JP2008239852A - 吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板 - Google Patents

吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板 Download PDF

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Abstract

【課題】 吸水性がさらに向上した吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板を提供するところにある。
【解決手段】 連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層と連続気泡率が30%以下の独立気泡性発泡層とを含むポリスチレン系樹脂発泡シートを成形して得られたポリスチレン系樹脂積層発泡板であって、前記連続気泡性発泡層を1.5倍以上の発泡倍率に成形させて得られたことを特徴とする、吸水性の敷物としてあるいは窓ガラスの結露水吸収帯など吸水材として好適に使用できる吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板である。
【選択図】 なし

Description

本発明は吸水性の敷物としてあるいは窓ガラスの結露水吸収帯など吸水材として好適に使用できる吸水性に優れたポリスチレン系樹脂発泡板に関する。
従来より、吸水性を付与させたポリスチレン系樹脂発泡シートとしては、特許文献1や特許文献2が例示できる。
特開2004−352927号 特開2006−150830号
特許文献1は、ポリスチレン系樹脂にスチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物およびポリオレフィン系樹脂を加えた混合樹脂組成物100重量部に対し、界面活性剤を0.5〜5重量部含有する樹脂組成物を発泡させて得られる連続気泡率が60%以上でかつ吸水率が10%以上である発泡体であって、前記スチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物のJIS K 7215記載のデュロメータタイプA硬度(HDA)の値が20〜90であることを特徴とする発泡体である。
特許文献2は、スチレン系樹脂にスチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物およびポリオレフィン系樹脂を加えた混合樹脂100重量部に対し、界面活性剤を0.5〜5重量部含有する樹脂組成物を発泡させて得られた吸水性を有する第一発泡体と、スチレン系樹脂からなる主として独立気泡で構成された第二発泡体とが積層されてなり、密度が0.05g/cm以上〜0.2g/cm以下、連続気泡率が40%以上であることを特徴とする積層発泡シートである。
しかし、これらの押出発泡成形で得られた連続気泡性発泡層を有するポリスチレン系樹脂発泡シートは、ある程度の吸水性を有し、吸水材として有用であるが、より短時間での吸水性など吸水性能の点でなお不十分であった。また、ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率の高い発泡層は、通常行われる成形前加熱ではほとんど二次発泡せず、成形品の吸水性能は、元の発泡シート(原反)の吸水性能を維持するかせいぜい成形による発泡倍率増加割合と比例する程度の吸水性能であった。そして、吸水性能を向上させるためには、できるだけ連続気泡率が高く、かつ発泡倍率が高いポリスチレン系樹脂発泡シートを製造することが望まれるが、そのような発泡シートは製造が困難であった。
本発明の目的は、従来と比べて吸水性がさらに向上した吸水材として有用な吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板を提供するところにある。さらに本発明の目的は、さらに吸水性と強度を併せ持つ吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板を提供するところにある。
本発明は、吸水性を有する連続気泡率が60%以上の連続気泡性層を含むポリスチレン系樹脂発泡シートを成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡板であって、前記連続気泡性発泡層を1.5倍以上の発泡倍率となるように発泡成形させて得られたことを特徴とする吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板である。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は、素材の発泡シートに比較して大きく吸収性が向上しており吸水材として極めて有用である。
この理由については定かではないが、連続気泡層の気泡膜に存在している気泡を連通させる孔がなんらかの変化や変形して水がより通過しやすくなったものと考えられる。
本発明によれば、押出発泡によって得られた吸水性を有する発泡シート(原反)およびその発泡シート(原反)を通常の成形で得られた発泡板よりも吸水性能が大きく向上した吸水材として極めて有用なポリスチレン系樹脂発泡板を提供することができる。
また、吸水性を有する連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層を含むポリスチレン系樹脂発泡シート(原反)の吸水性能を大きく向上させるポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法を提供する。
本発明は、吸水性を有する連続気泡率が60%以上の連続気泡性層を含むポリスチレン系樹脂発泡シートを1.5倍以上の発泡倍率となるように成形させて得られたポリスチレン系樹脂発泡板である。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板の素材となる連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層を含むポリスチレン系樹脂発泡シートは、押出発泡成形で得られた発泡シートである。このような発泡シートは、押出発泡成形において押出温度を高めに設定したり、溶融温度の異なる少量の異樹脂を混合したりして押出発泡成形することによって得られる。例えば、特開平7−145260号公報、特開2004−352927号公報、特開2006−150830号公報などに記載された発泡シートを使用することができる。
連続気泡性発泡層の連続気泡率は、60%以上に限定される。連続気泡率が低いと、吸水性能が不足し、また、成形を行って発泡倍率を上げようとした場合に、連続気泡性発泡層が一旦膨らんで発泡倍率が上がったようにみえても、そのままの状態で十分に冷却固化させないと、金型解放後に閉鎖された気泡(独立気泡)の内圧低下によって再び縮んでしまい発泡倍率が低下する恐れがある。
一方、連続気泡率は高いほど吸水性能に優れて好ましいが、逆に強度が低下する。本発明では、連続気泡性層をさらに膨らませるためさらに強度が低下しやすい。従って、連続気泡率は90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。
なお、本発明において、連続気泡率(%)は、ASTM D2856−87記載の測定方法に準じて測定されたものである。
連続気泡率60%以上の連続気泡性発泡層を1.5倍以上の発泡倍率に成形する。1.7倍以上がより好ましい。1.5倍以上の発泡倍率に成形することで発泡シート(原反)の吸水性能を大きく向上させることができる。
通常行われる成形では、連続気泡率が60%以上である連続気泡性発泡層の発泡倍率はせいぜい1.3倍程度である。
成形による発泡倍率が1.5倍未満では、吸水性能にはほとんど変化がないか、成形による発泡倍率増加割合程度にしか向上しない。
本発明では、成形による発泡倍率とは、成形前後での厚みの変化割合をいう。これは、本発明の成形においては発泡シートの四方が金型で固定された状態で成形し、縦横方向の変化が規制されているため、体積変化を発泡倍率とするのが一般的ではあるが、厚み変化割合としている。
(発泡倍率の測定方法)
発泡シート(原反)を加熱又は加熱両面真空成形して形成した発泡板のそれぞれの発泡層の厚みを測定し、発泡シート(原反)のそれぞれの元厚みから次式で求めた。
発泡倍率(%)=(加熱後の厚み又は加熱両面真空成形後の厚み/発泡シート原反の厚み)×100
ポリスチレン系樹脂発泡シートが、連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層と連続気泡率が30%以下の独立気泡性発泡層とを含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであることが好ましい。
一般に、連続気泡性発泡層のみからなる発泡シートでは、独立気泡性の発泡シートに比べて強度面で劣る。成形によって発泡倍率を上げた時に発泡シート(板)の強度がさらに弱くなってしまう。例えば、窓ガラスの結露水吸収帯として使用する場合、窓との固定に両面テープなどを使用して固定されるが、使用後に剥がそうとした時に発泡シートが破壊してきれいに剥がせなくなる恐れがある。ポリスチレン系樹脂発泡シートが、連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層と連続気泡率が30%以下の独立気泡性発泡層とを含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであって、前記連続気泡性発泡層を1.5倍以上の発泡倍率に成形させて得られたことを特徴とする吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板であれば、積層発泡シートとして独立気泡性層側を両面テープで固定した場合には上記の問題が起きにくい。
ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡性発泡層を構成する樹脂が、スチレン系樹脂エラストマーを含んでいることが好ましい。
これは、ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡性層を構成する樹脂にスチレン系樹脂エラストマーが含まれていると、発泡シートの成形時に樹脂の加熱伸びが大きくなり発泡倍率を上げやすいからである。また、発泡板の脆性も改善できる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートを構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体のほか、スチレンと他の単量体との共重合体およびゴム変性ポリスチレンなども挙げられる。これらのポリスチレン系樹脂はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合しても良い。
スチレンと共重合すべき他の単量体としては、例えばα−メチルスチレン、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、無水マレイン酸などが挙げられる。
ゴム変性ポリスチレンは、ポリスチレンマトリックス中にゴムが粒子状に分散し、そのゴム粒子中にポリスチレンが更に分散した構造を有している。このゴム粒子は、サラミ状やコアシェル状など種々の形態をなしており、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上のゴム粒子を混合して用いてもよい。
なお、このゴム変性ポリスチレンは、発泡板の耐候性を確保するため、ゴム変性ポリスチレン以外のポリスチレン系樹脂その他の合成樹脂とあわせて使用するのが望ましい。
本発明で用いられるスチレン系エラストマーとしては、スチレンと共役ジエンとの共重合体及びスチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物が挙げられる。共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、2−エチルブタジエンなど炭素数4〜10の共役ジエンが挙げられる。
劣化しにくいことからスチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物が好ましい。
スチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物としては、スチレンと共役ジエンとのブロックもしくはランダム共重合体の水素添加物が好ましい。共役ジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、2−エチルブタジエンなどの炭素数4〜10の共役ジエンがあげられる。好ましいスチレン−共役ジエン共重合体の水素添加物としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物である。これら共重合体の完全飽和型構造は、例えばスチレン−エチレン・ブチレン共重合体、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体などである。これらの共重合体はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を混合してもよい。
本発明に用いることができる発泡剤としては、公知の化学発泡剤、物理発泡剤のいずれも使用できる。化学発泡剤としては、例えばアゾジカルボンアミドなどの分解型のもの、重曹−クエン酸などの反応型のものが挙げられる。物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの炭化水素、窒素、二酸化炭素などの不活性ガス、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル、テトラフルオロエタン、クロロジフルオロエタン、ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらの発泡剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。環境上の問題が少なくかつ熱成形時の二次発泡性の維持効果の大きいイソブタンを主体とするブタンが特に好ましい。
本発明に用いることができる気泡調整剤としては、タルク、雲母、マイカ、モンモリロナイトなどの無機フィラー、フッ素樹脂などの有機微粒子、またはアゾジカルボンアミドなどの分解型化学発泡剤、重曹−クエン酸などの反応型化学発泡剤、窒素や二酸化炭素などの不活性ガスなどが使用できる。これらの気泡調整剤はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。気泡調整剤の添加量は、混合樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部である。
なお、本発明の発泡体には、その他、着色剤、安定剤、充填剤、滑剤、添着剤、分散剤など、公知の添加剤を適宜加えることができる。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡板は表面に熱可塑性樹脂フィルムが積層されていてもよい。フィルムの積層は、押出ラミネート法、熱ラミネート法など通常の積層方法で行うことができる。積層は、発泡倍率が高い発泡体ではラミネート時に厚みが減少しやすいので成形前に行うことが好ましい。
通常、連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層の加熱による二次発泡倍率は、高くても1.3倍以下である。成形によって発泡倍率を上げるためには、マッチモールド真空成形を行い、i)真空吸引の時間を延ばす、ii)真空度を高める、iii)成形金型温度を高めに設定する等といった手段をとることができる。
(ポリスチレン系樹脂発泡シートの成形法)
本発明のポリスチレン系樹脂発泡シートの成形は、雄雌嵌合金型によるマッチモールド真空成形で行う。成形手順は通常のマッチモールド真空成形と変わらないが、発泡倍率を上げるために、真空吸引時間を通常のトレイなどの成形などに比べて1.5〜5倍にする。真空吸引の真空度を高くすることも好ましい。そして、真空吸引は雄型と雌型とから同時もしくは一方の金型のタイミングを遅らせて行うことができる。また、金型温度を50〜80℃としておくことが好ましく、連続気泡性層側の金型温度を独立気泡性層側の金型温度より10℃以上高くしておくことが好ましい。
成形用金型としては平板成形用の金型を用いる。金型のクリアランスは、成形する発泡シートの厚みによって異なるが、発泡シート(原反)厚みの1.5〜3.0倍に設定することが好ましい。より好ましくは1.5〜2.5倍である。クリアランスが広すぎると、成形した発泡板のフラット性が低下する恐れがある。
(吸水性の評価)
吸水率の測定方法は、以下の通りである。サンプル(積層発泡シート、発泡板、二次発泡シート)よりたて10cm、横10cm、厚み全厚みのサンプルを切り出し、その重さWoを測定する。次いで、サンプルを水中に浸漬してサンプルが浮き上がらない様に固定し、その状態にて10分間放置した後水中より取りだし、サンプル表面の付着水を拭き取り、サンプルの重さWを測定する。そして、次の式により求められる値をサンプルの吸水率とする。
吸水率(%)=(W−Wo)/Wo ×100
これを任意の個所から切り出した10個のサンプルについて行い、その相加平均値を吸水率とする。
(積層発泡シート)
吸水性第一発泡層用に、ポリスチレン樹脂(大日本インキ化学工業社製「XC−515」メルトマスフローレイト1.3g/10分)78.9重量%、スチレンと共役ジエンとの共重合体の水素添加物(旭化成社製「SS9000」)15.8重量%、高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製 HJ565W 密度 0.968g/cm、メルトマスフローレイト 5.0g/10分)5.3重量%を含む混合樹脂組成物100重量部に対し、界面活性剤として商品名エレストマスターS−520(花王社製 アルキルスルホン酸系界面活性剤20重量%含有ポリスチレン樹脂マスターバッチ)を10重量部、気泡調整剤としてタルク0.6重量部を混合した混合原料を、内径115mmの第一押出機と、内径150mmの第二押出機が連結されたタンデム押出機の第一押出機のホッパーに供給した。押出機のシリンダー温度は最高220℃とし、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)3.7重量部を圧入、混練して、第二押出機にて発泡性溶融混合物を冷却し、樹脂温度を161℃に調整して、150kg/hrの押出量で合流金型に流入した。
一方、第二発泡層用として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製 「HRM−12」メルトマスフローレイト 5.5g/10分)100重量部に対し、気泡調整剤としてタルク 0.7重量部を混合した混合物を、内径115mmの単軸押出機のホッパ−に供給し、押出機のシリンダー温度は最高230℃とし、発泡剤としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=70/30)4.2重量部を圧入、混練、冷却して、発泡性溶融混合物の樹脂温度を155℃に調整して、100kg/hrの押出量で合流金型に流入した。
合流金型で合流された樹脂は、口径175mmの環状金型に注入され、厚み0.5mmのスリットより円筒形状に押出され、口径670mmの冷却用マンドレルに沿わせて引き取り、マンドレル後部に取り付けた2枚のカッターで円筒状の積層発泡シートを切開して上下2枚の積層発泡シートを得た。スリットから出た直後の積層発泡シートの内および外にエアーを吹付けて積層発泡シート表面を冷却した。
得られた積層発泡シートは、坪量が200g/m(連続気泡性層/独立気泡性層=120/80)、厚みが3.0mm(連続気泡性層/独立気泡性層=2.0/1.0)、連続気泡率(連続気泡性層/独立気泡性層=72%/11%)であった。
(吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板)
製造から20日経過後の上記積層発泡シートを、クリアランスが6.5mmに設定された平板成形用の嵌合金型で真空成形した。加熱炉で、ヒーター温度300℃の遠赤外線ヒーターで発泡シートの表面温度が98〜100℃になるように加熱して二次発泡させた後、成形金型により平板成形した。真空吸引時間は約12秒とした。独立気泡性層側の真空遅れは1秒とした。(真空度 650±30mmHg)
得られた吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板(以下、発泡板と称する場合がある。)の厚みは、6.2mm(連続気泡性層/独立気泡性層=3.8mm/2.4mm)であった。連続気泡性層の二次発泡倍率1.9倍であった。
比較例1は前記積層発泡シート(原反)である。また比較のために、比較例2として加熱炉で加熱しただけの二次発泡シートを得た。得られた比較例2の二次発泡シートの厚みは、3.5mm(連続気泡性層/独立気泡性層=2.1mm/1.4mm)であった。
実施例1の発泡板、比較例1の積層発泡シート(原反)、比較例2の二次発泡シートそれぞれについて、吸水性評価を実施した。
吸水率 試験片重量 吸水重量
実施例1 発泡板 223% 2.0g 4.46g
比較例1 積層発泡シート(原反) 51% 2.1g 1.07g
比較例2 二次発泡シート 49% 2.1g 1.03g
(連続発泡層の体積増加率約3.8/2.0=1.9)
吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板の吸水性は元の積層発泡シートの約4.4倍となっており、体積増加率(約1.9倍)を大きく上回っていた。その結果を表1に示す。
Figure 2008239852
(実施例2)
製造から30日経過後の上記積層発泡シートを用いたこと、真空吸引時間は約11秒としたこと以外は実施例1と同様にして発泡板を得た。
(比較例3)
製造から45日経過後の上記積層発泡シートを用いたこと、真空吸引時間は約8秒としたこと以外は実施例1と同様にして発泡板を得た。
本発明の吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板は青果物の包装材や容器蓋などに用いることができる。特に、窓ガラス用結露水吸収帯に対しては有用である。

Claims (6)

  1. 連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層を含むポリスチレン系樹脂発泡シートを成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡板であって、前記連続気泡性発泡層を1.5倍以上の発泡倍率に成形させて得られたことを特徴とする吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板。
  2. ポリスチレン系樹脂発泡シートが、連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層と連続気泡率が30%以下の独立気泡性発泡層とを含むポリスチレン系樹脂積層発泡シートであることを特徴とする請求項1に記載の吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板。
  3. ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡性発泡層を構成する樹脂が、スチレン系樹脂エラストマーを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板を用いた窓ガラス用結露水吸収帯。
  5. 連続気泡率が60%以上の連続気泡性発泡層を少なくとも含むポリスチレン系樹脂発泡シートを加熱軟化させた後、雄雌嵌合金型で真空吸引することで連続気泡性発泡層の厚みを1.5倍以上に発泡させることを特徴とする吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。
  6. ポリスチレン系樹脂発泡シートの連続気泡性発泡層を構成する樹脂が、スチレン系樹脂エラストマーを含んでいることを特徴とする請求項5に記載の吸水性ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法。



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