JP7310392B2 - 発泡シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡シートの製造方法に関する。詳しくは、2.1倍より大きい発泡倍率と20Vol.%より低い連続気泡率を有する発泡層を含む発泡シートの製造方法に関する。さらに詳しくは、Tダイを備えた押出機によって発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、樹脂シートを冷却する冷却工程とを含む、発泡シートの製造方法に関する。
熱可塑性樹脂の押出発泡成形では、一般的に、Tダイやサーキュラーダイが用いられる。優れた外観が要求される場合、ロールによる転写や表面の平滑化が容易であることから、Tダイを用いた押出発泡が広く用いられている。
特に、ポリプロピレンのように、結晶性を有する熱可塑性樹脂をTダイを備えた押出機によって発泡成形する場合、微細な独立気泡を形成することでシートの表面特性を良好にすることができる。シートの表面特性を良好にするためには、材料特性に加えて、ダイスから吐出された溶融樹脂を引き取ってシートを成形する際の冷却工程が重要となる。生成した気泡の成長を微細な状態で冷却して停止させるために、特殊な冷却設備や冷却手法を用いることが報告されている。更に、コルゲートといわれる、発泡シートの幅方向での波打ち現象を解消するために、特殊な冷却設備や冷却手法を用いることが報告されている。
例えば、特許文献1には、ダイ出口に近接した位置に引取ロールを設置し、その引取ロールの後に冷却ロールを設置するシートの製造方法が開示されている。特許文献2、3には、ダイ出口に近接して、多段の冷却ロールを設けた装置が開示されている。特許文献4には、ダイス出口の後に予備冷却ロールを設けるとともに、シートに冷却媒体を吹き付ける方法が開示されている。特許文献5には、連動する複数の冷却ロールを備えた装置によってシートを製造する方法が開示されている。
特許第3597266号 特許第6171717号 特許第6232832号 特開2001-347560 特許第5457077号
上述のように、ダイス出口に近接した位置に冷却ロールを備えた装置によって、溶融樹脂の冷却を強化することが可能である。また、上述の多段の冷却ロールを用いて、樹脂シートの両表面を迅速に冷却し、シートの外観を大きく向上させることができる。
しかし、特に、発泡倍率が大きい場合、従来の方法では、良好な連続気泡率と優れた外観とを両立することは難しい。また、条件の調整が困難であり、個人の経験に頼る部分が大きい。
すなわち、Tダイ押出発泡においては、溶融樹脂の冷却を強化し、外観を向上させる為に、ダイスに近接した第一の冷却ロールと、それに続く冷却ロール群で樹脂シートの両面を冷却することが重要である。この冷却過程においては、発泡によるシートの体積の膨張と、冷却固化によるシートの体積の減少が生じる。そのため、冷却過程の各段階において、樹脂シートの引き取りの状態を良好に維持する必要がある。樹脂シートの引き取りの状態が良好でない場合、以下のような不具合が生じることがある。
第一に、ダイスから吐出された溶融樹脂が発泡する過程でシートの体積が膨張する際に、樹脂シートの引き取りに伴い発生する張力が強すぎると、樹脂シートが過度に引き延ばされ、大きな張力が生じ、気泡の潰れや破泡などの発泡不良が生じる。逆に、樹脂シートの引き取りに伴い発生する張力が弱すぎると、前述のコルゲートが顕著となり、外観不良が生じる。
第二に、樹脂シートの冷却固化過程においても、樹脂シートにかかる張力が大きくなり過ぎると、気泡の潰れや破泡などの発泡不良が生じる。逆に、シートの張力を緩和するために、樹脂シートを引き取る力を弱くし過ぎると、シートにシワが生じるため、外観が不良となる。また、樹脂シートと冷却ロールが良好に密着しないため、冷却効率が低下して、連続気泡率が過度に高くなる。
即ち、シート成形時の各過程において、樹脂シートの体積が増減するため、樹脂シートに過大な張力が生じた場合、前述のような発泡不良が発生する。
しかし、多段の冷却ロールを備えた設備を用いた場合等に、好適なシートの引き取り条件を見出すことは非常に困難である。特に、発泡倍率が大きくなるに伴い、前述の樹脂シートの体積の膨張や収縮が大きくなる。また、発泡過程における気泡の成長が速くなり、シート体積に占める気泡の割合が大きくなる。その結果、樹脂シートが潰れやすくなり、気泡の合一や破泡が生じやすくなる。このような場合、樹脂シートを適切な張力で引き取る為の条件の調整は一層困難になる。
この点について、例えば特許文献1には、ダイスの出口に冷却ロールを近接させることが記載されている。また、ダイスと冷却ロールの距離、及び、冷却ロールが樹脂シートを引き取る方向の角度θを調整することが記載されている。しかし、特許文献1には、樹脂シートの張力を制御することが記載されていない。また、ロールの駆動方法の重要性について記載されていない。
また、特許文献1には、発泡倍率が2.1倍までの実施例しか記載されていない。このため、発泡倍率がさらに大きくなった場合に、同様にシートを良好に成形できるとは限らない。実際には、発泡倍率が大きくなった場合、第一の冷却ロール、及び、それに続く冷却ロール(群)を調整し、樹脂シートの冷却過程において、各部の張力を制御することが、良好な発泡シートを得る為に非常に重要となる。
さらに、複数の冷却ロールを有する設備の場合、同様の観点から、各冷却ロールの間における樹脂シートの張力を適切にする為に、複数本の各冷却ロールの速度を個別に調整する必要がある。しかし、例えば、各冷却ロールの速度を独立に制御したとしても、引き取られている樹脂シートの状態を目視だけで確認することは困難である。このような理由から、成形された樹脂シートをサンプリングして、発泡倍率、連続気泡率などを測定する。また、樹脂シートの断面の気泡形態を観察する。これらの結果に基づいて、樹脂シートの状態を評価し、評価結果に基づいてロールの速度等を変更する作業を繰り返す。このように、各ロールの速度を好適な範囲に調整する作業には、長時間を要する。条件調整にかかる時間が長くなると、発泡シート製造時の材料ロスが多くなってしまう。また、発泡倍率や材料配合を変更することによって発泡状態が変化する度に、前述のような各ロールの速度の条件調整が必要となる。このような理由により、シートの張力を容易に調整することが可能であり、良好な発泡シートを製造することのできる方法が望まれている。
このように、Tダイを用いた押出発泡成形において、2.1倍より大きな発泡倍率と20Vol.%よりも低い連続気泡率を有し、優れた外観を有する発泡シートを容易に得ることは、従来解決されていない課題となっている。
本発明は、このような事情に鑑みて、Tダイを用いた押出発泡成形において、樹脂シートの引き取り過程における各部の張力が過大にならない発泡シートの製造方法を提供することを目的とする。また、優れた外観を有し、高い発泡倍率と低い連続気泡率を有する発泡シートを容易に得ることが可能な発泡シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Tダイを用いた押出発泡成形において、シートの張力が過大にならない状態でシートを引き取ることによって、優れた外観を有し、高い発泡倍率を有する発泡シートが容易に得られることを見出した。具体的には、ダイス出口の直後に配置され、駆動機構を有する第一の冷却ロール(A)と、第一の冷却ロールより後方に配置され、樹脂シートの引き取り速度を決定する、引取速度決定ロールと、第一の冷却ロールと引取速度決定ロールとの間に配置される、一本以上の冷却ロール(群)(B)によってシートの冷却を行うと共に、シートの張力が過大にならない状態でシートを引き取ることにより、良好な発泡シートが容易に得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]
熱可塑性樹脂からなる発泡シートの製造方法であって、
前記発泡シートは、2.1倍より大きい発泡倍率と、20Vol.%よりも低い連続気泡率を有する発泡層を含み、
Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、前記樹脂シートを冷却する冷却工程とを含み、
前記冷却工程では、ダイス出口の直後に配置され、駆動機構を有する第一の冷却ロール(B)と、第一の冷却ロールより後方に配置され、樹脂シートの引き取り速度を決定する、引取速度決定ロールと、第一の冷却ロールと引取速度決定ロールとの間に配置される、一本以上の冷却ロール(群)(B)によって樹脂シートの冷却を行うと共に、樹脂シートの張力が過大にならない状態で、樹脂シートを引き取ることを特徴とする、発泡シートの製造方法。
[2]
第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度をR1、引取速度決定ロールによる樹脂シートの引き取り速度をR2としたとき、R2×1.10≧R1≧R2×0.90の関係を満たす、[1]に記載の発泡シートの製造方法。
[3]
第一の冷却ロール(A)の外径が、300mm以下である、[1]又は[2]に記載の発泡シートの製造方法。
本発明の発泡シートの製造方法により、シートの張力が過大にならないような条件調整が可能となる。また、発泡倍率が高くても、成形時の気泡潰れが軽減され、良好な発泡特性と、優れた外観を満足する発泡シートが得られる。
また、本発明の発泡シートを用いた成形体は、耐衝撃性、軽量性、剛性、耐熱性、断熱性、耐油性等に優れている。本発明の発泡シートを用いた成形体は、電子レンジによる加熱やホット飲料等の充填などにも対応したトレー、皿、カップなどの食品容器、自動車ドアトリム、自動車トランクマットなどの車両内装材、建材、包装、文具などに好適に適用することができる。
樹脂シートを引き取る設備全体の構成例を示す。 樹脂シートを引き取る設備全体の構成例を示す。 樹脂シートを引き取る設備全体の構成例を示す。 樹脂シートを引き取る設備全体の構成例を示す。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.第一の冷却ロール(A)
以下、本発明の第一の冷却ロール(A)について説明する。
第一の冷却ロール(A)は、ダイス出口の直後に配置される必要がある。ここでいう「ダイス出口の直後」とは、ダイス出口と第一の冷却ロール(A)の表面との最短距離が0.01mmより大きく50mm以下であることを意味する。この範囲の中で、樹脂シートの厚みや樹脂の発泡状態に応じて、ダイス出口と第一の冷却ロール(A)の表面との距離を調整することができる。一般的には、目的とするシートの厚みが増加するのに伴い、この距離はより大きくなる。コルゲートを抑制し、シートを短時間に冷却するという観点からは、外観に影響が生じない範囲で、第一の冷却ロール(A)をダイスにより近い位置に配置することが望ましい。一方、第一の冷却ロール(A)がダイスに近くなり過ぎると、シートの成形時、シートからの負荷によって第一の冷却ロール(A)が撓み、第一の冷却ロール(A)がダイスに接触し、成形不良や機器の損傷等を生じることがある。このため、ダイスと第一の冷却ロールの間の距離は、0.1mmより大きく、50mm以下であることがより好ましい。
押出方向に垂直な方向における、第一の冷却ロール(A)の配置については、特に制限は無く、溶融樹脂の発泡状態に応じて自由に選択することができる。第一の冷却ロール(A)の高さを調整することにより、ダイスから吐出された溶融樹脂を速やかに冷却しつつ、樹脂シートの体積が過度に膨張することを抑制することができる。その結果、製造された発泡シートにコルゲートが発生することを抑制することができる。
第一の冷却ロール(A)は、他のロールとは独立に速度を制御できる駆動機構、或いは、張力を制御できる機構を備える必要がある。このような機構は、シートの成形中にシートの張力を調整する為に必要である。第一の冷却ロール(A)の駆動機構は、ロール速度を制御できる限り、特に制限はない。第一の冷却ロール(A)の駆動機構には、一般的なインバーターモーターやACサーボモーターなどを適用できる。ギア、ベルト等を用いて、モーターの動力を、第一の冷却ロール(A)に伝達することで第一の冷却ロール(A)を駆動させることができる。
第一の冷却ロール(A)の速度を独立で制御することにより、引取速度決定ロールで決定される引取速度と、第一の冷却ロール(A)の速度との間に差をつけることが可能である。これにより、冷却ロール(群)全体において、シートの張力を調整することが可能となる。シートの張力を調整することにより、樹脂シートの冷却過程における気泡潰れを抑制しながら、優れた外観を有するシートを成形することができる。第一の冷却ロール(A)の速度と引取速度決定ロールの速度との間の差を調整することは、特に発泡倍率が大きい場合等に、成形中の樹脂シートの張力を調整する為に非常に重要となる。
第一の冷却ロール(A)の外径は、300mm以下であることが好ましく、より好ましくは30~300mmの範囲である。第一の冷却ロール(A)の外径が300mm以下だと、第一の冷却ロール(A)の配置を微調整することが可能となる。また、第一の冷却ロール(A)をダイスに近接させた状態であっても、第一の冷却ロール(A)表面と、引き取られる樹脂シートとの角度を小さくすることができる。その結果、発泡過程においてシートに発生する張力を低減することが可能であり、シートの冷却工程において、気泡の潰れを抑制することができる。さらに、引取速度が同じであり、ロール及びシートの配置が同じである場合において、第一の冷却ロール(A)の外径が小さい程、それに続く第二の冷却ロールへシートを短時間で導くことができる。その結果、樹脂シートの両表面を素早く冷却することが可能となる。また、ロールの外径が大きい場合と比較して、第一の冷却ロールと樹脂の接触時間が短くなるため、第一の冷却ロール(A)が十分に冷却された状態で、第一の冷却ロール(A)を継続的に使用することが可能となる。第一の冷却ロール(A)の外径が大きくなり過ぎると、シートの第一の冷却ロール(A)に接していない面での冷却が遅くなるため、冷却不足によって発泡不良が生じやすい。また、第一の冷却ロール(A)がダイスに近接した状態では、押出機からの溶融樹脂の押出方向と、樹脂シートの引き取り方向との角度が大きくなる為、シートの冷却工程において気泡が潰れやすくなり、発泡不良が生じ易い。逆に、第一の冷却ロール(A)の外径が小さくなり過ぎると、第一の冷却ロール(A)の強度が不足するため、樹脂シートの張力により、ロールが撓む、曲がる等の設備の不具合が生じ易い。
第一の冷却ロール(A)の構造については、特に制限は無い。第一の冷却ロール(A)は、シートを安定的に冷却するために、水等の冷却媒体を内部に通過させて温度を制御する構造を備えることが望ましい。例えば、第一の冷却ロール(A)は、その内部に単管構造を備えてもよい。より冷却効率を高める為に、第一の冷却ロール(A)は、二重管構造、或いはジャケット構造等を備えてもよい。
第一の冷却ロール(A)に用いる冷却媒体の温度については、樹脂シートの冷却に適する温度である限り特に制限はない。第一の冷却ロール(A)に用いる冷却媒体の温度は、シートを十分に冷却するために、5~40℃であることが好ましい。第一の冷却ロール(A)に用いる冷却媒体の温度が高すぎると、樹脂が十分に冷却されないため、気泡が粗大になることがある。また、気泡が合一して連続気泡率が高くなることがある。さらに、コルゲートが顕著に発生することがある。第一の冷却ロール(A)に用いる冷却媒体の温度が低すぎると、ロールの表面に結露によって水が発生し、この水によってシートの外観が悪化することがある。
また、第一の冷却ロール(A)には、押出発泡成形時にダイスとの距離を一定に保つ為の機構が備えられていることが望ましい。具体的には、例えば、ダイスと第一の冷却ロール(A)が共通のサポートによって固定されることが好ましい。あるいは、ダイスと第一の冷却ロール(A)が別々の架台に設置されている場合に、架台同士が固定されることが好ましい。押出発泡成形時に第一の冷却ロール(A)とダイスとの距離が一定に保たれることにより、安定した押出成形が可能となる。
2.冷却ロール(群)(B)
以下に、本発明の冷却ロール(群)について説明する。
本発明の冷却ロール(群)(B)は、ダイス出口の直後に配置された第一の冷却ロール(A)の後方に設置される。本発明の冷却ロール(群)(B)は、一本以上のロールを含む。本発明の冷却ロール(群)(B)は、樹脂シートを冷却する為の設備である。
第一の冷却ロール(A)と、冷却ロール(群)(B)で樹脂シートを冷却することにより、樹脂シートの発泡倍率が増加した場合でも、樹脂シートの両表面を十分に冷却することが可能となる。また、シートの外観や平滑性が向上し、低い連続気泡率を有する、良好な発泡シートを得ることが可能となる。
冷却ロール(群)(B)は、ダイスの直後に配置される第一の冷却ロール(A)よりも後方に配置される。冷却ロール(群)(B)は、樹脂シートの引取速度を決定する後述の引取速度決定ロールよりも前方に配置される。
冷却ロール(群)(B)は、一本のロールでもよいし、複数本のロールでもよい。冷却ロール(群)(B)は、各冷却ロールの前後において、樹脂シートの張力のバランスを好適に調整できる機構を備えていることが好ましい。
上述のように、樹脂シートの成形においては、シートの引き取り時に、シートの体積が膨張あるいは収縮する。したがって、全ての冷却ロール(群)が同じ速度で駆動される場合、各冷却ロールの前後において、シートの張力が不均一となる。この場合、シートの張力が過度に大きくなり、気泡が潰れる、発泡倍率が低下する、シートの外観が悪化するなどの不具合が生じやすくなる。
特に、発泡倍率が高く、連続気泡率が低く、優れた外観を有する発泡シートを製造するためには、各冷却ロールの前後において、シートの張力が過大にならないようにシートを引き取る必要がある。この方法として、例えば、各冷却ロールの前後の樹脂シートの張力を測定しながら、各冷却ロールの速度を独立で制御する方法が考えられる。しかし、冷却ロールの本数が多い場合、各ロールの速度を個別に調整することが難しい。また、各ロールの速度の調整に多くの時間を要する。さらに、発泡状態が変化する度に、ロールの速度の微調整が必要となる。このような理由から、容易に良好な発泡シートを得ることは実質的に困難である。
各ロールの速度を個別に調整する以外の方法として、冷却ロール(群)(B)に電気的な駆動機構を設けず、冷却ロール(群)(B)をフリーに駆動させる方法がある。冷却ロール(群)(B)をフリーに駆動させることによって、樹脂シートの体積変化に応じてロールの速度が変化するため、ロールの前後の樹脂シートの張力を自然に調整することができる。この方法によれば、第一の冷却ロール(A)の速度と、引取速度決定ロールの速度を調整するだけで、冷却ロール(群)(B)に含まれる各ロールの間の張力が局所的に過大になることを防止できる。即ち、樹脂の発泡により、樹脂シートの体積が膨張する箇所では、その膨張に合わせて、冷却ロールの回転が速くなる。逆に、樹脂の冷却固化により、樹脂シートの体積が収縮する箇所では、その収縮に合わせて、冷却ロールの回転が遅くなる。このようにロールの速度が変化することによって、シートの張力が局所的に調整される。
他の方法として、各ロール間のシートの張力を調整するために、各冷却ロールのトルクを制御する方法もある。この方法によれば、全ての冷却ロールを適切なトルクで回転させることが可能であり、冷却ロールの前後の樹脂シートの張力を制御することができる。
各ロール間のシートの張力を調整する為に、パウダークラッチやヒステリシスクラッチを設けることができる。この方法は、特に、シートの冷却を強化する為に、多くの本数の冷却ロールを設ける場合に好ましく適用できる。冷却ロールの本数が多い場合、冷却ロール群(B)をフリーに駆動させた場合でも、ロールの本数が増加した分だけ、各冷却ロールの回転に伴って生じる抵抗が増加する。その結果、各ロール間のシートの張力が大きくなりやすい。このような場合は、パウダークラッチ等により張力を制御することがより好ましい。
冷却ロール(群)(B)は、一本以上の冷却ロールを含むが、その数に制限はない。樹脂シートの外観や冷却状態に応じて、任意の本数の冷却ロールを配置することができる。例えば、次の(1)~(4)の場合、多くの本数の冷却ロール(群)を配置することが好ましい。
(1)吐出される樹脂の温度が高い。
(2)発泡倍率が高い。
(3)樹脂シートの引取速度が大きく、冷却ロール一本に対する接触時間が短い。
(4)樹脂シートの厚みが大きい。
これらの場合には、樹脂シートの冷却が難しいため、より多くの冷却ロールを配置して冷却能力を強化することが好ましい。
冷却ロール(群)(B)の外径には、特に制限は無い。樹脂の吐出量、冷却状態、あるいは引き取り速度に応じて、適切な外径を選択することができる。二本以上の冷却ロールを配置する場合は、各冷却ロールの外径が同じでもよく、異なってもよい。冷却ロール(群)(B)の外径が大きすぎると、前述のように、ロールの回転抵抗が大きくなる。この場合、ロールをフリーに駆動させた場合でも、樹脂シートに潰れや弛みが生じやすくなる。また、発泡不良が生じやすくなる。更に、ロールに接していない面の冷却が遅くなり、発泡特性が悪化する可能性がある。このため、冷却ロール(群)(B)の外径は、300mm以下であることが好ましい。
冷却ロール(群)(B)の構造については、特に制限は無い。冷却ロール(群)(B)は、シートを安定的に冷却するために、水等の冷却媒体を内部に通過させて温度を制御する構造を備えることが望ましい。例えば、冷却ロール(群)(B)は、その内部に単管構造を備えてもよい。より冷却効率を高める為に、冷却ロール(群)(B)は、二重管構造、或いはジャケット構造等を備えてもよい。
冷却ロール(群)(B)の表面温度については、樹脂シートの冷却に適する温度である限り特に制限はない。冷却ロール(群)(B)に用いる冷却媒体の温度は、シートを十分に冷却するために、5~40℃であることが好ましい。冷却ロール(群)(B)に用いる冷却媒体の温度が高すぎると、樹脂が十分に冷却されないため、気泡が粗大になることがある。また、気泡が合一して連続気泡率が高くなることがある。さらに、コルゲートが顕著に発生することがある。冷却ロール群(B)に用いる冷却媒体の温度が低すぎると、ロールの表面に結露によって水が発生し、この水によってシートの外観が悪化することがある。
3.引取速度決定ロール
以下に本発明の引取速度決定ロールについて説明する。
本発明の引取速度決定ロールは、樹脂シートの引き取り速度を決定するロールである。引取速度決定ロールは、上述の第一の冷却ロール(A)、及び、冷却ロール(群)(B)よりも後方に配置される。引取速度決定ロールは、樹脂シートの引取速度を決定する役割を有する。
引取速度決定ロールとして、例えば、一般的なニップロールを用いることができる。あるいは、サクション機構を有し、樹脂シートを吸引することで引き取り速度を決定するロールを用いることができる。
樹脂シートを引き取る設備が、複数のニップロールあるいはサクションロールを備える場合は、冷却ロール(群)(B)よりも後方で最初に樹脂シートをニップ或いは吸引するロールが、引取速度決定ロールに相当する。
樹脂シートを引き取る設備全体の構成例を、図1から図4に示す。本発明は、図1~図4に示す構成に限定されるものではない。
図1に示す例では、樹脂シートSを引き取るための設備は、ダイス12の出口の直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、樹脂シートSの引き取り速度を決定する引取速度決定ロール14と、第一の冷却ロール(A)と引取速度決定ロール14との間に配置される1本の冷却ロール(B)を備える。この例において、第一の冷却ロール(A)は、駆動機構を有している。冷却ロール(B)は、駆動機構を有しておらず、フリーとなっている。引取速度決定ロール14は、駆動機構を有しており、上下一対のロールで樹脂シートSを挟むことのできるニップロールとなっている。
図2に示す例では、樹脂シートSを引き取るための設備は、ダイス12の出口の直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、樹脂シートSの引き取り速度を決定する引取速度決定ロール14と、第一の冷却ロール(A)と引取速度決定ロール14との間に配置される2本の冷却ロール群(B)を備える。この例において、第一の冷却ロール(A)は、駆動機構を有している。冷却ロール群(B)は、駆動機構を有しておらず、フリーとなっている。引取速度決定ロール14は、駆動機構を有しており、上下一対のロールで樹脂シートSを挟むことのできるニップロールとなっている。
図3に示す例では、樹脂シートSを引き取るための設備は、ダイス12の出口の直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、樹脂シートSの引き取り速度を決定する引取速度決定ロール14と、第一の冷却ロール(A)と引取速度決定ロール14との間に配置される4本の冷却ロール群(B)を備える。この例において、第一の冷却ロール(A)は、駆動機構を有している。冷却ロール群(B)は、駆動機構を有しておらず、フリーとなっている。引取速度決定ロール14は、駆動機構を有しており、上下一対のロールで樹脂シートSを挟むことのできるニップロールとなっている。
図3に示す例において、冷却ロール群(B)は、フリーロールではなく、駆動機構を有してもよい。また、冷却ロール群(B)は、駆動機構を有するパウダークラッチロールであってもよい。
図4に示す例では、樹脂シートSを引き取るための設備は、ダイス12の出口の直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、樹脂シートSの引き取り速度を決定する引取速度決定ロール14と、第一の冷却ロール(A)と引取速度決定ロール14との間に配置される4本の冷却ロール群(B)を備える。この例において、第一の冷却ロール(A)は、駆動機構を有している。冷却ロール群(B)は、駆動機構を有しておらず、フリーとなっている。引取速度決定ロール14は、駆動機構を有しており、樹脂シートSを吸引する機構を有するサクションロールで構成されている。引取速度決定ロール14で引き取られた樹脂シートSは、2つのガイドロール16によってガイドされる。
引取速度決定ロールは、上述の第一の冷却ロール(A)とは別の駆動機構を有する。これにより、引取速度決定ロールを、第一の冷却ロール(A)とは異なる引取速度で駆動することが可能となる。
第一の冷却ロール(A)と、引取速度決定ロールの速度(比)を調整することで、樹脂シートに生じる張力を調整することが可能となる。この調整により、特に、発泡倍率が高くなった場合でも、樹脂シートの成形中の気泡潰れを抑制することができる。また、良好な発泡特性と、優れた外観を両立させることが可能となる。
具体的な調整方法は、例えば、以下の通りである。
第一の冷却ロール(A)の速度よりも、引取速度決定ロールの速度を大きくすると、樹脂シートには、より大きな張力が生じる。
逆の方向に速度を調整すると、樹脂シートの張力が減少する。
第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度をR1、引取速度決定ロールによる樹脂シートの引き取り速度をR2としたとき、下記の関係を満たすことが好ましい。
R2×1.10≧R1≧R2×0.90
より好ましくは、R2×1.05≧R1≧R2×0.92
第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度が上記範囲よりも大きい場合、樹脂シートにシワや弛みが発生しやすく、外観が悪化する。
第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度が上記範囲よりも小さい場合、樹脂シートに生じる張力が過大になりやすい。また、樹脂シートの成形時に、気泡潰れや樹脂シートからのガス抜けによる発泡倍率の低下が顕著となる。さらに、樹脂シートからのガス抜けに伴って、シートの表面が膨れ上がった後に、その部分がロール圧着により潰れることで外観が悪化する現象(火脹れ現象)が生じやすい。
引取速度決定ロールの外径及び形状については、特に制限は無い。引取速度決定ロールは、樹脂シートを安定的に引き取ることが可能な外径及び形状を有することが好ましい。
引取速度決定ロールは、例えば、上下一対の金属ロールで構成される。この場合、引取速度決定ロールは、エアーあるいは油圧のシリンダーにより片方の金属ロールを上下させることで樹脂シートを挟むことのできるニップ機構を有することが好ましい。引取速度決定ロールは、同様の機構を有するゴムロールで構成されてもよい。或いは、引取速度決定ロールは、ブロアにより多孔質の金属ロールの内面から樹脂シートを吸引する機構を有するサクションロールで構成されてもよい。
引取速度決定ロールは、樹脂シートの引取速度を決定する機能を有していればよい。引取速度決定ロールは、他の機能を備えることもできる。例えば、第一の冷却ロール(A)及び冷却ロール(群)(B)の冷却能力が不足する場合、引取速度決定ロールは、樹脂シートを冷却する為の機能を備えてもよい。
4.押出機
以下に本発明の押出機について説明する。
本発明の樹脂シートを成形するための押出機としては、先端にTダイを備える一般的な単軸、二軸等の押出機を適用できる。さらに、十分な樹脂冷却部を有する押出機を使用することが好ましい。「十分な樹脂冷却部」とは、スクリュー長さ/スクリュー径(L/D)が10以上の冷却部を有することを意味する。
このような押出機の例として、単軸であり、L/Dが10以上の冷却ゾーンを備え、原料の可塑化及び混練が終わった後、冷却ゾーンで樹脂を冷却することができる押出機を挙げることができる。
また、別の例として、二つの押出機を連結したタンデム型であり、一段目の押出機で原料の可塑化と混練を行い、二段目の押出機で樹脂の冷却を行う押出機を挙げることができる。この二段目の押出機は、L/Dが10以上の冷却ゾーンを備える。
L/Dが10未満の冷却部を備える押出機と、ダイスの間に、別の冷却設備を備えてもよい。この冷却設備の例として、温度調節が可能なスタティックミキサーを挙げることができる。この場合、冷却部と、別の冷却設備の合計長さが、L/Dで10以上を満たすことが好ましい。
押出発泡成形において、溶融樹脂の粘度を、発泡に適した範囲に調整するために、ダイスから吐出される樹脂の温度を調整することは重要である。特に、押出機の吐出量が大きい場合、樹脂のせん断による発熱量が増加する。発熱量が増加すると、樹脂温度が高くなり易く、樹脂を冷却することが難しくなる。このような場合、上述のように、通常よりも能力の高い樹脂冷却ゾーンを備えた押出機を使用することが好ましい。
5.発泡シート
以下に本発明の発泡シートについて説明する。
本発明の発泡シートは、単層でもよく、多層でもよい。外観向上や熱成形性向上の観点から、多層である方が好ましい。多層の例として、以下が挙げられる。
非発泡層/発泡層、のような二種二層の構成
非発泡層/発泡層/非発泡層、のような二種三層の構成
発泡シートは、他の樹脂層を含む多層であってもよい。このような多層の例として、以下が挙げられる。
非発泡層/発泡層/他の樹脂層、のような三種三層の構成
非発泡層/発泡層/他の樹脂層/発泡層/非発泡層、のような三種五層の構成
発泡シートは、目的に応じた機能を有する層を含んでもよい。発泡シートは、例えば、ガスバリヤ層、耐衝撃性層を含んでもよい。
非発泡層の外側には、本発明の効果を損なわない限り、印刷層、加飾層などを設けることができる。また、各層の間には、例えば、接着層を設けることができる。
本発明の発泡シートの厚みは、特に限定されない。発泡シートの厚みは、好ましくは、0.3mm~5.0mmであり、より好ましくは、0.5mm~4.0mmであり、更に好ましくは、0.5mm~3.5mmである。発泡シートの厚みがこの範囲内にあると、実用的な強度を有し、物性に優れる発泡シートが得られる。また、発泡成形中に屈曲する箇所で、樹脂シートが折れるなどの成形不良が生じにくい。
本発明の発泡シートの表面に、印刷性や塗装性の改良のために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理を施してもよい。
発泡シートが非発泡層を含む多層構成の場合、非発泡層の厚みは、好ましくは多層発泡シートの全厚みの0.1~50%、より好ましくは0.1~20%である。非発泡層の厚みがこの範囲にあると、外観が良好であり、実用的な強度と軽量性を有する発泡シートが得られる。
発泡シートに含まれる発泡層の発泡倍率は、環境負荷の低減、軽量性、及び断熱性向上の観点から、2.1倍より大きく、好ましくは2.5倍以上である。発泡層の発泡倍率が2.1倍以下であると、軽量性や断熱性という発泡シートのメリットが損なわれやすい。
発泡シートに含まれる発泡層の連続気泡率は、良好な断熱性とシート特性の観点から、20Vol.%より低い必要がある。発泡層の連続気泡率が20Vol.%以上になると、熱成形時に不良が発生し易い。例えば、熱成形時に気泡がシートの表面に浮き出るなどの不良が発生し易い。あるいは、加熱によりシートの表面が膨らんで、成形後にシートの表面に痕が残るなどの不良が発生し易い。また、発泡層の連続気泡率が20Vol.%以上になると、発泡シートの断熱性や剛性が低下することがある。
6.熱可塑性樹脂
6.1.発泡層用熱可塑性樹脂
以下に本発明の熱可塑性樹脂について説明する。
本発明における熱可塑性樹脂については、特に制限されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル系樹脂等の一般的な樹脂を使用することができ、これらのうち一種であっても、二種以上を用いることもできる。中でも、高い耐薬品性や軽量性に優れるポリオレフィン系樹脂の使用が好ましく、100℃以上の耐熱性を有することで幅広い用途への適性が高いポリプロピレン系樹脂がさらに好ましい。
なお、結晶性を有するポリプロピレン系樹脂は、一般的に直鎖状の分子構造と標準的な分子量分布を有することから、溶融張力も低く、押出発泡成形が難しい樹脂である。本発明の製造方法により、直鎖状のポリプロピレン系樹脂を使用した場合でも、2.1倍よりも大きい発泡倍率が得られるが、溶融張力の高いポリプロピレン系樹脂と本発明の製造方法を組み合わせることが、さらに高い発泡倍率の発泡シートを得る為に有効である。溶融張力の高いポリプロピレン系樹脂の例としては、二段重合により超高分子量成分を有するポリプロピレン(特公平3-755562号参照)や予備重合で超高分子量ポリエチレン成分を製造する方法により得られるポリプロピレン系樹脂(特開2000-143858参照)、特定の構造を有するメタロセン触媒を用いてモノマーを重合することにより末端不飽和結合を有するマクロモノマーを製造し、それをプロピレンと共重合することによって、長鎖分岐を形成する方法により製造されるポリプロピレン(特許第6171717号、特許第6232832号、特許第05027353号、特許第04553966号参照)や、ラジカルを発生させて長鎖分岐を導入することにより得られるポリプロピレン(特公平07-045551号、特許第04347518号参照)等が例示される。これらの中でも、押出発泡成形に好適な溶融張力と延展性のバランスを有する、特定の長鎖分岐ポリプロピレンと特定のインパクトコポリマーをベースとするポリプロピレン系樹脂組成物が、発泡特性向上の観点から好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂には、剛性を向上させる等の目的で、充填材を加えることもできる。代表的な例として、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ガラスビーズ、ベントナイト、ガラスフレーク、ガラス繊維、カーボンファイバー、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、炭素繊維、軽石粉、雲母、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウムなどの無機系の充填材や、PMMAビーズ、セルロース繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、籾殻、木粉、ケナフ繊維などの有機系の充填材等が挙げられる。これらの中でも、無機系の充填材は物性向上、ハンドリング、臭気、価格の面から好ましく、発泡特性への影響が少ない、タルク、炭酸カルシウムは物性向上、価格、臭気の面から好ましい。これらの充填材の添加量は、目的とする物性に応じて任意に選択することが可能である。
また、本発明の熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤、着色剤、結晶核剤などの各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これら添加剤の配合量には、特に制限はなく、目的の性能が発揮される量を添加することができる。添加剤の配合量は、一般に0.0001~30重量%、好ましくは0.001~10重量%である。
6.2.非発泡層用熱可塑性樹脂
発泡シートを多層構成とする場合の、非発泡層に用いられる熱可塑性樹脂については、特に制限されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル系樹脂等の一般的な樹脂を使用することができる。これらのうち一種を使用してもよく、二種以上を用いることもできる。中でも、高い耐薬品性や軽量性に優れるポリオレフィン系樹脂の使用が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の中でも、リサイクル性、接着性、耐熱性、耐油性、剛性、外観などの点から、ポリプロピレン、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが好適である。プロピレン-α-オレフィンコポリマーは、プロピレン(共)重合体とエチレン-プロピレンランダム共重合体を複数あるいは単槽の重合槽を使用して、多段階重合して得られた、インパクトコポリマーを含む。
発泡シート、あるいは、得られた発泡シートからなる容器等の剛性を向上させるために、発泡層の表面側に非発泡層を設けることが好ましい。また、非発泡層に無機充填剤を配合することもできる。非発泡層に無機充填剤を配合すると、剛性をさらに効果的に向上させることができる。
非発泡層に無機充填材を配合する場合、用いられる熱可塑性樹脂100重量部に対し、無機充填剤50重量部以下を配合することが望ましい。無機充填剤の配合量が50重量部を超えると、ダイスの出口でメヤニが発生し、発泡シートの外観が悪化することがある。無機充填材を含む非発泡層の表面に、無機充填材を含まない非発泡層を設けてもよい。無機充填材を含まない非発泡層をさらに設けることによって、発泡シートの剛性を向上させるのに加えて、発泡シートの外観を向上させることができる。
非発泡層に含まれる好ましい無機充填剤の例として、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなどが挙げられる。
7.発泡シートの製造方法
本発明の発泡シートは、Tダイが接続された押出機を用いて製造することができる。本発明の発泡シートの製造方法は、Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、樹脂シートを冷却する冷却工程とを含む。押出工程では、例えば、熱可塑性樹脂と発泡剤とを混練した後、押出機に接続されたTダイから樹脂シートを押し出す。冷却工程では、例えば、Tダイの直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、それに続く冷却ロール(群)(B)によって、樹脂シートを引き取る。樹脂シートを引き取ることによって、樹脂シートを冷却しながら延伸させる。この時、樹脂シートの引取速度は、上述の引取速度決定ロールで決定される。
本発明の発泡シートは、多層発泡シートであってもよい。多層発泡シートは、一般的な共押出成形によって製造することができる。具体的には、共押出成形によって、発泡層と、熱可塑性樹脂からなる非発泡層とを同時に成形することができる。例えば、フィードブロックやマルチダイを備えた複数の押出機を用いることによって、多層発泡シートを成形することが可能である。多層発泡シートは、前述した各種の層構成とすることが可能である。非発泡層は、発泡層のいずれの面に設けられてもよい。多層発泡シートは、発泡層が2つの非発泡層の間に存在する構成(サンドイッチ構造)であってもよい。
発泡シートを製造する際に用いる発泡剤の種類は、特に制限されるものではなく、プラスチックやゴム等に使用されている公知の発泡剤を使用することができる。また、物理発泡剤、分解性発泡剤(化学発泡剤)、熱膨張剤等を含有するマイクロカプセル等を使用することができる。これらのうち一種を使用してもよく、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
物理発泡剤の具体例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、クロロジフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフルオロエタン、ジクロロフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、ペンタフルオロエタン、トリフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、クロロペンタフルオロエタン、パーフルオロシクロブタンなどのハロゲン化炭化水素、水、炭酸ガス、窒素などの無機ガス、などを例示することができる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、複数の化合物を併用しても良い。
中でも、プロパン、ブタン、ペンタンのような脂肪族炭化水素ガス、および炭酸ガスが、安価かつポリプロピレン樹脂への溶解性が高いという点から好ましい。炭酸ガスを用いる場合には、7.4MPa以上、31℃以上の超臨界条件とすると、樹脂への拡散、溶解性に優れた状態となるのでより好ましい。
分解性発泡剤(化学発泡剤)の具体例としては、重炭酸ソーダとクエン酸などの有機酸の混合物、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウムなどのアゾ系発泡剤、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ系発泡剤、p,p’-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジドなどのスルホヒドラジド系発泡剤、トリヒドラジノトリアジンなどが挙げられる。発泡剤の配合量は、発泡層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対し、0.05~10重量部の範囲とすることが好ましい。
物理発泡剤を用いる場合には、必要に応じて、気泡調整剤を使用することができる。気泡調整剤の添加により、同じ成形条件でも生成する気泡核数を増加させることができる為、目的とする気泡径に調整することが可能となる。気泡調整剤の例としては、炭酸アンモニウム、重曹、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機系分解性発泡剤、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物、N,N′-ジニトロソペンタンメチレンテトラミン及びN,N′-ジメチル-N,N′-ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′-オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等の分解性発泡剤、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸等の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重曹との反応混合物等を例示することができる。これらの気泡調整剤は、単独で用いても良いし、複数を併用しても良い。
気泡調整剤の配合量が少なすぎると、気泡を十分に微細化することができないため、気泡径の調整が困難となる。気泡調整剤の配合量が多すぎると、気泡が過度に微細化されるため、連続気泡の形成が促進され、ガス抜けが顕著となり、結果として発泡不良が生じやすくなる。このような理由から、気泡調整剤の配合量は、発泡層用のポリプロピレン樹脂組成物100重量部に対して、純分で0.005~5重量部の範囲であることが好ましい。ここでいう純分とは、例えば気泡調整剤としてマスターバッチを用いた場合に、そのマスターバッチに含まれる気泡調整剤として有効な成分の量を意味する。
8.用途
本発明の製造方法により製造された発泡シートは、発泡倍率が高く、外観が優れており、軽量性にも優れている。したがって、本発明の製造方法により製造された発泡シートは、トレー、コップ、皿、カップなどの発泡食品容器や自動車ドアトリム、自動車トランクマットなどの車両内装材、建材、断熱材、包装、文具等に好ましく適用できる。
また、本発明の製造方法により製造された発泡シートは、高い独立気泡率を有しており、熱成形性にも優れる。ここでいう熱成形とは、一般に、加熱軟化させたプラスチックシートを所望の型に押しあてて成形することを意味する。熱成形の例として、型と材料の隙間にある空気を排除し、大気圧により型に材料を密着させて成形する真空成形が挙げられる。また、別の例として、大気圧以上の圧縮空気を利用して成形する圧空成形、及び、真空および圧空を併用した真空圧空成形が挙げられる。さらに、別の例として、凹形状を有する金型及び凸形状を有する金型の間に設けられたシートの厚みよりも大きな空間にシートを配置した後、そのシートを金型の両側から真空引きする両面真空成形が挙げられる。
熱成形法は、特に制限されるものではなく、例えば、プラグ成形、マッチモールド成形、プラグアシスト成形などの方法を例示することができる。
[評価方法]
実施例および比較例において、ポリプロピレン樹脂、多層発泡シート、及びその構成成分の諸物性は、下記の評価方法に従って、測定、評価した。
(1)MFR
MFRは、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)およびメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(2)発泡層のみかけ密度及び発泡倍率
JIS K7222に準じて、発泡シートから試験片を切出した。試験片の重量(g)を、該試験片の外形寸法から求められる体積(cm)で割って、発泡シートのみかけ密度を求めた。
次に、CCDカメラが取り付けられた光学顕微鏡を用いて、発泡シートの幅方向の断面を観察し、倍率5倍で観察像を撮影した。ライカ製LAS画像解析ソフトウェアを用いて、対象となる非発泡層、発泡層のそれぞれの厚みを各層につき5点計測し、その平均値を各層の厚みとした。発泡シートのみかけ密度、発泡層、非発泡層各層の厚み、及び各層の密度から、発泡シートの発泡層のみかけ密度を算出した。なお、計算に用いたポリプロピレン樹脂の密度は0.91g/cm、実施例でPPフィラー層に用いたPPF-1とPP-5の50:50混合物の密度は1.15g/cmである。
さらに、ポリプロピレン樹脂の密度0.91g/cmを、発泡層のみかけ密度で割ることによって、発泡層の発泡倍率を算出した。
非発泡層が積層されていない発泡シートについては、ポリプロピレン樹脂の密度0.91g/cmを発泡シートのみかけ密度で割ることによって、発泡層の発泡倍率を算出した。
(3)発泡シートの連続気泡率
発泡シートから試験片を切出した。エアピクノメーター(東京サイエンス(株)製)を用いて、ASTM D2856に記載の方法に準じて、切り出した試験片の連続気泡率を測定した。
(4)発泡シートの外観評価
発泡シートの表面の外観を評価した。具体的には、各実施例及び各比較例で得られた発泡シートを、以下の基準で目視評価した。
◎:発泡シートの表面に目視での凹凸が確認されず、平滑である。
○:発泡シートの表面には、気泡による僅かな凹凸が目視で認められるが、シワや火脹れは確認されない。
×:発泡シート表面に、凸凹、シワ、火脹れのいずれかによる外観不良が確認される。
(5)発泡シートの熱成形性
実施例および比較例により得られた発泡シートを、53cm×53cmにカットし、多目的熱成形機(株式会社浅野研究所製)を用いて、真空成型で容器を成型した。
真空成型の手順は、次の通りである。まず、前述のカットした発泡シートを、クランプ枠にセットした。次に、上下のヒーターで発泡シートの両面を加熱した後、上部の内径が22cm、深さ3.8cmの円形容器金型を用いて、真空圧空成形により、容器を成形した。
以下の基準で、成形した容器を目視で評価した。なお、各サンプルの成型時には、できるだけきれいな容器が成型できるように、加熱時間や金型の位置を調整した。
○:熱成形後の容器にシワや潰れが確認されず、良好な容器が成型できた。
△:熱成形後の容器に僅かなシワや潰れが確認されるが、容器は成型できた。
×:熱成形後の容器に著しい潰れやシワが確認され、良好な容器が成型できなかった。
[使用材料]
下記のポリプロピレン樹脂PP-1~PP-5を使用した。
<発泡層用樹脂>
(PP-1)
PP-1として、日本ポリプロ社製 BC3HF(MFR=6.2g/10分)を用いた。PP-1の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在しないことを確認した。
(PP-2)
PP-2として、高いひずみ硬化性を有する日本ポリプロ社製WAYMAX EX4000(MFR=8.5g/10分)を用いた。PP-2の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在することを確認した。
(PP-3)
PP-3として、日本ポリプロ社製 MA1B(MFR=20.0g/10分、MT=4.2g)を用いた。PP-3の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在しないことを確認した。
(PP-4)
PP-4として、高いひずみ硬化性を有する日本ポリプロ社製WAYMAX EX6000(MFR=2.5g/10分)を用いた。PP-4の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在することを確認した。
<非発泡層用樹脂>
(PP-5)
PP-5として、日本ポリプロ社製 BC3BRF(MFR=12g/10分)を用いた。
<PPフィラー層用樹脂>
(PPF-1)
PPF-1として、日本ポリプロ社製タルクマスターバッチ TX1447MBNと日本ポリプロ社製 BC3BRF(MFR=12g/10分)とを、50:50の割合でドライブレンドしたものを用いた。
[実施例1]
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、気泡調整剤、非発泡層用ポリプロピレン樹脂として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-1
・非発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-5
・気泡調整剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
2)Tダイ押出発泡による多層発泡シートの製造
以下のように多層発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-1に対して、0.5重量部の上記気泡調整剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの原料供給ホッパーに投入した。押出機のシリンダーに開けられた注入口より、高圧ポンプで昇圧された炭酸ガスを物理発泡剤として注入した。炭酸ガスを注入しながら、フィードブロックを介して、幅750mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、樹脂シートを成形した。このとき、非発泡層用単軸押出機B及びCの2台を用いて、非発泡層用樹脂PP-5を共押出しすることによって、非発泡層を成形した。フィードブロックにて、発泡層の両表面に非発泡層を積層し、2種3層の多層発泡シートを製造した。
各押出機の運転条件、発泡層用押出機シリンダー各部の機能、及び、その他の成形条件は、以下の通りである。
・単軸押出機A(発泡層)
口径65mm、L/D=50、炭酸ガス注入口はC4-C5間の位置
導入ガス量:0.20kg/h
スクリュー回転数:75rpm
吐出量:約65kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2~C4(樹脂の可塑化、気泡調整剤の分解):240℃
C5(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):190℃
C6~C9(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):175℃
SC1、SC2(スクリーンチェンジャー部、樹脂冷却):180℃
H(ヘッド部、樹脂冷却):180℃
・単軸押出機B,C(非発泡層)
口径40mm、L/D=32
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約5kg/h
設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:190℃
C4:180℃
AD1、AD2:180℃
・合流部からダイ
フィードブロック温度:175℃
ダイ温度:175℃
・冷却ロール仕様
冷却ロール本数:5
第一冷却ロール仕様:ロール径60mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:2.80m/min
第二~第五冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構無し
冷却ロール温度(5本):15℃
・引取速度:2.90m/min
Tダイを用いた押出発泡成形においては、各冷却ロールの前後でシートの張力を調整し、過大な張力が生じないようにすることが、良好な発泡特性を得る為に重要となる。本実施例において、第一冷却ロール前後のシートの張力を、第一冷却ロールと引取速度決定ロールの速度比で調整した。また、第二~第五冷却ロール前後のシートの張力は、各冷却ロールが電気的な駆動機構を有さないフリーロールとなっている為、自動的に調整されることとなる。各冷却ロール前後のシートの張力は、樹脂シートの張り具合によって確認した。すなわち、各冷却ロール前後の樹脂シートの張り具合が同程度である場合、シートの張力の調整が良好であると判断した。
得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
[比較例1]
第一冷却ロールの速度を2.21m/min、引取速度を2.60m/minとした以外は、実施例1と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が過度に小さかったため、第一冷却ロールと第二冷却ロールの間で引き取られる樹脂シートの張力が過度に高くなった。このため、樹脂シートの張り具合が、実施例1に比較して強かった。この結果、連続気泡率が上昇し、発泡倍率が低下すると共に、発泡シートの外観及び熱成形性が低下した。
[実施例2]
発泡層用ポリプロピレン樹脂として、PP-2を用いた。気泡調整剤は、実施例1と同じものを用いた。これらを実施例1と同様の比率で混合し、原料を調製した。調製した原料を用いて、以下の条件で、単層発泡シートを製造した。
導入ガス量:0.27kg/h、
第一冷却ロールの速度:4.40m/min、
引取速度:4.60m/min
実施例2では、非発泡層用単軸押出機を使用しない以外は、実施例1と同様に、単層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
[実施例3]
発泡層用ポリプロピレン樹脂として、PP-2を用いた。気泡調整剤と非発泡層用ポリプロピレン樹脂は、実施例1と同じものを用いた。以下の条件で、2種3層発泡シートを製造した。
導入ガス量:0.27kg/h、
第一冷却ロールの速度:4.50m/min、
引取速度:4.70m/min
実施例3では、上記以外は実施例1と同様の条件で、2種3層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
[実施例4]
第一冷却ロールの速度を4.80m/minとした以外は、実施例3と同様の条件で、2種3層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
[実施例5]
第一冷却ロールの速度を3.25m/min、引取速度を3.50m/minとした以外は、実施例3と同様の条件で、2種3層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
[実施例6]
発泡層用樹脂として、PP-2とPP-3を50:50(重量比)でドライブレンドした樹脂を用いた。第一冷却ロールの速度を7.45m/min、引取速度を7.30m/minに設定した。これらの条件以外は、実施例3と同様に、Tダイ押出発泡により、多層発泡シートを製造した。得られた多層発泡シートの評価結果を、表1に示す。
Figure 0007310392000001
[比較例2]
第一冷却ロールの速度を4.00m/min、引取速度を4.70m/minとした以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が過度に小さかったため、第一冷却ロールと第二冷却ロールの間で引き取られる樹脂シートの張力が過度に高くなった。このため、樹脂シートの張り具合が、実施例1に比較して強かった。この結果、連続気泡率が上昇し、発泡倍率が低下すると共に、発泡シートの外観及び熱成形性が低下した。
[比較例3]
第一冷却ロールとして駆動機構を持たないフリーロールを使用した以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
駆動機構を持たない複数本のフリーロールを引取ロールの前方に配置した場合、各フリーロールを回転させる為に必要な負荷が、ロール数の増加に伴い大きくなる。加えて、第一冷却ロールの速度と、引取速度との差を変化させることで、樹脂シートを引き取る際の張力を制御することができない。その結果、樹脂シートにかかる張力が過大となり、連続気泡率が上昇し、外観及び熱成形性が低下したことが確認された。
[比較例4]
第一冷却ロールの速度を5.52m/minとした以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が過大であったため、シートを引き取る際の張力が過小になり、樹脂シートに弛みが生じて、シワが残った。また、樹脂シートにかかる張力が小さくなり過ぎたことにより、樹脂シートと冷却ロールとの密着不良が生じた。その結果、樹脂シートが十分に冷却されず、連続気泡率が上昇すると共に、発泡シートの外観及び熱成形性が低下した。
[実施例7]
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、気泡調整剤、非発泡層用ポリプロピレン樹脂として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-2
・PPフィラー層用樹脂:PPF-1とPP-5の50:50(重量比)ドライブレンド混合物
・非発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-5
・気泡調整剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
2)Tダイ押出発泡による多層発泡シートの製造
以下のように多層発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-2に対して、0.5重量部の上記気泡調整剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの原料供給ホッパーに投入した。押出機のシリンダーに開けられた注入口より、高圧ポンプで昇圧された炭酸ガスを物理発泡剤として注入した。炭酸ガスを注入しながら、フィードブロックを介して、幅750mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、樹脂シートを成形した。
このとき、PPF層用単軸押出機B(口径65mmφ)に、上記PPF-1とPP-5のドライブレンド混合物を供給した。また、非発泡層用単軸押出機C及びDの2台を用いて、非発泡層用樹脂PP-5を共押出しすることによって、非発泡層を成形した。フィードブロックにて、非発泡層とPPF層と発泡層を積層した。これにより、非発泡層/PPF層/発泡層/PPF層/非発泡層の層構成を有する、3種5層の多層発泡シートを得た。得られた3種5層発泡シートの評価結果を表1に示す。
なお、各押出機の運転条件、発泡層用押出機シリンダー各部の機能、及びその他成形条件は、以下の通りである。
・単軸押出機A(発泡層)
口径65mm、L/D=50、炭酸ガス注入口はC4-C5間の位置
導入ガス量:0.18kg/h
スクリュー回転数:75rpm
吐出量:約65kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2~C4(樹脂の可塑化、気泡調整剤の分解):240℃
C5(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):190℃
C6~C9(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):175℃
SC1、SC2(スクリーンチェンジャー部、樹脂冷却):180℃
H(ヘッド部、樹脂冷却):180℃
・単軸押出機B(PPF層)
口径65mm、L/D=28
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約40kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:200℃
C4:180℃
SC1、SC2:180℃
AD1、AD2:180℃
・単軸押出機C、D(非発泡層)
口径40mm、L/D=32
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約5kg/h
設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:190℃
C4:180℃
AD1、AD2:180℃
・合流部からダイ
フィードブロック温度:175℃
ダイ温度:175℃
・冷却ロール仕様
冷却ロール本数:5
第一冷却ロール仕様:ロール径60mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:8.42m/min
第二~第五冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構無し
冷却ロール温度(5本):15℃
・引取速度:8.78m/min
[比較例5]
第一冷却ロール速度を7.65m/minとした以外は、実施例7と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が大きくなり過ぎ、シートの張り具合も実施例7より強い状態であった。これにより、連続気泡率が悪化した。また、熱成形性の低下が確認された。
[実施例8]
第一冷却ロール速度を4.58m/min、引取速度を4.72m/minとして、各層の厚み比を変更した以外は、実施例7と同様にTダイ押出発泡を行い、3種5層発泡シートを得た。得られた多層発泡シートの評価結果を表1に示す。
[比較例6]
第一冷却ロール速度を4.15m/minとした以外は、実施例8と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が高くなり過ぎ、シートの張り具合も実施例8より強い状態であった。これにより、連続気泡率が悪化した。また、発泡倍率が低下すると共に、熱成形性が低下した。
[比較例7]
第一冷却ロール速度を5.30m/minとした以外は、実施例8と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を表2に示す。本比較例では、第一小径ロールの速度と引取速度の比が大きくなり過ぎた為、シートを引き取る際の張力が過小になり、樹脂シートに弛みが生じて、シワが残った。また、シートにかかる張力が小さくなり過ぎたことにより、シートと冷却ロールが十分に密着せず、シートが十分に冷却されなかった。また、連続気泡率が悪化すると共に、外観が低下し、熱成形性が低下した。
Figure 0007310392000002
[実施例9]
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、化学発泡剤として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-4
・化学発泡剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
2)Tダイ押出発泡による発泡シートの製造
以下のように押出発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-4に対して、5.0重量部の上記化学発泡剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの供給ホッパーに投入した。フィードブロックを介して、幅150mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、単層の樹脂シートを成形した。樹脂シートを冷却することによって、単層の発泡シートを製造した。
得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
なお、押出機の運転条件、及びその他成形条件は、以下の通りである。
・単軸押出機A(発泡層)
口径30mm、L/D=32
スクリュー回転数:40rpm
吐出量:約4kg/h
押出機設定温度:
C1~C3:230℃
C4~AD:185℃
ダイ温度:185℃
・冷却ロール仕様
冷却ロール本数:3
第一冷却ロール仕様:ロール径50mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:1.00m/min
第二~第三冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構有り、パウダークラッチ付き
パウダークラッチトルク設定:4%
冷却ロール温度(3本):50℃
・引取速度:1.00m/min
[実施例10]
パウダークラッチトルク設定を7%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
[実施例11]
発泡層用ポリプロピレン樹脂組成物にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を5%とした以外は、実施例9と同様にTダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
[実施例12]
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を10%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
[実施例13]
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を15%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
Figure 0007310392000003
[比較例8]
第一冷却ロール速度を0.87m/min、パウダークラッチトルク設定を0%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が大きくなり過ぎ、シートの張り具合も実施例9より強い状態であった。得られた単層発泡シートの評価結果を表4に示す。
[比較例9]
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度を1.32m/min、引取速度を1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を0%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表4に示す。
Figure 0007310392000004

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂からなる発泡シートの製造方法であって、
    前記発泡シートは、2.1倍より大きい発泡倍率と、20Vol.%よりも低い連続気泡率を有する発泡層を含み、
    Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、前記樹脂シートを冷却する冷却工程とを含む発泡シートの製造方法であって、
    前記冷却工程では、ダイス出口の直後に配置され、駆動機構を有し、速度を独立で制御する第一の冷却ロール(A)と、第一の冷却ロールより後方に配置され、樹脂シートの引き取り速度を決定する、引取速度決定ロールと、第一の冷却ロールと引取速度決定ロールとの間に配置される、一本以上の冷却ロール(群)(B)によって樹脂シートの冷却を行うと共に、樹脂シートの張力が気泡の潰れや破泡などの発泡不良が生じない状態で、樹脂シートを引き取ることを特徴とする、発泡シートの製造方法。
  2. 第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度をR1、引取速度決定ロールによる樹脂シートの引き取り速度をR2としたとき、R2×1.10≧R1≧R2×0.90の関係を満たす、請求項1に記載の発泡シートの製造方法。
  3. 却ロール(群)(B)をフリーに駆動させるか、パウダークラッチやヒステリシスクラッチを設ける、請求項1又は2に記載の発泡シートの製造方法。
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