JP2018172638A - 硬化性組成物及びこれを用いたフィルム、およびフィルムを用いた成形品 - Google Patents

硬化性組成物及びこれを用いたフィルム、およびフィルムを用いた成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 射出成形に支障を生じない伸びを有し、成形品の表面に密着し、表面を効果的に保護することができる硬化皮膜を形成する硬化性組成物を提供すること。【解決手段】 重量平均分子量が3000〜50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000〜50000であり、ラジカル重合性基当量が600〜3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物であって、該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する持つ化合物;および(a3)ジイソシアネート化合物の反応生成物である、前記硬化性組成物を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性組成物に関する。さらに本発明は、硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化皮膜を用いた成形フィルムならびに成形品に関する。
樹脂成形品やプラスチック成形品の表面に多彩な意匠を施すことを目的に、予め模様や図柄を印刷した加飾フィルムが用いられている。加飾フィルムを成形品に貼り付ける方法として、加飾フィルムを射出成形金型内に挿入して樹脂又はプラスチックの射出成形を行うインサート成形法と、加飾フィルムを射出成形金型内に挿入して樹脂又はプラスチックの射出成形を行い、加飾フィルム基材を剥がして加飾部分を成形品上に転写する転写法とが知られている。加飾フィルムは、成形品表面に意匠を施すだけでなく、成形品の表面を保護することを目的に設けられるため、耐摩耗性や耐溶剤性の観点から、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた塗膜が利用されている。
特許文献1には、高い表面硬度を有し、射出成形時のクラックなどを生じない硬化皮膜を形成する硬化性組成物が開示されている。硬化性組成物は、芳香族環を有するエポキシアクリレートを出発原料とするウレタンアクリレートと、多官能性アクリレートと、無機微粒子とからなる。特許文献2には、柔軟性、機械強度ならびに高い表面硬度を有する硬化皮膜を形成する光硬化性樹脂組成物が開示されている。光硬化性樹脂組成物は、側鎖に1個以上のラジカル重合性基を持つウレタンアクリレートを利用している。
特開2010−275339号 特開2012−72327号
従来技術に係る硬化性組成物は、硬化後の塗膜の伸びが不十分であり、さらに成形品に貼り付けた硬化皮膜が剥離しやすいという問題があった。そこで本発明は、射出成形に支障を生じない伸びを有し、成形品の表面に密着し、表面を効果的に保護することができる硬化皮膜を形成する硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明の実施形態における硬化性組成物は、重量平均分子量が3000〜50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000〜50000であり、ラジカル重合性基当量が600〜3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物である。ここでポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物;および(a3)ジイソシアネート化合物の反応生成物であることを特徴とする。
本発明の他の実施形態は、硬化性組成物を硬化させてなる硬化皮膜と、基材と有する、成形フィルムである。
本発明のさらに他の実施形態は、硬化性組成物を硬化させてなる硬化皮膜と、基材とを有する、成形フィルムを表面に有する成形品である。
本発明の硬化性組成物を用いて形成した成形フィルムは、射出成形法等の熱成形において充分な伸びを有する。また本発明の成形フィルムを樹脂成形品又はプラスチック成形品の表面の加工に用いた成形品は、成形品の表面に成形フィルムが密着しており、その表面が効果的に保護されている。
本発明の実施形態を以下に説明する。本発明の一の実施形態は、重量平均分子量が3000〜50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000〜50000であり、ラジカル重合性基当量が600〜3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物であって、該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物;および(a3)ジイソシアネート化合物の反応生成物である、硬化性組成物である。
本実施形態において、硬化性組成物とは、常温下で液体状態で存在し、活性エネルギーの照射、熱エネルギーの付加、化学物質の添加等を契機に硬化反応を開始して、硬化物や硬化皮膜を形成することができる混合物のことである。硬化性組成物は塗料、シーリング材、封止材、接着剤等の広範な用途に使用され、その用途に応じて種々の要求性能を満たす必要がある。本実施形態の硬化性組成物の硬化物は、プラスチック等の成形品の表面の加工用や加飾用のフィルムとして用いられ、その硬化皮膜は成形品表面上に密着して剥がれにくく、意匠性に優れている。
本実施形態の硬化性組成物は、重量平均分子量が3000〜50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)を含む。ポリウレタン化合物とは分子内にウレタン結合を有する重合体である。ポリウレタン化合物(A)には、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等に代表される、活性エネルギー線の照射や熱の付与、あるいは重合開始剤の添加により開裂してラジカル重合を開始する二重結合または三重結合が含まれている。ポリウレタン化合物(A)の重量平均分子量(Mw)は3000〜500000、好ましくは4000〜20000、さらに好ましくは5000〜10000である。ここでラジカル重合性基当量とは、ラジカル重合性基1モルを含む化合物の重量であり、単位は[グラム/モル]である。ラジカル重合性基当量の数値が小さいほどラジカル重合性基の密度は高い。ポリウレタン化合物(A)の側鎖ラジカル重合性基当量は1000g/mol以下、好ましくは800g/mol以下、さらに好ましくは700g/mol以下である。なお、本明細書で側鎖ラジカル重合性基当量という場合は、ポリウレタン化合物の側鎖部に存在する重合性基のみを数えるものとする。つまりポリウレタン化合物の末端部に存在する重合性基についてはこれを考慮に入れないものとする。
(A)成分であるポリウレタン化合物は、(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物と、(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物と、(a3)ジイソシアネート化合物との反応生成物である。(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物とは、分子内に2個の水酸基(−OH)と、上述のラジカル重合性基とを併せ持つ化合物である。分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物として、たとえば、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、1,2,6−ヘキサントリオールモノ(メタ)アクリレート、1,2,3−ヘプタントリオールモノ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールモノ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートモノ(メタ)アクリレートなどの3官能アルコールのモノ(メタ)アクリレート体が挙げられ、これらの中から1種以上用いることができる。分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物は、分子内に環状構造を有していてもよい。
(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物とは、分子内に1個の水酸基(−OH)と、上述のラジカル重合性基を1個以上とを併せ持つ化合物である。分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物として、たとえば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの中から1種以上用いることができる。
(a3)ジイソシアネート化合物とは、分子内にイソシアナト基(−NCO)を2個有する化合物である。ジイソシアネート化合物として、たとえば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トルエンジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネートが挙げられ、これらの中から1種以上用いることができる。
反応成分には(a4)分子内に2個の水酸基を有し、かつラジカルラジカル重合性基を有しない化合物を含むことができる。分子内に2個の水酸基を有し、かつラジカル重合性基を有しない化合物とは、分子内に2個の水酸基(−OH)を有しているが、上述のラジカル重合性基は含まない化合物である。分子内に2個の水酸基を有し、かつラジカル重合性基を有しない化合物として、たとえば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2−プロパンジオール等のアルカンジオール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエーテルジオール類、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、およびポリカーボネートジオール類が挙げられ、これらの中から1種以上用いることができる。
上記の(a1)および(a2)の化合物中に存在する水酸基と(a3)の化合物中に存在するイソシアナト基とが反応してウレタン結合を形成し、(A)のポリウレタン化合物を生成することができる。好ましくは、まず(a1)成分と(a3)成分とを反応させ、次いで(a2)成分を追加して反応を止めることにより(A)のポリウレタン化合物を生成する。ポリウレタン化合物(A)には、(a1)および(a2)に由来するラジカル重合性基が残存している。このラジカル重合性基の反応が、実施形態の硬化性組成物の硬化に寄与することになる。なお、上記の(a1)、(a2)および(a3)成分は、それぞれ異なる化合物であることが好ましい。
反応成分に(a4)成分を含む場合は、上記の(a1)、(a2)および(a4)の化合物中に存在する水酸基と、(a3)の化合物中に存在するイソシアナト基とが反応してウレタン結合を形成し、(A)のポリウレタン化合物を生成することができる。好ましくは、まず(a1)成分と(a3)成分と、(a4)成分とを反応させ、次いで(a2)成分を追加して反応を止めることにより(A)のポリウレタン化合物を生成する。ポリウレタン化合物(A)には、(a1)および(a2)に由来するラジカル重合性基が残存している。このラジカル重合性基の反応が、実施形態の硬化性組成物の硬化に寄与することになる。なお、上記の(a1)、(a2)、(a3)および(a4)成分は、それぞれ異なる化合物であることが好ましい。
実施形態の硬化性組成物は、ポリウレタン化合物(A)のほかに、さらに重量平均分子量5000〜50000であり、ラジカル重合性基当量が600〜3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)を含む。アクリルポリマー化合物(B)は、分子内にラジカル重合性基を有する、アクリル系またはメタクリル系モノマーの重合体である。アクリルポリマー化合物(B)として、(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド等に代表されるアクリル系モノマーを重合させ、その重合末端、または側鎖にビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等に代表される、活性エネルギー線の照射や熱の付与、あるいは重合開始剤の添加により開裂してラジカル重合を開始する二重結合または三重結合を有するポリマーを用いることができる。アクリルポリマー化合物(B)の重量平均分子量(Mw)は5000〜50000、好ましくは5000〜20000である。またアクリルポリマー化合物(B)のラジカル重合性当量は600〜3500g/mol、さらに好ましくは1000〜3300g/molであることができる。
実施形態の硬化性組成物は、重合開始剤(C)を含む。重合開始剤は光の照射、熱の付与等の刺激に応答してモノマーの重合反応を開始させる化合物である。実施形態の硬化性組成物においては、紫外線、電子線、可視光線を含む光の照射により重合を開始させる光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤として、光の照射によりラジカル活性種を発生する光ラジカル重合開始剤(たとえば、アセチルベンゼン、ジメトキシベンジル、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、クロロチオキサトン、エチルアントラキノン)、カチオン活性種を発生する光カチオン重合開始剤(たとえば、ビス(4−tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4-フルオロフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、2,4-ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)ビニル]−1,3,5−トリアジン、4−ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボラート)、アニオン活性種を発生される光アニオン重合開始剤(アセトフェノン−O−ベンゾイルオキシム、シクロヘキシルカルバミン酸1,2−ビス(4−メトキシフェニル)−2−オキソエチル、ニフェジピン)を用いることができる。光重合開始剤として、イルガキュア(BASF)等の市販品を用いることができる。イルガキュア184−(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュア907(2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン)、ルシリンTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)等を使用することができる。また、これらは、単独または2種以上を混合して使用しても良い。
実施形態の硬化性組成物は、分子内に1個以上のラジカル性重合性基を有するエチレン性不飽和化合物(D)をさらに含んでいてよい。エチレン性不飽和化合物とはエチレン性不飽和基(−C=C−)を少なくとも1つ有する化合物である。エチレン性不飽和化合物(D)は、分子内に1個以上のラジカル重合性基を有することが好ましい。ラジカル重合性基は、上記の通りビニル基、アクリル基、メタクリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基等に代表される、活性エネルギー線の照射や熱の付与、あるいは重合開始剤の添加により開裂してラジカル重合を開始する二重結合または三重結合である。このようなエチレン性不飽和化合物(D)として、たとえば、エトキシル化グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートに代表される多官能アクリレート化合物、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートに代表される単官能アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドに代表されるアクリルアミド類が挙げられる。
実施形態の硬化性組成物は、さらに無機微粒子(E)を含んでいてよい。無機微粒子(E)は、硬化性組成物を硬化して得られる硬化皮膜の耐擦傷性を向上させるために添加される。無機微粒子(E)は、平均一次粒子径1〜300nmを有するものを用いることが好ましい。無機微粒子(E)として、たとえば、シリカ、アルミナ、ベーマイト、鉄、酸化鉄、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化マグネシウムの粒子のほか、コアシェル構造を有する粒子や表面処理を施した粒子を用いることができる。無機微粒子(E)として、NANOBYKシリーズ(ビックケミー・ジャパン)、シーホスターシリーズ(日本触媒)、ナノユースシリーズ(日産化学)、オルガノシリカゾルシリーズ(日産化学)等の市販品を適宜用いることができる。
実施形態の好適な硬化性組成物は、上記の通りポリウレタン化合物(A)を用意し、アクリルポリマー化合物(B)及び重合開始剤(C)と、場合によりエチレン性不飽和化合物(D)ならびに無機微粒子(E)とを混合することにより製造することができる。硬化性組成物成分のうち、ポリウレタン化合物(A)とアクリルポリマー化合物(B)とは、1:4〜4:1の重量割合で混合することが好ましい。ポリウレタン化合物(A)は、硬化性組成物の重量を基準として20〜80%の割合をしめることが好ましく、アクリルポリマー化合物(B)は、硬化性組成物の重量を基準として20〜80%の割合を占めることが好ましい。重合開始剤(C)は、硬化性組成物の重量を基準として0.5〜5%の割合を占めることが好ましい。硬化性組成物にエチレン性不飽和化合物(D)が含まれている場合、硬化性組成物の重量を基準として1〜50%の割合を占めることが好ましい。硬化性組成物に無機微粒子(E)が含まれている場合、硬化性組成物の重量を基準として0.1〜5%の割合を占めることが好ましい。これらの成分のほか、硬化性組成物に通常含まれている添加剤(たとえば染料、顔料、可塑剤、分散剤、防腐剤、つや消し剤、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防汚剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤)を配合することができる。
さらに硬化性組成物の用途に応じて、適宜希釈用の溶剤を用いることができる。溶剤として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、イソプロパノール、エタノール、メタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、ダイアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環族炭化水素類、およびこれらのハロゲン化物等を含む有機溶媒を用いることが好ましい。硬化性組成物が希釈用溶剤を含む場合、先に記載したポリウレタン化合物(A)、アクリルポリマー化合物(B)および重合開始剤(C)と、場合によりエチレン性不飽和化合物(D)ならびに無機微粒子(E)との混合物の重量の0.5〜5.0倍、好ましくは1.0〜3.0倍の量の希釈用溶剤を混合することができる。
実施形態の硬化性組成物は、基材表面に塗布し、この上で硬化させて硬化皮膜を形成することができる。硬化皮膜の厚さは用途に応じて変更することができるが、一般に1〜20μm、好ましくは1〜10μmである。硬化組成物を硬化させる際の基材として、ガラス、プラスチック、金属などを挙げることができるが、実施形態の硬化性組成物は、特にプラスチック上にて好適に硬化して、硬化皮膜を形成することができる。基材として、たとえばアクリル樹脂や、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネート樹脂を使用することができる。硬化性組成物の基材表面への塗布は、従来のコーティング方法により適宜行うことができる。塗布した硬化性組成物を加熱して、硬化皮膜を形成することができる。硬化性組成物の加熱は、硬化性組成物中の重合開始剤(C)の作用によりポリウレタン化合物(A)とアクリルポリマー化合物(B)の共重合反応が開始するのに充分な温度まで加熱すればよい。使用する(A)および(B)および重合開始剤(C)の種類にもよるが、通常は80〜150℃、好ましくは100〜150℃程度に加熱することで共重合反応を開始させることができる。硬化性組成物塗布物の加熱は、バーナーやオーブンなどの加熱装置による加熱のほか、ドライヤーなどの温風による加熱方法により行うことができる。
このほか、実施形態の硬化性組成物を基材表面に塗布して、塗布表面に活性エネルギー線を照射してポリウレタン化合物(A)とアクリルポリマー化合物(B)の共重合反応を開始させてもよい。照射する活性エネルギー線として、可視光、紫外光、赤外光、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線等を挙げることができる。
このように実施形態の硬化性組成物をプラスチック基材上で硬化させて硬化皮膜を形成し、得られた成形フィルムを、プラスチック等の成形品の表面を加工するためのフィルムとして用いることができる。実施形態の成形フィルムは、模様、図柄、パターン、色彩等を有していてもよく、透明であってもよい。模様等を有する成形フィルムは加飾フィルムと呼ばれ、成形品の表面に模様等を施すために用いられる。実施形態の成形フィルムを射出成形金型内に装填し、射出成形と同時に硬化皮膜を成形品に貼付することができる(インサート成形法)。また実施形態の成形フィルムを成形品の表面に貼付し、基材を剥離して模様や図柄が施された硬化皮膜を転写させることができる(転写法)。実施形態の硬化性組成物を硬化して得られた硬化皮膜は、射出成形法に対する耐熱性と、成形品表面に沿うことができる充分な伸び性を有し、かつ成形品表面に密着して、強固な皮膜を形成することができる。
(1)硬化性組成物の作製
(A1)ポリウレタン化合物(A−1)の合成
500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)50.1重量部と、(a3)成分としてイソホロンジイソシアネート77.4重量部と、反応溶剤である酢酸エチル150.0重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名:アロニックスM−306)30.0重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ポリウレタン化合物(A−1)(不揮発成分40%と反応溶剤である酢酸エチル60%と含む混合物))を得た。
重量平均分子量=4200、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=475g/mol
(A2)ポリウレタン化合物(A−2)の合成
500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)45.2重量部と、(a3)成分としてジシクロヘキシルメタン 4,4′−ジイソシアネート77.7重量部と、反応溶剤である酢酸エチル150.0重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.6重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ポリウレタン化合物(A−2)(不揮発成分40%と反応溶剤である酢酸エチル60%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=9200、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=448g/mol
(A3)ポリウレタン化合物(A−3)の合成
500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)68.6重量部と、(a3)成分としてトリレンジイソシアネート77.6重量部と、反応溶剤である酢酸エチル150.0重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.1重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ポリウレタン化合物(A−3)(不揮発成分40%と反応溶剤である酢酸エチル60%とを含む混合物)を得た。 重量平均分子量=8800、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=351g/mol
(A4)ポリウレタン化合物(A−4)の合成
500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)22.4重量部と、(a4)成分としてエチレングリコール5.8重量部と、(a3)成分としてジシクロヘキシルメタン4,4′−ジイソシアネート63.4重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン138.3重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.9重量部を加え、60℃で6時間反応させた。反応終了後プロピレングリコールモノメチルエーテルを236.0重量部加えて希釈し、ポリウレタン化合物(A−4)(不揮発成分20%と反応溶剤であるメチルエチルケトン80%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=9700、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=675g/mol
(A5)ポリウレタン化合物(A−5)の合成
500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)14.7重量部と、(a4)成分としてエチレングリコール8.7重量部と、(a3)成分としてジシクロヘキシルメタン4,4′−ジイソシアネート63.5重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン138.3重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.9重量部を加え、60℃で6時間反応させた。反応終了後プロピレングリコールモノメチルエーテルを236.0重量部加えて希釈し、ポリウレタン化合物(A−5)(不揮発成分20%と反応溶剤であるメチルエチルケトン80%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=9250、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=963g/mol
(B1)アクリルポリマー化合物(B−1)の合成
500mLの4つ口フラスコに、ジメチルアクリルアミド46.2重量部と、テトラヒドロフルフリルアクリレート23.1重量部と、重合開始剤としてジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.7重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.7重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン140.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2−イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)3.3重量部を加え、60℃で6時間反応させ、アクリルポリマー化合物(B−1)(不揮発成分33%と反応溶剤であるメチルエチルケトン67%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=10000、ラジカル重合性基当量(計算)=3333g/mol
(B2)アクリルポリマー化合物(B−2)の合成
500mLの4つ口フラスコに、アクリロイルモルホリン46.2重量部と、テトラヒドロフルフリルアクリレート23.1重量部と、重合開始剤としてジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.7重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.7重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン140.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2−イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)3.3重量部を加え、60℃で6時間反応させ、アクリルポリマー化合物(B−2)(不揮発成分33%と反応溶剤であるメチルエチルケトン67%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=10000、ラジカル重合性基当量(計算)=3333g/mol
(B3)アクリルポリマー化合物(B−3)の合成
500mLの4つ口フラスコに、ジメチルアクリルアミド46.2重量部と、メチルメタクリレート23.1重量部と、重合開始剤としてジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.7重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール3.3重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン140.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2−イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)6.6重量部を加え、60℃で6時間反応させ、アクリルポリマー化合物(B−3)(不揮発成分33%と反応溶剤であるメチルエチルケトン67%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=5000、ラジカル重合性基当量(計算)=1668g/mol
(B4)アクリルポリマー化合物(B−4)の合成
500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40.0重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.0重量部と、重合開始剤としてジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.6重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル106.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2−イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)14.1重量部を加え、60℃で6時間反応させ、アクリルポリマー化合物(B−4)(不揮発成分50%と反応溶剤である酢酸エチル50%とを含む混合物)を得た。
重量平均分子量=10000、ラジカル重合性基当量(計算)=671g/mol
上記の(A−1)〜(A−5)と、(B−1)〜(B−4)と、重合開始剤(C)としてIrgacure907(BASF株式会社製)と、エチレン性不飽和モノマー(D)としてヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)もしくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)と、無機微粒子としてNANOBYK−3610(ビックケミー・ジャパン株式会社製)と、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)とを、表1および2に記載する重量割合で配合して、硬化性組成物1〜11を作製した。
さらに上記の(A−1)〜(A−3)と、ラジカル重合性基当量が250g/molのアクリルポリマー化合物SMP250PA(共栄社化学株式会社製)と、重合開始剤(C)としてIrgacure907(BASF株式会社製)と、エチレン性不飽和モノマー(D)としてヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)またはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)と、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)とを、表2に記載する重量割合で配合して、比較実施例に係る硬化性組成物1〜6を作製した。なお、表1および表2中の数字はいずれも重量%を表す。ポリウレタン化合物(A)とアクリルポリマー化合物(B)については、それぞれの不揮発成分の重量%を表す。また「不揮発成分合計」は成分(A)〜成分(E)の合計を表す。「(A)由来の溶剤」とは、ポリウレタン化合物(A)として用いた上記の各ポリウレタン化合物(A−1)〜(A−5)混合物に含まれている不揮発成分以外の溶剤のことであり、「(B)由来の溶剤」とは、アクリルポリマー化合物(B)として用いた上記の各アクリルポリマー(B−1)〜(B−4)混合物に含まれている不揮発成分以外の溶剤のことである。すなわち「溶剤合計」の欄に記載されている数字は、溶剤として用いたメチルエチルケトン(MEK)と、成分(A)由来の溶剤と、成分(B)由来の溶剤との合計である。たとえば、実施例1は、不揮発成分の重量(100.0)に対し、およそ2.1倍(210.5)の溶剤が混合した硬化性組成物となっている。
(2)成形フィルムの作製
硬化皮膜を形成する基材として、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルムを用いた。硬化後の膜厚が5μmとなるようにバーコート法によって上記の各硬化性組成物を基材に塗布した。そして硬化性組成物が塗布された基材を100℃で1分間乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射することにより、硬化性組成物を硬化させた。これにより成形フィルムAを得た。
同様に硬化皮膜を形成する基材として易接着処理ポリエチレンテレフタラートフィルムを用いたこと以外は成形フィルムAと同様にして、成形フィルムBを得た。成形フィルムAを用いて、外観、密着性、加熱後密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性の評価を行い、成形フィルムBを用いて延伸性(破断点伸度)の評価を行った。
(3)成形フィルムの性能評価
(3−1)外観評価
成形フィルムAについて、JIS K 7136に対応したヘイズメーターを用いてヘイズ値を測定した。測定結果に基づき以下の基準により、透明性を評価した。
透明:ヘイズが1%未満
透明でない:ヘイズが1%以上
(3−2)密着性評価
JIS K 5600−5−6に準拠して、成形フィルムAにおける硬化皮膜の剥離の有無を目視によって次の通り評価した。
剥離無し:剥離が認められない
剥離有り:一部または全て剥離している
(3−3)加熱後の密着性評価
成形フィルムAの表面温度が215℃になるように加熱した後、JIS K 5600−5−6に準拠して、硬化皮膜の剥離の有無を目視によって次の通り評価した。
剥離無し:剥離が認められない
剥離有り:一部または全て剥離している
(3−4)鉛筆硬度の測定
JIS K 5600−5−4に準拠して、成形フィルムAを、三菱鉛筆ユニを用いて45度の角度で引っ掻き、傷のつかない最大硬度を鉛筆硬度で評価した。
(3−5)耐擦傷性の評価
得られた成形フィルムAについて、スチールウール#0000上に200g/cmの荷重をかけて10往復させ、ヘイズメーターを用いてヘイズ値を測定した。測定結果に基づき、以下の基準により、耐擦傷性を評価した。
良好:△HAZE=5未満
不良:△HAZE=5以上
(3−6)延伸性評価
得られた成形フィルムBについて、引張試験(サンプル寸法:200mm×10mm、チャック間距離:110mm、引っ張り速度:50mm/分)を行い、目視により硬化皮膜にクラックが発生した時点を破断点伸度とし、その結果より成形フィルムの延伸性を評価した。破断点伸度40%以上が合格であるとして評価した。
Figure 2018172638
Figure 2018172638
なお、表中の略号の意味は、以下の通りである:
SMP250AP:ラジカル重合性基当量が250g/molのアクリルポリマー化合物(共栄社化学株式会社製)
Irgacure907:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF株式会社製)
HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
NANOBYK−3610:表面処理アルミナナノ粒子ディスパージョン(粒径D50=20μm、ビックケミー・ジャパン株式会社製)
MEK:メチルエチルケトン
本発明の実施例に係る硬化皮膜は、いずれも密着性に優れ、加熱後にも密着性を保っている。本発明の実施例に係る硬化性組成物は、堅く耐擦傷性に優れた、強固な硬化皮膜を形成することができる。本発明の実施例に係る硬化性組成物を用いた成形フィルムは高い破断点伸度を有しており、インサート成形法等にも耐えうる充分な伸びを有していることが示唆される。アクリルポリマー化合物(B)を使用していない比較例に係る硬化性組成物は、若干柔らかく、かつ密着性にも劣る硬化皮膜を形成した。ラジカル重合性基当量が250g/molであるSMP250APをアクリルポリマー化合物(B)として用いた比較例4は、堅いが密着性が劣る硬化皮膜を形成した。これらの実験結果より、成分(A)と(B)ならびに成分(D)および(E)とを適切な割合で混合した本発明に係る硬化性組成物の優位性が示唆される。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が3000〜50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000〜50000であり、ラジカル重合性基当量が600〜3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物であって、該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:
    (a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;
    (a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する持つ化合物;および
    (a3)ジイソシアネート化合物
    の反応生成物である、前記硬化性組成物。
  2. 該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:
    (a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;
    (a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する持つ化合物;
    (a3)ジイソシアネート化合物;および
    (a4)分子内に2個の水酸基を有し、かつラジカル重合性基を有しない化合物
    の反応生成物である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 該重合開始剤(C)が、光重合開始剤である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. さらに、分子内に1個以上のラジカル性重合性基を有するエチレン性不飽和化合物(D)を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. さらに、平均一次粒子径1〜300nmの無機微粒子(E)を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化皮膜と、基材とを有する、成形フィルム。
  7. 請求項6に記載の成形フィルムを表面に有する成形品。
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