JP2011256170A - 環状カルボジイミド化合物の中間体 - Google Patents
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Abstract
Description
エステル結合等の加水分解性の結合は、分子中にカルボキシル基等の極性基が存在すると、触媒的加水分解が促進されるため、カルボキシル基の封止剤を適用して、カルボキシル基濃度を低減して、かかる欠点を抑制する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特許文献3にはウレタン結合および分子量100〜7,000のポリマー鎖を有する大環状カルボジイミド化合物が記載されている。大環状カルボジイミド化合物は、高分子量であるため酸性基の封止剤として効率が悪い。また特許文献3には悪臭の発生防止についての検討はされていない。
2. Ar1〜Ar4は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である前項1記載の化合物。
3. 下記式(C)で表される前項1に記載の化合物。
4. 下記式(D)で表される前項1に記載の化合物。
5. 下記式(E−1)で表される前項1に記載の化合物。
6. 下記式(E−2)で表される前項1に記載の化合物。
7. 下記式(G)で表される前項1に記載の化合物。
また本発明の環状カルボジイミド化合物は、高分子化合物中の遊離単量体やその他酸性基を有する化合物を捕捉する作用も有する。
さらに本発明の中間体から得られる環状カルボジイミド化合物は、環状構造を有することにより、線状カルボジイミド化合物に比較して、より温和な条件で、末端封止できる利点を有する。
末端封止の反応機構における、線状カルボジイミド化合物と環状カルボジイミド化合物との相違点は以下に説明する通りである。
線状カルボジイミド化合物(R1−N=C=N−R2)を、カルボキシ基末端を有する高分子化合物の末端封止剤として用いると以下の式で表されるような反応となる。式中Wは高分子化合物の主鎖である。線状カルボジイミド化合物がカルボキシ基と反応することにより、高分子化合物の末端にはアミド基が形成され、イソシアネート化合物(R1NCO)が遊離される。
また、1つの環の中に2個以上のカルボジイミドを有すると、カルボジイミド基の反応により、イソシアネート化合物が遊離されるという欠点がある。
<環状カルボジイミド化合物>
本発明は、下記式(i)で表される環状カルボジイミド化合物の中間体である。
Xは4価の基である。
Xは下記式(i−4)の4価の基であることが好ましい。
環状カルボジイミド化合物として、カルボジイミド基の1,3−位にて結合する2個のo−フェニレン基を保有し、o−フェニレン基において、カルボジイミド基のオルソ位にエーテル酸素を保有し、エーテル酸素原子がXにより連結され環状構造を形成していることが好ましい。
即ち、下記式で表される化合物が好ましい。
単環のカルボジイミド化合物(f)の製造方法を参考のため説明する。単環のカルボジイミド化合物(f)は、以下の(1)〜(4)の工程により製造することができる。
工程(1)は、ニトロ体(c)を得る工程である。工程(1)には、工程(1a)および工程(1b)の2つの態様がある。工程(2)は、ニトロ体(c)からアミン体(d)を得る工程である。工程(3)および工程(4)は、アミン体(d)から単環のカルボジイミド化合物(f)を得る工程である。工程(3)〜(4)には、工程(3a)および工程(4a)を経由する態様と、工程(3b)および工程(4b)を経由する態様がある。
具体的には、カルボジイミド化合物(f)は、以下の経路で製造することができる。
(スキーム1)工程(1a)−工程(2a)−工程(3a)−工程(4a)
(スキーム2)工程(1a)−工程(2a)−工程(3b)−工程(4b)
(スキーム3)工程(1b)−工程(2a)−工程(3b)−工程(4b)
(スキーム4)工程(1b)−工程(2a)−工程(3a)−工程(4a)
工程(1a)は、下記式(a−1)の化合物、下記式(a−2)の化合物および下記式(b−1)の化合物を反応させ、下記式のニトロ体(c)を得る工程である。
E1およびE2は各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基およびp−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。ハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
塩基性化合物としては、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が使用される。溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等が使用される。反応温度は25℃〜150℃の範囲が好適に使用される。また、反応は上記条件で十分速やかに進行するが、反応を促進させるために相間移動触媒を加えることもできる。
工程(1b)は、下記式(a−i)の化合物、下記式(a−ii)の化合物および下記式(b−i)の化合物を反応させ下記式(c)のニトロ体を得る工程である。
反応は従来公知なエーテル合成法を用いることができ、例えば式(a−i)で表される化合物、式(a−ii)で表される化合物および式(b−i)で表される化合物を塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させるウィリアムソン反応等が使用される。
工程(2)は、得られたニトロ体(c)を還元して下記式のアミン体(d)を得る工程である。
反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、ニトロ体(c)を、水素および触媒の存在下、溶媒中で接触還元する方法が使用される。
他にもアミン体(d)を得る反応としては、ニトロ体(c)を酸および金属と反応させる方法あるいはニトロ体(c)をヒドラジンおよび触媒と反応させる方法等が使用される。
工程(3a)は、得られたアミン体(d)とトリフェニルホスフィンジブロミドとを反応させ下記式のトリフェニルホスフィン体(e−1)を得る工程である。
反応は従来公知の方法が使用でき、例えば、式(d)で表されるアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを、塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させる方法等が使用される。塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ピリジン等が使用される。溶媒としてはジクロロエタン、クロロホルム、ベンゼン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃が好適に使用される。
工程(4a)は、得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させ環状カルボジイミド化合物(f)を得る工程である。
反応は従来公知の方法が使用でき、例えば、式(e−1)のトリフェニルホスフィン体を、ジ−tert−ブチルジカーボネートとN,N−ジメチル−4−アミノピリジンの存在下、溶媒中で反応させる方法等が使用される。溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム等が使用される。反応温度は10℃〜40℃が好適に使用される。
工程(3b)は、アミン体(d)と二酸化炭素または二硫化炭素とを反応させ下記式(e−2)で表されるウレア体またはチオウレア体を得る工程である。
ウレア体(e−2)を得る反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、アミン体(d)を、二酸化炭素、リン化合物および塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させる方法が使用される。
リン化合物としては、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用される。塩基性化合物としてはトリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピコリン等が使用される。溶媒としてはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、クロロベンゼン、トルエン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃の範囲が好適に使用される。
他にもウレア体(e−2)を得る反応としては、アミン体(d)と一酸化炭素を反応させる方法あるいはアミン体(d)とホスゲンを反応させる方法等が使用される。
塩基性化合物としてはトリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピコリン等が使用される。溶媒としてはアセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が使用される。反応温度は25℃〜90℃の範囲が好適に使用される。また、反応は上記条件で十分速やかに進行するが、反応を促進させるために四臭化炭素等を組み合わせることもできる。
工程(4b)は、得られたウレア体(e−2)を脱水させ、またはチオウレア体(e−2)を脱硫させ、環状カルボジイミド化合物(f)を得る工程である。
反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、ウレア体またはチオウレア体(e−2)を、塩化トルエンスルホニルあるいは塩化メチルスルホニルの存在下、溶媒中で反応し、ウレア体(e−2)では脱水、チオウレア体(e−2)では脱硫させる方法が使用される。
溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ピリジン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃の範囲が好適に使用される。
他にも環状カルボジイミド化合物(f)を得る反応としては、ウレア体(e−2)と酸化水銀を反応させる方法あるいはチオウレア体(e−2)と次亜塩素酸ナトリウムを反応させる方法等が使用される。
本発明の化合物は、2環のカルボジイミド化合物(F)の中間体である。2環のカルボジイミド化合物(F)は、以下の(1)〜(4)の工程により製造することができる。
工程(1)は、ニトロ体(C)を得る工程である。工程(1)には、工程(1A)と工程(1B)の2つの態様がある。工程(2)は、ニトロ体(C)からアミド体(D)を得る工程である。工程(3)および工程(4)は、アミド体(D)から2環のカルボジイミド化合物(F)を得る工程である。工程(3)〜(4)には、工程(3A)および工程(4A)を経由する態様と、工程(3B)および工程(4B)を経由する態様がある。
カルボジイミド化合物(F)は、以下の経路で製造することができる。
(スキーム1)工程(1A)−工程(2A)−工程(3A)−工程(4A)
(スキーム2)工程(1A)−工程(2A)−工程(3B)−工程(4B)
(スキーム3)工程(1B)−工程(2A)−工程(3B)−工程(4B)
(スキーム4)工程(1B)−工程(2A)−工程(3A)−工程(4A)
工程(1A)は、下記式(A−1)〜(A−4)の化合物および下記式(B−1)の化合物を反応させ、下記式(C)のニトロ体を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(1a)と同じである。
工程(1B)は、下記式(A−i)〜(A−iv)の化合物および下記式(B−1)の化合物を反応させ、下記式(C)のニトロ体を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(1b)と同じである。
工程(2A)は、得られたニトロ体を還元して下記式のアミン体(D)を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(2a)と同じである。
工程(3A)は、得られたアミン体(D)とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式のトリフェニルホスフィン体(E−1)を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(3a)と同じである。
工程(4A)は、得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させ下記式の化合物(F)を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(4a)と同じである。
工程(3B)は、アミン体と二酸化炭素あるいは二硫化炭素とを反応させ下記式のウレア体またはチオウレア体(E−2)を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(3b)と同じである。
工程(4B)は、得られたウレア体を脱水させ、またはチオウレア体を脱硫させ、下記式の化合物(F)を得る工程である。
反応条件は、前述した工程(4b)と同じである。
本発明の中間体から得られる環状カルボジイミド化合物を適用する高分子化合物は酸性基を有する。酸性基として、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。高分子化合物として、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体とジオールあるいはそのエステル形成性誘導体、ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体、ラクトンから選択された1種以上を重縮合してなる重合体または共重合体が、好ましくは熱可塑性ポリエステル樹脂が例示される。かかる熱可塑性ポリエステル樹脂は、成形性等のため、ラジカル生成源、例えばエネルギー活性線、酸化剤等により処理されてなる架橋構造を含有していてもよい。
芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる芳香族ポリエステルとしては、芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、好ましくは、テレフタル酸あるいはナフタレン2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオールから選ばれる脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる重合体が例示される。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とする重合体としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等の重縮合体、もしくは共重合体等を例示することができる。なかでもポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシカルボン酪酸、ポリ4−ポリヒドロキシ酪酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトン、ならびにこれらの共重合体等が挙げられる。特にポリL−乳酸、ポリD−乳酸およびステレオコンプレックスポリ乳酸、ラセミポリ乳酸に好適に用いることができる。
またポリエステルとして、脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とする重合体が挙げられる。多価カルボン酸として、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸単位およびそのエステル誘導体が挙げられる。
具体的には、ポリ(4−オキシフェニレン−2,2−プロピリデン−4−オキシフェニレン−テレフタロイル−co−イソフタロイル)等が例示される。
これらのポリエステル類は、カルボジイミド反応性成分として、分子末端にカルボキシル基およびまたはヒドロキシル基末端を1から50当量/tonを含有する。かかる末端基、とりわけカルボキシル基はポリエステルの安定性を低下させるため、環状カルボジイミド化合物で封止することが好ましい。
カルボキシル末端基をカルボジイミド化合物で封止するとき、本発明の環状カルボジイミド化合物を適用することにより、有毒な遊離イソシアネートの生成無く、カルボキシル基を封止できる利点は大きい。
前述のポリエステル類は周知の方法(例えば、飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(湯木和男著、日刊工業新聞社(1989年12月22日発行)等に記載)により製造することができる。
不飽和多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水マレイン酸、フマル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水マレイン酸等が例示される。かかる不飽和ポリエステルには、硬化特性を制御するため、各種モノマー類が添加され、熱キュア、ラジカルキュア、光、電子線等の活性エネルギー線によるキュア処理により硬化、成形される。かかる不飽和樹脂は、カルボキシル基の制御はチクソトロピー等のレオロジー特性、樹脂耐久性等に関して重要な技術的課題であるが、環状カルボジイミド化合物により、有毒な遊離イソシアネートの生成無く、カルボキシル基を封止、制御することができる利点、さらにより有効に分子量を増大させる利点の工業的意義は大きい。
高融点ポリエステルセグメントだけで共重合体を形成した場合の融点が150℃以上である。低融点重合体セグメントだけで共重合体を形成した場合の融点ないし軟化点が80℃以下である。低融点重合体セグメントは、ポリアルキレングリコール類また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコールからなることが好ましい。かかるエラストマーは、加水分解安定性に問題があるが、環状カルボジイミド化合物により、安全上問題なく、カルボキシル基の制御をできる意義、分子量低下を抑制あるいは増大できる工業的な意義は大きい。
ポリアミドとしては、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸あるいはそのアミド形成性誘導体を主たる構成原料としたアミド結合を有する熱可塑性重合体である。
本発明においてポリアミドとしては、ジアミンとジカルボン酸あるいはそのアシル活性体を縮合してなる重縮合物、あるいはアミノカルボン酸もしくはラクタム、あるいはアミノ酸を重縮合してなる重合体、あるいはそれらの共重合体を用いることができる。
これらのポリアミド樹脂の分子量は特に制限はないが、ポリアミド樹脂1重量%濃度の98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
また、これらのアミド樹脂は周知の方法、例えば、「ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修著、日刊工業新聞社、昭和63年1月30日発行)」等に準じて製造することができる。
かかるポリアミド樹脂は、原料より容易に理解されるごとく、カルボキシル基を30から100当量/ton、アミノ基を30から100当量/ton程度含有するが、カルボキシル基はポリアミドの安定性の好ましくない効果を有することは良くしられている。
環状カルボジイミド化合物により、安全上問題なくカルボキシル基を20当量/ton以下、あるいは10当量/ton以下、さらに好ましくはそれ以下にまで制御され、分子量低下がより有効に抑制された組成物の意義は大きい。
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂は、下記式(I)で示される主たる繰り返し構造単位を有する。
ポリアミドイミド樹脂は、ポリマー中に含有されるカルボキシル基濃度により耐久性が低下することがあるので、カルボキシル基の含有量は、好ましくは1から10当量/tonあるいはそれ以下に制御することが好ましい。本発明の環状カルボジイミド化合物においては好適に上記カルボキシル基濃度範囲とすることが可能である。
H2N−R4−NH2
〔式中、R4は、(i)単結合;
(ii)C2〜12脂肪族炭化水素基;
(iii)C4〜30脂環族基;
(iv)C6〜30芳香族基;
(v)−Ph−O−R5−O−Ph−基(式中、R5は、フェニレン基またはPh−W1−Ph−基を示し、W1は単結合、ハロゲン原子により置換されても良いC1〜4アルキレン基、−O−Ph−O−基、−O−、−CO一、−S−、−SO−または−SO2−基を示す);または
(vi)−R6−(SiR7 2O)m−SiR7 2−R6−基(式中、R6は、−(CH2)s−、−(CH2)s−Ph−、−(CH2)s−O−Ph−、またはPh−を示し、mは1〜100の整数であり;sは1−4の整数を示し;R7はC1〜6アルキル基、フェニル基またはC1〜6アルキルフェニル基を示す。)を表す。〕
ポリエステルアミド樹脂として、ポリエステル構成成分とポリアミド構成成分の共重合により得られる従来公知のポリエステルアミド樹脂が例示されるが、中でも熱可塑性ポリエステルアミド樹脂が好適に選択される。
ポリエステルアミド樹脂は、公知の方法等により合成する事ができる。例えば、前記ポリアミド構成成分をまず重縮合反応により進行させ、末端に官能基を有したポリアミドを合成した後、ポリアミドの存在下、前記ポリエステル構成成分を重合させる方法等によって行う事ができる。この重縮合反応は、通常、第一段階としてアミド化反応を進行させ、第二段階にエステル化反応を進行させることにより実施される。かかるポリエステル構成成分としては、上記記載のポリエステル構成成分が好適に選択される。また、かかるポリアミド構成成分としては、上記記載のポリアミド構成成分が好適に選択される。
本発明の中間体から得られる環状カルボジイミド化合物は酸性基を有する高分子化合物と混合し、反応させることによって、酸性基を封止することができる。環状カルボジイミド化合物を高分子化合物に添加、混合する方法は特に限定なく、従来公知の方法により、溶液、融液あるいは適用する高分子のマスターバッチとして添加する方法、あるいは環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体に高分子化合物の固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させる方法等をとることができる。
溶媒としては、高分子化合物および環状カルボジイミド化合物に対し、不活性であるものを用いることができる。特に、両者に親和性を有し、両者を少なくとも部分的に溶解する溶媒が好ましい。
溶媒としてはたとえば、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒等を用いることができる。
溶媒は、高分子化合物と環状カルボジイミド化合物の合計、100重量部あたり1〜1,000重量部の範囲で適用される。1重量部より少ないと、溶媒適用に意義がない。また、溶媒使用量の上限値は、特にないが、操作性、反応効率の観点より1,000重量部程度である。
環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体に高分子化合物の固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させる方法をとる場合には、上記のごとき溶剤に溶解したカルボジイミド化合物に固体の高分子化合物を接触させる方法や、環状カルボジイミド化合物のエマルジョン液に固体の高分子化合物を接触させる方法等をとることができる。接触させる方法としては、高分子化合物を浸漬する方法や、高分子化合物に塗布する方法、散布する方法等を好適にとることができる。
反応は無触媒で十分速やかに進行するが、反応を促進する触媒を使用することもできる。触媒としては、従来の線状カルボジイミド化合物で使用される触媒が適用できる(特開2005−2174号公報)。例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、第4級アンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、リン酸エステル、有機酸、ルイス酸等が挙げられ、これらは1種または2種以上使用することができる。触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、高分子化合物と環状カルボジイミド化合物の合計100重量部に対し、0.001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.1重量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
環状カルボジイミド化合物の適用量は、酸性基1当量あたり、環状カルボジイミド化合物に含まれるカルボジイミド基が0.5から100当量の範囲が選択される。0.5当量より少ないと、カルボジイミド適用の意義がない場合がある。また100当量より多いと、基質の特性が変成する場合がある。かかる観点より、上記基準において、好ましくは0.6〜75当量、より好ましくは0.65〜50当量、さらに好ましくは0.7〜30当量、とりわけ好ましくは0.7〜20当量の範囲が選択される。
合成した環状カルボジイミド化合物は1H−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製JNR−EX270を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
(2)環状カルボジイミドのカルボジイミド骨格のIRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRによりカルボジイミドに特徴的な2,100〜2,200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製Magna−750を使用した。
(3)カルボキシル基濃度
試料を精製o−クレゾールに溶解、窒素気流下溶解、ブロモクレゾールブルーを指示薬とし、0.05規定水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定した。
CC1:MW=252
o−ニトロフェノール(0.11mol)と1,2−ジブロモエタン(0.05mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物A(ニトロ体)を得た。
工程(2a)
次に中間生成物A(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)200mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物B(アミン体)が得られた。
工程(3a)
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに中間生成物B(0.05mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下する。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物C(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
工程(4a)
次に、攪拌装置および滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物C(0.05mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させる。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を精製することで、CC1を得た。CC1の構造はNMRおよびIRにより確認した。
CC2:MW=516
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3A)
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに中間生成物E(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下する。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
工程(4A)
次に、攪拌装置および滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させる。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、CC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
工程(1A)
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1.25g)、N,N−ジメチルホルムアミド500mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cをろ過回収し、ろ液を3Lの水に入れると固体が析出する。この固体を回収し乾燥することで中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3B)
次に攪拌装置および加熱装置、アルカリ水入りウォルターを設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物E(0.025mol)とイミダゾール(0.2mol)、二硫化炭素(0.2mol)、2−ブタノン150mlを仕込む。この反応溶液の温度を80℃にし、15時間反応させる。反応後析出した固体をろ過回収し、洗浄することで中間生成物G(チオウレア体)が得られた。
工程(4B)
次に、攪拌装置を設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物G(0.025mol)、塩化パラトルエンスルホニル(0.1mol)、ピリジン50mlを仕込み攪拌する。25℃で3時間反応させた後、メタノール150mlを加え、さらに25℃で1時間攪拌する。析出した固体をろ過回収し、洗浄することでCC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
工程(1A)
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、N,N−ジメチルホルムアミドを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1.25g)、N,N−ジメチルホルムアミド500mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cをろ過回収し、ろ液を3Lの水に入れると固体が析出する。この固体を回収し乾燥することで中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3B)
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物E(0.025mol)とイミダゾール(0.2mol)、アセトニトリル125mlを仕込み、亜りん酸ジフェニル(0.1mol)を滴下ロートに仕込んだ。二酸化炭素置換を5回行った後、25℃で二酸化炭素を常に供給した状態で攪拌しながら、亜りん酸ジフェニルをゆっくり滴下し、15時間反応させる。反応後析出した固体をろ過回収し、洗浄することで中間生成物H(ウレア体)が得られた。
工程(4B)
次に、攪拌装置を設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物H(0.025mol)、塩化パラトルエンスルホニル(0.1mol)、ピリジン50mlを仕込み攪拌する。25℃で3時間反応させた後、メタノール150mlを加え、さらに25℃で1時間攪拌する。析出した固体をろ過回収し、洗浄することでCC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
工程(1B)
o−クロロニトロベンゼン(0.125mol)とペンタエリスリトール(0.025mol)、炭酸カリウム(0.25mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.018mol)、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応させた。反応後、溶液を水200mlに加え、析出した固体をろ過回収した。この固体を洗浄し、乾燥することで中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1.25g)、N,N−ジメチルホルムアミド500mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cをろ過回収し、ろ液を3Lの水に入れると固体が析出する。この固体を回収し乾燥することで中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3B)
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物E(0.025mol)とイミダゾール(0.2mol)、アセトニトリル125mlを仕込み、亜りん酸ジフェニル(0.1mol)を滴下ロートに仕込んだ。二酸化炭素置換を5回行った後、25℃で二酸化炭素を常に供給した状態で攪拌しながら、亜りん酸ジフェニルをゆっくり滴下し、15時間反応させる。反応後析出した固体をろ過回収し、洗浄することで中間生成物H(ウレア体)が得られた。
工程(4B)
次に、攪拌装置を設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物H(0.025mol)、塩化パラトルエンスルホニル(0.1mol)、ピリジン50mlを仕込み攪拌する。25℃で3時間反応させた後、メタノール150mlを加え、さらに25℃で1時間攪拌する。析出した固体をろ過回収し、洗浄することでCC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
工程(1B)
o−クロロニトロベンゼン(0.125mol)とペンタエリスリトール(0.025mol)、炭酸カリウム(0.25mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.018mol)、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応させた。反応後、溶液を水200mlに加え、析出した固体をろ過回収した。この固体を洗浄し、乾燥することで中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1.25g)、N,N−ジメチルホルムアミド500mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cをろ過回収し、ろ液を3Lの水に入れると固体が析出する。この固体を回収し乾燥することで中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3B)
次に攪拌装置および加熱装置、アルカリ水入りウォルターを設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物E(0.025mol)とイミダゾール(0.2mol)、二硫化炭素(0.2mol)、2−ブタノン150mlを仕込む。この反応溶液の温度を80℃にし、15時間反応させる。反応後析出した固体をろ過回収し、洗浄することで中間生成物G(チオウレア体)が得られた。
工程(4B)
次に、攪拌装置を設置した反応装置に、N2雰囲気下、中間生成物G(0.025mol)、塩化パラトルエンスルホニル(0.1mol)、ピリジン50mlを仕込み攪拌する。25℃で3時間反応させた後、メタノール150mlを加え、さらに25℃で1時間攪拌する。析出した固体をろ過回収し、洗浄することでCC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
工程(1B)
o−クロロニトロベンゼン(0.125mol)とペンタエリスリトール(0.025mol)、炭酸カリウム(0.25mol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(0.018mol)、N,N−ジメチルホルムアミド50mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応させた。反応後、溶液を水200mlに加え、析出した固体をろ過回収した。この固体を洗浄し、乾燥することで中間生成物D(ニトロ体)を得た。
工程(2A)
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1.25g)、N,N−ジメチルホルムアミド500mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cをろ過回収し、ろ液を3Lの水に入れると固体が析出する。この固体を回収し乾燥することで中間生成物E(アミン体)が得られた。
工程(3A)
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに中間生成物E(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下する。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
工程(4A)
次に、攪拌装置および滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させる。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、CC2を得た。CC2の構造はNMRおよびIRにより確認した。
Lラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し触媒失活剤として、1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3Paで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリL−乳酸を得た。得られたポリL−乳酸のカルボキシル基濃度は14当量/tonであった。
参考例2において、環状カルボジイミド:CC1を、環状カルボジイミド:CC2に替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は0.3当量/ton以下に減少していた。また、混練後のルーダー出口でイソシアネート臭はしなかった。
参考例2において、環状カルボジイミド化合物:CC1を、ラインケミージャパン(株)製の線状カルボジイミド「スタバクゾール」Iに替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は0.4当量/tonであったが、ルーダー出口においてイソシアネートの悪臭が強く発生した。
ポリメタキシレンアジパミド(三菱ガス化学(株)製「MXナイロン S6001」)、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミドであり、カルボキシル基濃度は70当量/tonであった。このポリメタキシレンアジパミド100重量部あたり、CC2、2.0重量部と共に2軸ルーダー(シリンダー温度260℃)、滞留時間3分で、溶融混練した。カルボキシル基濃度は1.2当量/ton以下に減少していた。また、混練後のルーダー出口でイソシアネート臭はしなかった。
参考例2において、環状カルボジイミド化合物:CC2を、ラインケミージャパン(株)製の線状カルボジイミド「スタバクゾール」Iに替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は2.2当量/tonであったが、ルーダー出口においてイソシアネートの悪臭が強く発生した。
Claims (7)
- Ar1〜Ar4は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である請求項1記載の化合物。
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