JP2007296686A - 多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】高価で複雑なダイスを用いず、一般の多層押出し加工ができるダイスにて、簡便に、発泡層の両面または片面に非発泡層が積層された状態で押出し積層された多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材を得る。
【解決手段】耐熱性樹脂からなる発泡層10の両面または片面に、耐熱性樹脂からなる非発泡層11、13が積層された状態で押出し発泡成形され、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度が発泡層10を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度より10℃以上低い多層押出発泡積層シート1および自動車内装材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材に関する。
従来、押出し発泡シートを用いて非発泡層を積層した積層シートとして、押出し発泡シートに、非発泡層をT−ダイを用いて押出し積層したり、熱ラミネートによる熱圧着により積層加工する方法等により得られたものは数多く見られる(例えば、特許文献1、2参照)。一方で、フィルム等を共押出し加工により一体化積層された積層フィルムは数多く見られる(例えば、特許文献3参照。)。しかし、非発泡層と発泡層を共押出しにより一体化積層された発泡積層シートの製造はほとんど実施されていない。これは、発泡層を構成する樹脂の流動粘度が発泡剤と混合することで大きく低下し、発泡に適した溶融粘度を得るため非常に低い温度領域で押出し発泡成形する必要がある一方で、そのような発泡層樹脂を押出し成形する温度領域では、発泡剤を含まない樹脂を押出し加工するには温度が低すぎ、樹脂の溶融粘度が非常に高く、安定した流動状態を確保することが困難であるという理由による。そこで、発泡剤を含有する樹脂の発泡に適した溶融粘度を得るための加工温度領域と、発泡剤を含まない樹脂を安定した流動状態で加工温度領域を両立させるために、押出し用のダイスの中で断熱構造を採用し、非発泡層を形成するに必要な樹脂加工温度を低下しない方策を施している。しかし、このような方策をとって作製されたダイスは巨大な構造部となり、かつ高価なものとなる。このため、ほとんど実施されていないのが実情である。
特開平8−281895号公報 特許第2905037号公報 特許第3222936号公報
本発明の目的は、上記のような高価で複雑なダイスを用いることなく、簡便に、発泡層の両面または片面に非発泡層が積層された状態で押出し積層された多層押出発泡積層シートおよびそれを用いた自動車内装材を提供することにある。
多層押出発泡積層シートを共押出し加工する場合、ダイスの中で、押出し樹脂の温度差を設定することなく、非発泡層と発泡層の樹脂を押出し加工することができれば、非常に簡易的に多層押出発泡積層シートを得ることが可能となる。本発明者らは、発泡層を構成する樹脂に対し、発泡剤を混合することで低下する樹脂の溶融粘度にあわせて、非発泡層の溶融粘度を低下する方策として、発泡層を構成する樹脂のガラス転移温度(以下、Tgともいう。)に対し、非発泡層を構成する樹脂のTgを低く設定したところ、非発泡層を構成する樹脂の流動性の低下問題が解消するとともに、良好な発泡積層シートを得ることを見出した。さらに、得られた多層押出発泡積層シートを二次加工するために、該積層シートを加熱成形すると、非発泡層を構成する樹脂が容易に軟化することで、発泡層を構成する発泡セルの形状追随性があがり、二次加工性に優れた材料になることを見出した。このように、発泡層を構成する樹脂のTgに対し、非発泡層を構成する樹脂のTgを調整した材料選択を行うことで、一般の多層押出し加工ができるダイスを用い、容易に多層押出発泡積層シート加工ができ、かつ加工性に優れた多層押出発泡積層シートを得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る多層押出発泡積層シートは、耐熱性樹脂からなる発泡層の両面または片面に、耐熱性樹脂からなる非発泡層が積層された状態で押出し発泡成形されてなり、前記非発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度が前記発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度より10℃以上低いことを特徴とする。また、本発明に係る自動車内装材は、多層押出発泡積層シートからなる。
前記発泡層を構成する耐熱性樹脂としては、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が好ましい。また、前記非発泡層を構成する耐熱性樹脂としては、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂又は耐熱ポリスチレン系樹脂が好ましく、更に前記耐熱ポリスチレン系樹脂としては、メタクリル酸変性ポリスチレン系樹脂または無水マレイン酸変性ポリスチレン系樹脂が好ましい。
また本発明に係る多層押出発泡積層シートおよび自動車内装材は、前記発泡層の厚さが1〜10mmであり、目付が100〜400g/m2であることが好ましい。
本発明に係る多層押出発泡積層シートおよび自動車内装材は、非発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度を、発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度より低くすることにより、発泡剤を含有しない耐熱性樹脂と発泡剤を含有する耐熱性樹脂とにおいて流動性に差が少なくなり、発泡剤を含有しない樹脂を安定した流動状態で加工できる温度領域と、発泡剤を含有する樹脂の発泡に適した溶融粘度を得るための温度領域を両立させるための断熱構造などを採用する必要がなく、一般の多層押出し加工ができるダイスを用い、容易かつ安価に多層の押出し発泡積層シートを得ることができ、また二次加工性にも優れている。
前記発泡層を構成する耐熱性樹脂として変性ポリフェニレンエーテル系樹脂を用いると、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である。また、前記前記非発泡層を構成する耐熱性樹脂として変性ポリフェニレンエーテル系樹脂又は耐熱ポリスチレン系樹脂を用いると発泡層との接着性がよい。特に前記耐熱ポリスチレン系樹脂としてメタクリル酸変性ポリスチレン系樹脂または無水マレイン酸変性ポリスチレン系樹脂を用いると、耐熱性改善効果、汎用性およびコストの面で有利である。
本発明に係る多層押出発泡積層シートは、耐熱性の熱可塑性樹脂からなる発泡層の両面に、耐熱性の熱可塑性樹脂からなる非発泡層が積層された状態で押出し発泡成形されている。また、本発明に係る自動車内装材は、前記多層押出発泡積層シートからなる。以下、本発明の多層押出発泡積層シートおよび自動車内装材を、図面に基づいて説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層押出発泡積層シート1または自動車内装材の断面の構成を示している。発泡積層シート1(自動車内装材、以下同じ。)は、耐熱性樹脂を基材樹脂とする押出発泡シートである発泡層10の両面または片面に、耐熱性樹脂を基材樹脂とする非発泡層11及び/又は13が積層される。
発泡シートである発泡層10の基材樹脂として使用される耐熱性樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱性ポリスチレン系樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱性ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(以下、PPEともいう。)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合体等のスチレン・フェニレンエーテル共重合体等の変性PPE系樹脂;、ポリカーボネート樹脂;ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独または、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、耐熱性、剛性等の品質に優れ、加工性および製造が容易である点で、変性PPE系樹脂が好ましい。
前記変性PPE系樹脂は、PPE系樹脂とポリスチレン(以下、PSともいう。)系樹脂との混合樹脂であることが好ましい。
変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)などが挙げられ、これらは単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせてもよい。これらのなかでも、汎用性およびコストの点で、スチレンが好ましい。
変性PPE系樹脂中においてPPE系樹脂と混合樹脂を形成するPS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどを主成分とする樹脂が挙げられる。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
本発明において、発泡シートである発泡層10に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、通常、PPE系樹脂25〜70重量%およびPS系樹脂75〜30重量%であることが好ましく、PPE系樹脂35〜60重量%およびPS系樹脂65〜40重量%であることがより好ましく、PPE系樹脂38〜58重量%およびPS系樹脂62〜42重量%であることがさらに好ましい。変性PPE系樹脂中のPPE系樹脂が25重量%より少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂が70重量%を超えると、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
本発明における発泡シートである発泡層10は、発泡剤として炭化水素系発泡剤を用いて押出発泡成形して得られるものが好ましい。
前記炭化水素系発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、具体的には、例えば、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンなどが挙げられる。なかでも、発泡剤の溶解度を示すカウリブタノール値(KB値)が20〜50である炭化水素系発泡剤が好ましい。また、この範囲よりもKB値の高いものと低いものとを2種以上適宜混合して前記範囲としたものも使用することができる。前記発泡剤の具体例のなかでも、発泡剤の適度な溶解性および発泡剤の逸散性が小さく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が小さい点で、イソブタン、または、イソブタンおよびノルマルブタンの混合体であって、イソブタンの比率が高いものが好ましい。発泡剤がイソブタンおよびノルマルブタンの混合体である場合は、混合体中のイソブタン含有量は、50重量%以上が好ましい。イソブタン含有量が50重量%より少ないと発泡剤の逸散性が大きく、発泡層の経時変化に伴う発泡性の変化が大きくなる傾向がある。
前記炭化水素系発泡剤の添加量は、耐熱性樹脂100重量部に対し、2.0〜5.0重量部であることが好ましく、2.5〜4.5重量部であることがより好ましい。炭化水素系発泡剤の添加量が2.0重量部より少ないと、押出発泡シート成形加工時の発泡層の板厚確保が困難となり、良好な押出発泡成形性を得るのに悪影響を与える傾向があり、5.0重量部を超えると、押出発泡が不安定になったり、発泡シートの表面荒れが発生する傾向がある。
耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さとしては、1.0〜10.0mmが好ましく、2.5〜8.5mmがより好ましい。発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の厚さが1.0mmより小さいと、強度および断熱性に劣り、自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、10.0mmを超えると、成形時に熱がかかる際、発泡層10の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行えず、成形性が低下する傾向がある。
発泡シートである発泡層10(1次発泡層)のセル径は0.05〜0.9mmが好ましく、0.1〜0.7mmがより好ましい。セル径が0.05mmより小さいと、充分な強度が得られ難くい傾向があり、0.9mmを超えると、断熱性に劣る傾向がある。
発泡シートである発泡層10(1次発泡層)の目付は100〜400g/m2が好ましく、120〜200g/m2がより好ましい。目付が100g/m2より低いと、内装用基材としての剛性が不足する傾向があり、目付が400g/m2を超えると、重量増により軽量性の効果が低下する傾向がある。
発泡シートである発泡層10(1次発泡層)中の残存揮発成分の量は、発泡層10の全重量に対して1.0〜5.0重量%が好ましく、2.0〜4.0重量%がより好ましい。残存揮発成分が1.0重量%より少ないと、加熱成形後の発泡層10の厚みが薄くなるため、剛性の維持、良好な加熱成形性を得るのに影響を与える傾向がある。また、残存揮発成分が5.0重量%を超えると、接着剤層との間に空気溜まりが発生したり、経時による寸法安定性が低下する傾向がある。なお、発泡層10中の残存揮発成分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層10の試験片を耐熱性樹脂が軟化をはじめる温度以上で分解温度以下の温度範囲で加熱して揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定することができる。
なお、一般に、発泡シートである発泡層10(1次発泡層)においては、押出発泡成形時に延伸され扁平となっていたセルが、成形加熱時に扁平率を解消する方向にその形状を変化させることにより、加熱収縮が発現する。その加熱収縮が、結果的に多層押出発泡積層シート(自動車内装材)1の耐熱変形を起こす。前記耐熱変形とは、自動車内装材を加熱試験した場合、加熱前後での発泡セルの加熱収縮による形状変形等により自動車内装材の寸法変化が発生することを意味し、例えば、自動車天井材の場合、加熱試験後の天井成形体の屈曲部において、加熱試験で変形が発生し、フロント端末部位の変形になることである。この加熱収縮による耐熱変形量は、二次加熱成形時の加熱温度を135〜155℃の範囲に制御し、発泡層10のセルに加熱成形時の歪みを与えない条件にて成形加工することなどにより小さくすることができる。
発泡シートである発泡層10の基材樹脂には、必要に応じて気泡調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤、タルクなどを添加してもよい。
また、非発泡層11、13に用いられる耐熱性樹脂としては、具体的には、例えば、PS系樹脂、耐熱PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうちでも、発泡層10との接着性の観点から、発泡層を構成する耐熱性樹脂が変性ポリフェニレンエーテル系樹脂である場合には、非発泡層11,13に用いられる耐熱性樹脂として変性PPE系樹脂および耐熱PS系樹脂が好ましく使用される。
非発泡層11、13に用いられる変性PPE系樹脂は、発泡層10の場合と同様に、PPE系樹脂に対しスチレン系化合物を主体とする単量体による重合またはその重合体との混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層10において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)で代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡層11、13の耐衝撃性改善効果が大きいという点から好ましい。
また、非発泡層11、13として使用される耐熱PS系樹脂としては、スチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体である。耐熱性の改善効果を有し、スチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
また、非発泡層11、13として使用される耐熱PS系樹脂としては、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものと、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体が、その耐熱性改善効果、汎用性およびコストの面から好ましい。
前記のような耐熱PS系樹脂は単独で用いても良く、または2種類以上組み合わせても良い。
また、前記耐熱PS系樹脂は、他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよい。ブレンドする熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(ハイインパクトポリスチレン:HIPS)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミドやそれらの共重合体などが挙げられる。これらのうちでは、汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
非発泡層11、13の目付は50〜300g/m2が好ましく、75〜200g/m2がより好ましい。非発泡層の目付が50g/m2より低い場合には、強度、剛性、耐熱性などが低下する傾向があり、300g/m2より高い場合には、多層押出発泡積層シート1の成形性が劣る傾向にある。
非発泡層11、13の耐熱性樹脂には、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。耐衝撃性改良剤は、非発泡層11、13を発泡層10に積層し、加熱成形した積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層11、13の割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層11、13に耐衝撃性を付与することができる。
次に、本発明に係る多層押出発泡積層シート1を製造する際の、非発泡層11、13と発泡層10を共押出し加工による積層加工について説明する。
一般に、発泡層10は、発泡層10を構成する樹脂の流動粘度が、発泡剤と混合することで大きく低下するため、発泡加工に適した樹脂の溶融粘度を得るためには非常に低い温度領域で押出し発泡成形加工を行う必要がある。その一方で、非発泡層11、13を構成する樹脂においては、発泡層10を押出し発泡成形加工する押出し加工温度領域では、樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ、安定した樹脂の流動状態を維持できず押出し加工することが困難であるとされていた。この点、本発明では、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂のTgを発泡層10を構成する耐熱性樹脂のTgより低くすることで、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂の流動性を向上させ、安定的、かつ経済的に多層押出発泡積層シートを製造可能とした。
従って、本発明においては、非発泡層11、13に用いられる耐熱性樹脂のTgを、発泡層10に用いられる耐熱性樹脂のTgより低くしてあり、非発泡層の11、13の安定した樹脂の流動状態を維持するため、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂のTgを発泡層10を構成する耐熱性樹脂のTgより10℃以上低く設定してなる。より好ましくは、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂のTgを発泡層10を構成する耐熱性樹脂のTgより15℃以上低く設定する。これにより、非発泡層11、13を構成する耐熱性樹脂と発泡層10を構成する耐熱性樹脂との流動性の差が小さくなり、通常のダイスを用いて発泡層10と非発泡層11、13との共押出し加工が可能となる。
前記発泡層10と非発泡層11、13の基材樹脂のTgの調整方法としては、例えば、変性PPE系樹脂とPS系樹脂とを混合(ブレンド)するに際し、混合する樹脂の配合比率を調整することで、所望のTgを有する基材樹脂を得ることができる。これは、変性PPE系樹脂とPS系樹脂との混合品(ブレンド品)のTgが、ポリスチレンのTgとPPEのTgとの間に直線関係が成立することによるものである。さらに、変性PPE系樹脂は、PS系樹脂との変性によっても種々のTgを有するものを得ることができる。また、同種のPS系樹脂においても、樹脂の相溶性の点から、混合(ブレンド)する樹脂の配合比率を調整することで、所望のTgを有する基材樹脂を得ることができる。
次に、本発明の多層押出発泡積層シート1の製造法について説明する。本発明に係る、発泡層10に非発泡層11、13が積層された多層押出発泡積層シート1は、例えば、以下のように製造することができる。すなわち、発泡層10を構成する基材樹脂である耐熱性樹脂に対し、必要に応じ各種の添加剤をブレンドしたものを、第1の押出機の1段目の押出機を用いて樹脂温度150〜400℃にて溶融、混練する。次いで、高温高圧(樹脂温度150〜400℃および樹脂圧3〜50MPa)下にある押出機内へ、耐熱性樹脂100重量部に対して炭化水素系発泡剤2.0〜5.0重量部を圧入する。その後、発泡剤が混合され溶融状態にある耐熱性樹脂を第1の押出機の2段目の押出機に導入し、樹脂温度を発泡最適温度域(150〜300℃)に調節した後、図2に示すように、サーキュラーダイス20内の流路21へ導入する。一方で、非発泡層11,13を構成する基材樹脂である耐熱性樹脂を、第2及び第3の押出機を用いて、それぞれ樹脂温度150〜300℃に調整した後、発泡剤が混合され溶融状態にある耐熱性樹脂が導入されたダイス20内の環状流路21の内外両面または内面または外面のいずれか一方の片面に、樹脂導入路22、23から内外の環状ノズル24、25を経て導入し、ダイス20内で発泡層を構成する発泡剤が混合され溶融状態にある耐熱性樹脂と非発泡層を構成する溶融状態にある耐熱性樹脂を一体化させた後、ダイス20の環状のリップ出口26から、低圧帯(通常は大気中)に押出し発泡させる。その後、マンドレル(円筒状冷却筒)などに接触させながら、例えば0.5〜40m/分の速度で引き取ることによりシート状に成形し、カットした後、巻き取るなどの方法により製造することができる。
上記のようにして得られた発泡層10の両面または片面に非発泡層11、13を積層した多層押出発泡積層シート(1次発泡積層シート)1から賦型により自動車内装材を得る成形方法としては、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に1次発泡積層シートをクランプして導き、成形に適した温度(例えば、発泡積層シートの表面温度を135〜155℃)になるように加熱した後、温度調節した金型にてプレス冷却し、賦形する方法が挙げられる。
成形方法の例としては、具体的には、例えば、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法が挙げられる。
発泡層(1次発泡シート)を成形加熱させる際には、加熱成形後の発泡層の厚さを、1.2〜20.0mmにすることが好ましく、2.25〜10.5mmがより好ましく、3.0〜7.0mmがさらに好ましい。加熱成形後の発泡層の厚さが1.2mmより小さいと、強度および断熱性が劣り、自動車内装材用基材として適当でない場合がある。厚さが20.0mmを超えると、成形賦形時の形状発現性が劣ったり、必要以上に嵩高くなり車室内が狭くなる傾向がある。
このようにして得られる自動車内装材の全体の目付けは、200〜1000g/m2が好ましく、270〜600g/m2がさらに好ましい。自動車内装材の全体の目付けが200g/m2未満では、強度が劣り、曲げ等による破損が生じ易い傾向がある。1000g/m2を超えると、重量増に伴う取り扱い性(作業者のハンドリング性)が低下する傾向がある。
以上、本発明に係る多層押出発泡積層シートおよび自動車内装材の実施態様を種々説明したが、本発明は前記の態様に限定されるものではない。例えば、本発明の多層押出発泡積層シートは、用途として電車、航空機、建築物の室内などの内装材用発泡積層シートとしても使用することができる。その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
実施例に用いた樹脂を表1に示す。
Figure 2007296686
なお、表1に示した各符号に関する記載は以下の通りである。
PPE :ポリフェニレンエーテル樹脂
PS :ポリスチレン樹脂
SMAA :メタクリル酸変性ポリスチレン樹脂
SMA :無水マレイン酸変性ポリスチレン樹脂
HIPS :ハイインパクトポリスチレン樹脂
また、実施例で行った評価方法を以下に示す。
(発泡層および成形体の厚さ)
得られた多層押出発泡積層シートに対し、幅方向に20ヵ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
(発泡倍率)
得られた多層押出発泡積層シートの密度dfをJIS K 7222に準じて測定し、別途、変性PPE系樹脂の密度dpをJIS K 7112に準じて測定し、発泡倍率=dp/dfの式により算出した。
(独立気泡率)
得られた多層押出発泡積層シートに対し、マルチピクノメーター(ベックマン社製)を用いて、ASTMD−2859に準じて測定し、独立気泡率を求めた。
(セル径)
発泡層の断面を光学顕微鏡で観察して20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
(目付)
得られた多層押出発泡積層シートにおいて押出方向の任意の5ヵ所より、100mm×100mmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定した後、平均値を算出し、m2当たりに換算した。
(多層押出発泡積層シートの外観)
得られた多層押出発泡積層シートの表面外観を目視にて観察し、以下の基準で判定した。
○: 平滑美麗な状態。
△: 一部に微小な凸凹が観察される。
×: 著しい凸凹が観察される。
(成形性)
得られた多層押出発泡積層シート(1次発泡積層シート、サイズ:幅1m×長さ1m)を、上下に遠赤外線ヒーターを持つ加熱炉の中央にクランプして導き、1次発泡積層シートの表面温度を135〜155℃になるように加熱した後、温度調節した箱型用金型(金型サイズ:幅400mm×長さ400mm)にてプレス冷却し、賦型した後、トリミング型にてトリミングをした自動車内装材の割れを目視にて観察し、以下の基準で判定した。
○: 外観に異常なく、形状が発現している。
△: 一部皺が観察されるが、形状は発現している。
×: 割れが発生している。又は、皺が多数観察され、形状に不明瞭な箇所がある。
(実施例1)
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対して、イソブタンを主成分とする炭化水素系発泡剤(イソブタン/ノルマルブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を第1の押出機であるタンデム押出機の1段目の押出機(日本製鋼所(株)製、φ65mm押出機)により樹脂温度270℃にて混練し、2段目の押出機(日本製鋼所(株)製、φ90mm押出機)により樹脂温度を196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスに導入した。一方で、スチレン−メタクリル酸共重合体(C)50.0重量部、HIPS樹脂(E)50.0重量部とを混合した混合樹脂を、第2の押出機(日本製鋼所(株)製、φ65mm押出機)を用い樹脂温度200℃にて溶融、混練し、サーキュラーダイスに導入した。他方で、スチレン−メタクリル酸共重合体(C)50.0重量部、HIPS(E)50.0重量部とを混合した混合樹脂を、第3の押出機(日本製鋼所(株)製、φ65mm押出機)を用い樹脂温度200℃にて溶融・混練し、サーキュラーダイスに導入した。それぞれの溶融樹脂をサーキュラーダイス内の流路で一体化させ、サーキュラーダイスのリップ出口から押出し、マンドレル冷却後、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取った。得られた多層押出発泡積層シートは、厚さ2.4mm、発泡倍率11.0倍、独立気泡率88%、セル径0.16mm、全体目付250g/m2(発泡層目付150g/m2、非発泡層の各面の目付50g/m2)であった。
この多層押出発泡積層シートの発泡層を構成する樹脂のTgは141℃、発泡層の両表面に積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは125℃である。
この多層押出発泡積層シートの巾方向2方をクランプして加熱炉に入れ、多層押出発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した。その後、箱型形状の金型にて、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行い、トリミング、パンチング加工を施し、自動車内装材を得た。得られた自動車内装材の外観を観察したところ、表2に示したとおり、割れ等外観異常は観察されなかった。また、加熱成形後の発泡シートの厚さは5.4mmであった。
(実施例2)
非発泡層の基材樹脂としてPPE系樹脂成分15重量%およびPS系樹脂成分85重量%となるようにPPE樹脂(A)21.4重量部およびPS樹脂(B)78.6重量部を混合した混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして多層押出発泡積層シートを得た。得られた多層押出発泡積層シートは、厚さ2.4mm、発泡倍率10.0倍、独立気泡率90%、セル径0.16mm、全体目付250g/m2(発泡層目付150g/m2、非発泡層の各面の目付50g/m2)であった。
この多層押出発泡積層シートの発泡層を構成する樹脂のTgは141℃、発泡層の両表面に積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは115℃である。
また、得られた多層押出発泡積層シートから実施例1と同様にして自動車内装材を得、外観を観察したところ、表2に示したとおり、割れ等外観異常は観察されなかった。また、加熱成形後の発泡シートの厚さは5.3mmであった。
(実施例3)
PPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂100重量部に対して、イソブタンを主成分とする炭化水素系発泡剤(イソブタン/ノルマルブタン=85/15重量%)3.5重量部およびタルク0.32重量部を第1の押出機であるタンデム押出機の1段目の押出機により樹脂温度270℃にて混練し、2段目の押出機により樹脂温度を196℃まで冷却し、圧力10MPaでサーキュラーダイスに導入した。一方で、PPE系樹脂成分20重量%およびPS系樹脂成分80重量%となるようにPPE樹脂(A)28.6重量部およびPS樹脂(B)71.4重量部を混合した混合樹脂を、第2の押出機を用い樹脂温度200℃にて溶融、混練し、サーキュラーダイスに導入した。他方で、PPE系樹脂成分10重量%およびPS系樹脂成分90重量%となるようにPPE樹脂(A)14.3重量部およびHIPS樹脂(D)85.7重量部を混合した混合樹脂を、第3の押出機を用い樹脂温度200℃にて溶融、混練し、サーキュラーダイスに導入した。それぞれの溶融樹脂をサーキュラーダイス内の流路で一体化させ、サーキュラーダイスのリップ出口から押出し、マンドレル冷却後、引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻取った。得られた多層押出発泡積層シートは、厚さ2.3mm、発泡倍率11.5倍、独立気泡率89%、セル径0.16mm、全体目付250g/m2(発泡層目付150g/m2、非発泡層の各面の目付50g/m2)であった。
この多層押出発泡積層シートの発泡層を構成する樹脂のTgは141℃である。また発泡層の表面に積層した非発泡層の内、PPE系樹脂成分20重量%およびPS系樹脂成分80重量%になるように積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは120℃である。さらに、PPE系樹脂成分10重量%およびPS系樹脂成分90重量%となるように積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは109℃である。
得られた多層押出発泡積層シートから実施例1と同様にして自動車内装材を得、外観を観察したところ、表2に示したとおり、割れ等外観異常は観察されなかった。また、加熱成形後の発泡シートの厚さは5.3mmであった。
(実施例4)
非発泡層の基材樹脂として、スチレン−無水マレイン酸共重合体(C)50.0重量部、HIPS樹脂(D)50.0重量部とを混合した混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして多層押出発泡積層シートを得た。得られた多層発泡積層シートは、厚さ2.4mm、発泡倍率11.0倍、独立気泡率88%、セル径0.16mm、全体目付250g/m2(発泡層目付150g/m2、非発泡層の各面の目付50g/m2)であった。
この多層押出発泡積層シートの発泡層を構成する樹脂のTgは141℃、発泡層の両表面に積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは118℃である。
得られた多層押出発泡積層シートから実施例1と同様にして自動車内装材を得た。得られた自動車内装材の外観を観察したところ、表2に示したとおり、割れ等外観異常は観察されなかった。また、加熱成形後の発泡シートの厚さは5.4mmであった。
(比較例1)
非発泡層を構成する耐熱性樹脂として、発泡層を構成する耐熱性樹脂と同様のPPE樹脂成分40重量%およびPS樹脂成分60重量%となるようにPPE樹脂(A)57.1重量部およびPS樹脂(B)42.9重量部とを混合した混合樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、発泡層及び非発泡層それぞれの溶融樹脂をサーキュラーダイス内の流路で一体化させ、サーキュラーダイスのリップ出口から押出したが、非発泡層がシュリンクした発泡積層シートしか得られなかった。なお、この多層押出発泡積層シートの発泡層を構成する樹脂及び発泡層の両表面に積層した非発泡層を構成する樹脂のTgは、いずれも141℃であった。
Figure 2007296686
以上の実施例1〜4及び比較例1から明らかなように、本発明により、非発泡層を構成する耐熱性樹脂のTgを、発泡層を構成する耐熱性樹脂のTgより低くすることにより、一般の多層押出し加工ができるダイスを用いて、容易かつ安価に多層の押出し発泡積層シートを得ることができ、また得られた多層押出発泡積層シートは二次加工性にも優れている。
本発明に係る多層押出発泡積層シートの要部拡大断面図(模式図)。 本に係る多層押出発泡積層シートの製造に使用されるダイスの一例を示す断面図。
符号の説明
1:多層押出発泡積層シート、 10:発泡層、 11、13:非発泡層、 20:サーキュラーダイス、 21:ダイス内流路、 22、23:樹脂導入路、 24、25:環状ノズル、 26:リップ出口。

Claims (6)

  1. 耐熱性樹脂からなる発泡層の両面または片面に、耐熱性樹脂からなる非発泡層が積層された状態で押出し発泡成形されてなり、前記非発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度が前記発泡層を構成する耐熱性樹脂のガラス転移温度より10℃以上低いことを特徴とする多層押出発泡積層シート。
  2. 前記発泡層を構成する耐熱性樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の多層押出発泡積層シート。
  3. 前記非発泡層を構成する耐熱性樹脂が、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂又は耐熱ポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の多層押出発泡積層シート。
  4. 前記耐熱ポリスチレン系樹脂が、メタクリル酸変性ポリスチレン系樹脂または無水マレイン酸変性ポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の多層押出発泡積層シート。
  5. 前記発泡層が、厚さが1〜10mmであり、目付が100〜400g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層押出発泡積層シート。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の多層押出発泡積層シートからなる自動車内装材。
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