JP3989128B2 - 自動車内装材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車内装材およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、高温下での使用においても変形や自重による垂れ下がりがなく、耐熱性、軽量性に優れた自動車天井材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車天井材として、熱可塑性樹脂発泡体を主体とする基材にウレタンフォームを積層したものや、スチレン−無水マレイン酸共重合体の発泡層の上下面にスチレン−無水マレイン酸共重合体の非発泡層を積層した積層シートを所望の形状に成形したものが広く用いられている。それらの自動車天井は、軽量で断熱性が高く、成形加工性がすぐれているという特徴がある。
【0003】
しかしがら、上記のような従来の自動車天井材は、高温に長時間さらされると、耐熱性が不十分であるため、フロント部が自重で垂れ下がったり(ヒートサグ)、変形を生じるなどの問題を発生することがあった。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するために、無機質のガラス繊維とプラスチックの複合材料をベースとした自動車天井材が使用されるようになってきた。しかし、この複合材料では、耐熱性という品質は維持できるものの、軽量化が図れない上に、ガラス繊維を使用しているため、リサイクル性が悪く、またコスト高になるという問題があった。
【0005】
このような問題を解決するため、軽量で耐熱性のある変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(以下「変性PPE系樹脂」と記す。)発泡層の両面に、変性PPE系樹脂非発泡層を積層した発泡積層シートを用いた自動車内装材用発泡積層シートが提案されている(実開平4−11162号公報)。この変性PPE系樹脂を用いた自動車内装材用発泡積層シートは、耐熱性に優れ、軽量であるため、高温下での変形や自重による垂れ下がり等を改善することができるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、自動車の耐熱性、軽量性、コストに対する要求は更に厳しくなっているため、この市場要求に対応する更なる改善が必要である。例えば、自動車天井材の場合、フロント部は太陽光が当たるため100℃前後まで温度が上がり、天井材の変形量が大きくなるという問題が発生している。
【0007】
また、上記変性PPE系樹脂発泡積層シートは、好適な条件下で2次成形が行われていない場合、成形時に残留応力が発生する。このため、成形体が高温(例えば100℃)の雰囲気中に長時間さらされると、穏やかに残留応力が緩和され、その結果、屈曲形状を有する部分や2次成形時の延伸率が大きい部分(例えばフロント部)が変形し、使用に耐えなくなるという問題を有していた。
【0008】
このような実状にあわせて、自動車メーカーも耐熱性評価基準を厳しくし、従来の85℃以上の評価温度を採用するようになってきた。
【0009】
本発明は、軽量性、断熱性、成形加工性、リサイクル性などの特性に加えて、上記の如き実状に合わせて変化する評価基準に対応しつつ、高温下での使用による変形、自重による垂れ下がりを防止し、優れた耐熱性を有する自動車内装材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、優れた耐熱性、軽量性を有し、安価で、且つ容易に製造可能な自動車内装材を提供するため、自動車内装材の構成について鋭意検討を行った結果、車内側非発泡層(2)の基材樹脂として変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、車外側非発泡層(3)の基材樹脂として耐熱性ポリスチレン系樹脂を使用し、さらに製造方法として、基材(I)と表皮材(II)を積層した後に加熱、成形する方法を用いることにより、従来にない耐熱性の高い(耐熱変形のない)、良好な寸法安定性、成形性、耐衝撃性、遮音性、断熱性、コスト競争力を有する自動車内装材を得ることができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明の自動車内装材は、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる、一次発泡させた発泡層(1)の両面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる車内側非発泡層(2)及び耐熱性ポリスチレン系樹脂を主成分とする車外側非発泡層(3)を形成した基材(I)を製造する工程、
該基材(I)の車内側非発泡層(2)の表面にホットメルトフィルム(4)をラミネートする工程、
該ホットメルトフィルム(4)をラミネートした基材(I)に、表皮材(II)を配設した積層体を製造する工程、
該積層体を加熱する工程、
加熱した積層体をプレス成形法により積層一体化する工程、
により製造されたことにある。
【0012】
また、前記表皮材(II)が不織布であることにある。
【0013】
また、前記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分の含有量が35重量%〜75重量%であり、スチレン系成分の含有量が65重量%〜25重量%で構成されることにある。
【0014】
本発明にかかる自動車内装材の製造方法の要旨とするところは、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる、一次発泡させた発泡層(1)の両面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる車内側非発泡層(2)及び耐熱性ポリスチレン系樹脂を主成分とする車外側非発泡層(3)を形成した基材(I)を製造する工程、
該基材(I)の車内側非発泡層(2)の表面にホットメルトフィルム(4)をラミネートする工程、
該ホットメルトフィルム(4)をラミネートした基材(I)に、表皮材(II)を配設した積層体を製造する工程、
該積層体を加熱する工程、
加熱した積層体をプレス成形法により積層一体化する工程、
を含むことにある。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る自動車内装材および自動車内装材用基材の例を図面に基づいて詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の1実施形態に係る自動車内装材の構成を示すものであり、基材(I)は、耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(1)の両面に、熱可塑性樹脂を基材樹脂とする非発泡層(車内側非発泡層(2)および車外側非発泡層(3)が形成され、車内側非発泡層(2)の上面にホットメルトフィルム層(4)がラミネートされた構成からなる。表皮材(II)はホットメルトフィルム層(4)を介して基材(I)に積層されている。
【0017】
耐熱性樹脂を基材樹脂とする発泡層(1)は自動車内装材の基体となる層であり、この層(1)が耐熱性および成形性が良好な樹脂からなるので、耐熱性の高い2次発泡積層成形体である自動車内装材が容易に成形できる。また、この層(1)が発泡層であるため、軽量で、遮音性、断熱性に優れ、また密度が低いため使用樹脂量が少量で済み、コスト競争力を有するものとなる。
【0018】
本発明の発泡シートの基材樹脂として使用される耐熱性樹脂は、耐熱性を有するとして当業者に知られるいずれの樹脂をも用いることができる。例示すれば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−イタコン酸共重合体等の耐熱性ポリスチレン系樹脂;ポリスチレンあるいは耐熱性ポリスチレンとポリフェニレンエーテル(PPE)とのブレンド体、PPEへのスチレングラフト重合物などのスチレン・フェニレンエーテル共重合体、等の変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE系樹脂);ポリカーボネート樹脂;およびポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートで例示されるポリエステル樹脂などである。これらの樹脂は、2種以上を用いることもできる。この中でも、変性PPE系樹脂を発泡シートの基材樹脂として使用すると、耐熱性および剛性等の品質に優れているうえに、加工性および製造が容易である点で好ましい。
【0019】
これらの樹脂は、車内、車外の温度環境に耐えることができ、また、温度による変形が少ないことより、本発明にかかる自動車内装材に好適である。
【0020】
変性PPE系樹脂に使われるPPEとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチルフェニレン−4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレンー1,4−エーテル)、ポリ(2,6−ジエチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−プロピルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−n−ブチルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−メチル−6−ブロムフェニレン−1,4−エーテル)、ポリ(2−エチル−6−クロルフェニレン−1,4−エーテル)等が挙げられ、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。
【0021】
変性PPE系樹脂中、PPE系樹脂と混合樹脂を形成するPS系樹脂はスチレンまたはその誘導体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン等を主成分とする樹脂である。したがって、PS系樹脂はスチレンまたはスチレン誘導体だけからなる単独重合体に限らず他の単量体と共重合することによって作られた共重合体であってもよい。
【0022】
また、PPE系樹脂に重合、好ましくはグラフト重合させるスチレン系単量体の具体例としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレンなどがあげられる。これらは単独でも、2種以上組み合わせでも用い得る。これらのうちではスチレンが、汎用性、コストの点から好ましい。
【0023】
本発明の発泡層に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として35〜75重量部、スチレン成分として65〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として35〜60重量部、スチレン成分として65〜40重量部、特に好ましくは、フェニレンエーテル成分として38〜58重量部、スチレン成分として62〜42重量部がよい。PPE系樹脂の混合割合が少ないと、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の混合割合が多いと、加熱流動時の粘度が上昇し発泡成形が困難になる傾向がある。
【0024】
具体的には、変性PPE系樹脂発泡層(1)を形成する1次発泡層としては、層の厚みが1〜5mm、更には1.5〜3.5mm、発泡倍率が3〜20倍、更には5〜15倍、セル径が0.05〜0.9mm、更には0.1〜0.7mm、独立気泡率が70%以上、更には80%以上であるのが好ましい。1次発泡層の厚さが1mm未満であると、強度および断熱性に劣り自動車内装材用発泡積層シートとして適当でない場合がある。一方、5mmを超える場合、成形加熱時に熱が発泡層(1)の厚み方向の中心部まで伝わり難く、そのため充分な加熱が行なえず、成形性が悪くなる場合がある。また、充分な加熱を行うべく加熱時間を長くすると、発泡層表面のセルに破泡等が生じ、製品として許容できるものが得られ難くなる場合がある。また、1次発泡倍率が3倍未満の場合、柔軟性に劣り、曲げなどによる破損が生じ易く、また軽量化の効果が少ない。1次発泡倍率が20倍を越える場合、強度が低下し、中心部まで加熱しにくいことにより成形性が低下する傾向がある。更に、セル径が0.05mm以下の場合、充分な強度が得られ難く、0.9mm以上の場合、断熱性に劣る傾向がある。また、独立気泡率が70%以下の場合、断熱性、剛性に劣るとともに、成形加熱によって目的とする2次発泡倍率を得ることが困難となり、成形性に劣る傾向がある。
【0025】
また、変性PPE系樹脂発泡層(1)を形成する1次発泡層中の残存揮発成分の量は発泡層全重量に対して1〜5重量%、更には2〜4重量%が好ましい。残存揮発成分が1重量%を下回る場合は2次発泡倍率が低くなりすぎ、良好に成形できない場合がある。また、残存揮発成分が5重量%を越える場合は非発泡層との間に空気だまりが発生したり、経時による寸法安定性が悪くなる場合がある。なお、残存揮発成分の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定しても良いが、通常、発泡層サンプルを変性PPE系樹脂が軟化しはじめる温度以上で分解温度以下の温度範囲で加熱して揮発成分を充分に揮発させ、加熱前後の重量差により測定する。
【0026】
本発明において使用される発泡層(1)の基材樹脂には、必要に応じて気泡核調整剤、耐衝撃性改良剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を添加してもよい。
【0027】
次に、本発明に係る自動車内装材には、耐熱性樹脂発泡層(1)の両面に熱可塑性樹脂の非発泡層(2)及び(3)が形成される。これら非発泡層(2)及び(3)のうち、車内側非発泡層(2)は、その一方の表面に積層される表皮材(5)の加熱収縮を抑制する働きと、他方の表面にある発泡層(1)が成形時に延伸され扁平となったセルが加熱時に扁平率を解消する方向に形状を変化させることによる加熱収縮を抑制する働きを有する。また、車外側非発泡層(3)は発泡層(1)の加熱収縮を抑制する働きを有する。
【0028】
ここで発泡層(1)の加熱収縮はセル形状、養生によるセル内圧の変化、独立気泡率、加熱温度等により大きく影響され、その収縮率を制御することは非常に困難である。しかしながら、本発明者は、高温下でのフロント部の変形は発泡層(1)の加熱収縮に大きく左右されることより、発泡層(1)の加熱収縮を発泡層(1)の両面に積層された非発泡層(2)及び(3)で抑制することにより、フロント部分の変形を制御することに成功した。
【0029】
また、車内側非発泡層(2)は発泡層(1)の加熱収縮を抑制する働きに加え表皮材(II)の加熱収縮を抑制する働きを担っているため、車内側非発泡層(2)と車外側非発泡層(3)の基材構成を変化させ、バランスを保つ必要がある。このため、以下のように、樹脂を選択し構成した。
【0030】
非発泡層(2)、(3)に用いられる熱可塑性樹脂としては、少なくとも1つの非発泡層を構成する樹脂が、発泡層(1)の基材樹脂である耐熱性樹脂と異なる樹脂構成であることが好ましい。この非発泡層(2),(3)に用いられる熱可塑性樹脂としては、耐熱性PS系樹脂、変性PPE系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリアミド(ナイロン)系樹脂などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いられるが、発泡層(1)として変性PPE系樹脂を使用する場合は、該樹脂層との接着性の観点から、変性PPE系樹脂、耐熱性PS系樹脂が好ましく使用される。
【0031】
非発泡層(2)としては、変性PPE系樹脂が好ましく用いられる。変性PPE系樹脂としては、上述の発泡層(1)の場合と同様に、PPE系樹脂をスチレン系化合物を主体とする単量体またはその重合体で重合または混合による変性を行ったものであり、例えば、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂、PPE系樹脂にスチレン系単量体を重合させたPPE−スチレン共重合体、この共重合体とPS系樹脂またはPPE系樹脂との混合物、その共重合体とPPE系樹脂とPS系樹脂との混合物などが挙げられる。これらのうちでは、PPE系樹脂とPS系樹脂との混合樹脂が、製造が容易であるなどの点から好ましい。
【0032】
これらPPE系樹脂、PS系樹脂またはスチレン系単量体の具体例や好ましいものの例示や、PS系樹脂やスチレン単量体と重合可能な単量体の具体例、それを使用する理由などは、発泡層(1)において説明した場合と同様である。ただし、PS系樹脂の好ましい具体例として、HIPSで代表されるスチレン−ブタジエン共重合体が、非発泡層(2),(3)の耐衝撃性改善効果が大きいという点から追加される。
【0033】
非発泡層(2)に使用される基材樹脂として、変性PPE系樹脂を使用する場合は、フェニレンエーテル成分として20〜75重量部、スチレン成分として80〜25重量部が好ましく、更に好ましくは、フェニレンエーテル成分として20〜60重量部、スチレン成分として80〜40重量部、特に好ましくは、フェニレンエーテル成分として30〜50重量部、スチレン成分として70〜50重量部がよい。PPE系樹脂の使用割合が小さすぎると、耐熱性が劣る傾向にあり、PPE系樹脂の使用割合が大きすぎると、加熱流動時の粘度が上昇し、成形が困難になる場合がある。
【0034】
非発泡層(3)の基材樹脂としては、耐熱性PS系樹脂はスチレンまたはその誘導体と他の単量体との共重合体(以下「St系共重合体」と記す。)が、好ましく用いられ得る。スチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は、耐熱性の改善効果を有し、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物またはその誘導体が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。耐熱性の改善効果を有するスチレンまたはその誘導体と共重合可能な単量体は通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下の範囲で用いられる。
【0035】
また、スチレンまたはスチレン誘導体を重合させる際に、合成ゴムまたはゴムラテックスを添加して重合させたものとマレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体およびその酸無水物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのニトリル化合物との共重合体であってもよい。このうちでは、スチレン−無水マレイン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−メタアクリル酸系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体がその耐熱性改善効果、汎用性、コストの面から好ましい。
【0036】
耐熱性PS系樹脂は単独で用いても良く、あるいは2種類以上組み合わせても良い。また、耐熱性PS系樹脂は他の熱可塑性樹脂とブレンドして用いてもよく、ブレンドする熱可塑性樹脂としては例えば、ポリスチレン、HIPS、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドやそれらの共重合体などがあげられる。このうちでは汎用性、均一分散が可能であること、非発泡層の耐衝撃性改善効果が大きいこと、コストの面等からHIPSが好ましい。HIPSとしては公知のものが使用でき、ゴム成分の含有量は通常1〜15重量%である。
【0037】
次に、本発明における自動車内装材において、発泡層(1)に積層される非発泡層(2)、(3)の厚みは50〜300μmさらには75〜200μmが好ましい。非発泡層(2)、(3)の厚さが50μmより薄い場合には、強度、剛性、耐熱性などが劣り、300μmより厚い場合には、積層シートの成形性が劣る傾向にある。
【0038】
非発泡層(2)、(3)を形成する場合、必要に応じて、耐衝撃性改良剤、充填剤、滑剤、酸化防止剤、静電防止剤、顔料、安定剤、臭気低減剤等を単独又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0039】
耐衝撃性改良剤は、非発泡層(2)、(3)を発泡層(1)に積層し、2次発泡させた積層シートを自動車内装材として成形する際のパンチング加工や、積層シートや成形体を輸送する際に、非発泡層(2)、(3)の割れなどを防止するのに有効である。耐衝撃性改良剤としては、基材樹脂に混合することによってその効果を発揮するものであれば特に限定なく使用し得る。耐衝撃性改良剤は、重合による変性で熱可塑性樹脂に導入した耐衝撃性改良効果を発揮し得る成分であってもよく、例えばHIPSなどのように耐衝撃性改良成分を含むものを混合して非発泡層に使用する場合も、非発泡層(2)、(3)に耐衝撃性を付与することができる。
【0040】
非発泡層(2,3)の基材樹脂にHIPSなどの耐衝撃性改良効果を持つゴム分を含有する熱可塑性樹脂を混合して使用する場合は、熱可塑性樹脂のゴム分と耐衝撃性改良剤(ゴム分)の使用量の合計が熱可塑性樹脂に対して0〜25重量%、特に0〜20重量%が好ましい。耐衝撃性改良剤の使用量が25重量%を越えると、耐熱性や剛性に劣るようになる場合がある。
【0041】
発泡積層シートの車内側非発泡層(2)の表面には、ホットメルトフィルム層(4)がラミネートされる。
【0042】
車内側非発泡層(2)へのホットメルトフィルム層(4)のラミネートの方法としては、予めフィルム状に成形したホットメルトフィルム用樹脂を、基材の表面に熱ロール等により接着する方法、押出機から供給したホットメルトフィルム用樹脂を基材に層状に積層し、可塑状態にあるホットメルトフィルム層(4)を冷却ローラーなどによって固着する方法が挙げられる。
【0043】
前記ホットメルトフィルム用樹脂としては、ポリオレフィン系、変性ポリオレフィン系、ポリウレタン系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリアミド系、ポリエステル系、熱可塑性ゴム系、スチレン−ブタンジエン共重合体系、スチレン−イソプレン共重合体系などの樹脂を成分とするものが挙げられる。
【0044】
表皮材(II)は、車内側非発泡層(2)の表面にホットメルトフィルム層(4)をラミネートした基材(I)と積層され、加熱工程とプレス工程を経て一体化される。
【0045】
基材(I)と表皮材(II)の積層方法としては、端部をマドック等で仮止めする方法、ホットメルトフィルムを溶融させ接着させる方法等が挙げられるが、成形時積層体を搬送する際に基材(I)が折れる、破損する等のトラブルが生じた際にも表皮材(II)のみ再度利用できること、表皮材の種類を変えて成形する際、表皮材を簡単に取り替えることが出来る等の理由から仮止め方法が望ましい。
【0046】
表皮材は成形の際、加熱工程において車内側非発泡層(2)に比べヒータからの距離が短いことまた、ヒータの非発泡層への輻射熱を遮蔽するため、非発泡層(2)に比べてより高温となる。その結果、プレス成形される際、加熱された表皮材は、外気および金型との接触による非発泡層(2)および発泡層(1)の冷却を防ぐ働きをし、表皮材を積層せずに加熱する場合に比べて、プレス成形時の基材の歪みは低減される。
【0047】
表皮材(II)の具体例としては、従来の自動車内装材として用いられるものが使用できるが、通気性を有するものが好ましい。表皮材(II)に通気性がないと、基材(I)と表皮材(II)を積層して加熱する際に、ホットメルトフィルム層(4)と表皮材(II)の間に残った空気の逃げ場が無く、空気溜り、接着不良の原因となるためである。具体的には、通気性のある不織布が表皮材として好ましい。また、表皮材(II)は成形時に加熱工程において、150℃から200℃程度の高温下に曝されるため、これらの温度においても劣化、変形等の無い耐熱性の高い繊維からなる不織布が望ましい。これら耐熱性の高い繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン)、ポリアクリロニトリル、モダアクリル(例えば、鐘淵化学工業株式会社製「カネカロン(登録商標)」などの合成繊維や羊毛、木綿などの天然素材のものや、それらを適宜組み合わせたものが挙げられる。
【0048】
次に、本発明の自動車内装材の製造法について説明する。まず、本発明において使用される発泡層(1)(1次発泡層)を製造する。この発泡層(1)は、具体的には、例えば、各種の添加材を加えたものを押出機により150℃〜400℃で溶融・混練し、ついで150〜400℃、3〜50MPaの高温高圧下で、樹脂100部に対して発泡剤1〜15部を圧入し、発泡最適温度(150〜300℃)に調節して、サーキュラーダイなどを使い低圧帯(通常は大気中)に押出した後、マンドレルなどに接触させて、例えば0.5〜40m/分の速度で引き取りながらシート状に成形し、カット後、巻き取るなどの方法により製造することができる。
【0049】
発泡層(1)を製造する際に使用される発泡剤としては、ブタン、プロパン、ペンタン、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロフロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロジフロロエタンなどの炭化水素系発泡剤、ハロゲン化炭化水素系発泡剤などがあげられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用しても良い。中でも炭化水素系発泡剤が汎用性、コストの面から好ましい。
【0050】
次に、発泡層(1)に熱可塑性樹脂非発泡層(2)および(3)を積層する。積層する方法としては、例えば、予めフィルム状に成形した樹脂を、発泡成形されて供給される発泡層(1)の上面および/または、下面に熱ロール等により接着する方法、多層押出金型を用いて行う共押出積層方法などが挙げられる。このうち、予め発泡成形して、供給される発泡層(1)の上面および(または)下面に押出機から供給した非発泡層用樹脂組成物を層状に積層し、可塑状態にある非発泡層(2)及び(3)を冷却ローラーなどによって固着する方法が好ましい。なかでも、1次発泡層(1)の押出発泡シート成形と非発泡層(2)および(3)の押出をインラインで行って積層する方法が、製造工程を簡略化できる点で望ましい。
【0051】
つぎに、得られた1次発泡積層シートから自動車内装材である成形した2次発泡積層成形体を成形する。この工程において、上記発泡層と非発泡層を積層したものに、ホットメルトフィルム層及び表皮材を積層して、自動車内装材が一体成形される。一体成形の方法としては、例えば、上下にヒーターを持つ加熱炉の中央に車内側非発泡層(2)にホットメルトフィルム層をラミネートした基材(I)と表皮材(II)の積層体をクランプして導き、基材が成形に適した温度になるように加熱して2次発泡させたのち、温度調節した金型にて真空成形、圧空成形し得る。真空成形、圧空成形の例としては、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形などの方法が挙げられる。
【0052】
成形のための温度条件は、選択する樹脂の種類により、適宜選択され得る。
【0053】
以上、本発明にかかる自動車内装材は、非発泡層の樹脂選択を適切に行い、また、表皮材を積層した後に基材と表皮材を一体として加熱する一体成形法により、製造されるため、耐熱性に優れ、特に高温下での変形や自重による垂れ下がり等を効果的に改善することができる。
【0054】
以上、本発明にかかる自動車内装材およびその製造方法について、実施の形態について説明したが、本発明は、これらに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様で実施し得る。
【0055】
【実施例】
以下に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。また、実施例中では耐熱性評価温度として100℃としたが、これは発明を評価するための一つの基準として選択したものであり、現実に適用される耐熱性評価温度とは異なりうるものである。
【0056】
実施例・比較例に用いた樹脂を表1に、また表皮材およびその接着剤を表2に示す。なお表1に示した樹脂に関する各符号は次の通りである。
【0057】
【表1】
Figure 0003989128
【0058】
【表2】
Figure 0003989128
【0059】
〔樹脂の種類〕
変性PPE :変性ポリフェニレンエーテル
PS :ポリスチレン
SMA共重合体 :スチレン−無水マレイン酸共重合体
SMAA共重合体:スチレン−メタアクリル酸共重合体
HIPS :ハイインパクトポリスチレン
【0060】
また、実施例および比較例で行った評価方法を以下に示す。
〔発泡層および成形体の厚さ〕
1次発泡シート、成形体の幅方向に20ヶ所の厚さを測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0061】
〔発泡倍率〕
1次発泡シートの密度dfをJISK7222に準じて測定し、耐熱性樹脂の密度dpをJISK7112に準じて測定し、次式より求めた。
発泡倍率=dp/df
【0062】
〔独立気泡率〕
ASTMD−2859に準じて評価して求めた(マルチピクノメーター(ベックマン社製)を使用)。
【0063】
〔セル径〕
発泡層の断面を光学顕微鏡で観察し、20個のセル径を測定し、その測定値の平均値を算出した。
【0064】
〔目付〕
1次発泡シートの押し出し方向に5ヶ所より、10cm×10cmの大きさの試験片を切り出し、それらの重量を測定したのち、平均値を算出した。
【0065】
〔実装耐熱性試験〕
図2に示すような自動車内装材(幅930mm×長さ1424mm)を自動車天井部(カットボディ)に装着し、サンバイザー、ルームミラー、ルームランプ、ガニッシュ、ピラーを介して実車と同等となるように固定した。なお、図中6はアシストグリップ取付穴、7はサンバイザー取付穴、8はサンバイザー留め取付孔、9はルームミラー取付穴、10は室内灯取付穴である。また、フロント部分に測定点を6点、成形体の中心線と対称に120mm間隔で刻印した(図1中a〜f)。フロント部の測定点付近に標線を設け垂直方向の距離を測定した。次に、100±1℃に設定した恒温室に、天井材を取り付けた自動車天井部を24時間投入した後、成形体フロント部に刻印された測定点の垂直方向の寸法変化量の絶対値を測定し、a〜fの最大値を記録した。なお、表3に記入した最大変位量は、垂直反り上がり方向をプラス(+)、垂直垂れ下がり方向をマイナス(−)として測定した値である。
【0066】
〔加熱収縮率〕
成形体から表皮材を引き剥がし、車内側非発泡層(2)のフロント部分にMD方向200mmの間隔で定点を刻印した(図1中g、h)。室温の定点間の距離L0を測定した後、100±1℃に設定した恒温槽中に24時間投入した後、室温に戻し再び定点間の距離Lを測定した。測定値L0、Lを用いて次式より加熱収縮率を求めた。
加熱収縮率=(L0−L)/L0
【0067】
(実施例1)
PPE系樹脂成分40重量%,PS系樹脂成分60重量%となるようにPPE系樹脂(A)72.7部とPS系樹脂(B)27.3部とを混合した混合樹脂100部に対してiso−ブタンを主成分とする発泡剤(iso−ブタン/n−ブタン=85/15)2.7部およびタルク0.3部を押出機により混練し、樹脂温度201℃まで冷却し、サーキュラーダイスにより押出し、8m/分の速さの引き取りロールを介して巻取りロールにロール状に巻き取り、一次厚み1.6mm、一次発泡倍率9倍、独立気泡率90%、セル径0.15mm、目付け180g/m2の発泡シートを得た。次いで、この発泡シートをロールより5m/分の速さで繰り出しながら、スチレン−無水マレイン酸共重合体(C)43.9部とHIPS(E)43.9部と耐衝撃性改良剤(F)12.2部(全ゴム成分10重量%)とを混合した混合樹脂を樹脂温度が275℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押し出し、発泡シートの片面に厚さ120μmの耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成した。更に、この耐熱性の改善されたPS系樹脂非発泡層を形成したシートをロールから5m/分の速さで繰り出しながら、PPE系樹脂成分40重量%、PS系樹脂成分60重量%、になるようにPPE系樹脂(A)72.7部、PS系樹脂(B)27.3部を混合した混合樹脂を樹脂温度が275℃となるように押出機で溶融・混練し、Tダイを用いてフィルム状に押し出し、発泡積層シートの他方の面に厚さ120μmの変性PPE系樹脂非発泡層を形成し、非発泡層を両面に積層した発泡積層シートを得た。
【0068】
この発泡積層シートを繰り出し、同時に変性PPE系樹脂非発泡層側にホットメルトフィルム(G)を繰り出し、表面温度120℃、10m/分の速さに調節された熱ロールを介して巻き取り、変性PPE系樹脂非発泡層の面にホットメルトフィルム層を積層した1次発泡積層シートを得た。この1次発泡積層シートのホットメルトフィルム(G)面に表皮材(H)をマドックにより端部を仮止めし、表皮材を有する1次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した(2次発泡積層シート厚み3.7mm、表皮材の厚み1.0mm)。その後、変性PPE系樹脂非発泡層が車内側になるようにプレス金型にセットし、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行った。(一体成形)その後、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。車内側非発泡層(2)車外側非発泡層(3)の構成および測定の結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
Figure 0003989128
【0070】
なお表3に示した樹脂に関する各符号は次の通りである。
PPE :ポリフェニレンエーテル
PS :ポリスチレン
SMA共重合体 :スチレン−無水マレイン酸共重合体
SMAA共重合体:スチレン−メタアクリル酸共重合体
HIPS :ハイインパクトポリスチレン
SBR :スチレン−ブタジエンゴム
【0071】
(実施例2)
車外側非発泡層の樹脂をスチレン−メタアクリル酸共重合体(D)43.9部、HIPS(E)43.9部、耐衝撃性改良剤(F)12.2部(全ゴム成分10重量%)にする以外は実施例1と同様な方法にて、自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。車内側非発泡層(2)車外側非発泡層(3)の構成および測定の結果を表3に示す。
【0072】
(比較例1)
実施例1と同様にして1次発泡シートを得た。得られたシートをロールより5m/分の速さで繰り出しながら、HIPS(E)83.3部に耐衝撃性改良剤(F)16.7部(全ゴム成分15重量%)とを混合した混合樹脂を樹脂温度が275℃となるように押出機で溶融・混練した後、Tダイを用いてフィルム状に押出し、発泡シートの片面に厚み120μmのPS系樹脂非発泡層を形成した。次いで同様にして、発泡シートの他の面に厚み120μmのPS系樹脂非発泡層を形成し、両面にPS系樹脂非発泡層を有する発泡積層シートを得た。次に、実施例1と同様の方法にてホットメルトフィルム(G)を積層し、プラグ成形を行い、良好な自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。車内側非発泡層(2)車外側非発泡層(3)の構成および測定の結果を表3に示す。
【0073】
(比較例2)
車内側非発泡層をHIPS(E)83.3部に耐衝撃性改良剤(F)16.7部(全ゴム成分15重量%)を加えたものを使用し、車外側非発泡層をPPE系樹脂成分30重量%、PS系樹脂成分63.1重量%、ゴム成分6.9重量%になるようにPPE系樹脂(A)54.5部、PS系樹脂(B)34.0部、耐衝撃性改良剤(F)11.5部とする以外は実施例1と同様にして自動車天井用成形体を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。車内側非発泡層(2)車外側非発泡層(3)の構成および測定の結果を表3に示す。
【0074】
(比較例3)
実施例1と同様にして得られた一次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した(2次発泡積層シート厚み3.7mm、表皮材の厚み1.0mm)。加熱された2次発泡シートを変性PPE系樹脂非発泡層が車内側になるようにプレス金型にセットするとともに表皮材(H)も同様にプレス金型にセットして、金型クリアランス4.0mmでプラグ成形を行った。(同時成形)その後、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。
【0075】
(比較例4)
車外側非発泡層の樹脂をスチレン−メタアクリル酸共重合体(D)43.9部、HIPS(E)43.9部、耐衝撃性改良剤(F)12.2部(全ゴム成分10重量%)にする以外は比較例3と同様な方法にて、自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材から表皮材(H)を引き剥がし車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。車内側非発泡層(2)車外側非発泡層(3)の構成および測定の結果を表3に示す。
【0076】
(比較例5)
実施例1と同様にして得られた一次発泡積層シートの四方をクランプしてオーブンに入れ、発泡積層シート表面温度が145℃となるように60秒加熱した(2次発泡積層シート厚み3.7mm、表皮材の厚み1.0mm)。加熱された2次発泡シートを変性PPE系樹脂非発泡層が車内側になるようにプレス金型にセットして、金型クリアランス3.0mmでプラグ成形を行った。(表皮無し成形)その後、トリミング、パンチング加工を施し、良好な自動車内装材を得た。得られた自動車内装材をカットボディに装着し、100℃24時間の実装耐熱性試験を行った。また、同様にして得られた自動車内装材の車内側非発泡層(2)面の加熱収縮率を測定した。
【0077】
表3の結果から、比較例に比べて実施例の場合、本発明にかかる発泡層、非発泡層の樹脂構成を用いることにより、また、一体成形により製造することにより、耐熱性試験によるフロント部の変形が小さく、耐熱性が優れていることがわかる。
【0078】
【発明の効果】
本発明の自動車内装材および自動車内装材用発泡積層シートは、耐熱性が改善され、高温下での使用による変形、自重による垂れ下がりが改善されている。しかも成形性、寸法安定性、遮音性、耐衝撃性、断熱性、成形加工性、リサイクル性、軽量性などの特性が良好で軽量かつ容易に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動車内装材の要部拡大断面説明図である。
【図2】 本発明に係るトリミング加工を施した自動車内装材の一例を示す平面説明図である。
【符号の説明】
1:発泡層
2:車内側非発泡層
3:車外側非発泡層
4:ホットメルトフィルム層
I:基材
II:表皮材
6:アシストグリップ取付穴
7:サンバイザー取付穴
8:サンバイザー留め取付穴
9:ルームミラー取付穴
10:室内灯取付穴

Claims (4)

  1. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる、一次発泡させた発泡層(1)の両面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる車内側非発泡層(2)、及び耐熱性ポリスチレン系樹脂を主成分とする車外側非発泡層(3)を形成した基材(I)を製造する工程、
    該基材(I)の車内側非発泡層(2)の表面にホットメルトフィルム(4)をラミネートする工程、
    該ホットメルトフィルム(4)をラミネートした基材(I)に、表皮材(II)を配設した積層体を製造する工程、
    該積層体を加熱して前記基材( I )中の前記一次発泡させた発泡層(1)を2次発泡させる工程、
    加熱した積層体をプレス成形法により積層一体化する工程、
    により製造された、自動車内装材。
  2. 前記表皮材(II)が不織布である、請求項1に記載する自動車内装材。
  3. 前記変性ポリフェニレンエーテル系樹脂が、フェニレンエーテル成分の含有量が35重量%〜75重量%であり、スチレン系成分の含有量が65重量%〜25重量%で構成される、請求項1又は請求項2に記載する自動車内装材。
  4. 変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる、一次発泡させた発泡層(1)の両面に、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂からなる車内側非発泡層(2)、及び耐熱性ポリスチレン系樹脂を主成分とする車外側非発泡層(3)を形成した基材(I)を製造する工程、
    該基材(I)の車内側非発泡層(2)の表面にホットメルトフィルム(4)をラミネートする工程、
    該ホットメルトフィルム(4)をラミネートした基材(I)に、表皮材(II)を配設した積層体を製造する工程、
    該積層体を加熱して前記基材( I )中の前記一次発泡させた発泡層(1)を2次発泡させる工程、
    加熱した積層体をプレス成形法により積層一体化する工程、
    を含む、自動車内装材の製造方法。
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