JP5988059B2 - 無アルカリガラス - Google Patents

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Description

本発明は、無アルカリガラスに関し、特に有機ELディスプレイに好適な無アルカリガラスに関する。
有機ELディスプレイ等の電子デバイスは、薄型で動画表示に優れ、消費電力も少ないことから、携帯電話のディスプレイ等の用途に使用されている。
有機ELディスプレイの基板として、ガラス板が広く使用されている。この用途のガラス板には、主に以下の特性が要求される。
(1)熱処理工程で成膜された半導体物質中にアルカリイオンが拡散する事態を防止するため、実質的にアルカリ金属酸化物を含有しないこと、
(2)ガラス板を低廉化するため、生産性に優れること、特に耐失透性や溶融性に優れること、
(3)p−Si・TFTの製造工程において、熱収縮を低減するため、歪点が高いこと。
(3)について詳述する。p−Si・TFTの製造工程には400〜600℃の熱処理工程が存在し、この熱処理工程でガラス板に熱収縮と呼ばれる微小な寸法変化が生じる。熱収縮が大きいと、TFTの画素ピッチにズレが生じ、表示不良の原因となる。ディスプレイの高精細化に伴い、数ppm程度の寸法収縮でも表示不良となるおそれがあり、低熱収縮のガラス板が要求されている。なお、ガラス板が受ける熱処理温度が高い程、寸法収縮が大きくなる。
ガラス板の熱収縮を低減する方法として、ガラス板を成形した後、徐冷点付近でアニール処理を行う方法がある。しかし、アニール処理は長時間を要するため、ガラス板の製造コストが高騰してしまう。
他の方法として、ガラス板の歪点を高くする方法がある。歪点は、耐熱性の指標になる特性である。歪点が高い程、p−Si・TFTの製造工程で熱収縮が生じ難くなる。例えば、特許文献1には、高歪点のガラス板が開示されている。
特表2009−525942号公報
ところで、有機ELディスプレイは、2枚のガラス板、金属等の陰電極、有機発光層、ITO等の陽電極、封止材等で構成される。
従来、封止材としてエポキシ樹脂等の有機樹脂が使用されてきたが、有機樹脂系材料は、酸素や水分の遮断性(ガスバリア性)が低いため、有機発光層の劣化を惹起する問題があった。このため、ガラス封止材を用いて、ディスプレイ内部の気密性の高める研究が盛んに行われており、既に一部の有機ELディスプレイにおいて実用化されている。
ガラス封止材は、低融点である程、熱膨張係数が高くなる傾向にあり、通常、その熱膨張係数は60〜80×10−7/℃である。一方、ガラス板は、高歪点である程、熱膨張係数が低くなる傾向にあり、通常、その熱膨張係数は40×10−7/℃未満である(特許文献1参照)。上記の通り、現状、ガラス封止材とガラス板の熱膨張係数差が大きい状態になっている。このため、有機ELディスプレイ用ガラス板には、上記の(1)〜(3)に加えて、熱膨張係数がガラス封止材の熱膨張係数に整合していることが要求される。ガラス封止材とガラス板の熱膨張係数差が大きいと、封止部分にかかる応力が大きくなって、封止部分が応力破壊し易くなり、ディスプレイ内部の気密性を確保し難くなる。この応力破壊を抑制するために、ガラス封止材に多量の低膨張フィラーを添加する方法もあるが、低膨張フィラーを過剰に添加すると、ガラス封止材の流動性が低下して、封止不良が発生し易くなり、結果として、ディスプレイ内部の気密性を確保し難くなる。よって、ガラス板の歪点を高めつつ、ガラス封止材の熱膨張係数に整合させて、ディスプレイ内部の気密性を確保することは困難であった。
そこで、本発明は、生産性(特に耐失透性)に優れると共に、ガラス封止材の熱膨張係数に整合し、しかも歪点が高い無アルカリガラスを創案することにより、ガラス板の製造コストを低廉化しつつ、有機ELディスプレイ内部の気密性を確保し、且つp−Si・TFTの製造工程におけるガラス板の熱収縮を低減することを技術的課題とする。
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、無アルカリガラスのガラス特性を厳密に規制することにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 10〜20%、B 0.1〜3.5%、CaO 5〜10%、BaO 5〜15%、SnO 0.001〜1%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、歪点が710℃以上であり、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が40〜60×10−7/℃であり、液相温度が1220℃より低いことを特徴とする。ここで、「実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず」とは、ガラス組成中のアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO)の含有量が1000ppm(質量)以下の場合を指す。歪点は、ASTM C336の方法に基づいて測定した値を指す。なお、「30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数」は、ディラトメーター等で測定可能である。「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れた後、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定することにより算出可能である。
本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 10〜20%、B 0.1〜3%、MgO 0〜1%、CaO 5〜10%、SrO 0.5〜5%、BaO 5〜15%、SnO 0.001〜1%を含有することが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、モル比SiO/Alが4.5〜8であることが好ましい
発明の無アルカリガラスは、モル比CaO/BaOが0.5〜10であることが好ましい
本発明の無アルカリガラスは、更に、SnO0.050.3質量%含むことが好ましい。
発明の無アルカリガラスは、102.5ポアズにおける温度が1660℃以下であることが好ましい。なお、「102.5ポアズにおける温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることが好ましい。なお、「液相温度における粘度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい
発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特に有機ELディスプレイに用いることが好ましい
本発明の無アルカリガラスにおいて、上記のようにガラス特性を限定した理由を以下に示す。
本発明の無アルカリガラスにおいて、歪点は710℃以上である。このようにすれば、p−Si・TFTの製造工程において、ガラス基板の熱収縮を抑制することができる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数は40〜60×10−7/℃であり、好ましくは40〜55×10−7/℃(但し、40×10−7/℃を含まず)、より好ましくは40〜50×10−7/℃、更に好ましくは40〜48×10−7/℃、特に好ましくは42〜48×10−7/℃、最も好ましくは42〜46×10−7/℃である。このようにすれば、ガラス封止材の熱膨張係数に整合し易くなるため、封止部分の応力破壊を抑制できると共に、パネル製造工程における急加熱や急冷等の熱衝撃に耐えることも可能になり、パネル製造のスループットを高めることができる。一方、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が40×10−7/℃より低いと、ガラス封止材の熱膨張係数に整合し難くなるため、封止部分で応力破壊が発生し易くなる。また、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が60×10−7/℃より高いと、耐熱衝撃性が低くなり、パネル製造工程のスループットが低下するおそれがある。なお、有機ELディスプレイにおいて、金属部材(電極等)は、ガラス封着材の場合と同様にして、通常、ガラス板の熱膨張係数より高い。よって、金属部材の剥離を防止する観点からも、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数を上記範囲に規制する意義は大きい。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度は1220℃未満、好ましくは1200℃以下、より好ましくは1190℃以下、更に好ましくは1180℃以下である。このようにすれば、ガラス製造時に失透結晶が発生して、生産性が低下する事態を防止し易くなる。更に、オーバーフローダウンドロー法で成形し易くなるため、ガラス板の表面品位を高めることが可能になると共に、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度は、耐失透性の指標であり、液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、102.5ポアズにおける温度は1660℃以下、1650℃以下、特に1640℃以下が好ましい。102.5ポアズにおける温度が高くなると、ガラス溶解が困難になり、ガラス板の製造コストが高騰する。なお、102.5ポアズにおける温度は、溶融温度に相当し、この温度が低い程、溶融性に優れる。
本発明の無アルカリガラスにおいて、液相温度における粘度は104.8ポアズ以上、105.0ポアズ以上、105.2ポアズ以上、特に105.5ポアズ以上が好ましい。このようにすれば、成形時に失透が生じ難くなるため、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなり、結果として、ガラス板の表面品位を高めることが可能になり、またガラス板の製造コストを低廉化することができる。なお、液相粘度は成形性の指標であり、液相粘度が高い程、成形性に優れる。
本発明の無アルカリガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 10〜20%、B 0.1〜3.5%、MgO 0〜1%、CaO 5〜15%、SrO 0.5〜5%、BaO 5〜15%、SnO 0.001〜1%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は質量%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する成分である。SiOの含有量は58〜70%であり、58〜68%、特に58〜65%が好ましい。SiOの含有量が少ないと、歪点を高めることが困難となる。また、耐酸性が低下すると共に、密度が高くなり過ぎる。一方、SiOの含有量が多いと、高温粘度が高くなり、溶融性が低下することに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
Alは、ガラスの骨格を形成する成分であり、また歪点を高める成分であり、更に分相を抑制する成分である。Alの含有量は10〜20%であり、12〜20%、特に14〜20%が好ましい。Alの含有量が10%より少ないと、歪点が低下し、またガラスが分相し易くなる。一方、Alの含有量が20%より多いと、ムライトやアノーサイト等の失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
モル比SiO/Alは、高歪点と高い耐失透性を両立するために重要な成分比率である。上記の通り、両成分とも歪点を高める効果があるが、相対的にSiOの量が多くなると、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなる。一方、相対的にAlの量が多くなると、ムライトやアノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶が析出し易くなる。このため、モル比SiO/Alは4.5〜8、4.5〜7、5.5〜7、特に6〜7が好ましい。
は、溶融性を高めると共に、耐失透性を高める成分である。Bの含有量は0.1〜3.5%であり、特に0.1〜3%が好ましい。Bの含有量が0.1%より少ないと、失透を抑制する効果が小さくなり、また液相温度が高くなる。更に、融剤としての働きが不十分となることに加えて、耐バッファードフッ酸性(耐BHF性)が低下する。一方、Bの含有量が多いと、歪点が低下すると共に、耐酸性が低下する。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。MgOの含有量は0〜1%、0〜0.8%、0.1〜0.8%、特に0.1〜0.5%が好ましい。MgOの含有量が1%より多いと、耐失透性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が低くなり過ぎて、ガラス封止材との熱膨張係数差が大きくなり過ぎる。
CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分であると共に、熱膨張係数を効果的に高める成分である。また、CaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。CaOの含有量は5〜10%であり、特に5〜8%が好ましい。CaOの含有量が5%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。一方、CaOの含有量が多いと、ガラスが失透し易くなると共に、熱膨張係数が高くなり過ぎる。
SrOは、分相を抑制し、また耐失透性を高める成分である。更に、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、液相温度の上昇を抑制する成分である。SrOの含有量は0.5〜5%、0.5〜4%、特に0.5〜3.5%が好ましい。SrOの含有量が0.5%より少ないと、分相を抑制する効果や耐失透性を高める効果を享受し難くなる。一方、SrOの含有量が5%より多いと、ストロンチウムシリケート系の失透結晶が析出し易くなり、耐失透性が低下し易くなる。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中では、耐失透性を顕著に高める成分である。BaOの含有量は5〜15%であり、5〜14%、5〜13%、特に5〜12%が好ましい。BaOの含有量が5%より少ないと、液相温度が高くなって、耐失透性が低下する。一方、BaOの含有量が15%より多いと、高温粘度が高くなり過ぎて、溶融性が低下することに加えて、BaOを含む失透結晶が析出し易くなり、液相温度が高くなる。
モル比CaO/BaOは、高歪点と高い耐失透性を両立すると共に、ガラス板の製造コストを低廉化するために重要な成分比率である。モル比CaO/BaOは0.5〜10、1〜9、1.5〜8、1.5〜7、特に1.8〜6が好ましい。モル比CaO/BaOが0.5より小さいと、高温粘度が高くなり過ぎることに加えて、原料コストが高騰し易くなる。一方、モル比CaO/BaOが10より大きいと、液相温度が高くなって、耐失透性が低下し、結果として、ガラス板を成形し難くなる。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。なお、上記成分以外の他成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、特に5%以下が好ましい。
SnOは、高温域で良好な清澄作用を有する成分であると共に、歪点を高める成分であり、また高温粘性を低下させる成分である。SnOの含有量は0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が1%より多いと、SnOの失透結晶が析出し易くなる。一方、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記効果を享受し難くなる。
上記の通り、SnOは、清澄剤として好適であるが、ガラス特性が損なわれない限り、清澄剤として、F、Cl、SO、C、或いはAl、Si等の金属粉末を5%まで添加することができる。また、清澄剤として、CeO等も5%まで添加することができる。
清澄剤として、As、Sbも有効である。本発明の無アルカリガラスは、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分を極力使用しないことが好ましい。さらに、Asは、ガラス中に多量に含有させると、ソラリゼーションが低下する傾向にあるため、その含有量は1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下が好ましく、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的にAsを含有しない」とは、ガラス組成中のAsの含有量が0.05%未満の場合を指す。また、Sbの含有量は2%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましく、実質的に含有させないことが望ましい。ここで、「実質的にSbを含有しない」とは、ガラス組成中のSbの含有量が0.05%未満の場合を指す。
Clは、無アルカリガラスの溶融を促進する効果があり、Clを添加すれば、溶融温度を低温化できると共に、清澄剤の作用を促進し、結果として、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、Clの含有量が多過ぎると、歪点が低下するため、Clの含有量は3%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましい。なお、Clの導入原料として、塩化ストロンチウム等のアルカリ土類金属酸化物の塩化物、或いは塩化アルミニウム等の原料を使用することができる。
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、多量にZnOを含有させると、ガラスが失透し易くなり、また歪点が低下し易くなる。ZnOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、特に0〜0.3%が好ましく、実質的に含有しないことが望ましい。ここで、「実質的にZnOを含有しない」とは、ガラス組成中のZnOの含有量が0.2%以下の場合を指す。
は、歪点を高める成分であるが、多量にPを含有させると、ガラスが分相し易くなる。Pの含有量は0〜1.5%、0〜1.2%、特に0〜1%が好ましい。
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であると共に、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、多量にTiOを含有させると、ガラスが着色して、透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.02%が好ましい。
、Nb、Laには、歪点、ヤング率等を高める働きがある。しかし、これらの成分の含有量が各々5%より多いと、密度が増加し易くなる。
本発明の無アルカリガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法は、耐熱性の樋状構造物の両側から溶融ガラスを溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラス板を製造する方法である。オーバーフローダウンドロー法では、ガラス板の表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形される。このため、未研磨で表面品位が良好なガラス板を安価に製造することができる。なお、オーバーフローダウンドロー法で用いる樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面精度を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行う際に、力を印加する方法も特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラス板に接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラス板の端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、例えば、ダウンドロー法(スロットダウン法等)、フロート法等でガラス板を成形することも可能である。
本発明の無アルカリガラスは、有機ELデバイス、特に有機ELディスプレイに用いることが好ましい。有機ELディスプレイのパネルメーカーでは、ガラスメーカーで成形された大型のガラス板の上に複数個分のデバイスを作製した後、デバイス毎に分割切断して、コストダウンを図っている(所謂、多面取り)。特にTV用途では、デバイス自体が大型化しており、これらのデバイスを多面取りするために、大型のガラス板が要求されている。本発明の無アルカリガラスは、液相温度が低く、また液相粘度が高いため、大型のガラス基板を成形し易く、このような要求を満たすことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
表1、2は、試料No.1〜16を示している。
まず表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600〜1650℃で24時間溶融した。ガラスバッチの溶解にあたっては、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、板状に成形した後、徐冷点付近の温度で30分間徐冷した。得られた各試料について、密度、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTE、歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度10dPa・sにおける温度、高温粘度102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、及び液相粘度log10ηTLを評価した。
密度は、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTEは、ディラトメーターで測定した値である。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Tsは、ASTM C336の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度10dPa・s、10dPa・s、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
液相粘度log10ηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
表1、2から明らかなように、試料No.1〜11は、アルカリ金属酸化物を含有せず、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数CTEが40〜60×10−7/℃、歪点が680℃より高く、液相温度が1220℃以下であった。したがって、試料No.1〜11は、有機ELディスプレイの基板として好適に使用可能であると考えられる。
一方、試料No.12〜14は、液相温度が高く、耐失透性が低いため、成形性に劣っている。また、試料No.15は、熱膨張係数が低く、ガラス封止材の熱膨張係数に整合させ難いため、封止部分で応力破壊が発生するおそれがある。また、試料No.16は、熱膨張係数が高過ぎるため、耐熱衝撃性が低く、パネル製造工程のスループットを低下させるおそれがある。
本発明の無アルカリガラスは、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ基板、及び電荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用のカバーガラス、太陽電池用の基板及びカバーガラス、有機EL照明用基板等に好適に使用可能であり、特に有機ELディスプレイ用基板として好適に使用可能である。

Claims (9)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 10〜20%、B 0.1〜3.5%、CaO 5〜10%、BaO 5〜15%、SnO 0.001〜1%を含有し、実質的にアルカリ金属酸化物を含有せず、歪点が710℃以上であり、30〜380℃の温度範囲における平均熱膨張係数が40〜60×10−7/℃であり、液相温度が1220℃より低いことを特徴とする無アルカリガラス。
  2. ガラス組成として、質量%で、SiO 58〜70%、Al 10〜20%、B 0.1〜3%、MgO 0〜1%、CaO 5〜10%、SrO 0.5〜5%、BaO 5〜15%、SnO 0.001〜1%を含有することを特徴とする請求項1に記載の無アルカリガラス。
  3. モル比SiO/Alが4.5〜8であることを特徴とする請求項1又は2に記載の無アルカリガラス。
  4. モル比CaO/BaOが0.5〜10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  5. 更に、SnO0.050.3質量%含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  6. 102.5ポアズにおける温度が1660℃以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  7. 液相温度における粘度が104.8ポアズ以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  8. 未研磨の自由表面を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無アルカリガラス。
  9. 有機ELデバイスに用いることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の無アルカリガラス。
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