で5MPaに加圧することにより気泡が混入しないようにして縦20mm×横20mm×厚み3mmの試験片を作製し、該試験片をアニーリング処理せずに測定に用いた。測定装置としては、株式会社上島製作所製「HDT/VSPT試験装置 MODEL TM−4123」を使用した。
なお、原料ポリスチレン系樹脂のビカット軟化温度の測定には、原料ポリスチレン系樹脂のペレットを230℃で5MPaに加圧することにより作製した試験片を用いた。
[樹脂層の積層]
実施例1〜5、比較例1〜4
実施例1〜3、比較例1、2においては、表2に示す種類のゴム変性ポリスチレン系樹脂を押出温度260℃でTダイから押出して、前記耐熱性発泡シートに表6に示す坪量となるように積層して積層発泡シートを得た。ライン速度は15m/分とした。また、実施例4、5、比較例3、4においては、樹脂層の積層時に、ポリスチレン層30μmとポリプロピレン層25μmとをドライラミネートしてなる多層フィルムをポリスチレン層側が樹脂層を向くように樹脂層に沿わせてロール間を通すことにより積層した。
得られた積層発泡シートの物性、接着性の評価を表6に示す。
表6における耐熱性発泡シートの厚み、坪量及び見掛け密度は以下の方法により求めた。まず、耐熱性発泡シートを幅方向に亘って押出方向に100mmの長さに切り出し、さらに幅方向の両端部25mmずつ切除し幅方向中央部1000mmの部分を試験片とした。この試験片をさらに幅方向に10等分し、その中央付近の厚みをマイクロゲージにより測定した。各測定点における厚みを算術平均した値を耐熱性発泡シートの厚みとした。また、該試験片の重量を測定し、その重量を試験片の面積(具体的には、1000mm×100mm)で割り算し、g/mに単位換算して耐熱性発泡シートの坪量とした。さらに、該坪量を上記厚みで割り算し、g/cmに単位換算して耐熱性発泡シートの見掛け密度とした。また、積層発泡シートの厚み、坪量及び見掛け密度も、試験片として積層発泡シートを用いた以外は上記と同様にして求めた。
表6における耐熱性発泡シートの積層面の表層密度、積層面の表面粗さ、積層発泡シートの平均気泡径、独立気泡率の測定は、前記の方法により行なった。
表6におけるゴム変性ポリスチレン系樹脂層の積層量(坪量)は、積層発泡シートの坪量から、予め測定しておいた耐熱性発泡シートの坪量を引き算することにより求めた。
[接着性評価]
発泡シートと樹脂層との接着性は以下のようにして評価した。まず、樹脂層を積層した積層発泡シートを400mm×400mmのサイズに切り出し、切り出した積層発泡シートを木枠(有効枠内300×300mm、枠幅50mm)に挟み160℃のオーブンで25秒加熱した。加熱した積層発泡シートからシートの幅方向に略等間隔に5個の試験片を切り出し、各試験片に対してJIS Z0237に準拠した方法によりそれぞれの剥離強度を測定し、それらの測定値(n=5)を算術平均することにより剥離強度を求めた。この測定を積層発泡シート製造後から1日おきに行い、剥離強度が500gf/25mm以下となり凝集破壊から界面破壊に変化するまでの日数を求めた。

Claims (2)

  1. ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートに、ゴム変性ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とする樹脂層が押出ラミネートにより積層接着された積層発泡シートであって、該耐熱性ポリスチレン系樹脂発泡シートの基材樹脂がスチレン−αメチルスチレン共重合体またはスチレン−αメチルスチレン共重合体とポリスチレンとの混合樹脂であることを特徴とするポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
  2. 前記樹脂層の表面に、熱可塑性樹脂フィルムが積層接着されていることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂積層発泡シート。
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