JP7128705B2 - 多層発泡シート及び容器 - Google Patents
多層発泡シート及び容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7128705B2 JP7128705B2 JP2018181975A JP2018181975A JP7128705B2 JP 7128705 B2 JP7128705 B2 JP 7128705B2 JP 2018181975 A JP2018181975 A JP 2018181975A JP 2018181975 A JP2018181975 A JP 2018181975A JP 7128705 B2 JP7128705 B2 JP 7128705B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- foam sheet
- density polyethylene
- resin layer
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W90/00—Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
- Y02W90/10—Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
特許文献2には、ポリオレフィン系樹脂層に結晶化度が30%以上のポリエチレン系樹脂を用い、スチレンオリゴマーの含有量が1500ppm以下であるポリスチレン系樹脂と高密度ポリエチレンを主とする結晶化度30%以上であるポリエチレン系樹脂との混合樹脂の混合状態を表す相構造指数PIの値が0.7~3.5に制御された接着層を介してポリスチレン系発泡層に積層させた多層発泡シートが提案されている。
特許文献3には、180℃における溶融張力が0.5cN以上3.0cN以下である熱可塑性樹脂からなる非発泡層を備えた多層発泡シートが提案されている。
<1>ポリスチレン系樹脂発泡層と、該発泡層に積層接着されているポリエチレン系樹脂層とを有する熱成形用の多層発泡シートであって、
前記多層発泡シートの全体坪量が200~500g/m2であり、
前記樹脂層の坪量が20g/m2以上80g/m2未満であり、
前記樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂の密度が0.935g/cm3を超え、
前記樹脂層が下記(1)又は(2)の条件を満たすことを特徴とする多層発泡シート。
(1)前記樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が2cN以上、5cN以下であると共に、前記溶融張力MT1に対する、前記樹脂層の190℃、引取速度100m/minにおける溶融張力MT2の比が1.3以上であること。
(2)前記樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が5cNを超えること。
<2>前記樹脂層が、共押出により接着層を介して前記発泡層に積層接着されていることを特徴とする<1>に記載の多層発泡シート。
<3>前記樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合樹脂であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の多層発泡シート。
<4>前記混合樹脂の下記式(1)で表される相構造指数PIが3.0~20であることを特徴とする<3>に記載の多層発泡シート。
PI=(ηB×φA)/(ηA×φB)・・・(1)
ηA:190℃、せん断速度100sec-1での高密度ポリエチレンの溶融粘度
φA:該混合樹脂中の高密度ポリエチレンの体積分率
ηB:190℃、せん断速度100sec-1での低密度ポリエチレンの溶融粘度
φB:該混合樹脂中の低密度ポリエチレンの体積分率
<5>前記混合樹脂における高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの質量割合が、高密度ポリエチレン60~90質量%、低密度ポリエチレン10~40質量%(ただし、両者の合計は100質量%)であることを特徴とする<3>又は<4>に記載の多層発泡シート。
<6>前記高密度ポリエチレンの190℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度Aが0.7~1.6kPa・sであると共に、前記溶融粘度Aに対する、前記低密度ポリエチレンの190℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度Bの比が0.5~2であることを特徴とする<3>から<5>のいずれかに記載の多層発泡シート。
<7>前記低密度ポリエチレンの190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力が、10cN以上であることを特徴とする<3>から<6>のいずれかに記載の多層発泡シート。
<8>前記多層発泡シートの見掛け密度が0.05~0.30g/cm3であり、厚みが1~3mmであることを特徴とする<1>から<7>のいずれかに記載の多層発泡シート。
<9>前記多層発泡シートの独立気泡率が90%以上であることを特徴とする<1>から<8>のいずれかに記載の多層発泡シート。
<10><1>から<9>のいずれかに記載の多層発泡シートが展開倍率2.5倍以上に熱成形されてなることを特徴とする容器。
<11>前記容器の透湿度が10g/(m2・day)以下であることを特徴とする<10>に記載の容器。
なお、本発明における溶融粘度は、例えば、測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用いて測定することができる。
上記密度が低すぎる場合、得られる容器の防湿性を高めることが困難となる場合がある。かかる観点から、該ポリエチレン系樹脂の密度は0.940g/cm3以上が好ましく、0.945g/cm3以上であることがより好ましく、0.950g/cm3以上であることがさらに好ましい。また、ポリエチレン系樹脂の密度は、概ね0.965g/cm3以下であることが好ましく、より好ましくは0.960g/cm3以下である。
樹脂層の構成するポリエチレン系樹脂の密度は、JIS K 7112(1999)のB法(ピクノメーター法)に基づいて測定する。
(1)樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が2cN以上、5cN以下であると共に、溶融張力MT1に対する、樹脂層の190℃、引取速度100m/minにおける溶融張力MT2の比が1.3以上であること。
(2)樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が5cNを超えること。
また、溶融張力MT1に対する溶融張力MT2の比が小さすぎると、熱成形時において、樹脂層に十分なひずみ硬化が発現せず、樹脂層を均一に引き延ばすことができないため、得られる容器の樹脂層の厚みが不均一となり、局所的に樹脂層の厚みが薄い部分が発生するおそれや、樹脂層に小孔が発生するおそれがある。そのため、樹脂層の坪量が小さいと共に、優れた防湿性能を安定して発揮できる容器を得ることが困難となる。
かかる観点から、条件(1)における、190℃、引取速度5m/minで測定される溶融張力MT1対する、100m/minで測定される溶融張力MT2の比(MT2/MT1)は、1.4以上であることが好ましく1.5以上であることがより好ましい。なお、該溶融張力の比は、概ね2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.8以下である。
また、本発明の溶融張力は、実施例で示すように、例えば、(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用いて測定することができる。
また、引取速度100m/minでの測定は、引取速度5m/minでの測定に対して、測定時の樹脂のひずみが十分に大きいものであるため、溶融張力MT1に対する溶融張力MT2の比は、ひずみ硬化の発現を判断する指標となる。
なお、樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が5cNを超える場合(条件(2))、下記(2-1)又は(2-2)式を満たすことがより好ましい。
(2-1)樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が5cN以上、10cN以下であると共に、溶融張力MT1に対する、樹脂層の190℃、引取速度100m/minにおける溶融張力MT2の比が1.3以上であること。
(2-2)樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が10cNを超えること。
容器の防湿性能を高める観点から、上記式のうち、(2-1)を満たすことがより好ましい。また、(2-1)式における、溶融張力MT1に対する、溶融張力MT2の比は、概ね2.0以下であることが好ましく、より好ましくは1.8以下である。
なお、樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が10cNを超えるポリエチレン系樹脂は溶融張力が高く、ひずみ硬化性を有するものであるが、引取速度100m/minにおける溶融張力MT2の測定において、引取速度100m/minの条件に達する前に紐状物が破断する場合があり、溶融張力MT2を測定することが困難な場合がある。
これらの中でも、上記混合樹脂が上記高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合樹脂であることが好ましい。この場合、防湿性の高い高密度ポリエチレンと溶融張力の高い低密度ポリエチレンとを併用することにより、樹脂層の坪量が小さいものであっても、高密度ポリエチレンの高い防湿性を維持しながら、深絞り成形にも耐えうる多層発泡シートを安定して得ることができる。
両者の質量割合を上記範囲とすることにより、低密度ポリエチレンを添加した際にも、溶融粘度を低く維持することができ、共押出により、樹脂層の積層状態が良好な多層発泡シートを安定して得ることができる。また、樹脂層の坪量が小さい場合であっても、高密度ポリエチレンの高い防湿性を損なうことなく、多層発泡シートの深絞り成形性を向上させることができるため、得られる容器の樹脂層の厚みを均一にしやすくなる。これにより、良好な防湿性を安定して発現できる容器が得られやすくなる。
PI=(ηB×φA)/(ηA×φB)・・・(1)
ηA:190℃、せん断速度100sec-1での高密度ポリエチレンの溶融粘度
φA:該混合樹脂中の高密度ポリエチレンの体積分率
ηB:190℃、せん断速度100sec-1での低密度ポリエチレンの溶融粘度
φB:該混合樹脂中の低密度ポリエチレンの体積分率
溶融粘度A及び溶融粘度Aに対する溶融粘度Bの比を上記範囲とすることにより、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの溶融粘度が近くなり、共押出において、樹脂層の溶融粘度を低く維持しつつ、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとを良好に混合することができ、樹脂層の厚みが均一な多層発泡シートが得られやすくなる。また、樹脂層の厚みが均一であることで、熱成形により得られる容器の樹脂層の厚みを均一にしやすくなり、防湿性に優れる容器を安定して得ることができる。
なお、本発明における溶融粘度は、実施例で示すように、例えば、測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用いて測定することができる。
なお、本発明における溶融張力は、実施例で示すように、例えば、測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用いて測定することができる。
該耐衝撃性ポリスチレン系樹脂層を積層する場合、その坪量は50~150g/m2であることが好ましく、より好ましくは、80~140g/m2である。
なお、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂層は、押出ラミネート等により発泡層に積層することができる。
なお、上記多層発泡シートの見掛け密度は、JIS K 7222:1999に基づき測定される全体見掛け密度を意味する。
本発明の多層発泡シートは、従来公知の方法で製造することができる。その代表的な方法としては、予め製造された発泡層(発泡シート)に、熱ラミネート等により、接着層と樹脂層とを積層接着する方法、共押出法により、接着層を介して、発泡層と樹脂層とを積層する方法等がある。なかでも、押出発泡時において、押出発泡により形成された発泡層に、接着層を介して樹脂層を積層する、
共押出法による方法は、他の方法に比べて工程がシンプルで低コスト化が可能であり、また発泡層と接着層との接着強度、接着層と樹脂層との接着強度が高くなるので、より好ましい方法である。
一方、本発明の多層発泡シートは、樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂の密度が特定値以上であると共に、樹脂層が特定の溶融張力または特定の溶融張力と特定条件における溶融張力の比を有するものであるため、熱成形時において、樹脂層が十分にひずみ硬化を発現することができ、容器の樹脂層の厚みを均一なものとすることができる。これにより、密度の高いポリエチレン系樹脂で樹脂層が形成されていると共に、多層発泡シートの樹脂層の坪量が小さい場合であっても、深絞り成形性に優れると共に、展開倍率の高い容器でも、優れた防湿性能を安定して発揮できる容器を得ることができる。
本発明の多層発泡シートは、展開倍率2.5倍以上に熱成形されてなる容器を得ることができ、展開倍率3.0倍以上に熱成形されてなる容器を得ることができ、さらに、展開倍率3.5倍以上に熱成形されてなる容器を得ることができる。
実施例、比較例において、以下の原料を用いた。なお、ポリエチレン系樹脂の溶融張力は190℃における値であり、溶融粘度は190℃、せん断速度100sec-1における値である。
PSジャパン(株)製ポリスチレン「G0002」(200℃で測定される溶融粘度 1580Pa・s)
(1)東ソー(株)製高密度ポリエチレン「4000」(密度0.968g/cm3、溶融粘度0.84kPa・s、溶融張力0.6cN)
(2)(株)プライムポリマー製高密度ポリエチレン「3300F」(密度0.951g/cm3、溶融粘度1.58kPa・s、溶融張力2.1cN)
(3)日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン「HY540」(密度0.960g/cm3、溶融粘度1.39kPa・s、溶融張力2.3cN)
(4)旭化成ケミカルズ(株)製高密度ポリエチレン「QT4140」(密度0.940g/cm3、溶融粘度1.06kPa・s、溶融張力3.8cN)
(1)住友化学(株)製低密度ポリエチレン「F102-0」(密度0.924g/cm3、溶融粘度1.52kPa・s、溶融張力19.3cN)
(1)ポリスチレン樹脂:PSジャパン(株)製ポリスチレン「G0002」
(2)ポリスチレン樹脂:日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン「HY540」
(3)相溶化剤:JSR(株)製スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体「DYNARON 9901P」
(1)物理発泡剤:混合ブタン(ノルマルブタン70重量%、イソブタン30重量%)
(2)揮発性可塑剤:混合ブタン(ノルマルブタン70重量%、イソブタン30重量%)
タルク:松村産業株式会社製商品名「ハイフィラー#12」
発泡層形成用の押出機として、バレル内径90mmの第1押出機とバレル内径120mmの第2押出機とからなるタンデム押出機を用い、接着層形成用の押出機として、バレル内径65mmの第3押出機を用い、樹脂層形成用の押出機として、バレル内径40mmの第4押出機を用いた。さらに、第2押出機、第3押出機、第4押出機のそれぞれの下流側と、共押出用環状ダイ(リップ径90mm、リップ間隔0.5mm)とを連結し、各々の押出機で溶融混錬された溶融樹脂を共押出用環状ダイ内で積層可能にした。
発泡層形成用ポリスチレン樹脂として「G0002」100質量部と、気泡調整剤として「ハイフィラー#12」0.8質量部とを第1押出機に供給して、加熱、溶融、混練した後、物理発泡剤としてノルマルブタン70質量部%とイソブタン30質量%からなる混合ブタンを押出機に圧入してさらに混練して発泡層形成用樹指溶融物とした。その後、溶融物を第2押出機に移送し、発泡に適した樹脂温度に調整した後、共押出用環状ダイ中に導入した。
接着層形成用混合樹脂として、ポリスチレン系樹脂「G0002」70質量部、ポリエチレン系樹脂「HY540」30質量部、相溶化剤「DYNARON 9901P」5質量部を第3押出機に供給して、加熱、溶融、混練した後、揮発性可塑剤として混合ブタンを押出機に圧入し、さらに混練して接着層形成用樹指溶融物とし、積層に適した樹脂温度に調整した後、共押出用環状ダイ中に導入した。
表1に示す種類、配合割合の高密度ポリエチレン系樹脂及び低密度ポリエチレン系樹脂を第4押出機に供給して、加熱、溶融、混練してポリエチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物とし、積層に適した樹脂温度に調整して、共押出用環状ダイ中に導入した。
共押出用環状ダイ中で、筒状に流動する発泡層形成用樹脂溶融物の外周面に接着層形成用樹脂溶融物を積層し、さらにその外周面にポリエチレン系樹脂層形成用樹脂溶融物を積層し、環状のダイリップから大気中に押し出して、発泡層形成用樹脂溶融物を発泡させると共に、発泡層/接着層/樹指層からなる3層構造の筒状積層発泡体を形成した。押し出された筒状積層発泡体を、押出機の下流側に設置された冷却管(マンドレル)に沿わせて、拡径比(ブローアップ比、マンドレルの直径/リップ径)3.0で引き取りながら押出方向に沿って切開くことで、実施例1~5及び比較例1~5の多層発泡シートを得た。
得られた多層発泡シートの諸物性を測定した結果を表2に示す。表中、各物性、評価は次のように行った。
多層発泡シートから全幅(押出方向に対して直交する方向)に亘って幅100mmの試験片を切り出し、試験片の重量をその面積で割算し、g/m2に単位換算することにより、多層発泡シート全体の坪量を求めた(n=3)。
多層シートの幅方向(押出方向に対して直交する方向)に亘って10mm間隔で厚みを測定し、算術平均することにより平均厚みを求めた。
多層発泡シートの坪量をその平均厚みで割算し、g/cm3に単位換算することにより、多層発泡シートの見掛け密度を求めた。
ASTM D2856-70に記載されている手順Cに基づき多層発泡シートの独立気泡率を求めた。多層発泡シートから無作為に25mm×25mm×多層発泡シートの厚みの試験片を複数枚切り出し、厚みの合計が20mmに近づくように(ただし、20mmを超えない)試験片を重ね合わせて測定に用いた。測定装置として株式会社島津製作所製の乾式自動密度計アキュピックII1340型を使用した。
得られた多層発泡シートを25℃の温度で21日間養生した後、さらに、全ての多層発泡シートにゴム変性ポリスチレン樹脂を積層した。具体的には、まず、押出機の出口にTダイが取り付けられた押出ラミネート装置を用い、押出機にゴム変性ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製ポリスチレン「475D」)を供給して、加熱溶融混練して樹脂溶融物とした。該樹脂溶融物をTダイから押出して、ゴム変性ポリスチレン樹脂層の坪量が120g/m2となるように、前記多層発泡シートのポリスチレン系樹脂発泡層(ポリエチレン系樹脂層が積層された面とは反対側の面)に、ゴム変性ポリスチレン樹脂層を積層し、一対のロール間を通過させることにより両者を接着させて多層発泡シート(ゴム変性ポリスチレン樹脂層/ポリスチレン系樹脂発泡層/ポリエチレン系樹脂層)を製造した。このとき、樹脂溶融物の押出温度は240℃とし、ライン速度は10m/minとした。
次に、浅野研究所製の成形機(品番品FKS-0631-10)と、径口φ96mm、深さ103mm(展開倍率4.5倍)の容器を9個取り(縦3個×横3個)できる金型を用い、樹指層が積層された面が容器の内側になるようにして、マッチモールド真空成形により熱成形を行い、実施例1~5及び比較例1~5の深絞り容器を得た。
尚、ヒーター温度はポリエチレン系樹脂側を300℃、ポリスチレン系樹脂発泡層側を280℃に設定し、加熱時間35秒の条件とした。
なお、9個取りされた容器のうち、中央部分に位置する容器に対して、容器の諸物性の評価を行った。該中央部分に位置する容器は、上記9個取り金型において、成形が最も難しい部分である。
まず、(株)島津製作所製天びんAUX220を用いて、樹脂(混合樹脂)50gを秤量し、測定試料とした。次に、(株)島津製作所製乾式自動密度計アキュピックII1340の試料室(100cm3)に測定試料を入れ、該装置により、測定圧力10kPa、平衡圧0.05kPa/minの条件で、樹脂の密度を測定した。
測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用い、ノズル径が1.0mm、ノズル長が10mmのノズルを用い、せん断速度100sec-1、樹脂温度190℃の条件にて溶融粘度を測定した(n=3)。
装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用いた。具体的には、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径2.095mm、ノズル長8.0mmのノズルを用い、シリンダー及びオリフィスの温度を190℃に設定した。試料を該シリンダー内に入れ、4分間放置してから、ピストン速度を10mm/分として溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、この紐状物を直径45mmの張力検出用プーリーに掛け、引取りローラーで紐状物を引取った。所定の引取速度に到達した後、溶融張力のデータの取り込みを開始し、30秒後にデータの取り込みを終了した。この30秒の間に得られたテンション荷重曲線から得られたテンション最大値(Tmax)とテンション最小値(Tmin)の平均値(Tave)を求めた。ここで、上記Tmaxとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたピーク(山)値の合計値を検出された個数で除した値であり、上記Tminとは、上記テンション荷重曲線において、検出されたディップ(谷)値の合計値を検出された個数で除した値である。
各引取速度において上記測定を3度行い、これらの測定により得られた値の算術平均値を各引取速度における溶融張力とした。
なお、上記測定において、引取速度100m/minの条件に達する前に紐状物が破断した場合は、測定不可と判断し、表中に「-」と記載した。
まず、多層発泡シートの幅方向中央部付近及び幅方向両端部付近から、試験片(シート幅方向10cm×押出方向10cm)を切り出した。次に、光学実体顕微鏡(株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX-900」)を用いて、各試験片の、多層発泡シートの押出方向に対して垂直な断面(TD断面)および多層発泡シートの幅方向に対して垂直な断面(MD断面)の拡大写真を撮影した。各断面写真において、樹脂層の厚みを、100μm間隔で15点ずつ測定し、合計90点の樹脂層の厚みを測定した。
測定した樹脂層の厚みの算術平均を算出して、樹脂層の平均厚みを求めた。また、樹脂層の厚みの不偏標準偏差を算出し、これを樹脂層の平均厚みで除することで、多層発泡シートにおける樹脂層の厚みの変動係数を求めた。
防湿性の高い容器を安定して得やすくなる観点から、樹脂層の厚みの変動係数は12%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。
まず、容器を高さ方向における1/4、1/2及び3/4の高さで、高さ方向に対して垂直に切断した。次に、3つに切り分けた各容器の切断面に沿って、容器の周方向に対して等間隔に10箇所ずつ、計30箇所の容器の樹脂層の厚みを測定した。また、発泡容器を、容器の底面部の中心を通るように、高さ方向に対して水平に切断した。次に、2つに切り分けた容器の底面部の切断面に沿って、容器の底面部に対して等間隔に10箇所、容器の樹脂層の厚みを測定した。
上記測定を3つの容器に対して行い、容器の樹脂層の厚みの算術平均を算出して、容器の樹脂層の平均厚みを求めた。
また、容器の樹脂層の厚みの不偏標準偏差を算出し、これを容器の樹脂層の平均厚みで除することで、容器における樹脂層の厚みの変動係数を求めた。
なお、上記測定は、発泡容器のなるべく平坦な部分に対して行った。また、測定には、光学実体顕微鏡(株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX-900」)を用いた。
高い防湿性を安定して発揮しやすくなる観点から、容器の樹脂層の厚みの変動係数は14%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。
得られた容器の防湿性は、JIS Z 0208法に記載の方法に準拠して、40℃、90%RHの雰囲気下における水蒸気透過量(透湿度)を測定することにより評価した。具体的には、容器内に塩化カルシウムを入れた後、容器に蓋をして封止し、上記条件下における、48時間後及び72時間後の容器の質量変化を記録した。透湿度は下記式(2)によって算出した。
透湿度(g/m2・day)=(240・m)/(24・s)・・・(2)
s:透湿面積(容器内側の表面積)(cm2)
m:各経過時間において測定された容器の質量の差分(72時間後の容器の質量-48時間後の容器の質量)(mg)
上記測定を10個の容器に対して行い、水蒸気透過量の平均値を算出した。また、水蒸気透過量の不偏標準偏差を算出し、これを水蒸気透過量の平均値で除することで、水蒸気透過量の変動係数を求めた。
高い防湿性を安定して発揮できる観点から、容器の透湿度の変動係数は25%以下であることが好ましく、より好ましくは20%以下である。
Claims (11)
- ポリスチレン系樹脂発泡層と、該発泡層に積層接着されているポリエチレン系樹脂層とを有する熱成形用の多層発泡シートであって、
前記多層発泡シートの全体坪量が200~500g/m2であり、
前記樹脂層の坪量が30g/m2以上80g/m2未満であり、
前記樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂の密度が0.935g/cm3を超え、
前記樹脂層が下記(1)又は(2)の条件を満たすことを特徴とする多層発泡シート。
(1)前記樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が2cN以上、5cN以下であると共に、前記溶融張力MT1に対する、前記樹脂層の190℃、引取速度100m/minにおける溶融張力MT2の比が1.3以上であること。
(2)前記樹脂層の190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力MT1が5cNを超えること。 - 前記樹脂層が、共押出により接着層を介して前記発泡層に積層接着されていることを特徴とする請求項1に記載の多層発泡シート。
- 前記樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂が、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層発泡シート。
- 前記混合樹脂の下記式(1)で表される相構造指数PIが3.0~20であることを特徴とする請求項3に記載の多層発泡シート。
PI=(ηB×φA)/(ηA×φB)・・・(1)
ηA:190℃、せん断速度100sec-1での高密度ポリエチレンの溶融粘度
φA:該混合樹脂中の高密度ポリエチレンの体積分率
ηB:190℃、せん断速度100sec-1での低密度ポリエチレンの溶融粘度
φB:該混合樹脂中の低密度ポリエチレンの体積分率 - 前記混合樹脂における高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの質量割合が、高密度ポリエチレン60~90質量%、低密度ポリエチレン10~40質量%(ただし、両者の合計は100質量%)であることを特徴とする請求項3又は4に記載の多層発泡シート。
- 前記高密度ポリエチレンの190℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度Aが0.7~1.6kPa・sであると共に、前記溶融粘度Aに対する、前記低密度ポリエチレンの190℃、せん断速度100sec-1での溶融粘度Bの比が0.5~2であることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の多層発泡シート。
- 前記低密度ポリエチレンの190℃、引取速度5m/minにおける溶融張力が、10cN以上であることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の多層発泡シート。
- 前記多層発泡シートの見掛け密度が0.05~0.30g/cm3であり、厚みが1~3mmであることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の多層発泡シート。
- 前記多層発泡シートの独立気泡率が90%以上であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の多層発泡シート。
- 請求項1から9のいずれか一項に記載の多層発泡シートが展開倍率2.5倍以上に熱成形されてなることを特徴とする容器。
- 前記容器の透湿度が10g/(m2・day)以下であることを特徴とする請求項10に記載の容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018181975A JP7128705B2 (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 多層発泡シート及び容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018181975A JP7128705B2 (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 多層発泡シート及び容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020049816A JP2020049816A (ja) | 2020-04-02 |
JP7128705B2 true JP7128705B2 (ja) | 2022-08-31 |
Family
ID=69995227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018181975A Active JP7128705B2 (ja) | 2018-09-27 | 2018-09-27 | 多層発泡シート及び容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7128705B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005289494A (ja) | 2004-04-05 | 2005-10-20 | Fp Corp | 発泡ポリエチレン系樹脂包装用容器及びその製造方法 |
JP2015085673A (ja) | 2013-03-04 | 2015-05-07 | 積水化成品工業株式会社 | 積層発泡シート、積層発泡シート製造方法、及び、容器 |
JP2015526314A (ja) | 2012-07-05 | 2015-09-10 | ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム | 耐カール性バリヤフィルム |
JP2015189052A (ja) | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 積水化成品工業株式会社 | 熱成形用積層発泡シート |
JP2017071122A (ja) | 2015-10-07 | 2017-04-13 | 株式会社ジェイエスピー | ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体 |
-
2018
- 2018-09-27 JP JP2018181975A patent/JP7128705B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005289494A (ja) | 2004-04-05 | 2005-10-20 | Fp Corp | 発泡ポリエチレン系樹脂包装用容器及びその製造方法 |
JP2015526314A (ja) | 2012-07-05 | 2015-09-10 | ノヴァ ケミカルズ(アンテルナショナル)ソシエテ アノニム | 耐カール性バリヤフィルム |
JP2015085673A (ja) | 2013-03-04 | 2015-05-07 | 積水化成品工業株式会社 | 積層発泡シート、積層発泡シート製造方法、及び、容器 |
JP2015189052A (ja) | 2014-03-27 | 2015-11-02 | 積水化成品工業株式会社 | 熱成形用積層発泡シート |
JP2017071122A (ja) | 2015-10-07 | 2017-04-13 | 株式会社ジェイエスピー | ポリスチレン系樹脂板状積層発泡体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020049816A (ja) | 2020-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101161599B1 (ko) | 폴리올레핀 발포층을 갖는 복합 시트의 제조 방법 | |
KR102343721B1 (ko) | 다층 발포 시트 및 유리판용 간지 | |
JP2007154172A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シート、積層発泡シートおよびポリプロピレン系樹脂発泡シートの製造方法ならびにそれらの成形体 | |
JP2012158065A (ja) | ポリスチレン系樹脂積層発泡シート及び該発泡シートからなる容器 | |
JP4276488B2 (ja) | ポリエチレン系樹脂押出発泡シート、該発泡シートの成形体、組立箱、コンクリート型枠用内張りシート及び発泡シートの製造方法 | |
JP3704034B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡体、成形品およびその製法 | |
JP4680528B2 (ja) | 熱成形用エチレン系樹脂発泡シート、成形品及び熱成形用エチレン系樹脂発泡シートの製造方法 | |
TWI682854B (zh) | 積層發泡片及積層發泡片之成形體 | |
JP2004067820A (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡シート | |
JP7128705B2 (ja) | 多層発泡シート及び容器 | |
JP4458905B2 (ja) | 発泡ポリエチレン系樹脂包装用容器及びその製造方法 | |
US20040229030A1 (en) | Foamed article with absorbing characteristics on one side and non-absorbing characteristics on the other side and method for producing same | |
US20060022366A1 (en) | Method of producing polystyrene-based resin foam street | |
JP6280718B2 (ja) | 積層発泡シート、及び、容器 | |
JP6589117B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂発泡積層シート及び成形品 | |
JP7030598B2 (ja) | 積層発泡シート及び成形体 | |
JP2002011838A (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層発泡体とそれを用いた成形品 | |
JP2006248187A (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層発泡シート、その製造方法及びその成形体 | |
JP5757622B2 (ja) | 熱成形用ポリエチレン系樹脂多層発泡シート | |
JP6892306B2 (ja) | 発泡容器 | |
JP5751670B2 (ja) | ポリエチレン系樹脂多層発泡シート及びその成形体 | |
JP2004083117A (ja) | 組み立て容器 | |
JP4547180B2 (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層発泡シートおよびその成形品 | |
JP6754278B2 (ja) | 多層発泡シート | |
JP4221122B2 (ja) | 積層体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210510 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20211020 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220208 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220330 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220601 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220809 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220819 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7128705 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |