JP2005225127A - 積層フィルム - Google Patents

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JP2005225127A
JP2005225127A JP2004037059A JP2004037059A JP2005225127A JP 2005225127 A JP2005225127 A JP 2005225127A JP 2004037059 A JP2004037059 A JP 2004037059A JP 2004037059 A JP2004037059 A JP 2004037059A JP 2005225127 A JP2005225127 A JP 2005225127A
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Shinya Nakamura
信也 中村
Yoshikazu Tanaka
良和 田中
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Abstract


【目的】 柔軟性に優れ、曲面追随性、耐ブロッキング性、耐傷付き性、長期耐候性等が良好な、マーキングフィルムをはじめとする装飾用粘着フィルム、工業用粘着フィルム、化粧シート等の装飾用フィルム等の用途に適した積層フィルムの提供。
【構成】 引張り弾性率が100〜1200MPaのポリオレフィン系樹脂基材層(A)の片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)及び電子線硬化型樹脂を含有する組成物を硬化して形成される塗膜からなり、かつ引張り弾性率が1000〜3500Mpaである塗膜層(C)をこの順に有する積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医療用や工業用の粘着フィルム(テープ)、看板、自動車等へ意匠性を付与するために貼り付けされるステッカー、ラベル及びマーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム(テープ)、化粧シート等に好適に用いられる積層フィルムに関する。
従来、医療用や工業用の粘着フィルム(テープ)、看板、自動車等へ意匠性を付与するために貼り付けされるステッカー、ラベル及びマーキングフィルム等の装飾用粘着フィルム(テープ)、化粧シート等には、着色性、加工性、耐傷付き性、耐候性等が優れるポリ塩化ビニル樹脂製のフィルムが多用されてきた。しかし、近年廃棄物処理に関わる処理コストの低減等環境負荷の小さい材料への代替が要望されており、ポリオレフィン系樹脂を用いることが検討されている。
ポリオレフィン系樹脂を基材に用いたマーキングフィルム等の粘着フィルムは公知であり、適度な柔軟性のあるフィルムの要求に対し、基材にエラストマー成分をブレンドし、更に基材にアクリル変成ウレタン塗膜を積層することにより、耐傷付き性及び耐久性を向上させた粘着フィルムは公知である(特許文献1)。
しかしながら、該粘着フィルムは表面の耐傷付き性が充分でなく、三次元曲面に粘着フィルムを貼り付けフィルム表面をスキージー等で擦った場合に傷が付き易く、三次元曲面における耐傷付き性に劣り、特に高光沢のフィルムとしては満足できるものではなかった。ポリオレフィン系基材の表面に電子線硬化型樹脂からなる保護層を設けた粘着シートも提案されているが(特許文献2)、該粘着シートは、屋外で長期間使用した場合には保護層の割れや密着不良による剥がれがおこる等、長期耐候性が劣るという問題があった。
特開2004−2825号公報
特開平8−302294号公報
本発明は、上記問題のない積層フィルムを提供することを目的とし、具体的には、柔軟性に優れ、カール、反りがなく、曲面追随性、耐ブロッキング性、耐傷付き性、長期耐候性等が良好な、マーキングフィルムをはじめとする装飾用粘着フィルム、工業用粘着フィルム、化粧シート等の装飾用フィルム等の用途に適した積層フィルムを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、
(1)引張り弾性率が100〜1200MPaのポリオレフィン系樹脂基材層(A)の片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)及び電子線硬化型樹脂を含有する組成物を硬化して形成される塗膜からなり、かつ引張り弾性率が1000〜3500Mpaである塗膜層(C)をこの順に有する積層フィルム、
(2)基材層(A)の引張り弾性率pとプライマー層(B)の引張り弾性率qと塗膜層(C)の引張り弾性率rとが、下記関係式(1)を満たす上記(1)に記載の積層フィルム、
p<q<r ・・・(1)
(3)基材層(A)の引張り弾性率が150〜400Mpa、プライマー層(B)の引張り弾性率が700〜1200Mpa及び塗膜層(C)の引張り弾性率が1200〜3500Mpaである上記(1)または(2)に記載の積層フィルム、
(4)基材層(A)のポリオレフィン系樹脂が多段重合法により製造されたポリプロピレン系樹脂である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層フィルム、
(5)電子線硬化型樹脂がアクリル変性ウレタン系樹脂である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の積層フィルム、
(6)プライマー層(B)のアクリル変性ウレタン系樹脂が水酸基を有し、かつ該アクリル変性ウレタン系樹脂の水酸基価が5〜40mgKOH/gである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の積層フィルム、
(7)プライマー層(B)のアクリル変性ウレタン系樹脂が、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール及び鎖延長剤を反応させて得られるウレタン樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合物からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを共重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の積層フィルム、
(8)高分子量ポリオールがポリカーボネートポリオールである上記(7)に記載の積層フィルム、
(9)塗膜層(C)の硬化収縮率が7%以下である上記(1)〜(8)のいずれかに記載の積層フィルム、
(10)積層フィルムの引張り弾性率が100〜700Mpaである上記(1)〜(9)のいずれかに記載の積層フィルム、を提供することにある。
本発明のポリオレフィン系樹脂製積層フィルムは、ポリ塩化ビニル系樹脂製フィルムと同様の加工及び取り扱いができ、柔軟性に優れ、カール、反りがなく、曲面追随性、耐ブロッキング性、耐傷付き性、長期耐候性等の諸性能に優れ、マーキングフィルムをはじめとする装飾用粘着フィルム、工業用粘着フィルム、化粧シート等の装飾用フィルム等の用途に好適に使用される。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の積層フィルムは、引張り弾性率が100〜1200Mpaのポリオレフィン系樹脂基材層(A)の片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)及び電子線硬化型樹脂を含有する組成物を硬化して形成される塗膜からなり、かつ引張り弾性率が1000〜3500Mpaである塗膜層(C)がこの順に設けられてなる積層フィルムである。
基材層(A)の引張り弾性率が小さすぎると被着体への積層フィルムの貼付性や、被着体から積層フィルムを剥離する際、フィルムが伸びてしまって剥離が困難になる等取扱い性に劣る恐れがあり、更にフィルムがべたつき、ブロッキングし易くなる。また大きすぎると柔軟性に劣り曲面や折り曲げに対する施工性に劣る恐れがあり、更にカールし易くなったり反り易くなる。基材層(A)の引張り弾性率は150〜900MPaであるのが好ましく、更に150〜700Mpaがより好ましく、特に150〜400Mpaであるのが好ましい。
基材層(A)は、主としてポリオレフィン系樹脂から構成される。基材層(A)のポリオレフィン系樹脂の含有量は50〜100重量%であるのが曲面への追随性等の諸性能が良好となるので好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とするエチレンと共重合可能な他の単量体との共重合体(低密度ポリエチレン(LDPE)、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、メタロセン系触媒を用いて重合して得られたエチレン−α−オレフィン共重合体(メタロセン系ポリエチレン)等)及びこれらの混合物等が例示できる。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンの共重合体、リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物等が例示できる。また、本発明に用いるポリプロピレン系樹脂としては、曲げ弾性率が50〜900Mpa、特に100〜700MPaのものが好ましい。
前記プロピレンの共重合体としてはプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのランダム共重合体(ランダムポリプロピレン)、またはブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)、ゴム成分を含むブロック共重合体あるいはグラフト共重合体等が挙げられる。前記プロピレンと共重合可能な他のα−オレフィンとしては、炭素原子数が4〜12のものが好ましく、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その1種または2種以上の混合物が用いられる。通常、α−オレフィンの混合割合はプロピレンに対して1〜10重量%程度である。
リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマーとしては、結晶融解熱(ΔH)が100g/J以下である低結晶性プロピレン単独重合体(出光石油化学(株)製 出光TPO、宇部興産(株)製 CAP、宇部レキセン社製 UT2115等)や、多段重合法により製造されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマー((サンアロマー(株)製 キャタロイ、三菱化学(株)製 ゼラス、(株)トクヤマ P.E.R.等)が挙げられる。
なお、結晶融解熱(ΔH)とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて、樹脂を一度融解点以上にして溶融した後、10℃/分の速度で冷却した時のDSCチャート上の結晶ピーク面積より計算した値のことである。
また、本発明において、多段重合法とは、重合が1回で終了するのではなく、2段階以上の多段重合を行うことにより、複数の種類のポリマーを連続して製造することができる重合法を意味し、機械的な手法を用いて異種類のポリマーからなる混合樹脂を得るところの、所謂、通常のポリマーブレンド法とは全く異なる手法である。当該方法により、分子レベルでのブレンドタイプの共重合樹脂を生成することが可能である。このような重合法を採用すれば、例えばポリプロピレンに対して、第2成分を約80〜95重量%まで含有させることが可能となり、可塑化ポリ塩化ビニル樹脂と同等の物性を持たせることが初めて可能となる。通常の押出機等を用いたブレンド法では、分子量の高いゴム成分を用いると、溶融粘度が高いため、本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂のような微分散モルホロジーを有する樹脂は作成し得ないのである。
多段重合法によって得られるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーは、反応器中で(i)ハードセグメントと、(ii)ソフトセグメントとが2段階以上で多段重合されてなる共重合体である。(i)ハードセグメントとしては、プロピレン単独重合体ブロックや、あるいはプロピレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック、例えば、プロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/エチレン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロックが挙げられる。また、(ii)ソフトセグメントとしては、エチレン単独重合体ブロックや、あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体ブロック、例えば、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン等の2元又は3元共重合体ブロックが挙げられる。このような特定の重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂は、例えば特開平4−224809号公報に開示されているが、実際の市販品として、トクヤマ製(商品名=PER)、サンアロマー社製(商品名=キャタロイ)、三菱化学(株)製(商品名=ゼラス)等が挙げられる。
本発明においては、多段重合法により製造されたポリプロピレン系熱可塑性エラストマーのうち、特に、メルトフローレート(MFR)が0.1〜30であり、かつ23℃におけるキシレン可溶分の割合が30〜75重量%、好ましくは40〜60重量%であるポリプロピレン系樹脂が好ましい。ここで、MFRは、JIS K 7210に従って測定した値である。キシレン可溶分の割合は以下のようにして求める。サンプル1gを油浴槽中のキシレン300ミリリットルに入れ、140℃で攪拌下に溶解させる。サンプルの添加から1時間後より、サンプルとキシレンとの混合物を、攪拌を続けながら1時間以内に100℃まで降温させる。その後、サンプルとキシレンとの混合物を急冷用油浴槽に移し、攪拌を続けながら23℃±2℃まで急冷し、その温度に20分間以上保持する。得られた析出物を濾紙で自然乾燥して除去する。濾液をエバポレーターを用いて蒸発乾固させ、得られた固形分を120℃で2時間減圧乾燥させ、その後常温まで放冷する。固形分の重量を測定し室温キシレン可溶分を算出する。
また、ポリエチレン系樹脂及び/またはポリプロピレン系樹脂に他の合成樹脂を混合することもできる。混合する他の樹脂として、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びアクリロニトリル−イソプレンゴム等のジエン系ゴム(エラストマー)、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴム、エチレン−ブタジエン共重合ゴム等の上記リアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー以外のポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)やスチレン−ブタジエンブロック共重合体等のスチレン−ブタジエン系熱可塑性エラストマー及びスチレン−イソプレン共重合ゴム等のスチレン系熱可塑性エラストマー(これらの水素添加物を含む)が挙げられる。
これらエラストマー成分は、ポリエチレン系樹脂及び/またはポリプロピレン系樹脂100〜40重量部に対し0〜60重量部配合することができる。
基材層(A)としてはポリプロピレン系樹脂を主体としたものが好ましく、ポリプロピレン系樹脂50〜100重量部に対しポリプロピレン系樹脂以外の樹脂を50〜0重量部含有するものが好ましい。ポリプロピレン系樹脂以外の樹脂としては上記したポリエチレン系樹脂、エラストマー等が挙げられるが、中でも密度が0.900g/cm以下の低密度メタロセン系ポリエチレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及び水素添加スチレン−ブタジエン共重合ゴムから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
基材層(A)は単層でもよいが、2層以上の層を有する多層であることが好ましく、少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層でもよい。基材層(A)が多層である場合、内層の引張り弾性率(E1)と、内層を除いた層の引張り弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係を有する層(これは、3以上の層からなる基材層(A)から内層のみを取り出すことを想定した場合、内層のみから構成されるフィルム1の引張り弾性率(E1)と、内層を除いた層から構成されるフィルム2の引張り弾性率(E2)とが、E1≧E2の関係にあることを意味する)であるのが好ましい。なお、内層とは、基材層(A)が粘着フィルム用に後加工された場合に、粘着剤層が積層される側の層を意味し、その反対側の層を外層という。
また、基材層(A)が少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層である場合、中間層の厚さが該基材層(A)全体の厚さの50%以上であるものが好ましい。
なお、基材層(A)は、内層と中間層の間及び外層と中間層の間に、少なくとも1つの別の層を有していてもよい。この場合、該別の層は、ポリオレフィン系樹脂を含有していてもよいが、それ以外の樹脂、例えば、内層(及び/又は外層)と中間層との接着性を高めるような樹脂、を含有していてもよい。
基材層(A)の好ましい態様としては、具体的には例えば、(1)ホモポリプロピレン0〜100重量%及びランダムポリプロピレン100〜0重量%からなるポリプロピレン系樹脂95〜50重量%と水素添加スチレン−ブタジエン共重合ゴム5〜50重量%とを含有する層、(2)ホモポリプロピレン0〜100重量%及びランダムポリプロピレン100〜0重量%からなるポリプロピレン系樹脂90〜20重量%とポリオレフィン系熱可塑性エラストマー及び/または密度が0.900g/cm3以下の低密度メタロセン系ポリエチレン10〜80重量%とを含有する層、(3)ホモポリプロピレン及び/またはリアクター型のポリプロピレン系熱可塑性エラストマー50〜100重量%を含有する層、(4)多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂を50〜100重量%含有する層を有する層、(5)少なくとも内層、中間層及び外層を有し、中間層が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂を50〜100重量%含有する層であり、かつ内層及び/または外層が、多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂を含有層、すなわち内層及び/または外層が多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂に代えて他のポリオレフィン系樹脂を含有する層、または多段重合法により共重合されたポリオレフィン系樹脂に加えて他のポリオレフィン系樹脂を含有する層、等が挙げられる。
基材層(A)は耐候性の観点から、紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤(HALS)等の光安定剤を含有することが好ましい。
紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系及びトリアジン系等の紫外線吸収剤が挙げられる。その中でも特に、トリアジン系紫外線吸収剤、分子量が400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
具体的には、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、サリチル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−サリシレート等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(分子量388)、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(分子量448)、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)(分子量659)等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、2−エチル−ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシフェニル)1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(オクチロキシ)フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシロシキ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((メチル)オキシ)フェノールが挙げられる。中でも、経時後基材層(A)表面へ吹き出しにくいという点で、ベンゾトリアゾール系またはトリアジン系の紫外線吸収剤でかつ、分子量が300以上であるものが好ましい。紫外線吸収剤の配合量は、特に制限されるものではなく基材層(A)から吹き出さない範疇であれば良く、基材層(A)中の樹脂成分100重量部に対して通常0.01〜10重量部程度、好ましくは0.05〜5重量部である。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−4−ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ホスファイト(チバ・ガイギー(株)製「キマソープ944」)、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−3−n−オクチルピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン(チバ・ガイギー(株)製「チヌビン144」)、1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)−ブタン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソ−スピロ[4,5]デカン、トリ(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル)アミン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン、4−p−トルエンスルホニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)テレフタレート等が挙げられる。中でも経時後基材層(A)表面へ吹き出しにくいという点や長期耐候性が良好であるということから分子量が1000以上のものを用いることが好ましく、特に、ポリオレフィンにヒンダードアミン骨格を有する化合物を共重合させたものが吹き出しにくく好ましい。該分子量が1000以上のヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物、N,N’,N”N”’−テトラメキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、またはポリエチレン系樹脂にヒンダードアミン系光安定剤を共重合させたもの等があり、これらは単独または2種以上を混合させて用いても良い。
配合量は、特に制限されるものではなく基材層(A)から吹き出さない範疇であれば良く、基材層(A)中の樹脂成分100重量部に対して0.01〜10重量部程度、好ましくは0.05〜5重量部である。
更に基材層(A)は酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系、サルファイド系、リン系、イソシアヌレート系酸化防止剤等が挙げられる。中でも、フェノール系酸化防止剤が酸化防止効果に優れるので好ましく、更にフェノール系とリン系酸化防止剤を併用すると熱安定性が良好となるので特に好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−イソプロピル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−アミル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−シクロヘキシル−4−n−オクチルフェノール、2−イソブチル−4−エチル−5−t−ヘキシルフェノール、2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−イソプロピルフェノール、スチレン化混合クレゾール、dl−α−トコフェロール、t−ブチルヒドロキノン、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス[6−(1−メチルシクロヘキシル)−p−クレゾール]、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、2,2′−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、トリス(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)ニッケル、ビス[3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2′−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2−ビス〔4−[2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパン及びステアリル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネートなどのβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステルなどが挙げられる。
サルファイド系酸化防止剤としては、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、3,3’−チオビスプロピオン酸ジオクデシルエステル等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスフォナイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,810−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフェスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン等が挙げられる。
イソシアヌレート系酸化防止剤としては、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート等が挙げられる。
酸化防止剤の添加量は通常基材層(A)中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜5重量部である。
基材層(A)には、その他必要に応じて、着色剤、充填材、スリップ剤(滑剤)、アンチブロッキング剤等をその目的・性能を損なわない範囲内で添加することが出来る。
着色剤としては、一般的な有機及び無機顔料が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂の通常の成形温度である300℃前後の温度で耐熱性を有するものであればその目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、(ポリ)アゾ系、フタロシアニン系、スレン系、染料レーキ系、キナクリドン系、ジオキサジン系などの各種有機顔料、酸化チタンなどの酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレン化物系、フェロシアン化物系、炭酸カルシウム、カーボンブラックなどの各種無機顔料が挙げられる。配合量は基材層(A)中の樹脂成分100重量部に対して通常1〜30重量部程度である。
また、基材層(A)が少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層構造からなる場合は、着色剤を中間層に配合するのが、フィルム(基材層)の成形加工時に着色剤がプレートアウトし難くフィルムの外観が損なわれることがなく、またフィルムの色相が安定するので好ましい。
充填材としては、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、クレー、マイカ、硫酸バリウム、ウィスカー、水酸化マグネシウム等の無機充填材が一般に用いられるが、中でもタルクを用いることが好ましい。無機系充填材の平均粒子径は、特に制限がないが、0.1〜10μmが好ましい。また、基材層(A)が少なくとも内層、中間層及び外層を有する多層構造からなる場合は、無機系充填材は中間層のみに含有されていてもよい。
無機系充填材の含有量は通常基材層(A)中の樹脂成分100重量部当たり1〜100重量部である。
滑剤としては、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。中でもエルカ酸アミドが好ましい。
滑剤の添加量は通常基材層(A)中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
アンチブロッキング剤としては、ウレタン樹脂ビーズ、ポリアクリル樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ等の有機系粉末や、カーボンブラック等の顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、シリカアルミナ、クレー、タルク、酸化チタン等の無機系粉末が挙げられる。
アンチブロッキング剤の添加量は通常基材層(A)中の樹脂成分100重量部当たり0.01〜10重量部である。
基材層(A)を成形する方法としては、例えば、Tダイ成形法等の押出し成形法、インフレーション成形法及びカレンダー成形法等一般に公知のフィルム成形法が挙げられる。
基材層(A)が内層、中間層及び外層を有する等、多層フィルムである場合、各層を積層する方法として、成形した個々のフィルム(層)をラミネーターで貼り合わせる方法やフィルム成形と同時に圧着ラミネートする方法を用いることが出来るが、多層Tダイ押出法によって成形と同時に積層フィルムを作成する方法が工程数も減らすことができて好ましい。
基材層(A)の厚さは、樹脂組成、隠蔽性及び曲面の追随性を考慮して適宜選択されるが、通常30〜500μm、好ましくは50〜300μmである。
本発明の基材層(A)は、プライマー層(B)や粘着剤層との密着性を高める為に、フィルムの表面に易接着処理を施すのが好ましい。
易接着処理としては、公知のコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の方法が挙げられるが、処理条件は基材層(A)の組成及びヌレ指数(JIS K 6768)の減衰率を考慮し適宜選択することが必要で、プライマー処理時の基材層(A)の易接着処理面のヌレ指数を最低でも37mN/mに確保する様調整すれば良い。
本発明の積層フィルムは、基材層(A)の少なくとも片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)を有している。
プライマー層(B)の引張り弾性率が小さすぎるとべた付きが大きくなり、基材層(A)に積層した場合にブロッキングを生じるので好ましくない。大きすぎると基材層(A)への追随性及び密着性に劣る傾向となる。引張り弾性率は700〜1200Mpaであるのがより好ましい。
プライマー層(B)の引張り弾性率は、基材層(A)の引張り弾性率と塗膜層(C)の引張り弾性率との中間の値であるのが好ましい。特に、基材層(A)の引張り弾性率p(Mpa)、プライマー層(B)の引張り弾性率q(Mpa)、塗膜層(C)の引張り弾性率r(Mpa)とが、下記関係式(1)を満たすものが、積層フィルムとした際の各層の密着性や、被着体への形状追随性が良好となるので好ましい。
p<q<r ・・・(1)
プライマー層(B)のアクリル変性ウレタン系樹脂の含有量は、10〜100重量%であるのが好ましく、更に15〜95重量%であるのが好ましい。プライマー層(B)は、樹脂成分としてアクリル変性ウレタン系樹脂以外にも、例えばアクリル系樹脂やウレタン系樹脂を含有していてもよい。またアクリル変性ウレタン系樹脂としては、水酸基を有し、かつ該アクリル変性ウレタン系樹脂の水酸基価5〜40mgKOH/gであるものが好ましい。水酸基価が小さいとプライマー層(B)の耐傷付き性、耐溶剤性、耐ブロッキング性が不十分となる恐れがあり、大きすぎるとプライマー層(B)の物性の経日変化が著しくなり、長期耐候性等を悪化させる恐れがある。
アクリル変性ウレタン系樹脂としては例えば、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、鎖延長剤及び必要に応じて末端停止剤を反応させて得られるウレタン樹脂(a)とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合物からなるアクリル成分(b)とを共重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂があげられ、中でも該ウレタン系樹脂(a)20〜60重量%とアクリル成分(b)80〜40重量%とを共重合して得られるものが好ましい。更に、該アクリル変性ウレタン系樹脂としては、有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール、1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物、鎖延長剤及び必要に応じて末端停止剤とから得られるラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂とラジカル重合性不飽和単量体とを共重合した有機溶媒に可溶であるアクリル変性ウレタン系樹脂が分子構造を安定的に制御できる点で特に好ましい。
アクリル変性ウレタン系樹脂に用いられる有機ジイソシアネート成分としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、ω,ω′−ジイソシアネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
これらの中でも、機械強度を重視する場合には、MDI等の芳香族ジイソシアネート、耐候性を重視する場合にはIPDI等の脂環族ジイソシアネート、水添MDI等が好ましい。
高分子量ポリオール成分としては、ポリカーボネートジオール、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリエーテルエステルグリコール、ポリオレフィングリコール等のポリオレフィンポリオール、シリコンポリオール等が挙げられ、中でもポリカーボネートジオール等のポリカーボネートポリオールが好ましい。
ポリカーボネートジオールは、下記一般式(2)で示されるものである。
HO−[−R−O−COO−]n−R−OH ・・・・(2)
(Rは脂肪族系、または脂環族系置換基)
ポリカーボネートジオールは、例えばアルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートからなる群から選ばれる1種または2種以上の化合物とジオール類及び/またはポリエーテルポリオール類を反応させて得られる。
アルキレンカーボネートの例としては、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等があげられる。
ジアリールカーボネートの例としては、ジフェニルカーボネート、フェニル−ナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチル−ジフェニルカーボネート、4,4’−ジエチル−ジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピル−ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートの例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等が挙げられる。
これらカーボネート類に対する共反応物質として、まずジオール類の例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−ペンタンジオール、3−メチル−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、2,3,5−トリメチルペンタンジオール等が挙げられる。
また、ポリエーテルポリオール類の例としては、例えばテトラヒドロフランの開環重合により得られるポリテトラメチレングリコール、ジオール類のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。ここで用いるジオール類の例として、たとえばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサンジオール類またはオクタンジオール類例えば2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサノン、トリメチロールプロパン、グリセリン等をあげることができ、アルキレンオキサイドの例として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等が挙げられ、これらは2種以上混合して使用することも可能である。
上述のジオール類及びポリエーテルポリオール類は1種単独でも、あるいはこれらを2種以上混合して使用しても差し支えない。これらはいずれも公知の方法で前述のアルキレンカーボネート、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネートから選ばれる1種または2種以上の化合物と反応してポリカーボネートジオールを形成することができる。
ポリカーボネートジオールの重量平均分子量は500〜4000が好ましく、更に好ましくは1000〜3000である。500より小さいと耐チッピング性が低下する恐れがあり、4000を越えると塗膜の外観上ちぢみ、うねり等の現象を起こし易く好ましくない。
ポリエーテルグリコールとしては環状エーテルを開環重合して得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルグリコールとしてはジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸等)またはその無水物と低分子量ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等)との重縮合によって得られるもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンセバケート等、低分子量ジオールへのラクトンの開環重合によって得られるもの、例えばポリカプロラクトン、ポリメチルバレロラクトン等が挙げられる。
ポリエーテルエステルグリコールとしてはポリエステルグリコールに環状エーテルを開環重合したもの、ポリエーテルグリコールとジカルボン酸とを重縮合したもの、例えばポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペート等が挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしてはポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
シリコンポリオールとしてはポリジメチルシロキサンポリオール等が挙げられる。
高分子量ポリオールは上記したものを2種類以上混合して用いても良い。
高分子量ポリオールの重量平均分子量は200〜10000が好ましく、更に500〜6000が好ましく、より好ましくは1000〜3000である。分子量が小さすぎると柔軟性が乏しく、分子量が大きすぎると密着性が低下する傾向にある。
有機ジイソシアネートと高分子量ポリオールの反応仕込み量はNCO/OH(モル比)で通常、1.01〜10、好ましくは1.5〜5である。この比が小さすぎるとハードセグメント量が少なくなり耐傷付き性が低下する恐れがある。一方、大きすぎると溶解性が乏しく、粘度も高くなりすぎる傾向にあるので好ましくない。
鎖延長剤としては、ポリエステルポリオールの原料として用いられる通常、分子量500未満の低分子ジオール化合物、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、ビスフェノール−A等の芳香族系ジオール、N−メチルジエタノールアミン等のジアルカノールアミン等が挙げられる。更に、2,4−もしくは2,6−トリレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族ジアミン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン(水添MDA)、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、トリシクロデカンジアミン等の脂環式ジアミン等の低分子ジアミン化合物が挙げられる。これら鎖延長剤は2種類以上の混合物として用いることも可能である。また、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール類も一部併用することができる。
また、必要により使用される末端停止剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のモノアルコール、モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のモノアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。
1個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有するラジカル重合性二重結合含有化合物としては、アリルアルコール、アリルアミン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタアクリレート、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアクリレート、トリメチロールプロパンモノメタアクリレート等、及びこれらのε−カプロラクトン付加物、γ−メチルバレロラクトン付加物、エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物等が挙げられる。また、これらの2種類以上の混合物でもよい。中でも2個以上の活性水素と1個のラジカル重合性二重結合とを同一分子内に有する化合物を用いることにより、ウレタン樹脂主鎖中にペンダント状のラジカル重合性二重結合を導入することができ、ポリウレタン鎖にポリマーがペンダント状にグラフト鎖として導入することが可能となり、ウレタン樹脂本来の性質を生かして欠点を他のポリマーで補うのに有効である。
ラジカル重合性二重結合のウレタン樹脂中における含有量は通常、1〜200μeq/g、好ましくは10〜150μeq/g、更に好ましくは20〜100μeq/gである。二重結合の含有量が1μeq/g未満、すなわち分子量1000000当たりに1個未満では相溶性が不十分で溶液性状、塗膜性状が不良となる場合がある。また、二重結合の含有量が200μeq/gを超える場合、すなわち分子量5000当たりに1個より多いと、反応上2官能の比率が高く、ラジカル重合時に3次元化しやすくなる傾向がある。
アクリル変性ウレタン系樹脂におけるウレタン樹脂の製造は公知の方法に従い、ワンショット法、プレポリマー化法等によって行われる。ウレタン樹脂を製造する際の溶媒としては、通常、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が用いられる。ウレタン樹脂を製造する際の触媒としては通常のウレタン化反応触媒が用いられる。例えばジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン系等が挙げられる。
本発明における上記ウレタン樹脂の重量平均分子量としては通常、5000〜200000の範囲である。好ましくは10000〜150000、更に好ましくは15000〜100000である。この重量平均分子量が小さすぎると得られるアクリル変性ウレタン系樹脂の塗膜物性が劣る傾向にある。また、重量平均分子量が大きすぎるとアクリル成分との相溶性が乏しく、溶液性状が低下する。さらに溶液粘度が高くなるため塗装作業性が劣る傾向にある。
本発明で用いられる上記ウレタン樹脂としては、例えばポリカーボネートポリウレタンを主成分とするウレタン樹脂が好ましい。この場合、ポリカーボネートポリウレタンの割合はウレタン樹脂中55〜100重量%であるのが好ましく、特に70〜100重量%であるのが好ましい。更にポリカーボネートポリウレタンとしては、ポリカーボネートジオールと脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートとの重合物であって分子末端に水酸基を有する重量平均分子量が15,000〜150,000のポリカーボネートポリウレタン(例えばラッカータイプのもの)を主成分とするものが好ましい。該ポリカーボネートポリウレタンはポリカーボネートポリウレタン中50〜100重量%であるのが好ましく、特に70〜100重量%であるのが好ましい。ポリカーボネートポリウレタンの重量平均分子量が15,000未満だと、乾燥性を良くする為に過剰量の架橋剤が必要となる結果、ポリカーボネートポリウレタンの架橋度が高くなり過ぎて柔軟な塗膜が得られ難くなる。一方、ポリカーボネートポリウレタンの重量平均分子量が150,000を超えるとプライマー塗布時の溶液粘度が高くなり、作業性、乾燥性が悪くなる他、溶剤の過剰残存、気泡の発生頻度が高くなり、基材となるフィルムとの密着性を低下する原因となるので好ましくない。
ポリカーボネートポリウレタンは、ポリカーボネートジオールに前記した有機ジイソシアネートをモル比でポリカーボネートジオール:有機ジイソシアネート=1:0.7〜1:5程度の割合で反応させることにより、公知の方法で製造することができる。このような方法としては、予めプレポリマー化した後、架橋剤または鎖延長剤を用いて高分子量ポリウレタンを製造する方法、または全成分を一段で反応させて高分子量ポリウレタンを製造する方法等の公知の方法が挙げられる。
何れの方法で製造するにしても、柔軟性を有する塗膜層を形成する目的からポリカーボネートポリウレタンの分子構造は、直鎖状構造を主体とする構造であることが好ましい。
アクリル変性ウレタン系樹脂のアクリル成分(b)を構成するのラジカル重合性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸(以下、併せて「(メタ)アクリル酸」と記す)、(メタ)アクリル酸の誘導体及びこれらの混合物等が挙げられ、具体的には(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル系モノマー等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
本発明のアクリル変性ウレタン系樹脂の製造は例えば、特開平4−159318、特公平5−43756、特公平7−78105、特開平9−268215等に例示されるようにラジカル重合性二重結合を含有するウレタン樹脂にラジカル重合性不飽和単量体をグラフト共重合する方法、特開平5−262846、特開平5−262847に例示されるように活性水素を有するアクリル系マクロマーをウレタン樹脂に付加重合する方法、特開平2−229873に例示されるように分子中に少なくとも一個のジアゾ結合を有するウレタン樹脂の存在下でラジカル重合性不飽和単量体を重合する方法等によればよい。更に上記ラジカル重合性不飽和単量体のラジカル重合物をウレタン樹脂原料と反応することによっても共重合することが可能である。例えば、特開平5−262847号公報では、2つの水酸基及び1つのメルカプト基を有するメルカプタン系連鎖移動剤を用いて末端ジヒドロキシマクロモノマーを有機ジイソシアネート化合物と反応する方法が紹介されている。この場合のメルカプタン系連鎖移動剤としては1−メルカプト−1,1−メタンジオール、1−メルカプト−1,1−エタンジオール、チオグリセリン、2−メルカプト−1,2−プロパンジオール、2−メルカプト−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプト−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1−メルカプト−2,2−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メルカプトエチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。また、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のラジカル重合性不飽和結合とイソシアネート基とを有するモノマーを予め重合しマクロマーとして用いることも可能である。
ウレタン樹脂とアクリル成分との共重合は通常の溶液重合法により、窒素等の不活性ガス気流下、有機溶媒中、重合開始剤を添加し加熱して行われる。用いられる有機溶媒としてはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、ブタノール、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ジクロルエタン等の塩化物類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒類等及びこれらの2種類以上の混合物が挙げられる。
重合時の樹脂固形分濃度は通常、5〜95重量%、好ましくは10〜80重量%である。
重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジt−ブチル、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。重合開始剤の添加量はラジカル重合性単量体に対して通常、0.001〜10重量%である。また、重合温度は10〜160℃、好ましくは30〜140℃である。
アクリル変性ウレタン系樹脂を構成するウレタン樹脂(a)とアクリル成分(b)の重量比率はウレタン樹脂(a)/アクリル成分(b)=20/80〜60/40であるのが好ましい。ウレタン樹脂(a)が多いと耐傷付き性が著しく劣る。一方、アクリル成分(b)が多いとプライマー層(B)の追随性が極端に劣り、クラック発生の原因となるので好ましくない。
アクリル変性ウレタン系樹脂の重量平均分子量は、通常15000〜200000、さらに好ましくは20000〜100000である。
本発明において、プライマー層(B)の塗膜強度を向上する目的で必要に応じ用いられる架橋剤としては、脂肪族、脂環族あるいは芳香族ジイソシアネート重合体または該ジイソシアネート重合体のアダクト体が挙げられら、これらのいずれか1種以上を用いることができる。該架橋剤として具体的には、上記のウレタン樹脂の説明において挙げた有機ジイソシアネート中の脂肪族、脂環族または芳香族ジイソシアネートのイソシアヌレート重合体が挙げられ、アダクト体としては、これら脂肪族、脂環族または芳香族ジイソシアネートとエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサントリオール、トリメチロールプロパントリメタクリレート等とを付加重合したアダクト体が挙げられる。
アクリル変性ウレタン系樹脂(主剤)と、架橋剤との混合比は、通常主剤100重量部に対し架橋剤を5〜50重量部、好ましくは10〜30重量部使用する。
主剤のポリオール中の水酸基と架橋剤中のイソシアネート基とのモル当量比が、1:0.5〜1:10の範囲であることが好ましい。
また、これらの主剤及び架橋剤は溶剤に溶解させて用い、更に希釈溶剤等を用いて適当な濃度に混合して用いるのが通常である。
架橋度は、60〜90%であるのが好ましく、特に65〜85%であるのが好ましい。なおここでいう架橋度は、主剤及び架橋剤を含むプライマー層用塗料を、PETフィルム(コロナ処理品)の上に乾燥後厚さ10μmとなるように塗布し、加熱乾燥してプライマー層を形成した後、積層フィルム(プライマー層/PETフィルム)を10cm×10cmに切り取り試験片を作成し、次に、溶剤(テトロヒドロフラン)中に25℃×1時間浸漬して、浸漬前のプライマー層の重量に対する不溶解分の乾燥ゲル重量を測定し、百分率で表したものである。
乾燥後のプライマー層の厚さは、0.1〜5μmが好ましく、更に好ましくは0.3〜3μmである。厚さが薄いと塗膜強度が不充分で、耐溶剤性、耐候性が満足されない恐れがある。一方、厚いと柔軟性または曲面追随性の悪化を招く恐れがあるので好ましくない。
厚さが薄いと塗膜強度が不充分で、耐溶剤性、耐候性が満足されない恐れがある。一方、厚いと柔軟性または曲面追随性の悪化を招く恐れがある。
更に本発明の積層フィルムにおいては、基材層(A)の両方の面側に、上記特定のアクリル変性ウレタン系樹脂を含有するプライマー層を積層してもよい。また、本発明の積層フィルムにおいては、基材層(A)の一方の面側にプライマー層(B)を積層し、他方の面側(接着剤層が積層される側)に、プライマー層(B)を構成する樹脂成分と異なる樹脂成分からなるプライマー層を積層してもよい。
本発明の積層フィルムは屋外での長期及び過酷な条件下での耐候性を付与する目的で各プライマー層に紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤等を配合するのが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定剤としては、前述の基材層(A)の説明において挙げられたものに加え、下記のものを使用することができる。
紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−3’ラウリル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体等が挙げられ、ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系としては中でも、メチルエチルケトン可溶のもの、特に常温で液状の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤がプライマー層形成用の塗工液への分散性、樹脂との相容性が良い点で好ましい。
紫外線吸収剤またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、各々単独または併用した場合でも、各プライマー層中の樹脂成分100重量部に対し1〜70重量部添加することができ、各プライマー層中1〜30重量%であるのが好ましい。紫外線吸収剤と光安定剤併用した場合、その添加割合は特に限定するものではないが、通常、紫外線吸収剤/ヒンダードアミン系光安定剤=1/3〜3/1(重量比)程度である。
紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量が少ないと、耐候性が劣る恐れがあり好ましくない。一方、配合量が多すぎると耐溶剤性、耐傷付き性能が低下するので好ましくない。
更に各プライマー層には、酸化防止剤、光沢制御、耐傷付き性向上、意匠性向上、巻物状態及び印刷工程でのブロッキング防止、インキ転移性の向上等の目的で、塗膜層に有機系及び/または無機系粉末を添加してもよい。
酸化防止剤としては前述の基材層(A)の説明において挙げられたものを使用することができる。
有機系粉末としては、平均粒子径1〜10μmの架橋または未架橋のウレタン樹脂粒子及びアクリル樹脂粒子、ポリカーボネート粒子、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。
無機系粉末としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、シリカアルミナ、クレー、タルク、酸化チタン、カーボンブラックやメタリック調金属粉末等が挙げられる。
上記の有機系及び無機系粉末の中でも、耐傷付き性を向上する点でアクリル樹脂粒子を添加することが好ましい。また基材層(A)の他方の面側(接着剤層が積層される側)にもプライマー層を形成した場合には、該プライマー層には平均粒子径0.1〜5μmのシリカ粉末を使用することが好ましい。
有機系及び/または無機系粉末の添加量は、プライマー層各々について、プライマー層中の樹脂成分100重量部に対し通常1〜100重量部程度使用でき、プライマー層中で1〜30重量%となるように使用するのが好ましいが、所望する透明性、表面光沢、非ブロッキング性、色相、耐傷付き性及び耐候性等を考慮して適量使用すればよい。
例えば、シリカ粉末の場合には、添加量が20重量部を超えると耐候試験後にチョーキングやプライマー層の微細クラックを起こし易くなるので好ましくない。また本発明の積層フィルムを、透明用途に適用する場合は、プライマー層のシリカ粉末の添加量を透明性に悪影響を与えない程度に抑えて使用すれば良い。通常、シリカ粉末の添加量は1〜20重量部であるのがより好ましい。
また、プライマー層には必要に応じて4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤等をプライマー層各々について、プライマー層を構成する樹脂成分100重量部に対し、0.5〜5重量部添加することができる。添加量が0.5重量部未満であると、帯電防止効果が低く印刷前の搬送工程でのブロッキングトラブル、印刷工程での異物付着等を起こす恐れがある。一方、添加量が5重量部を超えると、帯電防止剤がブリードし易くなり、塗膜層(C)との密着性を阻害する恐れがあるので好ましくない。4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤としては、炭素原子数1〜20の、アルキルジメチルアミンやアルキルジエチルアミン等のジメチルまたはジエチル硫酸塩が挙げられ、特にアルキル基中の水素の代わりに水酸基を有するものが好ましい。
基材層(A)へのプライマー層の形成は、アクリル変性ウレタン系樹脂等の樹脂成分またはそれに必要に応じ架橋剤を加えた混合物を公知の有機溶剤に溶解し、更に必要に応じ希釈剤等を用いて適当な濃度に調製し、基材層(A)に、バーコート、ナイフコート、ロールコート、ダイコートまたはグラビアロールコート等の公知の方法で塗工し、次いで熱風乾燥機等を用いて、通常50〜200℃で数秒間〜数分加熱して乾燥及び硬化させることにより行う。
プライマー層が基材層(A)の両面側に設けられた場合、積層フィルムの粘着剤層を積層する側のプライマー層の厚さは0.1〜5μmであるのが好ましい。
また、粘着剤層を積層する側のプライマー層は引張り弾性率が100〜1500MPaであるのが好ましい。
なお、本発明におけるプライマー層の引張り弾性率の値は、プライマー層(フィルム)を作成し、該フィルムを室温23℃、相対湿度50%の条件下で1ヶ月間保管した後にJIS K 7127に従って測定して得られた値である。
本発明の積層フィルムは基材層(A)の片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)を有し、更にその上に電子線硬化型樹脂を含有する引張り弾性率が1000〜3500Mpaである塗膜層(C)を有している。
塗膜層(C)の引張り弾性率が小さすぎると塗膜の耐傷付き性が劣る恐れがあり、大きすぎると基材層(A)及びプライマー層(B)への追随性に劣り、塗膜にクラックが発生する恐れがある。引張り弾性率は1200〜3500Mpaであるのが好ましく、1500〜3000Mpaであるのがより好ましい。
更に塗膜層(C)の硬化収縮率が7%以下であるのが、基材層(A)とプライマー層(B)への追随性に優れるため好ましい。硬化収縮率は5%以下であるのがより好ましい。
塗膜層(C)の硬化収縮率は、電子線照射により塗膜層(C)を形成する電子線硬化型樹脂を含有する組成物(塗料)の密度をD1とし、塗膜層(C)の密度をD2とすると、{(D1−D2)/D1}×100(%)により求められる。
電子線硬化して塗膜層(C)を形成する組成物(塗料)中の電子線硬化型樹脂の含有量は10〜100重量%、更に30〜50重量%であるのが好ましく、また硬化後の塗膜層(C)中の樹脂成分は70〜100重量%であるのが好ましい。
電子線硬化型樹脂としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレートなどのオリゴマー、プレポリマー及び樹脂が挙げられる。該電子線硬化型樹脂としては、ポリウレタン(メタ)アクリレート等のアクリル変性ウレタン系樹脂がプライマー層(B)との密着性に優れるため好ましい。該電子線硬化型樹脂は骨格中にラジカル重合性二重結合を有し、電子線の照射により架橋する。
電子線硬化型樹脂だけで塗膜層(C)を形成することができるが、塗膜の硬化速度、硬度の向上や塗膜の物性調整及び電子線硬化型樹脂を含有する組成物(塗料)の粘度調整を目的として更に反応性モノマーを配合することが出来る。
反応性モノマーとしては、脂肪族、脂環族および芳香族の1〜6価のアルコールおよびポリアルキレングリコールのアクリレート化合物類;脂肪族、脂環族および芳香族の1〜6価のアルコールおよびポリアルキレンオキシドを付加させたもののアクリレート化合物類;ポリアクリロイルアルキルリン酸エステル類;多塩基酸とポリオールとアクリル酸との反応生成物;イソシアネートとポリオールとアクリル酸との反応生成物;エポキシ化合物とアクリル酸との反応生成物;エポキシ化合物とポリオールとアクリル酸との反応生成物等の単官能モノマー及び多官能モノマーを挙げられる。
具体的には、単官能モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリイロイルモルホリン、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチルへキシルカルビトールアクリレート等が挙げられる。
多官能モノマーとしては、エタンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,14−テトラデカンジオールジアクリレート、1,15−ペンタデカンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−ブチル−2−エチルプロパンジオールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエステルジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールエステルのカプロラクトン付加物ジアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリストールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ポリオキシエチレンエピクロルヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
電子線硬化型樹脂を含有する組成物には必要に応じ消泡剤、レベリング剤等の各種添加剤を添加してもよい。
更に本発明の積層フィルムは屋外での長期及び過酷な条件下での耐候性を付与する目的で塗膜層(C)に紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤等を配合するのが好ましい。紫外線吸収剤及び光安定剤としては、前述の基材層(A)及びプライマー層(B)の説明において挙げられたものを使用することができる。
紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系としては中でも、メチルエチルケトン可溶のもの、特に常温で液状の紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤が塗膜層形成用の塗料への分散性、樹脂との相容性が良い点で好ましい。
紫外線吸収剤またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量は、各々単独または併用した場合でも、塗膜層(C)中の樹脂成分100重量部に対し1〜70重量部添加することができ、塗膜層(C)中1〜30重量%であるのが好ましい。紫外線吸収剤と光安定剤併用した場合、その添加割合は特に限定するものではないが、通常、紫外線吸収剤/ヒンダードアミン系光安定剤=1/3〜3/1(重量比)程度である。
紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤の配合量が少ないと、耐候性が劣る恐れがあり好ましくない。一方、配合量が多すぎると表面に噴出す等するので好ましくない。
更に塗膜層(C)には、酸化防止剤や、光沢制御、耐傷付き性向上、意匠性向上、巻物状態及び印刷工程でのブロッキング防止及びインキ転移性の向上等の目的で、有機系及び/または無機系粉末を添加してもよい。
酸化防止剤としては前述の基材層(A)及びプライマー層(B)の説明において挙げられたものを使用することができる。
有機系粉末及び無機系粉末としては、前述の基材層(A)及びプライマー層(B)の説明において挙げられたものを使用することができる。
塗膜層(C)には、上記の有機系及び無機系粉末の中でも、耐傷付き性を向上する点でアクリル樹脂粒子を添加することが好ましい。
有機系及び/または無機系粉末の添加量は、塗膜層(C)中の樹脂成分100重量部に対し通常1〜100重量部程度使用でき、塗膜層(C)中で1〜30重量%となるように使用するのが好ましいが、所望する透明性、表面光沢、非ブロッキング性、色相、耐傷付き性及び耐候性等を考慮して適量使用すればよい。
例えば、シリカ粉末の場合には、添加量が20重量部を超えると耐候試験後にチョーキングや塗膜層(C)の微細クラックを起こし易くなり、印刷インキとの密着不良原因となるので好ましくない。また本発明の積層フィルムを、透明用途に適用する場合は、塗膜層(C)中のシリカ粉末の添加量を透明性に悪影響を与えない程度に抑えて使用すれば良い。通常、シリカ粉末の添加量は1〜20重量部であるのがより好ましい。
また、塗膜層(C)には必要に応じて4級アンモニウム塩基を有する剤等を塗膜層(C)を構成する樹脂成分100重量部に対し、0.5〜5重量部添加することができる。添加量が0.5重量部未満であると、帯電防止効果が低く印刷前の搬送工程でのブロッキングトラブル、印刷工程での異物付着等を起こす恐れがある。一方、添加量が5重量部を超えると、インキの非転移性を悪化させる他、インキ密着性を阻害する原因になるので好ましくない。4級アンモニウム塩基を有する帯電防止剤としては、炭素原子数1〜20の、アルキルジメチルアミンやアルキルジエチルアミン等のジメチルまたはジエチル硫酸塩が挙げられ、特にアルキル基中の水素の代わりに水酸基を有するものが好ましい。
塗膜層(C)は、プライマー層(B)の形成と同様、電子線硬化型樹脂等の樹脂成分またはそれに必要に応じ反応性モノマーや他の添加剤及び公知の有機溶剤を加えた塗料を例えばプライマー層(B)上に、バーコート、ナイフコート、ロールコート、ダイコートまたはグラビアロールコート等の公知の方法で塗工し、次いで必要に応じ予備乾燥して溶剤を除去し、その後電子線を照射して樹脂を硬化させることにより形成することができる。
電子線照射に用いられる電子線照射装置としては、特にその方式に制限はないが、例えばハンデグラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、ブロードビーム方式及びカーテンビーム方式等の電子線照射装置を用いることが出来る。この中でも比較的安価に大出力の得られるカーテンビーム方式のものが本発明に有効に用いられる。
電子線照射の際の加速電圧は100〜300kVであることが好ましく、吸収線量としては、0.1〜10Mradであることが好ましく、0.5〜5Mradがより好ましい。
電子線硬化型樹脂を硬化させる際の酸素濃度は、1000ppm以下が好ましく、より好ましくは500ppm以下である。
このようにして形成された塗膜層(C)の厚さは、3〜30μmであるのが好ましい。厚さが薄すぎると、耐傷付き性が劣るため好ましくない。また、厚すぎても積層フィルムのカール発生や、塗膜層(C)のクラックの発生を生じるため好ましくない。より好ましくは5〜25μmである。
このようにして得られた本発明の積層フィルムは、引張り弾性率が100〜700Mpaであるのが好ましい。引張り弾性率が小さすぎると被着面から剥離する際に、伸びてしまって剥離が困難になる等、フィルムの取扱性が悪いものとなってしまう恐れがあり、大きすぎると被着面への追随性に劣る恐れがある。
積層フィルムの厚さは60〜200μmであるのが好ましい。
以下に、本発明の実施形態を実施例を用いて詳述するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
1)引張り弾性率
JIS K 7127に従って、各層の引張り弾性率を測定した。但し、ダンベルは1号、引張り速度は50mm/分で実施した。
測定サンプルは、基材層(A)としては、フィルム成形後、両面コロナ処理後にサンプリングし、40℃の保温室で3日間保管(エージング処理)したフィルムを試験片とした。プライマー層としては、市販の離形紙にプライマー層用塗料液を塗膜厚みが10μmとなるようにリバースロールコーターを用いて塗布し、連続して100℃の熱風乾燥機内で60秒間加熱処理し、離形紙を外し厚み10μmのフィルムを作製し試験片とした。また、塗膜層としては、市販の離形紙に、電子線硬化型樹脂塗料を厚みが10μmとなるようにリバースロールコーターを用いて塗布し、加速電圧175kV、照射線量7Mradの電子線で硬化させ、その後、離形紙を外し厚み10μmのフィルムを作製し試験片とした。
2)プライマー層の架橋度
主剤及び架橋剤を含むプライマー層用塗料を、PETフィルム(コロナ処理品)の上に塗膜厚みが10μmとなるように塗布し、加熱乾燥してプライマー層を形成した後、積層フィルム(プライマー層/PETフィルム)を10cm×10cmに切り取り試験片を作成し、次に、溶剤(テトロヒドロフラン)中に25℃×1時間浸漬して、浸漬前のプライマー層の重量に対する不溶解分の乾燥ゲル重量を測定し、百分率で表した。
3)カール、反り
厚さ200μmのライナー上にアクリル粘着剤を塗布し乾燥後、積層フィルムの基材層側とライナーの粘着剤面を貼り合わせた積層体(塗膜層/プライマー層/基材層/粘着剤/ライナー)を40cm角の大きさにカットし、平面上に1週間放置後カール、反り状態を目視判定した。
○:実用上問題ない。
△:5mm程度のカール、反りがある。
×:著しいカール、反りがある。
4)密着性
試験片(塗膜層/プライマー層/基材層)の塗膜層側表面と市販の粘着テープの粘着面とをローラーを用いて密着後、90°剥離と180°剥離した時の塗膜層の密着状態を目視判定した。
なお、剥離は手動で行い、瞬時の高速度で実施した。
○:何れも剥離なし。
△:塗膜層の剥離が僅かだが有り。
×:塗膜層の剥離あり。
5)スチールウール試験
試験片(塗膜層/プライマー層/基材層)の塗膜層側表面をスチールウール#000番で往復10回研磨を行い、表面の傷付き程度を目視判定した。
○:全く傷が付かない。
△:僅かに傷付きがある。
×:著しく傷が付く。
6)耐候性
5cm×11cmの大きさの試験片(塗膜層/プライマー層/基材層)の塗膜層側表面に光を照射するように試験片をセットし、スガ試験機(株)製サンシャインウェザロメーター(条件:ブラックパネル温度63℃、降雨12分/60分)にて1000時間暴露した後、試験片の外観変化(変色やクラックの発生)の目視評価及び(4)の密着性の判定と同様に市販の粘着テープセロテープによる塗膜層の密着状態を目視判定した。
外観変化
○:外観変化なし。
△:一部クラックが発生。
×:著しいクラックが発生。
7)密着性
○:塗膜層の剥離なし。
△:塗膜層の剥離が僅かだがある。
×:塗膜層の剥離がある。
実施例1
<基材層の作成と易接着処理>
融点140℃、曲げ弾性率200Mpa、キシレン可溶分が60重量%である、多段重合法により共重合されたエチレン−プロピレン共重合体(以下、「TPO−A」という)100重量部にヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート0.1重量部を混合した組成物を用い、三菱重工(株)製多層押出成形機により、厚さ0.1mmの基材層1(層比:内層/中間層/外層=1/8/1)を調製した。基材層1の引張り弾性率は200MPaであった。
次に、基材層1の両面をコロナ処理した。コロナ処理後の基材層両面のヌレ指数は450μNであった。
<アクリル変性ウレタン系樹脂プライマー層用塗料の調製>
攪拌器、環流冷却器、滴下漏斗、温度計を取り付けた4ッ口フラスコ中にイソホロンジイソシアネート31.4重量部を仕込み、90℃に加熱し、攪拌しながら溶融したポリカーボネートジオール(プラクセルCD220(商品名)、水酸基価56.1mgKOH/g、ダイセル化学工業(株)製)128.4重量部、グリセリンモノメタアクリレート(ブレンマーGLM(商品名)、日本油脂(株)製)2.2重量部、メチルハイドロキノン0.02重量部を約1時間で滴下した。内温を90℃に保ち4時間反応させた後、メチルエチルケトン208.9重量部を添加し60℃で1時間攪拌して希釈した。次に攪拌下イソホロンジアミン8.7重量部、イソプロパノール52.2重量部の溶液を1時間で滴下し、更にジ−n−ブチルアミン3.3重量部を添加して末端を封鎖した。続いてメチルメタアクリレート157.9重量部、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート16.1重量部、メチルエチルケトン385.4重量部を仕込み窒素気流下で70℃に加熱してアゾビスイソブチロニトリル5.2重量部を3分割して1時間間隔で添加し、更に10時間反応させた。得られたアクリル変性ウレタン系樹脂溶液(主剤溶液)は樹脂固形分濃度35重量%、該樹脂溶液の粘度500mPa・s、水酸基価は20mgKOH/g、重量平均分子量47000であった。
次にプライマー層用塗料の調製として、上記で製造した主剤溶液100重量部に、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネート重合体の75重量%溶液を7重量部、溶剤成分としてメチルエチルケトンを80重量部、更に紫外線吸収剤としてメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンソトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物を2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを2.5重量部混合し、固形分濃度21重量%のプライマー層用塗料(以下、「PU−A」という)を調製した。
<積層フィルム(塗膜層/プライマー層/基材層)の作成>
基材層1の片面のコロナ処理面上に、プライマー層用塗料PU−Aをグラビアロールコーターで塗工後、80℃の熱風乾燥機内で20秒間加熱処理し、ライン中で自然冷却した。なお、乾燥後のプライマー層の厚さは0.6μm、塗膜重量は0.7g/m2 であった。
続いて、プライマー層上に基材層のプライマー処理面に電子線硬化型樹脂塗料(P−1702(商品名)、大日精化(株)製)をリバースロールコーターで塗工し、加速電圧175kV、照射線量7Mradの電子線で硬化させ、積層フィルム(塗膜層/プライマー層/基材層)を得た。なお、硬化後の塗膜層の厚さは12μm、重量は15g/m2 であった。
実施例2
実施例1において用いたTPO−A100重量部にビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート0.1重量部及び中間層に酸化チタン15重量部混合したポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、実施例1と同様な方法で基材層2を作成した。得られた基材層2の引張り弾性率は210MPaであった。この基材層2の両面をコロナ処理した。コロナ処理後の基材層両面のヌレ指数は450μNであった。
次に、実施例1と同様な方法でアクリル変性ウレタン系樹脂のプライマー塗工液PU−Aを基材層の片面のコロナ処理面上に塗工し、80℃の熱風乾燥機内で20秒間加熱処理し、ライン中で自然冷却した。なお、乾燥後のプライマー層の厚さは0.6μm、塗膜重量は0.7g/m2 であった。
続いて、プライマー層上に電子線硬化型樹脂塗料(P−1702(商品名)、大日精化(株)製)100重量部に紫外線吸収剤としてメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンソトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物を2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを2.5重量部混合し、得られた塗料をリバースロールコーターで塗工し、加速電圧175kV、照射線量10Mradの電子線で硬化させ、積層フィルム(塗膜層/プライマー層/基材層)を得た。なお、硬化後の塗膜層の厚さは12μm、重量は15g/m2 であった。
実施例3
電子線硬化型樹脂塗料としてUV−7630B((商品名)、日本合成(株)製)を用い、該塗料100重量部に紫外線吸収剤としてメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンソトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物を2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを2.5重量部混合した以外は、実施例1と同様にして積層フィルム(塗膜層/プライマー層/基材層)を得た。なお、乾燥後のプライマー層の厚さは0.6μm、塗膜重量は0.7g/m2 、硬化後の塗膜層の厚さは12μm、重量は15g/m2 であった。
比較例1
電子線硬化型樹脂塗料としてUV−6300B((商品名)、日本合成(株)製)を用い、該塗料100重量部に紫外線吸収剤としてメチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンソトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコールの縮合物を2.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートを2.5重量部混合した以外は、実施例1と同様にして積層フィルム(塗膜層/プライマー層/基材層)を得た。なお、乾燥後のプライマー層の厚さは0.6μm、塗膜重量は0.7g/m2 、硬化後の塗膜層の厚さは12μm、重量は15g/m2 であった。

上記で得られた各積層フィルムを用い、各種評価を行った。結果を表−1に示す。

Claims (10)

  1. 引張り弾性率が100〜1200MPaのポリオレフィン系樹脂基材層(A)の片面側に、アクリル変性ウレタン系樹脂を含有する引張り弾性率が500〜1500Mpaのプライマー層(B)及び電子線硬化型樹脂を含有する組成物を硬化して形成される塗膜からなり、かつ引張り弾性率が1000〜3500Mpaである塗膜層(C)をこの順に有する積層フィルム。
  2. 基材層(A)の引張り弾性率pとプライマー層(B)の引張り弾性率qと塗膜層(C)の引張り弾性率rとが、下記関係式(1)を満たす請求項1に記載の積層フィルム。
    p<q<r ・・・(1)
  3. 基材層(A)の引張り弾性率が150〜400Mpa、プライマー層(B)の引張り弾性率が700〜1200Mpa及び塗膜層(C)の引張り弾性率が1200〜3500Mpaである請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 基材層(A)のポリオレフィン系樹脂が多段重合法により製造されたポリプロピレン系樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 電子線硬化型樹脂がアクリル変性ウレタン系樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  6. プライマー層(B)のアクリル変性ウレタン系樹脂が水酸基を有し、かつ該アクリル変性ウレタン系樹脂の水酸基価が5〜40mgKOH/gである請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  7. プライマー層(B)のアクリル変性ウレタン系樹脂が、少なくとも有機ジイソシアネート、高分子量ポリオール及び鎖延長剤を反応させて得られるウレタン樹脂(a)20〜60重量%とラジカル重合性不飽和単量体及び/またはその重合物からなるアクリル成分(b)80〜40重量%とを共重合して得られるアクリル変性ウレタン系樹脂である請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  8. 高分子量ポリオールがポリカーボネートポリオールである請求項7に記載の積層フィルム。
  9. 塗膜層(C)の硬化収縮率が7%以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  10. 積層フィルムの引張り弾性率が100〜700Mpaである請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層フィルム。
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