JP7132153B2 - 積層発泡シート、及びその成形体 - Google Patents
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Description
特許文献1は、発泡層と、合成ゴムを含有する粘着剤層とを有する発泡積層体について提案している。また、特許文献2は、発泡体層と、熱可塑性エラストマー層とを有する積層発泡シートについて提案している。特許文献1、2の発泡積層体によれば、グリップ性を実現できる。
しかしながら、特許文献1、2では熱成形性、及び耐摩耗性について検討されていない。
[1] 発泡層と、前記発泡層の一方の面に位置する第一の非発泡層とを有し、
前記発泡層は、独立気泡率が70%以上であり、密度が50~1000kg/m3であり、
前記第一の非発泡層は、JIS K7125で求められる最大荷重が10~50Nであり、
以下の方法で算出される気泡(A)の割合が50%以上である、積層発泡シート。
<気泡(A)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層と第一の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(A)とし、気泡(A)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(A)の割合を算出する。
[2] 前記発泡層の厚みが0.1~3.0mmである、[1]に記載の積層発泡シート。
[3] 前記第一の非発泡層は、非架橋型オレフィン系エラストマーを含む、[1]又は[2]に記載の積層発泡シート。
[4] 前記第一の非発泡層のJIS K6253-3で求められるデュロA硬度が70以下である、[1]~[3]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[5] 前記第一の非発泡層のJIS K6251で求められる破断点伸び率が900%以上である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[6] 前記第一の非発泡層の厚みが0.05~0.5mmである、[1]~[5]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[7] 密度が100~2000kg/m3である、[1]~[6]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[8] 前記第一の非発泡層が、非架橋型オレフィン系エラストマーと、非架橋型オレフィン系エラストマー以外の樹脂とを含む、[1]~[7]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[9] [非架橋型オレフィン系エラストマーの含有量]:[非架橋型オレフィン系エラストマー以外の樹脂の含有量]で表される質量比は、10:90~90:10が好ましく、20:80~80:20がより好ましく、30:70~70:30がさらに好ましい、[8]に記載の積層発泡シート。
[10] 前記非架橋型オレフィン系エラストマー以外の樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である、[8]又は[9]に記載の積層発泡シート。
[11] さらに、前記発泡層の他方の面に位置する第二の非発泡層を有する、[1]~[10]のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
[13] 車両のフロアマットである、[12]に記載の成形体。
[14] 車両のアンダーカバーである、[12]に記載の成形体。
[15] 車両のラゲッジトレイである、[12]に記載の成形体。
[16] [1]~[11]のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法であって、
前記発泡層を構成する発泡シートの一方の面に、前記第一の非発泡層を構成する樹脂を200~240℃で融着させる第一の積層工程を含む、積層発泡シートの製造方法。
本発明の積層発泡シートは、発泡層と、発泡層の一方の面に位置する第一の非発泡層とを有する。本発明の積層発泡シートは、さらに、発泡層の他方の面に位置する第二の非発泡層を有していてもよい。
積層発泡シートの一例について、図1を用いて説明する。
図1の積層発泡シートは1、発泡層10と、発泡層10の一方の面に設けられた第一の非発泡層20と、発泡層10の他方の面に設けられた第二の非発泡層30と、を備える。積層発泡シート1は三層構造である。
なお、図1は、厚さ方向が拡大され、図示されている。
発泡層は、樹脂組成物が発泡されてなる。樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤とを含有する。
高溶融張力ポリプロピレン樹脂のメルトテンションは、例えば、10cN以上30cN以下が好ましい。上記下限値以上であると、発泡層の強度をより高めやすい。上記上限値以下であると、熱成形性をより向上しやすい。
樹脂のメルトテンションの測定は、(株)東洋精機製作所製の測定装置「キャピログラフPMD-C」を使用して、以下のようにして測定できる。
まず試料樹脂を、230℃に加熱して溶融させた状態で、上記装置の、ピストン押出式プラストメーターのキャピラリー(口径2.095mm、長さ8mm)から、ピストンの降下速度を10mm/minの一定速度に保ちつつ紐状に押出す。次にこの紐状物を、上記ノズルの下方35cmに位置する張力検出プーリーに通過させた後、巻き取りロールを用いて、初速5m/minよりその巻き取り速度を、約66m/min2の加速度でもって増加させながら巻き取って行う。そして紐状物が切れるまで試験を行った際に、張力検出プーリーによって検出された破断直前の極大張力をもって、試料樹脂のメルトテンションとする。
MFRは、熱可塑性樹脂の溶融時の流動性を表す数値である。MFRは、シリンダ内で溶融した樹脂を、一定の温度と荷重条件のもとで、ピストンによって、シリンダ底部に設置された規定口径のダイから、10分間あたりに押し出される樹脂量で表される。
本明細書において、MFRは、230℃、0.23MPaにおける数値である。
ポリオレフィン系樹脂の融点は、JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により測定される。
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体に基づく構成単位が、前記ポリスチレン系樹脂の全構成単位に対して50質量%以上含まれるものが好ましく、70質量%以上含まれるものがより好ましく、80質量%以上含まれるものがさらに好ましい。
また、ポリスチレン系樹脂の質量平均分子量は、20万~40万が好ましく、24万~40万がより好ましい。前記質量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値を、標準ポリスチレンによる較正曲線に基づき換算した値である。
また、ポリスチレン系樹脂として、ゴム成分を含むハイインパクトポリスチレンが用いられてもよい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
ポリスチレン系樹脂中の(メタ)アクリル酸に基づく構成単位の含有量は、スチレン-(メタ)アクリル酸の仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中のブタジエンに基づく構成単位の含有量は、スチレン-ブタジエンの仕込み量から計算により算出できる。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン-(メタ)アクリル酸共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
ポリスチレン系樹脂中のスチレン-ブタジエン共重合体の含有量は、特に限定されず、ポリスチレン系樹脂の総質量に対して100質量%でもよい。
発泡剤としては、例えば、重曹-クエン酸系発泡剤、炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジド、ホウ水素化ナトリウム等の無機系分解性発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾ化合物;N,N’-ジニトロソペンタンメチレンテトラミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’-オキシビスベンゼスルホニルセミカルバジド、p-トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート等が挙げられる。気体の発泡剤としては、空気、窒素、炭酸ガス、プロパン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化フッ化メタン、n-ブタン、イソブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、常温(15℃~25℃)で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
上記発泡剤のうち、n-ブタン、窒素が特に好ましい。
発泡層中の発泡剤の含有量(いわゆる残存ガス量)は、発泡層の総質量に対し、0.3~3.6質量%が好ましく、0.5~3.3質量%がより好ましい。
気泡調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
気泡調整剤の添加量は、樹脂100質量部に対して0.01~1.0質量部が好ましい。
発泡層の独立気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック‐連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される。
本明細書において、厚みは、測定対象物の幅方向(TD方向)等間隔の20箇所をマクロゲージによって測定し、その算術平均値により求められた値である。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
発泡層の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、発泡層の坪量(g/m2)とする。
発泡層を形成する発泡シートは、従来公知の製造方法に準拠して製造される。
発泡シートの製造方法としては、樹脂組成物を調製し、樹脂組成物をシート状に押し出し、発泡(一次発泡)する方法が挙げられる(押出発泡法)。
発泡シートの製造方法の一例について、図2を用いて説明する。
図2の発泡シートの製造装置200は、インフレーション成形により発泡シートを得る装置であり、押出機202と、発泡剤供給源208と、サーキュラーダイ210と、マンドレル220と、2つの巻取機240とを備える。
押出機202は、いわゆるタンデム型押出機であり、押出機A202aと押出機B202bとが配管206で接続された構成とされている。第一の押出部202aはホッパー204を備え、押出機A202aには、発泡剤供給源208が接続されている。
押出機B202bには、サーキュラーダイ210が接続され、サーキュラーダイ210の下流には、マンドレル220が設けられている。マンドレル220は、カッター222を備える。
ホッパー204から投入される原料は、発泡シートを構成する樹脂、及び必要に応じて配合される添加剤等である。
加熱温度は、樹脂の種類等を勘案して、樹脂が溶融しかつ添加剤が変性しない範囲で適宜決定される。
樹脂組成物は、サーキュラーダイ210から押し出され、発泡剤が発泡して円筒状の発泡シート101aとなる。サーキュラーダイ210から押し出された発泡シート101aは、冷却空気211を吹き付けられた後、マンドレル220に供給される。この冷却空気211の温度、量、吹き付け位置との組み合わせにより、発泡シート101aの冷却速度を調節できる。
円筒状の発泡シート101aは、マンドレル220で任意の温度にされ、サイジングされ、カッター222によって2枚に切り裂かれて発泡シート101となる。発泡シート101は、各々ガイドロール242とガイドロール244とに掛け回され、巻取機240に巻き取られて発泡シートロール102となる。
発泡シートの発泡倍数は、例えば、2~20倍とされる。
なお、発泡シートは、インフレーション成形以外の方法により製造されてもよい。
第一の非発泡層は、発泡層の一方の面に位置する層である。
なお、本明細書において、「非発泡」とは、原料樹脂を発泡させていない状態を表し、発泡倍数が、1.0倍である場合をいう。
第一の非発泡層は、非架橋型オレフィン系エラストマーを含むことが好ましい。
本明細書において、「非架橋」とは、ゲル分率が3.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下であることを意味する。ゲル分率は以下のように測定した値である。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1・・・(1)
第一の非発泡層は、非架橋型オレフィン系エラストマー以外の樹脂として、前記<発泡層>で述べたポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等を含んでいてもよい。
最大静止摩擦係数の測定の相手材は滑り性を明確にするために、アルミ材の鏡面仕上げを用いることが好ましい。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
第一の非発泡層の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、第一の非発泡層の坪量a(g/m2)とする。
第一の非発泡層に前記添加剤が含まれる場合、その含有量は樹脂100質量部に対して0質量部超30質量部以下が好ましい。
第二の非発泡層は、発泡層の他方の面に位置する層である。
第二の非発泡層としては、前記<第一の非発泡層>と同様のものを使用できる。
第二の非発泡層は、フィラーを含んでいてもよい。フィラーを含むことにより、強度をより向上しやすい。
フィラーとしては、無機フィラーが好ましく、例えば、タルク、カオリン、焼成カオリン、ベントナイト、雲母族鉱物(セリサイト、白雲母、金雲母、黒雲母)、等の板状の鉱物粒子が挙げられる。これらのなかでもタルクが好ましい。
フィラーの含有量は、第二の非発泡層の総質量に対し、5~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。無機フィラーの含有量が上記数値範囲内であると、強度に優れる。
フィラーの平均粒子径は、1~50μmが好ましく、3~30μmがより好ましい。フィラーの平均粒子径が上記数値範囲内であると、強度に優れる。
なお、本明細書において平均粒子径は、レーザー回折法で測定できる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
第二の非発泡層の幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、第二の非発泡層の坪量b(g/m2)とする。
第二の非発泡層に前記添加剤が含まれる場合、その含有量は樹脂100質量部に対して0質量部超30質量部以下が好ましい。
<気泡(A)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層の気泡のうち、第一の非発泡層側に位置する3点以上の気泡を選択し、厚さ方向に対して垂直方向に、選択された前記気泡の第一の非発泡層側に接線を引く。前記接線を発泡層と第一の非発泡層との界面とする。前記界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(A)とする。前記領域に含まれる発泡層の厚みに対して短径が1%以上の空洞を気泡とみなす。全ての気泡の数と気泡(A)の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(A)の割合を算出する。なお、発泡層の厚さ方向に対して垂直な方向の気泡径の最大値を長径、発泡層の厚さ方向の気泡径の最大値を短径とする。また、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域に気泡の少なくとも一部が含まれる気泡を前記領域内の気泡とみなす。
<気泡(B)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層と第二の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(B)とし、気泡(B)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(B)の割合を算出する。
図3は、3層からなる積層発泡シート11を厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面を撮影したものである。図3の積層発泡シート11は、下から、第一の非発泡層、発泡層、及び第二の非発泡層の順に積層されている。得られた積層発泡シート11の写真において、発泡層と第一の非発泡層との界面21の位置を決める。ここで、「界面」は、発泡層の気泡のうち、第一の非発泡層側に位置する3点以上の気泡を選択し、厚さ方向に対して垂直方向に、選択された前記気泡の第一の非発泡層側に接線を引き、前記接線を界面とすることで決定される。次に、界面21と平行な線22であって、界面21から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さになる位置に線22を引く。さらに、界面21から、線22までの領域に含まれる気泡の長径及び短径を測定する。ここで、気泡の長径及び短径は、発泡層の厚さ方向に対して垂直な方向の気泡径の最大値を長径、発泡層の厚さ方向の気泡径の最大値を短径とする。続いて、気泡の長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(A)とする。気泡(A)の数、及び前記領域に含まれる全気泡数を数える。気泡数は、発泡層の厚みに対して短径が1%以上の空洞を気泡とみなし、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域に気泡の少なくとも一部が含まれる気泡を前記領域内の気泡とみなして数える。前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(A)の割合を算出する。
気泡(B)の割合も、気泡(A)と同様の方法で算出することができる。
なお坪量は、以下の方法で測定することができる。
積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定する。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、積層発泡シートの坪量(g/m2)とする。
積層発泡シート1の製造方法の一例について、説明する。
積層発泡シート1の製造方法は、例えば、発泡シートを得る発泡シート形成工程と、発泡シートの一方の面に第一の非発泡層を構成する樹脂を押出ラミネートにより融着する第一の積層工程と、発泡シートの他方の面に第二の非発泡層を構成する樹脂を押出ラミネートにより融着する第二の積層工程と、を備えることが好ましい。
以下、第一の積層工程、及び第二の積層工程の一例について、図4を用いて説明する。
こうして、発泡層10と、第一の非発泡層20とを備える2層からなる積層発泡シート104となる。積層工程における加熱温度は、各層の材質等に応じて、適宜決定される。
第一の積層工程で得られた2層からなる積層発泡シート104を、ロール113にかけ回し、発泡シートの他方の面に第二押出機115で溶融された樹脂105をダイ114より供給する。その後、一対の冷却ロール116で圧着されて融着される。
こうして、発泡層10と、第一の非発泡層20と、第二の非発泡層30とを備える3層からなる積層発泡シート1となる。
本発明の成形体は、積層発泡シートを成形することにより得られる。
積層発泡シートを成形する方法としては、例えば、積層発泡シートを任意の温度に加熱して二次発泡させ、次いで、積層発泡シートを任意の形状の雄型と雌型とで挟み込んで成形する方法が挙げられる。
第一の非発泡層が鉛直方向下方に向く面になるように成形することが好ましい。
車両のフロアマットとは、車両の床面に着脱可能に配置されるものであり、搭乗者が車外から持ち込む土砂等による汚れを補足し、車室外で洗浄して繰り返し使用されるものである。車両のフロアマットにおいては、第一の非発泡層が前記フロアマット使用時における鉛直方法下方に向く面になるように配置することが好ましい。これにより、車両のフロアマットが所定の位置からずれるのを防ぐことができる。
図5は、本発明の車両のフロアマットの一例を示す模式図である。図5の車両フロアマット2は、車両前方の座席の足元に配置できるように切り欠き部を有し、滑り止めのために表面に凹凸構造を有する。切り欠き部は車両の形状に合わせて形成すればよい。凹凸構造はどのような形状でもよく、あってもなくてもよい。
車両のアンダーカバーとは、車体下部を覆い保護するものである。車両のアンダーカバーにおいては、第一の非発泡層が前記アンダーカバー使用時における鉛直方向下方に向く面になるように配置することが好ましい。これにより、車両走行中に地面から車両に跳ね上がる土砂等から車両を保護することができる。
図6は、本発明の車両のアンダーカバーの一例を示す模式図である。図6の車両のアンダーカバーは、凹凸構造を有することで、空気抵抗を小さくして燃費をよくすることができる。凹凸構造はどのような形状でもよく、あってもなくてもよい。
車両のラゲッジトレイとは、車両のトランクルーム等の底部に設置する物入用のトレイである。車両のラゲッジトレイにおいては、第一の非発泡層が前記車両のラゲッジトレイ使用時における鉛直方向下方に向く面になるように配置することが好ましい。これにより、車両のラゲッジトレイが所定の位置からずれるのを防ぐことができる。
図7は、本発明の車両のラゲッジトレイの一例を示す模式図である。図7の車両のラゲッジトレイ4は、平面視で長方形であるが、どのような形状であってもよい。
図8は、本発明の車両のラゲッジトレイの他の例を示す模式図である。図8の車両のラゲッジトレイ5は、トランク内に配置できるように切り欠き部を有し、滑り止めのために表面に凹凸構造を有する。切り欠き部は車両の形状に合わせて形成すればよい。凹凸構造はどのような形状でもよく、あってもなくてもよい。
ポリプロピレン系樹脂として、Borealis社製の「WB140HMS」(メルトテンション:23cN、メルトフローレート:1.7g/10分)を40質量部、ブロックポリプロピレンとして日本ポリプロ社製の商品名「BC6C」を50質量部、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー(TPO)としてサンアロマー社製の商品名「Q-100F」を10質量部の割合で混合してポリマー成分を調製した。前記ポリマー成分100質量部に対する割合が0.2質量部となる重曹-クエン酸系発泡剤(大日精化社製マスターバッチ、商品名「ファインセルマスターPO410K」)を配合して混合物を得た。口径が90mmの第1押し出し機の先端に、口径115mmの第2押し出し機を接続したタンデム押し出し機を準備した。前記混合物を、第1押し出し機を供給し、約200~210℃にて溶融混練した。続いて、第1押し出し機内に発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35(質量比))をポリマー成分100質量部に対して1.0質量部となるように圧入してさらに溶融混練した。その後、約175℃まで冷却し、第2押し出し機の先端に接続されている環状の環状ダイに供給して、150kg/時間の押出量で円筒状に押出発泡させた。
得られた円筒状発泡体をその内面にエアーを吹き付けて冷却した。その後、冷却マンドレルプラグ上を沿わせて内面を固化させるとともに、そのプラグ上で外面にもエアーを吹き付けて冷却固化させた。続いて、円筒状発泡体をその押出方向に切断して切り開き、連続シートとしてロール状に巻き取り、厚み2.0mm、密度270kg/m3の発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)60質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)40質量部を混合した樹脂混合物を、第3押し出し機と第4押し出し機に供給した。第3押し出し機の先端に取り付けたTダイからシートを押出し、押し出した直後の溶融状態のシートを発泡シートの一方の面に積層し、融着させた。続いて、第4押し出し機の先端に取り付けたTダイからシートを押出し、押し出した直後の溶融状態のシートを発泡シートの他方の面に積層し、融着させた。これにより、両面に非発泡層を有する積層発泡シートを得た。なお、第3押し出し機と第4押し出し機の押出条件は同一とした。Tダイはいずれも、その樹脂流路における幅方向の両端部の温度が260℃となるように、両端部以外の部分の温度が280℃となるように調整した。融着させる際の溶融状態のシートの温度は220℃であった。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)80質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)20質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)20質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)80質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3700B」、ゲル分率0.2質量%)70質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)30質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を225℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)70質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q300F」)30質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を215℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)60質量部、及びポリプロピレン系樹脂(ダウ・ケミカル社製、商品名「エンゲージXLT8677」)40質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を240℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)60質量部、及びポリスチレン系樹脂(アロン化成株式会社製、商品名「AR-885C」)40質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を235℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を1.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして厚み3.0mm、密度180kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)50質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)50質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を210℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を0.3質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして厚み0.4mm、密度900kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を1.5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして厚み2.0mm、密度270kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)70質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)30質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を215℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)70質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)30質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、融着させる際の溶融状態のシートの温度を230℃に変更したこと、及び第一の非発泡層の厚みを0.33mmにしたこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を0.8質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして厚み1.5mm、密度360kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)50質量部、及びポリプロピレン系樹脂(サンアロマー社製、商品名「Q100F」)50質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を230℃に変更したこと、第二押出機を稼動させなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、三井化学社製 商品名「SA135」、ガラス転移温度Tg:79℃、融点:247.1℃、IV値:0.86)100質量部、タルク0.72質量部、及び、無水ピロメリット酸0.2質量部を含む熱可塑性ポリエステル系樹脂組成物を口径が65mmで且つL/D比が35の単軸押出機に供給して290℃にて溶融混練した。続いて、単軸押出機内に発泡剤としてブタン(ノルマルブタン:イソブタン=65:35(質量比))をポリマー成分100質量部に対して1.0質量部となるように圧入してさらに溶融混練した。その後、約220℃まで冷却し、単軸押出機の先端に接続されているサーキュラーダイから円筒状に押出発泡させて円筒状体を製造し、この円筒状体を徐々に拡径した上で冷却マンドレルに供給して円筒状体をその表面温度が25℃となるように冷却した後、円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断し切り開いて展開することによって、厚み2.0mm、密度270kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、融着させる際の溶融状態のシートの温度を235℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
押出量を50kg/時間に変更したこと以外は、実施例1と同様にして厚み2.0mm、密度90kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、融着させる際の溶融状態のシートの温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂(JSR社製、商品名「3400B」、ゲル分率0.3質量%)からなる樹脂を使用したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤を1.1質量部となるように圧入したこと、その後、約185℃までの冷却としたこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いて、融着させる際の溶融状態のシートの温度を210℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を0.2質量部となるように圧入したこと以外は、実施例1と同様にして厚み3.0mm、密度30kg/m3の発泡シートを得た。
得られた発泡シートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
発泡剤の量を1.5質量部となるように圧入したこと以外は、実施例1と同様にして厚み3.0mm、密度180kg/m3の発泡シートを得た。
融着させる際の溶融状態のシートの温度を180℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「BC6C」)からなる樹脂を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を215℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「BC6C」)100質量部に、無機フィラー70質量%を含有するタルペット70P(日東粉化工業社製)43質量部を混合した樹脂混合物を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を225℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
実施例1と同様にして発泡シートを得た。得られた発泡シートをそのまま評価に用いた。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、架橋型オレフィン系エラストマー(JSR社製、商品名「1301B」、ゲル分率40質量%)からなる樹脂を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を235℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、架橋型オレフィン系エラストマー(JSR社製、商品名「1703B」、ゲル分率39.5質量%)からなる樹脂を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を220℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
第一の非発泡層を構成する樹脂として、スチレン系エラストマー(JSR社製、商品名「TR2000」)からなる樹脂を使用したこと、及び融着させる際の溶融状態のシートの温度を230℃に変更したこと以外は、実施例1と同様としたが、積層発泡シートを得ることが出来なかった。
融着させる際の溶融状態のシートの温度を180℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを得た。
なお、第二の非発泡層を有しない実施例12の積層発泡シートについては、発泡シートの他方の面を第二の非発泡層の表面とみなし、最大静止摩擦係数、最大荷重、及び耐摩耗性を測定した。
また、第一の非発泡層、及び第二の非発泡層を有しない比較例7の発泡シートについては、発泡シートの一方の面を第一の非発泡層の表面とし、且つ発泡シートの他方の面を第二の非発泡層の表面とみなし、最大静止摩擦係数、最大荷重、及び耐摩耗性を測定した。
発泡シート、第一の非発泡層シート、第二の非発泡層シート、又は積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向に等間隔に、10cm×10cmの切片10個を切り出し、各切片の質量(g)を0.001g単位まで測定した。各切片の質量(g)の平均値を1m2当たりの質量に換算した値を、坪量M(g/m2)とした。
発泡シート、第一の非発泡層シート、第二の非発泡層シート、又は積層発泡シートの幅方向の両端20mmを除き、幅方向50mm間隔で21点を測定点とした。この測定点について、ダイヤルシックネスゲージSM-112(テクロック社製)を使用し、厚みを最小単位0.01mmまで測定した。この測定値の平均値を厚みT(mm)とした。
厚みT(mm)と坪量M(g/m2)とから、下記(2)式により密度ρ(kg/m3)を求めた。
ρ=M/T ・・・(2)
JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック‐連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により、独立気泡率を測定した。
JIS K6253-3に従い、デュロ硬度Aを測定した。
JIS K6251に従い、破断点伸び率を測定した。
JIS K7121:1987「プラスチックの転移温度測定方法」に記載の方法により、融点を測定した。
JIS K7125に従い、最大静止摩擦係数を測定した。
JIS K7125に従い、最大荷重を測定した。
以下の方法で気泡(A)の割合を算出した。
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面の写真撮影を行った。得られた写真において、発泡層と第一の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定した。長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(A)とした。気泡(A)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(A)の割合を算出した。
熱成形については単発成型機FVS-500型(脇坂エンジニアリング製)を使用して加熱温度295℃、加熱時間22sで口径155φの円筒型の発泡積層熱成形体を得た。このとき、表面が平滑で、容器強度が十分で剥がれ等もなく、熱成形性が良好である発泡積層熱成形体が得られる最大限の深さを求めた。
耐磨耗性の測定は次のように行った。
測定はJIS K7204に従い行った。試験片サイズは直径120mm、製品厚さの積層発泡シートとし、その中央部に直径6mmの穴をあけたものを使用した。テーバー摩耗試験装置(テーバー社製 Model503)を用い、磨耗輪H-38を使用し、荷重500g、回転速度60回転/分、回転数1000回転で行い試験後の外観を以下の評価基準で評価した。
[評価基準]
A:表面紋がわずかに残る程度
B:著しい段差が出来る
C:穴が開く
第一の非発泡層における最大荷重が50N超である比較例1は、耐摩耗性において劣っていた。
独立気泡率が70%未満であり、且つ気泡(A)の割合が50%未満である比較例2は、熱成形性において劣っていた。
発泡層の密度が50kg/m3未満である比較例3は、熱成形性において劣っていた。
気泡(A)の割合が50%未満である比較例4は、熱成形性、及び耐摩耗性において劣っていた。
第一の非発泡層における最大荷重が10N未満である比較例5及び6は、グリップ性、及び耐摩耗性において劣っていた。
第一の非発泡層における最大荷重が10N未満であり、且つ気泡(A)の割合が50%未満である比較例7は、グリップ性、耐摩耗性において劣っていた。
第一の非発泡層における最大荷重が10N未満である比較例8及び9は、グリップ性、熱成形性、及び耐摩耗性において劣っていた。
比較例10は、発泡層と非発泡層との間の十分な接着強度が得られず、測定可能な積層シートを得ることができなかった。
気泡(A)の割合が50%未満である比較例11は、熱成形性、及び耐摩耗性において劣っていた。
10・・・発泡層
11・・・積層発泡シート
20・・・第一の非発泡層
21・・・発泡層と第一の非発泡層との界面
22・・・発泡層と第一の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さに引いた線
30・・・第二の非発泡層
31・・・発泡層と第二の非発泡層との界面
32・・・発泡層と第二の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さに引いた線
2・・・車両のフロアマット
3・・・車両のアンダーカバー
4・・・車両のラゲッジトレイ
5・・・車両のラゲッジトレイ
Claims (11)
- 発泡層と、前記発泡層の一方の面に位置する第一の非発泡層とを有し、
前記発泡層は、独立気泡率が70%以上であり、密度が50~1000kg/m3であり、ポリプロピレン系樹脂、及びポリエステル系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含み、
前記第一の非発泡層は、JIS K7125で求められる最大荷重が10~50Nであり、非架橋型オレフィン系エラストマー樹脂、及びポリプロピレン系樹脂を含み、
以下の方法で算出される気泡(A)の割合が50%以上である、積層発泡シート。
<気泡(A)の割合の算出方法>
積層発泡シートを厚さ方向に沿って切断し、走査電子顕微鏡を用いて、30倍の倍率で切断面の写真撮影を行い、得られた写真において、発泡層と第一の非発泡層との界面から、発泡層の厚さ方向に、発泡層の厚みに対して15%となる深さまでの領域における気泡の長径及び短径を測定し、長径/短径で表される比を算出し、前記比が4.0以上の気泡を気泡(A)とし、気泡(A)の数と、前記領域に含まれる全ての気泡の数とを数え、前記領域に含まれる全気泡数に対する気泡(A)の割合を算出する。 - 前記発泡層の厚みが0.1~3.0mmである、請求項1に記載の積層発泡シート。
- 前記第一の非発泡層のJIS K6253-3で求められるデュロA硬度が70以下である、請求項1又は2に記載の積層発泡シート。
- 前記第一の非発泡層のJIS K6251で求められる破断点伸び率が900%以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
- 前記第一の非発泡層の厚みが0.05~0.5mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
- 密度が100~2000kg/m3である、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層発泡シート。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の積層発泡シートを成形してなる成形体。
- 車両のフロアマットである、請求項7に記載の成形体。
- 車両のアンダーカバーである、請求項7に記載の成形体。
- 車両のラゲッジトレイである、請求項7に記載の成形体。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の積層発泡シートの製造方法であって、
前記発泡層を構成する発泡シートの一方の面に、前記第一の非発泡層を構成する樹脂を200~240℃で融着させる第一の積層工程を含む、積層発泡シートの製造方法。
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