JP2019111735A - 多層発泡シート、及び多層発泡シートの製造方法 - Google Patents

多層発泡シート、及び多層発泡シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、耐熱性、耐衝撃性に優れ、熱成形が可能な範囲が広く、得られた成形体は電子レンジ加熱用容器等として使用可能な、多層発泡シートを提供することを課題とする。【解決手段】 本発明の多層発泡シートは、特定のポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーとを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層とが、共押出により、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着され、混合樹脂(X)における、ポリオレフィン系樹脂の含有割合及びスチレン系熱可塑性エラストマーの含有割合が特定範囲内であり、ポリオレフィン系樹脂の含有割合に対する該スチレン系熱可塑性エラストマーの含有割合の比が特定範囲であり、多層発泡シートの独立気泡率が特定範囲である。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリスチレン系樹脂発泡層にポリオレフィン系樹脂層が積層接着された多層発泡シートであって、耐熱性、耐衝撃性及び熱成形性に優れる多層発泡シート、及びその製造方法に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡シートを熱成形して得られた成形体がトレイ、弁当箱、丼、カップ等の各種容器として広く使用されている。その中でも、電子レンジ加熱用の容器として使用できるような、耐熱性に優れるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のビカット軟化温度110℃以上の耐熱性ポリスチレンを基材樹脂とするポリスチレン系樹脂発泡シートの熱成形体の需要が近年高まっている。
しかし、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体は、一般的に用いられる汎用ポリスチレンに比べて脆性が高く、耐衝撃性が低いため、その欠点を補うために、通常、スチレン共役ジエンブロック共重合体やその水添物等のエラストマー等のスチレン系熱可塑性エラストマーを基材樹脂に配合することが試みられている。
しかし、スチレン系熱可塑性エラストマーは、発泡シートの耐衝撃性を改善できるものの、多量に配合すると、発泡シートの剛性が低下するおそれがあると共に、それ自体高価なものであるため、スチレン系熱可塑性エラストマーの配合量は極力低減することが好ましい。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を基材樹脂とした熱成形用発泡シートの耐衝撃性を向上させる他の手法として、基材樹脂にポリエチレン系樹脂とスチレン系熱可塑性エラストマーを配合することが提案されている(特許文献1)。
なお、以下の説明において、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合を基材樹脂とする発泡シートを単に耐熱性発泡シートともいう。
一方、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のポリスチレン系樹脂は耐油性に劣るため、該共重合体を基材樹脂とする成形体に油性食品を入れて電子レンジで加熱した場合、食用油等による侵食が生じるおそれがあった。そこで、発泡シートの耐油性を改良するために、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを発泡シートに積層接着することが提案されている(特許文献2)。
特許文献2においては、共押出により、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合樹脂からなる接着層を介して、ポリスチレン系樹脂からなる発泡層とポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層とを積層接着した多層発泡シートとすることで、低コスト化が可能であり、発泡層と樹脂層との接着強度が高い多層発泡シートが得られることが開示されている。
特開2014−80562号公報 特開2001−80007号公報
本発明者らは、発泡層におけるスチレン系熱可塑性エラストマーの配合量を極力低減しつつ、耐油性にも優れる耐熱性発泡シートを得るために、共押出により、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合樹脂からなる接着層を介して、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びスチレン系熱可塑性エラストマーを配合した混合樹脂からなる発泡層とポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層とを積層接着した多層発泡シートについて検討した。その結果、発泡層にポリオレフィン系樹脂を配合し、共押出法を用いて製造した多層発泡シートは、特許文献2に記載されているような多層発泡シートに比べて熱成形が可能な範囲が狭くなる傾向があることがわかった。
本発明は、前記問題点に鑑み、耐熱性、耐衝撃性に優れ、熱成形が可能な範囲が広く、得られた成形体は電子レンジ加熱用容器等として好適に使用可能な多層発泡シートを提供することを、その課題とするものである。
本発明によれば、以下に示す多層発泡シート、及び多層発泡シートの製造方法が提供される。
[1] スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とが、共押出により、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートであって、該混合樹脂(X)における、該ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合が2〜12重量%、該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合が3.0重量%未満であると共に(ただし、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)、該ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合に対する該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合の比(x3の含有割合/x2の含有割合)が0.05以上0.30未満であり、多層発泡シートの独立気泡率が80%以上であることを特徴とする、多層発泡シート。
[2] 前記発泡層の見掛け密度が、0.07〜0.3g/cmであることを特徴とする、前記1に記載の多層発泡シート。
[3] 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点が、前記ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも高いと共に、前記ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点と該ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差が、5〜35℃であることを特徴とする、前記1又は2に記載の多層発泡シート。
[4] 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)が高密度ポリエチレンであり、該高密度ポリエチレンのメルトフローレイト(190℃、荷重2.16kg)が、2〜10g/10minであることを特徴とする、前記1〜3のいずれかに記載の多層発泡シート。
[5] 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)、前記ポリオレフィン系樹脂(y2)及び前記ポリオレフィン系樹脂(z)が、高密度ポリエチレンであることを特徴とする、前記1〜4のいずれかに記載の多層発泡シート。
[6] 前記ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度がポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも低いと共に、ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度とポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差が10℃以上であることを特徴とする、前記1〜5のいずれかに記載の多層発泡シート。
[7] 前記多層発泡シートから樹脂層を剥離させた際の剥離強度が80cN/25mm以上であることを特徴とする、前記1〜6のいずれかに記載の多層発泡シート。
[8] 前記発泡層と接着層との間に気泡が存在すると共に、該気泡の数が、5〜120個/25mmであることを特徴とする、前記1〜7のいずれかに記載の多層発泡シート。
[9] 前記混合樹脂(Y)の混合状態を表す相構造指数PIの値が、1.4〜3.0であることを特徴とする、前記1〜8のいずれかに記載の多層発泡シート。
但し、相構造指数PIは次式で定められる。
PI=(ηy2×φy1)/(ηy1×φy2
ηy1:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂(y1)の溶融粘度
φy1:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂(y1)の体積分率
ηy2:190℃、剪断速度100sec−1でのポリオレフィン系樹脂(y2)の溶融粘度
φy2:該混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂(y2)の体積分率
[10] スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用溶融樹脂と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを混練してなる接着層形成用溶融樹脂と、ポリオレフィン系樹脂(z)を混練してなる樹脂層形成用溶融樹脂とを環状ダイから共押出することで、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、該ポリスチレン系樹脂(y1)と該ポリオレフィン系樹脂(y2)とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、該ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とが、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートを得る、多層発泡シートの製造方法であって、
該ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合が2〜12重量%、該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の配合割合が3.0重量%未満であると共に(ただし、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合に対するスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の配合割合の比(x3の配合割合/x2の配合割合)が0.05以上0.30未満であり、該接着層形成用溶融樹脂が、揮発性可塑剤を含むことを特徴とする、多層発泡シートの製造方法。
本発明の多層発泡シートは、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含む特定のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とを共押出により形成し、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートであって、混合樹脂(X)における、ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合及びスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合を特定範囲とすると共に、ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合に対するスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合の比(x3の含有割合/x2の含有割合)を特定範囲とし、多層発泡シートの独立気泡率を80%以上とすることにより、耐熱性、耐衝撃性に優れ、熱成形が可能な範囲が広いものである。該多層発泡シートを熱成形することにより得られる成形体は、電子レンジ加熱用容器等として好適に使用できるものである。
本発明の多層発泡シートの製造方法によれば、特定のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用溶融樹脂と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)と揮発性可塑剤を混練してなる接着層形成用溶融樹脂と、ポリオレフィン系樹脂(z)を混練してなる樹脂層形成用溶融樹脂とを環状ダイから共押出することにより、前記多層発泡シートを得る、多層発泡シートの製造方法であって、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合及びスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合を特定範囲とすると共に、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合に対するスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の配合割合の比(x3の配合割合/x2の配合割合)を特定範囲とし、該接着層形成用溶融樹脂が、揮発性可塑剤を含むことにより、耐衝撃性、耐熱性に優れると共に、熱成形が可能な範囲が広い多層発泡シートを得ることができる。
以下、本発明の多層発泡シート及びその製造方法について詳細に説明する。
本発明の多層発泡シートは、特定の混合樹脂(X)からなる発泡層と、特定の混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とを有し、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートである。
次に、発泡層を構成する混合樹脂(X)、接着層を構成する混合樹脂(Y)、樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂(z)について、この順で説明する。
該発泡層を構成する混合樹脂(X)は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含むものである。
ビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)は耐熱性に優れるので、ポリスチレン系樹脂(x1)を基材樹脂とする発泡層を有する多層発泡シートから得られた成形体は、電子レンジ加熱用の容器として好適なものである。耐熱性の観点から、ビカット軟化温度は112℃以上が好ましく、115℃以上がより好ましい。なお、該軟化温度の上限値は特に限定されないが概ね160℃程度である。
スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、これらの混合物が例示される。
以下、発泡層を構成するスチレン系熱可塑性エラストマー、さらに後述する接着層に配合されるスチレン系熱可塑性樹脂エラストマーを単にスチレン系エラストマーともいう。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体中の(メタ)アクリル酸成分の含有量は、該共重合体中に5〜25重量%程度であることが好ましい。また、スチレンと共重合される共重合成分はメタクリル酸とアクリル酸との混合物であってもよい。また、成形性などを改良するために、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが第三成分として少量共重合されても良い。
前記ポリスチレン系樹脂(x1)には、本発明の所期の目的を達成できる範囲において、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体以外の他の樹脂を配合することができる。他の樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリフェニレンエーテルなどが例示される。他の樹脂の配合量としては、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体100重量部に対して20重量部以下が好ましく、より好ましくは17重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。
尚、本明細書において、樹脂のビカット軟化温度はJIS K7206:1999(試験荷重はA法、伝熱媒体の昇温速度は50±5℃/時の条件)にて求められる値である。
発泡層を構成する混合樹脂(X)には前記ポリオレフィン系樹脂(x2)が配合される。これにより、発泡層の耐熱性を維持しつつ、耐衝撃性を向上させることができる。また、熱成形時において、多層発泡シートの加熱時間を長めにしても良好な成形体が得られるので、熱成形可能な範囲が広くなる。
ポリオレフィン系樹脂(x2)としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム共重合体、これらの(共)重合体中にプロピレン−エチレン共重合ゴムなどのゴム成分が分散してなる、所謂ブロックポリプロピレン(耐衝撃性ポリプロピレン)などのポリプロピレン系樹脂、これらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂(x2)としては、これらの中でも、発泡シートの耐熱性、曲げ剛性を損なうことなく耐衝撃性を向上させることができるという観点から、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合が好ましく、高密度ポリエチレンがより好ましい。
なお、高密度ポリエチレン系樹脂の密度は概ね0.94g/cm以上であることが好ましく、0.945g/cm以上がより好ましく、0.950g/cm以上がさらに好ましい。また、その上限は、概ね0.970g/cmである。
該ポリオレフィン系樹脂(x2)としてポリエチレン系樹脂を用いる場合、そのメルトフローレイト(以下、MFRともいう。)は、1〜45g/10minであることが好ましく、1.5〜20g/10minであることがより好ましく、2〜10g/10minであることがさらに好ましい。この範囲のMFRを有するポリオレフィン系樹脂(x2)を用いると、曲げ剛性と耐衝撃性とのバランスが良好な多層発泡シートを得ることができる。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレイトは、JIS K7210−1:2014に基づいて、試験温度190℃、公称荷重2.16kgにて測定することができる。
前記スチレン系エラストマー(x3)としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、これらの水素添加物や部分水素添加物が挙げられる。スチレン系エラストマー(x3)は、ポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)との混合状態を良化させることができ、得られる発泡シートの独立気泡率を高めることができる。
尚、ポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)との混合状態をより良化させることができる観点から、スチレン系エラストマー中のスチレンに由来する構造単位が10〜65重量%のものを使用することが好ましく、30〜55重量%のものを使用することがより好ましい。
次に、混合樹脂(X)における各成分の含有割合について説明する。
前記混合樹脂(X)においては、ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合が2〜12重量%である(ただし、ポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)。発泡層中のポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合が高すぎると発泡層の独立気泡率が低下し、多層発泡シートの熱成形性が低下するおそれがある。一方、該含有割合が低すぎると、発泡層の耐衝撃性が不十分となるおそれがある。かかる観点から、該含有割合の下限は3重量%であることが好ましく、より好ましくは5重量%である。また、該含有割合の上限は10重量%であることが好ましく、より好ましくは9重量%である。
混合樹脂(X)中のスチレン系エラストマー(x3)の含有割合は3.0重量%未満である(ただし、ポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である。)。
発泡層中のスチレン系エラストマー(x3)の含有割合が高すぎると、コスト高になると共に、多層発泡シートの耐熱性が低下するおそれがある。また、熱成形時において、多層発泡シートの加熱時間を長めにすると良好な発泡シートが得られにくくなり、熱成形が可能な範囲が狭くなるおそれがある。かかる観点から、該スチレン系エラストマー(x3)の含有割合は2.8重量%以下が好ましく、より好ましくは2.5重量%以下である。また、独立気泡率の高い発泡シートが得られる観点から、該スチレン系エラストマー(x3)の含有割合の下限は、概ね0.5重量%であることが好ましく、より好ましくは0.8重量%である。
混合樹脂(X)中のポリスチレン系樹脂(x1)の含有割合は85〜96重量%であることが好ましい。前記含有割合とすることで、耐熱性、曲げ剛性が良好な発泡シートを安定して得ることができる。かかる観点から、該含有割合の下限は86重量%であることがより好ましく、更に好ましくは87重量%である。また、該含有割合の上限は95重量%であることがより好ましく、更に好ましくは94重量%である。
混合樹脂(X)においては、ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合に対するスチレン系エラストマーの含有割合(x3)の比(x3の含有割合/x2の含有割合)が0.05以上0.30未満である。該比(x3の含有割合/x2の含有割合)が大きすぎると、多層発泡シートの剛性や耐熱性が低下するおそれがあると共に、熱成形可能な範囲が狭くなるおそれがある。一方、該比(x3の含有割合/x2の含有割合)が低すぎると、ポリオレフィン系樹脂(x2)がポリスチレン系樹脂(x1)中に良好に分散せず、発泡層の独立気泡率が低下し、熱成形可能な範囲が狭くなるおそれがある。かかる観点から、比(x3の含有割合/x2の含有割合)の下限は、0.08が好ましく、より好ましくは0.1である。該比の上限は、0.28が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点は、前記ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも高いと共に、ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点と該ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差(Tmx2−VSTx1)が、5〜35℃であることが好ましい。前記関係を満たすことで、独率気泡率が高く、耐熱性に優れる多層発泡シートを安定して得ることができる。また、熱成形時において、混合樹脂(X)中のポリオレフィン系樹脂(x2)がポリスチレン系樹脂(x1)よりも過度に早い段階で軟化することが抑制され、熱成形が可能な温度範囲が広い多層発泡シートを安定して得ることができる。
かかる観点から該差は、7〜30℃であることが好ましく、10〜25℃であることがより好ましい。
本明細書におけるポリオレフィン系樹脂の融点は、JIS K7121(1987年)に基づいて測定される。具体的には、試験片の状態調節(2)の条件(ただし、冷却速度は10℃/分)により、10℃/分にて昇温することにより融解ピークを測定する。得られた融解ピークの頂点の温度を融点とする。なお、融解ピークが2つ以上現れる場合は、最も面積の大きな融解ピークの頂点の温度を融点とする。
発泡層を構成する混合樹脂(X)には、多層発泡シートに由来するリサイクル原料を配合することができる。該リサイクル原料としては、耐熱性ポリスチレン系樹脂を含む前記発泡層にポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層が積層された多層発泡シートの熱成形時に発生する端材等を回収し、原料として再生したものが挙げられる。
ここで、丼等の成形体を得るための熱成形においては、生産効率を確保するために大面積の多層発泡シートが用いられ、一度の熱成形によって複数の成形体が形成されたシート状物から、該成形体をトリミングすることにより最終的な成形体が得られる。熱成形後には、成形体が切り出された、多層発泡シートの残りの部分がトリミング屑などと呼ばれる端材となる。該端材は、耐熱性発泡シートにポリオレフィン系樹脂からなる樹脂層が積層された多層発泡シートの端材であるため、このトリミング屑をリサイクルすることにより得られた原料は、主たる成分として、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とポリオレフィン系樹脂とを含有する混合樹脂である。
リサイクル原料を効率的に使用できるという観点から、発泡層を構成するポリオレフィン系樹脂(x2)と、後述する樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂(z)とが同種の樹脂であることが好ましい。
なお、混合樹脂(X)にリサイクル原料を配合する場合、適宜新たな原料を配合することで、前記混合樹脂(X)における各成分の含有割合となるように混合樹脂(X)の含有割合を調整することができる。
本発明の多層発泡シートにおいては、該リサイクル原料を混合樹脂(X)100重量%中に3〜40重量%配合することができ、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%である。この配合でリサイクル原料を用いれば、リサイクル原料を有効に活用しつつ、耐衝撃性が良好で、熱成形が可能な範囲が広い多層発泡シートを安定して得ることができる。
また、この場合、リサイクル原料由来のポリオレフィン系樹脂が、混合樹脂(X)における全てのポリオレフィン系樹脂(x2)となるようにリサイクル原料の配合割合を定めることが好ましい。
次に、前記接着層を構成する混合樹脂(Y)について説明する。
接着層を構成する混合樹脂(Y)は、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを含むものである。
接着層がポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを含むことにより、ポリスチレン系樹脂(x1)を多く含む発泡層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とを良好に接着させることができる。
該ポリスチレン系樹脂(y1)としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−αメチルスチレン共重合体、スチレン−pメチルスチレン共重合体などが例示される。これらの中でも、ポリスチレンが好ましい。これらは、1種又は2種以上の混合物として用いることができる。ポリスチレン系樹脂は、その構造単位として、ジビニルベンゼンや多官能性マクロモノマーなどの分岐化成分を含んでもよい。
本発明においては、接着層を構成するポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度が、発泡層を構成するポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも低いと共に、ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度とポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差(VSTx1−VSTy1)が10℃以上であることが好ましい。前記関係を満たすことで、熱成形可能な範囲が広い多層発泡シートを安定して得ることができる。かかる観点から、ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度とポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差が12℃以上であることが好ましく、より好ましくは15℃以上である。なお、ビカット軟化温度の差の上限は、概ね30℃である。
さらに、成形体から抽出されるスチレンオリゴマー量を低減できる観点から、ポリスチレン系樹脂(y1)として、スチレン二量体とスチレン三量体の合計含有量(スチレンオリゴマーの合計含有量)が1500ppm以下のものを用いることが好ましい。かかる観点から、スチレンオリゴマーの含有量は1400ppm以下であることが好ましく、1300ppm以下であることがより好ましく、1200ppm以下であることが更に好ましく、1100ppm以下であることが特に好ましい。
スチレンオリゴマーの合計含有量が1500ppm以下のポリスチレン系樹脂(y1)として、例えばPSジャパン社製のポリスチレン「G0002」、「G0302」、「G0501」や東洋スチレン社製の「HRM52M」などが挙げられる。また、懸濁重合法を採用し、重合温度を低温側と高温側との2段階にわけ、高温側の重合時間を長くすることでスチレンの重合率を高めることにより、スチレンオリゴマーの合計含有量が1500ppm以下となるように製造されたポリスチレン系樹脂を用いることもできる。
本明細書において、原料または接着層中のスチレン二量体及びスチレン三量体の含有量は、以下のようにして求めることができる。
まず、スチレン系樹脂0.1gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ、23℃のヘプタン約250ml中に滴下して樹脂を析出させる。次に、樹脂を濾別した濾液に内部標準としてトリフェニルメタンを加えた後、約20mlまで濃縮し、ガスクロマトグラフ質量分析計で測定を行うことで、スチレン二量体及びスチレン三量体の含有量を求めることができる。なお、ガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は次の通りである。
使用機器:島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析計 GC/MS QP5050A、カラム:J&W Scientific性DB−5MS 0.25mm×30m(固定相…5%ジフェニル−95%ジメチル−ポリシロキサン)、キャリアガス:ヘリウム カラム流量:1.6ml/min、試料注入量:1μL。
接着層を構成するポリオレフィン系樹脂(y2)としては、前記発泡層を構成するポリオレフィン系樹脂(x2)として例示したポリオレフィン系樹脂を用いることができ、これらの中でも、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体を用いることが好ましく、高密度ポリエチレンを用いることがさらに好ましい。
特に、高密度ポリエチレンを用いる場合、高密度ポリエチレンの結晶化度は、55%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、65%以上であることがさらに好ましい。
前記結晶化度とすることで、ヘプタン抽出試験を行った場合、接着層を構成するポリオレフィン系樹脂(y2)中にヘプタンが浸透、拡散しにくくなり、スチレンオリゴマー抽出量をより低減することができる。なお、該結晶化度の上限は、概ね90%である。
また、スチレンオリゴマー抽出量を低減する観点から、高密度ポリエチレンの密度は0.94g/cm以上であることが好ましく、0.945g/cm以上がより好ましく、0.950g/cm以上がさらに好ましい。なお、その上限は、概ね0.970g/cmである。
本発明において、ポリエチレン系樹脂の結晶化度[%]は、JIS K7122−1987に基づき測定されるポリエチレン系樹脂の融解熱をもとに、ポリエチレンの完全結晶の理論融解熱(293J/g)に対する比として求められる値である。なお、融解試験片の状態調節として「(2)一定の熱処理を行なった後、融解熱を測定する場合(加熱速度:10℃/分、冷却温度:10℃/分)」を採用する。
本発明においては、接着層を構成する混合樹脂(Y)に、スチレン系エラストマー(y3)をポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)との相溶化剤として添加することができる。
スチレン系エラストマー(y3)としては、発泡層を構成するスチレン系エラストマー(x3)として例示したスチレン系エラストマーを用いることができる。
スチレン系エラストマー(y3)は、接着層中のポリスチレン系樹脂(y1)とポリエチレン系樹脂(y2)との合計100重量部当り、概ね0.1〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10重量部の割合で添加することが好ましい。
接着層を構成する混合樹脂(Y)における、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)との重量比(Wy1:Wy2)は95:5〜30:70であることが好ましい。該重量比がこの範囲内であれば、スチレンオリゴマーの抽出量を少なくしつつ、接着層と樹脂層との接着性をより向上させることができる。この観点から、重量比(Wy1:Wy2)は85:15〜40:60であることがより好ましく、更に好ましくは75:25〜50:50である。
該混合樹脂(y)のPIの値は0.7〜3.5であることが好ましい。PIの値がこの範囲内であれば、スチレンオリゴマー抽出量を低く抑えることができると同時に、熱成形時、更に電子レンジによる加熱時における樹脂層が発泡層から剥離する現象(デラミネーション)を防ぐことが可能な接着強度を有する接着層を形成することができる。
スチレンオリゴマー抽出量をより小さく抑える観点から、PIの値の下限は、好ましくは1.4、より好ましくは1.6、更に好ましくは1.8である。一方、接着強度を維持する観点から、PIの値の上限は、好ましくは3.0、より好ましくは2.9、更に好ましくは2.8である。
相構造指数PIは、接着層を構成するポリオレフィン系樹脂(y2)とポリスチレン系樹脂(y1)との混合状態を示すもので、下記式(1)で定義される。また、接着層が相溶化剤(スチレン系エラストマー)を含む場合には、相溶化剤を考慮せずにPIの値を計算する。また、混合樹脂中のそれぞれの樹脂成分の体積分率は、各樹脂の配合比(重量比)を各樹脂の樹脂密度で割算することにより求めることができる。
PI=(ηy2×φy1)/(ηy1×φy2)・・・・(1)
ηy1:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂(y1)の溶融粘度
φy1:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂(y1)の体積分率
ηy2:190℃、剪断速度100sec−1でのポリオレフィン系樹脂(y2)の溶融粘度
φy2:該混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂(y2)の体積分率
PIの値が1.4以上であれば、ポリスチレン系樹脂(y1)中にポリオレフィン系樹脂(y2)が分散した相構造(海−島構造)が形成されやすくなる。ヘプタンは、ポリオレフィン系樹脂(y2)中には容易に浸透し拡散するが、ポリスチレン系樹脂(y1)中には浸透し拡散しにくい特性があるので、ポリスチレン系樹脂(y1)中にポリオレフィン系樹脂(y2)が分散した相構造(海−島構造)が形成され、ポリオレフィン系樹脂(y2)がポリスチレン系樹脂(y1)に覆われていると、スチレンオリゴマー抽出量は少なくなると考えられる。
一方、PIの値が3.0以下であれば、発泡層と樹脂層との接着強度を高く維持することができ、熱成形時における樹脂層のデラミネーション、電子レンジ加熱の際のデラミネーションを安定して防ぐことができる。
ポリスチレン系樹脂(y1)の溶融粘度ηy1とポリオレフィン系樹脂(y2)の溶融粘度ηy2との比(ηy1/ηy2)は0.7〜1.5であることが好ましい。該粘度比が前記範囲であると、発泡層と接着層との接着強度及び樹脂層と接着層との接着強度をよりバランスよく高めることができる。この観点から、該溶融粘度比はより好ましくは1.0を超え1.4未満である。
本発明において、溶融粘度は、例えば、株式会社東洋精機製作所製のキャピログラフ1Dなどの測定機を使用して次に示すように測定することができる。具体的には、このような測定機を準備するとともに、溶融粘度の測定対象となる樹脂を準備して測定用の試料とする。測定機については、シリンダー径9.55mm、長さ350mmのシリンダーと、ノズル径1.0mm、長さ10mmのオリフィスを用い、シリンダー及びオリフィスの設定温度を190℃とする。そして、そのシリンダー内に測定用の試料を必要量(例えば、約15g)入れ、4分間放置して溶融樹脂となし、剪断速度100sec−1で溶融樹脂をオリフィスから紐状に押出して、その押出時の溶融樹脂の粘度を測定して、この値を溶融粘度とする。
次に、前記樹脂層について説明する。該樹脂層はポリオレフィン系樹脂(z)により構成されている。ポリオレフィン系樹脂(z)としては、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリプロピレン重合体などのポリオレフィン系樹脂が好ましく、これらの中でも、高密度ポリエチレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体がより好ましく、高密度ポリエチレンが更に好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は耐油性、耐溶剤性、耐熱性に優れるので、これらの樹脂を用いて樹脂層を構成すると、得られる成形体の耐油性、耐溶剤性、耐熱性が向上し、油性食品等を入れた成形体を電子レンジで加熱しても、食用油等による侵食が防止される。
特に、高密度ポリエチレンを用いる場合、高密度ポリエチレンの結晶化度は、30%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、55%以上であることがさらに好ましい。
前記結晶化度とすることで、ヘプタン抽出試験を行った場合、接着層を構成するポリオレフィン系樹脂(y2)中にヘプタンが浸透、拡散しにくくなりスチレンオリゴマー抽出量をより低減することができる。なお、該結晶化度の上限は、概ね90%である。
なお、結晶化度が高い高密度ポリエチレンを用いることで、ヘプタンによるスチレンオリゴマーの抽出量を低減できる理由としては、密な結晶構造により、高密度ポリエチレンへのヘプタンの浸透、拡散が妨げられ、ヘプタンが接着層まで到達しにくくなるためであると考えられる。
また、スチレンオリゴマー抽出量を低減する観点から、高密度ポリエチレンの密度は0.94g/cm以上であることが好ましく、0.945g/cm以上がより好ましく、0.950g/cm以上がさらに好ましい。なお、その上限は、概ね0.970g/cmである。
なお、耐熱性や熱成形性が良好な多層発泡シートを安定して得ることができる観点から、発泡層を構成するポリオレフィン系樹脂(x2)、接着層を構成するポリオレフィン系樹脂(y2)及び樹脂層を構成するポリオレフィン系樹脂(z)は、それぞれ高密度ポリエチレンであることが好ましい。
次に、本発明の多層発泡シート、及び各層の物性について説明する。
多層発泡シートから樹脂層を剥離させる際の剥離強度は80cN/25mm以上であることが好ましい。該剥離強度がこの範囲内であれば、発泡層と樹脂層との間における接着力が十分であり、熱成形時や電子レンジ加熱時に樹脂層の発泡層からのデラミネーションの発生が防止される。この観点から、該剥離強度は100cN/25mm以上であることがより好ましく、さらに好ましくは150cN/25mm以上、200cN/25mm以上、特に好ましくは300cN/25mm以上である。なお、該剥離強度の上限は、概ね700cN/25mmである。
剥離強度の測定は次のように行われる。多層発泡シートから押出方向に沿って幅25mmの試験片を切り出し、JIS Z0237:2009に準拠し、剥離速度条件300mm/minの90°剥離試験にて多層発泡シートから樹脂層を剥離させ、その際の剥離強度を測定する。
なお、剥離試験を行なった際に剥離が生じる界面としては、発泡層と接着層との間、接着層と樹脂層との間の2つの界面が想定され、層間の接着力によっては、発泡層の材料破壊や、接着層の凝集破壊が生じることがある。本発明における剥離強度は、それらのうちの最も弱い強度を意味する。例えば、剥離試験において、一方の治具で発泡層を固定し、他方の治具で接着層及び樹脂層を固定して剥離試験を行うと、接着力が弱い方の界面で剥離が起きるので、一の試験で求めた剥離強度が、発泡層と接着層間、接着層と樹脂層間のどちらか弱い方の接着強度となる。なお、樹脂層が薄すぎて治具で固定できない場合または樹脂層が試験中に破断してしまう場合には、補強フィルムで樹脂層を裏打ちしてもよい。
なお、スチレンオリゴマーの抽出量をより低く抑えることができるという観点から、剥離試験を行なった際に、接着層と樹脂層との間で剥離することが好ましい。このような場合、接着層において、スチレンオリゴマーの抽出量をより低く抑えることができる良好なモルフォロジーが形成されていると考えられる。
発泡層の坪量は、包装容器としての機械的強度と軽量性とのバランスという観点から、80〜400g/mであることが好ましく、より好ましくは100〜350g/mである。
同様の理由で、多層発泡シート全体の坪量は、100〜600g/mであることが好ましく、より好ましくは150〜500g/mであり、さらに好ましくは180〜450g/mである。
接着層の坪量は、接着性の観点から、5g/m以上であることが好ましく、より好ましくは7g/m以上である。一方、軽量性や良好な気泡構造を有する発泡シートが得られやすいという観点から、接着層の坪量は、50g/m以下であることが好ましく、より好ましくは40g/m以下である。
樹脂層の坪量は、耐熱性、熱成形性が良好で、スチレンオリゴマー抽出量をより低減できる多層発泡シートを安定して得ることができるという観点から、8〜100g/mであることが好ましく、9〜80g/mであることがより好ましく、さらに好ましくは10〜70g/mである。
多層発泡シートの厚みは、包装容器としての機械的強度と取扱い性とのバランスという観点から、0.5〜4mmが好ましく、より好ましくは0.7〜3.5mm、更に好ましくは1〜3mmである。
同様の理由で、多層発泡シートの見掛け密度は、0.07〜0.7g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5g/cmである。また、発泡層の見掛け密度は、0.07〜0.3g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.08〜0.2g/cmである。上記見掛け密度の範囲とすることで、多層発泡シートの熱成形性をより良好なものとすることができる。
多層発泡シートの独立気泡率は80%以上である。該独立気泡率が低すぎると、熱成形が可能な範囲が狭くなるおそれがある。かかる観点から、発泡層の独立気泡率は82%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上である。
多層発泡シートの独立気泡率を高める方法としては、接着層を構成する樹脂として、押出温度域における溶融粘度が低い樹脂を用いて共押出を行う方法や、押出時、接着層形成用溶融樹脂に揮発性可塑剤を添加して共押出を行う方法が挙げられる。
なお、共押出により、接着層を介して、ポリオレフィン系樹脂を配合した混合樹脂からなる発泡層と樹脂層とを積層すると、発泡層の独立気泡率が低下しやすくなる傾向にあり、このことが多層発泡シートの熱成形可能範囲が狭くなる原因の一つとして考えられる。
本発明においては、押出時における接着層形成用溶融樹脂の溶融粘度を低くし、接着層を低温で積層することにより、独立気泡率の高い発泡層が得られるものと考えられる。
前記独立気泡率は、ASTM−D2856−70の手順Cに従って、株式会社島津製作所製の乾式自動密度計アキュピックII1340型等を使用して測定(多層発泡シートから25mm×25mm×20mmに切断したカットサンプルをサンプルカップ内に収容して測定する。なお、多層発泡シートが薄すぎて前記サイズのカットサンプルを切り出すことができない場合には、25mm×25mm×多層発泡シート厚みのサンプルを複数枚切り出して重ねることにより、25mm×25mm×約20mmの測定用カットサンプルとする。)された多層発泡シート(カットサンプル)の真の体積Vxを用い、下記(2)式により独立気泡率S(%)を計算する。
S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (2)
Vx:上記方法で測定されたカットサンプルの真の体積(cm)であり、カットサンプルを構成する樹脂の容積と、カットサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和に相当する。
Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算されたカットサンプルの見かけ上の体積(cm)。
W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。
ρ:多層発泡シートを脱泡して求められる樹脂の密度(g/cm
本発明の多層発泡シートにおいては、発泡層と接着層との間に気泡が存在することが好ましい。該気泡は、共押出法により、接着層に揮発性可塑剤を添加して、多層発泡シートを押出すことにより形成されるものと考えられる。熱成形が可能な範囲が広い多層発泡シートを安定して得ることができる観点から、該気泡の数は、5〜120個/25mmであることが好ましく、より好ましくは10〜110個/25mmであり、さらに好ましくは20〜100個/25mm、特に好ましくは30〜100個/25mmである。
接着層の発泡層側に存在する気泡の数の測定は次のようにして行う。まず、多層発泡シートから5mm×5mm×多層発泡シート厚みに切断したカットサンプルを準備する。次に、光学実体顕微鏡等を用いて、樹脂層が積層接着された側からカットサンプルを観察(多層発泡シートの厚み方向に対して垂直な面を観察)し、5mm×5mmの範囲において、発泡層と接着層との間に存在する気泡の数を計測する。この測定を無作為に選択された多層発泡シートの5箇所に対して行い、これらの算術平均値を発泡層と接着層との間に存在する気泡の数とする。なお、該気泡の数を測定しやすくするために、サンプルから樹脂層を剥がし、樹脂層を剥離したサンプルに対して測定を行っても良い。
次に、本発明の多層発泡シートの製造方法について説明する。
本発明の多層発泡シートは、共押出法により、特定の混合樹脂(X)からなる発泡層の片面に特定の混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とを、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着することにより得ることができる。具体的には、発泡層形成用押出機の出口に共押出用ダイが取り付けられ、その共押出用ダイに接着層形成用押出機と樹脂層形成用押出機が連結された装置を用いて、特定の混合樹脂(X)からなる発泡層形成用溶融樹脂と、特定の混合樹脂(Y)と揮発性可塑剤とからなる接着層形成用溶融樹脂と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層形成用溶融樹脂とを共押出用ダイ内で、発泡層形成用溶融樹脂、接着層形成用溶融樹脂、樹脂層形成用溶融樹脂の順で合流、積層してから押出し、引取ることにより、発泡層形成用溶融樹脂が発泡してなる発泡層の表面に接着層、さらに樹脂層が形成された多層発泡シートが製造される。
共押出法によれば、多層発泡シートを製造するための他の方法に比べて、工程がシンプルであり、低コスト化が可能である。また、発泡層と接着層との接着強度、接着層と樹脂層との接着強度が高い多層発泡シートを得ることができ、熱成形時や電子レンジによる加熱時において、樹脂層が発泡層から剥離する現象(デラミネーション)が抑制された多層発泡シートを得ることができる。
共押出法により多層発泡シートを形成する方法には、共押出用フラットダイを用いて各層を構成する溶融樹脂をシート状に共押出して多層発泡シートとする方法や、共押出用環状ダイを用いて各層を構成する溶融樹脂を共押出して筒状多層発泡体を形成し、次いで筒状多層発泡体を円柱状拡幅装置に沿わせて拡幅し、引取りながら切り開いて多層発泡シートとする方法等がある。これらの中では、共押出用環状ダイを用いる方法が、生産性良く多層発泡シートを製造できるため好ましい方法である。
なお、前記押出機、共押出環状ダイ、円柱状拡幅装置、筒状多層発泡体を切開く装置等は、従来押出発泡の分野で用いられてきた公知のものを用いることができる。
前記発泡層形成用溶融樹脂は、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系エラストマー(x3)及び必要に応じて配合される気泡調整剤等の添加剤を発泡層形成用押出機に供給し、加熱、溶融、混練し、物理発泡剤を圧入してさらに混練することにより得ることができる。ポリスチレン系樹脂(x1)、ポリオレフィン系樹脂(x2)、スチレン系エラストマー(x3)の配合割合は、発泡層について前記したように、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合が2〜12重量%、スチレン系エラストマー(x3)の配合割合は3.0重量%未満である(ただし、ポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)。更に、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合に対するスチレン系エラストマー(x3)の配合割合の比(x3の配合割合/x2の配合割合)が0.05以上0.30未満となるように、配合割合を定める。
発泡層形成用溶融樹脂には、通常、気泡調整剤が添加される。気泡調整剤としては有機系のもの、無機系のもののいずれも使用することができる。無機系気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。また有機系気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。
またクエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のモノアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も気泡調整剤として用いることができる。これらの気泡調整剤は2種以上を混合して用いることができる。
発泡層の製造に用いる発泡剤としては、例えば、プロパン、n−ブタン(ノルマルブタン)、i−ブタン(イソブタン)、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジフロロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素、二酸化炭素、窒素、水等の無機発泡剤が挙げられる。更に、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、炭酸水素ナトリウム等の分解型発泡剤を使用することもできる。これらの発泡剤は適宜併用することができる。このなかでも、押出発泡性の観点から、脂肪族炭化水素を主成分とする発泡剤が好ましく、脂肪族炭化水素の中でもi−ブタン、又はi−ブタンとn−ブタンとの混合物がより好ましい。発泡剤の使用量は、特に限定されないが、概ね樹脂100gあたり0.01〜0.1モルの範囲で目的とする発泡シートの見掛け密度に対し自由に選択することができる。
接着層形成用溶融樹脂は、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを接着層形成用押出機に供給し、加熱、溶融、混練し、揮発性可塑剤を圧入してさらに混練することにより得ることができる。
ポリスチレン系樹脂(y1)、及びポリオレフィン系樹脂(y2)の種類、及びポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)の配合割合は、前記の通りである。
前記接着層形成用溶融樹脂には、揮発性可塑剤が添加され、接着層形成用溶融樹脂が揮発性可塑剤を含む状態で共押出が行われることが好ましい。
本発明者らの検討の結果、共押出により、接着層を介して、ポリオレフィン系樹脂を配合した混合樹脂からなる発泡層と樹脂層とを積層すると、発泡層の独立気泡率が低下しやすくなる傾向があることが判明した。この独立気泡率の低下が多層発泡シートの熱成形可能範囲が狭くなる原因の一つとして考えられる。本発明においては、特に、押出時に揮発性可塑剤を添加し、接着層形成用溶融樹脂が揮発性可塑剤を含む状態で共押出を行うことで、発泡層の独立気泡率を高くすることができ、熱成形が可能な範囲の広い多層発泡シートを安定して得ることができる。
なお、接着層形成用溶融樹脂が揮発性可塑剤を含む状態で共押出を行うことで発泡層の独立気泡率を高くすることができる理由については、定かではないが、揮発性可塑剤の可塑化効果により、押出時の接着層形成用溶融樹脂の温度を下げることができるため、混合樹脂により構成され、独立気泡率が低下しやすい状態の発泡層へ接着層を積層しても、接着層付近の発泡層の発泡状態を大きく悪化させることがなく、独立気泡率を高く維持できるためと考えられる。
本発明においては、発泡層に含まれるスチレン系エラストマー(x3)の量を少なくしつつ、ポリオレフィン系樹脂を特定量配合すると共に、発泡層の独立気泡率を高めることで、熱成形時において、特に多層発泡シートを比較的長時間加熱した条件でも良好な発泡シートが得られるようになり、熱成形が可能な範囲を広くすることができるものと考えられる。
揮発性可塑剤としては、多層発泡シート製造後に多層発泡シートから揮発するものであって、本発明の所期の目的を損なわないものであれば特に限定されないが、炭素数2以上7以下の飽和炭化水素、炭素数1以上3以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、又は炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等から選択される1種、又は2種以上で構成されるものが例示される。
揮発性可塑剤の例に挙げた炭素数2以上7以下の飽和炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンが挙げられる。
上記炭素数1以上3以下のハロゲン化脂肪族炭化水素としては、例えば、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンが挙げられる。
上記炭素数1以上4以下の脂肪族アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールが挙げられる。
上記炭素数2以上8以下の脂肪族エーテルとしては、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、メチルアミルエーテル、メチルイソアミルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルアミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、ビニルエーテル、アリルエーテル、メチルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルビニルエーテル、エチルアリルエーテルが挙げられる。
押出時の取扱い性がよく、良好な多層発泡シートを得られやすい観点から、揮発性可塑剤の沸点は好ましくは80℃以下であり、更に好ましくは60℃以下である。該沸点の下限値は、概ね−50℃である。
前記揮発性可塑剤の添加量は、混合樹脂(Y)1kgに対して0.1〜2molであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1molである。
なお、取扱い性や樹脂に対する可塑化効果に優れることから、揮発性可塑剤としてブタンを用いることが好ましい。
次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例、比較例において、次の原料を用いた。
[発泡層形成用のポリスチレン系樹脂(x1)]
(1) PSジャパン(株)製スチレン−メタクリル酸共重合体「G9001」(略称:G9001、溶融粘度2646Pa・s、MFR1.6g/10min、スチレンオリゴマー含有量3338重量ppm、ビカット軟化温度118℃)
[発泡層形成用のポリオレフィン系樹脂(x2)]
(1) 東ソー(株)製高密度ポリエチレン(HDPE)グレード名「NH4000」(略称:NH4000、密度0.964g/cm、融点135℃、MFR5.4g/10min)
(2) (株)プライムポリマー製プロピレン−エチレンランダム共重合体(r−PP)グレード名「J721GR」(略称:J721GR、密度0.900g/cm、融点148℃、MFR10g/10min)
(3) 日本ポリエチレン(株)製直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)グレード名「UJ460」(略称:UJ460、密度0.924g/cm、融点122℃、MFR8.0g/10min)
(4) 住友化学(株)製超低密度ポリエチレン(VL)「VL700」(略称:VL700、密度0.905g/cm、融点109℃、MFR10.0g/10min)
[発泡層形成用のスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)]
(1) JSR(株)製スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、グレード名「DYNARON9901P」(略称:9901P、スチレン成分含有量53重量%」
[接着層形成用のポリスチレン系樹脂(y1)]
(1)PSジャパン(株)製ポリスチレン「G0002」(略称:G0002、スチレンオリゴマー含有量1056重量ppm、溶融粘度1580Pa・s)
[接着層形成用のポリオレフィン系樹脂(y2)]
(1)日本ポリエチレン(株)製高密度ポリエチレン(HDPE)グレード名「HY540」(略称:HY540、密度0.958g/cm、融点135℃、結晶化度67.0%、溶融粘度1390Pa・s)
[樹脂層形成用のポリオレフィン系樹脂(z)]
(1)東ソー(株)製高密度ポリエチレン(HDPE)グレード名「NH4000」(略称:NH4000、密度0.964g/cm、融点135℃、結晶化度77.2%、溶融粘度868Pa・s)
物理発泡剤及び揮発性可塑剤として、ノルマルブタン70重量%とイソブタン30重量%とからなる混合ブタンを用いた。
[気泡調整剤]
タルク:松村産業株式会社製、グレード名「ハイフィラー#12」を用いた。
発泡層形成用の押出機として、バレル内径90mmの第一押出機とバレル内径120mmの第二押出機からなるタンデム押出機を用い、接着層形成用の押出機としてバレル内径40mm第三押出機を用い、樹脂層形成用の押出機としてバレル内径65mm第四押出機を用いた。更に、共押出用環状ダイに、第二押出機と第三押出機と第四押出機の夫々の出口を連結し、夫々の溶融樹脂を共押出用環状ダイ内で積層可能にした。
実施例1〜11、比較例1〜5
表1に示す種類、配合量のポリスチレン系樹脂(x1)と、ポリオレフィン系樹脂(x2)と、スチレン系エラストマー(x3)とからなる混合樹脂(x)と混合樹脂(x)100重量部に対して2.1重量部のタルクを配合した原料を、第一押出機に供給し、加熱溶融混練し、これに表2に示す割合で混合ブタンを圧入して発泡層形成用溶融樹脂とし、次いで、第二押出機に移送して表2に示す樹脂温度に調整し、表3に示す坪量構成となるように共押出用環状ダイに導入した。
同時に、表1に示す種類、重量比のポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)と、両者の合計100重量部に対してスチレン系熱可塑性エラストマー(JSR(株)製スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体「DYNARON9901P(スチレン成分含有量53重量%)」)5重量部とを第三押出機に供給し、加熱溶融混練し、これに表2に示す割合で揮発性可塑剤としての混合ブタンを注入し、更に混練して接着層形成用溶融樹脂とし、次いで、表2に示す樹脂温度に調整し、表3に示す坪量構成となるように共押出用環状ダイに導入した。なお、比較例4、5においては揮発性添加剤を添加しなかった。
同時に、表1に示すポリオレフィン系樹脂(z)を第四押出機に供給し、加熱溶融混練して樹脂層形成用溶融樹脂とし、表2に示す樹脂温度に調整し、表3に示す坪量構成となるように共押出用環状ダイに導入した。
共押出用環状ダイ内で、発泡層形成用溶融樹脂の外周面に接着層形成用溶融樹脂を積層し、更にその外周面に樹脂層形成用溶融樹脂を積層し、直径90mmの環状のダイリップから大気中に押出して、発泡層/接着層/樹脂層からなる3層構造の筒状積層発泡体を形成した。押出された筒状積層発泡体を拡径ブローアップ比3.0で引き取りながら押出方向に沿って切開いて、幅850mmの多層発泡シートを得た。
得られた多層発泡シートの諸物性を測定した結果を表3に示す。
表中の各種測定、評価は次のように行った。
[溶融粘度]
測定装置として(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用い、前記の方法で行った(n=3)。
[坪量]
多層発泡シートから全幅に亘って幅100mmの試験片(試験片サイズ:100mm×850mm)を切り出し、試験片の重量をその面積で割算し、g/mに単位換算することにより、多層発泡シートの坪量を求めた(n=3)。
各層の坪量は、多層発泡シートの総坪量をもとに各層の吐出量比から求めた。
[多層発泡シートの厚み]
多層シートの幅方向に亘って10mm間隔で厚みを測定し、算術平均することにより平均厚みを求めた。
[発泡層、多層発泡シートの見掛け密度]
発泡層の見掛け密度は、発泡層の坪量を発泡層の厚みで割算し、g/cmに単位換算することにより求めた。なお、発泡層の厚みは、多層発泡シートの厚みから樹脂層と接着層の厚みを引くことで算出した。樹脂層、接着層の厚みは、各層の坪量と各層を構成する樹脂の密度から算出した。
多層発泡シートの見掛け密度は、多層発泡シートの坪量をその平均厚みで割算し、g/cmに単位換算することにより求めた。
[接着層と発泡層との間に存在する気泡の数]
多層発泡シートから5mm×5mm×多層発泡シート厚みに切断したカットサンプルを準備した。次に、このサンプルから樹脂層を剥がした。光学実体顕微鏡を用いて、樹脂層を剥がしたサンプルを樹脂層が積層接着されていた側から観察(多層発泡シートの厚み方向に対して垂直な面を観察)し、5mm×5mmの範囲において、発泡層と接着層との間に存在する気泡の数を計測した。この測定を無作為に選択された多層発泡シートの5箇所に対して行い、これらの算術平均値を発泡層と接着層との間に存在する気泡の数とした。
[独立気泡率]
株式会社島津製作所製の乾式自動密度計アキュピックII1340型を用い、測定圧力10kPa(G)、平衡圧レート0.05kPa/minの条件とした以外は、前記方法により測定した。
独立気泡率が80%以上であると、特に熱成形性が良好な多層発泡シートとなる。
[発泡剤残量比率]
多層発泡シート製造後、2週間後と1ヵ月後に、多層発泡シート中の発泡剤の残存量をガスクロマトグラフを用いて測定し、2週間後の該残存量に対する1ヵ月後の残存量を求めた。なお、発泡剤残量比率は1ヶ月後の発泡剤残存量を、2週間後の発泡剤残存量で割り算することで求めた。
発泡剤残存量の測定は、多層発泡シートからサンプルの重量が1gとなるように切り出し、サンプルとした。このサンプルを、内部標準物質としてシクロペンタンを含むトルエンの入った蓋付き試料ビン中に入れ蓋を閉めた後、充分に撹拌し多層発泡シート中の発泡剤をトルエン中に溶解した溶液を測定用試料としてガスクロマトグラフ分析を行って残存量を求めた。
発泡剤の残量比率が0.85以上であると、特に熱成形性が良好な多層発泡シートとなる。
ガスクロマトグラフ分析の測定条件
カラム:信和加工株式会社製
担体:chromosorb W、60〜80メッシュ、AW−DMCS処理品
液相:Silicone DC550(液相量20%)
カラム寸法:カラム長さ4.1m、カラム内径3.2mm
カラム素材:ガラス
カラム温度:40℃
注入口温度:200℃
キャリヤーガス:窒素
キャリヤーガス速度:50ml/min.
検出器:FID
検出器温度:200℃
定量:内部標準法
[シャルピー衝撃強度]
多層シートから無作為に選択した10か所から、多層発泡シートの幅方向と試験片の長さ方向とを一致させて、長さ80mm×幅10mm×厚み:多層発泡シートの厚み、の試験片10個をそれぞれ切り出した。該試験片を23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室に24時間載置して試験片の状態調節を行った。状態調節を行った試験片を用いて、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、JIS K7111−1:2012に基づき、試験片のシャルピー衝撃強度を測定した。得られた測定値の算術平均値を多層シートのシャルピー衝撃強度とした。
シャルピー衝撃強度が1.0kJ/m以上であると、耐衝撃性が良好な多層発泡シートとなる。
[曲げ弾性率]
多層発泡シートの無作為に選択した5か所から、多層発泡シートの幅方向と試験片の長さ方向とを一致させて、長さ80mm×幅10mm×厚み:多層発泡シートの厚み、の試験片5個をそれぞれ切り出した。該試験片を23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室に24時間載置して試験片の状態調節を行った。状態調節を行った試験片を用いて、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿室内で、前記JIS K7171−1994に基づき、支点間距離:16mm、圧子の半径R1:5.0mm、支持台の半径R2:2.0mm、試験速度:2mm/分の条件で、試験片の曲げ弾性率を測定し、測定値の算術平均値を多層発泡シートの曲げ弾性率とした。
曲げ弾性率が250MPa以上であると、特に曲げ剛性が良好な多層発泡シートとなる。
[剥離強度]
多層発泡シートから幅25mmの試験片を切り出し、JIS Z 0237に準拠し、剥離速度300mm/minの90°剥離試験にて剥離強度(mN/25mm)を測定した。
剥離強度が80cN/25mm以上であると、特に発泡層と樹脂層との接着強度が高い多層発泡シートとなる。
[熱成形性(熱成形が可能な範囲、最短加熱時間/最長加熱時間)]
熱成形性の評価は次の基準で行った。なお、実施例、比較例で得られた多層発泡シートを25℃の温度で21日間養生した後、下記の熱成形を行った。
熱成形機(浅野研究所製:品番「FKS−0631−10」)を使用し、マッチモールド真空成形により、樹脂層が積層された面が成形体の内側になるようにして、ヒータ温度300℃で多層発泡シートを所定秒数加熱した後、口径142mm、展開倍率2.6倍の成形体を9個取りすることができるカップ状の成形金型A(3列×3段)を用いて熱成形を行った。加熱時間を変化させ、9個取り金型の中央部に位置する金型により成形された成形体に対して、良好な成形体を得ることができた最短の加熱時間(最短加熱時間)と最長の加熱時間(最長加熱時間)とを測定し、さらに良好な成形体を得ることができる加熱時間範囲を算出した。なお、実施例10、比較例5においては、口径145mm、展開倍率2.3倍の成形体を9個取りすることができるカップ状の成形金型B(3列×3段)を用いた。
なお、中央部に位置する金型により成形される成形体は、周囲の成形体に比べて、熱成形時に多層発泡シートが引き込まれにくく、成形が難しいものである。
[スチレンオリゴマー抽出量]
まず、多層発泡シートを熱成形して、開口部220mm×底部145mm×高さ35mmの皿形状の成形体(容器)を得た。以下の方法によりノルマルヘプタンによるスチレンオリゴマーの抽出試験を行った。
容器にヘプタンを500ml入れ、25℃の水浴中で60分放置し、容器に含まれるスチレンダイマー及びスチレントリマーをヘプタン中に溶出させた。ヘプタン中のスチレンダイマー及びスチレントリマー量をガスクロマトグラフ質量分析計で測定した。なおガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は次のとおりである。
スチレンオリゴマー抽出量500ppb以下であると、特にスチレンオリゴマー抽出量が低減された多層発泡シートとなる。
使用機器:島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析計 GC/MS QP5050A、カラム:J&W Scientific性DB−5MS 0.25mm×30m(固定相…5%ジフェニル−95%ジメチル−ポリシロキサン)、キャリアガス:ヘリウム カラム流量1.6ml/min、試料注入量:1μL


Claims (10)

  1. スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とが、共押出により、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートであって、
    該混合樹脂(X)における、該ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合が2〜12重量%、該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合が3.0重量%未満であると共に(ただし、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)、該ポリオレフィン系樹脂(x2)の含有割合に対する該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の含有割合の比(x3の含有割合/x2の含有割合)が0.05以上0.30未満であり、
    多層発泡シートの独立気泡率が80%以上であることを特徴とする、多層発泡シート。
  2. 前記発泡層の見掛け密度が、0.07〜0.3g/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の多層発泡シート。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点が、前記ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも高いと共に、前記ポリオレフィン系樹脂(x2)の融点と該ポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差が、5〜35℃であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層発泡シート。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)が高密度ポリエチレンであり、該高密度ポリエチレンのメルトフローレイト(190℃、荷重2.16kg)が、2〜10g/10minであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多層発泡シート。
  5. 前記ポリオレフィン系樹脂(x2)、前記ポリオレフィン系樹脂(y2)及び前記ポリオレフィン系樹脂(z)が、それぞれ高密度ポリエチレンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多層発泡シート。
  6. 前記ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度がポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度よりも低いと共に、ポリスチレン系樹脂(y1)のビカット軟化温度とポリスチレン系樹脂(x1)のビカット軟化温度との差が10℃以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の多層発泡シート。
  7. 前記多層発泡シートから樹脂層を剥離させる際の剥離強度が80cN/25mm以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の多層発泡シート。
  8. 前記発泡層と接着層との間に気泡が存在すると共に、該気泡の数が、5〜120個/25mmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の多層発泡シート。
  9. 前記混合樹脂(Y)の混合状態を表す相構造指数PIの値が、1.4〜3.0であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の多層発泡シート。

    但し、相構造指数PIは次式で定められる。
    PI=(ηy2×φy1)/(ηy1×φy2
    ηy1:190℃、剪断速度100sec−1でのポリスチレン系樹脂(y1)の溶融粘度
    φy1:該混合樹脂中のポリスチレン系樹脂(y1)の体積分率
    ηy2:190℃、剪断速度100sec−1でのポリオレフィン系樹脂(y2)の溶融粘度
    φy2:該混合樹脂中のポリオレフィン系樹脂(y2)の体積分率
  10. スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を含むビカット軟化温度110℃以上のポリスチレン系樹脂(x1)とポリオレフィン系樹脂(x2)とスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)と物理発泡剤とを混練してなる発泡層形成用溶融樹脂と、ポリスチレン系樹脂(y1)とポリオレフィン系樹脂(y2)とを混練してなる接着層形成用溶融樹脂と、ポリオレフィン系樹脂(z)を混練してなる樹脂層形成用溶融樹脂とを環状ダイから共押出することにより、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)とを含む混合樹脂(X)からなる発泡層と、該ポリスチレン系樹脂(y1)と該ポリオレフィン系樹脂(y2)とを含む混合樹脂(Y)からなる接着層と、該ポリオレフィン系樹脂(z)からなる樹脂層とが、表面から樹脂層、接着層、発泡層の順に積層接着された多層発泡シートを得る、多層発泡シートの製造方法であって、
    該ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合が2〜12重量%、該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の配合割合が3.0重量%未満であると共に(ただし、該ポリスチレン系樹脂(x1)と該ポリオレフィン系樹脂(x2)と該スチレン系熱可塑性エラストマー(x3)との配合割合の合計は100重量%である)、ポリオレフィン系樹脂(x2)の配合割合に対するスチレン系熱可塑性エラストマー(x3)の配合割合の比(x3の配合割合/x2の配合割合)が0.05以上0.30未満であり、
    該接着層形成用溶融樹脂が、揮発性可塑剤を含むことを特徴とする、多層発泡シートの製造方法。


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