JP2017007939A - 無アルカリガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の技術的課題は、生産性(特に耐失透性や溶融性)に優れると共に、歪点と比ヤング率が十分に高い無アルカリガラスを創案することにより、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板の製造効率を高めつつ、LTPSプロセスにおけるガラス基板の熱収縮を抑制し、ガラス基板を大型化、薄型化した場合でも、ガラス基板の撓みに起因する不具合を防止することである。
【解決手段】本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 60〜70%、Al 9.5〜17%、B 0〜9%、MgO 0〜8%、CaO 2〜15%、SrO 0.1〜10%、BaO 0.5〜4%を含有し、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜1.0であり、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、無アルカリガラスに関し、特に液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に好適な無アルカリガラスに関する。
LCDやOLED等のFPDでは、パネルの薄型化、軽量化、省電力化、高精細化等の高性能化の要求が益々高まっている。
高性能ディスプレイでは、薄膜トランジスタ(TFT)として、汎用的なアモルファスシリコン(a−Si)ではなく、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly−Silicon:LTPS)が使用されることが多い。LTPSは、キャリア移動度が高いため、例えばa−Siの場合よりも開口度を大きくすることが可能であり、より高精細なパネルを作製することが可能となる。現在、次世代FPDとして期待されているOLEDでも、LTPSが用いられている。
このようなディスプレイの基板として、ガラス基板が広く使用されている。この用途のガラス基板には、主に以下の特性が要求される。
(1)熱処理工程で成膜された半導体物質中にアルカリイオンが拡散する事態を防止するため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと、
(2)ディスプレイの軽量化のため、密度が小さいこと、
(3)LTPSの製造工程において、ガラス基板の熱収縮を低減するため、歪点又は徐冷点が高いこと、
(4)ガラス基板を低廉化するため、生産性に優れること、特に耐失透性や溶融性に優れること、
(5)ガラス基板の撓みに起因する不具合を抑制するために、比ヤング率が高いこと。
特開2002−29775号公報 特開2009−286689号公報 特表2009−525942号公報 特許第4534282号公報 特許第4445176号公報
近年、FPDの急速な普及に伴い、価格競争が加速している。パネルメーカーは、より高い生産性を追求するため、複数枚のパネルを製造する際、大きなガラス基板上で加工した後、最終的な画面に合わせた寸法に分断する工程を採用している(所謂、多面取り)。複数枚のパネルを一度に製造すると、1枚当たりのパネルコストが低下する。このため、近年、ガラス基板の大型化の要求が強くなっている。
一方、ディスプレイの高精細化に伴い、ガラス基板上に形成される回路パターンが微細化される傾向にある。このため、従来では問題にならなかった微小異物等の表面欠陥が、回路の断線や短絡を引き起こす原因になりつつある。よって、1枚当たりのパネルコストを低減するためには、欠陥が少ないガラス基板が必要になるが、ガラス基板が大型化(又は薄型化する)程、ガラス基板に起因する不具合が発生し易くなる。
また、成形後のガラス基板は、切断、徐冷、検査、洗浄等の工程を経由する。これらの工程中で、ガラス基板は、複数段の棚が形成されたカセットに投入、搬出される。このカセットは、通常、左右の内側面に形成された棚に、ガラス基板の相対する両辺を載置して水平方向に保持できるようになっているが、大型で薄いガラス基板は撓み量が大きいため、ガラス基板をカセットに投入する際に、ガラス基板の一部がカセットに接触して破損したり、搬出する際に、大きく揺動して不安定となり易い。このような形態のカセットは、電子デバイスメーカーでも使用されるため、同様の不具合が発生することになる。更に、電子デバイスに装着されるガラス基板が撓み易い場合、電子デバイスの画像面が歪んで見える等の問題も発生し易くなる。
これまで、ディスプレイ用ガラス基板として、種々の無アルカリガラスが提案されてきた。
しかしながら、既存の無アルカリガラスでは、歪点や比ヤング率を高めようとすると、密度が高くなって、軽量化が困難であったり、溶融温度が高くなったり、耐失透性が低下して、表面欠陥を排除することが困難であった。
上記の通り、ガラス基板が大型化する程、ガラス基板内に欠陥が存在する確率が高くなる。このため、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板を製造することは非常に困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、生産性(特に耐失透性や溶融性)に優れると共に、歪点と比ヤング率が十分に高い無アルカリガラスを創案することにより、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板の製造効率を高めつつ、LTPSの製造工程におけるガラス基板の熱収縮を抑制し、ガラス基板を大型化、薄型化した場合でも、ガラス基板の撓みに起因する不具合を防止することである。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、無アルカリガラスのガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 60〜70%、Al 9.5〜17%、B 0〜9%、MgO 0〜8%、CaO 2〜15%、SrO 0.1〜10%、BaO 0.5〜4%を含有し、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜1.0であり、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が6000ppm(質量)以下、好ましくは2000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明の無アルカリガラスは、上記のようにガラス組成範囲が規制されている。このようにすれば、耐失透性、溶融性、歪点、比ヤング率を十分に高めることが可能になる。特に、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alを0.6〜1.0に規制すれば、耐失透性を顕著に高めることができる。
第二に、本発明の無アルカリガラスは、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜0.9であることが好ましい。
第三に、本発明の無アルカリガラスは、更に、SnOを0.001〜0.3モル%含むことが好ましい。
第四に、本発明の無アルカリガラスは、実質的にAs及びSbを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.05%未満の場合を指す。「実質的にSbを含有しない」とは、ガラス組成中のSbの含有量が0.05%未満の場合を指す。
第五に、本発明の無アルカリガラスは、ZrOの含有量が0.2モル%より少ないことが好ましい。
第六に、本発明の無アルカリガラスは、Bの含有量が0.5モル%より多いことが好ましい。
第七に、本発明の無アルカリガラスは、モル比(SiO+MgO)/Bが18.5より小さいことが好ましい。
第八に、本発明の無アルカリガラスは、歪点が670℃より高いことが好ましい。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
第九に、本発明の無アルカリガラスは、ヤング率が75GPaより高いことが好ましい。ここで、「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。なお、1GPaは、約101.9Kgf/mmに相当する。
第十に、本発明の無アルカリガラスは、比ヤング率が30GPa/g/cmより高いことが好ましい。
第十一に、本発明の無アルカリガラスは、密度が2.59g/cmより低いことが好ましい。ここで、「密度」は、アルキメデス法によって測定した値を指す。
第十二に、本発明の無アルカリガラスは、液相温度が1210℃より低いことが好ましい。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。
第十三に、本発明の無アルカリガラスは、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が30×10−7〜50×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
第十四に、本発明の無アルカリガラスは、104.0ポアズにおける温度が1350℃より低いことが好ましい。ここで、「104.0ポアズにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
第十五に、本発明の無アルカリガラスは、102.5ポアズにおける温度が1620℃より低いことが好ましい。ここで、「102.5ポアズにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
第十六に、本発明の無アルカリガラスは、液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることが好ましい。なお、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
第十七に、本発明の無アルカリガラスは、室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温したとき、熱収縮率が40ppmより小さいことが好ましい。ここで、「熱収縮率」は、次のような方法で測定可能である。まず測定用の試料として160mm×30mmの短冊状試料を準備する(図1(a))。この短冊状試料の長辺方向の端から20〜40mm付近に#1000の耐水研磨紙にてマーキングを行い、マーキングと直交方向に折り割る(図1(b))。折り割った試験片の一方を所定条件で熱処理した後、熱処理を行っていない試料と熱処理を行った試料とを並べて(図1(c))、マーキングの位置ずれ量(△L1、△L2)をレーザー顕微鏡によって読み取り、下記数式1により熱収縮率を算出する。
第十八に、本発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。
第十九に、本発明の無アルカリガラスは、肉厚が0.5mmより薄いことが好ましい。
第二十に、本発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイスに用いることが好ましい。
熱収縮率の測定方法を示す図である。 歪点と熱収縮率の関係に関する調査結果を示すデータである。
本発明の無アルカリガラスにおいて、上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は60〜70%、好ましくは60〜69%、より好ましくは61〜69%、更に好ましくは62〜69%、特に好ましくは62〜68%である。SiOの含有量が少な過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、耐酸性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点やヤング率を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は9.5〜17%、好ましくは9.5〜16%、より好ましくは9.5〜15.5%、更に好ましくは10〜15%である。Alの含有量が少な過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなり、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、ムライトやアノーサイト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は0〜9%、好ましくは0〜8.5%、より好ましくは0〜8%、更に好ましくは0.5〜8%、特に好ましくは1〜8%である。Bの含有量が少な過ぎると、溶融性や耐失透性が低下し易くなり、またフッ酸系の薬液に対する耐性が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率や歪点が低下し易くなる。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。MgOの含有量は0〜8%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜6.7%、更に好ましくは0〜6.4%、特に好ましくは0〜6%である。MgOの含有量が少な過ぎると、溶融性やヤング率が低下し易くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなると共に、歪点が低下し易くなる。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は2〜15%、好ましくは2〜14%、より好ましくは2〜13%、更に好ましくは2〜12%、特に好ましくは2〜11%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり易い。
SrOは、分相を抑制し、また耐失透性を高める成分である。更に、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量は0.1〜10%、好ましくは0.1〜9%、より好ましくは0.1〜8%、更に好ましくは0.1〜7%、特に好ましくは0.1〜6%である。SrOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、SrOの含有量が多過ぎると、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなって、耐失透性が低下し易くなる。
BaOは、耐失透性を顕著に高める成分である。BaOの含有量は0.5〜4%、好ましくは0.6〜4%、より好ましくは0.7〜4%、更に好ましくは0.8〜4%、特に好ましくは0.9〜4%である。BaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、BaOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、溶融性が低下し易くなる。またBaOを含む失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
モル比(CaO+SrO+BaO)/Alは、高比ヤング率と高歪点を両立させると共に、耐失透性を高める上で、重要な成分比率である。モル比(CaO+SrO+BaO)/Alは0.6〜1.0であり、好ましくは0.6〜0.9、0.6〜0.89、0.6〜0.88、0.6〜0.87、0.6〜0.86、特に0.6〜0.85である。モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが小さ過ぎると、ムライトやアルカリ土類に起因する失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が著しく低下する。一方、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが大きくなると、クリストバライトやアノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が低下し易くなることに加えて、比ヤング率や歪点を高め難くなる。
モル比(SiO+MgO)/Bを規制すると、耐失透性をさらに高め易くなる。モル比(SiO+MgO)/Bは、好ましくは18.5以下、18.3以下、18.1以下、17.9以下、17.7以下、特に17.5以下である。また、モル比MgO/SiOも厳密に規制することが好ましい。モル比MgO/SiOは、好ましくは0.1以下、0.9以下、0.8以下、特に0.7以下である。モル比MgO/SiOが大き過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、任意成分として、以下の成分を添加してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
ZnOは、溶融性を高める成分である。しかし、ZnOを多量に含有させると、ガラスが失透し易くなり、また歪点が低下し易くなる。ZnOの含有量は0〜5%、0〜4%、0〜3%、特に0〜2%が好ましい。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であると共に、歪点を高める成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は0.001〜1%、0.001〜0.5%、0.001〜0.3%、特に0.01〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶が析出し易くなり、またZrOの失透結晶の析出を促進し易くなる。なお、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。
上記の通り、SnOは、清澄剤として好適であるが、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、F、Cl、SO、C、或いはAl、Si等の金属粉末を3%まで添加することができる。また、清澄剤として、CeO等も3%まで添加することができる。
清澄剤として、AsやSbも有効である。本発明の無アルカリガラスは、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分を使用しないことが好ましい。更に、Asを多量に含有させると、耐ソラリゼーション性が低下する傾向にある。Asの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下であり、実質的に含有させないことが望ましい。また、Sbの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、特に0.5%未満であり、実質的に含有させないことが望ましい。
Clは、無アルカリガラスの溶融を促進する効果があり、Clを添加すれば、溶融温度を低温化できると共に、清澄剤の作用を促進し、結果として、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなる。このため、Clの含有量は、質量%で、3%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましい。なお、Clの導入原料として、塩化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物の塩化物、或いは塩化アルミニウム等の原料を使用することができる。
は、歪点を高める成分であると共に、アノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶の析出を抑制し得る成分である。但し、Pを多量に含有させると、ガラスが分相し易くなる。Pの含有量は、好ましくは0〜2.5%、0〜1.5%、0〜1%、特に0〜0.5%である。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、TiOを多量に含有させると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜0.1%が好ましい。
、Nbには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々2%より多いと、密度が増加し易くなる。
Laにも、歪点、ヤング率等を高める働きがあるが、近年、導入原料の価格が高騰している。本発明の無アルカリガラスは、Laの含有を完全に排除するものではないが、バッチコストの観点から、実質的に添加しないことが好ましい。Laの含有量は、好ましくは2%以下、1%以下、0.5%以下、実質的に含有させないこと(0.1%以下)が望ましい。
ZrOは、歪点、ヤング率を高める働きがある。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が顕著に低下する。特に、SnOを含有させる場合は、ZrOの含有量を厳密に規制する必要がある。ZrOの含有量は0.2%以下、0.15%以下、特に0.1%以下が好ましい。
本発明の無アルカリガラスにおいて、歪点は670℃超、675℃以上、680℃以上、685℃以上、特に690℃以上が好ましい。このようにすれば、LTPSの製造工程において、ガラス基板の熱収縮を抑制し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、ヤング率は、好ましくは75GPa超、75.5GPa以上、76GPa以上、76.5GPa以上、特に77GPa以上である。ヤング率が低過ぎると、ガラス基板の撓みに起因する不具合、例えば電子デバイスの画像面が歪んで見える等の不具合が発生し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、比ヤング率は、好ましくは30GPa/g/cm超、30.2GPa/g/cm以上、30.4GPa/g/cm以上、30.6GPa/g/cm以上、特に30.8GPa/g/cm以上である。比ヤング率が低過ぎると、ガラス基板の搬送時に割れる等、ガラス基板の撓みに起因した不具合が発生し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、密度は2.59g/cm未満、2.585g/cm未満、2.58g/cm未満、2.575g/cm未満、特に2.57g/cm未満が好ましい。密度が高過ぎると、パネルの軽量化が困難になると共に、比ヤング率を高め難くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度は1210℃未満、1200℃以下、1190℃以下、1180℃以下、1170℃以下、1160℃以下、特に1150℃以下が好ましい。このようにすれば、ガラス製造時に失透結晶が発生して、生産性が低下する事態を防止し易くなる。更に、オーバーフローダウンドロー法で成形し易くなるため、ガラス基板の表面品位を高め易くなると共に、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。そして、近年のガラス基板の大型化、及びディスプレイの高精細化の観点から、表面欠陥となり得る失透物を極力抑制するためにも、耐失透性を高める意義は非常に大きい。なお、液相温度は、耐失透性の指標であり、液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は30×10−7〜50×10−7/℃、32×10−7〜50×10−7/℃、32×10−7〜48×10−7/℃、32×10−7〜46×10−7/℃、32×10−7〜44×10−7/℃、32×10−7〜42×10−7/℃、33×10−7〜42×10−7/℃、特に33×10−7〜40×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、TFTに使用されるSiの熱膨張係数に整合し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、104.0ポアズにおける温度は1350℃以下、1340℃以下、1330℃以下、1320℃以下、1310℃以下、特に1300℃以下が好ましい。104.0ポアズにおける温度が高くなると、成形時の温度が高くなり過ぎて、ガラス基板の製造コストが高騰し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、102.5ポアズにおける温度は1620℃以下、1610℃以下、1600℃以下、1590℃以下、特に1580℃以下が好ましい。102.5ポアズにおける温度が高くなると、ガラスを溶解し難くなって、ガラス基板の製造コストが高騰すると共に、泡等の欠陥が生じ易くなる。なお、102.5ポアズにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度における粘度は104.8ポアズ以上、104.9ポアズ以上、105.0ポアズ以上、105.1ポアズ以上、105.2ポアズ以上、105.3ポアズ以上、特に105.4ポアズ以上が好ましい。このようにすれば、成形時に失透が生じ難くなるため、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなり、結果として、ガラス基板の表面品位を高めることが可能になり、またガラス基板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度における粘度は、成形性の指標であり、液相温度における粘度が高い程、成形性が向上する
本発明の無アルカリガラスにおいて、室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温したとき、熱収縮率が40ppm未満、35ppm以下、30ppm以下、特に25ppm以下ことが好ましい。このようにすれば、LTPSの製造工程で熱処理を受けても、画素ピッチズレ等の不具合が生じ難くなる。
本発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法とは、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を成形する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を安価に製造することができ、大型化や薄型化も容易である。なお、オーバーフローダウンドロー法で用いる樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、十分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法等でガラス基板を成形することも可能である。
本発明の無アルカリガラスにおいて、肉厚は、特に限定されないが、0.5mm未満、0.4mm以下、0.35mm以下、特に0.3mm以下が好ましい。肉厚が薄くなる程、デバイスを軽量化し易くなる。肉厚が薄くなる程、ガラス基板は撓み易くなるが、本発明の無アルカリガラスは、ヤング率や比ヤング率が高いため、撓みに起因する不具合が生じ難い。なお、肉厚は、ガラス製造時の流量や板引き速度等で調整可能である。
本発明の無アルカリガラスにおいて、β−OH値を低下させると、歪点を高めることができる。β−OH値は、好ましくは0.5/mm以下、0.45/mm以下、0.4/mm以下、特に0.35/mm以下である。β−OH値が大き過ぎると、歪点が低下し易くなる。なお、β−OH値が小さ過ぎると、溶融性が低下し易くなる。よって、β−OH値は、好ましくは0.01/mm以上、特に0.05/mm以上である。
β−OH値を低下させる方法として、以下の方法が挙げられる。(1)含水量の低い原料を選択する。(2)ガラス中の水分量を減少させる成分(Cl、SO等)を添加する。(3)炉内雰囲気中の水分量を低下させる。(4)溶融ガラス中でNバブリングを行う。(5)小型溶融炉を採用する。(6)溶融ガラスの流量を速くする。(7)電気溶融法を採用する。
ここで、「β−OH値」は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の式を用いて求めた値を指す。
β−OH値 = (1/X)log10(T/T
X:ガラス肉厚(mm)
:参照波長3846cm−1における透過率(%)
:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
本発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特にOLEDに用いることが好ましい。OLEDは、一般に市販されるようにはなったが、大量生産によるコストダウンが強く望まれている。本発明の無アルカリガラスは、生産性に優れ、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板を製造し易いため、このような要求を的確に満たすことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1〜7は、本発明の実施例(試料No.1〜48)と比較例(試料No.49〜52)を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600〜1650℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各試料について、密度、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE、ヤング率、比ヤング率、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、及び液相温度TLにおける粘度log10ηTLを評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTEは、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率は、曲げ共振法により測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度10dPa・s、10dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を測定した値である。
液相温度における粘度log10ηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
表1〜7から明らかなように、試料No.1〜48は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、歪点が670℃より高く、比ヤング率が30GPa/g/cm以上であり、結果として、LTPSの製造工程における熱収縮を低減可能であり、ガラス基板が大型化、薄型化しても、撓みによる不具合が生じ難いと考えられる。また、液相温度が1210℃より低く、102.5dPa・sにおける温度も1620℃より低いため、失透物や泡等の欠陥が生じ難く、生産性に優れている。従って、試料No.1〜48は、OLED等の高性能ディスプレイ用途に好適であると考えられる。
次に、歪点と熱収縮率の関係を調査した結果を図2に示す。図2から、歪点が高くなる程、熱収縮率が低減し、歪点が670℃より高くなると、熱収縮率が40ppmを下回ることが分かる。従って、試料No.1〜48は、何れも歪点が670℃を上回っているため、LTPSの製造工程で熱処理を受けても、画素ピッチズレ等の不具合が生じ難いと考えられる。
一方、試料No.49〜52は、ガラス組成が所定範囲に規制されていないため、液相温度が高く、耐失透性が低かった。このため、成形性に劣ると共に、微小異物に起因して、ディスプレイの品質や信頼性を低下させる虞がある。また、試料No.49、50は、密度が比較的高いため、パネルを軽量化することが困難である。
本発明の無アルカリガラスは、LCD、OLED等のFPDの基板、電荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用のカバーガラス、太陽電池用の基板及びカバーガラス、有機EL照明の基板等に好適であり、特にOLEDの基板として好適である。
本発明は、無アルカリガラスに関し、特に液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に好適な無アルカリガラスに関する。
LCDやOLED等のFPDでは、パネルの薄型化、軽量化、省電力化、高精細化等の高性能化の要求が益々高まっている。
高性能ディスプレイでは、薄膜トランジスタ(TFT)として、汎用的なアモルファスシリコン(a−Si)ではなく、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly−Silicon:LTPS)が使用されることが多い。LTPSは、キャリア移動度が高いため、例えばa−Siの場合よりも開口度を大きくすることが可能であり、より高精細なパネルを作製することが可能となる。現在、次世代FPDとして期待されているOLEDでも、LTPSが用いられている。
このようなディスプレイの基板として、ガラス基板が広く使用されている。この用途のガラス基板には、主に以下の特性が要求される。
(1)熱処理工程で成膜された半導体物質中にアルカリイオンが拡散する事態を防止するため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと、
(2)ディスプレイの軽量化のため、密度が小さいこと、
(3)LTPSの製造工程において、ガラス基板の熱収縮を低減するため、歪点又は徐冷点が高いこと、
(4)ガラス基板を低廉化するため、生産性に優れること、特に耐失透性や溶融性に優れること、
(5)ガラス基板の撓みに起因する不具合を抑制するために、比ヤング率が高いこと。
特開2002−29775号公報 特開2009−286689号公報 特表2009−525942号公報 特許第4534282号公報 特許第4445176号公報
近年、FPDの急速な普及に伴い、価格競争が加速している。パネルメーカーは、より高い生産性を追求するため、複数枚のパネルを製造する際、大きなガラス基板上で加工した後、最終的な画面に合わせた寸法に分断する工程を採用している(所謂、多面取り)。複数枚のパネルを一度に製造すると、1枚当たりのパネルコストが低下する。このため、近年、ガラス基板の大型化の要求が強くなっている。
一方、ディスプレイの高精細化に伴い、ガラス基板上に形成される回路パターンが微細化される傾向にある。このため、従来では問題にならなかった微小異物等の表面欠陥が、回路の断線や短絡を引き起こす原因になりつつある。よって、1枚当たりのパネルコストを低減するためには、欠陥が少ないガラス基板が必要になるが、ガラス基板が大型化(又は薄型化する)程、ガラス基板に起因する不具合が発生し易くなる。
また、成形後のガラス基板は、切断、徐冷、検査、洗浄等の工程を経由する。これらの工程中で、ガラス基板は、複数段の棚が形成されたカセットに投入、搬出される。このカセットは、通常、左右の内側面に形成された棚に、ガラス基板の相対する両辺を載置して水平方向に保持できるようになっているが、大型で薄いガラス基板は撓み量が大きいため、ガラス基板をカセットに投入する際に、ガラス基板の一部がカセットに接触して破損したり、搬出する際に、大きく揺動して不安定となり易い。このような形態のカセットは、電子デバイスメーカーでも使用されるため、同様の不具合が発生することになる。更に、電子デバイスに装着されるガラス基板が撓み易い場合、電子デバイスの画像面が歪んで見える等の問題も発生し易くなる。
これまで、ディスプレイ用ガラス基板として、種々の無アルカリガラスが提案されてきた。
しかしながら、既存の無アルカリガラスでは、歪点や比ヤング率を高めようとすると、密度が高くなって、軽量化が困難であったり、溶融温度が高くなったり、耐失透性が低下して、表面欠陥を排除することが困難であった。
上記の通り、ガラス基板が大型化する程、ガラス基板内に欠陥が存在する確率が高くなる。このため、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板を製造することは非常に困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、生産性(特に耐失透性や溶融性)に優れると共に、歪点と比ヤング率が十分に高い無アルカリガラスを創案することにより、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板の製造効率を高めつつ、LTPSの製造工程におけるガラス基板の熱収縮を抑制し、ガラス基板を大型化、薄型化した場合でも、ガラス基板の撓みに起因する不具合を防止することである。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、無アルカリガラスのガラス組成範囲を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、モル%で、SiO 60〜70%、Al 9.5〜17%、B 0〜7.3%、MgO 0〜8%、CaO 2〜15%、SrO 0.1〜1.3%、BaO 0.5〜3.1、ZnO 0〜5%を含有し、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜1.0であり、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)の含有量が6000ppm(質量)以下、好ましくは2000ppm(質量)以下の場合を指す。
本発明の無アルカリガラスは、上記のようにガラス組成範囲が規制されている。このようにすれば、耐失透性、溶融性、歪点、比ヤング率を十分に高めることが可能になる。特に、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alを0.6〜1.0に規制すれば、耐失透性を顕著に高めることができる。
発明の無アルカリガラスは、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜0.9であることが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、更に、SnOを0.001〜0.3モル%含むことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、実質的にAs及びSbを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.05%未満の場合を指す。「実質的にSbを含有しない」とは、ガラス組成中のSbの含有量が0.05%未満の場合を指す。
発明の無アルカリガラスは、ZrOの含有量が0.2モル%より少ないことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、Bの含有量が0.5モル%より多いことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、モル比(SiO+MgO)/Bが18.5より小さいことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、歪点が670℃より高いことが好ましい。ここで、「歪点」は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
発明の無アルカリガラスは、ヤング率が75GPaより高いことが好ましい。ここで、「ヤング率」は、曲げ共振法により測定した値を指す。なお、1GPaは、約101.9Kgf/mmに相当する。
発明の無アルカリガラスは、比ヤング率が30GPa/g/cmより高いことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、密度が2.59g/cmより低いことが好ましい。ここで、「密度」は、アルキメデス法によって測定した値を指す。
発明の無アルカリガラスは、液相温度が1210℃より低いことが好ましい。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定することにより算出可能である。
発明の無アルカリガラスは、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が30×10−7〜50×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数」は、ディラトメーターで測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、104.0ポアズにおける温度が1350℃より低いことが好ましい。ここで、「104.0ポアズにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、102.5ポアズにおける温度が1620℃より低いことが好ましい。ここで、「102.5ポアズにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることが好ましい。なお、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温したとき、熱収縮率が40ppmより小さいことが好ましい。ここで、「熱収縮率」は、次のような方法で測定可能である。まず測定用の試料として160mm×30mmの短冊状試料を準備する(図1(a))。この短冊状試料の長辺方向の端から20〜40mm付近に#1000の耐水研磨紙にてマーキングを行い、マーキングと直交方向に折り割る(図1(b))。折り割った試験片の一方を所定条件で熱処理した後、熱処理を行っていない試料と熱処理を行った試料とを並べて(図1(c))、マーキングの位置ずれ量(△L1、△L2)をレーザー顕微鏡によって読み取り、下記数式1により熱収縮率を算出する。
発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなること、内部に成形合流面を有することが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、肉厚が0.5mmより薄いことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイスに用いることが好ましい。
熱収縮率の測定方法を示す図である。 歪点と熱収縮率の関係に関する調査結果を示すデータである。
本発明の無アルカリガラスにおいて、上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、モル%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は60〜70%、好ましくは60〜69%、より好ましくは61〜69%、更に好ましくは62〜69%、特に好ましくは62〜68%である。SiOの含有量が少な過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、耐酸性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点やヤング率を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は9.5〜17%、好ましくは9.5〜16%、より好ましくは9.5〜15.5%、更に好ましくは10〜15%である。Alの含有量が少な過ぎると、歪点、ヤング率が低下し易くなり、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、ムライトやアノーサイト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は0〜7.3%、好ましくは0.5〜7.3%、特に好ましくは1〜7.3%である。Bの含有量が少な過ぎると、溶融性や耐失透性が低下し易くなり、またフッ酸系の薬液に対する耐性が低下し易くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率や歪点が低下し易くなる。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。MgOの含有量は0〜8%、好ましくは0〜7%、より好ましくは0〜6.7%、更に好ましくは0〜6.4%、特に好ましくは0〜6%である。MgOの含有量が少な過ぎると、溶融性やヤング率が低下し易くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなると共に、歪点が低下し易くなる。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は2〜15%、好ましくは2〜14%、より好ましくは2〜13%、更に好ましくは2〜12%、特に好ましくは2〜11%である。CaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり易い。
SrOは、分相を抑制し、また耐失透性を高める成分である。更に、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量は0.1〜1.3%である。SrOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、SrOの含有量が多過ぎると、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなって、耐失透性が低下し易くなる。
BaOは、耐失透性を顕著に高める成分である。BaOの含有量は0.5〜3.1%、好ましくは0.6〜3.1%、より好ましくは0.7〜3.1%、更に好ましくは0.8〜3.1%、特に好ましくは0.9〜3.1%である。BaOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、BaOの含有量が多過ぎると、密度が高くなり過ぎると共に、溶融性が低下し易くなる。またBaOを含む失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。
モル比(CaO+SrO+BaO)/Alは、高比ヤング率と高歪点を両立させると共に、耐失透性を高める上で、重要な成分比率である。モル比(CaO+SrO+BaO)/Alは0.6〜1.0であり、好ましくは0.6〜0.9、0.6〜0.89、0.6〜0.88、0.6〜0.87、0.6〜0.86、特に0.6〜0.85である。モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが小さ過ぎると、ムライトやアルカリ土類に起因する失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が著しく低下する。一方、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが大きくなると、クリストバライトやアノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が低下し易くなることに加えて、比ヤング率や歪点を高め難くなる。
モル比(SiO+MgO)/Bを規制すると、耐失透性をさらに高め易くなる。モル比(SiO+MgO)/Bは、好ましくは18.5以下、18.3以下、18.1以下、17.9以下、17.7以下、特に17.5以下である。また、モル比MgO/SiOも厳密に規制することが好ましい。モル比MgO/SiOは、好ましくは0.1以下、0.9以下、0.8以下、特に0.7以下である。モル比MgO/SiOが大き過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなる。
上記成分以外にも、例えば、任意成分として、以下の成分を添加してもよい。なお、上記成分以外の他の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
ZnOは、溶融性を高める成分である。しかし、ZnOを多量に含有させると、ガラスが失透し易くなり、また歪点が低下し易くなる。ZnOの含有量は0〜5%、0〜4%、0〜3%、特に0〜2%が好ましい。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であると共に、歪点を高める成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は0.001〜1%、0.001〜0.5%、0.001〜0.3%、特に0.01〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が多過ぎると、SnOの失透結晶が析出し易くなり、またZrOの失透結晶の析出を促進し易くなる。なお、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。
上記の通り、SnOは、清澄剤として好適であるが、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、F、Cl、SO、C、或いはAl、Si等の金属粉末を3%まで添加することができる。また、清澄剤として、CeO等も3%まで添加することができる。
清澄剤として、AsやSbも有効である。本発明の無アルカリガラスは、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分を使用しないことが好ましい。更に、Asを多量に含有させると、耐ソラリゼーション性が低下する傾向にある。Asの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下であり、実質的に含有させないことが望ましい。また、Sbの含有量は、好ましくは1%以下、0.5%以下、特に0.5%未満であり、実質的に含有させないことが望ましい。
Clは、無アルカリガラスの溶融を促進する効果があり、Clを添加すれば、溶融温度を低温化できると共に、清澄剤の作用を促進し、結果として、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、歪点が低下し易くなる。このため、Clの含有量は、質量%で、3%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましい。なお、Clの導入原料として、塩化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物の塩化物、或いは塩化アルミニウム等の原料を使用することができる。
は、歪点を高める成分であると共に、アノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶の析出を抑制し得る成分である。但し、Pを多量に含有させると、ガラスが分相し易くなる。Pの含有量は、好ましくは0〜2.5%、0〜1.5%、0〜1%、特に0〜0.5%である。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、TiOを多量に含有させると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は0〜4%、0〜3%、0〜2%、特に0〜0.1%が好ましい。
、Nbには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々2%より多いと、密度が増加し易くなる。
Laにも、歪点、ヤング率等を高める働きがあるが、近年、導入原料の価格が高騰している。本発明の無アルカリガラスは、Laの含有を完全に排除するものではないが、バッチコストの観点から、実質的に添加しないことが好ましい。Laの含有量は、好ましくは2%以下、1%以下、0.5%以下、実質的に含有させないこと(0.1%以下)が望ましい。
ZrOは、歪点、ヤング率を高める働きがある。しかし、ZrOの含有量が多過ぎると、耐失透性が顕著に低下する。特に、SnOを含有させる場合は、ZrOの含有量を厳密に規制する必要がある。ZrOの含有量は0.2%以下、0.15%以下、特に0.1%以下が好ましい。
本発明の無アルカリガラスにおいて、歪点は670℃超、675℃以上、680℃以上、685℃以上、特に690℃以上が好ましい。このようにすれば、LTPSの製造工程において、ガラス基板の熱収縮を抑制し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、ヤング率は、好ましくは75GPa超、75.5GPa以上、76GPa以上、76.5GPa以上、特に77GPa以上である。ヤング率が低過ぎると、ガラス基板の撓みに起因する不具合、例えば電子デバイスの画像面が歪んで見える等の不具合が発生し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、比ヤング率は、好ましくは30GPa/g/cm超、30.2GPa/g/cm以上、30.4GPa/g/cm以上、30.6GPa/g/cm以上、特に30.8GPa/g/cm以上である。比ヤング率が低過ぎると、ガラス基板の搬送時に割れる等、ガラス基板の撓みに起因した不具合が発生し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、密度は2.59g/cm未満、2.585g/cm未満、2.58g/cm未満、2.575g/cm未満、特に2.57g/cm未満が好ましい。密度が高過ぎると、パネルの軽量化が困難になると共に、比ヤング率を高め難くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度は1210℃未満、1200℃以下、1190℃以下、1180℃以下、1170℃以下、1160℃以下、特に1150℃以下が好ましい。このようにすれば、ガラス製造時に失透結晶が発生して、生産性が低下する事態を防止し易くなる。更に、オーバーフローダウンドロー法で成形し易くなるため、ガラス基板の表面品位を高め易くなると共に、ガラス基板の製造コストを低廉化することができる。そして、近年のガラス基板の大型化、及びディスプレイの高精細化の観点から、表面欠陥となり得る失透物を極力抑制するためにも、耐失透性を高める意義は非常に大きい。なお、液相温度は、耐失透性の指標であり、液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は30×10−7〜50×10−7/℃、32×10−7〜50×10−7/℃、32×10−7〜48×10−7/℃、32×10−7〜46×10−7/℃、32×10−7〜44×10−7/℃、32×10−7〜42×10−7/℃、33×10−7〜42×10−7/℃、特に33×10−7〜40×10−7/℃が好ましい。このようにすれば、TFTに使用されるSiの熱膨張係数に整合し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、104.0ポアズにおける温度は1350℃以下、1340℃以下、1330℃以下、1320℃以下、1310℃以下、特に1300℃以下が好ましい。104.0ポアズにおける温度が高くなると、成形時の温度が高くなり過ぎて、ガラス基板の製造コストが高騰し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、102.5ポアズにおける温度は1620℃以下、1610℃以下、1600℃以下、1590℃以下、特に1580℃以下が好ましい。102.5ポアズにおける温度が高くなると、ガラスを溶解し難くなって、ガラス基板の製造コストが高騰すると共に、泡等の欠陥が生じ易くなる。なお、102.5ポアズにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性が向上する。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度における粘度は104.8ポアズ以上、104.9ポアズ以上、105.0ポアズ以上、105.1ポアズ以上、105.2ポアズ以上、105.3ポアズ以上、特に105.4ポアズ以上が好ましい。このようにすれば、成形時に失透が生じ難くなるため、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を成形し易くなり、結果として、ガラス基板の表面品位を高めることが可能になり、またガラス基板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度における粘度は、成形性の指標であり、液相温度における粘度が高い程、成形性が向上する
本発明の無アルカリガラスにおいて、室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温したとき、熱収縮率が40ppm未満、35ppm以下、30ppm以下、特に25ppm以下ことが好ましい。このようにすれば、LTPSの製造工程で熱処理を受けても、画素ピッチズレ等の不具合が生じ難くなる。
本発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法とは、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス基板を成形する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス基板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス基板を安価に製造することができ、大型化や薄型化も容易である。なお、オーバーフローダウンドロー法で用いる樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、十分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法、リドロー法等)、フロート法等でガラス基板を成形することも可能である。
本発明の無アルカリガラスにおいて、肉厚は、特に限定されないが、0.5mm未満、0.4mm以下、0.35mm以下、特に0.3mm以下が好ましい。肉厚が薄くなる程、デバイスを軽量化し易くなる。肉厚が薄くなる程、ガラス基板は撓み易くなるが、本発明の無アルカリガラスは、ヤング率や比ヤング率が高いため、撓みに起因する不具合が生じ難い。なお、肉厚は、ガラス製造時の流量や板引き速度等で調整可能である。
本発明の無アルカリガラスにおいて、β−OH値を低下させると、歪点を高めることができる。β−OH値は、好ましくは0.5/mm以下、0.45/mm以下、0.4/mm以下、特に0.35/mm以下である。β−OH値が大き過ぎると、歪点が低下し易くなる。なお、β−OH値が小さ過ぎると、溶融性が低下し易くなる。よって、β−OH値は、好ましくは0.01/mm以上、特に0.05/mm以上である。
β−OH値を低下させる方法として、以下の方法が挙げられる。(1)含水量の低い原料を選択する。(2)ガラス中の水分量を減少させる成分(Cl、SO等)を添加する。(3)炉内雰囲気中の水分量を低下させる。(4)溶融ガラス中でNバブリングを行う。(5)小型溶融炉を採用する。(6)溶融ガラスの流量を速くする。(7)電気溶融法を採用する。
ここで、「β−OH値」は、FT−IRを用いてガラスの透過率を測定し、下記の式を用いて求めた値を指す。
β−OH値 = (1/X)log10(T/T
X:ガラス肉厚(mm)
:参照波長3846cm−1における透過率(%)
:水酸基吸収波長3600cm−1付近における最小透過率(%)
本発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特にOLEDに用いることが好ましい。OLEDは、一般に市販されるようにはなったが、大量生産によるコストダウンが強く望まれている。本発明の無アルカリガラスは、生産性に優れ、欠陥が少なく、且つ大型のガラス基板を製造し易いため、このような要求を的確に満たすことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1〜7は、試料No.1〜52を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600〜1650℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶解に際しては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各試料について、密度、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE、ヤング率、比ヤング率、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、及び液相温度TLにおける粘度log10ηTLを評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTEは、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率は、曲げ共振法により測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度10dPa・s、10dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度を測定した値である。
液相温度における粘度log10ηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
表1〜7から明らかなように、試料No.1〜48は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、歪点が670℃より高く、比ヤング率が30GPa/g/cm以上であり、結果として、LTPSの製造工程における熱収縮を低減可能であり、ガラス基板が大型化、薄型化しても、撓みによる不具合が生じ難いと考えられる。また、液相温度が1210℃より低く、102.5dPa・sにおける温度も1620℃より低いため、失透物や泡等の欠陥が生じ難く、生産性に優れている。従って、試料No.1〜48は、OLED等の高性能ディスプレイ用途に好適であると考えられる。
次に、歪点と熱収縮率の関係を調査した結果を図2に示す。図2から、歪点が高くなる程、熱収縮率が低減し、歪点が670℃より高くなると、熱収縮率が40ppmを下回ることが分かる。従って、試料No.1〜48は、何れも歪点が670℃を上回っているため、LTPSの製造工程で熱処理を受けても、画素ピッチズレ等の不具合が生じ難いと考えられる。
一方、試料No.49〜52は、ガラス組成が所定範囲に規制されていないため、液相温度が高く、耐失透性が低かった。このため、成形性に劣ると共に、微小異物に起因して、ディスプレイの品質や信頼性を低下させる虞がある。また、試料No.49、50は、密度が比較的高いため、パネルを軽量化することが困難である。
本発明の無アルカリガラスは、LCD、OLED等のFPDの基板、電荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用のカバーガラス、太陽電池用の基板及びカバーガラス、有機EL照明の基板等に好適であり、特にOLEDの基板として好適である。

Claims (20)

  1. ガラス組成として、モル%で、SiO 60〜70%、Al 9.5〜17%、B 0〜9%、MgO 0〜8%、CaO 2〜15%、SrO 0.1〜10%、BaO 0.5〜4%を含有し、モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜1.0であり、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないことを特徴とする無アルカリガラス。
  2. モル比(CaO+SrO+BaO)/Alが0.6〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載の無アルカリガラス。
  3. 更に、SnOを0.001〜0.3モル%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無アルカリガラス。
  4. 実質的にAs及びSbを含有しないことを特徴とする1〜3の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  5. ZrOの含有量が0.2モル%より少ないことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  6. の含有量が0.5モル%より多いことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  7. モル比(SiO+MgO)/Bが18.5より小さいことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  8. 歪点が670℃より高いことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  9. ヤング率が75GPaより高いことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  10. 比ヤング率が30GPa/g/cmより高いことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  11. 密度が2.59g/cmより低いことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  12. 液相温度が1210℃より低いことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  13. 30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が30×10−7〜50×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  14. 104.0ポアズにおける温度が1350℃より低いことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  15. 102.5ポアズにおける温度が1620℃より低いことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  16. 液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  17. 室温(25℃)から5℃/分の速度で500℃まで昇温し、500℃で1時間保持した後、5℃/分の速度で室温まで降温したとき、熱収縮率が40ppmより小さいことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  18. オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることを特徴とする請求項1〜17の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  19. 肉厚が0.5mmより薄いことを特徴とする請求項1〜18の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
  20. 有機ELデバイスに用いることを特徴とする請求項1〜19の何れか一項に記載の無アルカリガラス。
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