JPH10113973A - ゴム変性スチレン系重合体樹脂押出発泡シート及び同シートの成形品 - Google Patents
ゴム変性スチレン系重合体樹脂押出発泡シート及び同シートの成形品Info
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- JPH10113973A JPH10113973A JP8285935A JP28593596A JPH10113973A JP H10113973 A JPH10113973 A JP H10113973A JP 8285935 A JP8285935 A JP 8285935A JP 28593596 A JP28593596 A JP 28593596A JP H10113973 A JPH10113973 A JP H10113973A
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Abstract
脂のスチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量が50万以
上であり、その全樹脂中のゴム成分含有量が6〜12重
量%であり、発泡シート密度が0.060g/cm3 以
下であり、かつ発泡シート厚さが2.4mm以上のもの
である。そのゴム成分としては、1,4−シス構造が7
0%以上のハイシスブタジエンゴムが特に好ましい。ま
た、その成形品は、この押出発泡シートを二次発泡成形
したもの、好ましくは真空成形品又は圧空成形品であ
る。 【効果】 この押出発泡シートは、二次発泡成形性に優
れており、柔軟性及び衝撃吸収性に優れた二次発泡成形
品、特に真空成形品又は圧空成形品を与えることがで
き、その成形品は果実類の包装材、結露防止材、緩衝材
等として適するものである。
Description
形等の二次成形性が良好であり、柔軟性及び衝撃吸収性
に優れた成形品を与えるゴム変性スチレン系重合体樹脂
押出発泡シート、及び同シートの成形品に関する。特
に、果実類包装材成形用の同シート、及び果実類包装用
の同成形品に関する。
性、表面光沢性、軽量性、熱遮断性等に優れており、厚
さ3mm以下のものは“ポリスチレンペーパー”と呼ば
れ、プリパッケージを主とする弁当箱、丼、トレイ等の
容器に広く使用されている。しかし従来のポリスチレン
ペーパーを用いた包装容器は、剛性が大で硬いために、
軟らかい果実(たとえば梨や桃等)を収納した場合に、
果実表面に擦り傷や凹み傷等が生じ、商品価値の低下や
商品歩留りの低下を招く欠点があった。
ゴムで改質する試みは数多くなされた。たとえば、特開
昭53−8293号公報には、スチレン・ブタジエン共
重合体を押出発泡させて柔軟性のあるシートを得る方法
が記載されている。しかし、同公報には、スチレン・ブ
タジエン共重合体としていかなる特性を有する共重合体
を使用すべきかの記載は全く見当らない。
れている、ゴム状重合体相にスチレン樹脂の小粒子が点
在する、サラミ構造のゴム状重合体粒子の平均粒子径が
1〜2μmのゴム変性スチレン系重合体樹脂について、
押出発泡試験をしたところ、得られる押出発泡シート
は、高倍率に押出発泡させるほど、気泡膜の形成が不完
全となり、独立気泡率も低くなり、ガス保持性が低下
し、二次発泡性の不充分なものとなった。特に、発泡体
密度0.12g/cm3 以下の高倍率に押出発泡させる
と、気泡の発泡剤の保持性が低く、保管中の発泡剤の減
少のために二次発泡力に乏しく、真空成形等の二次成形
性に著しく劣る押出発泡シートしか得られず、同シート
からの二次成形品は緩衝性の著しく低いものであった。
ポリスチレン樹脂にゴム成分(ブタジエンゴム、エチレ
ン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム)を0
〜20重量%ブレンド又は共重合させたゴム変性ポリス
チレン樹脂の発泡成形品を連続的に製造する方法が記載
されているが、いずれも発泡体密度が0.15〜0.7
g/cm3 の低発泡で、かつ発泡シートの肉厚も0.3
〜1.0mmの極めて薄いものしか得られていない。そ
こで、本発明者らは、同公報に記載のゴム変性ポリスチ
レン樹脂を用いて、発泡密度0.07〜0.12g/c
m3 の高発泡体を得る押出発泡試験をしたところ、得ら
れた発泡シートは独立気泡率が低いため、発泡剤の保持
性が悪く、二次発泡力が低く、二次発泡性の著しく乏し
いものとなり、それより得られる二次成形品は緩衝性に
乏しいものであった。
び特公平4−49861号公報には、ポリスチレン樹脂
にスチレン・ブタジエンブロック共重合体を押出機によ
り機械的に混合分散させたものを用いて押出発泡シート
を製造する方法が記載されている。しかし本発明者ら
が、発泡ポリスチレンシートの工業的な生産方法の主流
である、一軸一段押出機と一軸二段押出機とより構成さ
れるタンデム押出機を用いてこの方法を試験したとこ
ろ、樹脂の均一な分散が得られないために、生成発泡シ
ートは気泡膜の形成が不完全で、シートの発泡倍率及び
独立気泡率とも低く、保管中に発泡剤が減少し、二次成
形時の二次発泡が不充分となり、耐衝撃性に乏しい二次
成形品しか得られなかった。
は、軟質成分粒子の60%以上が平均粒径0.6μm以
下の単一オクルージョン構造のゴム変性ポリスチレン樹
脂組成物、及び同樹脂組成物を用いた発泡体が記載され
ている。なお、単一オクルージョン構造とは、コアシェ
ル構造、カプセル構造などとも呼ばれ、スチレン系樹脂
からなる単一の連続相である核部分及び該核部分を内包
( occlude オクルード)するゴム状重合体からなる殻
部分より構成された粒子状構造を指すのである。しか
し、このゴム変性ポリスチレン樹脂組成物は、揮発性発
泡剤を含浸後の樹脂組成物を水蒸気加熱により発泡させ
て発泡体とするものであり、揮発性発泡剤含浸後の樹脂
組成物をそのまま押出発泡させるものでない。そして、
一般的なポリスチレンを使用してこの樹脂組成物に揮発
性発泡剤を含浸させて押出発泡させても、気泡膜の形成
が不完全で、独立気泡率も低く、保管中に発泡剤の減少
により二次発泡性が低下するので、その発泡シートから
は耐衝撃性に優れた二次成形品が得られないのである。
成が良好で、独立気泡率が高く、したがって二次発泡成
形時の肉厚低下やドローダウン(加熱炉内でのシートの
垂れ下がり)が少なく、かつ柔軟性及び衝撃吸収性に優
れた二次発泡成形品を与える、低密度で、かつ厚い肉厚
を有するゴム変性スチレン系重合体樹脂押出発泡シー
ト、特に果実類包装材等の成形に適する同押出発泡シー
トを提供すること、並びに同押出発泡シートの二次発泡
成形品、特に果実類包装材等として適する真空成形品又
は圧空成形品を提供することを目的とするものである。
題を解決するために種々研究を重ねた結果、ゴム変性ス
チレン系重合体樹脂押出発泡シートを構成する樹脂のス
チレン系重合体樹脂相のZ平均分子量、及び同押出発泡
シートを構成する全樹脂中のゴム成分含有量を特定の値
のものとし、かつシート密度を低くし(すなわち発泡倍
率を高くし)、シート厚さを厚くすることによって、そ
の目的を達成することができたのである。
合体樹脂押出発泡シートは、発泡シートを構成する樹脂
のスチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量が50万以上
であり、発泡シートを構成する全樹脂中のゴム成分含有
量が6〜12重量%であり、発泡シート密度が0.06
0g/cm3 以下、好ましくは0.050g/cm3未
満であり、かつ発泡シート厚さが2.4mm以上、好ま
しくは2.6mmより厚いものであることを特徴とする
押出発泡シートである。
を構成する樹脂のゴム成分が1,4−シス構造比率70
%以上のブタジエンゴムであるシートである。
資材としては果実類包装材の成形用等に適し、また産業
用資材としては結露防止材、緩衝材等の成形用に適し、
特に果実類包装材の成形用に好適なものである。
スチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量、或いは原料の
ゴム変性スチレン系重合体やスチレン系重合体について
のZ平均分子量の値に関する記載があるが、それらの値
は、それらのシートを構成する樹脂や原料重合体をクロ
ロホルムに溶かしてから濾過をしてゲル分を除去したも
のについて、下記の測定条件でゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー分析を行った値をさすのである。
レン系重合体樹脂相のZ平均分子量の値は、発泡シート
成形時の熱分解による分子量低下のために、原料のゴム
変性スチレン系重合体等から予測されるZ平均分子量の
値に比べて、通常、数万〜10万程度低目の値となるも
のである。
脂中のゴム成分の含有量は、成形時にゴム成分の変化を
起さないから、発泡シートのゴム成分の分析値と、原料
の各樹脂の使用量及びゴム成分含有量より算出されるゴ
ム成分含有量とは、実質上一致するものである。
分量を分析する場合には、シート中の無機物、及び可塑
剤等の添加物の量を求めておいて、下記式からそのゴム
成分量(重量%)を算出する。
量%)/(100−無機物の重量%−添加物の重量%)
×100
押出発泡用のゴム変性スチレン系重合体樹脂は、たとえ
ばゴム変性スチレン系重合体にスチレン系重合体を配合
することにより調製することができるし、適当なゴム変
性スチレン系重合体を使用した場合には、その重合体単
独でも押出発泡用樹脂とすることができる。
々の方法で製造することができる。たとえば、ポリブタ
ジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン・ブタジエ
ン共重合体ゴムなどのゴム成分の存在下に、スチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのスチレ
ン系モノマーの1種又は2種以上を重合させることによ
り製造することができる。また、その重合時に、場合に
よっては、さらに他のモノマー、たとえばアクリル酸、
メタクリル酸、それらのアルキルエステル類、アクリロ
ニトリルなどを併用してそれらを共重合させることもで
きる。
系重合体の中でも、本発明のシートの製造に好ましいも
のは、 内部にスチレン系重合体の小粒子がサラミ構
造で点在するゴム状重合体粒子が、スチレン系重合体の
連続相中に分散しているもの、及び 内部にスチレン
系重合体の小粒子がコアシエル構造で内包されたゴム状
重合体粒子が、スチレン系重合体の連続相中に分散して
いるものなどであるが、その中でも本発明のシートの製
造に好ましいのは、前者のサラミ構造の小粒子が分散し
ているものである。
レン系重合体におけるさらに好ましいゴム成分は、ブタ
ジエンゴムであり、特に1,4−シス構造の割合が70
%以上の、いわゆるハイシスブタジエンゴムである。
ポリスチレン系重合体は、そのZ平均分子量が高いほど
シート用樹脂の調製時のスチレン系重合体の添加量を少
なくすることができるので好ましい。たとえば、そのス
チレン系重合体樹脂相のZ平均分子量が充分に高く、か
つゴム成分含有量も充分に高い(たとえば少なくとも6
重量%、好ましくは8重量%以上)の場合には、その重
合体の単独使用で(すなわちスチレン系重合体を全く添
加せずに)、本発明のシート製造のための押出用樹脂と
することができる。そして、スチレン系重合体の添加量
が減少すれば、相対的にゴム成分濃度の低下も防止で
き、シートや成形品の柔軟性等の性能の向上にも寄与で
きることになる。
成形時の熱分解によって、そのZ平均分子量が通常数万
〜10万程度低下するから、押出成形して得られる発泡
シートのスチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量を50
万以上にするためには、使用するゴム変性スチレン系重
合体の樹脂相のZ平均分子量は少なくとも55万、望ま
しくは60万以上である必要がある。
スチレン系重合体は、そのゴム成分(好ましくは1,4
−シス構造が70%以上のブタジエンゴム)の含有量が
少なくとも6重量%、好ましくは8重量%以上である必
要がある。そのゴム成分含有量が少なすぎると、押出発
泡シートの全樹脂中のゴム成分含有量を6〜12重量%
にすることができなくなるし、押出発泡シートを構成す
る樹脂のスチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量の調整
等のためのスチレン系重合体の添加ができなくなり、ひ
いては押出発泡シートの成形品の柔軟性、表面硬度及び
衝撃吸収性等を充分に向上させることができなくなる。
脂の調製のために使用されるスチレン系重合体として
は、スチレン系単量体、すなわちスチレン、α−メチル
スチレン、p−メチルスチレンなどのスチレン系モノマ
ーの1種又は2種以上を重合させたものが用いられる。
また、その重合時に、他のモノマー、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、それらのアルキルエステル類、アク
リロニトリルなどを併用して共重合させたものも使用で
きるが、重合体中の他のモノマーの含有量は20重量%
以下に止めるべきである。
る発泡シートのスチレン系重合体樹脂相のZ平均分子量
を50万以上にするために添加されるものであるから、
使用するゴム変性スチレン系重合体のZ平均分子量が低
い場合には、これをより多く添加することが必要にな
る。したがって、その添加にもとづくゴム成分量の濃度
低下と、それにもとづく発泡シート成形品の性能(柔軟
性、表面硬度、衝撃吸収性)の低下を防止するために
は、なるべくZ平均分子量の高いスチレン系重合体を用
いることが必要になるので、スチレン系重合体はZ平均
分子量が80万以上、望ましくは90万以上のものが好
ましい。
出発泡シートは、上記したゴム変性スチレン系重合体
に、必要に応じてスチレン系重合体を併用して得られた
ゴム変性スチレン系重合体樹脂に、発泡剤、及び必要に
応じて種々の添加剤を添加し、混練したものを押出発泡
させることにより製造することができる。
えばプロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタ
ン、i−ペンタンなどの揮発性炭化水素発泡剤が、二次
成形性に優れた押出発泡シートが得られるので好まし
い。これらの揮発性発泡剤は1種類を用いてもよいし、
2種以上を併用することもできる。
の気泡径を均一にするなどの目的で気泡核剤を添加する
ことができる。その気泡核剤としては、たとえばタル
ク、炭酸マグネシウム、パーライト、珪酸カルシウム、
炭酸カルシウム、酸化ケイ素、バーミキュライトなどが
あげられる。
て、炭素数12〜22の高級脂肪酸、たとえばラウリン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の金属塩(たとえば
Ca、Na、Li、Zn、Al、Mg等の塩)を併用す
ることができる。
難燃剤、カーボンブラックなどの各種の顔料等を添加す
ることができる。
は、ドライブレンドであってもよいし、予め樹脂と混練
しておくマスターバッチ法であってもよい。
種の添加剤を含有せしめたゴム変性スチレン系重合体樹
脂を用いて本発明の押出発泡シートを製造するには、各
種の押出機を使用する常法により行なうことができる。
と一軸二段押出機、又は一軸一段押出機と一軸二段押出
機により構成されたタンデム押出機を用いることができ
る。すなわち、一段目は一軸であっても二軸であっても
よいが、タンデムである必要がある。
り、発泡シートを構成する樹脂のスチレン系重合体樹脂
相のZ平均分子量を50万以上にし、発泡シートを構成
する全樹脂中のゴム成分含有量を6〜12重量%にし、
発泡シート密度を0.060g/cm3 以下、好ましく
は0.050g/cm3 未満にし、かつ発泡シート厚さ
を2.4mm以上に、好ましくは2.6mmより厚くし
たものである。
する理由を説明すると、この種の押出発泡シートにおい
て、発泡シートを構成する樹脂のスチレン系重合体樹脂
相のZ平均分子量が50万未満になると、抽出成形した
発泡シートの独立気泡率が低下し、二次発泡の不充分な
厚さの薄い、したがって衝撃吸収性の低い成形品しか得
られない。また、加熱成形時のドローダウンが増加し、
真空成形又は圧空成形時の生産性の著しい低下を招くこ
とになる。
有量が6重量%未満になると、押出発泡シート及びその
成形品の柔軟性、表面硬度、衝撃吸収性等の物性が低下
する。また、同ゴム含有量が12重量%を超えると、発
泡シートの独立気泡率の低下と加熱成形時のドローダウ
ンが増加することになるので、その全樹脂中のゴム含有
量を6〜12重量%にするのである。
と(すなわち発泡倍率が低くなりすぎると)、柔軟性、
表面硬度、衝撃吸収性等の成形品の物性が低下する。ま
た、成形品の所望の厚さを維持するためには、単位面積
当りの重量(坪量)を増加させる必要が生じ、コスト面
で不利となるので、その密度を0.060g/cm3以
下、好ましくは0.050g/cm3 未満とするのであ
る。
と、得られる成形品の肉厚もこれに応じて薄くなり、す
なわち成形品の密度が高くなるために、前記と同様の理
由でその厚さを2.4mm以上、好ましくは2.6mm
より厚いものにするのである。
る。これらの例に記載の「部」は重量部を意味する。
ポリスチレンを用いた。このゴム変性ポリスチレンは、
内部にポリスチレンがサラミ状に内包されたブタジエン
ゴムが粒子状に分散したものであり、重合体全体に占め
るブタジエンゴム成分量が12重量%であり、かつその
ブタジエンゴム成分の1,4−シス構造の比率が98%
であり、そのポリスチレン相のZ平均分子量が45.1
万であった。
平均分子量が97万のポリスチレン(電気化学株式会社
商品名 デンカスチロール HRM−3)を75部添加
し、さらに気泡核剤としてタルク4.5部、分散助剤と
してステアリン酸亜鉛0.1部を加え、ミキサーでよく
攪拌混合したのち、口径φ48mmの二軸一段押出機
と、口径φ90mmの一軸二段押出機より構成されたタ
ンデム押出機のホッパーに供給した。
35℃で溶融混練し、その溶融混練物に押出機の中段に
設けられた発泡剤注入口より、n−ブタン65%、i−
ブタン35%の混合ブタンを全押出量の3.5重量%に
なるように連続的に注入し、押出機スクリューの後段で
145℃に冷却し、ダイより管状に押出し発泡させ、マ
ンドレルで冷却後、カッターにより管状発泡体を切り開
いて、シート巾770mm、発泡密度0.057g/c
m3 、厚さ2.5mmの発泡シートを得た。またこの発
泡シートの樹脂は、スチレン系重合体樹脂相のZ平均分
子量が73万であり、全樹脂中のゴム成分(ポリブタジ
エン)の含有量が6.8重量%であった。
条件を表1にまとめて記載した。またその得られた押出
発泡シートの物性、成形性及び成形品の概要を表2にま
とめて記載した。
得られた押出発泡シートは、成形性(ドローダウン)に
優れ、成形品の表面硬度及び二次発泡厚さの各評価はい
ずれも良好であった。
樹脂配合の樹脂を、発泡剤の添加量を減らすこと(すな
わち発泡倍率を低下させること)によって、発泡シート
の密度を高くし、かつシート厚さをうすくしたところ
(同密度及び厚さが本発明の要件を満さないものにした
ところ)、得られた発泡シートは、成形品の表面硬度及
び二次発泡厚さの評価の悪いものとなった。
の発泡剤添加量(すなわち発泡倍率)で、そのほかは実
施例1の方法に準じて押出発泡させた(なお、実施例5
及び7は、実施例3に比べて引き取り速度を大にし
た。)。
りのものであり、成形性及び成形品の物性の評価はいず
れも良好であった。そして一般的にいって、発泡剤の添
加量の増加につれて、発泡倍率が高くなり、独立気泡率
も高くなり、シート密度が低くなる傾向がみられる。
も、発泡剤の添加量を少なくした(したがって発泡倍率
を低くした)比較例3及び4において得られた発泡シー
トは、シート密度及び厚さとも、本発明の要件を満さな
いものとなり、成形品の表面硬度及び二次発泡厚さの評
価の劣るものであった。
合の樹脂であっても、タルクの添加量の多い比較例5〜
8のシートは、発泡倍率を高くしてもシート密度が高
く、厚さのうすいシートとなり、成形品の表面硬度及び
二次発泡厚さの評価が劣るものであった。これは、タル
クの添加量が多くなると、気泡サイズが微細化するため
に独立気泡率が低下する結果として、シートの厚さ及び
二次発泡厚さが低下すると、考えられる。
リスチレンを単独使用して、本発明のシート密度、ゴム
成分量及びシート厚さの各要件を満足する押出発泡シー
トを製造した。
Z平均分子量の要件を満さないものであり、二次発泡成
形性(ドローダウン)の点で劣った。また、特に厚いシ
ートに押出発泡させた割りには、二次発泡厚さがうすい
二次成形品が得られた。
8%のブタジエンゴム成分量12重量%、ポリスチレン
相のZ平均分子量45.1万。
学社商品名 デンカスチロール HRM−3
したゴム変性ポリスチレンについて、下記の方法でゴム
成分量を測定し、その測定値、及びそのゴム変性ポリス
チレンとHRM3との配合比から押出樹脂配合のゴム成
分量を、計算により算出した。使用したゴム変性ポリス
チレンについて、一塩化ヨウ素法により二重結合を定量
してポリブタジエン量を算出する下記の方法で定量し
た。 A液 : 一塩化ヨウ素18gを1000mlの四塩化
炭素に溶かす。 B液 : ヨウ化カリ10gを水800mlとエタノー
ル200mlの混合液に溶かす。 C液 : チオ硫酸ナトリウム10gを1000mlの
水に溶かし、常法により標定してモル濃度を決定する。
コに精秤し(Wg)、クロロホルム75mlを加えてよ
く分散させた後、20mlのA液を加えて冷暗所に保管
し、8時間後にクロロホルムで標線を合わせる。その2
5mlを採取し、60mlのB液を加え、C液(モル濃
度X)で滴定する(本試験 Aml、空試験Bml)。
ゴム成分量は、次式により算出した。 ゴム成分量(重量%)={10.8×(X)×(B−
A)}/W
剤添加量(B Kg/Hr)を、押出機から吐き出され
る樹脂組成物総量(Q Kg/Hr)で除した下記の値
を以て、発泡剤添加量(E重量%)とする。 E(重量%)=(B/Q)× 100
二段押出機からなるタンデム押出機の押出スクリューの
後段の冷却温度
する樹脂をクロロホルムに溶してから濾過してゲル分を
除いたものについて、前記のゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにより分析をした分析値。
の真の容積を東芝・ベックマン社製の空気比較式比重計
930型を用いて測定し、発泡体の重量及び密度から、
次式により独立気泡率(S%)を算出する。 S={Vx−W/ρ}÷{Va−W/ρ}× 100
(%) 式中、 Vx: 発泡体の真の容積(cm3 ) Va: 発泡体の容積(重量/密度)(cm3 ) W : 発泡体の重量(g) ρ : 発泡体の基材樹脂の密度(g/cm3 )
直交する断面を顕微鏡で観察し、断面方向(すなわち全
厚み中)の気泡数を計数し、その数を気泡数(単位:
個)とする。
さの測定において、その製造後20日保管したロール状
押出発泡シートについてのその真空成形機及び成形条件
を用いた発泡成形の際に、成形機加熱炉出口部分におけ
るシートの垂れ下がり値(シートの移動水平面に対する
シート巾中央部の垂れ下がりの最大値)を測定し、下記
の基準により評価した。 ○ 垂れ下がり値 4cm 以下 △ 〃 4〜7cm × 〃 7cm 以上
製 C型硬度計{SRIS(日本ゴム協会規格)010
1}を用いて、添付の図1に示す金型で成形した果実容
器の底面の硬度を測定し、その平均値より下記の基準で
評価した。 ○ 45 以下 △ 46〜50 × 51 以上
をロール状に巻取り、平均気温21℃の室温で保管し、
製造後20日、60日、及び100日目に、下記の真空
成形機を用いて、下記の条件で自由発泡させた後の発泡
シートの平均厚さを測定し、その値より下記の基準で評
価した。 成形機及び発泡条件 真空成形機 : 東成産業株式会社 FM−100 オーブン内平均温度 : 上部ヒーター側 125℃ 下部ヒーター側 140℃ 加熱時間 : 5秒 成形シート巾 : 770mm巾 評価基準 ○ シート平均厚さ 3.5mm 以上 △ 〃 3.0〜3.5mm × 〃 3.0mm 以下
記載と同一であることを示す。
泡シートにおける樹脂相のZ平均分子量、全樹脂中のゴ
ム成分含有量、発泡シート密度、及び発泡シート厚さの
全要件が本発明の要件を満足する各実施例の押出発泡シ
ートは、発泡シートの成形時のドローダウンが少なく成
形性に優れており、二次発泡成形品の表面硬度(柔軟性
及び衝撃吸収性)も優れていて、果物包装材、結露防止
材、緩衝材等として著しく優れたものである。
優れ、その発泡シートより得られる二次成形品は表面硬
度及び二次発泡厚さが厚くて、果物類の包装材、結露防
止材、緩衝材等として優れたものである。
するための凸金型及び凹金型からなる全型の縦断面図で
ある。図中の数字は寸法の数値(mm)である。
Claims (6)
- 【請求項1】 発泡シートを構成する樹脂のスチレン系
重合体樹脂相のZ平均分子量が50万以上であり、発泡
シートを構成する全樹脂中のゴム成分含有量が6〜12
重量%であり、発泡シート密度が0.060g/cm3
以下であり、かつ発泡シート厚さが2.4mm以上であ
ることを特徴とするゴム変性スチレン系重合体樹脂押出
発泡シート。 - 【請求項2】 発泡シート密度が0.050g/cm3
未満であり、発泡シート厚さが2.6mmより厚い請求
項1に記載の押出発泡シート。 - 【請求項3】 ゴム成分が、1,4−シス構造比率70
%以上のブタジエンゴムである請求項1又は請求項2に
記載の押出発泡シート。 - 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
の果実類包装材成形用の押出発泡シート。 - 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
の押出発泡シートの真空成形品又は圧空成形品。 - 【請求項6】 請求項1、請求項2又は請求項3に記載
の押出発泡シートの真空成形品又は圧空成形品からなる
果実類包装用の成形品。
Priority Applications (1)
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JP2015091932A (ja) * | 2013-09-30 | 2015-05-14 | 積水化成品工業株式会社 | 樹脂発泡シート、積層発泡シート、及び、発泡成形品 |
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