JP2012036290A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】活性エネルギー線を照射することにより、耐擦傷性および成型加工性に優れた硬化物を形成可能な硬化性組成物を得る。
【解決手段】下記(a)、(b)、(c)を反応させて得られる数平均分子量が5000〜30000のウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物であって、23℃で測定した引張応力−ひずみ曲線図において、降伏点を持たず、かつ破断点伸度が100%以上である硬化物が得られる硬化性組成物。
(a)数平均分子量300〜1200のポリカーボネートジオール
(b)脂環式ジイソシアネート
(c)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル
【選択図】なし

Description

本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートを含有し、特に耐擦傷性、成型加工性が秀逸な硬化物を形成し得る硬化性組成物に関する。
従来から、成型物の基材を保護し、美感を保つために、基材をコーティング剤で被覆することが行われており、様々な材料がコーティング剤に用いられている。
その中でも、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する性質を有するウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどは従来からコーティング剤として用いられており、特にウレタン(メタ)アクリレートは、強靭で機械的強度が高く、薬品にも強い優れた被膜を形成することが知られている。そのため、ウレタン(メタ)アクリレートは、活性エネルギー線で硬化させるタイプの各種コーティング剤の主成分として、多方面で使用されている。
近年、このウレタン(メタ)アクリレートの材料であるポリオール化合物として、カーボネートポリオールが注目されている。これは、カーボネートポリオールを使用して得られるウレタン(メタ)アクリレートが、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールを用いたものに比較して、機械物性、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れているためである。
このようなカーボネートポリオールを原料とするウレタン(メタ)アクリレートとして、例えば、1,5−ペンタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールを原料とするポリカーボネートジオールと、有機イソシアネートと、ヒドロキシ不飽和化合物と、を用いたウレタン(メタ)アクリレートが開示されており、当該ウレタン(メタ)アクリレートの硬化物は伸度が大きく且つ強度が高いことを特徴とする(特許文献1参照)。また、数平均分子量250〜850のポリカーボネートジオールと、ジイソシアネート化合物と、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと、から成るウレタン(メタ)アクリレートが開示されており、当該ウレタン(メタ)アクリレートは(メタ)アクリル酸エステルと混合することによって銀保護性能を発揮する硬化物を提供する(特許文献2参照)。また、耐油性、耐汗性、耐加水分解性、耐候性、柔軟性、密着性など物性バランスに優れた硬化性組成物の材料として、2−メチル−1,3−プロパンジオールを含むアルコール由来のポリカーボネートジオールと、水酸基含有(メタ)アクリレートと、イソシアネート化合物と、からなるウレタン(メタ)アクリレートが開示されている(特許文献3参照)。また、耐薬品性および可とう性に優れた硬化性組成物の材料として、脂環式構造を有するポリカーボネートポリオールと、有機ポリイソシアネートと、水酸基含有(メタ)アクリレートと、からなるウレタンアクリレートが開示されている(特許文献4参照)。
特開平6−166737号公報 特開2005−171154号公報 特開2008−37989号公報 特開2009−227915号公報
ウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物を用いて保護被膜を形成する場合、基材表面に液状の組成物を直接塗布した後に硬化処理を行う方法と、最初に組成物をシート状に硬化させ、その後に硬化物を基材表面に貼り付ける方法とがある。前者の場合には、硬化物の伸びが問題となることはほとんど無いが、後者の場合には、硬化物に傷が付くことを防止するための高い耐擦傷性に加え、硬化物を基材の形状に合わせて変形させる必要があるため、真空成型などの成型加工に必要な大きな伸びが硬化物に求められる。しかしながら、特許文献1〜4に記載されるウレタン(メタ)アクリレートは前者の方法で用いることを前提としているため、いずれの文献にも耐擦傷性に優れ、なおかつ成型加工に必要な大きな伸びを有する硬化物を得ることができるウレタン(メタ)アクリレートを含む硬化性組成物は示されていない。
そこで、本発明は、耐擦傷性に優れ、シート状での成型加工性が秀逸な硬化物を形成し得る硬化性組成物を得ることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
本発明の硬化性組成物は、(a)数平均分子量300〜1200のポリカーボネートジオールと、(b)脂環式ジイソシアネートと、(c)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと、を反応させて得られる数平均分子量5000〜30000のウレタン(メタ)アクリレートを含有し、その硬化物が、23℃で測定した引張応力−ひずみ曲線図において、降伏点を持たず、かつ破断点伸度が100%以上であることを特徴とする。
本発明の硬化性組成物の硬化物は降伏点を持たないため、加わる応力が弾性限度内であるときは応力から解放されると元の形状に復元し、変形が生じることが無い。このことは、硬化物の表面に傷の原因となる外力が加わったときに、その外力を硬化物がへこむ(伸びる)ことで吸収し、外力が取り払われたときには元の形状に戻り、へこみが残存せず傷が形成されないことを意味している。また、23℃における破断点伸度が100%以上であるため、外力が加わったときに伸びることで傷の形成を回避する能力が高い。すなわち、硬化物の外力に対する許容限界が高く、耐擦傷性に優れているといえる。また、本発明の硬化性組成物の硬化物は、150℃の高温において100%以上の破断点伸度を有することができるため、真空成型などの加熱を伴う成型加工に適している。
また、本発明の硬化性組成物は、ポリカーボネートジオールの数平均分子量が400〜600であることが好ましい。当該硬化性組成物の硬化物は、破断点伸度がより大きく、耐擦傷性に優れている。
また、ポリカーボネートジオールは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなることが好ましい。当該硬化性組成物の硬化物は、破断点伸度がより大きくなり、耐擦傷性により優れている。
また、本発明の硬化性組成物中のウレタン(メタ)アクリレートの含有率は、溶媒を除いた重量で、50〜100重量%であることが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの含有率が50重量%未満であると、硬化性組成物の硬化物が引張応力−ひずみ曲線図において降伏点を有しやすくなり、結果的に耐擦傷性が低下する傾向にある。
本発明の硬化性組成物によれば、耐擦傷性のみならず、成型加工性も優れた硬化物を得ることができ、これにより真空成型などの成型が可能になる。また、当該硬化物は、基材との密着性が高く、耐汚染性、耐薬品性および耐候性などの性質を兼ね備えているため、基材を硬化物によって被覆することによって外部環境から基材を適切に保護することができる。
実施例1における引張応力−ひずみ曲線図である。 比較例2における引張応力−ひずみ曲線図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、(a)ポリカーボネートジオールと、(b)脂環式ジイソシアネートと、(c)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルと、を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを含有する。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」の用語は「アクリレート」および「メタクリレート」の総称である。また同様に、「(メタ)アクリル酸」の用語は「アクリル酸」および「メタクリル酸」の総称であり、「(メタ)アクリロイルオキシ基」の用語は「アクリロイルオキシ基」および「メタクリルオキシ基」の総称である。
<(a)ポリカーボネートジオール>
成分(a)は、分子中に2個の水酸基を有するポリカーボネートジオールであり、ジオール化合物と炭酸エステルとのエステル交換反応により得ることができる。ジオール化合物の具体例としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
これらジオール化合物の中でも、得られるウレタン(メタ)アクリレートの強伸度、すなわち引張に対する破断強度と破断するまでの伸びとのバランスに優れる点で、炭素数4〜8のアルカンジオールが好ましい。中でも、得られるウレタン(メタ)アクリレートの硬化物が低モジュラスであり、引張応力−ひずみ曲線図において降伏点を持ちにくいため、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールをそれぞれ単独で使用したポリカーボネートジオール、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを併用したポリカーボネートジオール、または3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを併用したポリカーボネートジオール、または2−メチル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとを併用したポリカーボネートジオールが好ましい。また、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを併用したポリカーボネートジオールは、得られるウレタン(メタ)アクリレートの硬化物がより高い耐擦傷性を有すると共に破断点伸度が大きくなるため特に好ましい。
成分(a)のポリカーボネートジオールの数平均分子量は300〜1200の範囲である。数平均分子量が300を下回るポリカーボネートジオールを用いると、得られるウレタン(メタ)アクリレートの硬化物は高モジュラスとなり、引張応力−ひずみ曲線図において降伏点を持ちやすくなるので好ましくない。反対に数平均分子量が1200を超えるポリカーボネートジオールを用いた場合、得られるウレタン(メタ)アクリレートの硬化物に粘着性があらわれ、ウレタン結合濃度(これに伴う水素結合濃度)の減少により凝集力が低下する。その結果、強度が下がり、引張応力が加わった際に切れやすくなると共に伸度も低下するため、成型加工および実用性上問題がある。ポリカーボネートジオールの数平均分子量の特に好ましい範囲は400〜600である。当該範囲の数平均分子量を有するポリカーボネートジオールを用いたウレタン(メタ)アクリレートの硬化物は、耐擦傷性により優れている。
<(b)脂環式ジイソシアネート>
成分(b)は脂環式ジイソシアネートであり、脂環式ジイソシアネートを用いて合成されたウレタン(メタ)アクリレートの硬化物は、耐候性と強伸度バランスが優れている。脂環式ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、1,4−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート等を挙げることができる。これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
<(c)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル>
成分(c)は、成分(a)と成分(b)を反応させて得られるウレタンプレポリマーの末端に付加することで、ラジカル反応性を付与する成分である。成分(c)としては、分子内に、少なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基と少なくとも1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルであれば、特に限定されるものではない。
成分(c)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートとカプロラクトンの付加物、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
<ウレタン(メタ)アクリレート>
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、上記(a)、(b)、(c)成分を反応させることによって合成され、合成方法としては、特に限定されるものではなく、公知の様々な合成方法が利用可能である。例えば成分(a)のポリカーボネートジオールとジラウリン酸ジ−n−ブチル錫等の触媒との混合物中に、成分(b)の脂環式ジイソシアネートを50〜90℃の条件下で滴下して反応させてウレタンプレポリマーを得、それに成分(c)のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを、例えばハイドロキノンモノメチルエーテルなどの重合禁止剤の存在下において、50〜80℃で反応させることにより製造することができる。また先に成分(b)と成分(c)を反応させた後に、成分(a)を反応させてもよい。
ここで、成分(a)、(b)、(c)の使用比率をモル比で(a)/(b)/(c)=n/n+1/2(nは2以上の整数)とすると、未反応の余剰成分が生じることを抑制でき、製造コストを削減できるため好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートは、合成終了時において98%以上まで反応させることが好ましく、合成反応の反応率は、様々な手法、例えばJIS K 1556に準じたイソシアネート量の定量結果から、算出可能である。
合成されるウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量は、5000〜30000の範囲である。数平均分子量が5000未満のウレタン(メタ)アクリレートの硬化物は、高モジュラスであり、引張応力−ひずみ曲線図において降伏点を持ち、破断点伸度が100%未満であり伸びが不十分であるため、耐擦傷性が低い。また、150℃における破断点伸度も小さいため、成型加工性が悪い。反対に、数平均分子量が30000を超えるとウレタン(メタ)アクリレートは粘度が著しく高くなるため、硬化物を形成する際にウレタン(メタ)アクリレートを塗布する作業に支障をきたす。また、その硬化物が粘着性を生じやすくなるため、その後の成型加工が困難になると共に、被膜として用いる際に実用上の問題がある。
<硬化性組成物>
上記ウレタン(メタ)アクリレートを含有する本発明の硬化性組成物は、紫外線または電子線等のエネルギー線を照射することによって硬化可能であり、その硬化物が、23℃で測定した引張応力−ひずみ曲線図において降伏点を持たず、破断点伸度が100%以上であることを特徴とする。
ここで、降伏点を持つとは、23℃で測定した引張応力(MPa)−ひずみ(%)曲線図において、例えば後述する実施例1の引張応力−ひずみ曲線図である図1に示されるように、ひずみが大きくなるにつれて引張応力が増大し続ける曲線を示すことであり、硬化物は破断するまで弾性変形を行うため、荷重を除荷すれば形状は元に戻る。一方、降伏点を持たないとは、例えば後述する比較例2の引張応力−ひずみ曲線図である図2に示されるように、ひずみが大きくなるにもかかわらず引張応力が小さくなる箇所を有する曲線を示すことであり、降伏点までは弾性変形であるため荷重を除荷すれば形状は元に戻るが、降伏点以降は塑性変形であるため、降伏点を超える荷重を加えた場合、荷重を除荷しても完全に元の形状に戻ることはない。
本発明の硬化性組成物には、重合性不飽和基を有するシリコン系スリップ剤、同レベリング剤等のシリコン系表面調整剤を配合することが好ましい。この重合性不飽和基を有するシリコン系表面調整剤を用いたものは、硬化時に、これが表面層に配向、架橋し、長期にわたりスリップ性を維持し、耐擦傷性を向上することができる。その好ましい配合量は、0.1〜5重量%である。
この重合性不飽和基を有するシリコン系表面調整剤は、両末端カルビノール変性シロキサン、片末端ジオールシロキサン、片末端モノオールシロキサンと(メタ)アクリル酸との縮合反応で、あるいは、ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとを用いた付加反応で得ることができる。その具体例としては、例えば、X−22−164B(信越化学工業社製)、X−22−174DX(信越化学工業社製)、BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン社製)BYK−UV3570(ビックケミー・ジャパン社製)等を挙げることができる。これらは、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
本発明の硬化性組成物には、本発明の特性を損なうことのない範囲内で他の重合硬化性化合物を配合することができる。その具体例としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールおよび(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレートと、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンの縮合反応で得られるビスフェノール型エポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させたエポキシ(メタ)アクリレートと、アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、スピログリコール化合物等の1種または2種以上の混合物からなるアルコール類の水酸基に有機ジイソシアネート化合物を付加し、残ったイソシアネート基に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させた前記以外のウレタン(メタ)アクリレートと、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ジ(メタ)アクリル酸メチルペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチルペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらは、単独または2種以上を併用できる。
本発明の硬化性組成物は、必要に応じて有機溶媒を含有しても良い。有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチルや酢酸エチルなどのエステル系、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン系、トルエン、キシレンなどの芳香族系の有機溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は、一種単独で、または二種以上を併用して用いることができる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光重合開始剤を添加することができる。光重合開始剤の種類は特に限定されず、公知のものが使用可能であるが、代表的な例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数種併用することもできる。また、光重合開始剤を使用する場合の添加量は、硬化性組成物の総和に対し、0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
本発明の硬化性組成物は、その性能を損なわない範囲であれば、必要に応じて、例えば、熱重合開始剤、熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いてもよい。
本発明の硬化性組成物が上記(a)、(b)、(c)成分を反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート以外の成分を含有する場合、当該ウレタン(メタ)アクリレートを、溶媒を除いた重量で、50〜100重量%含有することが好ましい。ウレタン(メタ)アクリレートの含有率が50重量%を下回ると、その硬化物の引張応力−ひずみ曲線図において降伏点が生じやすく、耐擦傷性が低下する傾向にある。
なお、本発明の硬化性組成物を硬化させるエネルギー線源は特に限定されないが、例としては、UVランプ、電子線加速器、γ線照射装置、高圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノン灯、カーボンアーク灯などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、特に耐擦傷性に優れ、耐汚染性、耐薬品性および耐候性などの性質を兼ね備えている硬化物を形成し得るため、様々な物品を保護する被膜として好適に用いることができる。また、上記硬化物は成型加工性に優れていると共に基材との密着性が高いため、真空成型に用いるシート状材料などに適しており、特に、自動車用内装パネルなどの樹脂で成型された部材の保護被膜として有用である。また、本発明の硬化性組成物は、硬化物を形成した後に成型加工するのみではなく、基材上に組成物を塗布した後に硬化することによって被膜を形成することもできる。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。
[実施例1]
2Lの4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート(IPDI)399.6g、メチルエチルケトン(MEK)334g、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫(DBTDL)0.36g及びハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)0.53gを仕込み、撹拌しながらウオーターバスで内温が60℃になるように加熱した。これに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを原料として合成されたポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業製、商品名:プラクセルCDCD205PL、数平均分子量500)800gとメチルエチルケトン(MEK)200gを滴下ロートに仕込み均一に混合したものを、フラスコ内温を60℃に保ちながら、3時間等速滴下し、同温度で1時間攪拌して反応させた。次いで、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート(2−HEA)46.4gを、フラスコ内温を60℃に保ちながら、1時間等速滴下し、その後フラスコ内容物の温度を70℃に上げ、反応率が98%以上となるまで2時間攪拌して、ウレタンアクリレートUA1(メチルエチルケトン30%含有)を合成した。このウレタンアクリレートUA1の数平均分子量は、7260であった。なお、ここで反応の終点はイソシアネート濃度により決定し、具体的にはJIS K1556に準じて定量されるイソシアネート量に基づいて算出される反応率が98%以上になった時点を反応終了とした。
ウレタンアクリレートUA1のみからなる硬化性組成物を、下記測定方法及び評価方法に記載のとおりに処理し試料を作成し、その特性を測定、評価した。ウレタンアクリレートUA1の合成材料および数平均分子量などを下記表1に、試験結果を下記表2に示す。また、実施例1の硬化性組成物を用いたフィルム特性の測定に基づき作成された引張応力−ひずみ曲線を図1に示す。実施例1に係る硬化物は、引張応力−ひずみ曲線において降伏点を有していない。
[実施例2〜8、比較例1〜6]
下記表1記載の合成材料を使用した以外は実施例1と同様にしてウレタンアクリレートUA2〜8およびHUA1〜6を合成した。その数平均分子量は表1に記載のとおりである。また、それぞれのウレタンアクリレートUA2〜8およびHUA1〜6のみからなる硬化性組成物を、下記測定方法及び評価方法に記載のとおりに処理し試料を作成し、その特性を測定、評価した。各ウレタンアクリレートの合成材料および数平均分子量などを下記表1に、試験結果を下記表2に示す。また、比較例2の硬化性組成物を用いたフィルム特性の測定に基づき作成された引張応力−ひずみ曲線を図2に示す。比較例2に係る硬化物は、引張応力−ひずみ曲線において明確な降伏点を有している。
表1中の略号は、以下のとおりである。
CD205PL:3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを原料として得られるポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、商品名:プラクセルCDCD205PL)数平均分子量500
CD210PL:3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを原料として得られるポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、商品名:プラクセルCDCD210PL)数平均分子量1000
T5650E:1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを原料として得られるポリカーボネートジオール(旭日化成ケミカルズ社製、商品名:デュラノールT5650E)数平均分子量500
G3450J:2−メチル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジオールとを原料として得られるポリカーボネートジオール(旭日化成ケミカルズ社製、商品名:デュラノールG3450J)数平均分子量800
UH−50:1,6−ヘキサンジオールを原料として得られるポリカーボネートジオール(宇部興産社製、ETERNACOLL UH−50)数平均分子量500
CD220PL:3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオール及び炭酸エステルを原料として得られるポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製、商品名:プラクセルCDCD220PL)数平均分子量2000
PTMG650:ポリテトラメチレンジオール、数平均分子量650
PTMG250:ポリテトラメチレンジオール、数平均分子量250
PCL500:ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量500
IPDI:イソホロンジイソシアネート
NBDI:ノルボルナンジイソシアネート
12MDI:ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン
XDI:キシリレンジイソシアネート
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
DBTDL:ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫
MEHQ:ハイドロキノンモノメチルエーテル
MEK:メチルエチルケトン
Figure 2012036290
[測定方法及び評価方法]
<数平均分子量>
数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー社製HLC−8120GPC)を用いてポリカーボネートジオールまたはウレタン(メタ)アクリレートを測定し、測定結果をポリスチレン換算した値である。
<フィルム特性値>
各硬化性組成物を、そのドライ膜厚が100μmになるようにガラスに塗布し、60℃で30分間加熱し溶剤を揮発させた後、窒素雰囲気中で、電子線加速器(岩崎電気社製エレクトロカーテンEC250/15/180L)175Kvで5Mrad電子線を照射、硬化させ、評価フィルムを作成した。このフィルムをガラスから剥離し、幅25mm、長さ90mmの短冊状に切断したものを試料とし、万能材料試験機(島津製作所社製オートグラフAG−IS)にて23℃、引張速度30mm/分で荷重を掛けることによって得られた結果から引張応力−ひずみ曲線を作成し、引張応力−ひずみ曲線において降伏点を持たないものを○、持つものを×とし、試料が破断した時点の試料の伸びを破断点伸度とした。
<成型加工性>
1μmのアクリルウレタンプライマー層を有するアクリルフィルム(フィルム厚75μm)に、各硬化性組成物をドライ膜厚が10μmになるよう塗布し、60℃で30分間加熱し溶剤を揮発させた後、窒素雰囲気中で、電子線加速器(岩崎電気製エレクトロカーテンEC250/15/180L)175Kvで5Mrad電子線を照射して、試料を作成した。この試料を幅25mm、長さ90mmの短冊状に切断したものを供試体とし、万能材料試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロン)にて150℃、引張速度1000mm/分で荷重を掛けた。供試体の破断点伸度が100%以上なら○、それに満たないものを×とした。
<外観と表面状態>
上記成型加工性試験において作成した試料を用いて、目視及び指触にて外観と表面状態を評価した。異常が見られなければ○、タック等があれば×とした。
<密着性>
1μmのアクリルウレタンプライマー層を有するアクリルフィルム(フィルム厚75μm)に、各硬化性組成物をドライ膜厚が10μmになるよう塗布し、60℃で30分間加熱し溶剤を揮発させた後、窒素雰囲気中で、電子線加速器(岩崎電気製エレクトロカーテンEC250/15/180L)175Kvで5Mrad電子線を照射して、試料を作成し、JIS K5400に準拠して1mm角の碁盤目セロハンテープ剥離試験にて評価した。マス目の剥離がないものを○、一つでもマス目の剥離が見られたものは×とした。
<耐擦傷性>
各硬化性組成物を、ポリエステルフィルム(フィルム厚100μm)に、ドライ膜厚が10μmになるよう塗布し、60℃で30分間加熱し溶剤を揮発させた後、窒素雰囲気中で、電子線加速器(岩崎電気製エレクトロカーテンEC250/15/180L)175Kvで5Mrad電子線を照射して、試料を作成した。この試料の表面を、直径300μm真鍮ブラシ(全体の重さ100g)で自重のみをかけた状態で10往復摩擦し、1分後に目視にて観察して傷が見られないものは◎、10分後に観察し、傷が見られないものを○、傷が見られるものを×とした。
<耐汚染性>
耐擦傷性の試験と同一の方法で供試体を作成し、その表面に表2に示す油性黒インク(寺西化学工業社製)、水性青インク、水性赤インク(いずれもパイロットコーポレーション社製)を塗布し、室温で24時間保持した後、脱脂綿でインクを拭き取り目視にて観察した。表面に変化が見られなければ○、少し跡が残っているものは△、跡残りが激しいものは×とした。
<耐薬品性>
耐擦傷性の試験と同一の方法で供試体を作成し、その表面に表2に示すエタノール、10%塩酸(HCl水)、10%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH水)を塗布し、室温で1時間保持した後、脱脂綿で薬品を拭き取り目視にて観察した。表面に変化が見られなければ○、少し跡が残っているものは△、跡残りが激しいものは×とした。
<耐候性>
各硬化性組成物を、アクリルフィルム(フィルム厚75μm)に、ドライ膜厚が10μmになるよう塗布し、60℃で30分間加熱し溶剤を揮発させた後、窒素雰囲気中で、電子線加速器(岩崎電気社製エレクトロカーテンEC250/15/180L)175Kvで5Mrad電子線を照射し、試料を作成し、メタルハライドランプ式アイスーパーUVテスター(岩崎電気社製SUV−W131)にて耐候性を評価した。その結果、100時間で変化がなければ○、変色、クラック、ツヤビケ等の変化があったものは×とした。
Figure 2012036290
実施例1〜8の硬化性組成物の硬化物は、引張応力−ひずみ曲線において降伏点を持たず、破断点伸度が100%以上であるため、耐擦傷性および成型加工性に優れると共に、耐汚染性、耐候性、密着性などにも優れていた。
比較例1の硬化性組成物は、(a)成分であるポリカーボネートジオールの数平均分子量が大きいため、硬化物の破断点伸度が小さく、成型加工性が悪い。また、硬化物の表面状態も悪い。
比較例2の硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が小さいため、硬化物が引張応力−ひずみ曲線において降伏点を有し、破断点伸度も小さい。そのため、硬化物の成型加工性が悪いと共に、耐擦傷性も低い。
比較例3の硬化性組成物は、ポリテトラメチレンジオールを(a)成分として用いているため、硬化物の密着性、耐汚染性、耐候性などが低い。
比較例4の硬化性組成物は、ポリカプロラクトンジオールを(a)成分として用いているため、耐汚染性が低い。
比較例5の硬化性組成物は、脂環式ジイソシアネートではなく、芳香族ジイソシアネートであるキシリレンジイソシアネートを(b)成分として用いているため、硬化物の密着性、耐汚染性、および耐候性などが悪い。
比較例6の硬化性組成物は、ポリテトラメチレンジオールを(a)成分として用いているため、硬化物の密着性、耐汚染性、耐候性などが低い。また、ポリテトラメチレンジオールの分子量が小さいため、硬化物が降伏点を有すると共に、耐擦傷性が悪い。
[実施例9〜11]および[比較例7]
上記実施例1、比較例1および2で作成したウレタンアクリレートUA1、HUA1およびHUA2、並びにペンタエリスリトールテトラクリレート(PETA、架橋剤)、およびBYK−UV3570(表面調整剤)を表3に記載の重量比で混合した硬化性組成物を、上記測定方法及び評価方法に記載のとおりに処理し試料を作成し、その特性を測定、評価した。その試験結果を下記表3に示す。
表3中の略号は、以下のとおりである。
PETA:ペンタエリスリトールテトラクリレート
BYK−UV3570:ポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサンのPO変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート溶液(ビックケミー・ジャパン社製)
Figure 2012036290
実施例9〜11の硬化性組成物の硬化物は、引張応力−ひずみ曲線において降伏点を持たず、破断点伸度が100%以上であるため、耐擦傷性および成型加工性に優れると共に、耐汚染性、耐候性、密着性などにも優れていた。
比較例7の硬化性組成物は、溶媒を除いた重量で、ウレタンアクリレートUA1を45%しか含んでいないため、その硬化物が降伏点を有し、耐擦傷性も低い。

Claims (4)

  1. 下記(a)、(b)、(c)を反応させて得られる数平均分子量が5000〜30000のウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物であって、
    23℃で測定した引張応力−ひずみ曲線図において、降伏点を持たず、かつ破断点伸度が100%以上である硬化物が得られる硬化性組成物。
    (a)数平均分子量300〜1200のポリカーボネートジオール
    (b)脂環式ジイソシアネート
    (c)ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル
  2. 前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が400〜600である請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記ポリカーボネートジオールが3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールから合成されている請求項1または請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記ウレタン(メタ)アクリレートを、溶媒を除いた重量で、50〜100重量%含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
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