JPH0961601A - 光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物、光学物品及び面光源 - Google Patents

光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物、光学物品及び面光源

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JPH0961601A
JPH0961601A JP7213403A JP21340395A JPH0961601A JP H0961601 A JPH0961601 A JP H0961601A JP 7213403 A JP7213403 A JP 7213403A JP 21340395 A JP21340395 A JP 21340395A JP H0961601 A JPH0961601 A JP H0961601A
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俊和 西尾
Hiroshi Kojima
弘 小島
Hisanori Ishida
久憲 石田
Kazuko Eto
和子 江藤
Hiroyuki Amamiya
裕之 雨宮
Michiko Takeuchi
道子 竹内
Eiju Ichinose
栄寿 一ノ瀬
Yoichi Abe
庸一 阿部
Hidenori Ishikawa
英宣 石川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、表面硬度、及び屈折率が高
く、硬化時の収縮変形や、硬化後の変形や置き痕、耐候
性低下の問題がない、光学物品用電離放射線硬化型樹脂
組成物、その硬化物を用いた優れた光学物品及び面光源
を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、引張応力と歪との関係図にお
いて、硬化物が降伏点を持たないことを特徴とする光学
物品用電離放射線硬化型樹脂組成物、詳しくは、環状構
造を有し、二つ以上のアクリレート基を有するエポキシ
アクリレート(a)と、環状構造を有する単官能アクリ
レート(b)とから成り、アクリレート官能基が0.2
〜5.0mmol/gであることを特徴とする光学物品
用電離放射線硬化型樹脂組成物を用いることにより、上
記課題を解決した、優れた光学物品用電離放射線硬化型
樹脂組成物、その硬化物を用いた光学物品及び面光源を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過型の液晶表示
素子、ビデオプロジェクター、広告板、光拡散板、後方
反射レンズ等の透光性表示体のバックライト(背面光
源)用の照明手段として、或いはホログラム、映写スク
リーン等の光学物品として有用な、表面硬度が高く、硬
化時の収縮変形や、硬化後の変形や置き痕、耐候性低下
の問題がない、光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成
物、該光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物を用い
た、優れた性能を有する光学物品、及び面光源に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、透過型の液晶表示素子において、
軽量化、低消費電力化の要求は一段と高まり、背面光源
の光エネルギーを有効に利用し、必要十分な方向、拡散
角内への均一的、効果的な光源光の集光を目的として様
々な提案がなされている。これらは、通常、透明なアク
リル樹脂等の板材からなる導光体の側面に光源を配置
し、側面から導光体内に入射した光源光を、導光体の裏
面の反射層で反射させ、導光体の上側表面の光放出面か
ら光源光を出射させて利用するものである。
【0003】その際、導光体の上側表面には、所望の出
力光の拡散角、出射方向、ピーク方向輝度を得る為に、
プリズム作用或いはレンズ作用をする光学物品、即ち、
レンズ配列シートを配置した構成の面光源が使用され
る。このような導光体の側面に光源を配置する面光源
は、その構成からエッジライト型(或いはサイドライト
型)の面光源と呼ばれている。また、光源を拡散シート
やレンズ配列シートの真下に配置する直下型面光源もあ
るが、液晶表示素子用の面光源としては、厚手となるこ
とから用途が限定されている。
【0004】従来、レンズ配列シートは、米国特許24
82598号公報や、米国特許3565978号公報等
に開示されている熱可塑性樹脂の射出成形、あるいは、
熱プレス成形により製造されるのが一般的であった。し
かしながら、これらの製造方法では、製造時の加熱及び
冷却に長時間を必要とし、生産性が低いという問題点が
あること、更に製造されたレンズ配列シートの耐久性が
十分でない問題点を有していた。
【0005】近年、レンズ型母型と透明フィルムの間
に、反応性樹脂を介在させ、熱や紫外線によって、反応
性樹脂を硬化させることにより、レンズ母型のレプリカ
を製造する方法が提案されている。米国特許25248
62号公報には、(メタ)アクリル酸やメチルメタアク
リレート等のモノマー、あるいは一部重合したこれら組
成物を光重合により光学部品を製造する方法が述べられ
ている。
【0006】また、米国特許3689346号公報や米
国特許3935359号公報には、架橋可能な、一部ポ
リマー化されたアクリルエステル等の樹脂組成物を、レ
ンズ母型に注入し、活性エネルギー線や熱で固化させる
方法により、レンズ配列シートを連続的に製造する方法
が述べられている。
【0007】特開昭48−21546号公報では、透明
な狭持体間に無溶媒型光硬化性樹脂を狭持せしめ、透明
部より露光して、露光部分を硬化せしめ、狭持体の接触
面に応じた形状の光硬化性樹脂成形体を得る光学素子の
製造方法が開示されている。
【0008】また、米国特許4376800号公報に
は、アクリルモノマーとウレタンアクリレートからなる
組成物を紫外線硬化にて光学物品を製造する方法が述べ
られている。しかしながら、こうした方法は、皮膚刺激
性、毒性等の強いモノマ−の使用で作業環境の悪化や、
反応が完結するまでに時間が懸かり、生産性に劣る欠点
を有していた。更に、機械的物性が悪かったり、硬化時
の収縮によりフィルムのカール等の変形を生じてしまう
問題点も有していた。
【0009】特公昭62−51725号公報は、情報ト
ラックを有する金属製のダイ(母型)上に、飽和炭化水
素やフェニル基を含有する放射線重合性樹脂を被着し、
次いで該重合性樹脂の前記ダイと反対側の表面上に基板
を設けるか、または予め該重合性樹脂層を基板に被着し
た後、該基板を有する重合性成形樹脂層を前記ダイ上に
被着し、該重合性成形樹脂を光硬化した後、該重合性成
形樹脂層とこれに結合した基板とをダイから除去するこ
とによる、CDやLD等のプラスチック情報キャリアの
複製法を開示している。
【0010】また米国特許第3689346号公報、特
開平5−169015号公報は、電離放射線硬化型樹脂
の組成物を、所望のレンズ配列の形状を刻設してなる金
型に充填し、紫外線、電子線等の電離放射線を照射して
該オリゴマー組成物を架橋し、硬化させ、而る後に硬化
物を金型から離型して、微小レンズ配列シートを製造す
る方法が開示されている。
【0011】更に米国特許4576850号公報、及び
特公平4−5681号公報には、所謂ソフトセグメント
とハードセグメントと称する化合物の混合物を、紫外線
照射にて架橋硬化させることにより、熱寸法安定性の向
上や機械的物性を改良する方法が開示されている。しか
しながらこれらの方法は、硬化時間が比較的長くかか
り、またソフトセグメントの導入による生成硬化物の表
面硬度の低下、レンズ配列シートの硬化時の変形や、耐
候性低下の問題が残されていた。
【0012】また、特開平4−329501号公報に
は、同様の電離放射線硬化樹脂の注型法で製造される微
少レンズ配列を多価(メタ)アクリレートの電離放射線
硬化性物で構成し、かつ該硬化物のヤング率を1000
kg/cm2〜5000kg/cm2(25℃)に選定す
ることが開示されている。
【0013】即ち、ヤング率が1000kg/cm2
満の場合は、シート状硬化物を積層した際に変形を生じ
易く、形成された光学物品の形状、特に加圧される先端
部の形状が歪み、光学特性が変化する恐れがあり、また
5000kg/cm2を超えると重合収縮により反りが
発生し易く、好ましくないことが開示されている。
【0014】また特開平6−67004号公報では、同
様の理由から、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化後の
25℃における弾性率が10000〜50000kg/
cm 2の範囲にあることが好ましいことが開示されてい
る。
【0015】しかしながら、実際に光学物品を製造する
と、これらの従来技術による光学物品の製造方法を以て
しても、下記の欠点を完全に解決することは困難である
ことが判明した。即ち、
【0016】(I)硬い樹脂(高ヤング率の樹脂)を用
いて光学物品を作成した場合には、成形物の形状再現
性、表面硬度等は良好なものの、特に成形物がシート状
である場合には、反りや光学歪みを発生することが多い
こと。また、折り曲げ、押圧による凹み等の変形が加わ
ると、変形が永久的に残留し元に戻らないこと(置き
痕)。更に外力が加わると亀裂、破断を生じやすいこと
等である。
【0017】(II)一方、柔軟な樹脂(低ヤング率の樹
脂)を用いて光学物品を作成した場合は、上記の欠点は
改善されるものの、光学物品が変形し易く、特に成形物
がシート状である場合、これらを積層したり、液晶表示
装置(LCD)、エッジライト面光源の導光板等の他の
板状体と積層した際に変形を生じ易く、形成されたレン
ズの形状、特に加圧される先端部の形状が歪み、光学特
性が変化したり、また表面硬度が不足する為に摩耗や擦
り傷を生じやすいこと等である。
【0018】特に(I)中の置き痕については、完全に
制御することが極めて困難であり、他の問題点を全て解
消しても、なお置き痕が発生することが多く、また置き
痕を解消すると今度は上述の他の欠点が発生すると言う
問題点が残されていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上述の欠点(I)及び(II)、中でも特に
置き痕を解決し、且つ透明性、屈折率、表面硬度等に優
れ、硬化時間が短く、生産性に優れる光学物品用電離放
射線硬化型樹脂組成物、該樹脂組成物を用いた光学物
品、及び該光学物品から構成される面光源を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決する為に、鋭意検討の結果、単に弾性率のみを
検討しただけでは不十分であって、硬化物の引張応力と
歪との関係図において、硬化物が降伏点を持たない電離
放射線硬化型樹脂組成物を用いることにより、従来の光
学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物の欠点である
(I)及び(II)、中でも特に置き痕を解決できるこ
と、とりわけ、環状構造を有し、二つ以上のアクリレー
ト基を有するエポキシアクリレート(a)と、環状構造
を有する単官能アクリレート(b)とから成り、アクリ
レート官能基が0.2〜5.0mmol/gであること
を特徴とする、特定の光学物品用電離放射線硬化型樹脂
組成物を用いることにより、硬化物の高い硬度、屈折率
を保持し、耐久性に優れ、かつ硬化時にカール等の変形
が少なく、微細形状の設計が可能な、硬化速度の速い、
光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物を見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0021】
【発明の実施の形態】即ち、本発明は、引張応力と歪と
の関係図において、硬化物が降伏点を持たないことを特
徴とする光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物であ
る。本発明の光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物
は、好ましくは、環状構造を有し、二つ以上のアクリレ
ート基を有するエポキシアクリレート(a)と、環状構
造を有する単官能アクリレート(b)とから成り、アク
リレート官能基が0.2〜5.0mmol/gである、
硬化物が降伏点を持たないことを特徴とする光学物品用
電離放射線硬化型樹脂組成物である。
【0022】更に、本発明の光学物品用電離放射線硬化
型樹脂組成物は、詳しくは、環状構造を有し、二つ以上
のアクリレート基を有するエポキシアクリレート(a)
が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、及びそれらの混合物からなる群から選ばれ
る1種以上のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反
応で得られるエポキシアクリレートであることを特徴と
する。
【0023】また本発明の光学物品用電離放射線硬化型
樹脂組成物は、詳しくは、環状構造を有する単官能アク
リレート(b)が、イソボロニル(メタ)アクリレー
ト、グリシジルシクロカーボネート(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アク
リレート、2−フェニル−2−(4−アクリロイルオキ
シフェニル)プロパン、2−フェニル−2−(4−アク
リロイルオキシアルコキシフェニル)プロパン、2,
4,6−トリブロモフェニルアクリレート、2,4,6
−トリブロモフェニルアルコキシアクリレート及びこれ
らの混合物からなる群から選ばれる1種以上の単官能ア
クリレートであることを特徴とする。
【0024】また本発明は、本発明の光学物品用電離放
射線硬化型樹脂組成物の硬化物から成る光学物品、本発
明の光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物から成る電
離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物層(A)及びシート
状の透明樹脂層(C)から成る光学物品、電離放射線硬
化型樹脂組成物の硬化物層(A)と、接着剤層(B)
と、シート状の透明樹脂層(C)から成る光学物品とを
含むものである。
【0025】更に本発明は、透光性平板からなる導光体
と、該導光体の側端面のうちの1面以上に隣接して設け
られた光源ユニットと、該導光体裏面に設けられた光反
射層と、該導光体表面の光放出面上に積層された、本発
明の光学物品とから構成される面光源である。
【0026】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で
言う光学物品とは、微小単位レンズ或いは微小単位プリ
ズムを1次元又は2次元方向に多数配置したもの。具体
的には後述のレンチキュラーレンズ等であり、用途とし
ては透過型液晶表示装置、電飾看板、広告燈等のバック
ライト(背面光源)用の光拡散板、集光板や、投射テレ
ビジョンのスクリーンや、集光レンズ用のレンチキュラ
ーレンズやフレンネルレンズ、再帰反射シート等、回折
格子、ホログラム、光の反射率又は透過率の変化によっ
て情報を記録・再生する為に変調された溝や穴等を形成
したコンパクトデスク、ビデオデスク等の記録媒体等の
光学物品を言い、その多くはその表面に光を効率的に反
射、屈折、集光させることを目的とする微細構造を有す
るものである。
【0027】これらレンズ配列シート等の光学物品は、
その製造工程中に、あるいは装置に組み込む際に外力を
受けて局所的に変形を受けることがある。例えば、シー
ト状の光学物品が異物や気泡を挟んだまま巻き取られる
と、異物の存在箇所に局所的に大きな応力がかかる。ま
たシートの巻き取りロール、或いはシート状の光学物品
を多数積層したまま保管する場合もある。
【0028】これらの場合にも自重により局所的に応力
が集中する。この場合、局所的な変形が歪みとなって残
留し、応力から開放された後も、なお永久歪み(変形)
が残り、所謂、置き痕となることがある。これは、過大
な応力により光学物品に、塑性変形を生じるためである
と考えられる。
【0029】本発明の光学物品用電離放射線硬化型樹脂
組成物は、この問題点を解決する為に、引張応力と歪と
の関係図において、その硬化物が降伏点を有しないこと
を特徴とするものである。本発明で言う、硬化物が降伏
点を持たないとは、引張応力(kg/cm2)と歪
(%)との関係図、即ち、硬化物の引張応力−歪曲線、
又は一般にS−S(ストレス−ストレイン)曲線又はS
−S特性と呼ばれる関係図において、例えば、図1のよ
うに降伏点を有さないものを言い、図2の如く、降伏点
が存在するものは好ましくない。
【0030】更に、図3の如く、降伏点が出ない場合で
も、破断時の応力(σ2)が、引張応力−歪曲線上で、
引張変形開始点における接線と破断時の歪での応力との
交点(σ1)の比、即ち、σ2/σ1が0.5以上の値を
示すものが特に好ましく、σ2/σ1比が、0.5以下で
あると外力を取り除いた後に、硬化物の変形復元に要す
る時間が長くなり、好ましくない。
【0031】図1〜図3は、JIS K7113の測定
方法に従い、温度23±2℃、相対湿度50±2%で測
定した、引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係
を模式的に示すものである。歪(%)は、引張後の試料
の長さ(l)と初期試料の長さ(l0)との差を、初期
試料の長さ(l0)で除し、百分率でその割合を示した
もので、歪(%)=(l−l0)/l0 × 100で算出
されるものである。
【0032】特に置き痕については、単に弾性率を制御
したのみでは完全に解消することは出来ず、置き痕の発
生は引張応力−歪曲線の降伏点の有無と関係し、降伏点
を有しない本発明による光学物品用電離放射線硬化型樹
脂組成物を用いた硬化物は、置き痕の発生がなく良好な
ものが得られる。即ち、本発明の特定の電離放射線硬化
性樹脂組成物からなる光学物品は、その硬化物が応力−
歪曲線で降伏点を持たないものであり、加わる応力が弾
性限度内であるときは、応力から開放されると、弾性復
元力により元の形状に復元し、置き痕が生じることが無
い。
【0033】本発明で用いられる光学物品用電離放射線
硬化性樹脂組成物は、その硬化物が前記の様な引っ張り
応力−歪曲線の挙動、或いはさらに弾性率の範囲を満た
すものであれば如何なるものでも良く、特に限定されな
い。従って、本発明による光学物品用電離放射線硬化型
樹脂組成物には、基本的に樹脂組成物中に、米国特許4
576850に記載の所謂ソフトセグメントやハードセ
グメントと呼ばれる樹脂成分が含まれていてもかまわな
い。
【0034】また、ソフトセグメントのみから成る光学
物品用電離放射線硬化型樹脂組成物も本発明に含まれ
る。しかしながら、本発明の特に好ましい実施の形態と
しては、ソフトセグメント成分を樹脂組成物中に含ま
ず、ハードセグメントと呼ばれる樹脂成分により構成さ
れる、構成成分が構造的に固く、硬化物の硬度、及び屈
折率が高いものである。かかるハードセグメントとして
は、環状構造を有するもので、更に好ましくは、ベンゼ
ン環、置換ベンゼン環の構造を有していることが好まし
く、更に系中に30重量%以上のベンゼン環、置換ベン
ゼン環の構造を有していることが好ましい。
【0035】硬化物の弾性率に関しては、弾性率が大き
過ぎると、光学歪み、亀裂等を生じ易い傾向があり、ま
た弾性率が小さ過ぎると、積層時のレンズ変形等を生じ
易い傾向がある。これらは、圧縮弾性率、或いは曲げ弾
性率を用いて評価することも可能であるが、良好な相関
性と測定の容易さとから、弾性率として引張弾性率(ヤ
ング率、縦弾性率ともいう)で評価することが好まし
い。
【0036】本発明の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬
化物の引張弾性率は、1000〜50000kg/cm
2の範囲のものであり、好ましくは、2000〜400
00kg/cm2、特に好ましくは、2500〜350
00kg/cm2である。引張弾性率が1000kg/
cm2未満であると、光学物品が変形し易く、これを積
層して使用した際に変形を生じ、形状、光学特性に狂い
を生じる。
【0037】一方、引張弾性率が50000kg/cm
2を超える場合は、硬化時の収縮や、反りや光学歪みを
発生することが多く、また亀裂、破断を生じやすい。こ
の場合、置き痕、即ち、製造中に一旦折り曲げ痕、押圧
による凹み等の変形が加わると変形が永久的に残留し元
に戻らない現象も生じ易い傾向がある。
【0038】電離放射線硬化型樹脂の硬度は、樹脂骨格
の剛性と、架橋密度、反応率等に影響される。樹脂骨格
として、ソフトな成分を導入すると、同一の架橋密度で
は、硬度が低くなる。これを避けるために、架橋密度を
増加させて硬度を補う方法をとると、電離放射線硬化型
樹脂の硬化時に硬化収縮が大きくなり、光学物品の変形
を生じ易い。
【0039】光学物品の変形、即ち、レンズ配列シート
のカール等を低減させる為に、電離放射線硬化型樹脂組
成物の架橋密度を小さくとどめる一つの方法として、分
子量の大きい電離放射線硬化型オリゴマーの樹脂組成物
への添加や、熱可塑性ポリマーの添加が検討されてき
た。しかし、電離放射線硬化型樹脂組成物の架橋密度を
小さくする為に、分子量の大きい反応性オリゴマーや、
熱可塑性ポリマー等を用いると硬化前の樹脂組成物の粘
度が著しく高くなる。
【0040】電離放射線硬化型樹脂組成物の母型への均
一な塗布、並びに微細構造を有する母型の複製の為に
は、用いる樹脂組成物の粘度は、一般には、25℃で1
000〜12000cpsの範囲にあることが望まし
く、好ましくは1000〜8000cpsである。12
000cpsを越えたり、あるいは、逆に1000cp
s以下では、樹脂組成物を母型の微細部分まで十分に型
入れすることや、連続塗布が困難となる。
【0041】しかし、特殊な塗布方法を用いれば、10
00cps以下の樹脂組成物を塗布することは、特に問
題なく、そのような低粘度の樹脂組成物の使用が好まし
い場合もあり、そのような場合には、溶剤や反応性希釈
剤が添加される。
【0042】樹脂組成物の粘度を調整する為に、溶剤等
を添加して組成物の粘度を下げると溶剤の揮発工程が必
要となり、また溶剤を揮発させた後のパターニングの際
に、一般には微細な母型パターンの転写が困難となる
が、母型に塗布して凹凸パターンを充填した後、段階的
に溶剤を除去する等の手段をこうじることにより、溶剤
添加での粘度調整も可能である。また、樹脂組成物の粘
度を低下させる為に、反応性希釈剤を添加することは可
能であるが、多量に添加した場合は、組成物の硬化収縮
率が大きくなり、製造時あるいは経時的にレンズ配列シ
ートの変形を生じて好ましくない。
【0043】また硬化塗膜の弾性率を低下させる方法と
して、分子構造中にガラス転移点の低いソフトセグメン
ト成分として、ポリエーテルや脂肪族ポリエステル、ポ
リシロキサン、ポリオレフィン、アクリル酸エステルを
主成分としたポリアクリル等を導入する方法が考えられ
る。しかしながら、このようなソフトセグメント成分の
導入により、製品硬化物の硬度は低下し、表面の傷つき
や耐久性低下等の問題を生じる。
【0044】本発明の特定の樹脂組成物は、架橋密度が
高くない為に、硬化物の変形が抑えられるものである。
即ち、本発明による特定の光学物品用電離放射線硬化型
樹脂組成物は、分子中に極性を有する官能基を有してお
り、極性官能基により、分子間で水素結合をとる構造を
有している。
【0045】一般に、水素結合は、電気陰性度の高い原
子X,YのX−H基とY原子の間に形成されるものであ
り、電気陰性度の高い原子としては酸素、窒素原子が挙
げられる。より具体的には、本発明による光学物品用電
離放射線硬化型樹脂組成物中のエポキシアクリレートや
単官能アクリレートに含まれるX=Oである水酸基と、
Y=Oの酸素原子の間に水素結合が形成される。
【0046】水素結合の結合エネルギーは、1〜8Kc
al/molであり、通常の化学結合に比して弱いもの
であるが、分子間で形成される水素結合により、分子間
に疑似的な架橋構造が形成される。即ち、分子間で形成
される水素結合により、分子間の凝集力が増し、これに
よって硬化速度が増加し、更に物性強度が高いものとな
る。
【0047】このように、本発明の特定の組成を有する
光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物は、分子間水素
結合を形成する能力を有することにより、他のハードセ
グメントだけで構成した樹脂組成物と比較して、硬化速
度が早く、かつ硬化物が靭性を有することになり、製造
時でのレンズ配列シートの変形や割れを防止し、レンズ
配列シートの耐衝撃性の向上が図れるものである。
【0048】即ち、本発明の環状構造を有するエポキシ
アクリレート(a)としては、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、一部ハロ
ゲン置換されたビスフェノールA型エポキシ樹脂、一部
ハロゲン置換されたビスフェノールF型エポキシ樹脂、
水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びそれらの混
合物からなる群から選ばれる1種以上のエポキシ樹脂と
(メタ)アクリル酸との反応で得られるエポキシアクリ
レートである。
【0049】即ち、ビスフェノールA型のエポキシアク
リレートやフェノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク型のエポキシアクリレート、ナフタレン骨格のエポキ
シアクリレート、ビスフェノールF型のエポキシアクリ
レート及びそれらのハロゲン化物、水添化物エポキシア
クリレート、またはこれらの混合物である。
【0050】またこれら環状構造を有する化合物は、ソ
フトセグメントのみ、またはソフトセグメントとハード
セグメントを併用した樹脂硬化物に比べ、一般に屈折率
が高く、光学物品の厚さを薄く設定することが出来た
り、面光源としての輝度等光学特性の向上の利点を有す
る。特に、一部ブロム置換体であるブロム化エポキシア
クリレートは、硬化物の屈折率が高く、また難燃性の性
質も得られる為に好ましい。また水添化されたものは耐
候性、耐変色性が向上する為、好ましい。
【0051】これらエポキシアクリレートは、分子内に
環状構造をもったグリシジルエーテル化合物にエチレン
性不飽和二重結合とカルボン酸を有する化合物を反応さ
せて得られるもので、グリシジルエーテルのカルボン酸
による開環付加反応により製造されるものである。この
ときグリシジルエーテルの開環で、2級の水酸基が残基
として生成し、この水酸基が水素結合を形成するプロト
ン供与体となる。
【0052】本発明の環状構造を有する単官能アクリレ
ート(b)としては、炭素環状構造として、飽和、不飽
和環状構造を有する単官能アクリレート、及びヘテロ環
状構造を有する単官能アクリレートを、単独または2種
以上の併用で使用可能で、公知慣用のものが使用でき
る。
【0053】それらの代表例のみを例示すると、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート
(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)ア
クリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、
【0054】(メタ)アクリロイルオキシフタリックア
シッド、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、アダマンチル(メタ)アクリレート、モノホリ
ン(メタ)アクリレート、2−フェニル−2−(4−ア
クリロイルオキシフェニル)プロパン、2−フェニル−
2−(4−アクリロイルオキシアルコキシフェニル)プ
ロパン、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレー
ト、2,4,6−トリブロモフェニルアルコキシアクリ
レート及びこれらの混合物からなる群から選ばれる1種
以上の単官能アクリレート等である。
【0055】特に、2−フェニル−2−(4−アクリロ
イルオキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2−
(4−アクリロイルオキシアルコキシフェニル)プロパ
ン、2,4,6−トリブロモフェニルアクリレート、
2,4,6−トリブロモフェニルアルコキシアクリレー
ト及びこれらの混合物が好ましく用いられる。
【0056】2−フェニル−2−(4−アクリロイルオ
キシアルコキシフェニル)プロパンの構造式を、一般式
1に示す。 (一般式1)
【0057】
【化1】
【0058】(式中、Rは水素またはメチル基、R1は
炭素数1〜5の炭化水素基を表わし、nは0〜3の整数
を表わす。)
【0059】2,4,6−トリブロモフェニルアルコキ
シアクリレートの構造式を一般式2に示す。 (一般式2)
【0060】
【化2】
【0061】(式中、Rは水素またはメチル基、R1は
炭素数1〜5の炭化水素基を表わし、nは0〜3の整数
を表わす。) これらの一般式1又は一般式2で示される化合物の特に
好ましいものは、Rが水素またはメチル基であり、R1
は炭素数2のエチレンであり、n=0又は1の化合物で
ある。
【0062】また単官能アクリレート以外の環状構造を
有する単官能反応性希釈剤も本発明に使用する事が出来
る。これら代表的なものとしては、スチレン、ビニ−ル
ピロリドン等を挙げることが出来る。
【0063】水酸基、環状エーテル基、シクロカーボネ
ート基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホ
ン酸基等の酸基及びそのアルカリ金属塩等の極性官能基
を有する環状構造を有する単官能反応性希釈剤も好まし
く用いられる。これらは、テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート、グリシジルシクロカーボネート(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アク
リレー等が挙げられる。
【0064】環状構造を有するエポキシアクリレート
(a)と、環状構造を有する単官能アクリレート(b)
と、必要に応じ添加する光開始剤(c)との配合による
本発明の樹脂組成物は、系のアクリレート官能基が0.
2mmol/g〜5.0mmol/gであることが必要
であるが、上述の 環状構造を有するエポキシアクリレ
ート(a)と、環状構造を有する単官能アクリレート
(b)は各々単独で用いることもできるし、またそれら
を必要に応じて2種類以上混合して用いることも出来
る。アクリレート官能基濃度が0.2mmol/gより
低いと、硬化性が低下し、また粘度が高くなり作業性が
悪くなる。
【0065】またアクリレート官能基濃度が、5.0m
mol/gより高いと、硬化収縮により硬化シートがカ
ールしてしまう。0.2mmol/g〜5.0mmol
/gのアクリレート官能基濃度により、硬化性が良好
で、硬化時のカール等のフィルムの変形を防ぐことがで
き、かつ、良好な表面硬度が得ることが出来る。
【0066】本発明の光学物品の中でも、特にレンズ配
列シートは、その変形により生じるカールが問題とな
る。カールは、作成された光学レンズシートをA4サイ
ズに切り出し、水平面上にレンズ形成面を上にして静置
し、レンズシートの端が水平面からカールした高さを測
定することにより評価することができる。本発明の光学
物品用電離放射線硬化型樹脂組成物を用いた硬化物のカ
ールは、該評価方法で1mm以下であることが好まし
い。
【0067】更に、レンズ配列シートの変形、即ち、カ
ール性は、樹脂の硬化収縮率との相関性が深いことか
ら、本発明に用いる光学物品用電離放射線硬化型樹脂組
成物の硬化収縮率を求めることにより、カールを生じな
い樹脂組成を決定することができる。即ち、硬化収縮率
は、硬化前の樹脂比重(DL)と硬化後の樹脂比重(D
S)から、式1により算出でき、本発明で使用される光
学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化収縮率は、
5.5%以下であることが好ましい。 硬化収縮率(%)=(DS−DL)/DS × 100 (式1)
【0068】また、本発明の好ましい配合比率は、環状
構造を有するエポキシアクリレート(a)が10%〜9
0重量%であり、更に好ましくは、30%〜85重量%
である。また環状構造を有する単官能アクリレート
(b)は、10%〜90重量%、好ましくは、20%〜
70重量%である。単官能アクリレート(b)が70%
以上存在する場合は、引っ張り試験で降伏点が出易く、
硬化物が塑性変形を起こし易くなる。
【0069】本発明の光学物品用電離放射線硬化型樹脂
組成物は、当然のことながら透明性に優れ、厚み0.4
mmのシートの400〜900nmの波長領域の光の透
過率が少なくとも80%以上、多くは85%以上であ
り、好ましくは透過率90%以上である。
【0070】本発明の光学物品の中でも、特にレンズ配
列シートは、外力による変形が復活しないことにより生
じる置き痕が問題となる。レンズ配列シートは製造上、
長尺帯状シートとして製造され、紙巻に巻取って製造、
貯蔵されるが、この際にシート末端を粘着テープで紙巻
に固定し、レンズ配列シートを紙巻に巻取る。この場合
に、粘着テープ部分の盛り上がりが段差として突出し、
レンズ配列シートに変形を生じる。この変形部分が永久
変形となると所謂置き痕となる。
【0071】置き痕は、作成された光学レンズシートの
一部である単位面積のみに任意の圧力を加え、任意の時
間放置してその圧力を取り除いたとき、痕が確認できる
か否かで評価することが可能である。具体的には、鉄製
の平板上に、厚み75μm、1インチ角の粘着テープを
置き、その上に10cm×10cmのレンズ配列シート
60枚を積層し、温度40℃の条件で、500g/cm
2の荷重を3日間加え、荷重を除いた後に、透過光及び
反射光による目視で判定する。
【0072】作成されたシートに置き痕が全く無いこと
が最も好ましいが、長尺ロール等に光学レンズシートを
巻く場合には、通常、粘着テープから21枚目以降のシ
ートに置き痕の痕跡が確認されないものであれば、実用
上問題がないレンズ配列シートを作成することができ
る。
【0073】本発明により製造される光学物品は、製造
時やディスプレー装着時に、硬化物表面に傷等の塗膜欠
陥を生じる可能性があるが、光学物品として使用する
為、これらの微小な傷は、致命的な欠陥となる。従っ
て、本発明に用いられる樹脂組成物は、高い表面硬度が
要求され、具体的には、鉛筆硬度として、JIS K−
5400に準じて、H以上のものであることが好まし
い。
【0074】また必要に応じて、樹脂組成物中に、塗膜
の改質や塗装適性、母型からの離型性を改善させるた
め、種々の添加剤として、紫外線吸収剤、光安定剤、酸
化防止剤、レオロジーコントロール剤、シリコン添加
剤、脱泡剤等を添加することも可能である。
【0075】本発明においては、硬化エネルギー線とし
て電離放射線を用いる。電離放射線としては、可視光
線、紫外線、X線等の電磁波、または電子線等の荷電粒
子線が用いられるが、これらの内で実用上良く用いられ
るのは、可視光線、紫外線、または電子線である。特に
可視光線または紫外線を用いて、本発明の樹脂調製物な
らびに樹脂組成物を硬化させる場合には、波長が1,0
00〜8,000オングストロームなる紫外線または可
視光線によって、解離し、ラジカルを発生するような光
(重合)開始剤(c)を使用すべきである。
【0076】かかる光(重合)開始剤としては、公知慣
用のものが、いずれも併用できるが、そのうちでも代表
的な例を挙げれば、例えば4−ジメチルアミノ安息香
酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシ
アセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフ
ェノンおよびベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香
酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケ
トン、
【0077】ベンジルおよびベンジル誘導体、ベンゾイ
ンおよびベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテ
ル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサ
ントンおよびチオキサントン誘導体、2,4,6−トリ
メチルベンゾイルジフェノイルフォスフィンオキシド、
【0078】2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパン−1、2−ベンジル
−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニ
ル)−ブタノン−1等が挙げられる。
【0079】これらのなかでは、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、チオキサントンおよびチオキ
サントン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジ
フェノイルフォスフィンオキシド、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1
−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群
から選ばれる1種または2種類以上の混合系が硬化性が
高いので、特に好ましい。
【0080】光開始剤は、0.5重量%から10重量%
の範囲での添加が好適である。また、光(重合)開始剤
に、公知慣用の光増感剤をも併用することができる。か
かる光増感剤として特に代表的なもののみを例示するに
留めれば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合
物、含塩素化合物またはニトリル類もしくは、その他の
含窒素化合物等である。
【0081】本発明の光学物品用電離放射線硬化型樹脂
組成物を用いた光学物品の製造では、紫外線等のエネル
ギ−線は、支持体となる透明基板面(シート状の透明樹
脂層(C))を通して照射される場合が多い為、使用さ
れうる光開始剤は、長波長領域に吸光能力を有する開始
剤が好ましく、紫外線が360nmから450nmの範
囲、特に400から440nmにおいて光開始能力を有
する光開始剤の使用が望ましい。450nm以上の光を
吸収するものは、組成物の安定性が悪く、完全に遮光し
た環境での製造が必要となり、その取扱いが極めて困難
となる。
【0082】こうした光の波長に吸光、開始能力を有す
る開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェノイルフォスフィンオキシド、チオキサンソンや
置換チオキサンソン類、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−
1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられ
る。なお、電子線を用いる場合は、これら光開始剤や光
増感剤は不要である。
【0083】本発明の光学物品の一つであるレンズ配列
シートは、上述の電離放射線硬化型樹脂組成物層(A)
を所望の微細形状を有する母型の凹凸パターンに塗布し
これを充填させ、電離放射線硬化型樹脂層を電離放射線
照射により硬化後、この母型より剥離し、母型の微細構
造を複写したレンズ配列シートとして製造される。
【0084】その際、母型表面に塗布、充填された該組
成物(A)の一方の表面に更にシート状の透明樹脂層
(C)を密着させた状態で電離放射線照射することが好
ましい。該シート状の透明樹脂層(C)は最終製品に不
要であれば、硬化工程後に剥離する。
【0085】接着剤層(B)は必ずしも必須のものでは
なく、電離放射線硬化型樹脂組成物層(A)とシート状
の透明樹脂層(C)の接着の程度、及び目的とする光学
物品の要求性能により、必要に応じてシート状の透明樹
脂層(C)と電離放射線硬化型樹脂組成物層(A)との
間に形成する。
【0086】ここで言うシート状の透明樹脂層(C)
は、レンズ配列シートの物理的強度を付与する目的と、
微細構造を有する母型の反対側の面の平滑性を得るため
に使用される。こうしたシ−ト状の透明樹脂層(C)を
完成品のレンズ配列シートに使用しない場合にも、かか
る平滑面を得るために、電離放射線硬化型樹脂組成物層
(A)を母型とシート状の透明樹脂層(C)との間に挟
んだ状態で硬化させ、しかる後に、シート状の透明樹脂
層(C)を剥離除去することが好ましい。
【0087】また、特に電離放射線として紫外線を用い
る場合は、シート状の透明樹脂層(C)により空気中の
酸素による硬化阻害を防止できることからも好ましい。
更に、シート状の透明樹脂層(C)の電離放射線硬化型
樹脂組成物層(A)への接する側には、必要に応じ公知
の離型処理を施しても良い。
【0088】一方、シート状の透明樹脂層(C)なし
で、電離放射線硬化樹脂層の膜厚を厚くし、レンズ配列
シートの強度を持たせることが考えられるが、電離放射
線硬化樹脂層の膜厚が厚くなると、膜厚方向での硬化度
合の不均一さや、硬化歪が生じ易くなる。それ故、シー
ト状の透明樹脂層(C)と電離放射線硬化樹脂層(A)
を一体化することは、レンズ配列シートの製造、強度か
ら好ましい方法である。
【0089】こうしたシート状の透明樹脂層(C)とし
ては、物理的衝撃に対して、破断強度、引張強度等の機
械的強度を有していて、均一な膜厚、平滑性、透明性、
フレキシビリティ、耐久性を有していることが必要であ
る。
【0090】この透明樹脂層(C)は、具体的にはシー
ト状のものが好ましく、とりわけ、20ミクロンから1
mm程度のものが好ましく、加工性や、フィルム物性、
透明性の観点から、特に50ミクロン〜150ミクロン
が好適である。また透明樹脂層(C)の表面は、層
(C)と層(A)とを接触させたまま最終製品とする場
合は電離放射線硬化型樹脂層(A)との密着性向上の
為、コロナ放電処理、プラズマ処理、易接着プライマー
コート等の易接着処理を行ったものでも良い。
【0091】具体的には、透明性の良い二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステルシート、ポリメ
チルメタクリレート等のアクリル系シート、ポリカーボ
ネート系シート、塩化ビニル系シート、ポリスチレンシ
ート等が使用できる。特に、耐久性の面から、ポリエチ
レンテレフタレ−ト系あるいは、ポリカ−ボネ−ト系の
シ−トが好ましい。
【0092】本発明において、シート状の透明樹脂層
(C)と電離放射線硬化型樹脂組成物層(A)との積層
体として、レンズ配列シートを構成する場合には、電離
放射線硬化型樹脂層(A)の耐久性はもとより、基材と
なるシート状の透明樹脂層(C)の耐久性、更には電離
放射線硬化樹脂層(A)と、シート状の透明樹脂層
(C)の密着性も重要であり、この為、基材となるシー
ト状の透明樹脂層(C)と、電離放射線硬化樹脂層
(A)の間に接着剤層(B)を設けることができる。
【0093】即ち、具体的には、接着層(B)が、セル
ロース樹脂(b1)と、ポリイソシアネ−ト(b2)とか
ら成るもの、分子量3000から30000のポリエス
テル樹脂(b3)と、ポリイソシアネ−ト(b2)とから
成るもの、分子量3000から30000のポリエステ
ル樹脂(b3)と、環状構造を有するエポキシアクリレ
ートと、光開始剤から成り、かつ該エポキシアクリレ−
トの含量が10%〜60%であることを特徴とするもの
が挙げられる。
【0094】レンズ配列シートとしては、光学物品用電
離放射線硬化型樹脂組成物から成る硬化物層(A)と、
セルロース樹脂(b1)と、ポリイソシアネ−ト(b2)
から成る接着層(B)と、ポリエステルまたはポリカ−
ボネ−ト樹脂から成るシート状の透明樹脂層(C)から
成るレンズ配列シート、樹脂組成物から成る硬化物層
(A)と、分子量3000から30000のポリエステ
ル樹脂(b3)と、ポリイソシアネ−ト(b2)とから成
る接着層(B)と、ポリエステルまたはポリカ−ボネ−
ト樹脂から成るシート状の透明樹脂層(C)から成るレ
ンズ配列シートや、
【0095】樹脂組成物から成る硬化物層(A)と、分
子量3000から30000のポリエステル樹脂と、環
状構造を有するエポキシアクリレートと、光開始剤から
成り、かつエポキシアクリレ−トの含量が10%〜60
重量%である樹脂組成物から成る接着層(B)と、ポリ
エステルまたはポリカ−ボネ−ト樹脂から成るシート状
の透明樹脂層(C)から成るレンズ配列シートが挙げら
れる。
【0096】但し、基材シートとなる透明樹脂層(C)
と、電離放射線硬化型樹脂層(A)との密着性が十分で
あったり、或いは透明樹脂層(C)表面へのコロナ放電
処理、プラズマ処理、易接着プライマーコート等の易接
着処理等により、密着性が十分な場合は、接着剤層
(B)は不要である。また密着性をより強固にする目的
で、易接着処理と接着剤層(B)とを併用することもで
きる。
【0097】接着剤層(B)としては、支持体となる透
明樹脂層(C)と微細構造を形成する電離放射線硬化型
樹脂層(A)との両方に優れた接着能力を有するものか
ら選定しなければならない。本発明の接着剤層(B)と
しては、熱可塑性樹脂とポリイソシアネート(b2)、
あるいは熱可塑性樹脂とアクリレート化合物の樹脂組成
物、あるいはポリイソシアネ−ト(b2)とポリエステ
ル(b3)からなる樹脂組成物が、優れた密着性を有
し、特に好ましく用いられる。
【0098】ここで言う熱可塑性樹脂としては、公知慣
用のものが使用出来るが、好ましくは、各種のセルロー
スエステルやセルロースエーテル等のセルロース樹脂
(b1)、各種(メタ)アクリル酸エステル重合体であ
るアクリルラッカー等のアクリル系樹脂、高分子量オイ
ルフリーポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリエステルやポリエーテル系のポ
リウレタン等が挙げられる。特に、これらの内で、セル
ロース樹脂(b1)、ポリエステル樹脂(b3)が好まし
い。
【0099】ここで言うセルロースエステル樹脂とは、
セルロース中の水酸基を、酸類で部分的にエステル化し
たものであり、硝酸、硫酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、その他の高級脂肪酸等の一つ以上の酸とのエステル
化により得られるものである。特に、酢酸、プロピオン
酸、酪酸によりエステル化されたセルロースエステル樹
脂が好ましく用いられる。セルロースエーテル樹脂もセ
ルロースエステル樹脂と同様に用いることができる。ま
たエステル及びエーテル結合を有するセルロース樹脂も
好ましく用いられる。
【0100】ここで言うポリエステル樹脂(b3)とし
ては、飽和、不飽和のポリオールと多塩基酸、あるいは
低級アルキルエステルとのエステル化反応やエステル交
換反応によって得られる公知慣用のものである。また分
子量は3,000〜30,000のものが好ましい。こ
うしたポリオール原料としては、公知慣用のものが使用
できるが、そのうち代表例を挙げれば、エチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ネオペンチルグリコール、
【0101】1,3−ブタンジオール、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ジクロロネオペンチルグリ
コール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒドロキシ
ピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘ
キサンジメチロール、
【0102】1,4−シクロヘキサンジオール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペ
ンタエリスリトール、ジペンンタエリスリトール、トリ
ペンタエリスリトール、スピログリコール、トリシクロ
デカンジメチロール、水添ビスフェノールA等である。
【0103】更に、多塩基酸化合物としては、公知慣用
の各種のカルボン酸、またはそれらの酸無水物、及びこ
れらカルボン酸化合物と低級アルキルアルコールのエス
テル化物が使用できるが、それらのうちでも特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル
酸、ヘット酸、ハイミック酸、クロレンディック酸、ダ
イマー酸、アジピン酸、こはく酸、アルケニルこはく
酸、セバチン酸、アゼライン酸、
【0104】2,2,4−トリメチルアジピン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、2−
ナトリウムスルホテレフタル酸、2−カリウムスルホテ
レフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソ
フタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、またはジ
メチル−ないしはジエチルエステルの如き、5−ナトリ
ウム−スルホイソフタル酸のジ−低級アルキルエステル
類、あるいは、オルソフタル酸、4−スルホフタル酸、
1,10−デカメチレンジカルボン酸、
【0105】ムコン酸、しゅう酸、マロン酸、グルタン
酸、トリメリット酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラブ
ロムフタル酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸も
しくはピロメリット酸、またはこれらの酸無水物、また
は、メタノール、エタノール等のアルコールエステル化
合物などが挙げられる。
【0106】またここでいう(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、公知慣用のもが使用できるが、より具体的
には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート等のアルキル(メタ)アクリレートや、環状
構造を有する(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキ
レン(メタ)アクリレート等挙げることが出来る。
【0107】更に環状エステル化合物としては、γ−ブ
チロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、D−グルコノ−1,4−ラク
トン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−
ペンテン−5−オリド、12−ドデカノリド等のラクト
ン類が挙げられる。
【0108】また接着層に好ましく使用し得るアクリレ
ート化合物としては、通常、反応性希釈剤として用いら
れるものや、各種アクリレートオリゴマー、アクリレー
トポリマーが使用でき、これらアクリレート化合物とし
ては、エポキシアクリレ−ト、ウレタンアクリレ−ト、
ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート
等単独または2種類以上を併用して使用できる。
【0109】この中でも、微細パターンを有する電離放
射線硬化型樹脂層との密着性の観点から、エポキシアク
リレート化合物が特に好ましい。ここで使用されるエポ
キシアクリレートとしては、上述の電離放射線硬化型樹
脂組成物で例示したものが使用でき、またこれらアクリ
レート化合物は、接着層樹脂中の10%〜60重量%で
あることが好適である。
【0110】アクリレ−ト化合物が10%以下の場合
は、接着層の上層となる電離放射線硬化樹脂層との密着
性が低下したり、耐水試験にて、白化等の現象が見られ
たりする。また、アクリレート化合物の量が60%以上
の場合には、基材との密着性が減少する弊害を生じ易
い。
【0111】また、ポリエステルやポリエーテル系のポ
リウレタン等としては、上述のポリエステルの分子量が
約500から4000程度のポリエステルポリオールや
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキ
サイドとポリイソシアネートとの反応で得られるポリウ
レタン樹脂が使用できる。
【0112】ここで言うポリイソシアネートとしては、
単独で使用しても、あるいは、イソシアヌレート化せし
めた形のポリイソシアネートとイソシアネート化合物と
を併用してもよいことは、勿論であり、公知慣用の二官
能以上のイソシアネートをいずれも用いることができる
が、これらの代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、トルレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジシクロヘ
キシルメタンジイソシアネートもしくはイソホロンジイ
ソシアネート、水添キシリレンジイソシアネートの如
き、各種の脂環式ジイソシアネート化合物、
【0113】またはヘキサメチレンジイソシアネートも
しくはリジンジイソシアネートの如き、各種の脂肪族ジ
イソシアネート化合物など各種の化合物などが挙げられ
る。また、上記イソシアネ−トモノマ−をビュレット、
アロハネ−ト、イソシアヌレ−ト化せしめたイソシアネ
−ト多量体、更にポリオ−ルとの反応により得られるポ
リイソシアネ−トも使用できる。これらは単独でも、ま
た併用して使用しても良い。これらの内でもイソシアネ
−ト基を分子中に3個以上有するポリイソシアネ−ト化
合物が好ましく、特にヘキサメチレンジイソシアネート
から誘導されるポリイソシアネ−トが好ましい。
【0114】熱可塑性樹脂とポリイソシアネ−トの割合
は、熱可塑性樹脂の水酸基当量とポリイソシアネ−トの
イソシアネ−ト当量の比率、OH当量/NCO当量比率
が、0.1から5の範囲、好ましくは、0.1から1の
範囲で配合することが接着性の信頼性の上で望ましい。
また接着剤層(B)の膜厚としては、0.2ミクロンか
ら10ミクロンの範囲が適切である。
【0115】シート状の透明樹脂層(C)に、接着剤層
(B)を塗装し、必要ならセッティング時間を設ける
か、あるいは、温度をかけて溶剤等を揮発させる。この
後、電離放射線硬化型樹脂層(A)を塗装し、所望の微
細形状を有する母型を密着させ、この状態で電離放射線
硬化型樹脂層を電離放射線硬化させることにより、シー
トと電離放射線硬化層の密着を得ることが出来る。
【0116】また接着剤層(B)、特に熱可塑性樹脂と
アクリレート化合物の樹脂組成物系に、光(重合)開始
剤を添加することが 接着層の反応性を上げる観点から
好ましく、かかる開始剤としては、前述の光開始剤が使
用できる。
【0117】本発明の電離放射線硬化型樹脂組成物を用
いた光学物品の一つであるレンズ配列シートの製造方法
としては、公知の各種の製法が適用でき、特に限定され
ないが、好ましい製法としては、例えば米国特許第36
89346号公報、米国特許4576850号公報、特
公昭63−50066号公報、特開平5−169015
号公報等に開示されているような製法を用いる。次に図
4を用いて、レンズ配列シートの製造方法の概要を説明
する。
【0118】図4において、1は所望の凹凸が形成され
たロール凹版、2はそのロール凹版1の凹部、3は未硬
化の電離放射線硬化性樹脂液、3aは硬化した電離放射
線硬化性樹脂、4は必要に応じて接着剤層(B)を付し
た透明な基材シート(C)、5はロール凹版1を押圧す
る押圧ロール、6及び8は送りロール、7は電離放射線
照射装置、9は目的とするレンズ配列シート、10はT
ダイ型ノズル、11は乾燥装置、12は液溜である。
【0119】電離放射線硬化型樹脂3をロール凹版1の
凹部2に充填する方法としては、図4に示した様に、ロ
ール凹版1の表面に、予め電離放射線硬化型樹脂液3を
所定量塗工しておいて、基材シート4をロール凹版1へ
供給したときに、押圧ロール5の基材背面側からの押圧
により、基材シート4を介して、塗工されている電離放
射線硬化型樹脂液3を凹部2内に配分充填させる。
【0120】この場合に、溶剤タイプの硬化性樹脂が使
用でき、乾燥装置11により溶剤を揮発除去できる。電
離放射線照射装置7は、図4に示したように1個でもよ
いが、複数個の硬化装置を設け、ロール凹版1内の樹脂
液3を多段階に硬化させるようにしてもよい。このよう
にすれば、基材シート4の走行速度を速くしても十分な
照射量が得られ、また、徐々に硬化することにより、樹
脂液3の硬化歪、基材シート4のカールや歪を低減する
ために好ましい。
【0121】次いで、基材シート4がロール凹版1に接
している間(具体的には、図中の押圧ロール5と送りロ
ール6との間に位置している時期)に、電離放射線照射
装置7により電離放射線硬化型樹脂3を硬化させる。な
お、電離放射線照射装置7により電離放射線を照射する
場合には、基材シート4側から行われるが、ロール凹版
を石英、ガラス等の電離放射線の透過性がよい材質によ
り形成して、ロール凹版1の内部側より照射することも
できる(具体的にはロール中空内に設置した照射装置に
より行なう)。また、基材シート側と凹版内部側と両面
より照射してもよい。
【0122】電離放射線照射装置7により、ロール凹版
1の凹部2内にある電離放射線硬化型樹脂3を基材シー
ト4に硬化密着させる。電離放射線照射装置7を通過し
た後、基材シート4をロール凹版1から剥離する。これ
により、硬化した電離放射線硬化型樹脂液3aが基材シ
ート4と一体となって、凹部2から脱離され、凹凸表面
を有するレンズ配列シート9が得られる。
【0123】なお、上述の様な製造方法において、透明
な基材シート4としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタ
クリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリスチレン樹脂等の熱可塑性樹脂等からなるシートが
使用できる。厚みは、装置取扱い等の作業性の面から決
められるが、通常10〜1000μm程度である。
【0124】最終製品の段階で、もし基材シートが不要
であれば、該基材シートのレンズ配列を有する側の面に
予め電離放射線硬化性樹脂の硬化物に対して離型性を付
与する処理(シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の離型性
樹脂層を塗工する等)を施しておき、上述の製法が完了
した後、該基材シートをレンズ配列シートから剥離除去
すればよい。
【0125】電離放射線照射装置の電離放射線とは、電
磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合、架橋しうる
エネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線、
電子線等が用いられ、紫外線の場合には、超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、ブラッ
クライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用い
ることができる。紫外線波長は、通常1900〜380
0オングストロームの波長域が主として用いられる。
【0126】また電子線の場合には、コックロフトワル
トン型、バンデグラフ型、共振変圧器型絶縁コア変圧器
型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等
の各種電子線加速器等の照射源を備えた装置を用いるこ
とができ、100〜1000KeV、好ましくは100
〜300KeVのエネルギーを持つ電子を照射する。照
射線量としては、通常0.5〜30Mrad程度が好ま
しい。
【0127】図4中の溶剤乾燥装置11は、樹脂の溶剤
を揮発させるための装置である。溶剤乾燥装置11とし
ては、温風、赤外線ヒーター等を用いることができる。
なお、無溶剤型の電離放射線硬化型樹脂を用いるときに
は、乾燥装置11は不要である。
【0128】次に、本発明の光学物品の具体例として、
電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる単位レンズを1
次元又は2次元方向に配列したレンズ配列を形成してな
るレンズ配列シートの代表的な形状を示す斜視図を、図
5〜図9に示す。
【0129】図5は三角柱プリズム(レンズ)を単位レ
ンズ41として用い、平面上に該単位レンズを、その稜
線方向が互いに平行になるように隣接させて一次元方向
(稜線と直行する方向)に多数配列してレンズ配列シー
ト9とした、所謂3角プリズム線型配列シートである。
頂角βは代表的には60゜〜120゜程度であり、繰り
返し周期Pは代表的には20μm〜500μmである。
【0130】図6は半円柱又は半楕円柱形の凸レンズを
単位レンズ41として用い、該単位レンズを、その稜線
方向が互いに平行になる様に隣接させて一次元方向(稜
線と直行する方向)に多数配列してレンズ配列シート9
としたもの、所謂レンチキュラーレンズである。図7は
図6に於いて、単位レンズを凸レンズから凹レンズに置
き換えたもので、凹レンズ形レンチキュラーレンズとも
呼ぶべきものである。
【0131】図8は半球又は半回転楕円体を単位レンズ
とし、該単位レンズを2次元方向に多数配列してレンズ
配列シート9としたもの、所謂、蠅の目レンズである。
図9は4角錐を単位レンズとし、該単位レンズを2次元
方向に多数配列してレンズ配列シート9としたものであ
る。
【0132】但し、図5〜図9はレンズ配列シートの一
部の例に過ぎず、本発明のレンズ配列シートはこれらに
限定されるものでは無い。例えば、以下の様なものも本
発明の光学物品に包含される。 フレネルレンズの様に個々の単位レンズの形状が互い
に異なったもの、或いは非周期的に単位レンズを配列し
たもの(一方、図5〜図9のレンズは同一形状の単位レ
ンズを多数配列した周期配列を有するものである)でも
良い。
【0133】単位レンズは凸レンズ、凹レンズのいず
れでも良く、凹レンズと凸レンズの組見合わせ配列でも
良い。 更に、本発明に於けるレンズの概念は透過光を屈折或
いは内面での反射によって光に集光、偏向、拡散等の変
調、制御を加える素子のことを総称するものであり、プ
リズム、回折格子、ホログラム等も包含する。
【0134】本発明のレンズ配列シートは、図5〜図
9の様に1枚のみで使用しても良いし、必要とあれば図
10の様に2枚以上積層して使用しても良い。例えば図
10の様に2枚のレンズ配列シートを、その稜線が互い
に直行するように積層すると、透過光の制御、変調をX
方向及びY方向の2方向とも行うことが出来る。
【0135】本発明のレンズ配列シート9は、図5、
図7、図8、及び図9の様に電離放射線硬化性樹脂組成
物の硬化物からなる単一層の構成でも良いし、或いは図
6の様に透明な基材シート(板、フィルムも含む)4の
表面にレンズ配列(41)を形成した2層構成のもので
も良い。 本発明のレンズ配列シートは図5〜図9の様にシート
の片面にレンズ配列を有するものの他、シートの両面に
レンズ配列を有するものであっても良い。
【0136】レンズ配列シートの微細形状を有する母型
としては、フレネルレンズやレンチキュラーレンズ、フ
ライアイ(蠅目)レンズを与える型、又はその変形とし
ては、例えば、多角錐、円錐台、または多角錐台の同一
形状かつ同一体種の形状を平面上に等方的に多数配列し
たものを形成することができる。ここで、角錐または角
錐台として、正三角錐(または錐台)、正四角錐(また
は錐台)、正六角錐(または錐台)を用いると、平面内
に隙間なく配列でき、かつ形状も等方的であり、水平お
よび垂直方向とも同等な半値角を持たせることができ、
場所による変動もなく好ましい。
【0137】または、複数個の連続した三面角体また
は、4面角体のプリズム要素の配列等の光学部の形状と
同形状で逆凹凸の形状を有する面である金属製、あるい
は合成樹脂製の型を用いることが可能である。またこう
した母型は、平面上に微細形状を有しても、円筒形状の
ものの表面に有しても製造可能である。
【0138】次に、本発明の面光源について説明する。
本発明の面光源は、少なくとも、透光性平板からなる導
光体と、該導光体の側端面のうちの1面以上の面に隣接
して設けられた光源ユニットと、前記導光体裏面に設け
られた光反射層と、前記導光体表面の光放出面上に積層
してなる1枚又は2枚の本発明の光学物品(レンズ配列
シート)とから構成し、一般にエッジライト型面光源と
呼ばれるものが、その代表例である。
【0139】図11に本発明の面光源の一例の斜視図を
示す。少なくとも、導光体51とその側端面の少なくと
も一箇所以上に隣接して設置された線状または点状の光
源52と、導光体51に接する光反射層53と、本発明
の光学物品(レンズ配列シート)9とから構成される。
また、通常は、さらに光源52の周囲には、内面が反射
面であるランプハウス54を備える。
【0140】通常、導光体51は、アクリル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ガラス等から成る1〜100mm程
度の透明板を用いる。透明板は全面均一の厚みでも良い
が、光源からの距離が離れるほど、厚みを薄くすると、
出力光の輝度が光源からの距離によらず均一になり好ま
しい。光源52には、線光源としては冷陰極管等の蛍光
灯を、点光源としては、白熱電球、発光ダイオード等を
用いる。
【0141】光反射層53は、光を拡散反射するため
に、一般的には白色インキの印刷等により光拡散反射性
の点状パターンを形成し、その更に裏面に金属膜を蒸着
やメッキして形成する。また通常は、光源からの距離が
遠くなるほど、光拡散反射性の点状パターンの面積率を
増加させることにより、光射出面からでる光量の均一化
を行う。また、導光体51とレンズ配列シート9との間
に、光拡散透明性シートを配列し、光を均一に拡散さ
せ、且つ光反射層53の光拡散ドットパターンを見えな
くすることもある。
【0142】レンズ配列シートを面光源に実装する場
合、レンズのある側が導光板側でも、或いは導光板と反
対側(出光面側)のいずれの側を向いた構成も可能であ
る。またレンズ配列シートの枚数は、一枚でも良いが、
柱状レンズの場合、2方向(上下方向と左右方向)の光
拡散角を制御するためには、図10の様に2枚のレンズ
配列シートを、単位レンズの稜線が交差(同図では直
交)するように積層しても良い。
【0143】この場合、レンズ配列を有する面(以下、
レンズ面)の向きは、2枚とも同一の向きにすると光透
過性が高く、また、下側のレンズ配列シートのレンズ面
と、上側レンズ配列シートの裏面の微小突起とのモアレ
縞を防止できる為に好ましい。また、2枚のレンズ配列
シートのレンズ面を、対向させて向き合うようにしても
よい。
【0144】本発明のエッジライト型面光源は各種用
途、例えば、透過型の液晶表示素子や照明付き広告板、
看板、交通標識、写真の陰画、陽画等観察する為のライ
トテーブル、室内の照明等に用いることができる。図1
2は、図11の面光源100上に透過型液晶表示板60
を配列して液晶表示装置(LCD)200とした例であ
る。
【0145】面光源の好ましい性能としては、例えば、
特開平5−169015号公報、その他の公知資料に記
載されているが、表示画面の放線方向の明るさ(法線輝
度)が、通常、1000cd/cm2以上であるが、面
光源は、通常、明るいものが好ましく、特に法線輝度の
上限を定める必要はない。
【0146】また、テレビ、ワードプロセッサー、液晶
表示板等では、水平方向の視野が必要とされる為、放線
方向からの光の拡散による輝度の低下が少ない、即ち、
法線方向の輝度が広い範囲で減少しないことが好まし
く、法線輝度の半分の輝度となる角度(半値角)が、広
いことが好ましい。通常、これら用途に用いられる面光
源の半値角は30〜90度であり、好ましくは45〜9
0度である。
【0147】
【実施例】次に、実施例、比較例により、本発明をより
具体的に説明するが、本発明は、元より、これらに限定
されるべきものではない。尚、例中の部及び%は、特に
記載のない限り、すべて重量基準である。
【0148】(合成例1)温度計、攪拌器、及びコンデ
ンサ−を備えたフラスコに、ε-カプロラクトンとヒド
ロキシエチルアクリレートの開環反応物(OH価=16
5KOH-mg/Kg)350部を仕込み、攪拌しながら60℃
に昇温し、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュ−レ
ット型ポリイソシアネート(NCO%=23.3%)を
180.3部を発熱に注意しながら1時間かけて滴下反
応した。
【0149】反応を10時間行い赤外吸収スペクトルに
よりイソシアネート基の吸収が消滅したことを確認して
からネオペンチルグリコールジアクリレートを123部
添加し、溶解して目的とする環状構造を有しない組成物
(S−1)を得た。
【0150】(合成例2)温度計、攪拌器、及びコンデ
ンサ−を備えたフラスコに、ε-カプロラクトンとヒド
ロキシエチルアクリレートの開環反応物(OH価=16
5KOH-mg/Kg)350部を仕込み、攪拌しながら60℃
に昇温し、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシア
ヌレート型ポリイソシアネート(NCO%=23.8
%)を177部を発熱に注意しながら1時間かけて滴下
反応した。
【0151】反応を10時間行い赤外吸収スペクトルに
よりイソシアネート基の吸収が消滅したことを確認して
からネオペンチルグリコールジアクリレートを123部
添加し、溶解して目的とする環状構造とソフトセグメン
ト(ε-カプロラクトン開環物)を有する組成物(SH
−1)を得た。
【0152】(比較合成例1)温度計、攪拌器、及びコ
ンデンサ−を備えたフラスコに、ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの524部を仕込み攪拌しながら60℃に
昇温し、ε-カプロラクトンと1,6−ヘキサンジオー
ルの開環反応物(OH価=215KOH-mg/Kg)520を
発熱に注意しながら1時間かけて滴下反応した。反応を
10時間行い、その後、ヒドロキシエチルアクリレート
の232部を添加し、更に10時間反応を行った。赤外
吸収スペクトルによりイソシアネート基の吸収が消滅し
たことを確認して比較対照例のハードセグメントとソフ
トセグメントを有するウレタンアクリレート(RSH−
1)を得た。
【0153】(比較合成例2)温度計、攪拌器、及びコ
ンデンサ−を備えたフラスコに、イソホロンジイソシア
ネートの444部を仕込み攪拌しながら60℃に昇温
し、1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸のポリエス
テルジオール(OH価=51KOH-mg/Kg)2200部を
発熱に注意しながら1時間かけて滴下反応した。反応を
10時間行い、その後、ヒドロキシエチルアクリレート
の232部を添加し、更に10時間反応を行った。
【0154】赤外吸収スペクトルによりイソシアネート
基の吸収が消滅したことを確認し、更に、トリプロピレ
ングリコールジアクリレートを1917部を加え、完全
に溶解して比較対照例のハードセグメントとソフトセグ
メントを有するウレタンアクリレート(RSH−2)を
得た。
【0155】(実施例1〜12)実施例1〜10につい
ては、表1及び表2に示す配合により、実施例11及び
12については、表3に示す配合により、光学シート用
電離放射線硬化型樹脂組成物(A)を調整した。
【0156】次に、図4に示す装置を用いて、50μm
ピッチで連続して並ぶ正4面体を複数二次元的に配列し
た形状を有する逆反射性レンズと同形状逆凹凸を表面に
持つ金属製ロール凹版を軸の回りに回転しつつ、Tダイ
型ノズルから電離放射線硬化型樹脂組成物(A)を該ロ
ール表面に塗布し、該ロール凹版の周速度と同期する速
度で、シート状の透明樹脂層(C)(透明PETフィル
ム:片面コロナ放電処理)を走行させつつ、該透明PE
Tフィルムのコロナ放電処理面と該ロール凹版表面と
を、電離放射線硬化型樹脂組成物(A)を間に介して密
着させ、そのままPETフィルム側から、高圧水銀ラン
プ(160W/cm)2灯を10cmの位置より、照射
し、樹脂層を硬化させると同時にPETフィルムに接着
させた。
【0157】この時PETフィルム表面に照射される紫
外線の照射量は500mj/cm2であった。硬化後、
PETフィルムを電離放射線硬化樹脂層と共に、ロール
凹版から剥離し、欲するロール凹版の形状を転写した光
学シートの連続シートを製造した。光学シート、及び硬
化樹脂の物性評価として、置き痕、カ−ル、付着等の各
試験を行った。
【0158】また、調整された実施例の樹脂組成物を、
それぞれ清浄で平滑なガラス板上に60〜70μmの厚
さに塗布し、高圧水銀灯(160W/cm)により紫外
線を500mj/cm2照射し、硬化テストピースを作製し
た。この硬化物については、引張試験と硬化性等の評価
を行った。その結果を表4〜7に示す。
【0159】(比較例1及び2)表3の配合により、比
較対照用光学シート用電離放射線硬化型樹脂組成物を調
整した。これについて実施例1〜12と同様に評価用レ
ンズ配列シート及び物性試験用硬化物を作製した。実施
例と同様に比較評価を行った結果を表6、7及び10に
示す。
【0160】(実施例13及び14)シート状の透明樹
脂層(C)として、透明なPETフィルム(膜厚100
μm)を用い、この上に接着層(B)をロールコーター
にて、乾燥膜厚約1μmになるよう塗布した。なおこの
時、接着層組成物中に含有される溶剤を80℃、30秒
間の加熱処理により乾燥させた。接着層(B)の樹脂組
成を下記に示す。
【0161】実施例13では、紫外線硬化型樹脂層とし
て実施例1の組成のものを また、実施例14では、実
施例6のものを使用し、レンズ配列シート製造方法は、
実施例1〜12記載の方法でのシート状の透明樹脂層
(C)(透明PETフィルム:片面コロナ放電処理)の
代わりに接着層(B)を塗布したペットフィルムを使用
した以外は、全く同様に行った。尚、紫外線硬化樹脂層
は、接着剤層(B)の上になるよう製造した。評価結果
を表10に示す。
【0162】(実施例13の接着層(B)の樹脂組成)
高分子量オイルフリーポリエステル樹脂(テレフタル
酸、イソフタル酸、アジピン酸、エチレングルコール、
1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ルの
縮合体、分子量 約5000)10部、ビスフェノール
Aエポキシアクリレート2部、トルエン4部、酢酸ブチ
ル4部で、合計20部とした。
【0163】(実施例14の接着層(B)の樹脂組成)
セルロースアセテートブチレート樹脂(ブチル化度37
%、アセチル化度13%、残存水酸基2%)15部、ト
ルエン40部、メチルエチルケトン40部、ヘキサメチ
レンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダク
ト型ポリイソシアネ−ト(NCO%=16.7%)5部
で、合計100部とした。
【0164】(測定・評価方法)以下に測定・評価方法
を記載する。 (1)粘度測定 E型回転粘度計、25℃での粘度測定(cps)を行っ
た。
【0165】(2)屈折率 液状サンプルと硬化サンプルを測定した。液状サンプル
は、Abbe屈折計のプリズムに直接塗布し、25℃に
て測定を行った。また、ガラス板上に、硬化させた樹脂
層をガラス板から剥し、試料とした。試料をプリズムに
密着させる中間液として、1−ブロモナフタレンを用
い、Abbe屈折計にて、試料温度25℃にて測定し
た。測定結果を表8及び9に示す。
【0166】(3)引張試験 上記硬化物のシートを株式会社ダンベル社製スーパーダ
ンベル(JIS 7113 2号ダンベル)を用いて打
ち抜き、測定シートとし、破断強度、破断伸度、引張弾
性率の測定を行った。但し、測定時、チャックでの測定
シートの滑りを防止する目的で、標線間(25mm)の
外側の左右上下4箇所を厚さ0.3mm、縦横20mm
の鉄板および接着剤(東亜合成化学社製アロンアルフ
ァ)を用いて固定し、掴み部とした。
【0167】試験機は、東洋ボールドウィン社製テンシ
ロンを使用し、変形速度を1.0mm/minとし、2
5℃、相対湿度50%の雰囲気下にて測定を行った。破
断強度、破断伸びおよび引張弾性率:剛性率と同様に引
張試験を行い、測定シートが破断した時点の応力、伸び
を測定しそれぞれ破断強度および破断伸びとした。ま
た、引張弾性率は、引張変形開始点からS−Sカ−ブ
(応力−歪曲線)の接線を引き、その傾きから算出し
た。但し、測定回数は5回とし、その平均値を評価結果
として表に示した。
【0168】弾性評価(σ2/σ1):上述で得られた図
3に示されるようなパターンのS−S曲線から、σ2お
よびσ1を読みとりσ2/σ1を算出した。 S−S曲線のパターン評価:同様に各々のS−Sカ−ブ
より、図1に示すような降伏点のないパターンをA、図
2に示すような降伏点を有するパターンをBとして表中
に記載した。
【0169】(4)置き痕 平滑な鉄板上の中央に、厚み75μm、1インチ角のP
ET粘着テープを置き、その上に、作成されたレンズ配
列シートを10cm×10cmに切り出したもの60枚
を紫外線硬化樹脂層が上部になるように重ね合わせた。
更に、その上から500g/cm2の荷重を加えた。温
度40℃で、荷重を加えたまま、3日間放置後、荷重を
とり除き、各レンズ配列シートを蛍光灯に透かし、又は
反射光により、目視により置き痕の有無について判定
し、置き痕が確認できるシートが粘着テープから何枚目
であるのかを確認した。
【0170】○:粘着テープから21枚目以降のシート
に置き痕の痕跡が確認されない。 ×:粘着テープから21枚目以降のシートにも置き痕が
確認できる。
【0171】(5) 光線透過率 厚み0.4mmのテストピースを作製し、400〜90
0nmの波長領域の光透過率を測定し、全領域で90%
以上の透過率を示すものを○(合格)とし、透過率がそ
れ以下のものを×とした。
【0172】(6)鉛筆硬度測定 JIS K5400に準拠して測定を行った。H以上を
○とし、F以下を×とした。
【0173】(7)硬化収縮率測定法 実施例、比較例の電離放射線硬化型樹脂組成物をそれぞ
れ内径30mm、高さ10mmのステンレス製パンに、
約5mmの高さまで入れ、高圧水銀灯(80W/cm)
のコンベア式紫外線照射装置を用い、空気雰囲気下で1
000mj/cm2の紫外線を照射して比重測定用の硬
化物を作成した。
【0174】これをJIS K7112 B法に準拠
し、23±2℃で硬化物の比重(DS)を測定した。但
し、浸せき液には、蒸留水を使用し、23±2℃で樹脂
組成物の比重(DL)を測定し、次式により硬化収縮率
を算出した。測定結果は2回の測定結果の平均値を算出
し、5.5%以下の時を○とし、それ以上の時を×とし
た。 硬化収縮率(%)=(DS−DL)/DS ×100
【0175】(8)カール性測定法 作成されたレンズ配列シートをA4サイズに切り出し、
水平面上にシート形成面を上にして静置し、光学シート
の端が水平面から自然にカールした高さ(mm)を測定
し、カールした高さが1mm以下の時を○とし、それ以
上の時を×とした。
【0176】(9)初期密着性測定 基材の透明PETと光学シート層を形成する電離放射線
硬化樹脂層との密着性をJIS K5400に準拠して
測定した。95/100以上の升目が残存する時を○と
し、それ以下の時を×とした。
【0177】(10)硬化性 160W/cmの高圧水銀灯で、15cmのランプ高
さ、ラインスピ−ド10m/minで照射したとき、表
面タックフリ−になるまでの照射回数を測定した。照射
回数が少ない方が硬化性が良好であり、2パス以下でタ
ックフリーになるものを○とし、それ以上の照射を必要
とするものを×とした。
【0178】(11)版離れ性 紫外線硬化後、PETフィルムを電離放射線硬化樹脂層
と共に、ロール凹版から剥離し、欲するロール凹版の形
状を転写したレンズ配列連続シートを製造する際、剥離
時に大きな負荷がなく、製造できるときを○、剥離時に
大きな剥離音や負荷がかかって、シートに折れ目等でき
てしまうものを×とした。
【0179】(12)初期外観判定 光学シート製造後の外観を目視にて判定した。判定基準
は、均一なレンズ表面形状が得られたものを○、一部に
割れや、形状の抜け落ちが見られたものを△、全面に割
れや、形状の抜け落ちがみられたものを×とした。
【0180】(13)沸水密着性測定 作成された光学レンズシートを、95℃以上の沸水に4
時間浸漬させ、室温に取り出し、2時間後の密着性をJ
IS K5400に準拠して測定した。数字は密着小片
の残存数を示し、100は全ての升目小片(100個)
が残存していたことを、0は全ての小片が剥離したこと
を示す。
【0181】(14)沸水後外観評価 作成された光学レンズシートを、95℃以上の沸水に4
時間浸漬させ、室温に取り出し、外観塗膜状態を目視に
て評価した。
【0182】(15)促進耐候密着性 作成された光学レンズシートを、フェードメーター(ス
ガ試験機:ブラックパネル温度:63±3℃)で400
時間促進耐候試験をおこなって、密着性をJIS K5
400に準拠して測定した。数字は(13)と同様に、
密着小片の残存数を表わす。
【0183】実施例及び比較例中に使用した樹脂の略語
を下記に示す。 BBA:テトラブロムビスフェノールA型エポキシアク
リレート BBF:テトラブロムビスフェノールF型エポキシアク
リレート BA :ビスフェノールA型エポキシアクリレート BF :ビスフェノールF型エポキシアクリレート
【0184】HBA:水添ビスフェノールA型エポキシ
アクリレート PIPA:2−フェニル−2−(4−アクリロイルオキ
シエトキシフェニル)プロパン BPOA:2,4,6−トリブロモフェニルアクリレー
ト BPOEA:2,4,6−トリブロモフェニルエトキシ
アクリレート IBA:イソボルニルアクリレート
【0185】THFA:テトラヒドロフルフリルアクリ
レート GCMA:グリシジルシクロカーボネートメタクリレー
ト PGA:フェニルグリシジルエーテルアクリレート #184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン d1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン
【0186】また表中の(a)は、環状構造を有し、二
つ以上のアクリレート基を有するエポキシアクリレート
を、(b)は、環状構造を有する単官能アクリレート
を、(c)は光重合開始剤を表わす。また、表中のS−
1、S−2、RSH1及びRSH2は、合成例1,2お
よび比較合成例1,2で合成された樹脂組成物である。
【0187】表中の評価結果の単位を下記に示す。 粘度:1000cps/25℃ DB濃度:樹脂組成物中のアクリレート官能基の濃度
(mmol/g) 破断強度:Kg/cm2 破断伸度:%
【0188】 弾性率(引張弾性率):100Kg/cm2 σ2/σ1:弾性評価 ss:S−Sカーブのパターン評価 光線透過:全光線透過率による透明性評価
【0189】硬度:(6)鉛筆硬度測定での評価 硬化収縮率:(7)硬化収縮率測定法での評価 カール:(8)カール性測定法での評価 付着:(9)初期密着性測定での評価 硬化性:(10)硬化性での評価 屈折率:25℃での液状屈折率、及び硬化物屈折率。
【0190】図13、図14及び図15は、各々実施例
1、実施例6及び実施例11で得られた樹脂組成物硬化
物の引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係を示
す図である。これらは実施例のS−S曲線の一例として
示した。全ての実施例のS−S曲線に降伏点は見られな
かった。
【0191】また図16は比較例1で得られた樹脂組成
物硬化物の引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関
係を示す図である。明かな降伏点が認められる。またσ
2とσ1は特に図示しなかったが、測定したσ2/σ1の比
は表中に記載した。
【0192】(実施例15)面光源の作成 実施例1〜10で作成したレンズ配列シートを用いて、
図11に示すようなエッジライト型面光源を各々作成
し、面光源としての性能を評価した。 (導光板)厚さ4mm、面積が対角線長9.4インチ、
材質は透明アクリル樹脂。
【0193】(板光拡散反射層)導光板裏面に白色イン
キ(酸化チタン顔料使用)を用いて、散点パターン状の
印刷を施し、更にその裏面に、アルミニウム蒸着PET
フィルムを積層し、鏡面反射層とした。尚、散点パター
ンの面積率は、光源から遠ざかるに従って、増大するよ
うにした。尚、2燈型であるため、中央で散点パターン
の面積率が最大となるようにした。
【0194】(光源)導光板の両側端に各1本、合計2
本の直径3mmの冷陰極管型の蛍光灯(消費電力4W)
を設置し、導光板に面した側以外を反射鏡で被覆した。 (光拡散透明性シート)厚さ38mmのサンドブラスト
PETシートを2枚重ねたものを用いた。
【0195】作成した面光源は、出光面(レンズ配列シ
ートの表面)から30cmの位置に輝度計(トプコンB
M−8)にて輝度を測定した。測定は出光面の法線方向
(0°方向)を中心として、−90°〜+90°の範囲
で測定し、角度依存性(配光特性、半値角)も併せて測
定した。更に、目視により、置き痕が輝度の分布、変化
として認識できるか否かを確認した。
【0196】測定の結果、作成した面光源は、いずれも
法線輝度が1200cd/cm2以上(1200〜12
50cd/cm2)であり、また、半値角もいずれも6
5°以上(65°〜75°)で、且つ、置き痕に由来す
る輝度変化も全く観察されず、良好な面光源が作成でき
た。
【0197】
【表1】 実施例配合表(実施例1〜10)
【0198】
【表2】 実施例配合表(実施例1〜10)
【0199】
【表3】 実施例11,12、及び比較例1,2の配合
【0200】
【表4】 実施例1〜10の評価結果
【0201】
【表5】 実施例1〜10の評価結果
【0202】
【表6】 実施例11,12及び比較例1,2の評価結
【0203】
【表7】 実施例11,12及び比較例1,2の評価結
【0204】
【表8】 実施例の屈折率
【0205】
【表9】 比較例の屈折率
【0206】
【表10】 実施例13,14及び比較例1,2の評価
結果
【0207】
【発明の効果】本発明は、表面硬度、及び屈折率が高
く、硬化時の収縮変形や、硬化後の変形や置き痕、耐候
性低下の問題がない、優れた光学物品用電離放射線硬化
型樹脂組成物、その硬化物を用いた優れた光学物品及び
面光源を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係
(S−S曲線)を示す模式図である。縦軸は引張応力
(kg/cm2)、横軸が歪(%)を表わす。(降伏点
が見られないパターンである。パターンA)
【図2】引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係
(S−S曲線)を示す模式図である。縦軸は引張応力
(kg/cm2)、横軸が歪(%)を表わす。(降伏点
が見られるパターンである。パターンB)
【図3】引張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係
(S−S曲線)を示す模式図である。縦軸は引張応力
(kg/cm2)、横軸が歪(%)を表わす。(降伏点
が見られないパターンである。パターンA)
【図4】本発明によるレンズ配列シートの連続製造方法
の一例を示す図である。
【図5】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的に
示した図である。
【図6】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的に
示した図である。
【図7】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的に
示した図である。
【図8】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的に
示した図である。
【図9】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的に
示した図である。
【図10】本発明によるレンズ配列シートの例を模式的
に示した図である。
【図11】本発明による面光源の一例を示す図である。
【図12】本発明による面光源の一例を示す図である。
【図13】実施例1で得られた樹脂組成物硬化物の引張
応力(kg/cm2)と歪(%)との関係図である。
【図14】実施例6で得られた樹脂組成物硬化物の引張
応力(kg/cm2)と歪(%)との関係図である。
【図15】実施例11で得られた樹脂組成物硬化物の引
張応力(kg/cm2)と歪(%)との関係図である。
【図16】比較例1で得られた樹脂組成物硬化物の引張
応力(kg/cm2)と歪(%)との関係図である。
【符号の説明】
1 ロール凹版 2 凹部 3 未硬化の電離放射線硬化型樹脂組成物(A) 3a 硬化した電離放射線硬化型樹脂組成物(A) 4 基材シート(C) 5 押圧ロール 6 送りロール 7 硬化装置 8 送りロール 9 レンズ配列シート 10 Tダイ型ノズル 11 乾燥装置 12 液溜 P 繰り返し周期 β 頂角 41 単位レンズ 51 導光体 52 光源 53 光反射層 54 ランプハウス 60 透過型液晶表示板 100 面光源 200 液晶表示装置(LCD)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 久憲 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 江藤 和子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 雨宮 裕之 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 竹内 道子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 一ノ瀬 栄寿 千葉県市原市辰巳台東4−4 (72)発明者 阿部 庸一 千葉県市原市君塚5−23−8 (72)発明者 石川 英宣 千葉県市原市若宮6−5−4

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張応力と歪との関係図において、硬化
    物が降伏点を持たないことを特徴とする光学物品用電離
    放射線硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 環状構造を有し、二つ以上のアクリレー
    ト基を有するエポキシアクリレート(a)と、環状構造
    を有する単官能アクリレート(b)とから成り、アクリ
    レート官能基が0.2〜5.0mmol/gであること
    を特徴とする請求項1記載の光学物品用電離放射線硬化
    型樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 環状構造を有し、二つ以上のアクリレー
    ト基を有するエポキシアクリレート(a)が、ビスフェ
    ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
    樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフェノールA型エポ
    キシ樹脂、一部ハロゲン置換されたビスフェノールF型
    エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
    及びそれらの混合物からなる群から選ばれる1種以上の
    エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応で得られる
    エポキシアクリレートであることを特徴とする請求項2
    記載の光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 環状構造を有する単官能アクリレート
    (b)が、イソボロニル(メタ)アクリレート、グリシ
    ジルシクロカーボネート(メタ)アクリレート、テトラ
    ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
    シ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、
    2−フェニル−2−(4−アクリロイルオキシフェニ
    ル)プロパン、2−フェニル−2−(4−アクリロイル
    オキシアルコキシフェニル)プロパン、2,4,6−ト
    リブロモフェニルアクリレート、2,4,6−トリブロ
    モフェニルアルコキシアクリレート及びこれらの混合物
    からなる群から選ばれる1種以上の単官能アクリレート
    であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学物
    品用電離放射線硬化型樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光
    学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化物から成る
    光学物品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光
    学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物から成る電離放射
    線硬化型樹脂組成物の硬化物層(A)と、シート状の透
    明樹脂層(C)から成る光学物品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の光
    学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物から成る電離放射
    線硬化型樹脂組成物の硬化物層(A)と、接着剤層
    (B)と、シート状の透明樹脂層(C)から成る光学物
    品。
  8. 【請求項8】 透光性平板からなる導光体と、該導光体
    の側端面のうちの1面以上に隣接して設けられた光源ユ
    ニットと、該導光体裏面に設けられた光反射層と、該導
    光体表面の光放出面上に積層された請求項5〜7のいず
    れか一つに記載の光学物品とから構成される面光源。
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