JP2001151847A - 印刷インキバインダー及び印刷インキ - Google Patents
印刷インキバインダー及び印刷インキInfo
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Abstract
し、ポリオレフィン系基材を含めたあらゆる基材への密
着性、耐久性、分散性等の諸物性に優れたポリウレタン
系印刷インキバインダー及び印刷インキを提供する。 【解決手段】 印刷インキバインダーとして用いられる
樹脂の一部又は全部が、以下の(A)〜(D)を反応さ
せて得られるポリウレタン樹脂であって、該ポリウレタ
ン樹脂に対する(A)の含有量が各々固形分換算で70
質量%以上であることを特徴とする印刷インキバインダ
ー、及びこれとポリイソシアネート硬化剤を用いた印刷
インキにより解決する。 (A)数平均分子量1,000〜30,000のアクリ
ルポリオール。 (B)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネ
ートポリオールを含有する長鎖ポリオール。 (C)炭素数20以下の鎖延長剤。 (D)有機ジイソシアネート。
Description
ルムに印刷できるポリウレタン系の印刷インキバインダ
ー及び印刷インキに関するものである。更に詳しくは、
最近の環境問題、すなわち脱ハロゲンに対応し、環境に
優しく、分散性や耐久性等に優れたポリウレタン系印刷
インキバインダー及び印刷インキに関するものである。
特にプラスチックフィルムへのグラビア印刷インキバイ
ンダーを中心にポリウレタン系のものが用いられてい
る。例えば、特開昭58−189272号公報には、特
定の数平均分子量を有するポリカーボネートポリオール
を用いたポリウレタン樹脂からなる印刷インキが提案さ
れている。また、特開平3−296577号公報には、
1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオール
を用いたコポリカーボネートポリオールを用いたポリウ
レタン樹脂からなる印刷インキが提案されている。
レフィンの複合化も検討され、特開昭63−57680
号公報には、ポリウレタン樹脂と特定の官能基を有する
アクリル樹脂とを混合した印刷インキバインダーが提案
されている。特開平4−18470号公報には、塩素化
ポリプロピレンを導入したポリウレタン樹脂からなる印
刷インキバインダーが提案されている。
問題を配慮し、すなわちハロゲン系原料を用いないで、
かつ、ポリオレフィン系基材を含めたあらゆる基材への
密着性、耐久性、分散性等の諸物性に優れたポリウレタ
ン系印刷インキバインダー及び印刷インキを提供するこ
とを目的とする。
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、アクリルポリオール及
び長鎖ポリオールにポリカーボネートポリオールを用い
たポリウレタン樹脂が、前記課題を解決できることを見
いだし、本発明を完成させるに至った。
である。 (1) 印刷インキバインダーとして用いられる樹脂の
一部又は全部が、以下の(A)〜(D)を反応させて得
られるポリウレタン樹脂であって、該ポリウレタン樹脂
に対する(A)の含有量が各々固形分換算で70質量%
以上であることを特徴とする印刷インキバインダー。 (A)数平均分子量1,000〜30,000のアクリ
ルポリオール。 (B)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネ
ートポリオールを含有する長鎖ポリオール。 (C)炭素数20以下の鎖延長剤。 (D)有機ジイソシアネート。
ーに対して、ポリイソシアネート硬化剤を1〜20質量
%用いることを特徴とする印刷インキ。
キバインダーに用いられる原料について説明する。
ールは、数平均分子量1,000〜30,000が好ま
しく、更には1,500〜28,000が好ましい。水
酸基価は3〜120mgKOH/gが好ましく、更に
は、3.5〜115mgKOH/gである。平均官能基
数(1分子当たりの水酸基の数)は1〜2.2が好まし
く、更には1.5〜2が好ましい。 (A)アクリルポリオールの数平均分子量が上限を越え
る場合は、得られるポリウレタン樹脂が硬くなりすぎて
密着性が低下しやすい。また、下限未満の場合は、得ら
れるポリウレタン樹脂の耐ブロッキング性が低下しやす
い。平均官能基数が下限未満の場合は、得られるポリウ
レタン樹脂の分子量が小さくなりやすく、インキ層の機
械的強度が低下しやすい。また、上限を越える場合は、
ポリウレタン樹脂の製造時においてゲル化しやすい。
結合含有化合物(アクリルモノマー)の重合反応によっ
て得られる。このアクリルモノマーとしては、アクリル
酸アルキル、アクリル酸シクロアルキル、アクリル酸フ
ェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル等
のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸アルキル、メ
タアクリル酸シクロアルキル、メタアクリル酸フェニ
ル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸グリシジ
ル等のメタアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピ
オン酸ビニル等のビニルエステル系化合物、ビニルメチ
ルエーテル等のビニルアルキルエーテル、ビニルシクロ
ヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベ
ンジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のビニル
エーテル系化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のビニルシアニド系化合物類、スチレン、ビニ
ルトルエン、α−メチルスチレン等のエチレン性不飽和
二重結合含有芳香族化合物類、マレイン酸ジアルキル等
のマレイン酸ジエステル類、フマル酸ジアルキル等のフ
マル酸ジエステル類、イタコン酸ジメチル等のイタコン
酸ジエステル類、N,N−ジメチルアクリルアミド等の
ジアルキルアクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、
2−ビニルピリジン等の複素環ビニル化合物類等、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン付
加物、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートのβ−メ
チル−バレロラクトン付加物、グリセロールモノアクリ
レート、グリセロールジアクリレート等のアクリレート
類、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタアクリレート、ポリエチレングリコール
モノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのε
−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートのβ−メチル−バレロラクトン付加物、グリセ
ロールモノメタクリレート、グリセロールジメタクリレ
ート等のメタクリレート類、アリルアルコール、グリセ
ロールモノアリルエーテル、グリセロールジアリルエー
テル等のアリル化合物類等が挙げられる。これらの中で
好ましいものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロ
ラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのβ−メチル
−バレロラクトン付加物等の活性水素基含有のエチレン
性不飽和モノマー類が挙げられる。本発明で使用される
アクリルポリオールは、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートから選択さ
れるアクリルモノマー、及び、メチルアクリレート及び
メチルメタクリレートから選択されるアクリルモノマー
の2グループのアクリルモノマーを必須成分としている
ものが好ましい。
ールのウレタン樹脂に対する含有量は、各々固形分換算
で70質量%以上であり、更には75〜95%が好まし
い。アクリルポリオール含有量が下限未満の場合は、得
られるインキの耐候性等が悪くなる。
は、数平均分子量が500〜3,000、好ましくは7
00〜2,800であるポリカーボネートポリオールを
含有するものである。本発明では、長鎖ポリオールに対
して、ポリカーボネートポリオールの含有量は70質量
%以上(更には80質量%以上)が好ましく、特にポリ
ウレタン樹脂に対する含有量としたときは、5〜25質
量%が最も好ましい。また、このポリカーボネートポリ
オールは、実質的平均官能基数が2〜5であることが好
ましく、更には2〜3であることが好ましい。 (B)長鎖ポリオールの数平均分子量が下限未満の場合
は、得られるポリウレタン樹脂を溶液としたときの粘度
が高くなりすぎ、このため印刷適性が悪くなりやすい。
上限を越える場合は、印刷被膜の機械的強度が悪くなり
やすい。また、実質的平均官能基数がこの範囲外の場合
は、印刷被膜の機械的強度が低くなりやすい。なお、本
発明において「実質的平均官能基数」とは、後述する低
分子ポリオールの官能基数と低分子カーボネートの仕込
み比から算出される理論官能基数である。
オールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
2−エチル−4−ブチル−1,3−プロパンジオール、
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー
酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドや
プロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエ
チル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低
分子ポリオール類の1種類以上と、エチレンカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等
の低分子カーボネートとの脱アルコール反応や脱フェノ
ール反応から得られるものである。本発明において、好
ましいポリカーボネートポリオールは、炭素数2〜10
の低分子ジオールから得られるポリカーボネートポリオ
ールであり、1,6−ヘキサンジオールから誘導された
ポリカーボネートポリオールが、最も入手しやすいので
特に好ましい。
分子量が500〜3,000であれば、上記のポリカー
ボネートポリオール以外の長鎖ポリオール(以下、その
他の長鎖ポリオールと略称する)、例えば、ポリエステ
ルポリオール、ポリアミドエステルポリオール、ポリエ
ーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、
ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、ダイ
マー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸系ポリオール
等を併用してもよい。また、数平均分子量が500〜
3,000で、かつ、1分子中に活性水素基を平均1個
以上有するものであれば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹
脂、ポリビニルアルコール等の活性水素基含有樹脂も併
用してもよい。その他の長鎖ポリオールの使用量は、
(B)長鎖ポリオールにおける含有量として、30質量
%以下が好ましい。
素数20以下で、かつ、活性水素基を1分子中に2個以
上有するものである。具体的には前述のポリエステルポ
リオールに用いられる低分子ポリオールや、N−メチル
ジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミ
ン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジ
アルカノールアミン類、N−フェニルジエタノールアミ
ン、N−フェニルジプロパノールアミン等のN−アリー
ルジアルカノールアミン類、N−メチルジエタノールア
ミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジ
エタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミ
ン類、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニル
ジプロパノールアミン等のN−アリールジアルカノール
アミン類等の低分子ポリアミン、低分子アミノアルコー
ル等が挙げられる。これらは1種類又は2種類以上の混
合物として使用できる。本発明で好ましい鎖延長剤は、
溶解性が良好で、かつ、耐久性を付与できる脂環族ジオ
ール及び/又は脂環族ジアミンであり、具体的には、シ
クロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール、イソホロンジアミン、水素添加
メチレンビスアニリン、水素添加キシリレンジアミン等
であり、特にシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、
イソホロンジアミンが好ましい。
ネートは、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタ
ンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、
3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジ
イソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、及び、こ
れらの2種類以上の混合物、これらの有機ジイソシアネ
ートのウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア
変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレ
トイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイ
ミド変性体等、から選択されるものである。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、m−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレン
ジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、
p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテル
ジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−
ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−
4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフ
ェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジ
メトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の
芳香族ジイソシアネートや、これらの2種類以上の混合
物、これらの有機ジイソシアネートのウレタン変性体、
アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性
体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシ
アヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を用いるこ
とは、ウレタンコーティング剤の機械的強度は向上す
る。
は、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシ
アネートを50〜100モル%含有するものが好まし
く、特に80〜100モル%のものが好ましい。脂肪族
ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートが
下限未満の場合、印刷被膜が黄変しやすくなり、また、
密着性も低下する。本発明に用いられる(D)有機ジイ
ソシアネートは、脂環族ジイソシアネートが好ましく、
特にイソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニル
メタンジイソシアネートが好ましい。
よい。反応停止剤としては、メタノール、エタノール等
のようなモノアルコール、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ジブチルアミン、モルフォリン等のようなモノアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のア
ミノアルコールが挙げられる。
法は、公知の方法が用いられる。すなわち、(1)活性
水素基成分と有機ジイソシアネートを、活性水素基過剰
の条件で所定分子量に達するまで反応させる方法(ワン
ショット法)、(2)ポリオール成分と有機ジイソシア
ネートを、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、イ
ソシアネート基含有のプレポリマーを得て、次にこのプ
レポリマーを低分子グリコールや低分子ジアミンで鎖延
長させて所定分子量に達するまで反応させる方法(プレ
ポリマー法)等がある。
ができる。この有機溶剤は、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン等
の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系
溶剤、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系溶剤、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト等のセロソルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
一塩基酸エステル系溶剤、アジピン酸ジメチル、コハク
酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等の二塩基酸エステル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン等のイソシアネート基に不活性なも
のであれば特に制限はない。また、条件によっては、イ
ソプロパノールのようなアルコール系溶剤も用いること
ができる。
置としては、上記の反応が達成できればいかなる装置で
もよく、例えば、攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、
一軸又は多軸押出し反応装置等の混合混練装置が挙げら
れる。本発明のコーティング剤用ポリウレタン樹脂の好
ましい合成方法は、溶液中でのプレポリマー法である。
詳しく述べる。ポリウレタン樹脂を製造するに当たっ
て、まず、活性水素基を有する原料を混合し、必要によ
り活性水素基を持たないケトンやエステル、炭化水素系
の溶剤等で適宜希釈する。
シアネートを加え、必要に応じてウレタン化触媒を添加
した後、反応温度を30〜100℃、好ましくは50〜
80℃にて、数時間反応させ、イソシアネート基含有ウ
レタンプレポリマー溶液を合成する。このときのイソシ
アネート基/水酸基のモル比(R値)は1.1〜2.5
が好ましく、特に1.1〜2が好ましい。
れるコーティング剤用ポリウレタン樹脂の耐久性等が低
下する。また、R値が2.5を越える場合は、最終的に
得られる印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂の溶
剤への溶解性や基材への密着性が低下する。
でき、具体的には、ジブチルチンジラウレート、ジオク
チルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチ
レンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその
塩等が挙げられる。
含有ウレタンプレポリマー溶液に、低分子グリコールや
低分子ジアミンのような鎖延長剤及び必要に応じて反応
停止剤を加えて、反応温度を30〜80℃、好ましくは
30〜50℃にて、イソシアネート基が消失するまで鎖
延長反応させることにより、目的とする印刷インキバイ
ンダー用ポリウレタン樹脂が得られる。
ダー用ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、ポリスチレ
ン検量線によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法によって測定されるが、好ましくは5,
000〜100,000であり、特に6,000〜5
0,000が好ましい。数平均分子量が5,000未満
の場合は、耐久性が低下する。数平均分子量が100,
000を越える場合は、印刷適性に劣る。
リウレタン樹脂のガラス転移温度は30〜100℃が好
ましく、更には35〜95℃が好ましい。ガラス転移温
度が下限未満の場合は、機械的強度が不足する。また、
上限を越える場合は、印刷被膜のフレキシビリティが低
下し、割れが生じやすくなる。
は、動的粘弾性におけるE″(損失弾性率)が極大とな
った時の温度であり、その測定条件は、周波数:35H
z、昇温速度:2℃毎分である。
タン樹脂は、耐久性、耐候性、機械的強度が良好である
のはもちろんのこと、顔料分散性も良好であり、特に青
色顔料や赤色顔料等の柄インキに用いられる顔料の分散
性が良好であった。
のポリウレタン樹脂の他に、必要に応じて副バインダー
を用いることができる。この副バインダーに用いられる
樹脂としては、上記以外のポリウレタン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェ
ノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルア
ルコール、硝化綿等が挙げられる。本発明において、副
バインダーの使用量は、バインダー全体の50質量%以
下が好ましい。
バインダーに、必要に応じて、顔料、染料、溶剤、揺変
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散
剤、界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充
填剤等のような添加剤を添加し、混練、分散して製造さ
れたものに、ポリイソシアネート硬化剤を配合したもの
である。
インダー中のポリウレタン樹脂に対して、1〜20質量
%である。(各固形分換算)ポリイソシアネート硬化剤
としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)の商品
で、ヘキサメチレンジイソシアネート変性タイプのコロ
ネート(登録商標)HX、コロネートHL、トリレンジ
イソシアネート変性タイプのコロネートL、コロネート
2030、コロネート2031等が挙げられ、これらは
単独あるいは混合して用いてもよい。
ポリエステルを含めたあらゆる種類のプラスチックフィ
ルムやシートへの密着性に優れ、また、耐久性、耐候
性、機械的強度等に優れたものであった。本発明の印刷
インキは、包装材、建材用のグラビアインキに適してお
り、特に室内装飾用の建材用グラビア印刷インキに適し
ている。
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
「%」は質量%を示す。
み込んだ容量:1000cm3 の反応装置に、ポリオー
ルAを58.6g、MA−01を800.0g仕込み、
均一に攪拌した。このポリオール溶液にIPDIを1
6.6g、DOTDLを0.06部仕込み、70℃にて
3時間反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、IPA
120gとIPDA4.7gとMEA0.2gとを混合
したアミン液を一気に加え、40℃で、FT−IRによ
るイソシアネート基のピークが消失するまで鎖延長反応
させ、印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂PU−
1を得た。PU−1の固形分は40.0%、25℃での
粘度は870mPa・s、数平均分子量は18,00
0、ガラス転移温度は70℃であった。
ルと全イソシアネートを反応させてイソシアネート基末
端プレポリマーを合成し、その後アミン液を仕込んで鎖
延長反応させて、印刷インキバインダー用ポリウレタン
樹脂PU−3〜5、7〜10を得た。なお、PU−10
は、アクリルポリオールのないポリウレタン樹脂とアク
リルポリオールを混合したものである。具体的な仕込
量、合成結果を表1、2に示す。PU−10は、相分離
を起こしてしまい、以後の分析、評価は行わなかった。
g、MA−01を800.0g、CHDMを4.3g仕
込み、均一に攪拌した。このポリオール溶液にIPDI
を16.5g、DOTDLを0.06部仕込み、70℃
にて、FT−IRによるイソシアネート基のピークが消
失するまで反応させた。その後、MIBKを120g仕
込んで希釈して、印刷インキバインダー用ポリウレタン
樹脂PU−2を得た。PU−2の固形分は39.5%、
25℃での粘度は1,800mPa・s、数平均分子量
は24,000、ガラス転移温度は72℃であった。
ダー用ポリウレタン樹脂PU−6を得た。具体的な仕込
量、合成結果を表2に示す。
2における原料を以下に示す。 ポリオールA:1,6−へキサンジオールとジフェニル
カーボネートからなるポリカーボネートジオール 数平均分子量=2,000 ポリオールB:1,6−へキサンジオールとジフェニル
カーボネートからなるポリカーボネートジオール 数平均分子量=1,000 ポリオールC:アジピン酸と1,6−ヘキサンジオール
からなるポリエステルジオール 数平均分子量=2,000 MA−01 :メタクリル酸メチル/2−ヒドロキシエ
チルアクリレート系アクリルポリオール 数平均分子量=6,000 水酸基価=5.6mgKOH/g(固形分100%換
算) 固形分40%のMIBK溶液 CHDM :シクロヘキサン−1,4−ジメタノール IPDI :イソホロンジイソシアネート IPDA :イソホロンジアミン MEA :モノエタノールアミン DOTDL :ジオクチルチンジラウレート MIBK :メチルイソブチルケトン IPA :イソプロパノール 数平均分子量測定方法(アクリルポリオール、ポリウレ
タン樹脂):ポリスチレン検量線によるゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法 ガラス転移温度測定法(ポリウレタン樹脂):ポリエチ
レンテレフタレート(以後、PETと略称する)フィル
ムに、下記条件でポリウレタン樹脂溶液を厚さ:20μ
m(ドライ)になるように塗布し、下記条件で動的粘弾
性を測定し、E″が極大となった時の温度から、ブラン
ク(PETフィルム)の値を差し引くことにより求め
た。 測定条件 周波数:35Hz 昇温速度:毎分2℃ ポリウレタン樹脂のアクリルポリオール含有量:仕込み
量から算出した。
ルに、以下に示す割合で赤インキの原料及び、この原料
の総量と同量のガラスビーズ(直径1〜1.5mm)を
仕込み、2時間分散させ、濾過して赤色印刷インキAを
得た。この印刷インキAの顔料分散安定性、印刷適性、
密着性、耐候性を評価した。
間保管し、インキの状態を観察した。 評価 ○:顔料の沈降、液の分離等の異常が認められない。 ×:顔料の沈降、液の分離等の異常が認められる。
HX(日本ポリウレタン工業(株)製品 ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのアダクト変成ポリイソシアネー
ト)を2.6gの割合で配合した。これを卓上型グラビ
ア印刷機にて、印刷速度:20m/分、インキ厚:1μ
m(ドライ)になるように、厚さ15μmのコロナ放電
処理延伸ポリプロピレン(以後、OPPと略称する)フ
ィルムの放電処理面に印刷し、乾燥後、印刷の状態を観
察した。 評価 ○:印刷面のムラ、ヒケ、版かぶり等が認められない。 ×:印刷面のムラ、ヒケ、版かぶり等が認められる。
gの割合で配合した。これをグラビア印刷機にて、印刷
速度20m/分、インキ厚1μmになるように、厚さ1
5μmのOPPフィルムの放電処理面、厚さ25μmの
コロナ放電処理PETフィルムの放電処理面に印刷し、
1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付け、これ
を急速に剥がした。 評価 ◎:印刷被膜が全く剥がれなかった。 ○:印刷被膜が80%〜100%残存した。 △:印刷被膜が50%〜80%残存した。 ×:印刷被膜が50%以下しか残存しなかった。
gの割合で配合した。これをOPPフィルムの放電処理
面に上記と同様な方法で印刷し、その上にPU−1をそ
のままプライマーにして塗布し、50℃×1分にて溶剤
を飛散させた。その後、厚さ20μmの未処理の未延伸
ポリプロピレンフィルムと重ねて、温度:150℃、
圧:0.2MPaにて貼り合わせた。その後、室温にて
1日静置してから、Q−PANEL社製のQUV試験機
にセットして、以下のサイクルを10回繰り返した後、
剥離強度を測定し、ブランクの剥離強度との物性保持率
で耐久性を評価した。ブランクは、貼り合わせ後1日静
置したものとした。なお、物性保持率は、下記式により
算出した。 物性保持率(%)=暴露後の剥離強度/ブランクの剥離
強度×100 QUV試験機による1サイクルの条件:70℃×8時間
(Dry)+50℃×4時間(Wet) プライマー塗布量:ドライで3g/m2
こと以外は、実施例7と同様の方法でインキを調製し、
同様に評価した。各インキの顔料分散安定性、印刷適
性、密着性、耐候性の評価結果を表3に示す。
レンフィルム PET:厚さ25μmのコロナ放電処理ポリエチレンテ
レフタレートフィルム
性、密着性、耐候性の優れた印刷インキバインダー及び
印刷インキの提供が可能となった。
Claims (2)
- 【請求項1】 印刷インキバインダーとして用いられる
樹脂の一部又は全部が、以下の(A)〜(D)を反応さ
せて得られるポリウレタン樹脂であって、該ポリウレタ
ン樹脂に対する(A)の含有量が各々固形分換算で70
質量%以上であることを特徴とする印刷インキバインダ
ー。 (A)数平均分子量1,000〜30,000のアクリ
ルポリオール。 (B)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネ
ートポリオールを含有する長鎖ポリオール。 (C)炭素数20以下の鎖延長剤。 (D)有機ジイソシアネート。 - 【請求項2】 請求項1記載の印刷インキバインダーに
対して、ポリイソシアネート硬化剤を1〜20質量%用
いることを特徴とする印刷インキ。
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