JP2004217808A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物並びにそれを用いた印刷インキ用バインダー及び積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】未硬化状態でもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成でき、且つ硬化塗膜を形成した際に強靱性と柔軟性、耐溶剤性を発現することのできる、活性エネルギー線樹脂組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。詳しくは、基材上にこの組成物を塗布した場合に、未硬化状態でもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成でき、且つ硬化塗膜を形成した際に強靱性と柔軟性、耐溶剤性を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から印刷インキ用バインダー等に用いる樹脂として、印刷適性に優れたウレタン樹脂と耐候性の良好なアクリル系樹脂との組み合わせが注目されている。その様な中において、本質的に相溶性を有しないウレタン樹脂とアクリル系樹脂とを相溶化させて利用するための手段として第4級アンモニウム塩基、ピリジウム塩基、スルホン酸基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を分子内に有するアクリル系樹脂とを混合し印刷インキとして用いる方法が提案されている。しかしながらこれらの方法では相溶性の範囲が限定され、また一部は対イオンとして塩素を含んでいるなどの理由から実用上は未だ問題があった。
【0003】
そこで、こういった問題を解決する方法として、密着性、印刷適性に優れたウレタン樹脂と耐候性の良好なアクリル系樹脂等とを共重合化した変性ウレタン樹脂を印刷インキ用バインダーとして用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、例えば上記樹脂を印刷インキ用バインダーとして含む印刷層上に、さらに活性エネルギー線硬化性の保護層などを積層する場合、印刷層と保護層との密着性に劣るという問題があった。
【0004】
一方、活性エネルギー線硬化性組成物は種々の分野で広く用いられているが、ある種の分野では、この組成物で形成された被膜が、乾燥しただけの未硬化状態であってもべとつかない、即ちタックフリーであることが望まれている。例えば活性エネルギー線硬化性インクを用いて多色印刷を行う場合には、印刷面が乾燥状態でべとつかないものであれば、印刷面を乾燥しただけで次々と重ねて印刷し、最後に活性エネルギー線により一括して硬化させることができる。また、基材上に活性エネルギー線硬化性組成物の被膜を形成し、これにエンボス加工を施したのち硬化させる場合にも、被膜形成後に基材を一時的に巻取って保管できるように、被膜が乾燥状態でべとつかないものであることが望まれている。
【0005】
このような乾燥しただけで未硬化状態でもべとつかない活性エネルギー線硬化性組成物はいくつか提案されている。例えば、メラミンアクリル系化合物を硬化性成分とする組成物や、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと重合性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させて得られたアクリル系樹脂を硬化性成分とする組成物等が提案されている。さらに、分子内に1個のカルボキシル基とアクリロイル基を有するアクリレートと分子内にアミノ基単位を有する重合体とを含有する組成物や(特許文献2参照)、融点が40℃以上のイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物で軟化点が40℃以上のものを含有することを特徴とする組成物が提案されている(特許文献3参照)。このように乾燥状態でべとつかない活性エネルギー線硬化性組成物は、従来からいくつか提案されているものの、得られる硬化塗膜の耐屈曲性や柔軟性に劣っているため、使用用途が限定されており、改良が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−334898号公報
【特許文献2】
特開2001−48906号公報
【特許文献3】
特開2001−329031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えば印刷インキ用バインダーとして用いた場合、基材および活性エネルギー線硬化性のトップ層との密着性に優れ、硬化前の塗膜はタックフリーであり、かつ印刷適性、耐候性、さらに硬化塗膜の屈曲性や柔軟性、耐溶剤性に優れた樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、柔軟性、印刷適性に優れたウレタン樹脂とノンタック性で耐候性のあるアクリル樹脂等とを共重合化した変性ウレタン樹脂をベースとし、これに特定のエチレン性不飽和化合物を含有させることによって上記問題点を解決することが可能であることに知見し、本発明に到達した。
【0009】
即ち本発明の第1の要旨は、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、に存する。
【0010】
本発明の第2の要旨は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなる印刷インキ用バインダ−、に存する。
本発明の第3の要旨は、少なくとも基材シート及び印刷層からなる積層シートにおいて、印刷層が、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有するものであることを特徴とする積層シート、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明につき更に詳細に説明する。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」と、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は「アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基」をそれぞれ意味する。
【0012】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有するものである。
【0013】
[ウレタン樹脂(A)]
<有機ジイソシアネート>
本発明において用いられる有機ジイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、ω,ω′−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0014】
これらの中で、密着性、機械強度を重視する場合には、MDI 等の芳香族ジイソシアネート、耐候性を重視する場合にはIPDI、水添MDI 等の脂環族ジイソシアネートが好ましい。
<高分子量ポリオール>
高分子量ポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコンポリオール、ポリアクリルポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては環状エーテルを開環重合して得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしてはジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等)又はその無水物と低分子量ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等)との重縮合によって得られるもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンセバケート等、低分子量ジオールへのラクトンの開環重合によって得られるもの、例えばポリカプロラクトン、ポリメチルバレロラクトン等が挙げられる。ポリエーテルエステルグリコールとしてはポリエステルグリコールに環状エーテルを開環重合したもの、ポリエーテルグリコールとジカルボン酸とを重縮合したもの、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては低分子量ジオールとアルキレンカーボネート又はジアルキルカーボネートとから脱グリコール又は脱アルコールによって得られるポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。ポリオレフィンポリオールとしてはポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。シリコンポリオールとしてはポリジメチルシロキサンポリオール等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物が挙げられる。これらの中でも耐候性の点からはポリカーボネートポリオール、密着性の点からはポリエステルポリオール及びこれらの混合物が好ましい。高分子量ポリオールの分子量は下限値が、通常、200以上、好ましくは、500以上であり、上限値が、通常、10000以下、6000以下である。分子量が小さすぎると柔軟性が乏しく、分子量が大きすぎると密着性が低下する傾向にある。
【0015】
有機ジイソシアネートと高分子量ポリオール反応仕込量はNCO/OHモル比で下限値が、通常、1.01以上、好ましくは1.5以上であり、上限値が、通常、10以下、好ましくは5以下である。この比が小さすぎるとハードセグメント量が少なく耐摩耗性が低い傾向がある。一方、大きすぎると溶解性が乏しく、また粘度も高くなりすぎる傾向にある。
【0016】
<1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物>
本発明においては、上記成分に加えて、1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物をウレタン樹脂成分として用いて、ラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂(A)を得ることが好ましい。これにより、後述する変性ウレタン樹脂(C)を、分子構造を制御し安定的に得ることができる。
【0017】
1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物としては、アリルアルコール、アリルアミン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等、及びこれらのε−カプロラクトン付加物、γ−メチルバレロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物でもよい。中でも2個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有する化合物を用いることにより、ウレタン樹脂主鎖中にペンダント状のラジカル重合性二重結合を導入することができ、ポリウレタン鎖にポリマーがペンダント状にグラフト鎖として導入することが可能となり、ウレタン樹脂本来の性質を生かして欠点を他のポリマーで補うのに有効である。
【0018】
ラジカル重合性二重結合のウレタン樹脂中における含有量は下限値が、通常、1μeq/g以上、好ましくは10μeq/g以上、さらに好ましくは20μeq/g以上であり、上限値が、通常、200μeq/g以下、好ましくは、150μeq/g以下、100μeq/g以下である。二重結合の含有量が少なすぎると相溶性が不十分で溶液性状、塗膜性状が不良となる場合がある。また、二重結合の含有量が多すぎると反応上2官能の比率が高く、ラジカル重合時に3次元化しやすくなる傾向がある。
【0019】
また、ウレタン化反応時、ラジカル重合性二重結合の熱重合を防止するため重合禁止剤を用いることもできる。重合禁止剤としてはメチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、クロラニル等のフェノール系化合物、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等のアミン類、塩化第2鉄、塩化第2銅等の高原子価金属塩等が挙げられる。
【0020】
<鎖延長剤>
鎖延長剤としては、ポリエステルポリオールの原料として用いられる通常、分子量500未満の低分子ポリオール化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノール−A等の芳香族系ジオール、N−メチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等が挙げられる。さらに、2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン等の低分子ジアミン化合物が挙げられる。これら鎖延長剤は2種類以上の混合物として用いることも可能である。また、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール類も一部併用することができる。
【0021】
これらの鎖延長剤の使用量は、通常、ウレタン樹脂(A)中に含有されるイソシアネート基の等量に対し、下限値が通常、5mol%以上、好ましくは40mol%以上であり、上限値が通常、99mol%以下、好ましくは95mol%以下である。
<末端停止剤>
また、必要により使用される末端停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のモノアルコール、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
【0022】
本発明におけるウレタン樹脂の製造は公知の方法に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によって行われる。ウレタン樹脂を製造する際の溶媒としては、通常、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が用いられる。
【0023】
これらの末端停止剤の使用量は、通常、ウレタン樹脂(A)中に含有されるイソシアネート基の当量に対し、下限値が通常95mol%以上、好ましくは100mol%以上であり、上限値が通常300mol%以下、好ましくは120mol%以下である。
<ウレタン樹脂(A)の製造方法>
本発明に用いられる変性ウレタン樹脂は公知の種々の方法を適用することができる。例えば、特開2000−334898号公報等に記載されるようにラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和単量体をグラフト共重合する方法、特開平5−262846号公報などに記載されるように活性水素を有するアクリル系マクロマーをウレタン樹脂に付加重合する方法、特開平2−229873号公報などに記載されるように分子中に少なくとも一個のジアゾ結合を有するウレタン樹脂の存在下でラジカル重合性不飽和単量体を重合する方法等が挙げられる。
【0024】
上記の中でも、ラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和単量体をグラフト共重合する方法が好ましく、具体的には、ポリオールと有機ジイソシアネートおよび(メタ)アクリロイル基を含有するジオール化合物を含む混合物を通常、50〜120℃の温度で1〜24時間程度反応させ、イソシアネート末端ウレタンプレポリマを得、必要に応じて、0〜40℃程度の温度で鎖延長を行った後、ラジカル重合性不飽和単量体と溶剤を添加し、50〜120℃の温度で、1〜24時間程度反応を行い、目的の変性ウレタンを得ることができる。
【0025】
ウレタン樹脂を製造する際の触媒としては通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えばジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン系等が挙げられる。
【0026】
本発明における上記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量としては下限値が、通常、5000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上であり、上限値が、通常、20万以下、好ましくは15万以下、、さらに好ましくは10万以下である。この重量平均分子量が小さすぎると得られる変性ウレタン樹脂の塗膜物性が劣る傾向にある。また、重量平均分子量が大きすぎるとアクリル成分との相溶性が乏しく、溶液性状が低下する。さらに溶液粘度が高くなるため塗装作業性が劣る傾向にある。
【0027】
[ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)]
本発明で用いられるラジカル重合性不飽和単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル系モノマー等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。ラジカル重合性不飽和単量体の選択は求められる要求に合わせて行う。例えば、塗膜の強度、耐溶剤性等を向上させるためには、後述の架橋剤と反応し得る反応基を有する、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのラジカル重合性不飽和単量体を用い、得られた樹脂に架橋剤を添加するとよい。
【0028】
さらに上記ラジカル重合性不飽和単量体のラジカル重合物をウレタン樹脂原料と反応することによっても共重合することが可能である。例えば、特開平5−262847号公報では、2つの水酸基及び1つのメルカプト基を有するメルカプタン系連鎖移動剤を用いて末端ジヒドロキシマクロモノマーを有機ジイソシアネート化合物と反応する方法が記載されている。この場合のメルカプタン系連鎖移動剤としては1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、チオグリセリン、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。また、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のラジカル重合性不飽和結合とイソシアネート基とを有するモノマーを予め重合しマクロマーとして用いることも可能である。
【0029】
この場合のウレタン化反応可能な官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体の重合物の重合方法は通常の溶液重合法により、窒素等の不活性ガス気流下、有機溶媒中、重合開始剤を添加し加熱して行われる。用いられる有機溶媒としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0030】
重合時の樹脂固形分は通常、5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%である。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジt−ブチル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の添加量はラジカル重合性モノマーに対して通常、0.001〜10重量%である。また、重合温度は通常、10〜160℃、好ましくは30〜140℃である。
【0031】
ラジカル重合性不飽和単量体の重合物の重量平均分子量は、下限値が、通常、5000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上であり、上限値が、通常、20万以下、好ましくは15万以下、さらに好ましくは、10万以下である。重量平均分子量が小さすぎると得られる塗膜の強度、耐候性が低く、また大きすぎると共重合化した際の溶液粘度が著しく高まるため作業性が低下する傾向がある。
【0032】
[変性ウレタン樹脂(C)]
本発明における変性ウレタン樹脂(C)は、上記ウレタン樹脂(A)とラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)とを、重量比で、下限値が、通常、5/95以上、好ましくは10/90以上、より好ましくは30/70以上、上限値が、通常、90/10以下、好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下の比率で重合させて得られる。この重量比が小さすぎると得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の耐屈曲性や柔軟性が小さくなり、また大きすぎるとタック性が発現する傾向にある。
【0033】
重合は通常の溶液重合法により、窒素等の不活性ガス気流下、有機溶媒中、重合開始剤を添加し加熱して行われる。用いられる有機溶媒としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0034】
重合時の樹脂固形分は通常、5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%である。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジt−ブチル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の添加量はラジカル重合性モノマーに対して通常、0.001〜10重量%である。また、重合温度は10〜160℃、好ましくは30〜140℃である。
【0035】
上記変性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、下限値が、通常、10000以上、好ましくは15000以上、さらに好ましくは20000以上であり、上限値が、通常、40万以下、好ましくは20万以下、さらに好ましくは15万以下である。重量平均分子量が小さすぎると、機械的強度、耐候性が低く、また大きすぎると溶液粘度が著しく高まるため作業性が低下する傾向にある。
【0036】
[多官能(メタ)アクリレート化合物(D)]
本発明に用いる多官能(メタ)アクリレート化合物(D)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビルフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
中でも、イソシアヌレート環を含有する化合物が好ましく、具体的にはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、炭化水素環に結合したイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物との反応物を用いてもよい。
【0038】
炭化水素環に結合したイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とは、いわゆるイソシアネート化合物又はその誘導体であり、例えばウレタン樹脂(A)の合成で用いられるイソシアネート化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物の誘導体としては、通常、イソシアヌレート環を形成するようにイソシアネート化合物を三量化したイソシアネートの三量体、イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応物、イソシアネートの三量体と活性水素含有化合物との反応物などが用いられる。イソシアネート化合物と反応させる活性水素含有化合物としては、通常、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物などを用いることができ、特に水酸基含有化合物が好ましく用いられる。
【0039】
水酸基含有化合物としては、ウレタン樹脂製造の際に用いたような高分子量ポリオールや低分子量ポリオールを使用することができる。
またアミノ基含有化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコールも活性水素含有化合物として用いることができる。
【0040】
イソシアネート化合物やその三量体と活性水素含有化合物との反応は、通常10〜90℃の範囲で行われる。反応は無触媒でも進行するが、ジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ジオクトエート等の有機錫系触媒、オクタン酸鉛等の有機鉛系触媒、あるいはトリエチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン系化合物の触媒を使用してもよい。触媒を用いるとより短時間で反応が進行する。反応の進行は、イソシアネート基含有量の測定により追跡することができる。目標とするイソシアネート基含有量に到達した時点で冷却を行い、反応を停止させる。
【0041】
反応は無溶媒で行っても、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒を用いると、一般的に、反応の制御が容易であり、かつ反応生成液の粘度を調節できる。溶媒としてはこの種の反応に通常用いられる不活性溶媒、たとえばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが用いられる。
【0042】
(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物(以下「(メタ)アクリル化合物」と略記することがある)としては、(メタ)アクリル酸そのものや、(メタ)アクリル酸とポリヒドロキシ化合物との水酸基を有する反応生成物であるヒドロキシエステル、更にはこのヒドロキシエステルの水酸基に更に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、カプロラクトン等を付加させたり、ポリカルボン酸無水物を反応させるなどして活性水素基としての水酸基をカルボキシル基に変化させた化合物などが挙げられる。
【0043】
具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレートや、これらのカプロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物などが挙げられる。また上記のヒドロキシ(メタ)アクリレートに、カルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などを反応させたペンタエリスリトールトリアクリレートコハク酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートコハク酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートマレイン酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートマレイン酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。
中でも、イソホロンジイソシアネートの三量体とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物が好ましい。
【0044】
本発明において用いられる、多官能(メタ)アクリレート化合物(D)としては、上述した中でも、イソシアヌレート環を含有する化合物が好ましく、中でも、脂環族ジイソシアネート、好ましくはイソホロンジイソシアネートの三量体と活性水素含有(メタ)アクリレート化合物との反応物がより好ましく用いられる。
【0045】
イソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物との反応は、前述の脂環式イソシアネート化合物やその三量体と活性水素含有化合物との反応と同様にして行うことができる。好ましくは溶媒を用いて、反応液中における反応生成物の濃度が30〜80重量%となるようにし、かつ反応原料に対して0.01〜0.1重量%の有機錫系触媒の存在下に50〜80℃で反応させる。イソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物との仕込比率は、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対し、これと反応し得る(メタ)アクリル化合物の官能基が0.5モル以上、特に1モル以上となるようにするのが好ましい。反応時間は通常3〜8時間程度であるが、分析により反応液中のイソシアネート基の含有量を追跡し、これが目標値に達した時点で反応を停止させるのが好ましい。
【0046】
本発明に係る多官能(メタ)アクリレート化合物は、軟化点が40℃以上であることが好ましく、80℃以上であるものがより好ましい。軟化点が低すぎると、未硬化状態での乾燥被膜にタック性が発現する傾向にある。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
多官能(メタ)アクリレート化合物(D)の変性ウレタン樹脂(C)に対する含有量は、下限値が、通常1重量部以上、好ましくは、5重量部以上であり、上限値が、通常、60重量部以下、好ましくは、30重量部以下である。この量が多すぎると塗膜の柔軟性が低下する傾向があり、少なすぎると、活性エネルギー線硬化性に劣る傾向がある。
【0047】
多官能(メタ)アクリレート化合物(D)及び変性ウレタン樹脂(C)は、それぞれ一種を用いても良いし、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上述のイソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物の反応生成物の他に、硬化性組成物として通常用いられる反応性単官能モノマー、光重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを含有していてもよい。
【0048】
反応性単官能モノマーとしては、複素環式エチレン性不飽和化合物、複素環式エチレン性不飽和化合物〔例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル複素環化合物、モルホリン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレートなど〕、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルフォルムアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート〔例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、N,N′−ジメチルアクリルアミド、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、アルキルフェノキシエチル(メタ)アクリレート〔例えば、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、フェノキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、クミルフェノール(ポリ)アルキレン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、シクロアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、アラルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど〕、架橋脂環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート〔例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート〔例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど〕、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕アッシドフォスフェート、ハロゲン含有(メタ)アクリレート〔例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなど〕などが挙げられる。
【0049】
光重合開始剤としては、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどを用いることができる。光重合開始剤の添加量は、溶媒以外の組成物成分100重量%あたり、通常0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%である。光重合開始剤の割合が少なすぎると光硬化性が不十分となる傾向となり、多すぎると得られる硬化物の硬度等の特性が低下する傾向となる。溶媒としては、イソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応に関する説明において例示したような、いわゆる不活性溶媒を用いることができる。
【0050】
重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、クロラニル等のフェノール系化合物、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等のアミン類、塩化第2鉄、塩化第2銅等の高原子価金属塩等が挙げられ、これらの使用量は通常、原料固形分に対し、1〜5000ppmである。
界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びノニオン系界面活性剤等から選択された1種以上である。
【0051】
アルキル硫酸ナトリウムにおけるアルキル基としては、炭素数が10〜30のものが好ましく、炭素数が12〜18のものが更に好ましい。このアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。これらのアルキル基は2種以上併用してもよい。
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムにおけるアルキル基としては、炭素数が10〜20のものが好ましく、炭素数が10〜16のものが更に好ましい。このアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。これらのアルキル基は2種以上併用してもよい。
【0052】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポチオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等があげられるが、中でもポリオキシエチレンアルキルエーテルであることが好ましい。
【0053】
界面活性剤の量は、樹脂100重量部に対し好ましくは0.5−30重量部である。これより少ない場合には、安定なエマルジョンが得られず、またこれを越える場合には、粘度が高すぎたり、プライマーとして使用するときの接着性能を阻害する。
[架橋剤(E)]
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の強度、柔軟性、密着性、耐溶剤性等をより向上させるために、各種架橋剤(E)及び必要に応じて他の樹脂を配合して架橋塗膜を得ることができる。架橋剤(E)としてはポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ化合物、シラン化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としてはp−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等、及びこれらの3量体、水付加物、又はこれらの低分子量ポリオール付加物等が挙げられる。架橋剤の添加量は印刷インキバインダー中に樹脂成分に対して架橋剤の量が5〜30部程度になることが好ましい。
【0054】
アミノ樹脂としてはメラミン、ベンゾグアナミン、尿素等を用いることができる。
また、エポキシ化合物としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、シラン化合物としてはアセトキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシムシラン、アミノシラン、アミノキシシラン等が挙げられる。
【0055】
金属キレート化合物としてはTi、Zr、Al等のアルコキシド、アセチルアセトナート、アシレート等が挙げられる。
併用される他の樹脂は前記変性ウレタン系樹脂に対してある程度の相溶性を有するものであれば通常の印刷インキ用等に用いられる公知の樹脂でよい。かかるポリマーとしてはアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。該樹脂の添加比率は50重量%未満が好ましい。添加比率が大きすぎると本発明に用いられる変性ウレタン系樹脂による効果が低下する傾向にある。
【0056】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂など種々のプラスチックや紙、金属など、種々の基材に対して密着性のよい被膜を形成することができる。従って本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物は、この特性を生かして活性エネルギー線硬化性印刷インキ、塗料、接着剤などとして用いられる。
【0057】
本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物を印刷インキとして用いる場合、着色剤としては、染料、顔料などが好適に用いられるが、中でもベンチジンエロー、ハンザエローおよびレーキロッドR46などの不溶性アゾ、レーキロッドC、カーミン6Bおよびボルドー10などの溶性アゾ、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーンなどの銅フタロシアニン系顔料、ローダミンレーキおよびメチルバイオレットレーキなどの塩基性染め付けレーキ、キノリンレーキおよびファストスカイブルーなどの酸性染め付けレーキ、アリザリンレーキなどの媒染々料系顔料、アンスラキノン系、チオインジゴ系およびペリノン系などの建染々料系顔料、シンカシアレッドBなどのキナクリドン系顔料、ジオキサジン・バイオレットなどのジオキサジン系顔料、クロモフタールなどの縮合アゾ系顔料などが挙げられ、無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメートおよびモリブデート・オレンジなどのクロム酸塩、紺青などのフェロシアン化合物、チタン白、亜鉛華、マピコエロー、鉄黒、ベンガラおよび酸価クロムグリーンなどの金属酸化物、カドミウムエロー、カドミウムレッドおよび硫化水銀などの硫化物セレン化合物、硫酸バリウムおよび硫化鉛などの硫酸鉛、ケイ酸カルシウムおよび群青などのケイ酸塩、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、アルミニウム粉、金粉、銀粉およびシンチュウ粉などの金属粉末、パール顔料などが挙げられ、体質顔料としては、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ご粉、セッコウ、アルミナ白、クレー、シリカ、シリカ白、タルク、ケイ酸カルシウムおよび沈降性炭酸マグネシウムなどが挙げられ、さらにはカーボンブラックや磁性粉なども着色剤として使用することができる。これら着色剤は、2種以上を併用することもできる。また、インク中における固形分濃度は特に制限されず、作業性を考慮して適宜決定されればよいが、通常は15〜60重量%である。また、本発明の印刷インキ組成物の粘度は、23℃において通常10〜10万mPa・s、好ましくは50〜1万mPa・sが実用上好適である。
【0058】
この組成物からなるインクをオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、感熱転写方式、溶融転写方式、昇華感熱転写方式、インクジェット方式などを用いて基材上に印刷し、印刷インキを乾燥した後、活性エネルギー線を照射し、印刷インキを硬化させればよい。塗料、蒸着用アンカーコート材、表面保護材などとして用いる場合には、この組成物を、バーコータ、スピンコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ロールコータなどを用いて基材上に塗布乾燥した後、必要に応じてトップ層を積層し、活性エネルギー線を照射して硬化させればよい。例えば、基材の耐磨耗性を向上させるための表面保護材として基材の表面に本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の被膜を形成する場合には、乾燥後の厚さが下限値が通常、1μm以上、好ましくは3μm以上、上限値が通常15μm以下となるように基材にこの組成物を塗布し、乾燥したのち、紫外線、電子線、放射線等の活性エネルギー線、好ましくは電子線を照射して硬化させればよい。
【0059】
このように本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物をインク、塗料、接着剤、表面保護材などとして用いると、基材上に本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の層が形成された積層体の状態となる。この場合、基材の形状は特に限定されない。また、活性エネルギー線硬化性組成物の層の厚さは、下限値が通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上であり、上限値が通常、200μm以下、好ましくは100μm以下である。特に、インクまたは塗料として用いた場合は、下限値が通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、上限値が通常、100μm以下、好ましくは50μm以下である。アンカーコート材として用いた場合は、下限値が通常1μm以上、好ましくは2μm以上であり、上限値が通常50μm以下、好ましくは10μm以下である。
【0060】
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の用途]
本発明による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を印刷インキ用バインダ−として用いる場合、印刷層の形成方法としては、例えば、前記変性ウレタン樹脂を公知の有機溶剤に溶解し、架橋剤を配合した混合物を塗布し、通常50〜200℃で数秒間〜数時間加熱することによって行われる。この際、架橋反応を促進するために系内に各反応系に合った触媒を添加してもよい。用いられる触媒としては通常用いられる公知のものでよい。例えば、ポリイソシアネート化合物を用いた場合には3級アミン、有機錫化合物等、エポキシ化合物を用いた場合3級アミン、フェノール等、シラン化合物では有機酸、有機錫化合物等が挙げられる。
【0061】
本発明の積層シートに用いられる基材シートとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂など種々のプラスチックや紙、金属などが挙げられる。
また、本発明の積層シートに用いられる印刷層には、必要に応じて充填剤、補強剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、離型剤、防黴剤等の添加剤を配合することができる。充填剤や補強剤の例としてはカーボンブラック、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ガラス、骨粉、木粉、繊維フレーク等、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、安定剤としては酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤等、難燃剤としてはクロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネートアンモニウムポリホスフェート有機臭素化合物等、離型剤としてはワックス、石鹸類、シリコンオイル等、防黴剤としてはペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、ビス(トリ−n−ブチルチン)オキシド等が挙げられる。印刷層の厚さは、0.1〜50μm程度であり、複数層を有していても良い。
【0062】
さらに、上記の積層シートに、表面層としてトップコート層などを施すことも可能である。これらのトップコート層には二液硬化型のアクリルウレタン樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を使用することができる。本質的には、印刷層に本発明に記載の変性ウレタン樹脂を印刷インキバインダーとして用いさえすれば積層シートの積層順序は特に限定されるものではない。
【0063】
基材と印刷層などの密着性をより高めるために層間にプライマー層、接着剤層を設けることも可能である。この際用いられる材料にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系及びポリエステル樹脂系等の材料が好ましい。印刷模様は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷方法により形成することができる。
【0064】
【実施例】
以下に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<変性ウレタン樹脂(A1)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート1267.7部とMEK2808.5部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度500mPa・sであった。
<変性ウレタン樹脂(A2)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート2957.7部とMEK5947.1部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度120mPa・sであった。
<変性ウレタン樹脂(A3)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート543.3部とMEK1463.2部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度1800mPa・sであった。
<比較樹脂(B1)製造法1>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート45.1部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2090、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1のカーボネートジオール、水酸基価6.1KOHmg/g)183.3gを滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK600部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン16.2部、イソプロパノール150部の溶液を約1時間で滴下した。さらにアミノエチルプロパンジオール2.8部を添加して末端を封鎖した。得られたウレタン樹脂は樹脂固形分25%、粘度400mPa・sであった。
<比較樹脂(B2)製造法2>
メチルメタクリレート1520部、ヒドロキシエチルメタクリレート118部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られたアクリル樹脂は樹脂固形分35%、粘度500mPa・sであった。
<活性エネルギー線硬化性化合物(C1)合成例>
温度計、撹拌器、滴下ロート、冷却管などを取り付けた四つ口フラスコにIPDI三量体T−1890(65%、酢酸セロソルブ/トルエン=1:3、NCO%10.0−10.5%)50部とジブチル錫ジラウレート0.025部とハイドロキノンモノメチルエーテル0.015gを加え、内温を40℃にした後、2−ヒドロキシエチルアクリレート26.1部を徐々に滴下し、更に50−60℃で4時間反応を行い、アクリレート基とイソシアヌレート環を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B1)を得た。この樹脂の赤外吸収スペクトルには2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失し、1720cm−1及び1440cm−1のイソシアヌレート環の吸収が存在した。
【0065】
<比較活性エネルギー線硬化性化合物(D1)合成例>
温度計、撹拌器、滴下ロート、冷却管などを取り付けた四つ口フラスコにHMDI三量体(日本化成製)50部とジブチル錫ジラウレート0.025部とハイドロキノンモノメチルエーテル0.015gを加え、内温を40℃にした後、2−ヒドロキシエチルアクリレート34.5部を徐々に滴下し、更に50−60℃で4時間反応を行い、アクリレート基とイソシアヌレート環を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B2)を得た。この樹脂の赤外吸収スペクトルには2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失し、1720cm−1及び1440cm−1のイソシアヌレート環の吸収が存在した。
<実施例1〜7及び比較例1〜4>
表−1に示す配合に従い、樹脂と活性エネルギー線硬化性物質を調整し、活性エネルギー線硬化性材料を得た。
「FA−731A」:日立化成工業(株)製、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
「NY710A」:三菱化学(株)製、マイテックNY710A、トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加体
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた組成物のタック性試験、密着性試験、ゲル分率測定試験を以下の方法により従い実施した。活性エネルギー線硬化はいずれも、ENERGI SCIENCES INC.製の電子線硬化装置ELECTROCURTAINを用い、酸素濃度100ppm以下の雰囲気にて、照射強度5Mrad、加速電圧175kVで行った。また、実施例6での熱硬化は80℃下で24時間行った。結果を表−1に示す。
【0066】
<タック性試験>電子線照射前の乾燥塗膜の指触タック性を3段階(◎:タック全くなし、○:タックほとんど無し、△:若干タックあり、×:タックあり)で評価した。
<ゲル分率測定>
実施例1〜7および比較例1〜4において得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ、ドクターブレード(300μm)を用いてポリエチレンフィルムに塗布し、80℃下で24時間乾燥後、電子線硬化を行った。得られた硬化物が10重量%となるようにメチルエチルケトンを添加し、室温で3時間放置後、残存塗膜を取り出し、80℃で12時間乾燥して残存率を算出し、ゲル分率とした。
【0067】
<印刷インキ組成物の製造>
得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ、下記の配合でガラスビーズを用いてペイントシェーカーにて練肉し、印刷インキ組成物を調製した。
活性エネルギー線硬化性組成物 48部
酸化チタン(石原産業(株)製TIPAQUE、R−830) 30部
トルエン 12部
メチルエチルケトン 5部
イソプロパノール 5部
<印刷インキの各種基材との密着性試験>
得られた印刷インキ組成物をバーコーター(No.8)を用いて、コロナ放電処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、コロナ放電処理ナイロンフィルム(Ny)の各基材にそれぞれ展色した。展色物を80℃下で1時間乾燥し、電子線硬化を行った後、ニチバン(株)製粘着テープ セロテープ(商品名)を貼り、90°の角度で勢いよく剥離して、展色部分における剥離の度合いを以下の基準によって評価した。
【0068】
◎:全く剥離せず
○:面積80%以上の塗膜が残存
△:面積50%以上〜80%未満の塗膜が残存
×:残存する塗膜面積が50%未満
<印刷インキのアクリルオリゴマーとの密着性試験>
得られた印刷インキ組成物をアクリル板上にバーコーターで12.5μm厚に塗布し、80℃下で1時間乾燥した後、乾燥塗膜上に無黄変型ウレタンアクリレートオリゴマー(三菱化学(株)製、マイテックPR202)をドクターブレードで100μm厚に塗布し、電子線硬化した。得られた積層体にニチバン(株)製粘着テープ セロテープ(登録商標(R))を貼り、90°の角度で勢いよく剥離して、無黄変型ウレタンアクリレートオリゴマー/インキ層間における剥離の度合いを以下の基準によって評価した。
【0069】
◎:全く剥離せず
○:面積80%以上の塗膜が残存
△:面積50%以上〜80%未満の塗膜が残存
×:残存する塗膜面積が50%未満
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、未硬化状態でもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成でき、且つ硬化塗膜を形成した際に強靱性と柔軟性、耐溶剤性を発現することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する。詳しくは、基材上にこの組成物を塗布した場合に、未硬化状態でもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成でき、且つ硬化塗膜を形成した際に強靱性と柔軟性、耐溶剤性を有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から印刷インキ用バインダー等に用いる樹脂として、印刷適性に優れたウレタン樹脂と耐候性の良好なアクリル系樹脂との組み合わせが注目されている。その様な中において、本質的に相溶性を有しないウレタン樹脂とアクリル系樹脂とを相溶化させて利用するための手段として第4級アンモニウム塩基、ピリジウム塩基、スルホン酸基及びスルホン酸塩基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を分子内に有するアクリル系樹脂とを混合し印刷インキとして用いる方法が提案されている。しかしながらこれらの方法では相溶性の範囲が限定され、また一部は対イオンとして塩素を含んでいるなどの理由から実用上は未だ問題があった。
【0003】
そこで、こういった問題を解決する方法として、密着性、印刷適性に優れたウレタン樹脂と耐候性の良好なアクリル系樹脂等とを共重合化した変性ウレタン樹脂を印刷インキ用バインダーとして用いる方法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、例えば上記樹脂を印刷インキ用バインダーとして含む印刷層上に、さらに活性エネルギー線硬化性の保護層などを積層する場合、印刷層と保護層との密着性に劣るという問題があった。
【0004】
一方、活性エネルギー線硬化性組成物は種々の分野で広く用いられているが、ある種の分野では、この組成物で形成された被膜が、乾燥しただけの未硬化状態であってもべとつかない、即ちタックフリーであることが望まれている。例えば活性エネルギー線硬化性インクを用いて多色印刷を行う場合には、印刷面が乾燥状態でべとつかないものであれば、印刷面を乾燥しただけで次々と重ねて印刷し、最後に活性エネルギー線により一括して硬化させることができる。また、基材上に活性エネルギー線硬化性組成物の被膜を形成し、これにエンボス加工を施したのち硬化させる場合にも、被膜形成後に基材を一時的に巻取って保管できるように、被膜が乾燥状態でべとつかないものであることが望まれている。
【0005】
このような乾燥しただけで未硬化状態でもべとつかない活性エネルギー線硬化性組成物はいくつか提案されている。例えば、メラミンアクリル系化合物を硬化性成分とする組成物や、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルと重合性不飽和結合を有する化合物との共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させて得られたアクリル系樹脂を硬化性成分とする組成物等が提案されている。さらに、分子内に1個のカルボキシル基とアクリロイル基を有するアクリレートと分子内にアミノ基単位を有する重合体とを含有する組成物や(特許文献2参照)、融点が40℃以上のイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物で軟化点が40℃以上のものを含有することを特徴とする組成物が提案されている(特許文献3参照)。このように乾燥状態でべとつかない活性エネルギー線硬化性組成物は、従来からいくつか提案されているものの、得られる硬化塗膜の耐屈曲性や柔軟性に劣っているため、使用用途が限定されており、改良が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−334898号公報
【特許文献2】
特開2001−48906号公報
【特許文献3】
特開2001−329031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、例えば印刷インキ用バインダーとして用いた場合、基材および活性エネルギー線硬化性のトップ層との密着性に優れ、硬化前の塗膜はタックフリーであり、かつ印刷適性、耐候性、さらに硬化塗膜の屈曲性や柔軟性、耐溶剤性に優れた樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、柔軟性、印刷適性に優れたウレタン樹脂とノンタック性で耐候性のあるアクリル樹脂等とを共重合化した変性ウレタン樹脂をベースとし、これに特定のエチレン性不飽和化合物を含有させることによって上記問題点を解決することが可能であることに知見し、本発明に到達した。
【0009】
即ち本発明の第1の要旨は、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、に存する。
【0010】
本発明の第2の要旨は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなる印刷インキ用バインダ−、に存する。
本発明の第3の要旨は、少なくとも基材シート及び印刷層からなる積層シートにおいて、印刷層が、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有するものであることを特徴とする積層シート、に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明につき更に詳細に説明する。なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」と、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は「アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基」をそれぞれ意味する。
【0012】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有するものである。
【0013】
[ウレタン樹脂(A)]
<有機ジイソシアネート>
本発明において用いられる有機ジイソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、ω,ω′−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0014】
これらの中で、密着性、機械強度を重視する場合には、MDI 等の芳香族ジイソシアネート、耐候性を重視する場合にはIPDI、水添MDI 等の脂環族ジイソシアネートが好ましい。
<高分子量ポリオール>
高分子量ポリオールとしてはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコンポリオール、ポリアクリルポリオール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては環状エーテルを開環重合して得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。ポリエステルポリオールとしてはジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等)又はその無水物と低分子量ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等)との重縮合によって得られるもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンセバケート等、低分子量ジオールへのラクトンの開環重合によって得られるもの、例えばポリカプロラクトン、ポリメチルバレロラクトン等が挙げられる。ポリエーテルエステルグリコールとしてはポリエステルグリコールに環状エーテルを開環重合したもの、ポリエーテルグリコールとジカルボン酸とを重縮合したもの、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。ポリカーボネートポリオールとしては低分子量ジオールとアルキレンカーボネート又はジアルキルカーボネートとから脱グリコール又は脱アルコールによって得られるポリブチレンカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等が挙げられる。ポリオレフィンポリオールとしてはポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。シリコンポリオールとしてはポリジメチルシロキサンポリオール等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物が挙げられる。これらの中でも耐候性の点からはポリカーボネートポリオール、密着性の点からはポリエステルポリオール及びこれらの混合物が好ましい。高分子量ポリオールの分子量は下限値が、通常、200以上、好ましくは、500以上であり、上限値が、通常、10000以下、6000以下である。分子量が小さすぎると柔軟性が乏しく、分子量が大きすぎると密着性が低下する傾向にある。
【0015】
有機ジイソシアネートと高分子量ポリオール反応仕込量はNCO/OHモル比で下限値が、通常、1.01以上、好ましくは1.5以上であり、上限値が、通常、10以下、好ましくは5以下である。この比が小さすぎるとハードセグメント量が少なく耐摩耗性が低い傾向がある。一方、大きすぎると溶解性が乏しく、また粘度も高くなりすぎる傾向にある。
【0016】
<1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物>
本発明においては、上記成分に加えて、1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物をウレタン樹脂成分として用いて、ラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂(A)を得ることが好ましい。これにより、後述する変性ウレタン樹脂(C)を、分子構造を制御し安定的に得ることができる。
【0017】
1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物としては、アリルアルコール、アリルアミン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート等、及びこれらのε−カプロラクトン付加物、γ−メチルバレロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物でもよい。中でも2個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有する化合物を用いることにより、ウレタン樹脂主鎖中にペンダント状のラジカル重合性二重結合を導入することができ、ポリウレタン鎖にポリマーがペンダント状にグラフト鎖として導入することが可能となり、ウレタン樹脂本来の性質を生かして欠点を他のポリマーで補うのに有効である。
【0018】
ラジカル重合性二重結合のウレタン樹脂中における含有量は下限値が、通常、1μeq/g以上、好ましくは10μeq/g以上、さらに好ましくは20μeq/g以上であり、上限値が、通常、200μeq/g以下、好ましくは、150μeq/g以下、100μeq/g以下である。二重結合の含有量が少なすぎると相溶性が不十分で溶液性状、塗膜性状が不良となる場合がある。また、二重結合の含有量が多すぎると反応上2官能の比率が高く、ラジカル重合時に3次元化しやすくなる傾向がある。
【0019】
また、ウレタン化反応時、ラジカル重合性二重結合の熱重合を防止するため重合禁止剤を用いることもできる。重合禁止剤としてはメチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、クロラニル等のフェノール系化合物、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等のアミン類、塩化第2鉄、塩化第2銅等の高原子価金属塩等が挙げられる。
【0020】
<鎖延長剤>
鎖延長剤としては、ポリエステルポリオールの原料として用いられる通常、分子量500未満の低分子ポリオール化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノール−A等の芳香族系ジオール、N−メチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等が挙げられる。さらに、2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン等の低分子ジアミン化合物が挙げられる。これら鎖延長剤は2種類以上の混合物として用いることも可能である。また、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール類も一部併用することができる。
【0021】
これらの鎖延長剤の使用量は、通常、ウレタン樹脂(A)中に含有されるイソシアネート基の等量に対し、下限値が通常、5mol%以上、好ましくは40mol%以上であり、上限値が通常、99mol%以下、好ましくは95mol%以下である。
<末端停止剤>
また、必要により使用される末端停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のモノアルコール、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
【0022】
本発明におけるウレタン樹脂の製造は公知の方法に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によって行われる。ウレタン樹脂を製造する際の溶媒としては、通常、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が用いられる。
【0023】
これらの末端停止剤の使用量は、通常、ウレタン樹脂(A)中に含有されるイソシアネート基の当量に対し、下限値が通常95mol%以上、好ましくは100mol%以上であり、上限値が通常300mol%以下、好ましくは120mol%以下である。
<ウレタン樹脂(A)の製造方法>
本発明に用いられる変性ウレタン樹脂は公知の種々の方法を適用することができる。例えば、特開2000−334898号公報等に記載されるようにラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和単量体をグラフト共重合する方法、特開平5−262846号公報などに記載されるように活性水素を有するアクリル系マクロマーをウレタン樹脂に付加重合する方法、特開平2−229873号公報などに記載されるように分子中に少なくとも一個のジアゾ結合を有するウレタン樹脂の存在下でラジカル重合性不飽和単量体を重合する方法等が挙げられる。
【0024】
上記の中でも、ラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和単量体をグラフト共重合する方法が好ましく、具体的には、ポリオールと有機ジイソシアネートおよび(メタ)アクリロイル基を含有するジオール化合物を含む混合物を通常、50〜120℃の温度で1〜24時間程度反応させ、イソシアネート末端ウレタンプレポリマを得、必要に応じて、0〜40℃程度の温度で鎖延長を行った後、ラジカル重合性不飽和単量体と溶剤を添加し、50〜120℃の温度で、1〜24時間程度反応を行い、目的の変性ウレタンを得ることができる。
【0025】
ウレタン樹脂を製造する際の触媒としては通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えばジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン系等が挙げられる。
【0026】
本発明における上記ウレタン樹脂(A)の重量平均分子量としては下限値が、通常、5000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上であり、上限値が、通常、20万以下、好ましくは15万以下、、さらに好ましくは10万以下である。この重量平均分子量が小さすぎると得られる変性ウレタン樹脂の塗膜物性が劣る傾向にある。また、重量平均分子量が大きすぎるとアクリル成分との相溶性が乏しく、溶液性状が低下する。さらに溶液粘度が高くなるため塗装作業性が劣る傾向にある。
【0027】
[ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)]
本発明で用いられるラジカル重合性不飽和単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル系モノマー等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。ラジカル重合性不飽和単量体の選択は求められる要求に合わせて行う。例えば、塗膜の強度、耐溶剤性等を向上させるためには、後述の架橋剤と反応し得る反応基を有する、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのラジカル重合性不飽和単量体を用い、得られた樹脂に架橋剤を添加するとよい。
【0028】
さらに上記ラジカル重合性不飽和単量体のラジカル重合物をウレタン樹脂原料と反応することによっても共重合することが可能である。例えば、特開平5−262847号公報では、2つの水酸基及び1つのメルカプト基を有するメルカプタン系連鎖移動剤を用いて末端ジヒドロキシマクロモノマーを有機ジイソシアネート化合物と反応する方法が記載されている。この場合のメルカプタン系連鎖移動剤としては1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、チオグリセリン、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。また、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のラジカル重合性不飽和結合とイソシアネート基とを有するモノマーを予め重合しマクロマーとして用いることも可能である。
【0029】
この場合のウレタン化反応可能な官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体の重合物の重合方法は通常の溶液重合法により、窒素等の不活性ガス気流下、有機溶媒中、重合開始剤を添加し加熱して行われる。用いられる有機溶媒としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0030】
重合時の樹脂固形分は通常、5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%である。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジt−ブチル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の添加量はラジカル重合性モノマーに対して通常、0.001〜10重量%である。また、重合温度は通常、10〜160℃、好ましくは30〜140℃である。
【0031】
ラジカル重合性不飽和単量体の重合物の重量平均分子量は、下限値が、通常、5000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上であり、上限値が、通常、20万以下、好ましくは15万以下、さらに好ましくは、10万以下である。重量平均分子量が小さすぎると得られる塗膜の強度、耐候性が低く、また大きすぎると共重合化した際の溶液粘度が著しく高まるため作業性が低下する傾向がある。
【0032】
[変性ウレタン樹脂(C)]
本発明における変性ウレタン樹脂(C)は、上記ウレタン樹脂(A)とラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)とを、重量比で、下限値が、通常、5/95以上、好ましくは10/90以上、より好ましくは30/70以上、上限値が、通常、90/10以下、好ましくは80/20以下、より好ましくは70/30以下の比率で重合させて得られる。この重量比が小さすぎると得られる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の耐屈曲性や柔軟性が小さくなり、また大きすぎるとタック性が発現する傾向にある。
【0033】
重合は通常の溶液重合法により、窒素等の不活性ガス気流下、有機溶媒中、重合開始剤を添加し加熱して行われる。用いられる有機溶媒としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
【0034】
重合時の樹脂固形分は通常、5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%である。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジt−ブチル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の添加量はラジカル重合性モノマーに対して通常、0.001〜10重量%である。また、重合温度は10〜160℃、好ましくは30〜140℃である。
【0035】
上記変性ウレタン樹脂の重量平均分子量は、下限値が、通常、10000以上、好ましくは15000以上、さらに好ましくは20000以上であり、上限値が、通常、40万以下、好ましくは20万以下、さらに好ましくは15万以下である。重量平均分子量が小さすぎると、機械的強度、耐候性が低く、また大きすぎると溶液粘度が著しく高まるため作業性が低下する傾向にある。
【0036】
[多官能(メタ)アクリレート化合物(D)]
本発明に用いる多官能(メタ)アクリレート化合物(D)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリオキシプロピル(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ビルフェノールFジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFエポキシジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
中でも、イソシアヌレート環を含有する化合物が好ましく、具体的にはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートが好ましい。
また、炭化水素環に結合したイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反応生成物との反応物を用いてもよい。
【0038】
炭化水素環に結合したイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とは、いわゆるイソシアネート化合物又はその誘導体であり、例えばウレタン樹脂(A)の合成で用いられるイソシアネート化合物が挙げられる。
イソシアネート化合物の誘導体としては、通常、イソシアヌレート環を形成するようにイソシアネート化合物を三量化したイソシアネートの三量体、イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応物、イソシアネートの三量体と活性水素含有化合物との反応物などが用いられる。イソシアネート化合物と反応させる活性水素含有化合物としては、通常、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物などを用いることができ、特に水酸基含有化合物が好ましく用いられる。
【0039】
水酸基含有化合物としては、ウレタン樹脂製造の際に用いたような高分子量ポリオールや低分子量ポリオールを使用することができる。
またアミノ基含有化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン等が挙げられる。また、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコールも活性水素含有化合物として用いることができる。
【0040】
イソシアネート化合物やその三量体と活性水素含有化合物との反応は、通常10〜90℃の範囲で行われる。反応は無触媒でも進行するが、ジブチル錫ジラウレートやジブチル錫ジオクトエート等の有機錫系触媒、オクタン酸鉛等の有機鉛系触媒、あるいはトリエチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン系化合物の触媒を使用してもよい。触媒を用いるとより短時間で反応が進行する。反応の進行は、イソシアネート基含有量の測定により追跡することができる。目標とするイソシアネート基含有量に到達した時点で冷却を行い、反応を停止させる。
【0041】
反応は無溶媒で行っても、溶媒を用いて行ってもよい。溶媒を用いると、一般的に、反応の制御が容易であり、かつ反応生成液の粘度を調節できる。溶媒としてはこの種の反応に通常用いられる不活性溶媒、たとえばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが用いられる。
【0042】
(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシアネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物(以下「(メタ)アクリル化合物」と略記することがある)としては、(メタ)アクリル酸そのものや、(メタ)アクリル酸とポリヒドロキシ化合物との水酸基を有する反応生成物であるヒドロキシエステル、更にはこのヒドロキシエステルの水酸基に更に、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、カプロラクトン等を付加させたり、ポリカルボン酸無水物を反応させるなどして活性水素基としての水酸基をカルボキシル基に変化させた化合物などが挙げられる。
【0043】
具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレートや、これらのカプロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物、エチレンオキシド・プロピレンオキシド付加物などが挙げられる。また上記のヒドロキシ(メタ)アクリレートに、カルボン酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸などを反応させたペンタエリスリトールトリアクリレートコハク酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートコハク酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートマレイン酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートマレイン酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールトリアクリレートフタル酸モノエステル、ペンタエリスリトールトリアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートテトラヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。
中でも、イソホロンジイソシアネートの三量体とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物が好ましい。
【0044】
本発明において用いられる、多官能(メタ)アクリレート化合物(D)としては、上述した中でも、イソシアヌレート環を含有する化合物が好ましく、中でも、脂環族ジイソシアネート、好ましくはイソホロンジイソシアネートの三量体と活性水素含有(メタ)アクリレート化合物との反応物がより好ましく用いられる。
【0045】
イソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物との反応は、前述の脂環式イソシアネート化合物やその三量体と活性水素含有化合物との反応と同様にして行うことができる。好ましくは溶媒を用いて、反応液中における反応生成物の濃度が30〜80重量%となるようにし、かつ反応原料に対して0.01〜0.1重量%の有機錫系触媒の存在下に50〜80℃で反応させる。イソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物との仕込比率は、イソシアネート化合物のイソシアネート基1モルに対し、これと反応し得る(メタ)アクリル化合物の官能基が0.5モル以上、特に1モル以上となるようにするのが好ましい。反応時間は通常3〜8時間程度であるが、分析により反応液中のイソシアネート基の含有量を追跡し、これが目標値に達した時点で反応を停止させるのが好ましい。
【0046】
本発明に係る多官能(メタ)アクリレート化合物は、軟化点が40℃以上であることが好ましく、80℃以上であるものがより好ましい。軟化点が低すぎると、未硬化状態での乾燥被膜にタック性が発現する傾向にある。
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物]
多官能(メタ)アクリレート化合物(D)の変性ウレタン樹脂(C)に対する含有量は、下限値が、通常1重量部以上、好ましくは、5重量部以上であり、上限値が、通常、60重量部以下、好ましくは、30重量部以下である。この量が多すぎると塗膜の柔軟性が低下する傾向があり、少なすぎると、活性エネルギー線硬化性に劣る傾向がある。
【0047】
多官能(メタ)アクリレート化合物(D)及び変性ウレタン樹脂(C)は、それぞれ一種を用いても良いし、または二種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上述のイソシアネート化合物と(メタ)アクリル化合物の反応生成物の他に、硬化性組成物として通常用いられる反応性単官能モノマー、光重合開始剤、重合禁止剤、界面活性剤などを含有していてもよい。
【0048】
反応性単官能モノマーとしては、複素環式エチレン性不飽和化合物、複素環式エチレン性不飽和化合物〔例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル複素環化合物、モルホリン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アクリレートなど〕、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルフォルムアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート〔例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど〕、N,N′−ジメチルアクリルアミド、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、アルキルフェノキシエチル(メタ)アクリレート〔例えば、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、フェノキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート〔例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなど〕、クミルフェノール(ポリ)アルキレン(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、シクロアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど〕、アラルキル(メタ)アクリレート〔例えば、ベンジル(メタ)アクリレートなど〕、架橋脂環式炭化水素基を有するジ(メタ)アクリレート〔例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど〕、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート〔例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリセリン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど〕、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕アッシドフォスフェート、ハロゲン含有(メタ)アクリレート〔例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなど〕などが挙げられる。
【0049】
光重合開始剤としては、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどを用いることができる。光重合開始剤の添加量は、溶媒以外の組成物成分100重量%あたり、通常0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%である。光重合開始剤の割合が少なすぎると光硬化性が不十分となる傾向となり、多すぎると得られる硬化物の硬度等の特性が低下する傾向となる。溶媒としては、イソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応に関する説明において例示したような、いわゆる不活性溶媒を用いることができる。
【0050】
重合禁止剤としては、メチルハイドロキノン、t−ブチルカテコール、クロラニル等のフェノール系化合物、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等のアミン類、塩化第2鉄、塩化第2銅等の高原子価金属塩等が挙げられ、これらの使用量は通常、原料固形分に対し、1〜5000ppmである。
界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びノニオン系界面活性剤等から選択された1種以上である。
【0051】
アルキル硫酸ナトリウムにおけるアルキル基としては、炭素数が10〜30のものが好ましく、炭素数が12〜18のものが更に好ましい。このアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。これらのアルキル基は2種以上併用してもよい。
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムにおけるアルキル基としては、炭素数が10〜20のものが好ましく、炭素数が10〜16のものが更に好ましい。このアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。これらのアルキル基は2種以上併用してもよい。
【0052】
ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポチオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等があげられるが、中でもポリオキシエチレンアルキルエーテルであることが好ましい。
【0053】
界面活性剤の量は、樹脂100重量部に対し好ましくは0.5−30重量部である。これより少ない場合には、安定なエマルジョンが得られず、またこれを越える場合には、粘度が高すぎたり、プライマーとして使用するときの接着性能を阻害する。
[架橋剤(E)]
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の強度、柔軟性、密着性、耐溶剤性等をより向上させるために、各種架橋剤(E)及び必要に応じて他の樹脂を配合して架橋塗膜を得ることができる。架橋剤(E)としてはポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、エポキシ化合物、シラン化合物、金属キレート化合物等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としてはp−フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等、及びこれらの3量体、水付加物、又はこれらの低分子量ポリオール付加物等が挙げられる。架橋剤の添加量は印刷インキバインダー中に樹脂成分に対して架橋剤の量が5〜30部程度になることが好ましい。
【0054】
アミノ樹脂としてはメラミン、ベンゾグアナミン、尿素等を用いることができる。
また、エポキシ化合物としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。
さらに、シラン化合物としてはアセトキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシムシラン、アミノシラン、アミノキシシラン等が挙げられる。
【0055】
金属キレート化合物としてはTi、Zr、Al等のアルコキシド、アセチルアセトナート、アシレート等が挙げられる。
併用される他の樹脂は前記変性ウレタン系樹脂に対してある程度の相溶性を有するものであれば通常の印刷インキ用等に用いられる公知の樹脂でよい。かかるポリマーとしてはアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。該樹脂の添加比率は50重量%未満が好ましい。添加比率が大きすぎると本発明に用いられる変性ウレタン系樹脂による効果が低下する傾向にある。
【0056】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂など種々のプラスチックや紙、金属など、種々の基材に対して密着性のよい被膜を形成することができる。従って本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物は、この特性を生かして活性エネルギー線硬化性印刷インキ、塗料、接着剤などとして用いられる。
【0057】
本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物を印刷インキとして用いる場合、着色剤としては、染料、顔料などが好適に用いられるが、中でもベンチジンエロー、ハンザエローおよびレーキロッドR46などの不溶性アゾ、レーキロッドC、カーミン6Bおよびボルドー10などの溶性アゾ、フタロシアニンブルーおよびフタロシアニングリーンなどの銅フタロシアニン系顔料、ローダミンレーキおよびメチルバイオレットレーキなどの塩基性染め付けレーキ、キノリンレーキおよびファストスカイブルーなどの酸性染め付けレーキ、アリザリンレーキなどの媒染々料系顔料、アンスラキノン系、チオインジゴ系およびペリノン系などの建染々料系顔料、シンカシアレッドBなどのキナクリドン系顔料、ジオキサジン・バイオレットなどのジオキサジン系顔料、クロモフタールなどの縮合アゾ系顔料などが挙げられ、無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメートおよびモリブデート・オレンジなどのクロム酸塩、紺青などのフェロシアン化合物、チタン白、亜鉛華、マピコエロー、鉄黒、ベンガラおよび酸価クロムグリーンなどの金属酸化物、カドミウムエロー、カドミウムレッドおよび硫化水銀などの硫化物セレン化合物、硫酸バリウムおよび硫化鉛などの硫酸鉛、ケイ酸カルシウムおよび群青などのケイ酸塩、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、アルミニウム粉、金粉、銀粉およびシンチュウ粉などの金属粉末、パール顔料などが挙げられ、体質顔料としては、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ご粉、セッコウ、アルミナ白、クレー、シリカ、シリカ白、タルク、ケイ酸カルシウムおよび沈降性炭酸マグネシウムなどが挙げられ、さらにはカーボンブラックや磁性粉なども着色剤として使用することができる。これら着色剤は、2種以上を併用することもできる。また、インク中における固形分濃度は特に制限されず、作業性を考慮して適宜決定されればよいが、通常は15〜60重量%である。また、本発明の印刷インキ組成物の粘度は、23℃において通常10〜10万mPa・s、好ましくは50〜1万mPa・sが実用上好適である。
【0058】
この組成物からなるインクをオフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、感熱転写方式、溶融転写方式、昇華感熱転写方式、インクジェット方式などを用いて基材上に印刷し、印刷インキを乾燥した後、活性エネルギー線を照射し、印刷インキを硬化させればよい。塗料、蒸着用アンカーコート材、表面保護材などとして用いる場合には、この組成物を、バーコータ、スピンコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ロールコータなどを用いて基材上に塗布乾燥した後、必要に応じてトップ層を積層し、活性エネルギー線を照射して硬化させればよい。例えば、基材の耐磨耗性を向上させるための表面保護材として基材の表面に本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の被膜を形成する場合には、乾燥後の厚さが下限値が通常、1μm以上、好ましくは3μm以上、上限値が通常15μm以下となるように基材にこの組成物を塗布し、乾燥したのち、紫外線、電子線、放射線等の活性エネルギー線、好ましくは電子線を照射して硬化させればよい。
【0059】
このように本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物をインク、塗料、接着剤、表面保護材などとして用いると、基材上に本発明に係る活性エネルギー線硬化性組成物の層が形成された積層体の状態となる。この場合、基材の形状は特に限定されない。また、活性エネルギー線硬化性組成物の層の厚さは、下限値が通常0.1μm以上、好ましくは1μm以上であり、上限値が通常、200μm以下、好ましくは100μm以下である。特に、インクまたは塗料として用いた場合は、下限値が通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、上限値が通常、100μm以下、好ましくは50μm以下である。アンカーコート材として用いた場合は、下限値が通常1μm以上、好ましくは2μm以上であり、上限値が通常50μm以下、好ましくは10μm以下である。
【0060】
[活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の用途]
本発明による活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を印刷インキ用バインダ−として用いる場合、印刷層の形成方法としては、例えば、前記変性ウレタン樹脂を公知の有機溶剤に溶解し、架橋剤を配合した混合物を塗布し、通常50〜200℃で数秒間〜数時間加熱することによって行われる。この際、架橋反応を促進するために系内に各反応系に合った触媒を添加してもよい。用いられる触媒としては通常用いられる公知のものでよい。例えば、ポリイソシアネート化合物を用いた場合には3級アミン、有機錫化合物等、エポキシ化合物を用いた場合3級アミン、フェノール等、シラン化合物では有機酸、有機錫化合物等が挙げられる。
【0061】
本発明の積層シートに用いられる基材シートとしては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂など種々のプラスチックや紙、金属などが挙げられる。
また、本発明の積層シートに用いられる印刷層には、必要に応じて充填剤、補強剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、離型剤、防黴剤等の添加剤を配合することができる。充填剤や補強剤の例としてはカーボンブラック、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ガラス、骨粉、木粉、繊維フレーク等、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等、安定剤としては酸化防止剤、UV吸収剤、光安定剤等、難燃剤としてはクロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネートアンモニウムポリホスフェート有機臭素化合物等、離型剤としてはワックス、石鹸類、シリコンオイル等、防黴剤としてはペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、ビス(トリ−n−ブチルチン)オキシド等が挙げられる。印刷層の厚さは、0.1〜50μm程度であり、複数層を有していても良い。
【0062】
さらに、上記の積層シートに、表面層としてトップコート層などを施すことも可能である。これらのトップコート層には二液硬化型のアクリルウレタン樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を使用することができる。本質的には、印刷層に本発明に記載の変性ウレタン樹脂を印刷インキバインダーとして用いさえすれば積層シートの積層順序は特に限定されるものではない。
【0063】
基材と印刷層などの密着性をより高めるために層間にプライマー層、接着剤層を設けることも可能である。この際用いられる材料にはウレタン樹脂系、アクリル樹脂系及びポリエステル樹脂系等の材料が好ましい。印刷模様は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等公知の印刷方法により形成することができる。
【0064】
【実施例】
以下に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。
<変性ウレタン樹脂(A1)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート1267.7部とMEK2808.5部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度500mPa・sであった。
<変性ウレタン樹脂(A2)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート2957.7部とMEK5947.1部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度120mPa・sであった。
<変性ウレタン樹脂(A3)製造法>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200.6部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2050R、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=5/5のカーボネートジオール、水酸基価54.2KOHmg/g)1000gとグリセリンモノメタクリレート(ブレンマーGLM、日本油脂(株)製)13.9部、メチルハイドロキノン0.12部を滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK1521.2部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン46.6部、イソプロパノール378.7部の溶液を約1時間で滴下した。さらにモノエタノールアミン6.5部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタクリレート543.3部とMEK1463.2部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られた変性ウレタン樹脂は樹脂固形分35%、粘度1800mPa・sであった。
<比較樹脂(B1)製造法1>
撹拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた四つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート45.1部を仕込み、90℃に加熱し、撹拌しながらポリカーボネートポリオール((株)クラレ製、クラレポリオールC−2090、3−メチル−1,5−ペンタンジオール/1,6−ヘキサンジオール=9/1のカーボネートジオール、水酸基価6.1KOHmg/g)183.3gを滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、MEK600部を添加し60℃で1時間撹拌して希釈した。次に撹拌下イソホロンジアミン16.2部、イソプロパノール150部の溶液を約1時間で滴下した。さらにアミノエチルプロパンジオール2.8部を添加して末端を封鎖した。得られたウレタン樹脂は樹脂固形分25%、粘度400mPa・sであった。
<比較樹脂(B2)製造法2>
メチルメタクリレート1520部、ヒドロキシエチルメタクリレート118部を仕込み窒素気流下、70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)38.0部を3分割して1時間間隔で添加し、さらに10時間反応した。得られたアクリル樹脂は樹脂固形分35%、粘度500mPa・sであった。
<活性エネルギー線硬化性化合物(C1)合成例>
温度計、撹拌器、滴下ロート、冷却管などを取り付けた四つ口フラスコにIPDI三量体T−1890(65%、酢酸セロソルブ/トルエン=1:3、NCO%10.0−10.5%)50部とジブチル錫ジラウレート0.025部とハイドロキノンモノメチルエーテル0.015gを加え、内温を40℃にした後、2−ヒドロキシエチルアクリレート26.1部を徐々に滴下し、更に50−60℃で4時間反応を行い、アクリレート基とイソシアヌレート環を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B1)を得た。この樹脂の赤外吸収スペクトルには2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失し、1720cm−1及び1440cm−1のイソシアヌレート環の吸収が存在した。
【0065】
<比較活性エネルギー線硬化性化合物(D1)合成例>
温度計、撹拌器、滴下ロート、冷却管などを取り付けた四つ口フラスコにHMDI三量体(日本化成製)50部とジブチル錫ジラウレート0.025部とハイドロキノンモノメチルエーテル0.015gを加え、内温を40℃にした後、2−ヒドロキシエチルアクリレート34.5部を徐々に滴下し、更に50−60℃で4時間反応を行い、アクリレート基とイソシアヌレート環を有する活性エネルギー線硬化性化合物(B2)を得た。この樹脂の赤外吸収スペクトルには2250cm−1のイソシアネート基の吸収が消失し、1720cm−1及び1440cm−1のイソシアヌレート環の吸収が存在した。
<実施例1〜7及び比較例1〜4>
表−1に示す配合に従い、樹脂と活性エネルギー線硬化性物質を調整し、活性エネルギー線硬化性材料を得た。
「FA−731A」:日立化成工業(株)製、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
「NY710A」:三菱化学(株)製、マイテックNY710A、トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加体
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた組成物のタック性試験、密着性試験、ゲル分率測定試験を以下の方法により従い実施した。活性エネルギー線硬化はいずれも、ENERGI SCIENCES INC.製の電子線硬化装置ELECTROCURTAINを用い、酸素濃度100ppm以下の雰囲気にて、照射強度5Mrad、加速電圧175kVで行った。また、実施例6での熱硬化は80℃下で24時間行った。結果を表−1に示す。
【0066】
<タック性試験>電子線照射前の乾燥塗膜の指触タック性を3段階(◎:タック全くなし、○:タックほとんど無し、△:若干タックあり、×:タックあり)で評価した。
<ゲル分率測定>
実施例1〜7および比較例1〜4において得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ、ドクターブレード(300μm)を用いてポリエチレンフィルムに塗布し、80℃下で24時間乾燥後、電子線硬化を行った。得られた硬化物が10重量%となるようにメチルエチルケトンを添加し、室温で3時間放置後、残存塗膜を取り出し、80℃で12時間乾燥して残存率を算出し、ゲル分率とした。
【0067】
<印刷インキ組成物の製造>
得られた活性エネルギー線硬化性組成物をそれぞれ、下記の配合でガラスビーズを用いてペイントシェーカーにて練肉し、印刷インキ組成物を調製した。
活性エネルギー線硬化性組成物 48部
酸化チタン(石原産業(株)製TIPAQUE、R−830) 30部
トルエン 12部
メチルエチルケトン 5部
イソプロパノール 5部
<印刷インキの各種基材との密着性試験>
得られた印刷インキ組成物をバーコーター(No.8)を用いて、コロナ放電処理二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、コロナ放電処理ナイロンフィルム(Ny)の各基材にそれぞれ展色した。展色物を80℃下で1時間乾燥し、電子線硬化を行った後、ニチバン(株)製粘着テープ セロテープ(商品名)を貼り、90°の角度で勢いよく剥離して、展色部分における剥離の度合いを以下の基準によって評価した。
【0068】
◎:全く剥離せず
○:面積80%以上の塗膜が残存
△:面積50%以上〜80%未満の塗膜が残存
×:残存する塗膜面積が50%未満
<印刷インキのアクリルオリゴマーとの密着性試験>
得られた印刷インキ組成物をアクリル板上にバーコーターで12.5μm厚に塗布し、80℃下で1時間乾燥した後、乾燥塗膜上に無黄変型ウレタンアクリレートオリゴマー(三菱化学(株)製、マイテックPR202)をドクターブレードで100μm厚に塗布し、電子線硬化した。得られた積層体にニチバン(株)製粘着テープ セロテープ(登録商標(R))を貼り、90°の角度で勢いよく剥離して、無黄変型ウレタンアクリレートオリゴマー/インキ層間における剥離の度合いを以下の基準によって評価した。
【0069】
◎:全く剥離せず
○:面積80%以上の塗膜が残存
△:面積50%以上〜80%未満の塗膜が残存
×:残存する塗膜面積が50%未満
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、未硬化状態でもべたつかない、即ちタックフリーな表面を有する被膜を形成でき、且つ硬化塗膜を形成した際に強靱性と柔軟性、耐溶剤性を発現することができる。
Claims (9)
- 少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤、及び必要に応じて末端停止剤を反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)95〜10重量%と、ラジカル重合性不飽和単量体及び/又はその重合物(B)5〜90重量%とを共重合して得られる変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)を含有してなることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン樹脂(A)が、さらに、1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物を反応させて得られるものである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能(メタ)アクリレート化合物(D)の軟化点が40℃以上である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能(メタ)アクリレート化合物(D)が、イソシアヌレート環を含有するものである、請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能(メタ)アクリレート化合物(D)が、脂環族ジイソシアネートの三量体と活性水素含有(メタ)アクリレート化合物との反応物である請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能(メタ)アクリレート化合物(D)の含有量が、変性ウレタン樹脂(C)に対して1〜60重量部である、請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 変性ウレタン樹脂(C)、及び多官能(メタ)アクリレート化合物(D)に加えて更に架橋剤(E)を含有してなる請求項1〜6のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化樹脂組成物
- 請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有してなる印刷インキ用バインダ−。
- 少なくとも基材シート及び印刷層からなる積層シートにおいて、印刷層に請求項1〜7のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を含有することを特徴とする積層シート。
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