JP2020023612A - 光硬化性組成物 - Google Patents

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克彦 岸
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Abstract

【課題】平らではない基材に噴霧やコーティングなどの塗布方法で使用する際に、光硬化性を有すると共に、水接触角や水滑落角などの撥水性において摩擦などの物理的な耐久性を発現する、光硬化性組成物の提供。【解決手段】(A)〜(D)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分を15〜70質量部含む光硬化性組成物である。(A)成分:1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマー、(B)成分:1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン、(C)成分:光開始剤、(D)成分:溶剤【選択図】なし

Description

本発明は、水接触角や水滑落角などの撥水性が良好な光硬化性組成物に関するものである。
特許文献1には、積層フィルムに関する発明が記載されており、1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマーに関する例示もある。しかしながら、フィルムのままでは噴霧やコーティングなどの塗布方法で使用することができず、被着体である基材が平らな場合にしか使用することができない。
特開2016−140988号公報
従来、噴霧やコーティングなどの塗布方法において、光硬化性を有すると共に水接触角や水滑落角などの撥水性において摩擦などの物理的な耐久性を発現することが光硬化性組成物では困難であった。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、水接触角や水滑落角などの撥水性が良好で、特に摩擦などの物理的な耐久性に対して良好な光硬化性組成物に関する手法を発見し、本発明を完成するに至った。本願において、上限値および下限値の範囲を示す「〜」または「から」という表現では、その上下限値そのものもその範囲に含まれる。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(D)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分が15〜70質量部含む光硬化性組成物である。
(A)成分:1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマー
(B)成分:1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン
(C)成分:光開始剤
(D)成分:溶剤
本発明の第二の実施態様は、前記(D)成分が、エーテル基を含むアルコール溶剤である第一の実施態様に記載の光硬化性組成物である。
本発明の第三の実施態様は、前記(A)成分のポリマーが、(メタ)アクリレートポリマーである第一または第二の実施態様のいずれかに記載の光硬化性組成物である。
本発明の第四の実施態様は、前記(B)成分のオルガノポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである第一から第三の実施態様のいずれかに記載の光硬化性組成物である。
本発明の第五の実施態様は、第一から第四の実施態様のいずれかに記載の光硬化性組成物を含むコーティング剤である。
本発明の第六の実施態様は、車両のボディーに用いられる第五の実施態様に記載のコーティング剤である。
本発明の第七の実施態様は、第一から第四の実施態様のいずれかに記載の光硬化性組成物を基材に塗布し、乾燥した後に光照射することで硬化させた塗膜である。
本発明では、平らではない基材に噴霧やコーティングなどの塗布方法で使用する際に、水接触角や水滑落角などの撥水性が良好で摩擦などの耐久性を有する塗膜を形成することができる光硬化性組成物を可能にする。
本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマーである。(以下、アクリロイル基とメタクリロイル基を合わせて(メタ)アクリロイル基と呼び、また、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を(メタ)アクリレートとも呼ぶ。)ここで、主骨格であるポリマーにおいて、(メタ)アクリロイル基やオルガノポリシロキサン基が存在する場所は、分子の両端や側鎖でもよく、また、直鎖でも枝分かれした末端に存在しても良い。ここで、オルガノポリシロキサン基とは、ジメチルポリシロキサン基、ジメチルポリシロキサンとジフェニルポリシロキサンからなる基などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。また、(A)成分は原料の段階で下記(D)成分である溶剤に希釈されているものを使用しても良い。主骨格であるポリマーとしては、オルガノポリシロキサンを除き、ポリエーテルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリビニルポリマーなどが挙げられるが、特に好ましくは、ポリビニルポリマーであり、撥水性の観点からポリビニルポリマーの中でもポリ(メタ)アクリレートポリマーが最も好ましい。(A)成分の(メタ)アクリロイル当量としては100〜2000g/molであることが好ましい。
オルガノポリシロキサンと(メタ)アクリレートポリマーのグラフト重合体も存在するが、反応性を有する(メタ)アクリロイル基が分子内に存在しないと乾燥時や硬化時に光硬化性組成物からブリードアウトする恐れがある。
(A)成分の具体例としては、大成ファインケミカル株式会社製の8SS−723(メトキシプロパノールで溶解された固形分47重量%の商品)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明に使用することができる(B)成分は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンにおいて、(メタ)アクリロイル基が存在する場所は、分子の両端や側鎖でもよく、また、直鎖でも枝分かれした末端に存在しても良い。ここで、オルガノポリシロキサンとは、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン−ジフェニルポリシロキサン共重合体などが挙げられ、ジメチルポリシロキサンであることが好ましい。(B)成分の動粘度(25℃)としては1〜200mm/sまたは粘度(25℃)としては1〜2000mPa・sであり、更に好ましくは、動粘度(25℃)としては7〜100mm/sまたは粘度(25℃)としては200〜1000mPa・sである。また、(B)成分は原料の段階で下記(D)成分である溶剤に希釈されているものを使用しても良い。(A)成分だけでは光硬化性が低く、(B)成分を添加することで光硬化性と撥水性を維持することができる。
(B)成分の具体例としては、信越化学工業株式会社製のX−22−164、X−22−2445、X−40−2761などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して(B)成分を15〜70質量部含む。15質量部以上であれば光硬化性を発現することができ、70質量部以下であれば撥水性を維持することができる。
本発明に用いられる(C)成分は光開始剤である。光開始剤とは、紫外線や可視光などの活性エネルギー線を照射することにより、光開始剤が分解してラジカル種、カチオン種またはアニオン種を発生する化合物であり、(A)成分と(B)成分の(メタ)アクリロイル基が重合することで組成物を光硬化させることができれば限定されない。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分としては、アセトフェノン系光開始剤、ベンゾイン系光開始剤、ベンゾフェノン系光開始剤、チオキサントン系光開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光開始剤などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アセトフェノン系光開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどが挙げられるが、この限りではない。
ベンゾイン系光開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられるが、この限りではない。
ベンゾフェノン系光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドが挙げられるが、この限りではない。
チオキサントン系光開始剤としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどが挙げられるが、この限りではない。
アシルホスフィンオキサイド系光開始剤としては、例えばビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイドなどが挙げられるが、この限りではない。
(A)成分100質量部に対して、(C)成分の添加量は0.1〜10.0質量部であることが好ましい。0.1質量部以上であれば光硬化性を発現でき、10.0質量部以下であれば組成物が有色になる可能性が低い。
本発明で使用することができる(D)成分は溶剤である。溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メトキシプロパノールなどのアルコール溶剤(アルコール溶剤にはエーテル基を含むアルコール溶剤も含まれる。)、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどの塩素系溶剤、トリクロロフルオロエタンなどのフッ素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族溶剤などが挙げられる。本発明の(A)成分〜(C)成分との相溶する(D)成分であれば良く、(A)成分および(B)成分に対する溶解性の観点から、特に好ましくはアルコール類である。
(D)成分は光硬化性組成物全体に対して10〜90質量%含まれることが好ましく、10質量%以上であれば、組成物の粘性を低くしてレベリング性を向上させることができ、90質量%以下であればドライの状態で100μm以下の膜厚を形成することができる。(D)成分の添加量により、ドライの状態の膜厚を制御することができる。
また、その他成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、(A)成分および(B)成分以外の(メタ)アクリレート化合物、シランカップリング剤、無機充填剤および有機充填剤などの充填剤、保存安定剤、酸化防止剤、光安定剤、接着助剤、可塑剤、染料、顔料、難燃剤、増感剤、熱開始剤、重金属不活性剤、イオントラップ剤、乳化剤、水分散安定剤、消泡剤、離型剤、レベリング剤、ワックス、レオロジーコントロール剤、界面活性剤などの添加剤を配合しても良い。
(A)成分および(B)成分以外の(メタ)アクリレート化合物としては、密着性向上の観点から(メタ)アクリレートオリゴマーを、粘度を下げる観点から(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。オリゴマーとモノマーを組み合わせることがもっとも好ましい。
(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、接着力向上の観点からウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーが特に好ましい。当該オリゴマーは例えば分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物と少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとの反応生成物から合成される。分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられ、中でも柔軟性のある硬化物が得られるという観点で、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートが好ましい。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。また、オリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは、10000〜100000であり、さらに好ましくは25000〜90000であり、特に好ましくは30000〜80000である。重量平均分子量が10000より高いと硬化性が良好であり、重量平均分子量が100000より低いと、粘性が低く被着体と貼りあわせる際に界面でのなじみが良い。ここで、重量平均分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を指す。
分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、カプロラクトンジオール、ビスフェノールポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ひまし油ポリオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられる。中でも、透明性に優れ、耐久性に優れることから、ポリカーボネートジオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオールが好ましく、特に好ましくは、高温高湿の雰囲気下において硬化物が白濁しない観点からポリカーボネートジオールが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
分子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリイソシアネートがある。芳香族ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどが挙げられ、脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられ、脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネートなどが挙げられる。中でも、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネートが好ましい。
少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコールなどの二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートまたはジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも柔軟性に優れる硬化物が得られるという観点から、二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくはエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレートである。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーの合成方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。例えば、分子内に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物とを、モル比(ポリオール化合物:イソシアネート化合物)で好ましくは3:1〜1:3であり、更に好ましくは2:1〜1:2の割合で、希釈剤(例えば、メチルエチルケトン、メトキシフェノールなど)中で反応させてウレタンプレポリマーを得る。次いで、更に、得られたウレタンプレポリマー中に残存するイソシアネート基と、これと反応するのに十分な量の少なくとも分子中に1個以上の水酸基を含有する(メタ)アクリレートとを反応させて、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成する方法が挙げられる。 また、合成時に用いる触媒としては、例えば、オレイン酸鉛、テトラブチルスズ、三塩化アンチモン、トリフェニルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸コバルト、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセチルオキシジスタノキサン、トリエチルアミン、1,4−ジアザ[2,2,2]ビシクロオクタン、N−エチルモルホリンなどを挙げることができ、中でも活性が高く、透明性に優れる硬化物が得られることから、ジブチル錫ジラウレート、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクテン酸亜鉛が好ましく用いられる。これらの触媒を、反応物の総量100質量部に対して0.0001〜10質量部添加するのが好ましい。また、反応温度は、通常10〜100℃、特に30〜90℃で行うのが好ましい。ウレタン変性(メタ)アクリレートオリゴマーは原料の段階で溶剤または下記のモノマーで希釈されているものを使用しても良い。
(メタ)アクリレートモノマーとしては、単官能、二官能、三官能、四官能以上の多官能モノマーが挙げられる。好ましくは、二官能の(メタ)アクリレートモノマーである。モノマーは組成物の粘度を下げるために分子量が10000以下であることが好ましく、さらに好ましくは5000以下であり、最も好ましくは1000以下である。
単官能モノマーとしては、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、変性ブチル(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性フェノキシ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
二官能モノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレートなどが挙げられる。
三官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
多官能モノマーとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの重合性モノマーは単独または二種類以上を混合して用いることができる。
シランカップリング剤の具体例として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのグリシジル基含有シランカップリング剤、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル基含有シランカップリング剤、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シランカップリング剤、その他γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの中でもより密着性の向上が期待できるという観点で、エポキシ基または(メタ)アクリロイル基を含有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。
無機充填剤の具体的としてはガラス粉、フュームドシリカ粉、シリカ粉、アルミナ粉、マイカ粉、シリコーンゴム粉、炭酸カルシウム粉、窒化アルミ粉、カーボン粉、カオリンクレー粉、乾燥粘土鉱物粉、乾燥珪藻土粉、金属粉などが挙げられる。さらに、フュームドシリカ粉としては、オルガノクロロシラン類、オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザンなどで表面を化学修飾(疎水化)したものなどが挙げられ、例えば日本アエロジル株式会社製のアエロジルシリーズとしてR974、R972、R972V、R972CF、R805、R812、R812S、R816、R8200、RY200、RX200、RY200S、R202などの市販品が挙げられる。流動性などの改良を目的や硬化物の機械的強度を向上させる目的で、無機充填剤の配合量は、光硬化性組成物全体に対し0.1〜10重量%添加することが好ましい。
本発明の光硬化性組成物を塗布する方法としては、公知の技術を使用することができる。例えば、エアゾールによる噴霧やポリエステル、ナイロン、ポリエステル/ナイロン複合繊維、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の合成繊維からなる布などによるコーティング、、バーコーターによる塗布、塗工によるフローコート法、ロールコート法、グラビアロール法、ワイヤバー法、リップダイコート法などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。溶剤が揮発したドライの状態で100μm以下の塗膜であることが好ましく、溶剤の添加量により塗膜の厚さを制御することができる。
本発明の光硬化性組成物を塗布する基材としては、鋼鈑、無アルカリガラス板、コンクリート、モルタル、車両のボディーや自動販売機などの塗装表面などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の乾燥方法としては、溶剤を揮発させるために室温乾燥、常温乾燥、熱風乾燥、IR乾燥などがある。溶剤の種類にもよるため断定できないが、おおよその目安として光硬化性組成物が20μmの塗膜において80℃雰囲気下で10分で揮発する溶剤は、25℃雰囲気下で1時間以内の指触乾燥に相当する。本発明の硬化方法としては、紫外線、可視光などのエネルギー線の照射により硬化することができる。150〜750nmの波長域の照射光が好ましく、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプまたはLEDランプを使用して1〜100kJ/mの積算光量で硬化することができ、好ましくは5〜70kJ/mの積算光量である。本発明においては、乾燥後に硬化することが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、光硬化性組成物を単に組成物とも呼ぶ。
[実施例1〜9および比較例1〜8]
組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分および(D)成分:1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマーおよび溶剤
・メトキシプロパノールで溶解された固形分47重量%の1分子中に(メタ)アクリロイル基とポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリロイルポリマー(8SS−723 大成ファインケミカル株式会社製)
(B)成分:1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン
・両末端メタクリレート基含有シリコーン樹脂(動粘度(25℃):10mm/s)(X−22−164 信越化学工業株式会社製)
・両末端アクリレート基含有シリコーン樹脂(動粘度(25℃):55mm/s)(X−22−2445 信越化学工業株式会社製)
・多官能メタクリレート基含有シリコーン樹脂(粘度(25℃):500mPa・s)(X−40−2761 信越化学工業株式会社製)
(B’)成分:(B)成分以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
・片末端メタクリレート基含有シリコーン樹脂(動粘度(25℃):5mm/s)(X−22−2404 信越化学工業株式会社製)
・ライトアクリレートDCP−A(粘度(25℃):150mPa・s)(ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート 共栄社化学株式会社製)
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂ベースの2官能エポキシアクリレート(V−5500(不揮発分:100%)/トリメチロールプロパントリアクリレート=40/60(重量比)希釈時のガードナー粘度(25℃):W(=11.8dPa・s))(ユニディックV−5500 DIC株式会社製)
・3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(動粘度(25℃):2.5mm/s)(KBE−503 信越化学工業株式会社製)
(C)成分:光開始剤
・2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(IRGACURE1173 BASF社製)
(D)成分:溶剤
・メトキシプロパノール(試薬)
(A)〜(D)成分を撹拌釜に秤量して、遮光した状態で25℃雰囲気下にて1時間撹拌する。詳細な調製量は表1に従い、数値は全て質量部で表記する。また、8SS−723にはポリマー成分と溶剤が含まれているため、それぞれ、「8SS−723(固形分)」と「8SS−723(溶剤分)」と表記する。
実施例1〜9および比較例1〜8に対して水接触角測定、水滑落角測定、耐久試験を実施した。その結果を表2にまとめた。
[水接触角測定]
基材であるアルカリガラス板にバーコーターNo.40を用いてウェットで厚さ20μmで組成物を均一に塗布する。テストピースを80℃雰囲気の熱風乾燥炉に10分放置してから炉から取出し室温になるまで冷却する。その後、ベルトコンベアー型のUV照射器により、積算光量30kJ/mを照射して硬化する。5マイクロリットルの水を塗膜に滴下し、協和界面科学株式会社製のDM−500にて測定し、その結果を「水接触角(度)」とする。水接触角は100度以上であることが好ましい。詳細は、JIS R 3257に従う。
[水滑落角測定]
基材であるアルカリガラス板にバーコーターNo.40を用いてウェットで厚さ20μmで組成物を均一に塗布する。テストピースを80℃雰囲気の熱風乾燥炉に10分放置してから炉から取出し室温になるまで冷却する。その後、ベルトコンベアー型のUV照射器により、積算光量30kJ/mを照射して硬化する。50マイクロリットルの水を塗膜に滴下し、協和界面科学株式会社製のDM−500にて測定し、その結果を「水滑落角(度)」とする。水滑落角は25度以下であることが好ましい。
[耐久試験]
初期測定値を測定した前記水接触角と水滑落角のテストピースに対して、500gの荷重下でマイクロクロスファイバーにより乾拭きを500回行った。その後、前記の水接触角および水滑落角を再測定した。「変化率(%)」を変化率=乾拭き500回後/初期測定値×100で計算する。耐久試験後の水接触角は100度以上であることが好ましく、耐久試験後の水滑落角は25度以下であることが好ましい。耐久試験後の水接触角変化率が95〜105%、耐久試験後の水滑落角変化率が90〜110%であることが好ましい。
(A)成分を使用しない比較例4では、初期の水接触角が低くと共に初期の水滑落角が高いことから撥水性が実施例1〜9と比較して低いことが分かる。また、(B’)成分を用いた比較例5〜8では、実施例1〜9と比較して初期の水接触角が低いと共に、初期の水滑落角が高いかまたはそれらの変化率が大きいことが分かる。さらには、(B)成分の最適な添加量が、実施例1〜9および比較例1〜3との比較より(A)成分100質量部に対して(B)成分が15〜70質量部であることが分かる。
加熱処理をすること無く、光照射により耐久性を有する撥水処理が可能であり、その用途は車載、船舶、公共施設など幅広い分野に適用できる。

Claims (7)

  1. (A)〜(D)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分が15〜70質量部含む光硬化性組成物。
    (A)成分:1分子中に(メタ)アクリロイル基とオルガノポリシロキサン基を有するポリマー
    (B)成分:1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するオルガノポリシロキサン
    (C)成分:光開始剤
    (D)成分:溶剤
  2. 前記(D)成分が、エーテル基を含むアルコール溶剤である請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記(A)成分のポリマーが、(メタ)アクリレートポリマーである請求項1または2のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  4. 前記(B)成分のオルガノポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサンである請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物を含むコーティング剤。
  6. 車両のボディーに用いられる請求項5に記載のコーティング剤。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物を基材に塗布し、乾燥した後に光照射することで硬化させた塗膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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