JP2011522767A - 希土類含有ガラス材料および基板ならびにこれら基板を含む装置 - Google Patents

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Abstract

酸化物に基づいたモルパーセントで表して、SiO2:66〜75、Al23:11〜17、B23:0〜4、MgO:1〜6.5、CaO:2〜7、SrO:0〜4、BaO:0〜4、Y23:0〜4、La23:0〜4、Y23+La23:0.1〜4.0を含む組成を有する希土類含有ガラス材料。組成物中の内包物Y23および/またはLa23はガラスのT2.3を低減し、それによって、より高い焼きなまし点のガラスの生産を可能にする。本ガラスは、特に、低温の多結晶シリコン系半導体装置にとって有用である。

Description

関連出願の相互参照
本願は、参照することによりその全体が信頼するに値し、本明細書に援用される、「希土類含有ガラス材料および基板ならびにこれらの基板を含む装置(RARE-EARTH-CONTAINING GLASS MATERIAL AND SUBSTRATE AND DEVICE COMPRISING SUCH SUBSTRATE)」という発明の名称で2008年5月13日に出願した米国仮特許出願第61/052,772号の優先権を主張する。
本発明は、ガラス材料、そのようなガラス材料を含むガラス基板、およびそのようなガラス基板を含む装置に関する。具体的には、本発明は、希土類含有ガラス材料、高精度のガラス基板、および、多結晶シリコンなどの半導体材料の層を有するそのようなガラス基板を備えた装置に関する。本発明は、例えば、LCDディスプレイ、特に多結晶シリコン技術に基づいたディスプレイのためのガラス基板の製造に有用である。
例えばアクティブマトリクス液晶ディスプレイ装置(AMLCD)などの液晶ディスプレイの製造は非常に複雑であり、基板ガラスの特性はきわめて重要である。何よりもまず、AMLCD装置の製造に用いられるガラス基板は、厳しく規制された物理的寸法を有しなければならない。ダウンドロー・シート・ドロー方法、特に、Dockertyの特許文献1および2に記載されるフュージョン法は、ラップ仕上げや研磨仕上げなどの費用のかかる成形後の仕上げ作業を必要とせずに、基板として使用可能なガラスシートを製造することができる。残念なことに、フュージョン法は、ガラス特性に比較的高い液相線粘度を必要とする、かなり厳しい規制を加える。
液晶ディスプレイの分野では、多結晶シリコンに基づいた薄膜トランジスタ(TFT)は、より有効に電子を移動する能力の理由から、ある特定の用途において好ましい。多結晶の(p−Si)系のシリコントランジスタは、アモルファスシリコン(a−Si)系のトランジスタに基づくものよりも高い移動性を有することを特徴とする。これは、より小さく、より速いトランジスタの製造を可能にし、最終的には、より明るく、より速いディスプレイの製造を可能にする。ある特定の他の用途では、ガラス基板の表面に形成されるシリコンなどの単結晶の半導体材料の層は、単結晶シリコンに基づく半導体の装置の成分の性能が高いことから、さらに望ましい。
p−Siおよび単結晶シリコン系トランジスタに伴う問題の1つは、その製造に、a−Siトランジスタの製造よりも高い工程温度を必要とすることである。p−Siには450℃〜750℃の範囲の温度を伴う複数の工程が存在し、a−Siトランジスタの製造で用いられる400℃のピーク温度と比較して、単結晶シリコンの方がさらに高い。これらの温度では、ほとんどのAMLCDガラス基板は、圧密として知られる工程に晒される。熱安定性または寸法変化とも称される圧密は、ガラス材料の仮想温度の変化に起因する、ガラス基板における不可逆的な寸法変化(収縮)である。「仮想温度」とは、ガラスの構造状態を表すのに用いられる概念である。高温から急速に冷却されるガラスは、より高温、より低密度の構造を「凍結」するため、より高い仮想温度を有するという。もっとゆっくりと冷却されるか、または、一時の間、焼きなまし点近くで保持することによって焼きなましされるガラスは、より低い仮想温度およびより高密度の構造を有するという。
圧密の程度は、ガラスの製造工程およびガラスの粘弾性特性に応じて決まる。ガラスからシート製品を製造するためのフロート法では、ガラスシートは溶融物から比較的ゆっくりと冷却され、したがって、比較的低温の構造をガラス内に「凍結」する。フュージョン法は、対照的に、溶融物からガラスシートを非常に急速にクエンチし、比較的高温の構造物を凍結する。圧密の原動力は圧密の間にガラスが被る仮想温度と工程温度の差異であることから、結果として、フロート法で製造されたガラスは、フュージョン法で製造されたガラスと比較して、より小さい圧密に晒されうる。よって、ダウンドロー法で製造されたガラス基板における圧密レベルを最小限に抑えることが望ましいであろう。
ガラスにおける圧密レベルを最小限に抑えるためには、2つの方法がある。第1の方法は、ガラスを熱的に前処理して、p−SiのTFT製造の間にガラスが被るであろう温度と同様の仮想温度を生じることである。しかしながら、この方法には幾つかの困難が存在する。まず、p−SiのTFT製造の間に用いられる複数の加熱工程は、この前処理によって完全に補正することができないガラスに、わずかに異なる仮想温度を生じる。第2に、ガラスの熱安定性は、p−SiのTFT製造業者の品目と密接につながり、これは、さまざまなエンドユーザーのためのさまざまな前処理を意味しうる。最終的に、前処理は、処理費用および複雑性を加えることとなる。
別の方法は、圧密応答の動力学を遅くすることである。これは、ガラスの粘度を上昇させることによって達成することができる。したがって、ガラスの歪み点が、ガラスが被る工程温度よりもはるかに大きい場合(例えば、歪み点が、短い曝露の間に工程温度よりも〜50℃から100℃高い場合)には、圧密は最小になる。しかしながら、歪み点が高いガラスは、通常、高い溶融温度を必要とすることから、この方法に伴う課題は、費用効率のよい、歪み点の高いガラスを製造することである。
米国特許第3,338,696号明細書 米国特許第3,682,609号明細書
よって、高い歪み点を有し、したがって良好な寸法安定性(すなわち、低い圧密)および合理的な溶融温度を有するガラス材料が、依然として必要とされている。ガラス組成物は、限定はしないが、液晶ディスプレイ用の基板の製造において重要なフュージョン・ダウンドロー処理を含めた、ダウンドロー処理に必要とされるすべての特性を有することが望ましい。
本発明は、上記および他の必要性に対処するものである。
本発明の幾つかの態様がここに開示される。これらの態様は、互いに重複しても、しなくてもよいものと理解されるべきである。したがって、1つの態様の一部は別の態様の範囲内に含まれる場合があり、逆もまた同様である。文脈において異なることが示唆されない限り、異なる態様は、互いに範囲が重複するとみなされるべきである。
各態様は、ひいては1つ以上の特定の実施の形態を含みうる、多くの実施の形態によって例証される。実施の形態は、互いに重複しても、しなくてもよいものと理解されるべきである。したがって、1つの実施の形態またはそれらの特定の実施の形態の一部は、別の実施の形態、またはそれらの特定の実施の形態の範囲内に含まれても含まれなくてもよく、逆もまた同様である。文脈において異なることが示唆されない限り、異なる実施の形態は、範囲が互いに重複するとみなされるべきである。
本発明の第1の態様によれば、酸化物に基づいたモルパーセントで表して、
Figure 2011522767
を含む組成を有する希土類含有ガラス材料が提供される。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、最大で3mol%、ある特定の実施の形態では最大で2mol%のRE23を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、最大で2mol%、ある特定の実施の形態では最大で1mol%、ある特定の実施の形態では本質的に0mol%のB23を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、本質的にBaOを含まない組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、1〜4mol%のBaOを含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、1〜6mol%、ある特定の他の実施の形態では1〜5mol%、ある特定の他の実施の形態では1〜4mol%のMgOを含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、酸化物に基づいたモルパーセントで表して、
Figure 2011522767
を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、
Figure 2011522767
を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、酸化物に基づいたモルパーセントで表して、
Figure 2011522767
を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、
Figure 2011522767
を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、本質的にAs23およびSb23を含まない組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、さらに、
Figure 2011522767
を含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、ZnOおよびB23を合計で0〜4mol%含む組成を有する。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、0.75〜1.8、ある特定の実施の形態では0.75〜1.5、ある特定の実施の形態では0.9〜1.25、ある特定の実施の形態では1.0〜1.25の[R'O]/[Al23]比を有する組成を有し、ここで[R'O]は以下に定義される。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、790℃より高い焼きなまし点を有し、ある特定の実施の形態では800℃より高く、ある特定の実施の形態では805℃より高く、ある特定の実施の形態では810℃より高く、ある特定の実施の形態では815℃より高く、ある特定の他の実施の形態では820℃より高く、ある特定の実施の形態では830℃より高く、さらにある特定の他の実施の形態では835℃より高い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、1680℃より低いT2.3を有し、ある特定の実施の形態では1660℃より低く、ある特定の実施の形態では1640℃より低く、ある特定の実施の形態では1620℃より低く、ある特定の実施の形態では1600℃より低く、ある特定の実施の形態では1580℃より低い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は42×10-7-1より低いCTE(0〜300℃)を有し、ある特定の実施の形態では40×10-7-1より低く、ある特定の他の実施の形態では38×10-7-1より低い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、30×10-7-1より高いCTE(0〜300℃)を有し、ある特定の実施の形態では32×10-7-1より高く、ある特定の実施の形態では34×10-7-1より高く、ある特定の他の実施の形態では35×10-7-1より高い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、3.2g・cm-3より低い密度を有し、ある特定の実施の形態では3.1g・cm-3より低く、ある特定の実施の形態では3.0g・cm-3より低く、ある特定の実施の形態では2.95g・cm-3より低く、ある特定の実施の形態では2.90g・cm-3より低く、ある特定の実施の形態では2.85g・cm-3より低く、ある特定の他の実施の形態では2.80g・cm-3より低く、ある特定の他の実施の形態では2.75g・cm-3より低く、ある特定の他の実施の形態では2.70g・cm-3より低く、ある特定の他の実施の形態では2.65g・cm-3より低い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、1250℃より低い液相線温度を有し、ある特定の実施の形態では1230℃より低く、ある特定の実施の形態では1215℃より低く、ある特定の実施の形態では1200℃より低く、ある特定の実施の形態では1190℃より低く、ある特定の実施の形態では1180℃より低く、ある特定の他の実施の形態では1170℃より低く、ある特定の他の実施の形態では1150℃より低く、ある特定の他の実施の形態では1130℃より低い。
本発明の第1の態様のある特定の実施の形態では、ガラス材料は、60kポアズより大きい液相線粘度を有し、ある特定の実施の形態では80kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では100kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では120kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では140kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では160kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では180kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では200kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では300kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では400kポアズより大きく、ある特定の実施の形態では500kポアズより大きい。
本発明の第2の態様によれば、上に概要を記載し、以下にさらに詳しく説明する、本発明の第1の態様およびそのさまざまな実施の形態に従ったガラス材料を含む、TFT液晶ディスプレイ、光起電装置または他の光電気装置のためのガラス基板が提供される。
本発明の第2の態様のある特定の実施の形態では、ガラス基板は、フュージョン・ダウンドロー法、またはスロット・ダウンドロー法などのダウンドロー法で生産される。
本発明の第2の態様のある特定の実施の形態では、ガラス基板は、フロート法で生産される。
本発明の第3の態様によれば、上に概要を記載し、以下にさらに詳しく説明する、本発明の第2の態様およびそのさまざまな実施の形態に従った基板を含む装置が提供される。
本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、シリコンなどの多結晶または単結晶の半導体材料の薄膜、または、それらでできた、基板表面に形成されるダイオード、トランジスタなどの半導体装置を含む。
本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、基板表面上に形成される、アモルファスシリコンの薄膜、または、それらでできたダイオード、トランジスタなどの半導体装置を含む。
本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、350℃より高温の工程を含む方法によって形成される、ガラス材料とは異なる半導体材料などの材料の層を含み、前記工程は、ある特定の実施の形態では400℃より高く、ある特定の実施の形態では450℃より高く、ある特定の実施の形態では500℃より高く、ある特定の実施の形態では550℃より高く、ある特定の実施の形態では600℃より高く、ある特定の実施の形態では650℃より高く、ある特定の実施の形態では700℃より高く、ある特定の実施の形態では750℃より高い。
本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、基板表面上に、ガラス材料の歪み点より高く、ガラスの軟化点より低い温度の工程を含む方法によって形成される、ガラス材料とは異なる半導体材料などの材料の層を含む。
本発明の第4の態様によれば、以下にさらに詳しく説明する、さまざまな実施の形態にしたがったガラス材料の製造方法であって、
(i)溶融の際に前記ガラス材料に対応する組成を有するガラス溶融物へと転換する原料を含むバッチ混合物を提供し;
(ii)前記バッチ混合物を溶融して流動ガラスをもたらし;
(iii)ダウンドロー法を通じて前記流動ガラスからガラスシートを形成する、
各工程を有してなる方法が提供される。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、ステップ(iii)において、前記ダウンドロー法はフュージョン法を含む。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、ステップ(iii)の後、前記ガラスシートの最終使用の前に、成形されたままの状態ガラスは、T(焼きなまし)−150℃より高温の熱処理に供されず、ある特定の実施の形態では、成形されたままのガラスシートは、その焼きなまし点周辺またはそれより高温の熱処理に供されない。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、ステップ(iii)の後だが前記ガラスシートの最終使用の前に、成形されたままのガラスシートは、300℃より高温の熱処理に供されない。
本発明のさまざまな態様のある特定の実施の形態は、次の利点のうち1つ以上を有する。第1に、ガラス材料は、高い焼きなまし点に起因して、高温の材料加工に使用することができ、多結晶および/または単結晶のシリコン用途におけるそれらの使用を可能にする。第2に、23および/またはLa23の存在に起因して、200ポアズ温度を有するガラス材料の温度(以後、T2.3)およびガラス材料の高温粘度は、Y23およびLa23を含まない同一のガラス組成と比較して低く、溶融処理窓を拡大する。さらに、ガラスシートは、研磨仕上げを必要とせずに、本発明のガラス材料のある特定の実施の形態から、フュージョン・ダウンドローなどのダウンドロー法を通じて生産することができる。最後だが重要なこととして、ガラスの高い焼きなまし点(したがって高い低温粘度)は、ガラスシート製造のためのフュージョンドロー法において、より速いガラスのドロー速度を可能にし、製造プロセスの生産性および設備を改善する。
ガラス組成への1mol%のY23の添加の、ガラス粘度における影響を示す図。 SiO2−CaO−Al23材料系の状態図。 SiO2−MgO−Al23材料系の状態図。 SiO2−Y23−Al23材料系の状態図。
他に指定のない限り、成分モルパーセント、寸法、および、本明細書および特許請求の範囲に用いられるある特定の物理的特性についての値を表すものなどすべての数値は、すべての場合において、「約」という用語によって修正されるものと理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲で用いられる正確な数値は、本発明の追加の実施の形態を形成することもまた理解されるべきである。実施例に開示される数値の正確性を確保するために努力している。しかしながら、測定した数値は、本質的に、それぞれの測定技術に認められる標準偏差から生じるある特定の誤差を含みうる。
本明細書では、成分の「mol%」または「モルパーセント」または「モルによるパーセント」は、そうでないことが明確に示されない限り、成分を含む組成物または物品の総モルに基づいている。本明細書ではすべてのパーセンテージは、他に特記されない限り、モルによる。
本明細書では説明の便宜のため、ROは、集合的に、MgO、CaO、SrOおよびBaOを表す。RE23は、集合的に、希土類酸化物(限定はしないが、Sc23、Y23、La23、Pr23、Nd23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23、およびLu23を含む)を表す。ガラス組成における酸化物XOのモルパーセントは、[XO]で表されるが、例外として、[R'O]は[RO]+1.5×[RE23]の合計を表す。
本明細書では、T2.3は、均質な組成を有するガラスの粘度が200ポアズ(20Pa・s)である温度を意味する。ガラスの液相線粘度は、本開示ではη(液相線)で示される。ガラスの液相線粘度はT(液相線)で表される。
本明細書では「表面上に形成」とは、とりわけ、装置または材料の層が、層と直接接触する表面上に形成される実施の形態、ならびに、装置または材料の層が、ガラス基板の表面などの表面と直接接触しない表面上に形成される実施の形態を含む。後者の実施の形態では、装置または材料の層は、表面に直接隣接する中間層と直接接触して形成されうる。
本発明は、低温のポリシリコン(「LTPS」)用途における設計ルールの強化を可能にしうると共に、重金属の清澄剤(ヒ素またはアンチモンなど)を含まないガラスの製造を可能にする、ガラス組成に関する。大部分がアモルファスシリコン用途に用いられる液晶ディスプレイ用の基板として使用するため、現在、幅広い組成が存在し、世界中で生産されている。しかしながら、より高性能のポリシリコン用途では、しばしば600℃を超える高温のLTPS処理に適合するガラスは、ごく少数しか存在しない。これらの条件下では、ほとんどの基板は、高精度のディスプレイ製造工程にとって非常に望ましくない、かなりの寸法変化(しばしば圧密と称される)を受ける。この寸法変化を低減するため、LTPS基板は、歴史的に、比較的遅い冷却速度(フロート法など)またはポリシリコン沈着の前の二次的熱処理(焼きなましなど)が用いられている。これらの工程段階は、LTPS処理温度と平衡に近い、より低い温度構造を有するガラスを提供することができ、それによって、生じる寸法変化のための原動力を低減する。これらの工程段階に関する問題は、表面粒子および二次的熱処理での破損に起因する、低品質の表面(フロート法において)と乏しい生産力である。
これらの過程指向の解決法とは対照的に、約785℃の高い焼きなまし点を有する新しいガラス組成が、Corning Incorporated社(米国ニューヨーク州所在)によって開発された。このガラス組成は、下流の半導体の形成過程における構造緩和を大幅に遅らせ、それによって寸法変化を低減するLTPS温度範囲において、より高い粘度を有するように設計されている。より高い低温粘度(すなわち1000℃未満の温度範囲における粘度)は、フュージョン法の際の急冷に起因して、「ドローしたままの状態の」ガラスにする高温構造物を相殺し、フロート法に比べて優れた表面品質を維持すると同時に、費用のかかる二次的熱処理の利用を回避する。それにもかかわらず、この組成は、比較的高い工程温度(溶融および清澄温度、例えば約1675℃のT2.3)を必要とし、清澄剤としてアンチモンを使用する。さらには、次世代のLTPS工程(より高い温度または設計ルールの強化)は、さらに高い高温持続可能性を有するガラス基板を必要としうる。よって、本発明は、ある特定の実施の形態では、処理および清澄温度を低下させると同時に、低温粘度をさらに増大させて寸法安定性を改善するガラスに関し、本ガラスは、清澄剤としてのアンチモンの必要性も排除可能であろう(Sb23は、まだ存在しうるが)。
これら2つの特徴は、粘度曲線を著しく急勾配にし、結果として、より高い低温粘度およびより低い高温粘度の両方を生じる、希土類酸化物、特にイットリウム酸化物および/またはランタン酸化物の添加によって達成される。ある特定の実施の形態では、組成は、本質的にアルカリ金属を含まないことが望ましい。ガラスは希土類酸化物を含み、若干のホウ素酸化物、酸化亜鉛、酸化チタン、および、清澄剤など、満足のいくガラス製造に必要とされる他の元素も含んで差し支えなく、限定はしないが、SnO2、CeO2、Fe23、ハロゲン化物などが挙げられる。
本発明のガラスのある特定の実施の形態は、790℃を超える高い焼きなまし点(1013.2ポアズのガラス粘度に対応する温度)と1680℃未満のT2.3(200ポアズのガラス粘度度に対応する温度)を有することが望ましい。本発明のガラスのある特定の実施の形態は、ディスプレイ・ガラス用途に適した特性を有することが望ましい。本発明のガラスのある特定の実施の形態は、太陽光発電などの他の用途に適した特性を有することが望ましい。これらの基準を満たす本発明におけるガラスは、二次的熱処理を必要としない、フュージョン・ダウンドロー法などの既存のシート形成工程による生産に使用することができる。
図1は、従来のLTPSガラス組成への1mol%のイットリウム酸化物の上乗せ添加の粘度における影響を示す。
ガラスの焼きなまし点の上昇は、単純な熱サイクル(ガラスをしばらくの間、昇温下に保持するなど)におけるガラスの寸法変化をを著しく低下させると理解されている。我々は、より高い焼きなまし点とガラスシートにおける圧密性能の改善との相関関係を観察し、本発明のある特定の実施の形態のガラスが上記LTPS用にCorning社が開発した新しいガラスより良好な圧密性能を有することを実証した。
バッチ化原料を溶融し、典型的な溶融およびPtガラス送達系において合理的かつ経済的期間内に、生じたガス内包物を清澄するため、ガラス溶融物のT2.3は〜1680℃を超えないことが望ましい。しかしながら、アンチモンおよびヒ素などの重金属清澄剤の除去には、より厳しい制約が強いられる。これら2種類の清澄剤なしに急速な溶融および適切な清澄を補助するため、T2.3は1650℃未満であることが望ましく、それによってストークスの清澄の促進を補助する。
溶融および清澄の特性に加えて、ガラスは、フュージョンドロー機械における失透に対する抵抗を有することが望ましい。失透(均質なガラスからの結晶相の形成)は、72時間の勾配ボートの測定によって決定される液相線温度(最初の結晶性固体が溶融物と平衡である温度として定義される)によって定量化される。これらの測定は、炉の長さに与えられる熱勾配を有するチューブ炉内に置いた破砕ガラスカレットで満たしたプラチナボートを用いて行われる。72時間後、これらの条件下では、最初の結晶が観察される温度が液相線温度とみなされ、その液相線粘度はこの温度に対応するガラスの粘度である。既存のフュージョンドロー機械に適合させるため、ガラスの液相線温度は1250℃を超えず、対応する液相線粘度は60,000ポアズ未満であることが好ましい。
組成における希土類の存在、特にLa23およびY23の存在は、本発明のガラス材料および方法の上記特性を与える。望ましい圧密を有するために十分に高い焼きなまし点を有する、希土類酸化物が存在しないガラス材料は、溶融および清澄、特に既存の典型的な溶融および清澄設備において前記ガラス材料の溶融および清澄を困難にするであろうT2.3を有することが多い。これらの要件を何とか満たすガラスは、許容できない液相線温度および/または液相線粘度を有する傾向にある。しかしながら、本発明の希土類酸化物を含むガラスは、これら3つの基準のすべてを同時に、容易に満たすことができることが判明した。典型的なLTPS組成への希土類酸化物の上乗せ添加は、ガラスの焼きなまし点にはあまり影響を与えずに、T2.3を大幅に低下させる。この現象は、1mol%Y23の有無についての2つの平衡粘度曲線を比較した図1に示されている。この図では、曲線1.2は、1mol%のY23をlogηの関数として含むガラスの温度を示し、ここでηはポアズ単位の粘度である。曲線1.1は、logηに関してY23を含まないことを除いて本質的に同一の組成を有するガラスの温度を示す。曲線1.1および1.2の縦軸は図の左側にある。曲線1.3は、同一粘度におけるこれら2種類のガラス材料の温度差(Y23含有ガラスの温度−非Y23含有ガラスの温度)を示す。曲線1.3の縦軸は図の右側に示されている。
図1から、2つの曲線1.1および1.2は、焼きなまし点以上の粘度で実質的に共変であるが、Y23含有ガラスはY23を含まないガラスより50℃低いT2.3を有することが見て取れる。非Y23含有ガラスのT2.3および清澄温度の大幅な低下に加えて、Y23含有ガラスは、実質的により低い(25℃)液相線温度および、それに応じたより高い液相線粘度を有する。この例は、本発明のガラス材料における希土類酸化物の利用方法が、上記厳しい要件を満たすガラス組成物を可能にすることを明白に示唆している。
上述のように、本発明は、とりわけ、例えばAMLCDなどのフラットパネルディスプレイの基板として使用するための改善したガラスに関係している。特に、ガラスは、このような基板などのさまざまな特性要件を満たすことが好ましい。本発明のある特定の実施の形態にしたがったガラス材料は、太陽光発電の製造などの他の用途にも使用して差し支えない。ガラスの主成分は、SiO2、Al23、および少なくとも2つのアルカリ土類酸化物、すなわち、少なくともMgOおよびCaO、ならびに少なくとも1つの希土類酸化物である。
SiO2は、本発明のガラスの塩基ガラス形成剤としての役割をする。その濃度は、例えばAMLCDガラスなどのフラットパネルディスプレイガラスに適した密度および化学的耐久性、ならびに、ガラスをダウンドロー法(例えばフュージョン法)によって形成することのできる液相線温度(液相線粘度)を有するガラスを提供するため、少なくとも66mol%であるべきである。
ダウンドロー法で形成するためには、ガラスは、10000ポアズ以上の液相線粘度を有することが望ましく、ある特定の実施の形態では20,000ポアズ以上がさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では50,000ポアズ以上がさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では60,000ポアズ以上がさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では80,000ポアズ以上がさらに望ましく、100,000ポアズ以上がさらに望ましく、150,000ポアズ以上がさらに望ましく、200,000ポアズ以上が最も望ましい。
上限に関し、例えば耐熱性の溶融炉におけるジュール溶融などの従来の高容積の溶融技術を使用してバッチ材料を溶融できるように、SiO2濃度は75mol%以下であるべきである。SiO2の濃度が75mol%を超えると、T2.3は、従来の溶融および送達系で行われる従来の溶融方法にとって高すぎてしまう。
SiO2濃度は、ある特定の実施の形態では67〜74mol%であることが望ましく、ある特定の実施の形態では68〜72mol%がさらに望ましい。それらのSiO2含量の結果として、本発明のガラスは、1565℃以上、1680℃以下のT2.3を有しうる。
当技術分野で周知のように、SiO2は、典型的には、緩い砂地盤由来、あるいは砂岩または珪岩から採鉱した、水晶でできた砕砂の形態で取り込まれる。これらは低価格で市販されているが、融解挙動にあまり影響を与えない他の結晶またはアモルファスの形態のSiO2で、ある程度または全体を置き換えることもできる。溶融SiO2は非常に粘性であり、無アルカリガラスにゆっくり溶解することから、一般に、少なくとも85%が、約150μmのメッシュの開口サイズに相当する米国のメッシュサイズ100を通過するように、破砕されることが有利である。生産において、清澄は、バッチ移動過程によって、または空気処理設備によって浮上させて差し支えなく、また、これがもたらす健康への危険を回避するため、砕砂の最小画分を除去することが好ましい。
Al23は、本発明のガラスの別のガラス形成剤である。11mol%以上のAl23濃度は、低い液相線温度および対応する高い液相線粘度を有するガラスを提供する。少なくとも11mol%Al23の使用により、ガラス歪み点およびヤング率も改善される。適切な融解挙動を達成するため、Al23濃度は、最大で17mol%であるべきである。Al23濃度は、ある特定の実施の形態では、12〜17mol%であることが望ましく、ある特定の他の実施の形態では12〜16mol%であることがさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では13〜16mol%であることがさらになお望ましい。
23は、存在する場合には、ガラス形成剤の働き、および、溶融を補助しT2.3を低下する融剤の働きをする。しかしながら、多量のB23は、歪み点(2.0mol%より高濃度のB23において、1.0mol%ごとにおよそ10℃上昇する)、ヤング率、および化学的耐久性の低下につながる。ポリシリコン基板または単結晶の基板(例えば、ガラス基板の初期表面にシリコンなどの単結晶の半導体の層を含む、シリコン・オン・ガラス技術などの半導体・オン・インシュレータ技術を使用することによって形成される装置)用のガラスでは、高い歪み点(750℃より高温など)は重要な特性である。したがって、本発明のガラスでは、B23は4mol%以下に保たれ、ある特定の実施の形態では2mol%未満がさらに望ましく、他の実施の形態では本質的にゼロがさらになお望ましい。低いB23含量は、ポリシリコンおよび単結晶の用途に適した780℃より高い歪み点を有するガラス基板の達成に寄与する。
典型的には、アモルファスシリコン技術に基づいたものより高い半導体膜形成温度を有する、ポリシリコン技術および/または単結晶シリコン技術に基づいたフラットパネルAMLCD用途に使用するため、基板ガラスは、特にガラス基板が比較的高い仮想温度を生じうる高速の冷却速度を使用する形成方法を通じて生産される場合には、750℃以上の歪み点を有することが望ましい(ある特定の実施の形態では755℃以上がさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では760℃以上がさらになお望ましい)。このような高い歪み点は、実質的な圧密なしに、および、事前の焼きなまし工程の必要なしに、これらの高い処理温度に耐えるガラス基板を可能にしうる。さらに、AMLCD用途では、ガラス基板は10.0×106psi(6.89×104MPa、1MPa=1×106パスカル=1×10-3GPa)以上のヤング率を有することが望ましい(ある特定の実施の形態で10.3×106psi(7.10×104Mpaまたは71.0GPa)以上がさらに望ましく;ある特定の他の実施の形態では85GPa以上が最も望ましい)。しかしながら、本発明のガラス材料は、典型的には、少なくとも78GPaの高いヤング率を有し、ある特定の実施の形態では80GPaより高く、ある特定の他の実施の形態では82GPaより高く、ある特定の実施の形態では85GPaより高い。高い歪み点は、ガラスの製造後、熱処理の間の圧密/収縮に起因するパネルの歪みの防止に役立つことが望ましい。高いヤング率は、輸送および取り扱いの間に大きいガラスシートに見られるたるみの量を低減することから、望ましい。したがって、本発明のある特定の実施の形態にしたがったガラス材料の高いヤング率は、別の利点を示す。
ガラス形成剤(SiO2、Al23、およびB23)に加えて、本発明のガラスは、少なくとも2つのアルカリ土類酸化物、すなわち、少なくともMgOおよびCaO、および、随意的にSrOおよび/またはBaOも含む。当技術分野で周知のように、アルカリ土類は、典型的には、酸化物(特にMgO)、炭酸塩(CaO、SrOおよびBaO)、硝酸塩(CaO、SrOおよびBaO)、および/または水酸化物(すべて)として添加される。MgOおよびCaO場合には、起源として作用しうる天然の鉱物としては、ドロマイト(Cax,Mg1-x)CO3)、マグネサイト(MgCO3)、水滑石(Mg(OH)2)、タルク(Mg3Si410(OH)2)、かんらん石(Mg2SiO4)および石灰岩(CaCO3)が挙げられる。これらの天然源は鉄を含み、必要に応じ、この成分を添加するための手段として使用されうる。
操作の任意の特定の理論によって縛られることは望まないが、下記段落A〜Rに記載する希土類酸化物を本質的に含まない、RO−Al23−SiO2ガラス系におけるガラス化学の以下の態様は、本発明のガラス組成に準用することができると考えられる。
A.RO−Al23−SiO2ガラス系では、アルカリ土類酸化物は、溶融、清澄、成形、および最終用途にとって重要なさまざまな特性を有する、ROおよびAl23を含むガラスを提供する。例えば、ガラスにおけるMgO濃度、および[RO]/[Al23]比(ここで[Al23]はAl23のモルパーセントであり、[RO]は、MgO、CaO、SrO、およびBaOのモルパーセントの合計である)は、ガラスの性能、特に、溶融性および清澄に関して重要な影響を有しうる。
B.当技術分野で周知のように、アルミノケイ酸塩ガラスでは、Al3+イオンは、4つの酸素イオン(O2-)で取り囲まれる。これが生じる手段の1つは、伝統的に電荷均衡の相互作用と呼ばれる。4つのO2-に結合するケイ素イオン(Si4+)は、各O2-の結合要件に関して1/4×(+4)すなわち+1の増分電荷を与えるものと考えられる。これらの酸素イオンの内の1つが4配位Al3+に結合すると、O2-イオンの結合要件に対して1/4×(+3)=+3/4の追加の寄与が生じ、合計で1と3/4になる。残りの+1/4は、アルカリ土類など、近くの+2価の陽イオンにより得られ、例えば、1/8×(+2)=+1/4である。正に荷電したイオンに与えられる総電荷は、酸素イオンの負の電荷と正確に釣り合い、アルミニウムは4配位のままでいられる。この役割で作用する+2価の陽イオンは、電荷均衡陽イオンと称される。[RO]/[Al23]比が1以上であるとすると、結果として、アルミノケイ酸カルシウムガラス中のほぼ全てのアルミニウムは、酸素により4配位になる。M Taylor, GE Brown, Structure of mineral glasses: I. The feldspar glasses NaAlSi3O8, KAlSi3O8, CaAl2Si2O8. Geochim. Cosmochim Acta 43:61-75 (1979);P. McMillan, B. Piriou, A Navrotsky, A Raman spectroscopic study of glasses along the joins silica-calcium aluminate, silica-sodium aluminate, and silica-potassium aluminate. Geochim Cosmochim Acta 46:2021-2037 (1982);およびA Navrotsky, G Peraudeau, P McMillan, JP Coutures, A thermochemical study of glasses and crystals along the joins silica-calcium aluminate and silica-sodium aluminate. Geochim Cosmochim Acta 46:2039-2047 (1982)を参照のこと。当業者には周知のように、+2価の陽イオンによる電荷均衡の効果は、そのサイズに逆比例して変化する。このことは通常、小さな+2価の陽イオンが、酸素イオンを分極させ、他の陽イオンとの結合を不安定にさせると説明される。
KL Geisinger, GV Gibbs, A Navrotsky, A molecular orbital study of bond length and angle variations in framework silicates. Phys Chem Minerals 11: 266-285 (1985);および A Navrotsky, KL Geisinger, P McMillan, GV Gibbs, The tetrahedral framework in glasses and melts-inferences from molecular orbital calculations and physical properties. Phys Chem Minerals 11:284-298 (1985)を参照のこと。本発明のガラスにおける好ましい+2価の陽イオンは、イオン半径の順に、MgO、CaO、SrO、およびBaOである。Ca2+イオンは、Mg2+イオンよりも4配位のアルミニウムを安定化させるのに良好であるが、Sr2+イオンほどは効果的ではない。本発明のガラスにおいて、Ba2+およびSr2+は、電荷均衡相互作用において完全に消費され、実質的に全てのAl3+イオンがCa2+、Sr2+またはBa2+により4配位で安定化される限界に至るまで、Ca2+が続く。Al3+イオンが、依然として電荷均衡を必要とする場合は、残りのAl3+イオンが4配位で安定化されるまで、Mg2+イオンがこの目的に用いられる。
C.アルミニウムを4配位で安定化させるのに用いられないアルカリ土類イオンは、酸素イオンを、隣接するケイ素イオンと共有する傾向にある。この役割において、アルカリ土類は網目構造を壊すことから、ネットワーク改質カチオンと呼ばれる。本発明のガラスにとって許容される組成範囲では、ネットワーク改質カチオンとして利用できる唯一のアルカリ土類イオンがCa2+およびMg2+になるように、Sr2+およびBa2+の全てを電荷均衡の役割において消費する必要がある。ガラスの網目構造の破壊において、改質カチオンは、昇温での粘度の低下に寄与し、それによって、基本的な溶融プロセスを容易にする。改質カチオンは、ガラス中のガスの溶解度も減少させ、それによって、高温での気泡の核生成や成長の可能性を低減させる。さらに、これらの改質カチオンは、バッチ材料中のシリカ粒子を攻撃し、それら粒子を均質な溶融物中に急速に取り込ませる。最後に、そして、本発明のガラスにとって最も重要なことに、それら改質カチオンは、結晶質シリカ(例えばクリストバライト)の安定性を低下させ、その液体を安定化し、それによって、冷却の際に結晶の最初に出現時の粘度を増大させることができる。
D.この最後の役割、すなわち、結晶質シリカの安定性を低下させる役割を理解するために、図2に示すCaO−Al23−SiO2系の液相図を考えることが有用である(この図を作成するために用いたデータは、EM Levin, CR Robbins, HF McMurdie, Phase Diagrams for Ceramists. The American Ceramic Society, Inc., Columbus, OH (1964), p. 219からのものであり、モルパーセントに換算されている)。図の中央を通る曲線は、液体と平衡状態にある結晶がそこを横切ると密度を変化させる組成空間の境界を示す。図の上部は、SiO2の結晶質多形体であるクリストバライトである。右下は、4、5および6配位のアルミニウムを含有するアルミノケイ酸塩である、ほぼ3Al23・2SiO2のムライトである。図の下部の中間は、CaO/Al23比が1.0であり、全てのAl3+イオンに酸素が4配位している、CaAl2Si28であるアルミノケイ酸カルシウム灰長石である。左下の相は、全てのSi4+イオンに酸素が4配位し、全てのCa2+イオンに酸素が6配位し、少なくともいくつかの酸素イオンをCa2+イオンとSi4+イオンが共有している、Ca2Si26のウォラストナイトである。三角形の中央を通る縦の線は、CaO/Al23比が正確に1.0である組成を示す。これらの領域の各々において、問題の結晶は溶融ガラスと平衡しており、液体と特定の結晶との間の平衡領域は、結晶の液相場と称される。
E.2つの結晶の液相場が交差する場合、その交差を示す曲線は共融(cotectic)と呼ばれ、3つの相場が交差する場合、その場が集まる点は共晶融点と称される。共晶融点は、3つの結晶相が液体と共に同時に共存する場所である。それらは、定義によれば、特定の結晶集合体の溶融温度における極小であり、したがって、3つの結晶相のいずれかまたは組合せに対して液体が最も安定である組成である。2つの共融合金を図2に示す。クリストバライト、灰長石およびムライトの間の第1の共晶(右側)は、1345℃まで低下した単一の溶融物であり、この点で、3つの結晶相が同時に液体と平衡状態になる。ウォラストナイト、灰長石およびクリストバライトの間の第2の共晶は、1170℃まで低下した単一の溶融物であり、この点で、それら3つの相が同時に、液体と平衡状態になる。
F.ウォラストナイト、クリストバライトおよび灰長石の結晶集合体を室温から加熱した場合、液体が最初に現れるのは1170℃であり、その液体の組成は、対応する共晶組成と等しいであろう。同様に、灰長石、ムライトおよびクリストバライトの結晶集合体を室温から加熱した場合、液体が最初に現れるのは1345℃であり、その液体の組成は、これらの相間の対応する共晶の組成であろう。これら2つの共融合金の間で、温度は、[CaO]/[Al23]=1.0を示す線に至るまで単調に上昇し、ここで[CaO]と[Al23]は、それぞれ、CaOおよびAl23のモルパーセントを表す。この線は、R=Ca、SrおよびBaについてのRO−Al23−SiO2系における熱極大を示す。言い換えれば、(Ca,Sr,Ba)O/Al23=1の線のAl23が豊富な側に対する(Ca,Sr,Ba)O−Al23−SiO2組成物は、[アルミノケイ酸アルカリ土類]−ムライト−クリストバライト共晶組成で溶融し、状態図の[ケイ酸アルカリ土類]−[アルミノケイ酸アルカリ土類]−クリストバライト側における溶融から、熱力学的に妨げられる。
G.図3は、MgO−Al23−SiO2系の液相図(この図を作成するのに用いたデータは、EM Levin, CR Robbins, HF McMurdie, Phase Diagrams for Ceramists. The American Ceramic Society, Inc., Columbus, OH (1964), p. 246からのものであり、モルパーセントに変換されている)を示している。この系は、アルミノケイ酸マグネシウム(コージエライト)−ムライト−クリストバライト共晶組成物が1よりやや大きい[RO]/[Al23]比を有するという点で、RO−Al23−SiO2系の中で独特である。他のRO−Al23−SiO2三成分系とは異なり、マグネシウムベースの系における高シリカ組成物の最初の溶融は、[RO]/[Al23]>1.00を有する共融合金において生じる傾向にある。非常に重要な別の点は、問題の共融合金が、他のRO−Al23−SiO2三成分系のどれよりも、はるかに低いシリカ濃度にあることである。したがって、他のRO−Al23−SiO2三成分系と比較して、MgO−Al23−SiO2系では、比較的低いシリカ濃度において、最低液相線温度が見つかるであろう。
H.本発明のガラスの目的に関して、初期段階の溶融物の組成の最も重要な結果は、ガス溶解度およびガラス中のガス内包物の外観に関する。ガスの溶解度は、アルミニウムの豊富なガラスでは比較的高く、RO−Al23−SiO2ガラス系では、[RO]/[Al23]比が1.00を超えて増加するにつれて急激に低下する。さらに、シリカは、溶融中に最後の溶解する成分であり、実際に、ガスの溶解度は著しく低下する。ROの豊富な系において、シリカの溶解は比較的低温で生じ、それゆえ、初期のガス溶解度をさらに阻害する。このことの最終的な影響は、ROの豊富なガラスが低い初期ガス溶解度を有し、溶解度は溶融が進行するにつれて実際に上昇するのに対し、Al23の豊富なガラスは非常に高い初期溶解度を有するが、溶融が進行するにつれて溶解度が減少することである。溶解度が低下するにつれて、ガスはガラスの外へ押し出されて、気泡になる。ある程度反応したシリカ粒子の表面は、これら気泡にとって効果的な核形成部分として働き、気泡をガラス本体に保持するのを補助する。
I.B23は、二成分または三成分のアルミノケイ酸塩結晶のいずれにも、もしくはシリカにもあまり関与せず、その結果、その主な影響は、単純な希釈によって液相線温度を低下させることである。主な結果は、例えばCaO−Al23−SiO2系の液相表面上の所定の点に関して、B23の添加により、液相線温度が低下することである。高シリカ液体では、液相線温度におけるB23の影響は、モル%当たり約20℃であることが経験的に分かっている。例として、灰長石−クリストバライト−ムライト共晶融点(図2のAl23の豊富な側)の温度は、10モル%のB23で希釈したときに、1345℃から約1145℃まで低下する。液相線温度における希釈の影響は、通常、凝固点降下と称される。残念なことに、B23は歪み点において悪影響を有するため、その濃度は最小限に抑えるべきである。
J.AMLCD型のガラス組成物中の組成調査の意外な結果は、CaO−Al23−SiO2系においてCaOを1〜3モル%のMgOで置換すると、灰長石−ムライト−クリストバライト液相線の位置が、MgO−Al23−SiO2系におけるコージエライト−ムライト−クリストバライト液相線とほぼ同じ位置まで急激にシフトすることである。その結果、MgOを添加すると、初期溶融の全てを、その状態図のROの豊富な側へと強いるだけでなく、MgOまたはCaOベースの系単独において予測されうるよりも低い、液相線温度の極小も生じる。前者は、MgO−Al23−SiO2系に関する先の議論から得られる。後者は、適切な少量の任意の酸化物の添加による凝固点降下によって液相線温度が最初に低下することに起因して生じる。したがって、三成分系、すなわち、MgOまたはCaOのみを有する系における高温の理由から、液相線温度の上昇が直感的に予測されるであろうが、実際には、約1〜3モル%からの低下が得られ、その後、液相線温度は上昇する。CaOをMgOに置換することによって粘度はあまり影響を受けないため、液相線温度の低下の最終的な結果は、液相線粘度の上昇である。高い液相線粘度は、溶融ガラスをAMLCD用途に適したシートに加工するのに用いられる精密シートダウンドロー法にとっての必要条件である。
K.以前は、1mol%以上のMgO濃度により液相線温度が上昇し(液相線粘度が低下し)、それにより、ダウンドロー法、例えば、フュージョン法などの高粘度成形法が損なわれると考えられていた。しかしながら、先に論じ、以下に示す実施例により例証されるように、同時に[RO]/[Al23]比およびSiO2濃度を上述のように注意深く制御するという条件で、高レベルのMgOを使用できることが分かった。
L.したがって、要約すると、前述の検討事項は、アルカリ土類酸化物の中で、MgOが溶融および清澄に関して特に重要であることを示す。加えて、他のアルカリ土類酸化物と比較して、MgOが存在すると、密度とCTEが低くなり、化学的耐久性、歪み点、およびヤング率が高くなる。
M.濃度に関して、MgOは、上述のMgOに関するさまざまな利点を達成するために、1.0mol%以上であるべきである。6.0mol%よりも高い濃度では、[RO]/[Al23]比およびSiO2濃度を制御したとしても、高粘度成形法(例えば、フュージョン法)を用いたガラス成形が損なわれるほど、液相線温度が上昇し、液相線粘度が降下してしまう。ある特定の実施の形態では、MgO濃度は1.0〜5.0mol%であることが望ましい。
N.CaOは、低い液相線温度(高い液相線粘度)、高い歪み点とヤング率、およびフラットパネル用途、特に、AMLCD用途にとって最も望ましい範囲にあるCTEを生じるためには不可欠である。CaOは、化学的耐久性にも好ましく寄与し、他のアルカリ土類酸化物と比較して、バッチ材料として比較的安価である。したがって、CaO濃度は、2.0mol%以上でなければならない。しかしながら、高濃度では、CaOは密度とCTEを上昇させてしまう。したがって、本発明のガラスのCaO濃度は、7.0mol%以下である。ある特定の実施の形態では、CaO濃度は、2.0〜6.0mol%であることが望ましい。
O.残りのアルカリ土類酸化物、すなわちSrOとBaOは両方とも、低い液相線温度(高い液相線粘度)に寄与でき、それゆえ、本発明のガラスは、典型的には、これらの酸化物の少なくとも一方を含有する。しかしながら、両酸化物は、MgOおよびCaOと比較して、CTEと密度を上昇させ、ヤング率と歪み点を低下させてしまう。SrOとBaOでは、一般に、BaOは、SrOよりも、ガラスの性質に、より悪影響を及ぼす。また、環境的に優しい「グリーンな」製品を製造する点に関しては、バリウムは、資源保全再生法(RCRA)にリストアップされた金属の1つであり、したがって、米国の環境保護庁(US EPA)によって有害であると分類されていることから、バリウムを最小限に抑えるか、または排除することが好ましいと考えられている。それゆえ、環境にやさしいガラスを製造する目的のためには、バリウムを可能な限り低レベルに維持することが望ましい。しかしながら、酸化バリウム(BaO)がガラスの全体のRO濃度の一部として含まれる場合に、同一の清澄特徴が得られる。すなわち、[RO]/[Al23]の比<1である場合、気泡は溶融における後期段階で形成され、ガラス中に捕捉されたままであるのに対し、[RO]/[Al23]≧1である場合、ガスは初期段階で排除され、内包物がより少なくなる。したがって、ある特定の実施の形態では、バリウムを実質的に含まない組成が望ましく、本発明の最も一般的な実施の形態は、バリウムおよび他のアルカリ土類陽イオンを含有する。
P.バリウムは、使用する場合、一般に密度と熱膨張率を犠牲にするにもかかわらず、液相線温度を低下させる助けとなりうる。バリウムの濃度が、ガラス中の他のアルカリ土類、特にストロンチウムと競合する場合、それでもなお0.1mol%より多くBaOを含有する、比較的狭い範囲内の性質を得ることも可能である。物理的特性および所望の清澄挙動が関連する場合、低濃度のバリウム(すなわち、4.0mol%以下の濃度)では、許容できないほどの不利益は被らず、それゆえ、ガラスからバリウムを排除する必要はない。
Q.要約すると、本発明のガラス中のBaO濃度は4.0mol%と同程度の高さでありうるが、ある特定の実施の形態では3.0mol%以下であることが望ましく、ある特定の他の実施の形態では0.1mol%以下であることがさらに望ましく、ある特定の他の実施の形態では0.05mol%未満(本明細書では「バリウムを実施的に含まない」と称される)であることがさらになお望ましい。
R.ストロンチウムは、バリウムの毒性特徴を全く有さず、したがって、ストロンチウムを含有するが、バリウムも、ヒ素も、アンチモンも含有しないAMLCDガラスは、「超グリーン」であると認識されている。本発明のガラスのSrO濃度は3.0mol%以下である。ある特定の実施の形態では、SrO濃度は通常、BaO濃度よりも大きい。SrOとBaO濃度の合計は、主に、ガラスをダウンドロー法によって形成できるように十分に高い液相線粘度を提供するために、0.4mol%以上でありうる。
23などの希土類酸化物は、アルミノケイ酸アルカリ土類とは異なり、任意の三成分RE23−Al23−SiO2相を形成せず、したがって、その系の最小液相線は、図4に示すように三成分の中心に近い。よって、希土類酸化物は、コージエライト、灰長石、およびセルシアンなどのアルミノケイ酸アルカリ土類結晶相の活性を抑えることによって、アルミノケイ酸アルカリ土類の液相線温度の抑制に使用することができる。加えて、La23およびY23などの希土類酸化物では、アルカリ土類酸化物と比較して、溶融物の粘度曲線が急勾配になり、これが焼きなまし点および歪み点を同時に上昇させ、T2.3温度を低下させる。これは、840℃までの焼きなまし点を有すると同時に、1680℃未満のT2.3を保持するガラスの獲得を可能にする。希土類酸化物はまた、弾性率を上昇させる傾向にあり、加工の間のガラスのたるみを低減する。希土類酸化物は、その濃度が過度にならないように、密度と膨張も増大させる。少量の希土類酸化物は、RO−Al23−SiO2ガラス系において、アルカリ土類酸化物と同様の方法でガラス構造に導入されると考えられる。したがって、希土類酸化物を含まないRO−Al23−SiO2ガラス系における[RO]/Al23の重要性は、本発明のガラス組成における[R'O]/Al23にまで拡張することができ、したがって、上述の本発明のガラス材料における[R'O]/Al23の範囲の重要性にまで拡張することができる。さらには、少量の希土類酸化物の存在は、本発明の場合、上述のように、Al23、B23、MgO、CaO、SrO、およびBaOの役割を変化させず、上記議論を、希土類酸化物含有ガラスおよび希土類酸化物を含まないガラスの両方にとって有効にする。
上記成分に加えて、ガラスのさまざまな物理的、溶融、清澄、および成形特性を調整するために、本発明のガラスにさまざまな他の酸化物を含めることができる。これら他の酸化物の例としては、限定はしないが、TiO2、MnO、ZnO、Nb25、MoO3、Ta25、WO3、およびCeO2が挙げられる。これらの酸化物のそれぞれの量は2.0mol%以下でなければならず、これらの合計濃度は5.0mol%以下でなければならない。本発明のガラスは、バッチ材料に関する、および/または、ガラスを生産するための溶融、清澄、および/または成形の設備によってガラスに取り込まれる、さまざまな汚染物質も含む(例えば、ZrO2)。
本発明のガラスは、通常、汚染物質として、幾つかのアルカリ、特に、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、およびカリウム(K)も含む。しかしながら、AMLCD用途では、ガラスからTFTのシリコンへのアルカリイオンの拡散を通じた、薄膜トランジスタ(TFT)性能におけるマイナスの影響を有さないように、アルカリレベルは、0.1mol%のR2O(R=Li、Na、K)以下に保たれる必要がある。本明細書では「実質的にアルカリを含まないガラス」(「無アルカリガラス」とも称される)は、0.1mol%以下のR2Oとして表される全アルカリ濃度を有するガラスであり、ここで、全アルカリ濃度は、Na2O、K2O、およびLi2O濃度の合計である。ある特定の実施の形態では、全アルカリ濃度は0.07mol%以下であることが望ましい。
本発明のガラス材料は、それらの高い歪み点、比較的低いT2.3に起因して、LCDガラス基板、特に、低温のポリシリコンまたは単結晶の技術に基づいたものなど、比較的高い処理温度を要件とするものにとって、特に有利である。
したがって、本発明の第2の態様によれば、上記の本発明の第1の態様およびそのさまざまな実施の形態に従ったガラス材料を備えた、TFT液晶ディスプレイ、光起電装置または他の光電気装置のためのガラス基板が提供される。本発明の第2の態様のある特定の実施の形態では、ガラス基板は、フュージョン・ダウンドロー法、またはスロット・ダウンドロー法、またはフロート法などのダウンドロー法によって製造されることが有利でありうる。
本発明の第3の態様によれば、上記の本発明の第2の態様およびそのさまざまな実施の形態に従った基板を備えた装置が提供される。本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、ケイ素などの多結晶または単結晶の半導体材料の薄膜、または、それらでできた半導体装置、例えば基板表面上に形成されるダイオード、トランジスタなどを含む。本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、アモルファスシリコンの薄膜、またはそれらでできた半導体装置、例えば基板表面上に形成されるダイオード、トランジスタなどを含む。本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、350℃より高い温度におけるステップを含む工程によって形成される、ガラス材料とは異なる半導体材料などの材料の層を含み、ある特定の実施の形態では400℃より高く、ある特定の実施の形態では450℃より高く、ある特定の実施の形態では500℃より高く、ある特定の実施の形態では550℃より高く、ある特定の実施の形態では600℃より高く、ある特定の実施の形態では650℃より高く、ある特定の実施の形態では700℃より高く、ある特定の実施の形態では750℃より高い。本発明の第3の態様のある特定の実施の形態では、装置は、ガラス材料の歪み点より高いがガラスの軟化点より低い温度におけるステップを含む工程によって形成される、ガラス材料とは異なる半導体材料などの材料の層を、基板表面上に含む。
薄膜半導体技術の当業者は、本発明にしたがったガラス基板などのガラス基板表面における、ポリシリコンまたは他の半導体材料の薄膜の製造方法、および半導体材料の薄膜からトランジスタなどの半導体装置を製造する方法を理解している。最近になって、薄膜トランジスタにおける活性な、および/またはドープされた層として、内在のポリシリコン、およびドープ化ポリシリコンが高面積の電子機器に使用されている。ポリシリコンは、ある特定の処理法において、アモルファスシリコンのLPCVD、プラズマ化学気相成長法(PECVD)、または固相結晶化(SPC)により、沈着することができるが、これらの処理には、依然として、少なくとも300℃の比較的高い温度が必要とされる。これらの温度は、ガラス基板へのポリシリコンの沈着を可能にするが、プラスチック基板への沈着はできない。プラスチック基板上に多結晶シリコンまたはポリ−Siを沈着するための原動力は、柔軟性のあるスクリーン上のデジタルディスプレイの製造を可能にするという要望に基づいている。したがって、レーザー結晶化と呼ばれる比較的新しい技術は、プラスチックを溶融または損傷することなく、プラスチック基板上で前駆体アモルファスシリコン(a−Si)材料を結晶化するために考案された。短い、高強度の紫外線レーザーパルスを使用して、基板全体を溶融することなく、沈着したa−Si材料をケイ素の融点より高い温度まで加熱する。次いで、溶融シリコンは、冷却すると結晶化する。温度勾配を正確に調節することによって、研究者らは、極端な例では最大で数百マイクロメートルの大きさまで、非常に大きい粒子を成長させることができたが、10ナノメートル〜1マイクロメートルの粒径もまた一般的である。しかしながら、広い面積にわたるポリシリコン上に装置を作り出すためには、装置の均質性のため、装置の形状サイズより小さい結晶粒径を必要とする。
ポリシリコンとa−Siの大きな違いの1つは、電荷担体の移動性が数桁も大きい場合があり、材料が、電場および光誘起応力の下で、より大きい安定性を示すことである。これは、依然として漏れの少ない特性を必要とするa−Si装置と一緒に、もっと複雑な高速回路をガラス基板上に作製することを可能にする。ポリシリコンとa−Si装置を同一の工程に使用する場合、これはハイブリッド処理と呼ばれる。完全なポリシリコン活性層は、投写型ディスプレイなど、小さい画素サイズが必要とされる一部の事例に用いることもできる。
例えば、「ガラス系SOI構造(GLASS-BASED SOI STRUCTURES)」という発明の名称で2005年3月31日に公開された国際公開第05/029576号パンフレットに開示される単結晶の半導体材料を形成するための方法が開示され、その関連部分は参照することによってその全体がここに援用される。
本発明の第4の態様によれば、上に概要を記載し、以下にさらに詳しく説明する、さまざまな実施の形態にしたがったガラス材料の製造方法が提供され、該方法は:
(i)溶融の際に前記ガラス材料に対応する組成を有するガラス溶融物へと転換する原料を含むバッチ混合物を提供し;
(ii)前記バッチ混合物を溶融して流動ガラスをもたらし;
(iii)ダウンドロー法を通じて前記流動ガラスからガラスシートを形成する、
各工程を有してなる。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、(iii)において、前記ダウンドロー法はフュージョン法を含む。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、ステップ(iii)の後、前記ガラスシートの最終使用の前に、前記成形されたままのガラスは、T(焼きなまし)−150℃を上回る温度で熱処理を受けず、ある特定の実施の形態では、前記成形されたままのガラスシートはその焼きなまし点の温度周辺またはそれより高い温度で熱処理を受けない。
本発明の第4の態様に従った方法のある特定の実施の形態では、ステップ(iii)の後、前記ガラスシートの最終使用の前に、前記成形されたままのガラスシートは、300℃より高い温度で熱処理を受けない。これらの実施の形態は、このような工程が、かなり低い焼きなまし点を有するガラス基板にもたらすであろう圧密を低減させるための余分な焼きなまし工程の必要なしに、高温のその後のステップにおいてガラス基板の直接使用を可能にする、本発明のガラス材料の高い焼きなまし点をうまく利用している。
本発明は、以下の実施例によってさらに例証され、これらは例証のためであることが意図されており、特許請求の範囲に記載される発明を多少なりとも限定することは意図されていない。
表I〜Vは、ガラスバッチに由来する酸化物に基づいて計算されるモルパーセントを単位とした、ガラスの実施例を示している。表I〜Vはまた、これらのガラスのさまざまな物理的特性についても記載し、これらの特性の単位は表に示されている。実施例番号1〜56は、るつぼで溶融させた実際のガラス組成であり、それらの特性データを測定した。実施例番号57〜59は、表Vに記載する予測される特性を有する仮説例である。発明者らによる蓄積された経験によれば、予測される特性は、それらの実測する特性にごく近い近似値であると考えられる。
個別の構成成分の合計は100または100にごく近い近似値であるため、すべての実用的な目的では、報告値はモルパーセントを表すとみなされて差し支えない。実際のバッチ成分は、その他のバッチ成分と一緒に溶融されると、適切な割合の所望の酸化物へと転換する、酸化物または他の化合物のいずれかの任意の材料を含みうる。例えば、SrCO3およびCaCO3は、SrOおよびCaOの発生源をそれぞれ提供することができる。
表Iのガラスの調製に用いられる特定のバッチ成分は、細砂、アルミナ、ホウ酸、酸化マグネシウム、石灰岩、酸化ランタン、酸化イットリウム、炭酸バリウムまたは硝酸バリウム、炭酸ストロンチウムまたは硝酸ストロンチウム、酸化亜鉛、および酸化スズである。
表Iに記載されるガラス特性は、ガラスの技術分野における従来の技術に従って決定した。したがって、0〜300の温度範囲にわたる線形の熱膨張率(CTE)は×10-7-1を単位として表される。また、歪み点は℃を単位として表される。密度はg/cm3を単位とし、アルキメデスの方法(ASTM C693)で測定した。℃を単位とするT2.3(ガラス溶融物が200ポアズの粘度を実証する温度として定義される)は、回転円筒型粘度計(ASTM C965−81)を使用し、高温の粘度データにフィットするフルチャー(Fulcher)の方程式を用いて計算した。℃を単位とするガラスの液相線温度は、ASTM C829−81の標準的な勾配ボート液相法を使用して測定した。この方法は、破砕したガラス粒子をプラチナボート内に入れ、前記ボートを、勾配温度領域を有する加熱炉内に入れ、前記ボートを適切な温度領域で24時間加熱し、顕微鏡検査によって、結晶がガラスの内部に出現する最高温度を決定する、各工程を有してなる。ポアズで表す液相線粘度は、液相線温度およびフルチャー(Fulcher)の方程式の係数から決定した。Mpsiを単位とするヤング率の値は、ASTM E1875−00e1に記載される一般的なタイプの共鳴超音波分光技術を使用して決定した。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明にさまざまな変更および調整がなされうることは、当業者には明らかであろう。したがって、それらが添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内にあることを条件に、本発明は、本発明の変更およびバリエーションにも及ぶことが意図されている。
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Claims (11)

  1. 酸化物に基づいたモルパーセントで表して、
    Figure 2011522767
    を含む組成を有する希土類含有ガラス材料。
  2. 本質的にAs23およびSb23を含まないことを特徴とする請求項1記載のガラス材料。
  3. 本質的にBaOを含まないことを特徴とする請求項1または2記載のガラス材料。
  4. 本質的にB23を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のガラス材料。
  5. さらに、
    Figure 2011522767
    を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のガラス材料。
  6. 合計で0〜4mol%のZnOおよびB23を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のガラス材料。
  7. 0.25〜1.2の[RO]/[Al23]比を有し、
    [RO]がMgO、CaO、SrOおよびBaOのモルパーセントの合計を表すことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のガラス材料。
  8. 0.3〜1.8の[R'O]/[Al23]比を有し、
    [R'O]が、[RO]ならびにY23およびLa23のモルパーセントの合計であることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載のガラス材料。
  9. 790℃よりも高い焼きなまし点を有することを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載のガラス材料。
  10. 請求項1〜9いずれか1項記載のガラス材料を含む基板を備えた光電気装置であって、
    前記基板表面上に形成される、多結晶シリコンの薄膜またはそれらでできた半導体装置を含む、光電気装置。
  11. 400℃より高い温度工程を含む方法によって形成される、前記ガラス材料とは異なる材料の層を含むことを特徴とする請求項10記載の光電気装置。
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