JP2014128921A - 高耐久機能性成型シート及びそれを用いて得られる加飾成型品 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた三次元成型性を有するとともに、耐擦傷性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することが可能な機能性成型シートを提供する。
【解決手段】接着層4、基材シート3、意匠層2、及び表皮層1がこの順で積層されているとともに、必要に応じて接着層4の表面にセパレートフィルム5が配置されており、表皮層1が、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン(A)、及びポリカーボネート系ポリウレタン(A)に対して2〜25質量%の無黄変ポリイソシアネート(B)を含有する樹脂組成物の反応硬化物からなり、表皮層1の80℃における破断伸度が250%以上であり、表皮層1を紫外線硬化させて形成される硬化層の、JIS K5400に準拠して測定される荷重500gにおける鉛筆硬度が3B以上である高耐久機能性成型シート10。
【選択図】図1

Description

本発明は、高耐久機能性成型シート、及びそれを用いて得られる加飾成型品に関する。
従来、加飾成型品を得る方法として、インモールド成型及びインサートモールド成型(以下、併せて「インモールド成型」とも記す)が知られている。一方、三次元表面加飾成型方法は、より高い意匠性を付与することが可能であるとともに、型が不要であるといった特徴を有する方法であり、パソコン等の家電製品用の筺体や車輛内外装パーツ等を製造する成型方法として用途を広げている。このような三次元表面加飾成型方法に用いられる一般的な加飾シートは、基材シートの一方の面上に意匠層と耐擦傷性を有する表皮層が積層され、基材シートの他方の面上に接着層とセパレートフィルムが積層された積層体である。
一般的な三次元表面加飾成型方法は、例えば、以下に示す(1)〜(6)の工程にしたがって実施される。
(1)加飾シートを下チャンバーボックス上部に設置されたテーブルに挟む。
(2)上チャンバーを降下させて密閉空間とする。
(3)両チャンバー内を真空状態にする。
(4)加飾シートを赤外線ヒーターで加熱する。
(5)下チャンバーボックスに設置した成型部品を上昇させる。
(6)成型部品が加飾シートに接触した段階で上チャンバーを大気圧に開放させる。
三次元表面加飾成型方法における成型温度は80〜110℃程度であり、インモールド成型における成型温度120〜200℃程度と比較して低温である。このため、成型前に活性エネルギー線を照射してシートを硬化させる従来の技術(例えば、特許文献1参照)では、成型時の伸び率が不足して三次元形状に追随できず、割れが生じやすくなる場合があった。
これに対して、成型時の伸びに追随させるべく、クリヤー層を紫外線硬化型の未硬化樹脂で形成しておき、成型後に紫外線を照射してクリヤー層を硬化させることで、成型性と耐擦傷性を両立させる技術がある。しかしながら、このような未硬化樹脂は流動性が高く、タックもあるために取り扱いが困難であるという問題があった。なお、このような問題を解決すべく、例えば、紫外線を照射してクリヤー層をハーフ硬化させる方法が知られている(特許文献2)。しかしながら、クリヤー層の硬化が進み過ぎると、成型時の伸びに追随することができずにクラックが生ずる等の不具合が発生しやすく、制御が難しい方法であった。
特開2005−292198号公報 特開平6−134859号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、優れた三次元成型性を有するとともに、耐擦傷性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することが可能な機能性成型シートを提供することにある。また、本発明の課題とするところは、上記の機能性成型シートを用いて製造される、耐擦傷性に優れた(硬化層)を有する加飾成型品を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン(A)と架橋剤である無黄変ポリイソシアネート(B)を所定の割合で含有する樹脂組成物の反応硬化物によって表皮層を形成しておき、三次元成型後に紫外線を照射して表皮層をさらに硬化させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す高耐久機能性成型シートが提供される。
[1]接着層、基材シート、意匠層、及び表皮層がこの順で積層されているとともに、必要に応じて前記接着層の表面にセパレートフィルムが配置されており、前記表皮層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン(A)、及び前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)に対して2〜25質量%の無黄変ポリイソシアネート(B)を含有する樹脂組成物の反応硬化物からなり、前記表皮層の80℃における破断伸度が250%以上であり、前記表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の、JIS K5400に準拠して測定される荷重500gにおける鉛筆硬度が3B以上である高耐久機能性成型シート。
[2]前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)の二重結合当量が、160〜3000g/eq.である前記[1]に記載の高耐久機能性成型シート。
[3]前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)が、ポリカーボネートポリオールに由来する構成単位を0.1〜70質量%含有する前記[1]又は[2]に記載の高耐久機能性成型シート。
[4]前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)が、活性水素含有基を有するポリシロキサンに由来する構成単位を0.1〜30質量%含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[5]前記樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を0.01〜10質量%含有する前記[1]〜[4]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[6]前記表皮層に意匠が施されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[7]前記意匠層が、意匠が施された樹脂層又は金属薄膜である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[8]前記表皮層の表面に凹凸模様が形成されている前記[1]〜[7]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
[9]前記接着層が、ウレタン系樹脂、変性オレフィン系樹脂、及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む前記[1]〜[8]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シート。
また、本発明によれば、以下に示す加飾成型品が提供される。
[10]前記[1]〜[9]のいずれかに記載の高耐久機能性成型シートを用いて得られる、前記表皮層を紫外線硬化させて形成された前記硬化層を有する加飾成型品。
本発明の高耐久機能性成型シートは、三次元成型時にクラック等の不具合が生じにくく、優れた三次元成型性を有する。そして、本発明の高耐久機能性成型シートを用いれば、耐擦傷性に優れた表面を有する加飾成型品を簡便に製造することができる。また、本発明の加飾成型品は、上記の高耐久機能性成型シートを用いて製造されるものであり、耐擦傷性に優れた(硬化層)を有する。
本発明の高耐久機能性成型シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。
(高耐久機能性成型シート)
図1は、本発明の高耐久機能性成型シートの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、本実施形態の高耐久機能性成型シート(以下、単に「機能性成型シート」とも記す)10は、接着層5、基材シート3、意匠層2、及び表皮層1がこの順で積層されている。表皮層1は、耐擦傷性を有する層である。なお、接着層5の表面にはセパレートフィルム5が配置されていてもよい。高耐久機能性成型シート10を用いて成型部品を三次元加飾した後、紫外線を照射すると、表皮層1を構成する硬化物がさらに架橋される。このため、表皮層1の硬度が向上して、耐擦傷性に優れた加飾成型品(表面層)を得ることができる。
(表皮層)
本発明の機能性成型シートを構成する表皮層は、80℃における破断伸度(以下、「80℃破断伸度」とも記す)が250%以上、好ましくは300%以上である。すなわち、本発明の機能性成型シートは、その表皮層の80℃破断伸度が十分に高いため、三次元成型時にクラック等の不具合が生じにくく、優れた三次元成型性を有する。なお、表皮層の80℃破断伸度の上限については特に限定されないが、実質的には1000%以下である。
また、高耐久機能性成型シートの表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の、JIS K5400に準拠して測定される荷重500gにおける鉛筆硬度は3B以上、好ましくは2B以上である。すなわち、本発明の機能性成型シートは、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層が十分に高いため、耐擦傷性に優れた表面を有する加飾成型品を製造することができる。さらに、紫外線硬化させる前の表皮層の80℃破断伸度は、上述の通り十分に高い。すなわち、本発明の機能性成型シートは、その表皮層が、紫外線照射前は優れた三次元成型性を有しながらも紫外線照射後は十分に硬化する。このため、本発明の機能性成型シートを用いれば、耐擦傷性に優れた表面を有する加飾成型品を、割れ等の不具合を生じさせることなく簡便に製造することができる。なお、硬化層の鉛筆硬度の上限については特に限定されないが、実質的には4H以下である。
表皮層は、樹脂組成物の反応硬化物によって形成される。この樹脂組成物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン(以下、単に「ポリカーボネート系ポリウレタン」又は「ポリウレタン」とも記す)(A)と、無黄変ポリイソシアネート(B)とを含有する。そして、樹脂組成物中の無黄変ポリイソシアネート(B)の量は、ポリウレタン(A)の量を100質量%とした場合に、2〜25質量%であり、好ましくは3〜15質量%である。無黄変ポリイソシアネート(B)の量が25質量%を超えると、成型時の伸びに追随することができず、割れが生ずることがある。一方、無黄変ポリイソシアネート(B)の量が2質量%未満であると、表皮層がタック気味となるため、汚染防止等の観点から保護フィルムを配置する必要が生ずるとともに、紫外線硬化により形成される硬化層(表面層)の耐擦傷性及び耐薬品性が不十分になる。
ポリウレタン(A)の重量平均分子量は1,000以上であることが好ましく、2,000以上であることがさらに好ましい。重量平均分子量が1,000以上のポリウレタン(A)を用いることで、三次元成型性がさらに向上するとともに、耐擦傷性により優れた表面を有する加飾成型品を製造することができる。ポリウレタン(A)の重量平均分子量が1,000未満であると表皮層の表面粘着性が強くなり、操作性が低下する傾向にある。一方、ポリウレタン(A)の重量平均分子量が150,000を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布しにくくなる傾向にある。なお、耐擦傷性と三次元成型性とをより好適に両立させる観点からは、ポリウレタン(A)の重量平均分子量は3,000〜100,000であることが特に好ましい。なお、本明細書における数平均分子量及び重量平均分子量は、特に断りがない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。分子量の測定条件は以下に示す通りである。
(1)機器装置:商品名「HLC−8020」(東ソー社製)
(2)カラム:商品名「TSKgel G2000HXL」、「G3000HXL」、「G4000GXL」(東ソー社製)
(3)溶媒:THF
(4)流速:1.0ml/min
(5)試料濃度:2g/L
(6)注入量:100μL
(7)温度:40℃
(8)検出器:型番「RI−8020」(東ソー社製)
(9)標準物質:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製)
ポリウレタン(A)の二重結合当量は160〜3000g/eq.であることが好ましく、180〜2500g/eq.であることがさらに好ましい。ポリウレタン(A)の二重結合当量が上記範囲内であると、紫外線硬化によって耐溶剤性、耐久性に優れた表皮層を提供することができる。なお、ポリウレタン(A)の二重結合当量が160g/eq.未満であると、紫外線硬化後の塗膜が脆くなり、又は、二重結合がもはやすべて反応できなくなり、残存した二重結合が耐候性を低下させる傾向にある。一方、ポリウレタン(A)の二重結合当量が3000g/eq.を超えると、架橋密度が低くなり、表面硬度が低く、耐溶剤性や耐久性に劣る傾向にある。
ポリウレタン(A)は、例えば、ポリマー主鎖にカーボネート結合を有するポリカーボネートポリオール(V)、鎖伸長剤(低分子ジオール)(W)、ジイソシアネート(X)、及び末端又は側鎖に1〜2個のヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレート(Y)を重合反応させることによって製造することができる。また、必要に応じて、アミノ基やヒドロキシ基等の活性水素含有基を有するポリシロキサン(Z)をさらに重合させてもよい。
重合反応(ウレタン化反応)の条件は特に限定されず、通常のウレタン化反応の条件を適用させることができる。例えば、ジイソシアネート(X)の官能基数と、活性水素含有化合物であるポリカーボネートポリオール(V)、低分子ジオール(W)、(メタ)アクリレート(Y)、及びポリシロキサン(Z)の官能基数の和との当量比を、約1.0として重合反応させる。また、ワンショット法と多段法のいずれの方式で反応させてもよい。重合反応の温度は、通常20〜150℃、好ましくは60〜110℃である。そして、イソシアネート基がほとんどなくなるまで重合反応させることで、目的とするポリウレタン(A)を得ることができる。
ポリカーボネートポリオール(V)としては、ウレタン合成の観点から、主としてポリカーボネートジオールを用いることが好ましい。多官能のポリカーボネートポリオールを用いた場合、重合反応中にゲル化等を引き起こす可能性があるためである。ポリカーボネート系ポリウレタン(A)中のポリカーボネートポリオール(V)に由来する構成単位の割合は、0.1〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることがさらに好ましい。ポリカーボネートポリオール(V)に由来する構成単位の割合が0.1質量%未満であると、低分子ジオール(W)、ジイソシアネート(X)、及び(メタ)アクリレート(Y)のそれぞれに由来する構成単位の含有割合が相対的に増加する。これらの構成単位の含有割合が多いと、形成される表皮層が脆くなる傾向にある。このため、表皮層を形成した基材シートを巻き取る際に、表皮層が割れやすくなることがある。また、紫外線硬化前の表皮層の80℃破断伸度が250%未満になる場合もあるため、加飾成型時に不具合が発生しやすくなる傾向にある。
一方、ポリカーボネートポリオール(V)に由来する構成単位の割合が70質量%超であると、(メタ)アクリレート(Y)に由来する構成単位の含有割合が相対的に減少する。このため、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の表面硬度や耐溶剤性等の性能が確保できなくなる傾向にある。
なお、ポリカーボネートポリオール(V)に代えて、ポリエステルポリオールを用いると、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の耐加水分解性が低下する。また、ポリカーボネートポリオール(V)に代えて、ポリエーテルポリオールを用いると、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の耐熱性が低下する。以上の理由により、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールを用いることは好ましくない。
ポリカーボネートポリオールの種類は特に限定されず、一般的に入手可能な市販品や合成を用いることができる。ポリカーボネートジオールの具体例としては、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、ポリデカメチレンカーボネートジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオール(V)の数平均分子量は特に限定されないが、通常500〜4,000程度である。なお、ポリカーボネートポリオール(V)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
低分子ジオール(W)の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の脂肪族グリコール類;1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式系グリコール類を挙げることができる。なお、水酸基とエチレン性不飽和基を含有するモノマーを低分子ジオール(W)として用いることができる。これらの低分子ジオール(W)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ジイソシアネート(X)の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類;イソフォロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート類を挙げることができる。これらの脂肪族ポリイソシアネート類や脂環式ポリイソシアネート類を用いることによって、紫外線や熱によって黄変しにくいポリウレタン(A)が得られるので、耐久性のより良好な表皮層を形成することができる。得られる樹脂組成物の流動性を低下させてタックを軽減させる観点からは、脂環式ポリイソシアネート類を少なくとも用いることが好ましい。これらのジイソシアネート(X)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。なお、三官能以上の多官能イソシアネートを併用することも可能である。ただし、多官能イソシアネートの使用量が多すぎると樹脂溶液がゲル化を起こすことがあるため、注意することが好ましい。
(メタ)アクリレート(Y)としては、末端又は側鎖に1〜2個のヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートであれば使用することができる。これらの分子中の(メタ)アクリロイル基の数(官能基)数は、得られる加飾成型品の耐擦傷性をさらに向上させる観点から、1以上であることが好ましく、3以上であることがさらに好ましい。これらの(メタ)アクリレート(Y)は、ポリウレタン(A)の鎖伸長剤や末端停止剤として使用することができる。(メタ)アクリレート(Y)の具体例としては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシルプロピルアクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタアクレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、イソシアヌル酸 EO 変性ジアクリレート、イソシアヌル酸 EO 変性ジメタクリレート、2−ヒドロキシルブチルアクリレート、2−ヒドロキシルブチルメタクリレート等を挙げることができる。これらの(メタ)アクリレート(Y)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合モノマーとしてポリシロキサン(Z)を用いると、得られるポリウレタン(A)の構造中にポリシロキサン(Z)に由来する構成単位を導入することができる。すなわち、ポリシロキサン(Z)が両末端反応型であれば、ポリシロキサン(Z)に由来する構成単位は、得られるポリウレタン(A)の主鎖に導入される。一方、ポリシロキサン(Z)が片末端反応型又は分岐反応型であれば、ポリシロキサン(Z)に由来する構成単位は、得られるポリウレタン(A)の末端又は主鎖から分岐した状態で含有される。ポリシロキサン(Z)の具体例としては、以下に示す構造式で表される(1)アミノ変性ポリシロキサン、及び(2)アルコール変性ポリシロキサン等を挙げることができる。なかでも、一分子中にヒドロキシ基又はアミノ基を2個有するポリシロキサンが好ましい。
(1)アミノ変性ポリシロキサン
Figure 2014128921
(2)アルコール変性ポリシロキサン
Figure 2014128921
ポリシロキサン(Z)を重合モノマーとして用いることで、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層に滑り特性やぬめり触感を付与することができる。なお、これらのポリシロキサン(Z)は、樹脂組成物に単に添加されるのではなく、構成単位としてポリウレタン(A)中に含まれている(共重合されている)ので、溶剤、日光、熱、湿気等のダメージを受けた場合であってもポリウレタン(A)中に保持され、効果が持続する。ポリウレタン(A)中のポリシロキサン(Z)に由来する構成単位の割合は、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがさらに好ましい。ポリシロキサン(Z)に由来する構成単位の割合が0.1質量%未満であると、シリコーンの特性が発現されにくくなる。一方、ポリシロキサン(Z)に由来する構成単位の割合が概ね30質量%を超えると、滑り特性やぬめり触感を硬化層に付与する効果が頭打ちとなる。
樹脂組成物には、通常、溶剤が含有される。溶剤としては、ポリウレタン(A)及び無黄変ポリイソシアネート(B)を溶解させうるものであればよい。溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジメチルカーボネート等の低分子量カーボネート系溶剤等を挙げることができる。なかでも、ケトン系溶剤単独、ケトン系溶剤と他の溶剤とを併用した混合系溶剤、及びケトン系溶剤とエステル系溶剤とを併用した混合系溶剤が、ポリウレタン(A)等の溶解性及び乾燥性が良好であるために好ましい。
樹脂組成物が紫外線硬化タイプの組成物である場合には、樹脂組成物に光重合開始剤をさらに含有させることが好ましい。樹脂組成物に光重合開始剤を含有させることで、三次元成型後の表皮層をより速やかに紫外線硬化させることができる。樹脂組成物に含有させる光重合開始剤の量は、樹脂組成物100質量%中、0.01〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜5質量%とすることがさらに好ましい。なお、樹脂組成物が電子線(EB)硬化タイプの組成物である場合には、樹脂組成物に光重合開始剤を含有させなくてもよい。
光重合開始剤としては、従来公知のものを適宜選択して用いることができる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール等を挙げることができる。なお、樹脂組成物には、p−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤等の光増感剤をさらに含有させてもよい。
樹脂組成物には、表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層に付与しようとする物性に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤の具体例としては、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色材等を挙げることができる。なお、耐候性改善剤としては、HALS等のヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤等を光硬化を阻害しない範囲で使用することができる。
また、表皮層を形成するための樹脂組成物にシリカ、有機ビーズ、顔料、染料等の着色剤や体質顔料等を配合することで、形成される表皮層に意匠を施すことができる。すなわち、表皮層に意匠層としての機能を発揮させてもよい。特に、表皮層に触感性を付与する場合には、有機ビーズ、なかでもウレタンビーズを樹脂組成物に添加することが好ましい。着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を挙げることができる。また、触感だけでなく、艶消し効果を与えるには、シリカ又は有機ビーズを添加することが好ましい。ただし、これらの着色剤等を過度に配合すると、表皮層の紫外線硬化が阻害されやすくなるので過剰にならない様に使用することが好ましい。よって、表皮層に施す意匠は必要最低限とし、本格的な意匠は意匠層に施すことが好ましい。
無黄変ポリイソシアネート(B)としては、イソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体、及びポリメリック体等の、複数のイソシアネート基を有する多官能イソシアネート化合物として従来公知のものを用いることができる。無黄変ポリイソシアネート(B)の具体例としては、多官能脂環族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、ブロック化多官能脂肪族イソシアネート等のブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマー等を挙げることができる。
脂肪族系のイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の変性体がある。また、脂環族系のイソシアネートとしては、イソフォロンジイソシアネート等の変性体がある。なお、これらのイソシアネートを単独で用いてもよく、或いは複数のイソシアネートを混合して無黄変ポリイソシアネートを構成してもよい。なかでも、分子中にイソシアネート基を2個以上有するものが好ましい。また、ポリイソシアネートの多量体や他の化合物との付加体や、低分子量のポリオールやポリアミンを末端イソシアネートになるように反応させたウレタンプレポリマー等も好ましい。無黄変ポリイソシアネート(B)の具体例として、以下に示す一般式(1)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2014128921
(意匠層)
意匠層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂、並びに熱硬化性及び紫外線硬化性等の硬化性樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、硬化性樹脂の具体例としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂に、シリカ、有機ビーズ、顔料、染料等の着色剤や体質顔料等を用いて意匠を施すことで意匠層とすることができる。着色剤としては、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料;アルミニウム、真鍮等の鱗片状箔片からなる金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を挙げることができる。また、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等を用いて蒸着、スパッタリング、或いは箔転写等することによって設けた金属薄膜を意匠層としてもよい。
なお、高度なデザイン性を付与することを目的として、意匠層に付与された図柄と同様の図柄や他の図柄が付与された第2の意匠層を、表皮層と意匠層の間に設けることも好ましい。また、基材シートと意匠層の密着性を向上させるために、これらの間にプライマー層を設けてもよい。
(接着層)
接着層の構成材料(バインダー樹脂)としては、本発明の機能性成型シートを貼付する対象となる部材の材質等に応じて、熱可塑性樹脂、並びに熱硬化性及び紫外線硬化性等の硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂の具体例としては、アクリル樹脂、アクリル変性ポリオレフィン樹脂、塩素化又は変性ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、熱硬化性樹脂の具体例としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのバインダー樹脂のなかでも、部材の材質に応じてウレタン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、及びアクリル系樹脂を使用するのが好ましい。ウレタン系樹脂とは、例えば、熱可塑性ウレタン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂のイソシアネート等の架橋剤併用物、及び熱(自己)硬化型ウレタン樹脂等を意味する。変性ポリオレフィン系樹脂とは、主に酸変性ポリオレフィン樹脂を意味し、特に無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂が好ましく、架橋剤を併用して熱硬化タイプとしてもよい。また、アクリル系樹脂とは、熱可塑性のアクリル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂のイソシアネート等架橋剤を併用したもの、及び熱(自己)硬化型アクリル樹脂を意味する。
(セパレートフィルム)
セパレートフィルムは、主として接着層を保護することを目的とするフィルム(層)である。セパレートフィルムとしては、例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムが用いられる。セパレートフィルムの厚さや材質は特に限定されないが、一般的には厚さ50〜100μm程度のPETフィルムが好適である。
(基材シート)
基材シートの材質等は、三次元成型(真空成型)への適性を考慮して適宜選定される。一般的には、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルム(シート)が基材シートとして使用される。基材シートを構成する熱可塑性樹脂としては、PET、ポリカーボネート、ABS樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びアロイ樹脂等を挙げることができる。
(機能性成型シートの作製方法)
以下、本発明の機能性成型シートを作製する方法の一例について説明する。先ず、基材シートの表面上に、通常の塗工方法により意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布して塗工層を形成する。基材シートは、プライマー処理やコロナ放電処理を行って表面改質しておいてもよい。これらの処理は、必要に応じて裏面に行ってもよい。基材シートの表面上に意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、デップコート、シルクスクリーンによるコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、スプレーコート等の通常の塗布方法を挙げることができる。意匠層の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。また、インクジェット法により意匠層を形成することもできる。特に、UV硬化型のインクジェットインクをインクジェット法により塗工することによって意匠層を形成することができる。インクジェットインクとしては、水や有機溶剤を含まないものを使用することが主流であり、このようなインクを用いた場合には特に乾燥を必要としない。
また、予め転写シートに形成しておいた意匠層を基材シートに転写してもよい。この際、意匠層と基材シートとの密着性を向上させるために、これらの間にプライマー層を設けてもよい。意匠層の意匠性を向上させるために、金属薄膜等を形成してもよく、積層して複層構造の意匠層としてもよい。金属薄膜は、アルミニウム、クロム、金、銀、銅等の金属を用いて、真空蒸着、スパッタリング、箔転写等の方法で成膜することができる。
次いで、形成された意匠層の表面上に通常の塗工方法により表皮層用塗料(樹脂組成物)を塗布して塗工層を形成する。形成した塗工層を乾燥すれば、表皮層を形成することができる。表皮層用塗料を塗布する方法(塗工方法)としては、前述の意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法と同様の方法を挙げることができる。表皮層用の塗料の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。
基材シートの裏面(意匠層及び表皮層が形成された面と反対側の面)上に、接着層形成用の樹脂組成物等を塗布した後、乾燥すれば、接着層を形成することができる。接着層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法(塗工方法)としては、前述の意匠層形成用の樹脂組成物等を塗布する方法と同様の方法を挙げることができる。接着層用の塗料の乾燥温度は、通常60〜100℃、好ましくは70〜90℃である。また、予め転写シートに形成しておいた接着層を基材シートに転写してもよい。
表皮層については、ポリウレタン(A)と無黄変ポリイソシアネート(B)との架橋反応を完了させるために、必要に応じて熟成が行われる。熟成条件は、通常30〜60℃で1〜3日程度である。なお、表皮層の熟成は、基材シートに接着層や意匠層を形成する時点で行ってもよく、接着層や意匠層を形成した後に行ってもよい。
(加飾成型品)
本発明の加飾成型品は、上記本発明の機能性成型シートを用いて得られる。すなわち、本発明の加飾成型品は、上述の表皮層を紫外線硬化させて形成された硬化層を有するので、耐擦傷性に優れている。なお、本発明の加飾成型品は、前述の機能性成型シートを使用し、一般的な三次元加飾成型(真空成型)を行うことで製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
<ポリウレタン(A)の合成>
(合成例1:ポリウレタン1の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)226gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)103.8g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート161.9gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン1を含有する樹脂溶液1を得た。得られた樹脂溶液1の粘度は500dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は588g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン1の重量平均分子量は46,000であり、ポリウレタン1中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約44%であった。
(合成例2:ポリウレタン2の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,3−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン2を含有する樹脂溶液2を得た。得られた樹脂溶液2の粘度は400dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン2の重量平均分子量は40,000であり、ポリウレタン2中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約44%であった。
(合成例3:ポリウレタン3の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,3−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
Figure 2014128921
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン3を含有する樹脂溶液3を得た。得られた樹脂溶液3の粘度は430dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン3の重量平均分子量は42,000であり、ポリウレタン3中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約39%であった。また、ポリウレタン3中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約4.4%であった。
(合成例4:ポリウレタン4の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン4を含有する樹脂溶液4を得た。得られた樹脂溶液4の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン4の重量平均分子量は72,000であり、ポリウレタン4中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約37%であった。
(合成例5:ポリウレタン5の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、グリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
Figure 2014128921
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン5を含有する樹脂溶液5を得た。得られた樹脂溶液5の粘度は530dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン5の重量平均分子量は71,000であり、ポリウレタン5中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約33%であった。また、ポリウレタン5中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約3.7%であった。
(比較合成例1:ポリウレタン6の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)226gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)103.8g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート161.9gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン6を含有する樹脂溶液6を得た。得られた樹脂溶液6の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は588g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン6の重量平均分子量は50,000であり、ポリウレタン6中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約0%であった。
(比較合成例2:ポリウレタン7の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン7を含有する樹脂溶液7を得た。得られた樹脂溶液7の粘度は560dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン7の重量平均分子量は73,000であり、ポリウレタン7中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約0%であった。
(比較合成例3:ポリウレタン8の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリテトラメチレングリコール(商品名「PTMG2000」、三菱化学社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びグリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)160gを仕込んだ。次いで、溶剤としてMEK272gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)175.5g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート273.6gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン8を含有する樹脂溶液8を得た。得られた樹脂溶液8の粘度は505dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は1089g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン8の重量平均分子量は72,000であり、ポリウレタン8中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は0%であった。
(比較合成例4:ポリウレタン9の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリカプロラクトンジオール(商品名「プラクセル220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)160.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
Figure 2014128921
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)229gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート(IPDI)274.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン9を含有する樹脂溶液9を得た。得られた樹脂溶液9の粘度は420dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は594g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン9の重量平均分子量は43,000であり、ポリウレタン9中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は0%であった。また、ポリウレタン9中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約4.4%であった。
(比較合成例5:ポリウレタン10の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合体(水酸基価102.9mgKOH/g)20.0gを仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)185gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)93.0g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート145.1gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン10を含有する樹脂溶液10を得た。得られた樹脂溶液10の粘度は600dPa・s/20℃、固形分は45%、二重結合当量は3838g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン10の重量平均分子量は53,000であり、ポリウレタン10中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は約54%であった。
(比較合成例6:ポリウレタン11の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、空気吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を空気で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)360.0g、1,4−ブタンジオール80.0g、グリセリンモノメタクリレート(商品名「ブレンマーGLM」、日油社製、水酸基価701.3mgKOH/g)40.0g、及び下記式で表されるシロキサンポリオール(n=整数、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)40.0gを仕込んだ。
Figure 2014128921
次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)202gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)112.4g、及び4,4’−メチレンビス−シクロヘキシルジイソシアネート175.3gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタン11を含有する樹脂溶液11を得た。得られた樹脂溶液11の粘度は550dPa・s/20℃、固形分は30%、二重結合当量は3231g/eq.であった。また、GPCにより測定したポリウレタン10の重量平均分子量は75,000であり、ポリウレタン11中のポリカーボネートポリオールに由来する構成単位の割合は45%であった。また、ポリウレタン11中のシロキサンポリオールに由来する構成単位の割合は約5.0%であった。
<表皮層用塗料の調製>
(表皮層用塗料1)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の表皮層用塗料1を得た。
(表皮層用塗料2)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25g、及び意匠用フィラー(商品名「サイリシア 420」、富士シリシア化学社製、湿式法シリカ、平均粒子径3.1μm)13.5gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料2を得た。
(表皮層用塗料3)
合成例2で得た樹脂溶液2 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の表皮層用塗料3を得た。
(表皮層用塗料4)
合成例3で得た樹脂溶液3 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料4を得た。
(表皮層用塗料5)
合成例3で得た樹脂溶液3 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5070D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径7μm)13.5gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料5を得た。
(表皮層用塗料6)
合成例4で得た樹脂溶液4 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料6を得た。
(表皮層用塗料7)
合成例4で得た樹脂溶液4 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5070D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径7μm)9.0gを添加しMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分25%の表皮層用塗料7を得た。
(表皮層用塗料8)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の表皮層用塗料8を得た。
(表皮層用塗料9)
合成例5で得た樹脂溶液5 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5g、及び意匠用フィラー(商品名「ダイミックビーズUCN−5150D」、大日精化工業社製、ウレタン系有機ビーズ、平均粒径15μm)9.0gを添加し、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の混合液を得た。ペイントシェーカを使用し、ガラスビーズをメディアとして用いて得られた混合液を分散させた。その後、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分25%の表皮層用塗料9を得た。
(比較表皮層用塗料1)
比較合成例1で得た樹脂溶液6 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料1を得た。
(比較表皮層用塗料2)
比較合成例2で得た樹脂溶液7 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料2を得た。
(比較表皮層用塗料3)
比較合成例3で得た樹脂溶液8 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料3を得た。
(比較表皮層用塗料4)
比較合成例4で得た樹脂溶液9 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料4を得た。
(比較表皮層用塗料5)
比較合成例5で得た樹脂溶液10 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)2.25g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料5を得た。
(比較表皮層用塗料6)
比較合成例6で得た樹脂溶液11 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)1.5gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)1.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分28%の比較表皮層用塗料6を得た。
(比較表皮層用塗料7)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)0.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料7を得た。
(比較表皮層用塗料8)
合成例1で得た樹脂溶液1 100gに対して、光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、BASF社製)2.25gを配合した。さらに、無黄変ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA−100」、旭化成社製、固形分100%、イソシアネート23.1%含有)13.5g、MEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の比較表皮層用塗料8を得た。
<意匠層用組成物の調製>
(意匠層用組成物1)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール40.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)146gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート143.0gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する意匠層用樹脂溶液1を得た。粘度は420dPa・s/20℃、固形分は40%、GPCにより測定した重量平均分子量は44,000であった。得られた意匠層用樹脂溶液1 100.0gに対しノンリーフィングタイプのアルミペースト(商品名「MH−6601」、旭化成工業製、固形分65%)12.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠層用組成物1を得た。
(意匠層用組成物2)
蒸着用のアルミニウムを意匠層用組成物2とした。
(意匠層用組成物3)
UV反応型のモノマー、顔料、及び重合開始剤を含有するインクジェットプリンター用のUVインクを意匠層用組成物3とした。
(意匠層用組成物4)
意匠層用樹脂溶液1 100gに黒顔料分散着色剤(商品名「セイカセブンSS01−323ブラック」、大日精化工業社製、固形分25%、溶剤:MEK、顔料:カーボンブラック)20.0g、溶剤としてMEKとシクロヘキサノンを質量比1:1の比率で配合して、固形分30%の意匠層用組成物4を得た。
<接着層用樹脂組成物の調製>
以下に示す接着層用樹脂組成物は、接着層を形成するための材料としてだけではなく、意匠層と基材シートとの密着性を向上させるためのプライマーとしても使用することができる。
(接着層用樹脂組成物1)
変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン 150S」、日本製紙ケミカル社製)を、メチルシクロヘキサンとメチルエチルケトンを9:1の質量比で含有する混合溶媒に溶解させ、固形分15%としたものを接着層用樹脂組成物1とした。
(接着層用樹脂組成物2)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素で置換しながら、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量=2,000)400.0g、1,4−ブタンジオール10.0g、を仕込んだ。次いで、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)118gを仕込んだ。系内が均一となった後、50℃でイソフォロンジイソシアネート62.2gを仕込み、触媒としてジブチルチンラウリレートを使用して80℃で反応させた。溶剤希釈により反応液の粘度を調整し、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm-1の吸収が消失するまで反応を進行させた。MEKとシクロヘキサノンの質量比が1:1となるまでシクロヘキサノンを添加して、ポリウレタンを含有する接着層用樹脂組成物2を得た。得られた接着層用樹脂組成物2の粘度は610dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物2に含まれるポリウレタンのGPCにより測定した重量平均分子量は21,000であった。
(接着層用樹脂組成物3)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、メチルエチルケトン(MEK)100g、メタクリル酸メチル50.0gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。アクリル酸ブチル50.0g、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gの混合物を用意した。混合物の半分を反応容器内に添加し、残りの半分を滴下ロートで1時間かけて反応容器内に滴下した。滴下後、そのままの状態で6時間反応させて、アクリル重合体からなる接着層用樹脂組成物3を得た。得られた接着層用樹脂組成物3の粘度は80dPa・s/20℃、固形分は55%であった。また、接着層用樹脂組成物3に含まれるアクリル重合体のGPCにより測定した重量平均分子量は35,000であった。
<機能性成型シートの作製>
(実施例1)
基材シートとして、厚さ1mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)シート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例1)を得た。
(実施例2〜9及び比較例1〜8)
表1に示す種類の表皮層用塗料又は比較表皮層用塗料を用いて表皮層を形成したこと以外は、前述の実施例1の場合と同様にして機能性成型シート(実施例2〜9及び比較例1〜8)を得た。
(実施例10)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成した。45℃で1日熟成させた後、100℃に加熱したしぼ入りのエンボスロールを使用して加工(凹凸加工)を行い、表皮層の表面に凹凸模様を形成した。次いで、基材シートの裏面(意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例10)を得た。
(実施例11)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂3を塗工して、90℃2分の乾燥を行い厚さ5μmのプライマー層を作成した。その後、意匠層として意匠用組成物1をバーコーターで塗工し、90℃2分の乾燥を行い厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例11)を得た。
(実施例12)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物2であるアルミニウムを蒸着して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例12)を得た。
(実施例13)
基材シートとして、厚さ1mmのABSシート(商品名「タフエースR EAR802」、住友ベークライト社製)を用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物3を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面にインクジェットプリンターを使用して意匠層用組成物3であるUVインクを塗布して意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物3を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例13)を得た。
(実施例14)
厚さ0.5mmのポリプロピレン(PP)シート(表面エネルギー30mN/m)を用意した。このPPシートの表裏両面にコロナ放電処理を行い、表面エネルギー37mN/mの基材シートを得た。得られた基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物1を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物1を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例14)を得た。
(実施例15)
基材シートとして、厚さ0.5mmのポリカーボネート(PC)シートを用意した。この基材シートの表面にバーコーターで接着層用樹脂組成物2を塗工した後、90℃で2分乾燥して厚さ5μmのプライマー層を形成した。その後、形成したプライマー層の表面に意匠層用組成物4をバーコーターで塗工し、90℃で2分乾燥して厚さ20μmの意匠層を形成した。形成した意匠層の表面にバーコーターで表皮層用塗料1を塗布し、90℃で2分乾燥して厚さ15μmの表皮層を形成し、45℃で1日熟成させた。次いで、基材シートの裏面(プライマー層、意匠層及び表皮層を形成した面と反対側の面)にバーコーターを使用して接着層用樹脂組成物2を塗布した。その後、80℃で2分乾燥して厚さ20μmの接着層を形成した。その後、形成した接着層の表面にセパレートフィルム(厚さ80μmのPETフィルム)を貼着して機能性成型シート(実施例15)を得た。
<加飾成型品の作製>
真空成型機(商品名「NGF−0404−S型」、布施真空社製)を使用し、80℃に加温したABS樹脂製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例1〜13及び比較例1〜8の機能性成型シートを真空成型によりそれぞれ貼着した。また、同様にして、80℃に加温したポリプロピレン製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例14の機能性成型シートを貼着した。さらに、同様にして、80℃に加温したポリカーボネート製の被加飾部材表面に100℃に加温した実施例15の機能性成型シートを貼着した。紫外線照射機(商品名「ユニキュア UVC−02512S1AA01」、ウシオ電機社製)を使用し、部材表面に貼着された機能性成型シートに対して積算光量2000mJ/cm2となるようにUV照射して表皮層を硬化させて硬化層を形成して加飾成型品を得た。
<評価方法>
(1)三次元成型性(真空成型性)
機能性成型シート(紫外線硬化前)を使用して作製した加飾成型品の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って三次元成型性(真空成型性)を評価した。結果を表1及び2に示す。
◎:表皮層及び意匠層に塗膜割れや白化が全く認められず、型の形状に良好に追従した。
○:三次元形状部又は最大延伸部の一部に微細な塗膜割れ又は白化が認められたが、実用上問題ないレベルであった。
△:三次元形状部又は最大延伸部の一部に軽微な塗膜割れ又は白化が認められた。
×:表皮層及び意匠層が型の形状に追従できず、塗膜割れ又は白化が認められた。
(2)80℃破断伸度
表皮層用塗料及び比較表皮層用塗料を、乾燥膜厚が約30μmとなるようにそれぞれ離型紙上に塗工した後、45℃で1日熟成させて塗膜を形成した。熟成後、赤外分光光度計を使用して2,270cm-1のイソシアネート基(無黄変ポリイソシアネート)に由来する吸収が消失していることを確認した上で、塗膜を幅15mm×長さ60mmのサイズにカットして試験片を作製した。作製した試験片について、オートグラフ(商品名「AGS−J 500N」、島津製作所社製)、及び恒温試験装置(商品名「TCR1−200」、島津製作所社製)を使用し、温度80℃、チャック間距離20mm、引張り速度200mm/分の条件で80℃破断伸度を測定した。結果を表1及び2に示す。
(3)鉛筆硬度
JIS K5400に準拠し、荷重500gの条件で、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)の鉛筆硬度を測定した。結果を表1及び2に示す。
(4)耐溶剤性
キシレンを含ませた脱脂綿を使用して、作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)を荷重50g/cm2で50回ラビングした後の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐溶剤性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に著しい変化は認められなかった。
×:硬化層の膨潤又は剥離が認められた。
(5)耐光性
JASO M346−1993に準拠し、以下に示す条件でキセノンウェザオメーターを使用して促進試験を実施した。
放射照度:48〜162W/m2
波長:300〜400nm
ブラックパネル温度:89±3℃
照射時間:8週間
熱量:2000kJ
上記の条件により作製した加飾成型品の表面(紫外線硬化済みの硬化層)に対して光照射した。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐光性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に変色、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に変色、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
(6)耐熱性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)をオーブンに入れ、120℃で400時間保持する耐熱性試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐熱性を評価した。結果を表1及び2に示す。
○:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に黄変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
(7)耐加水分解性
作製した加飾成型品(紫外線硬化済み)について、温度70℃及び相対湿度95%で8週間保持するジャングル試験を行った。試験後の硬化層の外観を観察し、以下に示す評価基準に従って耐加水分解性を評価した結果を表1、2に示す。
○:硬化層に白変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じなかった。
×:硬化層に白変、チョーキング、ワレ、ヒビ等が生じた。
Figure 2014128921
Figure 2014128921
表1及び2に示す結果から明らかなように、実施例1〜15の機能性成型シートは、クラックや割れが発生することなく、三次元成型性が良好であった。さらに、実施例1〜15の機能性成型シートを用いて得られた加飾成型品は、耐擦傷性、耐溶剤性、耐光性、耐熱性、及び耐加水分解性に優れていることが確認された。
本発明の高耐久機能性成型シートは、例えば、自動車等の車両の内装材又は外装材;テレビ、パソコン、携帯電話等の家電製品の筐体;壁、床、天井等の建築物の内装材;容器等の加飾成型品を作製するための材料として好適に用いられる。
1:表皮層
2:意匠層
3:基材シート
4:接着層
5:セパレートフィルム
10:高耐久機能性成型シート

Claims (10)

  1. 接着層、基材シート、意匠層、及び表皮層がこの順で積層されているとともに、必要に応じて前記接着層の表面にセパレートフィルムが配置されており、
    前記表皮層が、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するポリカーボネート系ポリウレタン(A)、及び前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)に対して2〜25質量%の無黄変ポリイソシアネート(B)を含有する樹脂組成物の反応硬化物からなり、
    前記表皮層の80℃における破断伸度が250%以上であり、
    前記表皮層を紫外線硬化させて形成される硬化層の、JIS K5400に準拠して測定される荷重500gにおける鉛筆硬度が3B以上である高耐久機能性成型シート。
  2. 前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)の二重結合当量が、160〜3000g/eq.である請求項1に記載の高耐久機能性成型シート。
  3. 前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)が、ポリカーボネートポリオールに由来する構成単位を0.1〜70質量%含有する請求項1又は2に記載の高耐久機能性成型シート。
  4. 前記ポリカーボネート系ポリウレタン(A)が、活性水素含有基を有するポリシロキサンに由来する構成単位を0.1〜30質量%含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  5. 前記樹脂組成物が、さらに光重合開始剤を0.01〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  6. 前記表皮層に意匠が施されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  7. 前記意匠層が、意匠が施された樹脂層又は金属薄膜である請求項1〜6のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  8. 前記表皮層の表面に凹凸模様が形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  9. 前記接着層が、ウレタン系樹脂、変性オレフィン系樹脂、及びアクリル系樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シート。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の高耐久機能性成型シートを用いて得られる、前記表皮層を紫外線硬化させて形成された前記硬化層を有する加飾成型品。
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