JP5436448B2 - 環状カルボジイミドを使用する方法 - Google Patents

環状カルボジイミドを使用する方法 Download PDF

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Description

本発明は、環状カルボジイミドをポリマーの末端封止剤として使用する方法に関する。
カルボジイミド化合物をカルボキシル基などの酸性基を末端に有するポリマーの末端封止剤として用い、ポリマーの加水分解を抑制することは既に提案されている(特許文献1および2)。この提案において用いられているカルボジイミド化合物は、線状のカルボジイミド化合物である。
線状カルボジイミド化合物をポリマーの末端封止剤として用いると、線状カルボジイミド化合物がポリマーの末端に結合する反応に伴いイソシアネート基を有する化合物が遊離し、イソシアネート化合物の独特の臭いを発生し、作業環境を悪化させることが問題となっている。
特許文献3には、マクロ環状カルボジイミド化合物が記載されている。この化合物は、高希釈下で製造されるためマクロ環状カルボジイミド化合物の濃度は低く、ポリマーとの反応には何日もかかり、ポリマーの末端封止剤としての実用性は低い。また、カルボジイミド基に対する分子量が大きくポリマーの末端封止剤としての効率は低い。また、特許文献3には、ポリマーの末端封止に伴うイソシアネート臭の低減についての検討はなされていない。このマクロ環状カルボジイミド化合物は、長鎖を有し高温では分解し易くポリエステルなどの高融点のポリマーの末端封止剤には不適当である。
特開2008−050584号公報 特開2005−2174号公報 米国特許公開第2008/0161554号公報
本発明の目的は、イソシアネート化合物を遊離させず、カルボジイミド化合物により、ポリマーの末端を封止する方法を提供することにある。
本発明者らは、ポリマーの末端に反応しても、イソシアネート化合物を遊離しない構造のカルボジイミド化合物について、鋭意検討した。その結果、環状構造の中にカルボジイミド基を1個のみ有する化合物は、ポリマーの末端に反応してもイソシアネート化合物を遊離しないことを見出し、本発明を完成した。また、環状構造の員数を特定の範囲にすることにより、効率的にポリマーの末端を封止する方法を見出した。
即ち、本発明は、 カルボジイミド基を1個有し、その第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を形成する原子数が8〜30である化合物(以下、環状カルボジイミド化合物と呼ぶことがある)を、酸性基を有するポリマーの末端封止剤として使用する方法である。
Figure 0005436448
(式中、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。 )
Figure 0005436448
(式中、Ar およびAr は各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基であり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。R およびR は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、これらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。X およびX は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX 、あるいはX が、他のX 、あるいはX と異なっていてもよい。X は、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。また、Qが2価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
本発明は、酸性基を有するポリマーにカルボジイミド化合物を添加して末端封止する際に、遊離イソシアネート化合物の発生を抑制する方法であって、カルボジイミド化合物として、カルボジイミド基を1個有し、その第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている前記環状構造を含む化合物を用いることを特徴とする方法を包含する。
本発明によれば、イソシアネート化合物を遊離させず、環状カルボジイミド化合物により、ポリマーの末端を封止することができる。その結果、遊離イソシアネート化合物による悪臭の発生を抑制することができ作業環境を向上させることができる。
また、環状カルボジイミド化合物により、ポリマーの末端を封止すると、ポリマーの末端にイソシアネート基が形成され、そのイソシアネート基の反応により、ポリマーの高分子量化が可能となる。
また環状カルボジイミド化合物は、ポリマー中の遊離単量体やその他酸性基を有する化合物を捕捉する作用も有する。
さらに本発明によれば、環状カルボジイミド化合物は、環状構造を有することにより、線状カルボジイミド化合物に比較して、より温和な条件で、末端封止できる利点を有する。
末端封止の反応機構における、線状カルボジイミド化合物と環状カルボジイミド化合物との相違点は以下に説明する通りである。
線状カルボジイミド化合物(R−N=C=N−R)を、カルボキシ基末端を有するポリマーの末端封止剤として用いると以下の式で表されるような反応となる。式中Wはポリマーの主鎖である。線状カルボジイミド化合物がカルボキシ基と反応することにより、ポリマーの末端にはアミド基が形成され、イソシアネート化合物(RNCO)が遊離される。
Figure 0005436448
一方、環状カルボジイミド化合物を、カルボキシ基末端を有するポリマーの末端封止剤として用いると以下の式で表されるような反応となる。環状カルボジイミド化合物がカルボキシ基と反応することにより、ポリマーの末端にはアミド基を介してイソシアネート基(−NCO)が形成され、イソシアネート化合物が遊離されないことが分かる。
Figure 0005436448
(式中、Qは式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。)
また本発明に用いる環状カルボジイミド化合物は、長鎖を含有しないので耐熱性に優れ、高い融点のポリマーの末端封止に用いることができる。
<環状構造>
本発明において、末端封止剤として用いる環状カルボジイミド化合物は環状構造を有する。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有する。環状構造中の原子数は、好ましくは8〜30、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜115である。
ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、30員環であれば30である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる場合があるためである。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より環状構造中の原子数は好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。
環状カルボジイミド化合物の分子量は、好ましくは100〜1,000である。100より低いと、環状カルボジイミド化合物について構造の安定性や揮発性が問題となる場合がある。また1,000より高いと、環状カルボジイミドの製造上、希釈系での合成が必要となったり、収率が低下するため、コスト面で問題となる場合がある。かかる観点より、より好ましくは100〜750であり、さらに好ましくは250〜750である。
環状構造は、下記式(1)で表される構造である。
Figure 0005436448
合基(Q)は、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。
Figure 0005436448
式中、ArおよびArは各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基であり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。
芳香族基として、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。
これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。またこれらの芳香族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
およびRは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。またこれらの脂肪族基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの脂環族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
芳香族基として、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。
これら芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
また、これらの芳香族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
およびXは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。またこれらの脂肪族基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの脂環族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
芳香族基として、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。
これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの芳香族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
s、kは各々独立に、0〜10の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜1の整数である。sおよびkが10を超えると、環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より整数は好ましくは0〜3の範囲が選択される。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。
は、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの脂肪族基はヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。
これら脂環族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの脂環族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
芳香族基として、炭素数5〜15のアリーレン基、炭素数5〜15のアレーントリイル基、炭素数5〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。
これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。また、これらの芳香族基はヘテロ原子を含んで複素環構造を有していてもよい。ヘテロ原子として、O、N、S、Pが挙げられる。
以上のように、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい。
また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
本発明で用いる環状カルボジイミドとして、以下の(a)〜(c)で表される化合物が挙げられる。
<環状カルボジイミド(a)>
本発明で用いる環状カルボジイミドとして下記式(2)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド(a)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005436448
式中、Q、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基であることが好ましい。
Figure 0005436448
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらは全て2価である。
環状カルボジイミド(a)として、下記式(2−1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005436448
式中、X は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基である。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。
式中、Ar 、Ar は各々独立に、置換されていても良い炭素数5〜15のアリーレン基である。アリーレン基としてフェニレン基、ナフタレンジイル基が挙げられる。アリーレン基は置換されていても良い。置換基として炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
環状カルボジイミド(a)として、下記式(2−1−1a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005436448
式中、X は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基である。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などが挙げられる。
式中、R、Rは各々独立に、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基または水素原子である。アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
環状カルボジイミド化合物(a)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005436448
Figure 0005436448
Figure 0005436448
Figure 0005436448
Figure 0005436448
<環状カルボジイミド(b)>
さらに、本発明で用いる環状カルボジイミドとして下記式(3)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド(b)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005436448
式中、Qは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であることが好ましいは、環状構造を担持する担体である。但し、式(3)の化合物においては、Qを構成する基の内一つは3価である
Figure 0005436448
式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。
Yは、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。
かかる環状カルボジイミド化合物(b)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0005436448
Figure 0005436448
<環状カルボジイミド(c)>
本発明で用いる環状カルボジイミドとして下記式(4)で表される化合物(以下、「環状カルボジイミド(c)」ということがある。)を挙げることができる。
Figure 0005436448
式中、Qは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であることが好ましい。Z およびZは、環状構造を担持する担体である。ZおよびZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
Figure 0005436448
Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
およびZは各々独立に、原子、原子団またはポリマーであることが好ましい。ZおよびZは結合部であり、複数の環状構造がZおよびZを介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。
環状カルボジイミド化合物(c)として、下記式(4−1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005436448
式中、X は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルカンテトライル基である。アルカンテトライル基として、イソブタンテトライル基、イソペンタンテトライル基、ネオペンタンテトライル基などが挙げられる。好ましくは下記式で表されるネオペンタンテトライル基である。
Figure 0005436448
式中、Ar 、Ar 、Ar 、Ar は、各々独立に置換されていても良い炭素数5〜15のアリーレン基である。アリーレン基としてフェニレン基、ナフタレンジイル基が挙げられる。アリーレン基は置換されていても良い。置換基として炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
環状カルボジイミド(c)として、下記式(2−1−1c)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005436448
式中、X は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルカンテトライル基である。アルカンテトライル基として、イソブタンテトライル基、イソペンタンテトライル基、ネオペンタンテトライル基などが挙げられる。好ましくは下記式で表されるネオペンタンテトライル基である。
Figure 0005436448
式中、R、R、R、Rは各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基または水素原子である。アルキル基としてメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。
かかる環状カルボジイミド化合物(c)としては、下記化合物を挙げることができる。
Figure 0005436448
Figure 0005436448
<ポリマー>
本発明において、環状カルボジイミド化合物を適用するポリマーは酸性基を有する。酸性基として、カルボキシル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。ポリマーの融点は、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上である。
ポリマーとして、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびポリエステルアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。ポリマーが、ポリエステル、ポリアミドおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(ポリエステル)
ポリエステルとしては、例えば、ジカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体とジオールあるいはそのエステル形成性誘導体、ヒドロキシカルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体、ラクトンから選択された1種以上を重縮合してなるポリマーまたはコポリマーが例示される。好ましくは熱可塑性ポリエステルが例示される。
かかる熱可塑性ポリエステルは、成形性などのため、ラジカル生成源、例えばエネルギー活性線、酸化剤などにより処理されてなる架橋構造を含有していてもよい。
ジカルボン酸あるいはエステル形成性誘導体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。またシュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が挙げられる。またこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、ジオールあるいはそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなどが挙げられる。また、分子量200〜100,000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。また、芳香族ジオキシ化合物すなわち、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどが挙げられる。またこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオ酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。ラクトンとしてはカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどが挙げられる。
ポリエステルとして、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなる芳香族ポリエステルが例示される。芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体として、テレフタル酸あるいはナフタレン2,6−ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体が挙げられる。脂肪族ジオールまたはそのエステル形成性誘導体として、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールが挙げられる。
具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリトリメチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリトリメチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレングリコール、ポリブチレンナフタレート・ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリトリメチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンテレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンナフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリトリメチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリエチレン(テレフタレート/サクシネート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)などを好ましく挙げることができる。
脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とするポリマー、脂肪族多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と脂肪族多価アルコールを主成分として重縮合してなるポリマーやそれらのコポリマーが例示される。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸を主たる構成成分とするポリマーとしては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸などの重縮合体、もしくはコポリマーなどを例示することができる。なかでもポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ3−ヒドロキシカルボン酪酸、ポリ4−ポリヒドロキシ酪酸、ポリ3−ヒドロキシヘキサン酸またはポリカプロラクトン、ならびにこれらのコポリマーなどが挙げられる。特にポリL−乳酸、ポリD−乳酸およびステレオコンプレックスポリ乳酸、ラセミポリ乳酸が挙げられる。
また脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを主たる構成成分とするポリマーが挙げられる。多価カルボン酸として、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸単位およびそのエステル誘導体が挙げられる。また、ジオール成分として炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ダイマージオールなどが挙げられる。また分子量200〜100,000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートまたはポリブチレンサクシネートならびにこれらのコポリマーなどが挙げられる。
さらに全芳香族ポリエステルとしては、芳香族カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、好ましくは、テレフタル酸あるいはナフタレン2,6−ジカルボン酸またはそれらのエステル形成性誘導体と芳香族多価ヒドロキシ化合物またはそのエステル形成性誘導体を主成分として重縮合してなるポリマーが例示される。
具体的には例えば、ポリ(4−オキシフェニレン−2,2−プロピリデン−4−オキシフェニレン−テレフタロイル−co−イソフタロイル)などが例示される。
これらのポリエステルは、カルボジイミド反応性成分として、分子末端にカルボキシル基およびまたはヒドロキシル基末端を1から50当量/tonを含有する。かかる末端基、とりわけカルボキシル基はポリエステルの安定性を低下させるため、環状カルボジイミド化合物で封止することが好ましい。
カルボキシル末端基をカルボジイミド化合物で封止するとき、本発明の環状カルボジイミド化合物を適用することにより、有毒な遊離イソシアネートの生成無く、カルボキシル基を封止できる利点は大きい。
さらに追加的効果として、環状カルボジイミド化合物で封止された際に遊離せずポリエステル中に形成されるイソシアネート末端基と、ポリエステル中に存在するヒドロキシル末端基あるいはカルボキシル末端基との鎖延長作用によるポリエステルの分子量の増大あるいは分子量低下の抑制を、従来の線状カルボジイミド化合物に比較して、より効率的に行うことができる工業的な意義は大きい。
ポリエステルは周知の方法(例えば、飽和ポリエステル樹脂ハンドブック(湯木和男著、日刊工業新聞社(1989年12月22日発行)などに記載)により製造することができる。
さらにポリエステルとしては、前記ポリエステルに加え、不飽和多価カルボン酸あるいはそのエステル形成性誘導体を共重合してなる不飽和ポリエステル樹脂、低融点ポリマーセグメントを含むポリエステルエラストマーが例示される。
不飽和多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水マレイン酸、フマル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水マレイン酸などが例示される。かかる不飽和ポリエステルには、硬化特性を制御するため、各種モノマー類が添加され、熱キュア、ラジカルキュア、光、電子線などの活性エネルギー線によるキュア処理により硬化、成形される。かかる不飽和ポリエステルにおけるカルボキシル基の制御はチクソトロピーなどのレオロジー特性、樹脂耐久性などに関して重要な技術的課題である。環状カルボジイミド化合物により、有毒な遊離イソシアネートの生成無く、カルボキシル基を封止、制御することができる利点、さらにより有効に分子量を増大させる利点の工業的意義は大きい。
さらに本発明においてポリエステルは、柔軟成分を共重合してなるポリエステルエラストマーでもよい。ポリエステルエラストマーは公知文献、例えば特開平11−92636号公報などに記載のごとく高融点ポリエステルセグメントと分子量400〜6,000の低融点ポリマーセグメントとからなるブロックコポリマーである。高融点ポリエステルセグメントだけでポリマーを形成した場合の融点が150℃以上である。ポリアルキレングリコール類また炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから製造される脂肪族ポリエステルなどよりなる低融点ポリマーセグメントのみで測定した場合の融点ないし軟化点が80℃以下である。かかるエラストマーは、加水分解安定性に問題があるが、環状カルボジイミド化合物により、安全上問題なく、カルボキシル基の制御できる意義、分子量低下を抑制あるいは増大できる工業的な意義は大きい。
ポリエステルは、ブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、エチレンナフタレンジカルボキシレートおよびブチレンナフタレンジカルボキシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種を主たる繰り返し単位として含むものが好ましい。またポリマーが、脂肪族ポリエステル、特にポリ乳酸であることが好ましい。
(ポリアミド)
ポリアミドは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンと、ジカルボン酸あるいはそのアミド形成性誘導体とを主たる構成原料としたアミド結合を有する熱可塑性ポリマーである。
本発明においてポリアミドとしては、ジアミンとジカルボン酸あるいはそのアシル活性体を縮合してなる重縮合物、あるいはアミノカルボン酸もしくはラクタム、あるいはアミノ酸を重縮合してなるポリマー、あるいはそれらのコポリマーを用いることができる。ジアミンとしては、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンが挙げられる。
脂肪族ジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、4,4’−ジフェニルジアミン、3,4’−ジフェニルジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパンなどが挙げられる。
ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
ポリアミドとして、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)などの脂肪族ポリアミドが挙げられる。
また、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))およびこれらの共重合ポリアミドなどの脂肪族−芳香族ポリアミドおよびこれらのコポリマーや混合物などが挙げられる。
さらにはポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド−co−イソフタルアミド)などが挙げられる。
アミノ酸としては、例えばω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などが、ラクタムとしては例えばω−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−カプリルラクタム、ω−ラウロラクタムなどが例示される。
これらのポリアミドの分子量は特に制限はないが、ポリアミド1重量%濃度の98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
また、これらのアミド樹脂は周知の方法、例えば、(ポリアミド樹脂ハンドブック(福本修著、日刊工業新聞社(昭和63年1月30日発行)などに準じて製造することができる。
ポリアミドには、ポリアミドエラストマーとして公知のポリアミドを包含する。かかるポリアミドとしては、例えば炭素数が6以上のポリアミド形成成分およびポリ(アルキレンオキシド)グリコールとの反応によるグラフトまたはブロックコポリマーが挙げられる。炭素数が6以上のポリアミド形成成分とポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分との結合は、通常エステル結合、アミド結合であるが、特にこれらのみに限定されず、ジカルボン酸、ジアミンなどの第3成分を両成分の反応成分として用いることも可能である。
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの例としては、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダムコポリマー、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダムコポリマーなどが例示される。該ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分子量は200〜6,000が重合性および剛性の点で好ましく、300〜4,000がより好ましい。
本発明で用いるポリアミドエラストマーは、カプロラクタム、ポリエチレングリコール、テレフタル酸を重合して得られるポリアミドエラストマーが好ましい。
かかるポリアミドは、原料より容易に理解されるごとく、カルボキシル基を30から100当量/ton、アミノ基を30から100当量/ton程度含有するが、カルボキシル基はポリアミドの安定性に対して好ましくない効果を有することは良く知られている。
環状カルボジイミド化合物により、安全上問題なくカルボキシル基を20当量/ton以下、あるいは10当量/ton以下、さらに好ましくはそれ以下にまで制御され、分子量低下がより有効に抑制された組成物の意義は大きい。
(ポリアミドイミド)
本発明に用いられるポリアミドイミドは、下記式(I)で示される主たる繰り返し構造単位を有する。
Figure 0005436448
(式中Rは3価の有機基を表し、Rは2価の有機基を表し、nは正の整数を表す。)
このようなポリアミドイミドの代表的な合成方法としては、(1)ジイソシアネートと三塩基酸無水物を反応させる方法、(2)ジアミンと三塩基酸無水物を反応させる方法、(3)ジアミンと三塩基酸無水物クロライドを反応させる方法などが挙げられる。ただし、本発明に用いられるポリアミドイミドの合成方法は、これらの方法に制限するものではない。上記合成方法で用いられる代表的な化合物を次に列挙する。
まず、ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネートなどが好ましいものとして挙げられる。
また、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミンなどが好ましいものとして挙げられる。
これらの中で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタンがより好ましいものとして挙げられる。
また、三塩基酸無水物としては、トリメリット酸無水物が好ましいものとして挙げられ、三塩基酸無水物クロライドとしては、トリメリット酸無水物クロライドなどが挙げられる。
ポリアミドイミドを合成する際に、ジカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物などをポリアミドイミド樹脂の特性を損わない範囲で同時に反応させることができる。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸などが挙げられ、テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。これらは、全酸成分中の50当量%以下で使用することが好ましい。
ポリアミドイミドがポリマー中含有されるカルボキシル基濃度により耐久性が低下することがあるので、カルボキシル基の含有量は、好ましくは1から10当量/tonあるいはそれ以下に制御することが好ましい。本発明の環状カルボジイミド化合物においては好適に上記カルボキシル基濃度範囲とすることが可能である。
(ポリイミド)
ポリイミドは特に限定無く、従来公知のポリイミドが例示されるが、中でも熱可塑性ポリイミドが好適に選択される。かかるポリイミドとしては、例えば、以下に記載のジアミン成分とテトラカルボン酸よりなるポリイミドが例示される。
N−R−NH
〔式中、Rは、
(i)単結合;
(ii)C2〜12脂肪族炭化水素基;
(iii)C4〜30脂環族基;
(iv)C6〜30芳香族基;
(v)−Ph−O−R−O−Ph−基
(式中、Rは、フェニレン基またはPh−W−Ph−基を示し、Wは単結合、ハロゲン原子により置換されても良いC1〜4アルキレン基、−O−Ph−O−基、−O−、−CO−、−S−、−SO−またはSO−基を示す);
または
(vi)−R−(SiR −O)−SiR −R−基
(式中、Rは、−(CH−、−(CH−Ph−、−(CH−O−Ph−、またはPh−を示し、mは1〜100の整数であり;sは1−4の整数を示し;RはC1〜6アルキル基、フェニル基またはC1〜6アルキルフェニル基を示す)
を示す。
Figure 0005436448
〔式中、YはC2〜12の四価の脂肪族基、C4〜8の四価の脂環族基、C6〜14のモノまたはポリ縮合環の四価の芳香族基、>Ph−W−Ph<基(式中、Wは単結合、ハロゲン原子によって置換されても良いC1〜4アルキレン基、−O−Ph−O−、−O−、−CO−、−S−、−SO−またはSO−基を示す)〕。
ポリイミドの製造に用いられるテトラカルボン酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸(PMDA)、無水4,4’−オキシジフタル酸(ODPA)、無水ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸(BPDA)、無水ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸(BTDA)、無水エチレンテトラカルボン酸、無水ブタンテトラカルボン酸、無水シクロペンタンテトラカルボン酸、無水ベンゾフェノン−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、無水ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸、無水2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、無水2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、無水ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、無水ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、無水1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、無水ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、無水ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、無水4,4’−(P−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、無水4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸、無水ナフタリン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、無水ナフタリン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、無水ナフタリン−1,2,5,6−テトラカルボン酸、無水ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、無水ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸、無水アントラセン−2,3,6,7−テトラカルボン酸と無水フェナントレン−1,2,7,8−テトラカルボン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらジカルボン酸無水物は単独で使用、または2種以上混合して使用しても良い。上記のうち、好ましくは無水ピロメリット酸(PMDA)、無水4,4’−オキシジフタル酸(ODPA)、無水ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸(BPDA)、無水ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、無水ビフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸(DSDA)が使用される。
本発明において、ポリイミドの製造に使用されるジアミンの具体例としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジ(メタ−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジ(パラ−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、o−フェニレンジアミン、mーフェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2’−プロパン、1,5−ジアミノナフタリン、1,8−ジアミノナフタリン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2,11−ドデカジアミン、ジ(パラ−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,4−ジ(3−アミノプロピルジアミノシラン)ベンゼン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、オルト−トリルジアミン、メタ−トリルジアミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン,4,4’−ジ(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジ〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ジ〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ジ〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ジ〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ジ(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)エーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記のジアミンは単独または多くを混合して使用しても良い。
熱可塑性ポリイミドとしては、下記式で表される、テトラカルボン酸無水物とp−フェニレンジアミン、各種シクロヘキサンジアミン、水添ビスフェノールA型ジアミンなどの公知のジアミンとからなるポリイミド、さらにゼネラルエレクトリック社よりUltemの商品名で市販されている、Ultem1000、Ultem1010、UltemCRS5001、UltemXH6050、三井化学(株)製のオーラム250AMなどが例示される。
Figure 0005436448
[式中、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、アリール基を表す。R10は炭素数6〜30のアリーレン基または炭素数2〜20のアルキレン基を示す。m、n、はそれぞれ、0〜5の整数、kは1〜3の整数。]
(ポリエステルアミド)
ポリエステルアミドとして、ポリエステル成分とポリアミド成分の共重合により得られる従来公知のポリエステルアミドが例示される。中でも熱可塑性ポリエステルアミドが好適に選択される。
ポリエステルアミドは、公知の方法などにより合成することができる。例えば、ポリアミド成分をまず重縮合反応により進行させ、末端に官能基を有したポリアミドを合成した後、ポリアミドの存在下、ポリエステル成分を重合させる方法などによって行うことができる。この重縮合反応は、通常、第一段階としてアミド化反応を進行させ、第二段階にエステル化反応を進行させることにより実施される。
ポリエステル成分としては、上記記載のポリエステル成分が好適に選択される。また、かかるポリアミド成分としては、上記のポリアミド成分が好適に選択される。
環状カルボジイミドを作用させるこれらのポリマーには、カルボジイミドと反応してその効力を失わない範囲で、公知のあらゆる添加剤、フィラーを添加して用いることができる。添加剤としては、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、核剤、光安定剤、帯電防止剤、色材などが挙げられる。またフィラーとしては、ガラスフレーク、ガラス繊維、有機繊維、タルク、無機充填剤などが挙げられる。
<カルボジイミド化合物の使用方法>
ポリマー中の酸性基の封止は、環状カルボジイミド化合物とポリマーとを混合し、環状カルボジイミド化合物と酸性基とを反応させることによって行なうことができる。環状カルボジイミド化合物は、溶液、融液あるいは適用する高分子のマスターバッチとしてポリマーへ添加することができる。また環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体に、ポリマーの固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させることができる。
溶液、融液あるいは適用する高分子のマスターバッチとして添加する方法をとる場合には、従来公知の混練装置を使用して添加することができる。混練に際しては、溶液状態での混練法あるいは溶融状態での混練法が、均一混練性の観点より好ましい。混練装置としては、特に限定なく、従来公知の縦型の反応容器、混合槽、混練槽あるいは一軸または多軸の横型混練装置を用いることができる。例えば一軸あるいは多軸のルーダー、ニーダーなどが例示される。
ポリマーとの混合時間は、混合装置、混合温度にもよるが、好ましくは0.1分から2時間、より好ましくは0.2分から60分、さらに好ましくは0.2分から30分である。
溶媒としては、ポリマーおよび環状カルボジイミド化合物に対し、不活性であるものを用いることができる。特に、両者に親和性を有し、両者を少なくとも部分的に溶解する溶媒が好ましい。溶媒としてはたとえば、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アミド系溶媒などを用いることができる。
炭化水素系溶媒として、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘプタン、デカンなどが挙げられる。ケトン系溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロへキサノン、イソホロンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、コハク酸エチル、炭酸メチル、安息香酸エチル、ジエチレングリコールジアセテートなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、1,1’,2,2’−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられる。これらの溶媒は単一であるいは所望により混合溶媒として使用することができる。
本発明において、溶媒は、ポリマーと環状カルボジイミド化合物の合計100重量部あたり1〜1,000重量部の範囲で適用される。1重量部より少ないと、溶媒適用に意義がない。また、溶媒使用量の上限値は、特にないが、操作性、反応効率の観点より1,000重量部程度である。
環状カルボジイミド化合物が溶解、分散または溶融している液体にポリマーの固体を接触させ環状カルボジイミド化合物を浸透させる方法をとる場合には、上記のごとき溶剤に溶解したカルボジイミドに固体のポリマーを接触させる方法や、カルボジイミドのエマルジョン液に固体のポリマーを接触させる方法などをとることができる。接触させる方法としては、ポリマーを浸漬する方法や、ポリマーに塗布する方法、散布する方法などを好適にとることができる。
本発明の環状カルボジイミド化合物による封止反応は、室温(25℃)〜300℃程度の温度で可能であるが、反応効率の観点より、好ましくは50〜280℃、より好ましくは100〜280℃の範囲でより促進される。ポリマーは、溶融している温度ではより反応が進行しやすいが、環状カルボジイミド化合物の揮散、分解などを抑制するため、300℃より低い温度で反応させることが好ましい。また高分子の溶融温度を低下、攪拌効率を上げるためにも、溶媒を適用することは効果がある。
反応は無触媒で十分速やかに進行するが、反応を促進する触媒を使用することもできる。触媒としては、従来の線状カルボジイミド化合物で使用される触媒が適用できる(特許文献2:特開2005−2174号公報)。例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、第4級アンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、リン酸エステル、有機酸、ルイス酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上使用することができる。触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリマーと環状カルボジイミド化合物の合計100重量部に対し、0.001〜1重量部が好ましく、また0.01〜0.1重量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1重量部が最も好ましい。
環状カルボジイミド化合物の適用量は、酸性基1当量あたり、環状カルボジイミド化合物に含まれるカルボジイミド基が0.5から100当量の範囲が選択される。0.5当量より過少に過ぎると、カルボジイミド適用の意義がない場合がある。また100当量より過剰に過ぎると、基質の特性が変成する場合がある。かかる観点より、上記基準において、好ましくは0.6〜75当量、より好ましくは0.65〜50当量、さらに好ましくは0.7〜30当量、とりわけ好ましくは0.7〜20当量の範囲が選択される。
<環状カルボジイミド化合物の製造方法>
環状カルボジイミド化合物の製造方法として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
(単環のカルボジイミド化合物(f)の製造)
単環の下記式(2−1−1)で表されるカルボジイミド化合物(f)は、以下の(1)〜(4)の工程により製造することができる。
Figure 0005436448
(式中、Ar 、Ar は、各々独立に置換されていても良い炭素数5〜15のアリーレン基である。X は、炭素数1〜20のアルキレン基である。)
工程(1)は、ニトロ体(c)を得る工程である。工程(1)には、工程(1a)および工程(1b)の2つの態様がある。工程(2)は、ニトロ体(c)からアミド体(d)を得る工程である。工程(3)および工程(4)は、アミド体(d)から単環のカルボジイミド化合物(f)を得る工程である。工程(3)〜(4)には、工程(3a)および工程(4a)経由する態様と、工程(3b)および工程(4b)経由する態様がある。
具体的には、カルボジイミド化合物(f)は、以下の経路で製造することができる。
(スキーム1)工程(1a)−工程(2a)−工程(3a)−工程(4a)
(スキーム2)工程(1a)−工程(2a)−工程(3b)−工程(4b)
(スキーム3)工程(1b)−工程(2a)−工程(3b)−工程(4b)
(スキーム4)工程(1b)−工程(2a)−工程(3a)−工程(4a)
(工程(1a))
工程(1a)は、下記式(a−1)の化合物、下記式(a−2)の化合物および下記式(b−1)の化合物を反応させ、下記式のニトロ体(c)を得る工程である。
Figure 0005436448
式中、X 、Ar 、Ar は式(2−1−1)と同じである。
およびEは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基およびp−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。ハロゲン原子として、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
反応は従来公知なエーテル合成法を用いることができ、例えば式(a−1)で表される化合物、式(a−2)で表される化合物および式(b−1)で表される化合物を、塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させるウィリアムソン反応等が使用される。
塩基性化合物としては、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が使用される。溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等が使用される。反応温度は25℃〜150℃の範囲が好適に使用される。また、反応は上記条件で十分速やかに進行するが、反応を促進させるために相間移動触媒を加えることもできる。
(工程(1b))
工程(1b)は、下記式(a−i)の化合物、下記式(a−ii)の化合物および下記式(b−i)の化合物を反応させ下記式(c)のニトロ体を得る工程である。
Figure 0005436448
式中、Ar 、Ar 、X は式(2−1−1)と同じである。E、Eは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基およびp−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。
反応は従来公知なエーテル合成法を用いることができ、例えば式(a−i)で表される化合物、式(a−ii)で表される化合物および式(b−i)で表される化合物を塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させるウィリアムソン反応等が使用される。
塩基性化合物としては、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が使用される。溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン等が使用される。反応温度は25℃〜150℃の範囲が好適に使用される。また、反応は上記条件で進行するが、反応を促進させるために相間移動触媒を加えることが好ましい。相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム塩、クラウンエーテル等が使用される。
(工程(2))
工程(2)は、得られたニトロ体(c)を還元して下記式のアミン体(d)を得る工程である。
Figure 0005436448
Ar 、Ar 、X は式(2−1−1)と同じである。
反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、ニトロ体(c)を、水素および触媒の存在下、溶媒中で接触還元する方法が使用される。
触媒としては、パラジウム炭素、パラジウム炭素−エチレンンジアミン複合体、パラジウム−フィブロイン、パラジウム−ポリエチレンイミン、ニッケル、銅等が使用される。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用される。反応温度は25℃〜100℃の範囲が好適に適用される。また、反応は常圧で進行するが、反応を促進させるために圧力を加えることが好ましい。
他にもアミン体(d)を得る反応としては、ニトロ体(c)を酸および金属と反応させる方法あるいはニトロ体(c)をヒドラジンおよび触媒と反応させる方法等が使用される。
(工程(3a))
工程(3a)は、得られたアミン体(d)とトリフェニルホスフィンジブロミドとを反応させ下記式のトリフェニルホスフィン体(e−1)を得る工程である。
Figure 0005436448
式中Ar 、Ar 、X は式(2−1−1)と同じであり、Arはフェニル基である。
反応は従来公知の方法が使用でき、例えば、式(d)で表されるアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを、塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させる方法等が使用される。塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ピリジン等が使用される。溶媒としてはジクロロエタン、クロロホルム、ベンゼン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃が好適に使用される。
(工程(4a))
工程(4a)は、得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させ下記式の環状カルボジイミド化合物(f)を得る工程である。
Figure 0005436448
(式中、Ar 、Ar 、X は式(2−1−1)と同じである。)
反応は従来公知の方法が使用でき、例えば、式(e−1)のトリフェニルホスフィン体を、ジ−tert−ブチルジカーボネートとN,N−ジメチル−4−アミノピリジンの存在下、溶媒中で反応させる方法等が使用される。溶媒としてはジクロロメタン、クロロホルム等が使用される。反応温度は10℃〜40℃が好適に使用される。
(工程(3b))
工程(3b)は、アミン体(d)と二酸化炭素または二硫化炭素とを反応させ下記式(e−2)で表されるウレア体またはチオウレア体を得る工程である。
Figure 0005436448
式中Ar 、Ar 、X は式(2−1−1)と同じであり、Zは酸素原子またはイオウ原子である。
ウレア体(e−2)を得る反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、アミン体(d)を、二酸化炭素、リン化合物および塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させる方法が使用される。
リン化合物としては、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル等が使用される。塩基性化合物としてはトリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピコリン等が使用される。溶媒としてはピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、クロロベンゼン、トルエン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃の範囲が好適に使用される。
他にもウレア体(e−2)を得る反応としては、アミン体(d)と一酸化炭素を反応させる方法あるいはアミン体(d)とホスゲンを反応させる方法等が使用される。
チオウレア体(e−2)を得る反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、アミン体(d)を、二硫化炭素および塩基性化合物の存在下、溶媒中で反応させる方法等が使用される。
塩基性化合物としてはトリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、ピコリン等が使用される。溶媒としてはアセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が使用される。反応温度は25℃〜90℃の範囲が好適に使用される。また、反応は上記条件で十分速やかに進行するが、反応を促進させるために四臭化炭素等を組み合わせることもできる。
(工程(4b))
工程(4b)は、得られたウレア体(e−2)を脱水させ、またはチオウレア体(e−2)を脱硫させ、環状カルボジイミド化合物(f)を得る工程である。
反応は従来公知な方法を用いることができ、例えば、ウレア体またはチオウレア体(e−2)を、塩化トルエンスルホニルあるいは塩化メチルスルホニルの存在下、溶媒中で反応し、ウレア体(e−2)では脱水、チオウレア体(e−2)では脱硫させる方法が使用される。
溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、ピリジン等が使用される。反応温度は0℃〜80℃の範囲が好適に使用される。
他にも環状カルボジイミド化合物(f)を得る反応としては、ウレア体(e−2)と酸化水銀を反応させる方法あるいはチオウレア体(e−2)と次亜塩素酸ナトリウムを反応させる方法等が使用される。
(2環のカルボジイミド化合物(F)の製造)
下記式(4−1−1)で表される2環のカルボジイミド化合物(F)は、以下の(1)〜(4)の工程により製造することができる。
Figure 0005436448
式中、X は炭素数1〜20のアルカンテトライル基である。Ar 、Ar 、Ar 、Ar は、各々独立に置換されていても良い炭素数5〜15のアリーレン基である。
工程(1)は、ニトロ体(C)を得る工程である。工程(1)には、工程(1A)と工程(1B)の2つの態様がある。工程(2)は、ニトロ体(C)からアミド体(D)を得る工程である。工程(3)および工程(4)は、アミド体(D)から2環のカルボジイミド化合物(F)を得る工程である。工程(3)〜(4)には、工程(3A)および工程(4A)経由する態様と、工程(3B)および工程(4B)を経由する態様がある。
カルボジイミド化合物(F)は、以下の経路で製造することができる。
(スキーム1)工程(1A)−工程(2A)−工程(3A)−工程(4A)
(スキーム2)工程(1A)−工程(2A)−工程(3B)−工程(4B)
(スキーム3)工程(1B)−工程(2A)−工程(3B)−工程(4B)
(スキーム4)工程(1B)−工程(2A)−工程(3A)−工程(4A)
(工程(1A))
工程(1A)は、下記式(A−1)〜(A−4)の化合物および下記式(B−1)の化合物を反応させ、下記式のニトロ体(C)を得る工程である。
Figure 0005436448
Figure 0005436448
Figure 0005436448
式中、Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じである。E〜Eは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基およびp−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。
反応条件は、前述した工程(1a)と同じである。
(工程(1B))
工程(1B)は、下記式(A−i)〜(A−iv)の化合物および下記式(B−i)の化合物を反応させ、下記式のニトロ体(C)を得る工程である。
Figure 0005436448
Figure 0005436448
Figure 0005436448
式中、Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じである。E〜Eは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基およびp−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。
反応条件は、前述した工程(1b)と同じである。
(工程(2A))
工程(2A)は、得られたニトロ体を還元して下記式のアミン体(D)を得る工程である。
Figure 0005436448
Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じである。
反応条件は、前述した工程(2a)と同じである。
(工程(3A))
工程(3A)は、得られたアミン体(D)とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式のトリフェニルホスフィン体(E−1)を得る工程である。
Figure 0005436448
式中Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じであり、Arはフェニル基である。反応条件は、前述した工程(3a)と同じである。
(工程(4A))
工程(4A)は、得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させ下記式の化合物(F)を得る工程である。
Figure 0005436448
(式中、Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じである。)
反応条件は、前述した工程(4a)と同じである。
(工程(3B))
工程(3B)は、アミン体と二酸化炭素あるいは二硫化炭素とを反応させ下記式のウレア体またはチオウレア体(E−2)を得る工程である。
Figure 0005436448
式中Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じであり、Zは酸素原子あるいは硫黄原子である。反応条件は、前述した工程(3b)と同じである。
(工程(4B)
工程(4B)は、得られたウレア体を脱水させ、またはチオウレア体を脱硫させ、下記式の化合物(F)を得る工程である。
Figure 0005436448
(式中、Ar 〜Ar 、X は式(4−1−1)と同じである。)
反応条件は、前述した工程(4b)と同じである。
環状カルボジイミド化合物は、ポリマーの酸性基を有効に封止することができるが、本発明の主旨に反しない範囲において、所望により、例えば、従来公知のポリマーのカルボキシル基封止剤を併用することができる。かかる従来公知のカルボキシル基封止剤としては、特開2005−2174号公報記載の剤、例えば、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが例示される。
以下、実施例により本発明を説明する。
各種特性は以下の方法で測定した。
(1)環状カルボジイミド構造のNMRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物はH−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製JNR−EX270を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
(2)環状カルボジイミドのカルボジイミド骨格のIRによる同定:
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRによりカルボジイミドに特徴的な2,100〜2,200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製Magna−750を使用した。
(3)カルボキシル基濃度:試料を精製o−クレゾールに窒素気流下溶解、ブロモクレゾールブルーを指示薬とし、0.05規定水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定した。
合成例1 環状カルボジイミドCC1
Figure 0005436448
ω−ラウリンラクタム(0.05mol)とトリメチルオキソニウムフルボレート(0.1mol)、ジクロロメタン100mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下で仕込み、N雰囲気下還流反応を行った。反応6時間後、発生した塩をろ別除去し、ろ液を15%炭酸カリウム水溶液100mlで三回洗浄、さらに蒸留水100mlで三回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物Aを得た。
次に、中間生成物A(0.1mol)と塩酸ヒドロキシルアミン(0.11mol)、炭酸水素ナトリウム(0.15mol)、メタノール100mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下で仕込み、N雰囲気下還流反応を行った。反応6時間後、反応混合物をろ過し、ろ液から再結晶により中間生成物Bを得た。
次に、攪拌装置および滴下ロート、氷浴を設置した反応装置に中間生成物B(0.1mol)とピリジン50mlをN雰囲気下で仕込み攪拌させる。そこにメタンスルホニルクロリド(0.11mol)を徐々に滴下する。滴下後、N雰囲気下で氷浴中で6時間反応させる。反応後、500mlの水の入ったビーカーに移すと淡黄色固体が析出する。ろ過により固体を回収し、100mlの水で数回洗浄し、中間生成物Cを得た。
次に、攪拌装置および氷浴を設置した反応装置に中間生成物C(0.1mol)とジメトキシエタン50mlを仕込み、そこに、N雰囲気下、カリウムtert−ブトキシド(0.11mol)を分散させたジメトキシエタン20mlを徐々に加えた。氷浴中で2時間反応させた後、反応液よりCC1を得た。CC1の構造はNMR、IRにより確認した。
合成例2 環状カルボジイミドCC2
Figure 0005436448
o−ニトロフェノール(0.11mol)と1,2−ジブロモエタン(0.05mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(1g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)200mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了する。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物E(アミン体)が得られた。
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに中間生成物E(0.05mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下する。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置および滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.05mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させる。
滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、CC2を得た。CC2の構造はNMR、IRにより確認した。
実施例1 CC2によるポリ乳酸の末端封止
Lラクチド((株)武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し触媒失活剤として、1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3Paで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリL−乳酸を得た。得られたポリL−乳酸のカルボキシル基濃度は14当量/tonであった。
得られたポリL−乳酸100重量部と、0.5重量部の環状カルボジイミド(CC2)とを2軸ルーダーで、溶融混練した(シリンダー温度210℃、滞留時間3分間)。ポリL−乳酸のカルボキシル基濃度は0.4当量/ton以下に減少していた。また、混練後のルーダー出口でイソシアネート臭はしなかった。
実施例2 CC1によるポリ乳酸の末端封止
実施例1において、環状カルボジイミド(CC2)を、環状カルボジイミド(CC1)に替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は0.7当量/ton以下に減少していた。また、混練後のルーダー出口でイソシアネート臭はしなかった。
比較例1 直鎖状カルボジイミド化合物によるポリ乳酸の末端封止
実施例1において、環状カルボジイミド化合物(CC2)を、ラインケミージャパン(株)製の線状カルボジイミド、「スタバクゾール」Iに替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は0.6当量/tonであったが、ルーダー出口においてイソシアネートの悪臭が強く発生した。
実施例3 CC2によるポリアミドの末端封止
ポリメタキシレンアジパミド(三菱ガス化学(株)製「MXナイロンS6001」)は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミドであり、カルボキシル基濃度は70当量/tonであった。このポリメタキシレンアジパミド100重量部と、2.0重量部の環状カルボジイミド化合物(CC2)とを、2軸ルーダーで溶融混練した(シリンダー温度260℃、滞留時間3分)。ポリメタキシレンアジパミドのカルボキシル基濃度は1.5当量/ton以下に減少していた。また、混練後のルーダー出口でイソシアネート臭はしなかった。
比較例2 直鎖状カルボジイミド化合物によるポリアミドの末端封止
実施例3において、環状カルボジイミド化合物(CC2)を、ラインケミージャパン(株)製の線状カルボジイミド、「スタバクゾール」Iに替え、その他の条件は同様にして反応させたところ、カルボキシル基濃度は2.2当量/tonであったが、ルーダー出口においてイソシアネートの悪臭が強く発生した。
本発明の方法は、ポリマーの安定化に利用することができる。

Claims (15)

  1. カルボジイミド基を1個有し、その第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を形成する原子数が8〜30である化合物を、酸性基を有するポリマーの末端封止剤として使用する方法。
    Figure 0005436448
    (式中、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。 )
    Figure 0005436448
    (式中、Ar およびAr は各々独立に、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基であり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。R およびR は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、これらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基の組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。X およびX は各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX 、あるいはX が、他のX 、あるいはX と異なっていてもよい。X は、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数5〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせであり、ヘテロ原子、置換基を含んでいてもよい。また、Qが2価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX は全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X およびX の内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  2. 遊離イソシアネート化合物の発生を抑制する請求項1記載の方法。
  3. 環状構造を含む化合物が、下記式(2)で表される化合物である請求項1記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、Qは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である。
    Figure 0005436448
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)中のAr 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkと同じである。)
  4. 環状構造を含む化合物が、下記式(2−1−1)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、Ar 、Ar は、各々独立に置換されていても良い、炭素数5〜15のアリーレン基である。X は、炭素数1〜20のアルキレン基である。)
  5. 環状構造を含む化合物が、下記式(2−1−1a)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、R、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。X は、炭素数1〜20のアルキレン基である。)
  6. 環状構造を含む化合物が、下記式(3)で表される化合物である請求項1記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、Qは、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基である。Yは、環状構造を担持する担体である。 )
    Figure 0005436448
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。
  7. Yは、原子、原子団またはポリマーである請求項記載の方法。
  8. 環状構造を含む化合物が、下記式(4)で表される化合物である請求項1記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、Qは、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基である。ZおよびZは、環状構造を担持する担体である。)
    Figure 0005436448
    (式中、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar 、Ar 、R 、R 、X 、X 、X 、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  9. およびZは各々独立に、原子、原子団またはポリマーである請求項記載の方法。
  10. 環状構造を含む化合物が、下記式(4−1−1)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、X は炭素数1〜20のアルカンテトライル基である。Ar 、Ar 、Ar 、Ar は、各々独立に置換されていても良い、炭素数5〜15のアリーレン基である。)
  11. 環状構造を含む化合物が、下記式(4−1−1c)で表される化合物である請求項記載の方法。
    Figure 0005436448
    (式中、X は炭素数1〜20のアルカンテトライル基である。R、R、R、Rは各々独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。)
  12. ポリマーが、ポリエステル、ポリアミドおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の方法。
  13. ポリマーが、ポリ乳酸である請求項1に記載の方法。
  14. 酸性基を有するポリマーにカルボジイミド基を有する化合物を添加して酸性基を封止する際に、遊離イソシアネート化合物の発生を抑制する方法であって、カルボジイミド化合物として、カルボジイミド基を1個有し、その第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている請求項1に記載の環状構造を含む化合物を用いることを特徴とする方法。
  15. 該酸性基を有するポリマーと該環状構造を含む化合物とを、0.1分から2時間、溶融混練する請求項14記載の方法。
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