JP5874316B2 - 無アルカリガラス - Google Patents

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本発明は、無アルカリガラスに関し、特に有機ELディスプレイに好適な無アルカリガラスに関する。
有機ELディスプレイ等の電子デバイスは、薄型で動画表示に優れると共に、消費電力も低いため、携帯電話のディスプレイ等の用途に使用されている。
有機ELディスプレイの基板として、ガラス板が広く使用されている。この用途のガラス板には、主に以下の特性が要求される。
(1)熱処理工程で成膜された半導体物質中にアルカリイオンが拡散する事態を防止するため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと、
(2)ガラス板を低廉化するため、生産性に優れること、特に耐失透性や溶融性に優れること、
(3)p−Si・TFTの製造工程において、ガラス板の熱収縮を低減するため、歪点が高いこと。
近年では、上記要求に加えて、ディスプレイの軽量・薄型化、更にはフレキシブル化等の要求が強まっている。
特許第3804112号公報
ディスプレイの薄型化には、一般的にケミカルエッチングが用いられている。この方法は、2枚のガラス板を張り合わせたディスプレイパネルをフッ酸系薬液に浸漬させることにより、ガラス板を薄くする方法である。
しかし、従来のディスプレイ用ガラス板は、フッ酸系薬液に対する耐性が高いため、エッチングレートが非常に遅いという課題があった。エッチングレートを速めるために、薬液中のフッ酸濃度を高めると、フッ酸系溶液中に不溶な微粒子が多くなり、結果として、この微粒子がガラス表面に付着し易くなり、ガラス板の表面においてエッチングの均一性が損なわれる。
上記課題を解決するために、ガラス組成中のBの含有量を低減して、フッ酸系薬液に対するエッチングレートを速める方法が検討されている。例えば、特許文献1には、Bを0〜1.5モル%含有する無アルカリガラスが開示されている。しかし、特許文献1に記載の無アルカリガラスは、耐失透性が低いため、成形時に失透が生じ易く、製造が困難である。また、この無アルカリガラスの耐失透性を高めるには、Alの含有量を下げる必要があるが、この場合、歪点が低下して、p−Si・TFTの製造工程において、ガラス板の熱収縮が大きくなる。したがって、特許文献1に記載の無アルカリガラスは、高歪点と高耐失透性を両立させることが困難である。
そこで、本発明は、生産性(特に耐失透性)に優れると共に、フッ酸系薬液に対するエッチングレートが速く、しかも歪点が高い無アルカリガラスを創案することにより、ガラス板の製造コストを低廉化しつつ、薄型のディスプレイパネルの製造工程において、スループットを向上させ、更にp−Si・TFTの製造工程におけるガラス板の熱収縮を低減することを技術的課題とする。
本発明者等は、種々の実験を繰り返した結果、無アルカリガラスのガラス組成範囲を厳密に規制すると共に、ガラス特性を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 15.8〜20%、B 0〜1%、MgO 0〜5%、CaO 4.5〜16%、SrO 0.5〜5.5%、BaO 5〜15%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、歪点が725℃より高いことを特徴とする。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)の含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。歪点は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。
発明の無アルカリガラスは、実質的にBを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にBを含有しない」とは、ガラス組成中のB含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。
発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、更に、SnOを0.001〜1質量%含むことが好ましい
発明の無アルカリガラスは、ヤング率が78GPaより大きいことが好ましい。なお、ヤング率は、曲げ共振法により測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、ヤング率/密度(比ヤング率)が29.5GPa/g・cm−3より大きいことが好ましい。なお、密度は、アルキメデス法により測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、液相温度が1250℃より低いことが好ましい。なお、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定することにより算出可能である。
発明の無アルカリガラスは、102.5ポアズにおける温度が1660℃以下であることが好ましい
発明の無アルカリガラスは、液相温度における粘度(液相粘度)が104.8ポアズ以上であることが好ましい。なお、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
本発明の無アルカリガラスは、内部に成形合流面を有する、つまりオーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特に有機ELディスプレイに用いることが好ましい
本発明の無アルカリガラスにおいて、上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は質量%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は58〜70%、好ましくは58〜68%、より好ましくは58〜65%である。SiOの含有量が58%より少ないと、歪点を高めることが困難になり、また密度が高くなり過ぎる。一方、SiOの含有量が70%より多いと、高温粘度が高くなり、溶融性が低下することに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は15.8〜20%、好ましくは15.8〜19%、より好ましくは15.8〜18.5%である。Alの含有量が少ないと、歪点が低下し、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が20%より多いと、ムライトやアノーサイト等の失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は0〜1%、好ましくは0〜0.8%、より好ましくは0〜0.6%、更に好ましくは0〜0.4%、特に好ましくは0〜0.2%であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。Bの含有量が1%より多いと、歪点が大幅に低下することに加えて、フッ酸系薬液に対するエッチングレートが遅くなる。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。MgOの含有量は0〜5%、好ましくは0〜4%、より好ましくは0〜3%、更に好ましくは0〜2%、特に好ましくは0.5〜2%である。MgOの含有量が5%より多いと、歪点が大幅に低下する。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分である。また、CaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は4.5〜16%、好ましくは5.5〜15%、特に好ましくは6.5〜10%である。CaOの含有量が3.5%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が16%より多いと、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる。
SrOは、分相を抑制し、また耐失透性を高める成分である。更に、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量は0.5〜5.5%、特に好ましくは1〜4.5%である。SrOの含有量が0.5%より少ないと、分相を抑制する効果や耐失透性を高める効果を享受し難くなる。一方、SrOの含有量が多いと、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が低下し易くなる。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、耐失透性を顕著に高める成分である。BaOの含有量は5〜15%、好ましくは5〜14%、より好ましくは5〜12%、特に好ましくは5.5〜10.5%である。BaOの含有量が5%より少ないと、液相温度が高くなり、耐失透性が低下する。一方、BaOの含有量が15%より多いと、高温粘度が高くなり過ぎて、溶融性が低下することに加えて、BaOを含む失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分をガラス組成中に添加してもよい。なお、上記成分以外の他成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であると共に、歪点を高める成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が1%より多いと、SnOの失透結晶が析出し易くなる。なお、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。
上記の通り、SnOは、清澄剤として好適であるが、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、更にF、Cl、SO、C、或いはAl、Si等の金属粉末を5%まで添加することができる。また、清澄剤として、CeO等も5%まで添加することができる。
清澄剤として、As、Sbも有効である。本発明の無アルカリガラスは、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分を極力使用しないことが好ましい。さらに、Asは、ガラス中に多量に含有させると、耐ソラリゼーション性が低下する傾向にあるため、その含有量は1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が好ましく、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.05%未満の場合を指す。また、Sbの含有量は2%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましく、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的にSbを含有しない」とは、ガラス組成中のSbの含有量が0.05%未満の場合を指す。
Clは、無アルカリガラスの溶融を促進する効果があり、Clを添加すれば、溶融温度を低温化できると共に、清澄剤の作用を促進し、結果として、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、歪点が低下するため、Clの含有量は3%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましい。なお、Clの導入原料として、塩化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物の塩化物、或いは塩化アルミニウム等の原料を使用することができる。
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、多量にZnOを含有させると、ガラスが失透し易くなり、また歪点が低下し易くなる。ZnOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、特に0〜0.3%が好ましく、実質的に含有しないことが望ましい。ここで、「実質的にZnOを含有しない」とは、ガラス組成中のZnOの含有量が0.2%以下の場合を指す。
は、歪点を高める成分であるが、多量にPを含有させると、ガラスが分相し易くなる。Pの含有量は0〜1.5%、0〜1.2%、特に0〜1%が好ましい。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、多量にTiOを含有させると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.02%が好ましい。
、Nb、Laには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%より多いと、密度が増加し易くなる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、歪点は725℃超であり、好ましくは730℃以上、より好ましくは735℃以上、更に好ましくは740℃以上である。このようにすれば、p−Si・TFTの製造工程において、ガラス板の熱収縮を抑制することができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、ヤング率は78GPa超、79GPa以上、80GPa以上、81GPa以上、特に82GPa以上が好ましい。このようにすれば、ガラス板の撓みを抑制できるため、製造プロセス等においてガラス板の取扱いが容易になる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、ヤング率/密度が29.5GPa/g・cm−3超、30.0GPa/g・cm−3以上、30.5GPa/g・cm−3以上、31.0GPa/g・cm−3以上、特に31.5GPa/g・cm−3以上が好ましい。ガラス板の撓み量は、密度の影響も受ける。ヤング率/密度の値を大きくすると、ガラス板の撓み量を大幅に抑制することができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度は1250℃未満、1240℃以下、特に1230℃以下が好ましい。このようにすれば、ガラス製造時に失透結晶が発生して、生産性が低下する事態を防止し易くなる。更に、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなるため、ガラス板の表面品位を高めることが可能になると共に、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度は、耐失透性の指標であり、液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、102.5ポアズにおける温度は1660℃以下、1650℃以下、特に1640℃以下が好ましい。102.5ポアズにおける温度が高くなると、ガラス溶解が困難になり、ガラス板の製造コストが高騰する。なお、102.5ポアズにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度における粘度は104.8ポアズ以上、105.0ポアズ以上、105.2ポアズ以上、特に105.3ポアズ以上が好ましい。このようにすれば、成形時に失透が生じ難くなるため、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなり、結果として、ガラス板の表面品位を高めることが可能になり、またガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相粘度は、成形性の指標であり、液相粘度が高い程、成形性に優れる。
本発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面になるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス板を安価に製造することができる。なお、オーバーフローダウンドロー法で用いる樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法等)、フロート法等でガラス板を成形することも可能である。
本発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特に有機ELディスプレイに用いることが好ましい。有機ELディスプレイのパネルメーカーでは、ガラスメーカーで成形された大型のガラス板の上に複数個分のデバイスを作製した後、デバイス毎に分割切断して、コストダウンを図っている(所謂、多面取り)。特にTV用途では、デバイス自体が大型化しており、これらのデバイスを多面取りするために、大型のガラス板が要求されている。本発明の無アルカリガラスは、液相温度が低く、また液相粘度が高いため、大型のガラス板を成形し易く、このような要求を満たすことができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、厚み(板厚)は0.7mm以下、0.5mm以下、0.4mm以下、0.3mm以下、特に0.1mm以下が好ましい。厚みが小さい程、ディスプレイの軽量・薄型化、更にはフレキシブル化を図り易くなる。
以下、実施例に基づいて、本発明を説明する。但し、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、試料No.1〜10を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れた後、1600〜1650℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶解にあたっては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出して、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各試料について、密度、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE、ヤング率、ヤング率/密度(比ヤング率)、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度10ポアズにおける温度、高温粘度10ポアズにおける温度、高温粘度102.5ポアズにおける温度、液相温度TL、及び液相温度における粘度(液相粘度log10ηTL)を評価した。
密度は、周知のアルキメデス法で測定した値である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTEは、ディラトメーターで測定した値である。
ヤング率は、曲げ共振法により測定した値である。
ヤング率/密度(比ヤング率)は、曲げ共振法により測定したヤング率をアルキメデス法で測定した密度で除した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度10ポアズ、10ポアズ、102.5ポアズにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
液相温度における粘度(液相粘度log10ηTL)は、白金球引き上げ法で測定した値である。
表から明らかなように、試料No.1〜7は、アルカリ金属酸化物を含有せず、歪点が725℃より高く、液相温度が1250℃以下であった。このため、試料No.1〜7は、p−Si・TFTの熱処理工程において、ガラス板の熱収縮が発生し難いと共に、生産性が良好である。また、試料No.1〜7は、Bの含有量が0〜1質量%であるため、薄型のディスプレイパネルの製造工程において、スループットを向上させることが可能になる。したがって、試料No.1〜7は、有機ELディスプレイ用ガラス板として好適に使用可能であると考えられる。
一方、試料No.8、10は、液相温度が高く、耐失透性が低いため、成形性に劣っている。また、試料No.9は、歪点が低いため、p−Si・TFTの熱処理工程において、ガラス板の熱収縮が大きくなって、TFTの画素ピッチズレによる表示不良を惹起させるおそれがある。
本発明の無アルカリガラスは、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ基板、電荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用のカバーガラス、太陽電池用の基板及びカバーガラス、有機EL照明用基板等に好適に使用可能であり、特に有機ELディスプレイ用ガラス板として好適に使用可能である。

Claims (10)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 15.8〜20%、B 0〜1%、MgO 0〜5%、CaO 4.5〜16%、SrO 0.5〜5.5%、BaO 5〜15%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、歪点が725℃より高いことを特徴とする無アルカリガラス。
  2. 実質的にBを含有しないことを特徴とする請求項1に記載の無アルカリガラス。
  3. ガラス組成として、更に、SnOを0.001〜1質量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無アルカリガラス。
  4. ヤング率が78GPaより大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  5. ヤング率/密度が29.5GPa/g・cm−3より大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  6. 液相温度が1250℃より低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  7. 102.5ポアズにおける温度が1660℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  8. 液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  9. 内部に成形合流面を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  10. ガラス組成中のCaOの含有量が5.5〜15質量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の無アルカリガラス。
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