JP7310392B2 - 発泡シートの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
熱可塑性樹脂からなる発泡シートの製造方法であって、
前記発泡シートは、2.1倍より大きい発泡倍率と、20Vol.%よりも低い連続気泡率を有する発泡層を含み、
Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、前記樹脂シートを冷却する冷却工程とを含み、
前記冷却工程では、ダイス出口の直後に配置され、駆動機構を有する第一の冷却ロール(B)と、第一の冷却ロールより後方に配置され、樹脂シートの引き取り速度を決定する、引取速度決定ロールと、第一の冷却ロールと引取速度決定ロールとの間に配置される、一本以上の冷却ロール(群)(B)によって樹脂シートの冷却を行うと共に、樹脂シートの張力が過大にならない状態で、樹脂シートを引き取ることを特徴とする、発泡シートの製造方法。
第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度をR1、引取速度決定ロールによる樹脂シートの引き取り速度をR2としたとき、R2×1.10≧R1≧R2×0.90の関係を満たす、[1]に記載の発泡シートの製造方法。
第一の冷却ロール(A)の外径が、300mm以下である、[1]又は[2]に記載の発泡シートの製造方法。
以下、本発明の第一の冷却ロール(A)について説明する。
第一の冷却ロール(A)は、ダイス出口の直後に配置される必要がある。ここでいう「ダイス出口の直後」とは、ダイス出口と第一の冷却ロール(A)の表面との最短距離が0.01mmより大きく50mm以下であることを意味する。この範囲の中で、樹脂シートの厚みや樹脂の発泡状態に応じて、ダイス出口と第一の冷却ロール(A)の表面との距離を調整することができる。一般的には、目的とするシートの厚みが増加するのに伴い、この距離はより大きくなる。コルゲートを抑制し、シートを短時間に冷却するという観点からは、外観に影響が生じない範囲で、第一の冷却ロール(A)をダイスにより近い位置に配置することが望ましい。一方、第一の冷却ロール(A)がダイスに近くなり過ぎると、シートの成形時、シートからの負荷によって第一の冷却ロール(A)が撓み、第一の冷却ロール(A)がダイスに接触し、成形不良や機器の損傷等を生じることがある。このため、ダイスと第一の冷却ロールの間の距離は、0.1mmより大きく、50mm以下であることがより好ましい。
以下に、本発明の冷却ロール(群)について説明する。
本発明の冷却ロール(群)(B)は、ダイス出口の直後に配置された第一の冷却ロール(A)の後方に設置される。本発明の冷却ロール(群)(B)は、一本以上のロールを含む。本発明の冷却ロール(群)(B)は、樹脂シートを冷却する為の設備である。
(1)吐出される樹脂の温度が高い。
(2)発泡倍率が高い。
(3)樹脂シートの引取速度が大きく、冷却ロール一本に対する接触時間が短い。
(4)樹脂シートの厚みが大きい。
これらの場合には、樹脂シートの冷却が難しいため、より多くの冷却ロールを配置して冷却能力を強化することが好ましい。
以下に本発明の引取速度決定ロールについて説明する。
本発明の引取速度決定ロールは、樹脂シートの引き取り速度を決定するロールである。引取速度決定ロールは、上述の第一の冷却ロール(A)、及び、冷却ロール(群)(B)よりも後方に配置される。引取速度決定ロールは、樹脂シートの引取速度を決定する役割を有する。
図3に示す例において、冷却ロール群(B)は、フリーロールではなく、駆動機構を有してもよい。また、冷却ロール群(B)は、駆動機構を有するパウダークラッチロールであってもよい。
第一の冷却ロール(A)の速度よりも、引取速度決定ロールの速度を大きくすると、樹脂シートには、より大きな張力が生じる。
逆の方向に速度を調整すると、樹脂シートの張力が減少する。
より好ましくは、R2×1.05≧R1≧R2×0.92
以下に本発明の押出機について説明する。
本発明の樹脂シートを成形するための押出機としては、先端にTダイを備える一般的な単軸、二軸等の押出機を適用できる。さらに、十分な樹脂冷却部を有する押出機を使用することが好ましい。「十分な樹脂冷却部」とは、スクリュー長さ/スクリュー径(L/D)が10以上の冷却部を有することを意味する。
以下に本発明の発泡シートについて説明する。
本発明の発泡シートは、単層でもよく、多層でもよい。外観向上や熱成形性向上の観点から、多層である方が好ましい。多層の例として、以下が挙げられる。
非発泡層/発泡層、のような二種二層の構成
非発泡層/発泡層/非発泡層、のような二種三層の構成
非発泡層/発泡層/他の樹脂層、のような三種三層の構成
非発泡層/発泡層/他の樹脂層/発泡層/非発泡層、のような三種五層の構成
6.1.発泡層用熱可塑性樹脂
以下に本発明の熱可塑性樹脂について説明する。
本発明における熱可塑性樹脂については、特に制限されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル系樹脂等の一般的な樹脂を使用することができ、これらのうち一種であっても、二種以上を用いることもできる。中でも、高い耐薬品性や軽量性に優れるポリオレフィン系樹脂の使用が好ましく、100℃以上の耐熱性を有することで幅広い用途への適性が高いポリプロピレン系樹脂がさらに好ましい。
発泡シートを多層構成とする場合の、非発泡層に用いられる熱可塑性樹脂については、特に制限されるものではなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アクリル系樹脂等の一般的な樹脂を使用することができる。これらのうち一種を使用してもよく、二種以上を用いることもできる。中でも、高い耐薬品性や軽量性に優れるポリオレフィン系樹脂の使用が好ましい。
本発明の発泡シートは、Tダイが接続された押出機を用いて製造することができる。本発明の発泡シートの製造方法は、Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、樹脂シートを冷却する冷却工程とを含む。押出工程では、例えば、熱可塑性樹脂と発泡剤とを混練した後、押出機に接続されたTダイから樹脂シートを押し出す。冷却工程では、例えば、Tダイの直後に配置される第一の冷却ロール(A)と、それに続く冷却ロール(群)(B)によって、樹脂シートを引き取る。樹脂シートを引き取ることによって、樹脂シートを冷却しながら延伸させる。この時、樹脂シートの引取速度は、上述の引取速度決定ロールで決定される。
本発明の製造方法により製造された発泡シートは、発泡倍率が高く、外観が優れており、軽量性にも優れている。したがって、本発明の製造方法により製造された発泡シートは、トレー、コップ、皿、カップなどの発泡食品容器や自動車ドアトリム、自動車トランクマットなどの車両内装材、建材、断熱材、包装、文具等に好ましく適用できる。
実施例および比較例において、ポリプロピレン樹脂、多層発泡シート、及びその構成成分の諸物性は、下記の評価方法に従って、測定、評価した。
(1)MFR
MFRは、JIS K7210:1999「プラスチック―熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)およびメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
JIS K7222に準じて、発泡シートから試験片を切出した。試験片の重量(g)を、該試験片の外形寸法から求められる体積(cm3)で割って、発泡シートのみかけ密度を求めた。
非発泡層が積層されていない発泡シートについては、ポリプロピレン樹脂の密度0.91g/cm3を発泡シートのみかけ密度で割ることによって、発泡層の発泡倍率を算出した。
発泡シートから試験片を切出した。エアピクノメーター(東京サイエンス(株)製)を用いて、ASTM D2856に記載の方法に準じて、切り出した試験片の連続気泡率を測定した。
発泡シートの表面の外観を評価した。具体的には、各実施例及び各比較例で得られた発泡シートを、以下の基準で目視評価した。
◎:発泡シートの表面に目視での凹凸が確認されず、平滑である。
○:発泡シートの表面には、気泡による僅かな凹凸が目視で認められるが、シワや火脹れは確認されない。
×:発泡シート表面に、凸凹、シワ、火脹れのいずれかによる外観不良が確認される。
実施例および比較例により得られた発泡シートを、53cm×53cmにカットし、多目的熱成形機(株式会社浅野研究所製)を用いて、真空成型で容器を成型した。
真空成型の手順は、次の通りである。まず、前述のカットした発泡シートを、クランプ枠にセットした。次に、上下のヒーターで発泡シートの両面を加熱した後、上部の内径が22cm、深さ3.8cmの円形容器金型を用いて、真空圧空成形により、容器を成形した。
○:熱成形後の容器にシワや潰れが確認されず、良好な容器が成型できた。
△:熱成形後の容器に僅かなシワや潰れが確認されるが、容器は成型できた。
×:熱成形後の容器に著しい潰れやシワが確認され、良好な容器が成型できなかった。
下記のポリプロピレン樹脂PP-1~PP-5を使用した。
<発泡層用樹脂>
(PP-1)
PP-1として、日本ポリプロ社製 BC3HF(MFR=6.2g/10分)を用いた。PP-1の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在しないことを確認した。
(PP-2)
PP-2として、高いひずみ硬化性を有する日本ポリプロ社製WAYMAX EX4000(MFR=8.5g/10分)を用いた。PP-2の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在することを確認した。
(PP-3)
PP-3として、日本ポリプロ社製 MA1B(MFR=20.0g/10分、MT=4.2g)を用いた。PP-3の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在しないことを確認した。
(PP-4)
PP-4として、高いひずみ硬化性を有する日本ポリプロ社製WAYMAX EX6000(MFR=2.5g/10分)を用いた。PP-4の13C-NMR測定から、このポリプロピレンに長鎖分岐が存在することを確認した。
(PP-5)
PP-5として、日本ポリプロ社製 BC3BRF(MFR=12g/10分)を用いた。
(PPF-1)
PPF-1として、日本ポリプロ社製タルクマスターバッチ TX1447MBNと日本ポリプロ社製 BC3BRF(MFR=12g/10分)とを、50:50の割合でドライブレンドしたものを用いた。
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、気泡調整剤、非発泡層用ポリプロピレン樹脂として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-1
・非発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-5
・気泡調整剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
以下のように多層発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-1に対して、0.5重量部の上記気泡調整剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの原料供給ホッパーに投入した。押出機のシリンダーに開けられた注入口より、高圧ポンプで昇圧された炭酸ガスを物理発泡剤として注入した。炭酸ガスを注入しながら、フィードブロックを介して、幅750mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、樹脂シートを成形した。このとき、非発泡層用単軸押出機B及びCの2台を用いて、非発泡層用樹脂PP-5を共押出しすることによって、非発泡層を成形した。フィードブロックにて、発泡層の両表面に非発泡層を積層し、2種3層の多層発泡シートを製造した。
口径65mm、L/D=50、炭酸ガス注入口はC4-C5間の位置
導入ガス量:0.20kg/h
スクリュー回転数:75rpm
吐出量:約65kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2~C4(樹脂の可塑化、気泡調整剤の分解):240℃
C5(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):190℃
C6~C9(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):175℃
SC1、SC2(スクリーンチェンジャー部、樹脂冷却):180℃
H(ヘッド部、樹脂冷却):180℃
口径40mm、L/D=32
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約5kg/h
設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:190℃
C4:180℃
AD1、AD2:180℃
フィードブロック温度:175℃
ダイ温度:175℃
冷却ロール本数:5
第一冷却ロール仕様:ロール径60mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:2.80m/min
第二~第五冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構無し
冷却ロール温度(5本):15℃
第一冷却ロールの速度を2.21m/min、引取速度を2.60m/minとした以外は、実施例1と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が過度に小さかったため、第一冷却ロールと第二冷却ロールの間で引き取られる樹脂シートの張力が過度に高くなった。このため、樹脂シートの張り具合が、実施例1に比較して強かった。この結果、連続気泡率が上昇し、発泡倍率が低下すると共に、発泡シートの外観及び熱成形性が低下した。
発泡層用ポリプロピレン樹脂として、PP-2を用いた。気泡調整剤は、実施例1と同じものを用いた。これらを実施例1と同様の比率で混合し、原料を調製した。調製した原料を用いて、以下の条件で、単層発泡シートを製造した。
導入ガス量:0.27kg/h、
第一冷却ロールの速度:4.40m/min、
引取速度:4.60m/min
発泡層用ポリプロピレン樹脂として、PP-2を用いた。気泡調整剤と非発泡層用ポリプロピレン樹脂は、実施例1と同じものを用いた。以下の条件で、2種3層発泡シートを製造した。
導入ガス量:0.27kg/h、
第一冷却ロールの速度:4.50m/min、
引取速度:4.70m/min
第一冷却ロールの速度を4.80m/minとした以外は、実施例3と同様の条件で、2種3層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
第一冷却ロールの速度を3.25m/min、引取速度を3.50m/minとした以外は、実施例3と同様の条件で、2種3層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表1に示す。
発泡層用樹脂として、PP-2とPP-3を50:50(重量比)でドライブレンドした樹脂を用いた。第一冷却ロールの速度を7.45m/min、引取速度を7.30m/minに設定した。これらの条件以外は、実施例3と同様に、Tダイ押出発泡により、多層発泡シートを製造した。得られた多層発泡シートの評価結果を、表1に示す。
第一冷却ロールの速度を4.00m/min、引取速度を4.70m/minとした以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
第一冷却ロールとして駆動機構を持たないフリーロールを使用した以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
第一冷却ロールの速度を5.52m/minとした以外は、実施例3と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、気泡調整剤、非発泡層用ポリプロピレン樹脂として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-2
・PPフィラー層用樹脂:PPF-1とPP-5の50:50(重量比)ドライブレンド混合物
・非発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-5
・気泡調整剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
以下のように多層発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-2に対して、0.5重量部の上記気泡調整剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの原料供給ホッパーに投入した。押出機のシリンダーに開けられた注入口より、高圧ポンプで昇圧された炭酸ガスを物理発泡剤として注入した。炭酸ガスを注入しながら、フィードブロックを介して、幅750mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、樹脂シートを成形した。
このとき、PPF層用単軸押出機B(口径65mmφ)に、上記PPF-1とPP-5のドライブレンド混合物を供給した。また、非発泡層用単軸押出機C及びDの2台を用いて、非発泡層用樹脂PP-5を共押出しすることによって、非発泡層を成形した。フィードブロックにて、非発泡層とPPF層と発泡層を積層した。これにより、非発泡層/PPF層/発泡層/PPF層/非発泡層の層構成を有する、3種5層の多層発泡シートを得た。得られた3種5層発泡シートの評価結果を表1に示す。
口径65mm、L/D=50、炭酸ガス注入口はC4-C5間の位置
導入ガス量:0.18kg/h
スクリュー回転数:75rpm
吐出量:約65kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2~C4(樹脂の可塑化、気泡調整剤の分解):240℃
C5(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):190℃
C6~C9(樹脂冷却、物理発泡剤の分散):175℃
SC1、SC2(スクリーンチェンジャー部、樹脂冷却):180℃
H(ヘッド部、樹脂冷却):180℃
口径65mm、L/D=28
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約40kg/h
押出機設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:200℃
C4:180℃
SC1、SC2:180℃
AD1、AD2:180℃
口径40mm、L/D=32
スクリュー回転数:50rpm
吐出量:約5kg/h
設定温度:
C1:180℃
C2:230℃
C3:190℃
C4:180℃
AD1、AD2:180℃
フィードブロック温度:175℃
ダイ温度:175℃
冷却ロール本数:5
第一冷却ロール仕様:ロール径60mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:8.42m/min
第二~第五冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構無し
冷却ロール温度(5本):15℃
第一冷却ロール速度を7.65m/minとした以外は、実施例7と同様に、多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が大きくなり過ぎ、シートの張り具合も実施例7より強い状態であった。これにより、連続気泡率が悪化した。また、熱成形性の低下が確認された。
第一冷却ロール速度を4.58m/min、引取速度を4.72m/minとして、各層の厚み比を変更した以外は、実施例7と同様にTダイ押出発泡を行い、3種5層発泡シートを得た。得られた多層発泡シートの評価結果を表1に示す。
第一冷却ロール速度を4.15m/minとした以外は、実施例8と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を、表2に示す。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が高くなり過ぎ、シートの張り具合も実施例8より強い状態であった。これにより、連続気泡率が悪化した。また、発泡倍率が低下すると共に、熱成形性が低下した。
第一冷却ロール速度を5.30m/minとした以外は、実施例8と同様に多層発泡シートを製造した。得られた発泡シートの特性、外観、及び熱成形性について評価した結果を表2に示す。本比較例では、第一小径ロールの速度と引取速度の比が大きくなり過ぎた為、シートを引き取る際の張力が過小になり、樹脂シートに弛みが生じて、シワが残った。また、シートにかかる張力が小さくなり過ぎたことにより、シートと冷却ロールが十分に密着せず、シートが十分に冷却されなかった。また、連続気泡率が悪化すると共に、外観が低下し、熱成形性が低下した。
1)使用原料
発泡層用ポリプロピレン樹脂、化学発泡剤として、以下の材料を用いた。
・発泡層用ポリプロピレン樹脂:PP-4
・化学発泡剤:クラリアントジャパン株式会社製化学発泡剤(商品名:ハイドロセロールCF40E-J)
以下のように押出発泡シートを製造した。
2-1)100重量部の発泡層用ポリプロピレン樹脂PP-4に対して、5.0重量部の上記化学発泡剤をドライブレンドして原料を調製した。調製した原料を、単軸押出機Aの供給ホッパーに投入した。フィードブロックを介して、幅150mm、リップギャップ0.4mmのTダイから、溶融した原料を押出し、単層の樹脂シートを成形した。樹脂シートを冷却することによって、単層の発泡シートを製造した。
得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
・単軸押出機A(発泡層)
口径30mm、L/D=32
スクリュー回転数:40rpm
吐出量:約4kg/h
押出機設定温度:
C1~C3:230℃
C4~AD:185℃
ダイ温度:185℃
冷却ロール本数:3
第一冷却ロール仕様:ロール径50mmΦ、駆動機構有り
第一冷却ロール速度:1.00m/min
第二~第三冷却ロール仕様:ロール径100mmΦ、駆動機構有り、パウダークラッチ付き
パウダークラッチトルク設定:4%
冷却ロール温度(3本):50℃
パウダークラッチトルク設定を7%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
発泡層用ポリプロピレン樹脂組成物にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を5%とした以外は、実施例9と同様にTダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を10%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度と引取速度を共に1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を15%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表3に示す。
第一冷却ロール速度を0.87m/min、パウダークラッチトルク設定を0%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。本比較例では、第一冷却ロールの速度と引取速度の比が小さくなり過ぎた為、樹脂シートを引き取る際の第一冷却ロールと第二冷却ロールの間の張力が大きくなり過ぎ、シートの張り具合も実施例9より強い状態であった。得られた単層発泡シートの評価結果を表4に示す。
発泡層用ポリプロピレン樹脂にPP-2を使用し、化学発泡剤の添加量を6.5重量部、押出機回転数を60rpm(吐出量:約6kg/h)、第一冷却ロール速度を1.32m/min、引取速度を1.50m/min、パウダークラッチトルク設定を0%とした以外は、実施例9と同様に、Tダイ押出発泡を行い、単層発泡シートを得た。得られた単層発泡シートの評価結果を表4に示す。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂からなる発泡シートの製造方法であって、
前記発泡シートは、2.1倍より大きい発泡倍率と、20Vol.%よりも低い連続気泡率を有する発泡層を含み、
Tダイを備えた押出機により発泡性の樹脂シートを押し出す押出工程と、前記樹脂シートを冷却する冷却工程とを含む発泡シートの製造方法であって、
前記冷却工程では、ダイス出口の直後に配置され、駆動機構を有し、速度を独立で制御する第一の冷却ロール(A)と、第一の冷却ロールより後方に配置され、樹脂シートの引き取り速度を決定する、引取速度決定ロールと、第一の冷却ロールと引取速度決定ロールとの間に配置される、一本以上の冷却ロール(群)(B)によって樹脂シートの冷却を行うと共に、樹脂シートの張力が気泡の潰れや破泡などの発泡不良が生じない状態で、樹脂シートを引き取ることを特徴とする、発泡シートの製造方法。 - 第一の冷却ロール(A)による樹脂シートの引き取り速度をR1、引取速度決定ロールによる樹脂シートの引き取り速度をR2としたとき、R2×1.10≧R1≧R2×0.90の関係を満たす、請求項1に記載の発泡シートの製造方法。
- 冷却ロール(群)(B)をフリーに駆動させるか、パウダークラッチやヒステリシスクラッチを設ける、請求項1又は2に記載の発泡シートの製造方法。
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