JP3772341B2 - 印刷インキバインダー及び印刷インキ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の材料のフィルムに印刷できるポリウレタン系の印刷インキバインダーに関するものである。更に詳しくは、最近の環境問題、すなわち脱ハロゲンに対応し、環境に優しく、分散性や耐久性等に優れたポリウレタン系印刷インキバインダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から印刷インキバインダーとして、特にプラスチックフィルムへのグラビア印刷インキバインダーを中心にポリウレタン系のものが用いられている。例えば、特開昭58−189272号公報には、特定の数平均分子量を有するポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタン樹脂からなる印刷インキが提案されている。また、特開平3−296577号公報には、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールを用いたコポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタン樹脂からなる印刷インキが提案されている。
【0003】
また、ウレタンとアクリル、ウレタンとオレフィンの複合化も検討され、特開昭63−57680号公報には、ポリウレタン樹脂と特定の官能基を有するアクリル樹脂とを混合した印刷インキバインダーが提案されている。特開平4−18470号公報には、塩素化ポリプロピレンを導入したポリウレタン樹脂からなる印刷インキバインダーが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、最近の環境問題を配慮し、すなわちハロゲン系原料を用いないで、かつ、ポリオレフィン系基材を含めたあらゆる基材への密着性、耐久性、分散性等の諸物性に優れたポリウレタン系印刷インキバインダーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記事情に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、アクリルポリオール及び長鎖ポリオールにポリカーボネートポリオールを用いたポリウレタン樹脂が、前記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
印刷インキバインダーとして用いられる樹脂の一部又は全部が、以下の(A)〜(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、該ポリウレタン樹脂に対する(A)の含有量が各々固形分換算で70質量%以上であることを特徴とする印刷インキバインダーである。
(A)数平均分子量1,000〜30,000のアクリルポリオール。
(B)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートポリオールを含有する長鎖ポリオール。
(C)炭素数20以下の鎖延長剤。
(D)有機ジイソシアネート。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレタン系印刷インキバインダーに用いられる原料について説明する。
【0009】
本発明で用いられる(A)アクリルポリオールは、数平均分子量1,000〜30,000が好ましく、更には1,500〜28,000が好ましい。水酸基価は3〜120mgKOH/gが好ましく、更には、3.5〜115mgKOH/gである。平均官能基数(1分子当たりの水酸基の数)は1〜2.2が好ましく、更には1.5〜2が好ましい。
(A)アクリルポリオールの数平均分子量が上限を越える場合は、得られるポリウレタン樹脂が硬くなりすぎて密着性が低下しやすい。また、下限未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂の耐ブロッキング性が低下しやすい。
平均官能基数が下限未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂の分子量が小さくなりやすく、インキ層の機械的強度が低下しやすい。また、上限を越える場合は、ポリウレタン樹脂の製造時においてゲル化しやすい。
【0010】
(A)アクリルポリオールは、不飽和二重結合含有化合物(アクリルモノマー)の重合反応によって得られる。このアクリルモノマーとしては、アクリル酸アルキル、アクリル酸シクロアルキル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸アルキル、メタアクリル酸シクロアルキル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸グリシジル等のメタアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系化合物、ビニルメチルエーテル等のビニルアルキルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルベンジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル等のビニルエーテル系化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアニド系化合物類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のエチレン性不飽和二重結合含有芳香族化合物類、マレイン酸ジアルキル等のマレイン酸ジエステル類、フマル酸ジアルキル等のフマル酸ジエステル類、イタコン酸ジメチル等のイタコン酸ジエステル類、N,N−ジメチルアクリルアミド等のジアルキルアクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン等の複素環ビニル化合物類等、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートのβ−メチル−バレロラクトン付加物、グリセロールモノアクリレート、グリセロールジアクリレート等のアクリレート類、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのβ−メチル−バレロラクトン付加物、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールジメタクリレート等のメタクリレート類、アリルアルコール、グリセロールモノアリルエーテル、グリセロールジアリルエーテル等のアリル化合物類等が挙げられる。これらの中で好ましいものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートのε−カプロラクトン付加物、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのβ−メチル−バレロラクトン付加物等の活性水素基含有のエチレン性不飽和モノマー類が挙げられる。
本発明で使用されるアクリルポリオールは、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートから選択されるアクリルモノマー、及び、メチルアクリレート及びメチルメタクリレートから選択されるアクリルモノマーの2グループのアクリルモノマーを必須成分としているものが好ましい。
【0011】
本発明で使用される(A)アクリルポリオールのウレタン樹脂に対する含有量は、各々固形分換算で70質量%以上であり、更には75〜95%が好ましい。アクリルポリオール含有量が下限未満の場合は、得られるインキの耐候性等が悪くなる。
【0012】
本発明で用いられる(B)長鎖ポリオールは、数平均分子量が500〜3,000、好ましくは700〜2,800であるポリカーボネートポリオールを含有するものである。本発明では、長鎖ポリオールに対して、ポリカーボネートポリオールの含有量は70質量%以上(更には80質量%以上)が好ましく、特にポリウレタン樹脂に対する含有量としたときは、5〜25質量%が最も好ましい。また、このポリカーボネートポリオールは、実質的平均官能基数が2〜5であることが好ましく、更には2〜3であることが好ましい。
(B)長鎖ポリオールの数平均分子量が下限未満の場合は、得られるポリウレタン樹脂を溶液としたときの粘度が高くなりすぎ、このため印刷適性が悪くなりやすい。上限を越える場合は、印刷被膜の機械的強度が悪くなりやすい。また、実質的平均官能基数がこの範囲外の場合は、印刷被膜の機械的強度が低くなりやすい。
なお、本発明において「実質的平均官能基数」とは、後述する低分子ポリオールの官能基数と低分子カーボネートの仕込み比から算出される理論官能基数である。
【0013】
本発明に用いられるポリカーボネートポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−4−ブチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上と、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の低分子カーボネートとの脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものである。
本発明において、好ましいポリカーボネートポリオールは、炭素数2〜10の低分子ジオールから得られるポリカーボネートポリオールであり、1,6−ヘキサンジオールから誘導されたポリカーボネートポリオールが、最も入手しやすいので特に好ましい。
【0014】
なお、(B)長鎖ポリオールには、数平均分子量が500〜3,000であれば、上記のポリカーボネートポリオール以外の長鎖ポリオール(以下、その他の長鎖ポリオールと略称する)、例えば、ポリエステルポリオール、ポリアミドエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオール、ダイマー酸系ポリオール、水素添加ダイマー酸系ポリオール等を併用してもよい。また、数平均分子量が500〜3,000で、かつ、1分子中に活性水素基を平均1個以上有するものであれば、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ポリビニルアルコール等の活性水素基含有樹脂も併用してもよい。
その他の長鎖ポリオールの使用量は、(B)長鎖ポリオールにおける含有量として、30質量%以下が好ましい。
【0015】
本発明で使用される(C)鎖延長剤は、炭素数20以下で、かつ、活性水素基を1分子中に2個以上有するものである。具体的には前述のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールや、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン類、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン等のN−アリールジアルカノールアミン類、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン類、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン等のN−アリールジアルカノールアミン類等の低分子ポリアミン、低分子アミノアルコール等が挙げられる。これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用できる。本発明で好ましい鎖延長剤は、溶解性が良好で、かつ、耐久性を付与できる脂環族ジオール及び/又は脂環族ジアミンであり、具体的には、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、イソホロンジアミン、水素添加メチレンビスアニリン、水素添加キシリレンジアミン等であり、特にシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、イソホロンジアミンが好ましい。
【0016】
本発明で用いられる(D)有機ジイソシアネートは、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、及び、これらの2種類以上の混合物、これらの有機ジイソシアネートのウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等、から選択されるものである。
【0017】
なお、(D)有機ジイソシアネートに、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、これらの2種類以上の混合物、これらの有機ジイソシアネートのウレタン変性体、アロファネート変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ウレトジオン変性体、ウレトイミン変性体、イソシアヌレート変性体、カルボジイミド変性体等を用いることは、ウレタンコーティング剤の機械的強度は向上する。
【0018】
本発明では、(D)有機ジイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートを50〜100モル%含有するものが好ましく、特に80〜100モル%のものが好ましい。脂肪族ジイソシアネート及び/又は脂環族ジイソシアネートが下限未満の場合、印刷被膜が黄変しやすくなり、また、密着性も低下する。本発明に用いられる(D)有機ジイソシアネートは、脂環族ジイソシアネートが好ましく、特にイソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0019】
なお、必要に応じて反応停止剤を用いてもよい。反応停止剤としては、メタノール、エタノール等のようなモノアルコール、エチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、モルフォリン等のようなモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミノアルコールが挙げられる。
【0020】
本発明におけるポリウレタン樹脂の合成方法は、公知の方法が用いられる。すなわち、(1)活性水素基成分と有機ジイソシアネートを、活性水素基過剰の条件で所定分子量に達するまで反応させる方法(ワンショット法)、(2)ポリオール成分と有機ジイソシアネートを、イソシアネート基過剰の条件で反応させ、イソシアネート基含有のプレポリマーを得て、次にこのプレポリマーを低分子グリコールや低分子ジアミンで鎖延長させて所定分子量に達するまで反応させる方法(プレポリマー法)等がある。
【0021】
また、必要に応じて有機溶剤を用いることができる。この有機溶剤は、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセロソルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の一塩基酸エステル系溶剤、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等の二塩基酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のイソシアネート基に不活性なものであれば特に制限はない。また、条件によっては、イソプロパノールのようなアルコール系溶剤も用いることができる。
【0022】
本発明におけるポリウレタン樹脂の反応装置としては、上記の反応が達成できればいかなる装置でもよく、例えば、攪拌装置の付いた反応釜やニーダー、一軸又は多軸押出し反応装置等の混合混練装置が挙げられる。
本発明のコーティング剤用ポリウレタン樹脂の好ましい合成方法は、溶液中でのプレポリマー法である。
【0023】
溶液中でのプレポリマー法について、更に詳しく述べる。
ポリウレタン樹脂を製造するに当たって、まず、活性水素基を有する原料を混合し、必要により活性水素基を持たないケトンやエステル、炭化水素系の溶剤等で適宜希釈する。
【0024】
この活性水素基成分の混合物に有機ジイソシアネートを加え、必要に応じてウレタン化触媒を添加した後、反応温度を30〜100℃、好ましくは50〜80℃にて、数時間反応させ、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を合成する。このときのイソシアネート基/水酸基のモル比(R値)は1.1〜2.5が好ましく、特に1.1〜2が好ましい。
【0025】
R値が1.1未満の場合は、最終的に得られるコーティング剤用ポリウレタン樹脂の耐久性等が低下する。また、R値が2.5を越える場合は、最終的に得られる印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂の溶剤への溶解性や基材への密着性が低下する。
【0026】
なお、ウレタン化触媒は公知のものが使用でき、具体的には、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられる。
【0027】
このようにして得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液に、低分子グリコールや低分子ジアミンのような鎖延長剤及び必要に応じて反応停止剤を加えて、反応温度を30〜80℃、好ましくは30〜50℃にて、イソシアネート基が消失するまで鎖延長反応させることにより、目的とする印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂が得られる。
【0028】
このようにして得られた印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂の数平均分子量は、ポリスチレン検量線によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定されるが、好ましくは5,000〜100,000であり、特に6,000〜50,000が好ましい。数平均分子量が5,000未満の場合は、耐久性が低下する。数平均分子量が100,000を越える場合は、印刷適性に劣る。
【0029】
本発明における印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は30〜100℃が好ましく、更には35〜95℃が好ましい。
ガラス転移温度が下限未満の場合は、機械的強度が不足する。また、上限を越える場合は、印刷被膜のフレキシビリティが低下し、割れが生じやすくなる。
【0030】
なお、本発明においてガラス転移温度とは、動的粘弾性におけるE″(損失弾性率)が極大となった時の温度であり、その測定条件は、周波数:35Hz、昇温速度:2℃毎分である。
【0031】
本発明の印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂は、耐久性、耐候性、機械的強度が良好であるのはもちろんのこと、顔料分散性も良好であり、特に青色顔料や赤色顔料等の柄インキに用いられる顔料の分散性が良好であった。
【0032】
本発明の印刷インキバインダーには、上述のポリウレタン樹脂の他に、必要に応じて副バインダーを用いることができる。この副バインダーに用いられる樹脂としては、上記以外のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ロジン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアルコール、硝化綿等が挙げられる。
本発明において、副バインダーの使用量は、バインダー全体の50質量%以下が好ましい。
【0033】
本発明の印刷インキバインダーを用いた印刷インキは、必要に応じて、顔料、染料、溶剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防かび剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤等のような添加剤を添加し、混練、分散して製造されたものであり、更にポリイソシアネート硬化剤を配合できる。
【0034】
ポリイソシアネート硬化剤の添加量は、バインダー中のポリウレタン樹脂に対して、1〜20質量%である。(各固形分換算)ポリイソシアネート硬化剤としては、例えば、日本ポリウレタン工業(株)の商品で、ヘキサメチレンジイソシアネート変性タイプのコロネート(登録商標)HX、コロネートHL、トリレンジイソシアネート変性タイプのコロネートL、コロネート2030、コロネート2031等が挙げられ、これらは単独あるいは混合して用いてもよい。
【0035】
本発明の印刷インキバインダーを用いた印刷インキは、ポリオレフィン、ポリエステルを含めたあらゆる種類のプラスチックフィルムやシートへの密着性に優れ、また、耐久性、耐候性、機械的強度等に優れたものであった。本発明の印刷インキは、包装材、建材用のグラビアインキに適しており、特に室内装飾用の建材用グラビア印刷インキに適している。
【0036】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は質量%を示す。
【0037】
実施例1
攪拌機、温度計、アリーン冷却管、窒素ガス導入管を組み込んだ容量:1000cm3 の反応装置に、ポリオールAを58.6g、MA−01を800.0g仕込み、均一に攪拌した。このポリオール溶液にIPDIを16.6g、DOTDLを0.06部仕込み、70℃にて3時間反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液を得た。このプレポリマー溶液に、IPA120gとIPDA4.7gとMEA0.2gとを混合したアミン液を一気に加え、40℃で、FT−IRによるイソシアネート基のピークが消失するまで鎖延長反応させ、印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂PU−1を得た。PU−1の固形分は40.0%、25℃での粘度は870mPa・s、数平均分子量は18,000、ガラス転移温度は70℃であった。
【0038】
実施例3〜5、比較例1〜4
実施例1と同様な装置と反応方法で、最初に全ポリオールと全イソシアネートを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを合成し、その後アミン液を仕込んで鎖延長反応させて、印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂PU−3〜5、7〜10を得た。なお、PU−10は、アクリルポリオールのないポリウレタン樹脂とアクリルポリオールを混合したものである。具体的な仕込量、合成結果を表1、2に示す。PU−10は、相分離を起こしてしまい、以後の分析、評価は行わなかった。
【0039】
実施例2
実施例1と同様な反応装置に、ポリオールAを59.2g、MA−01を800.0g、CHDMを4.3g仕込み、均一に攪拌した。このポリオール溶液にIPDIを16.5g、DOTDLを0.06部仕込み、70℃にて、FT−IRによるイソシアネート基のピークが消失するまで反応させた。その後、MIBKを120g仕込んで希釈して、印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂PU−2を得た。PU−2の固形分は39.5%、25℃での粘度は1,800mPa・s、数平均分子量は24,000、ガラス転移温度は72℃であった。
【0040】
実施例6
実施例2と同様な装置と反応方法で、印刷インキバインダー用ポリウレタン樹脂PU−6を得た。具体的な仕込量、合成結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
実施例1〜6、比較例1〜4、及び表1、2における原料を以下に示す。
数平均分子量測定方法(アクリルポリオール、ポリウレタン樹脂)
:ポリスチレン検量線によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー法
ガラス転移温度測定法(ポリウレタン樹脂)
:ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略称する)フィルムに、下記条件でポリウレタン樹脂溶液を厚さ:20μm(ドライ)になるように塗布し、下記条件で動的粘弾性を測定し、E″が極大となった時の温度から、ブランク(PETフィルム)の値を差し引くことにより求めた。
測定条件 周波数:35Hz 昇温速度:毎分2℃
ポリウレタン樹脂のアクリルポリオール含有量
:仕込み量から算出した。
【0044】
〔インキ評価〕
実施例7
PU−1を容量:2,000mlのサンドグラインドミルに、以下に示す割合で赤インキの原料及び、この原料の総量と同量のガラスビーズ(直径1〜1.5mm)を仕込み、2時間分散させ、濾過して赤色印刷インキAを得た。この印刷インキAの顔料分散安定性、印刷適性、密着性、耐候性を評価した。
【0045】
(1)顔料分散安定性
得られたインキAをガラス瓶に入れて、冷暗所で30日間保管し、インキの状態を観察した。
【0046】
(2)印刷適性
インキAを100gに対して、コロネート(登録商標)HL(日本ポリウレタン工業(株)製品 ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト変成ポリイソシアネート)を2.6gの割合で配合した。これを卓上型グラビア印刷機にて、印刷速度:20m/分、インキ厚:1μm(ドライ)になるように、厚さ15μmのコロナ放電処理延伸ポリプロピレン(以後、OPPと略称する)フィルムの放電処理面に印刷し、乾燥後、印刷の状態を観察した。
評価 ○:印刷面のムラ、ヒケ、版かぶり等が認められない。
×:印刷面のムラ、ヒケ、版かぶり等が認められる。
【0047】
(3)密着性
インキAを100gに対して、コロネートHLを2.6gの割合で配合した。これをグラビア印刷機にて、印刷速度20m/分、インキ厚1μmになるように、厚さ15μmのOPPフィルムの放電処理面、厚さ25μmのコロナ放電処理PETフィルムの放電処理面に印刷し、1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付け、これを急速に剥がした。
【0048】
(4)耐候性
インキAを100gに対して、コロネートHLを2.6gの割合で配合した。これをOPPフィルムの放電処理面に上記と同様な方法で印刷し、その上にPU−1をそのままプライマーにして塗布し、50℃×1分にて溶剤を飛散させた。その後、厚さ20μmの未処理の未延伸ポリプロピレンフィルムと重ねて、温度:150℃、圧:0.2MPaにて貼り合わせた。その後、室温にて1日静置してから、Q−PANEL社製のQUV試験機にセットして、以下のサイクルを10回繰り返した後、剥離強度を測定し、ブランクの剥離強度との物性保持率で耐久性を評価した。ブランクは、貼り合わせ後1日静置したものとした。なお、物性保持率は、下記式により算出した。
【0049】
実施例8〜12、比較例5〜7
実施例7におけるPU−1をPU−2〜9に置き換えること以外は、実施例7と同様の方法でインキを調製し、同様に評価した。
各インキの顔料分散安定性、印刷適性、密着性、耐候性の評価結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】
表3において
OPP:厚さ15μmのコロナ放電処理延伸ポリプロピレンフィルム
PET:厚さ25μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレフタレートフィルム
【0052】
【発明の効果】
本発明により、顔料分散安定性、印刷適性、密着性、耐候性の優れた印刷インキバインダーの提供が可能となった。
Claims (1)
- 印刷インキバインダーとして用いられる樹脂の一部又は全部が、以下の(A)〜(D)を反応させて得られるポリウレタン樹脂であって、該ポリウレタン樹脂に対する(A)の含有量が各々固形分換算で70質量%以上であることを特徴とする印刷インキバインダー。
(A)数平均分子量1,000〜30,000のアクリルポリオール。
(B)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートポリオールを含有する長鎖ポリオール。
(C)炭素数20以下の鎖延長剤。
(D)有機ジイソシアネート。
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