JPH0949906A - ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法 - Google Patents

ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0949906A
JPH0949906A JP7199901A JP19990195A JPH0949906A JP H0949906 A JPH0949906 A JP H0949906A JP 7199901 A JP7199901 A JP 7199901A JP 19990195 A JP19990195 A JP 19990195A JP H0949906 A JPH0949906 A JP H0949906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
black matrix
light
matrix substrate
shielding layer
microlens array
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7199901A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Uchida
哲夫 内田
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Tomoko Mikami
友子 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7199901A priority Critical patent/JPH0949906A/ja
Publication of JPH0949906A publication Critical patent/JPH0949906A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて容易な方法で、ブラックマトリクス基
板を構成する遮光層とマイクロレンズが正確に位置合わ
せされたマイクロレンズアレイシートをも作成できる方
法と、それに用いられるブラックマトリクス基板を提供
するものである。 【解決手段】 透明基板上に光線を吸収および/または
反射する遮光層を配列してなるブラックマトリクス基板
において、該遮光層の線開口率は80%以下であり、か
つ該遮光層は透明基板に対して平行な平膜状であり、光
学濃度が0.7〜2.0の範囲内であることを特徴とす
るブラックマトリクス基板、前記ブラックマトリクス基
板上の所望部位にマイクロレンズが形成されているマイ
クロレンズアレイシート、および前記ブラックマトリク
ス基板の遮光層が形成された面上に、硬化エネルギー線
によって硬化する樹脂組成物を塗布または積層し、該ブ
ラックマトリクス側から硬化エネルギー線を照射するこ
とによって所望部位を硬化せしめ、次いで非硬化部分を
溶解除去することを特徴とするマイクロレンズアレイシ
ートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブラックマトリクス
基板およびそれを用いたマイクロレンズアレイシートに
関するものである。詳しくは、マイクロレンズ内での再
帰反射が抑止されたマイクロレンズアレイシートおよび
その製造方法と、それに用いるブラックマトリクス基板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブラックマトリクス基板は、液晶表示素
子に使用されるカラーフィルター、CCDなどのイメー
ジャーなどに採用されている。
【0003】また、近年では背面投射型スクリーンに使
用されるレンチキュラーレンズスクリーンに画像コント
ラストを向上させる目的で、成形したレンズアレイシー
トに黒色塗料を印刷することによってブラックマトリク
スを組み合わせている場合がある。
【0004】このようなブラックマトリクスを構成する
遮光層を形成する材料は、クロムやアルミなどの金属膜
あるいは金属酸化膜、写真乳剤、顔料や染料などの着色
剤を含有した樹脂などがある。
【0005】さらに最近では直視型液晶ディスプレイの
視野角(後述)を拡大するために、液晶ディスプレイと
マイクロレンズアレイなどの光学素子を組み合わせるこ
とが提案されている。
【0006】液晶ディスプレイの観察面側にレンズなど
の光線透過方向を制御する光学素子を組み合わせて視野
角を拡大する方法は、平凹レンズ群を配する方法(特開
昭56−65175公報)、プリズム状突起透明板を配
する方法(特開昭61−148430公報)、液晶セル
の表示単位にそれぞれレンズを設ける方法(特開昭62
−56930公報、特開平2−108093公報)など
があり、さらにこれらに加え透過型液晶ディスプレイの
場合に背面光源の光線出射方向を制御する手段を付加す
るもの(特開昭58−169132公報、特開昭60−
202464公報、特開昭63−253329公報)な
どがある。
【0007】液晶ディスプレイにマイクロレンズアレイ
を組み合わせた際に、レンズ面における直接反射によっ
て表示像が見えにくくなる欠点を解消する技術としては
該レンズ表面に反射防止多層膜などによる無反射コート
膜を設けることが提案されている(特開昭56−651
75公報)。
【0008】このようにマイクロレンズアレイは、表示
装置などに有用であるが、表示画質を向上させるために
は、室内照明や太陽光など周囲の外光の影響を抑えるこ
とが有効である。
【0009】マイクロレンズアレイの外光反射を抑える
ためには、個々のマイクロレンズに面内方向、厚み方向
共に正確に位置合わせした遮光帯を設けることがことが
有効であることが知られている(特開平6−27454
公報)。
【0010】透明基板上にマイクロレンズ等の微小立体
を成形する方法としては、あらかじめ求める形状が刻印
された雌金型を用意し、基板と金型の間に透明樹脂など
を充填、硬化させる方法が一般的に実用されている。
【0011】求める立体の大きさが数10μm以下の極
めて微小な立体の場合には、いわゆるポジ型フォトレジ
スト、すなわち感光部分が分解し溶剤に対する溶解性が
向上するタイプの感光性樹脂をパターン露光、現像して
円柱状などの立体形状を得た後、ポジ型ゆえの熱可塑性
を利用して加熱溶融し、溶融時の表面張力を利用して求
めるドーム状立体に成形する方法(例えば、Meas.
Sci.Technol.1,No.8 p.759−
766(1990)に記載の方法など)が用いられる。
【0012】また、電子ビームやレーザービームを用い
て部分毎にエッチング強度を変化させて求める立体を得
る方法(例えば、Opt.Lett.6,p.613−
615(1981)に記載の方法など)も提案されてい
る。
【0013】一方、光線もしくは電子線(以下、硬化エ
ネルギー線という)によって硬化する樹脂組成物によっ
て、基板上に投影されたパターン状に該樹脂組成物を選
択的に硬化し、求める平面的パターンが得られることは
広く知られており、ネガ型フォトレジストなどで利用さ
れている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のい
ずれの製造方法を用いても、遮光帯(ブラックストライ
プ、またはブラックマトリクス)が、所定の位置に正確
に組み合わされた数10μm程度の微小な大きさのマイ
クロレンズなどの光学要素(以下、単に光学要素と言う
ことがある)の面状配列体(アレイ)を工業的に得るこ
とは非常に困難であった。
【0015】すなわち、このような遮光帯は個々のマイ
クロレンズなどの光学要素と正確な位置関係にあっては
じめてその機能を発揮するものであるが、遮光帯の形成
と光学要素の形成を、それぞれ従来の方法によって全く
独立した別々の工程で作成した場合、個々の光学要素が
微小であるためそれらの位置合わせは極めて困難なもの
であった。
【0016】特に、プラスチックシートまたはプラスチ
ックフィルム(以下、単にフィルムということがある)
の表面に、これらの面状光学要素を成形しようとした場
合、フィルムは温度、湿度など環境の変化による寸法変
化が大きいので、遮光帯とマイクロレンズなどの光学要
素をそれぞれ従来の方法で作成して、それぞれの位置を
正確に合わせることは事実上不可能であった。
【0017】よって本発明は上記欠点を解消し、極めて
容易な方法でブラックマトリクスを構成する遮光層とマ
イクロレンズが正確に位置合わせされたマイクロレンズ
アレイをも作成できる方法と、それに用いられるブラッ
クマトリクス基板を提供するものである。
【0018】
【発明を解決するための手段】本発明は上記欠点を解消
するため、透明基板上に光線を吸収および/または反射
する遮光層を配列してなるブラックマトリクス基板にお
いて、該遮光層の線開口率は80%以下であり、かつ該
遮光層は透明基板に対して平行な平膜状であり、光学濃
度が0.7〜2.0の範囲内であることを特徴とするブ
ラックマトリクス基板を要旨とするものである。
【0019】また、本発明は前記ブラックマトリクス基
板上の所望部位にマイクロレンズが形成されていること
を特徴とするマイクロレンズアレイシートを要旨とする
ものである。
【0020】さらに本発明は前記ブラックマトリクス基
板の遮光層が形成された面上に、硬化エネルギー線によ
って硬化する樹脂組成物を塗布または積層し、該ブラッ
クマトリクス側から硬化エネルギー線を照射することに
よって所望部位を硬化せしめ、次いで非硬化部分を溶解
除去することを特徴とするマイクロレンズアレイシート
の製造方法を要旨とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明におけるブラックマトリク
スとは、透明な基板上に遮光性機能を有する遮光層を配
列したものであり、使用用途に応じてその配列状態を調
整するものである。この配列状態を例示するならば、図
1に示したようなストライプ状のもの、図2に示した格
子状のものなどが挙げられる。
【0022】ここでいう遮光性機能を有する遮光層(以
下、単に遮光層という)とは、少なくとも可視光を吸収
または反射する機能を有する被膜を言う。さらに本発明
の場合遮光層は可視光全域にわたって遮光するという意
味から、基本的に黒色であることが好ましい。
【0023】また、本発明の第2の発明は、前記ブラッ
クマトリクス基板上の所望の部位にマイクロレンズが形
成されたマイクロレンズアレイシートであり、例えば下
記の本発明の第3の発明により、容易に製造することが
できる。
【0024】本発明の第3の発明は、前記ブラックマト
リクス基板の遮光層が形成された面上に、後述する硬化
エネルギー線により硬化する樹脂組成物を塗布または積
層し、該ブラックマトリクスをマスクパターンとして硬
化エネルギー線を露光、次いで非露光部分、すなわち未
硬化部分を溶解除去するという簡単な操作によりマイク
ロレンズアレイシートを製造できることを要旨とする。
【0025】本発明で製造されるマイクロレンズアレイ
シートは従来のマイクロレンズアレイと比較して、以下
のような優れた特長を持つものである。
【0026】従来のマイクロレンズアレイシートは、外
部から入射する光線を強く反射するので、通常の室内照
明などの外光がある場合には、全体的に白っぽくなるも
のであった。このためこのようなマイクロレンズアレイ
シートを前述した液晶ディスプレイの視野角依存性を低
減するために液晶ディスプレイ上に装着して使用する場
合、液晶ディスプレイのコントラスト比が低下し、画像
品位を極端に低下させる。
【0027】これに対し本発明で製造されるマイクロレ
ンズアレイシートは、上記欠点が解消されたものであ
り、以下模式図(図3)を用いて具体的に説明する。
【0028】本発明者らによれば、マイクロレンズアレ
イシートにおける反射する外光の大部分が、透明基板1
側(すなわちマイクロレンズが形成されていない面)か
らマイクロレンズアレイに入射した外光(101、10
2)が、レンズ形状(凹凸面5)をなしている低屈折率
物質層6(ここでは空気層)との界面のうち、マイクロ
レンズ層3と低屈折率物質層6の屈折率差に基づく臨界
反射角以上の角度がある部分において全反射し、さらに
反射した光線が同様の原理で反射を繰り返すことによっ
て、再度光線が入射した面から出射されるものである。
しかし一方で、最初の全反射を起こすような観察面に対
して大きな角度を持つ部分が、液晶ディスプレイに装着
した時に大きな視野角拡大効果を発揮する部分であるた
め、上記欠点が発生しているものである。
【0029】そこで、液晶ディスプレイの視野角拡大効
果を維持しながら、外光の反射を大きく低減させる方法
を検討し、最適の部位に遮光層2を設けることによっ
て、この問題を解決できることを見い出した。すなわち
マイクロレンズ形成層の単位レンズ配列面の法線方向か
ら入射する光線のうち、マイクロレンズ層3と低屈折率
物質層6の屈折率差に基づく全反射を2回以上繰り返す
ことによって再度レンズ配列面4から出射する光線を、
該レンズ配列面4の入射部分および出射部分において遮
断するように遮光層2を設けるものである。
【0030】本発明に於いて遮光層の形状は、基板に平
行な平膜状である。ここで平膜状とは、その厚みに対し
て面積が十分に大きい実質的に平らな膜形状であること
をいい、その端部が製造上の要因等でテーパ状になるな
どの形状変化は許容される。
【0031】このような形状とすることによって、本発
明のブラックマトリクス基板に組み合わされるマイクロ
レンズを均一なものとすることができる。また、種々の
立体的な形状を与えるのに対して、従来より用いられて
きたフォトリソグラフィ法やオフセット印刷法、スクリ
ーン印刷法、グラビア印刷法等の方法によって製造でき
るので製造が容易であるという利点も持つ。
【0032】ここで外光の再帰反射を防止する遮光層の
光学濃度は0.7以上であることが必要である。ここで
いう光学濃度とは、遮光層の遮光性を表す数値であり、
この値が大きいほど遮光性が高いものであり、本発明に
おいてはこの遮光層の光学濃度が0.7以下の場合は、
目的とする外光の再帰反射の防止が十分できなくなる。
【0033】プラスチックフィルムなど比較的寸法安定
性の低い基板を用いて、遮光層と個々のマイクロレンズ
の面内の位置関係を正確に合わせるためには、ブラック
マトリクス基板上に、光硬化型樹脂などの硬化エネルギ
ー線によって硬化する樹脂組成物を塗布または積層し、
ブラックマトリクス基板を構成する遮光層自身をマスク
パターンとして硬化エネルギー線を露光し、遮光層上の
光硬化性樹脂の所望部位だけを硬化させ、次いで非硬化
部分を溶解除去する方法が適している。
【0034】このような方法によりマイクロレンズアレ
イを製造する場合、ブラックマトリクス基板を構成する
遮光層の光学濃度は0.7以上2.0以下であることが
必要であり、さらに好ましくは1.0以上1.5の範囲
である。遮光層の光学濃度が0.7未満では、マスクパ
ターンとしての機能が低いためマイクロレンズアレイを
形成することができず、また光学濃度が2.0を越える
場合には遮光層を個々のマイクロレンズの位置が正確に
適合したマイクロレンズアレイシートを得ることが非常
に困難になり、実際には遮光層と個々のマイクロレンズ
が分離したマイクロレンズアレイシート(例えば、図4
のようなもの)しか得られない場合が多く、外光の再帰
反射を防止することができない。
【0035】このような理由により、本発明のブラック
マトリクスを構成する遮光層の光学濃度は、遮光層1μ
m当たり2.0以下であることが好ましく、その厚みに
より光学濃度を調整する方法が好ましく適用され、この
方法により求めるマイクロレンズアレイを確実に作成で
きるようになる。さらにまたこのような方法を適用する
ことにより、印刷法、フォトリソグラフィー法等の簡単
な方法でブラックマトリクス基板を製造することが容易
となる。
【0036】またこのような方法を適用する場合、ブラ
ックマトリクス基板を構成する遮光層を形成する材料と
しては、顔料および/または染料を含有する樹脂組成物
が好ましく使用される。
【0037】ここでいう顔料とは、公知のものから選ん
で使用してよいが、代表例を挙げるならカーボンブラッ
ク、チタンブラックなどが挙げられる。さらにここでい
う染料も顔料同様公知のものから選んで使用してよい
が、耐光性などの点から日光堅牢度が5以上の黒色染料
を使用することが好ましく、さらには分散性、溶解性、
汎用性などの点からアゾ系の黒色染料を使用するのが最
も好ましい。
【0038】また、ここでいう樹脂とは特に限定される
ものではなく、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、さ
らには光(紫外線、電子線など)硬化型樹脂などを使用
することができる。
【0039】本発明のブラックマトリクスは透明基板上
に形成される。ここでいう透明基板とはガラス板、プラ
スチックシート、プラスチックフィルムなどが挙げられ
るが、中でもプラスチックシート、プラスチックフィル
ムが耐衝撃性の点から好ましく使用される。
【0040】本発明のブラックマトリクス基板におい
て、配列された遮光層の線開口率は80%以下であるこ
とが必要である。線開口率が80%をこえると、マイク
ロレンズ等の光学素子の成形が困難になる。また、形成
される光学素子の面積密度の点から遮光層の線開口率は
20%以上であることが好ましく、マイクロレンズアレ
イを形成するために最も好ましい範囲は30%以上70
%以下である。
【0041】ここで、遮光層の線開口率とは、遮光層の
配列を遮光層配列方向に切断した断面に於いて、遮光層
間の開口部分の幅を、遮光層の配列周期で除した数であ
る。配列方向が複数ある場合には、その中で最も線開口
率の大きいものをいう。
【0042】本発明の第3の発明であるマイクロレンズ
アレイシートの製造方法は、前記ブラックマトリクス基
板上に、硬化エネルギー線により硬化する樹脂組成物
(以下、単に光硬化性樹脂組成物ということがある)を
塗布または積層し、該ブラックマトリクス側から硬化エ
ネルギー線を照射することによって所望部位を硬化せし
め、次いで非硬化部分を溶解除去することを要旨とする
ものである。
【0043】ここで光硬化性樹脂組成物とは、少なくと
も1個以上の官能基を有し、後述する光重合開始剤に硬
化エネルギー線を照射することにより発生するイオンま
たはラジカルによりイオン重合、ラジカル重合を行い、
分子量の増加や架橋構造の形成を行うモノマーやプレポ
リマー(オリゴマー)などをいう。ここでいう官能基と
は、ビニル基、カルボキシル基、水酸基などの反応性の
原因となる原子団または結合様式をいう。本発明の場
合、樹脂組成物に硬化エネルギー線を照射することによ
り光重合反応させ、マイクロレンズ部位を硬化させるこ
とから、官能基としてはアクリロイル基のようなビニル
基を有するものが好ましく使用される。
【0044】該モノマー、プレポリマーとしては、不飽
和ポリエステル型、アクリル型、エン・チオール型など
があるが、硬化速度や硬化物の物性選択の範囲が広いこ
とからアクリル型のモノマー、プレポリマーが好まし
い。
【0045】アクリル型のモノマーとしては特に限定さ
れるものではないが、代表例を挙げるなら、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒ
ドロフリールおよびその誘導体のアクリレートなどのよ
うな単官能のもの、ジシクロペンテニルアクリレート、
1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキ
シピバリン酸エステルネオペンチルグリコールおよびそ
の誘導体のジアクリレート、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアク
リレートなどのような2官能のもの、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリストールトリアク
リレート、ジペンタエリストールヘキサアクリレートの
ような3官能以上のようなものなどがある。
【0046】アクリル型のプレポリマーとしては、ポリ
エステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレートなどがあ
り、求める特性(基板との密着性、屈折率、硬化体の機
械的物性など)から種々選択することができる。
【0047】本発明で使用される光重合開始剤は特に限
定されるものではなく、公知のものから選んで使用でき
るが代表例を挙げるなら、アセトフェノン系、ベンゾフ
ェノン系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン
系、ベンゾインエーテル系、ケタール系、ベンゾインベ
ンゾエート系、α−アシロキシムエステル等のカルボニ
ル化合物、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チ
オキサントン等のイオウ化合物、さらには2,4,6−
トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシ
ド、ビス−アシルフォスフィンオキサイド、(2,6−
ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルフェ
ニルフォスフィンオキサイド等のリン化合物が挙げられ
る。
【0048】本発明においてこれら光重合開始剤の添加
量は、前記モノマーまたはプレポリマー100重量部に
対して、0.5〜20重量部、さらには1〜15重量部
の範囲内であることが好ましい。光重合開始剤が0.5
重量部未満では硬化膜の硬化性が低くなり、また20重
量部を越えると硬化膜の膜劣化、ブリードアウト等の問
題が発生するため好ましくない。
【0049】また、本発明の光硬化性樹脂組成物には上
記物質だけでなく、硬化前、硬化中あるいは硬化後の特
性を制御するための種々の添加剤が含まれることもあ
る。このような添加剤の例として紫外線吸収剤を挙げる
ことができる。
【0050】光硬化性樹脂組成物に紫外線吸収剤が添加
されていると硬化後の耐候性が向上することは広く知ら
れているところであるが、硬化エネルギー線として紫外
線を用いる場合には、硬化体、すなわちマイクロレンズ
の形状を制御する因子ともなる。
【0051】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、サリチル酸
エステル系のいずれか一つを含むものであることが少量
添加で大きな効果が得られる点で最も好ましい。
【0052】紫外線吸収剤の添加量は、用いる紫外線硬
化型樹脂組成物の特性や求めるマイクロレンズの形状、
また用いる硬化エネルギー線照射装置の特性(発光スペ
クトルなど)などによって適宜調整することができる
が、一般的に好ましい範囲としては前記モノマーまたは
プレポリマー100重量部に対して0.2〜10重量部
の範囲である。
【0053】このような光硬化性樹脂組成物は、前記ブ
ラックマトリクス基板の遮光層上に塗布または積層さ
れ、塗布または積層された面とは反対側の面から硬化エ
ネルギー線を照射することにより、該ブラックマトリク
スをマスクパターンとした硬化体が得られ、未硬化部分
すなわちブラックマトリクスの遮光層上部分を溶解除去
することにより、ブラックマトリクス基板を構成する遮
光層とマイクロレンズの位置が正確に適合されたマイク
ロレンズアレイが得られる。
【0054】ブラックマトリクス上に前記光硬化性樹脂
組成物を塗布または積層する方法としては、公知のコー
ティング技術、積層技術が適用され特に限定されるもの
ではない。
【0055】また、前記光硬化性樹脂組成物の塗布また
は積層厚みは、ブラックマトリクスを構成する遮光層の
厚み(高さ)の1.5倍、さらには2倍以上であること
がマイクロレンズ形状の制御の点から好ましい。硬化性
樹脂組成物の塗布または積層厚みが遮光層厚み(高さ)
と等しいかそれ以下ではマイクロレンズは形成されな
い。
【0056】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。
【0057】[ブラックマトリクス基板の成形]透明基
板として厚み100μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム(“ルミラー”:東レ(株)製)上に、カーボ
ンブラック(“トーカブラック”MCF#8300:東
海カーボン(株)製)20重量%含有するアクリル系熱
可塑性樹脂(“コータックス”LH−613:東レ
(株)製)よりなる塗材をストライプ状にパターン印刷
し、ブラックマトリクス基板を得た。なおここでは遮光
層の厚みおよび幅の違うもの、すなわち光学濃度と線開
口率の異なるものを数水準作成した。このブラックマト
リクス基板の特性を表1に示す。
【0058】
【表1】 [マイクロレンズアレイの成形]前記のようにして得ら
れたブラックマトリクス基板上(遮光層形成面)に、透
明な紫外線硬化型樹脂をメタリングバーを用いて厚みが
30μmになるように塗布した。なお、ここで使用した
紫外線硬化型樹脂とはアクリル系モノマー(“KAYA
RAD”HX−220:日本化薬(株)製)80重量
部、ウレタンアクリレート系オリゴマー(“KAYAR
AD”UX−4101:日本化薬(株)製)20重量
部、光重合開始剤(“イルガキュアー”184:チバガ
イギー社製)5重量部を基本組成とするものである。
【0059】次いで前記ブラックマトリクス基板をマス
クとして紫外線を照射(透明紫外線硬化型樹脂を塗布し
た面の反対側の面から露光)しマイクロレンズ形成部分
をパターン硬化させ、未硬化部分をメチルイソブチルケ
トンにより溶解除去して透明樹脂パターンを得た。な
お、このときの露光強度は480mJ/cm2 である。
【0060】[マイクロレンズアレイシートとしての評
価]前記のごとく製造されたマイクロレンズアレイシー
トを、市販のパーソナルコンピューターに搭載されたス
ーパーツイステッドネマチック液晶モノクロディスプレ
イ(表示色ブルーモード、画面サイズ対角約10イン
チ、画素数縦400×横640、ドットピッチ290μ
m、バックライト付き)の観察面側に、本発明のレンズ
形成面を内側(液晶セル側)にして取り付けた。
【0061】さらにこれとは別に比較例4として従来の
マイクロレンズアレイシート(遮光層はなし)も同様に
装着した。
【0062】さらに比較例5として、マイクロレンズア
レイシート未装着のもの、すなわち従来のままの液晶デ
ィスプレイを用意した。
【0063】上記のように装着したマイクロレンズアレ
イシートをディスプレイ表示面の法線方向および左60
度方向から観察し表示品位を評価した。評価は、通常の
使用環境である室内照明下で行い、評価結果を表2に示
した。
【0064】表2より本発明の実施例、すなわち遮光層
の光学濃度および線開口率が本発明の基準内のブラック
マトリクス基板を用いて製造されたマイクロレンズアレ
イシートを装着した液晶ディスプレイは、いずれの方向
から観察した場合にも良好な表示品位が得られた。
【0065】一方、本発明の比較例のブラックマトリク
ス基板を用いて製造されたマイクロレンズアレイシート
および従来の遮光層がないマイクロレンズアレイシート
を装着した比較例では、画面全体が白くなり、特に正面
から観察したときのコントラストが低くなったり、ある
いは視野角拡大効果が低く、左60度方向から観察した
場合表示色が反転し殆ど判読できなくなった。
【0066】さらにまた、マイクロレンズアレイシート
未装着の液晶ディスプレイである比較例5は、正面から
観察したときの表示品位は良好であるが、左60度から
観察したときは表示色が反転し殆ど判読できない状態で
あった。
【0067】
【表2】
【0068】
【発明の効果】本発明のブラックマトリクス基板は、光
学特性(光学濃度)が制御されているという特長を持
つ。
【0069】このブラックマトリクス基板は、マイクロ
レンズの外光反射が抑止されたマイクロレンズアレイシ
ート、すなわちブラックマトリクスとマイクロレンズの
位置が正確に適合したマイクロレンズアレイシートを容
易に製造できるという特長を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラックマトリクス基板の遮光層の配
列例を示す概略平面図である。
【図2】本発明のブラックマトリクス基板の遮光層の配
列例を示す概略平面図である。
【図3】マイクロレンズアレイシート内部での外光の反
射経路、および遮光層とマイクロレンズの位置関係の説
明図である。
【図4】マイクロレンズアレイシートの一例を示す。
【符号の説明】
1 透明基板 2 遮光層 3 マイクロレンズ 4 単位レンズ配列面 5 凹凸面 6 低屈折率物質 101 基板面の法線方向から入射する光線 102 基板面の法線方向から入射する別の光線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に光線を吸収および/または
    反射する遮光層を配列してなるブラックマトリクス基板
    において、該遮光層の線開口率は80%以下であり、か
    つ該遮光層は透明基板に対して平行な平膜状であり、光
    学濃度が0.7〜2.0の範囲内であることを特徴とす
    るブラックマトリクス基板。
  2. 【請求項2】 前記遮光層の1μm当たりの光学濃度が
    2.0以下である請求項1に記載のブラックマトリクス
    基板。
  3. 【請求項3】 前記遮光層が顔料および/または染料を
    含有する樹脂組成物より形成されている請求項1または
    2に記載のブラックマトリクス基板。
  4. 【請求項4】 前記遮光層が少なくとも可視光に対し黒
    色である請求項1〜3のいずれかに記載のブラックマト
    リクス基板。
  5. 【請求項5】 前記透明基板がプラスチックシートまた
    はプラスチックフィルムである請求項1〜4のいずれか
    に記載のブラックマトリクス基板。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれかに記載のブ
    ラックマトリクス基板上の所望部位にマイクロレンズが
    形成されていることを特徴とするマイクロレンズアレイ
    シート。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜5のいずれかに記載のブ
    ラックマトリクス基板の遮光層が形成された面上に、硬
    化エネルギー線によって硬化する樹脂組成物を塗布また
    は積層し、該ブラックマトリクス側から硬化エネルギー
    線を照射することによって所望部位を硬化せしめ、次い
    で非硬化部分を溶解除去することを特徴とするマイクロ
    レンズアレイシートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記硬化エネルギー線が紫外線である請
    求項7に記載のマイクロレンズアレイシートの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記樹脂組成物が紫外線硬化型樹脂であ
    る請求項7に記載のマイクロレンズアレイシートの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記紫外線硬化型樹脂がアクリル型の
    モノマーおよびプレポリマーを含有する請求項9に記載
    のマイクロレンズアレイシートの製造方法。
JP7199901A 1995-08-04 1995-08-04 ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法 Pending JPH0949906A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7199901A JPH0949906A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7199901A JPH0949906A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0949906A true JPH0949906A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16415493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7199901A Pending JPH0949906A (ja) 1995-08-04 1995-08-04 ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0949906A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001006308A1 (fr) * 1999-07-16 2001-01-25 Seiko Epson Corporation Afficheur a cristaux liquides, dispositif electronique et substrat d'afficheur a cristaux liquides
CN1332252C (zh) * 2003-03-27 2007-08-15 京东方显示器科技公司 液晶显示装置
JP2008076783A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Dainippon Printing Co Ltd レンズアレイシート、面光源装置、背面投射型表示装置、レンズアレイシートの製造方法
JP2021502610A (ja) * 2018-03-27 2021-01-28 エルジー・ケム・リミテッド ブラック隔壁パターンフィルムおよびその製造方法
CN114545534A (zh) * 2020-11-24 2022-05-27 京东方科技集团股份有限公司 一种透镜组件及其制作方法、显示装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001006308A1 (fr) * 1999-07-16 2001-01-25 Seiko Epson Corporation Afficheur a cristaux liquides, dispositif electronique et substrat d'afficheur a cristaux liquides
US6608660B1 (en) 1999-07-16 2003-08-19 Seiko Epson Corporation Liquid crystal display device including shading film with opening and reflector with opening in the opening in the shading film
CN1332252C (zh) * 2003-03-27 2007-08-15 京东方显示器科技公司 液晶显示装置
JP2008076783A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Dainippon Printing Co Ltd レンズアレイシート、面光源装置、背面投射型表示装置、レンズアレイシートの製造方法
JP2021502610A (ja) * 2018-03-27 2021-01-28 エルジー・ケム・リミテッド ブラック隔壁パターンフィルムおよびその製造方法
US11709410B2 (en) 2018-03-27 2023-07-25 Lg Chem, Ltd. Black barrier wall pattern film and method for manufacturing same
CN114545534A (zh) * 2020-11-24 2022-05-27 京东方科技集团股份有限公司 一种透镜组件及其制作方法、显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104335080A (zh) 光学元件及其制造方法、显示元件及投射型图像显示装置
JP4821192B2 (ja) 計算機ホログラム光学素子
JPH1039108A (ja) マイクロレンズアレイシートの製造方法
JPH0961601A (ja) 光学物品用電離放射線硬化型樹脂組成物、光学物品及び面光源
JPH07281181A (ja) 面状光学素子の製造方法
JPH08201795A (ja) ブラックマトリクス基板およびそれを用いたマイクロレンズアレイシートの製造方法
JP2006163263A (ja) 透過型スクリーン
JP2005141202A (ja) 透過型スクリーン
JPH0949906A (ja) ブラックマトリクス基板、それを用いたマイクロレンズアレイシート、およびその製造方法
KR101273272B1 (ko) 높이 단차를 갖는 육각 셀 병합 패턴이 구비된 광학 필름의 제조방법 및 이에 의해 제조된 광학 필름
EP3462082B1 (en) Optical body and light emitting device
JP2007108748A (ja) レンズアレイシートおよびレンズアレイシートの製造方法
JPH1039118A (ja) 光線指向性化シートおよびそれを用いた指向性面状光源
JP4886672B2 (ja) 光制御膜積層体及びそれを用いたプロジェクション用スクリーン
KR20200119868A (ko) 흑색 구조체, 및 그것을 구비한 자발광 화상 표시 장치
KR20210006974A (ko) 수지 적층 광학체, 광원 유닛, 광학 유닛, 광 조사 장치, 화상 표시 장치, 수지 적층 광학체의 제조 방법, 및 광원 유닛의 제조 방법
JP2002267805A (ja) レンズフィルム
JP2004045586A (ja) 遮光層を有するマイクロレンズアレイシート
JPH09166701A (ja) マイクロレンズアレイシートおよびその製造方法
JPH10253808A (ja) 光学シートおよびその製造方法と指向性面状光源
JP3268204B2 (ja) 透過型スクリーン用レンチキュラーシートおよびその製造方法
JP2021124639A (ja) 加飾フィルム及び加飾フィルムの製造方法
JP2004271798A (ja) マイクロレンズアレイシート及びその製造方法、並びに転写シート
JPH1083029A (ja) 透過型スクリーン用レンチキュラーシート
JP2008197322A (ja) 光学シートの製造方法