JP6865607B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂、全芳香族ポリアミド繊維および環状カルボジイミド化合物からなる樹脂組成物であって、優れた機械的強度とウエルド強度を有する樹脂組成物に関する。
近年、自動車業界では燃費規制から軽量化の要求が高まっており、エンジニアリングプラスチックが多く使用されている。また耐熱性が要求される部材にはポリアリーレンスルフィド樹脂などスーパエンジニアリングプラスチックが使用されている。耐熱性向上には樹脂に充填剤を配合する必要があるが、軽量性、機械的強度、摺動性のバランスから芳香族ポリアミド繊維が充填剤として優れている。しかし、単に樹脂に芳香族ポリアミド繊維を配合しただけでは樹脂と繊維の密着性が悪く、機械特性の低下、特にウエルド強度の低下が問題となる。
ポリアリーレンスルフィド樹脂と芳香族ポリアミド繊維の摺動性、及び機械特性を改良する試みとしては、例えば、(a)ポリフェニレンサルファイド、(b)特定の長い繊維長を有するポリアラミド繊維の摺動材料(特許文献1)、(a)ポリフェニレンスルフィド樹脂、(b)アラミド繊維、(c)チタン酸カリウム繊維、(d)潤滑剤からなる樹脂組成物(特許文献2)、(a)ポリフェニレンサルファイド樹脂、(b)アラミド繊維、(c)ステンレスフレークからなる樹脂組成物(特許文献3)が提案されている。
また、ナイロン樹脂と芳香族ポリアミド繊維の機械特性を改良する試みとしては、例えば、(a)ナイロン4,6樹脂、(b)エポキシ化合物、(c)アラミド繊維を含む強化充填剤からなる樹脂組成物(特許文献4)が提案されている。
また、熱可塑性樹脂とアラミド繊維で機械特性を改良する試みとしては、例えば、(a)熱可塑性樹脂、(b)中空微小球、(c)アラミド繊維を含む特定の有機繊維からなる樹脂組成物(特許文献5)が提案されている。しかしながら、特許文献1〜5に提案された方法においては、樹脂と繊維の密着性やウエルド強度については述べられていない。
また、フッ素系エチレン性共重合体と芳香族ポリアミド繊維の摺動性と機械特性を改良する試みとしては、例えば、反応基を有する含フッ素系エチレン性共重合体、無機充填剤またはアラミド繊維、フェール繊維、ポリイミド樹脂もしくはCOPNA樹脂からなる有機充填剤からなる樹脂組成物(特許文献6)が提案されている。しかしながら、特許文献6に提案された方法においては、樹脂と充填剤の密着性について述べているが、ウエルド強度については記載がなく、また含フッ素系エチレン性共重合体であるため機械強度は十分ではなかった。
特開昭63−162727号公報 特開平2−202548号公報 特許第3225630号公報 特許第2669817号公報 特開2016−108372号公報 特許第3940820号公報
本発明の課題は、優れた機械的強度とウエルド強度を有する樹脂組成物を提供することである。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂、全芳香族ポリアミド繊維および環状カルボジイミド化合物からなる樹脂組成物が、優れた機械的強度とウエルド強度を有することを見出し本発明に至った。
具体的には、上記課題は、(A)末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜100重量部および(C)カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を直接形成する原子数が8〜50である化合物(C成分)0.001〜10重量部を含有する樹脂組成物により達成される。
Figure 0006865607
(式中、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。)
Figure 0006865607
(式中、ArおよびArは各々独立に、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基である。RおよびRは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。XおよびXは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。Xは、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
本発明の好適な態様の1つは、(2)式(1)中のQが下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である上記構成1の樹脂組成物である。
Figure 0006865607
(式中、Ara(aは下付、以下同様)およびAraは各々独立に、2価の炭素数6〜15の芳香族基である。RaおよびRaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。saは0〜10の整数である。kaは0〜10の整数である。XaおよびXaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。Xaは、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ara、Ara、Ra、Ra、Xa、XaおよびXaはヘテロ原子を含有していてもよい。)
本発明の好適な態様の1つは、(3)C成分が下記式(3)で表される化合物である上記構成1の樹脂組成物である。
Figure 0006865607
(式中、Qb(bは下付、以下同様)は下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であり、Yは環状構造を担持する担体であり、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。)
Figure 0006865607
(式中、Arb、Arb、Rb、Rb、Xb、Xb、Xb、sbおよびkbは、各々式(1−1)〜(1−3)Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。)
本発明の好適な態様の1つは、(4)C成分が下記式(4)で表される上記構成1の樹脂組成物である。
Figure 0006865607
(式中、Qc(cは下付、以下同様)は下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であり、ZおよびZは、環状構造を担持する担体であり、各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。)
Figure 0006865607
(式中、Arc、Arc、Rc、Rc、Xc、Xc、Xc、scおよびkcは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
本発明の好適な態様の1つは、(5)B成分がパラ系アラミド繊維である上記構成1〜4のいずれかの樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(6)A成分がポリアリーレンスルフィド系樹脂またはポリエステル系樹脂である上記構成1〜5のいずれかの樹脂組成物である。
本発明の好適な態様の1つは、(7)上記構成1〜6のいずれかの樹脂組成物からなる成形品である。
本発明の好適な態様の1つは、(8)射出成形、押出成形、熱成形、ブロー成形または発泡成形により成形された上記構成7の成形品である。
本発明の好適な態様の1つは、(9)自動車部品、電気・電子部品、電気機器外装部品、OA外装部品である上記構成7または8の成形品である。
以下、本発明の詳細について説明する。
(A成分:末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂)
本発明のA成分として使用される熱可塑性樹脂は、環状カルボジイミド化合物との反応性を高める目的で、末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂である。末端基がカルボキシル基で置換されていない熱可塑性樹脂を使用した場合、環状カルボジイミド化合物との反応が起こりにくく、十分な機械的強度、ウエルド強度の向上効果が得られない。
本発明で使用される末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂は、末端カルボキシル基を制御する方法、ベース樹脂にカルボキシル基含有化合物を修飾する方法、またカルボキシル基含有の構成成分を共重合する方法など、公知の技術により製造することができる。
官能基含有化合物を修飾する場合のベースとなる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリーレート(PAR)、液晶ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)などのビニル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリアリーレンスルフィド(PAS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、変性PPE、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、変性PSU、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、およびポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂などが挙げられる。また、熱可塑性樹脂は、これらの共重合体、変性体および2種類以上の樹脂をブレンドした樹脂などであってもよい。
本発明で用いられる官能基含有化合物を熱可塑性樹脂に修飾したものの具体例としては、アミノ基変性ポリオレフィン樹脂、アクリル酸変性ポリオレフィン樹脂および無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
本発明で用いられる末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂としては、環状カルボジイミド化合物との反応性が高いことから、ポリアリーレンスルフィド系樹脂およびポリエステル系樹脂が好ましく用いられる。
本発明で用いられる末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂のカルボキシル基の当量は、5〜200eq/tonであることが好ましく、より好ましくは7〜150eq/ton、さらに好ましくは10〜100eq/tonである。カルボキシル基の当量が5eq/tonより少ない場合、環状カルボジイミド化合物との反応が起こりにくく、十分な機械強度の向上効果が得られない場合がある。また、カルボキシル基の当量が200eq/tonよりも多い場合は、かえって機械強度やウエルド強度を悪化させてしまう場合がある。
ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、その構成単位として、例えばp−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等よりなるものを挙げることができ、その中でも、p−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましく、さらに、ポリ(p−フェニレンスルフィド)がより好ましい。
またポリアリーレンスルフィド樹脂の末端構造として、カルボキシル基の反応性官能基を末端に有するポリアリーレンスルフィド樹脂から選ばれる少なくとも1種の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂を用いる。カルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法の好適な重合方法としては、ジヨード芳香族化合物と硫黄元素を含む反応物を重合反応させる段階、前記重合反応段階を進行しながら、カルボキシル基を有する化合物を添加してポリアリーレンスルフィド主鎖の末端基中をカルボキシル基で置換する製造方法が挙げられる。前記カルボキシル基を有する化合物で用いられる代表的な例は、2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、および2,2’−ジチオ安息香酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。前記カルボキシル基を有する化合物は、ジヨード芳香族化合物100重量部を基準に約0.0001〜5重量部添加され得る。
前記カルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂とは、FT−IR分光法のFT−IRスペクトルにて、カルボキシル基由来の約1600〜1800cm−1のピークを示し、ポリアリーレンスルフィドのFT−IRスペクトル上で、1400〜1600cm−1で現れる芳香環伸縮ピークの高さ強度を100%としたとき、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度が0.001〜10%であるポリアリーレンスルフィド樹脂である。
(B成分:全芳香族ポリアミド繊維)
本発明のB成分として使用される全芳香族ポリアミド繊維は、ポリアミドを構成する繰返し単位の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、全芳香族ホモポリアミド、または、芳香族コポリアミドからなる全芳香族ポリアミド繊維をカットし短繊維としたものであることが好ましい。
ここで、全芳香族ポリアミド繊維となる芳香族基は、同一、または相異なる芳香族基からなるものでも構わない。また、芳香族基の水素原子は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基で置換されていても良い。このような全芳香族ポリアミド繊維の製造方法や繊維特性については、従来公知の、例えば特開昭49−100322号公報、特公昭47−10863号公報、特開昭58−144152号公報、特開平4−65513号公報などに記載されているものが使用できる。
また、上記全芳香族ポリアミド繊維の中でも、パラ型芳香族ポリアミド繊維であることが、耐熱性及び強度に優れているので好ましい。パラ型芳香族ポリアミド繊維は、上記全芳香族ポリアミドの延鎖結合が共軸または平行で、かつ、反対方向に向いているポリアミドからなる繊維である。具体的には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(例えば、テイジンアラミドB.V.製、「トワロン」)や、共重合型の全芳香族ポリアミド繊維であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維(例えば、帝人テクノプロダクツ(株)製、「テクノーラ」)等が例示され、特に共重合型である後者は、複合材料とした時の機械的強度、特に衝撃強度が高く好ましい。
本発明に用いる全芳香族ポリアミド短繊維の単繊維繊度は、好ましくは0.1〜5.5dtex、より好ましくは0.3dtex〜2.5dtexの範囲である。0.1dtex未満の場合は製糸技術上困難な点が多く、断糸や毛羽が発生して良好な品質の繊維を安定して生産することが困難になるだけでなく、コストも高くなる場合があるため好ましくない。一方、5.5dtexを超えると、繊維の機械的物性、特に強度低下が大きくなり、かつ繊維強化樹脂成形体としたときに、成形体中に均一に繊維を分散させることが困難となる場合があるため好ましくない。
本発明に用いる短繊維束は、上記の全芳香族ポリアミド短繊維が複数集束してなる短繊維束であり、その総繊度は、好ましくは5,010〜25,050dtex、より好ましくは5,010〜16,700dtexの範囲である。総繊度が5,010dtex未満では、短繊維束1個当たりの重量が軽く、繊維強化成形材料の製造工程での、短繊維束とマトリクス樹脂とのドライブレンドや、サイドフィーダーによる短繊維束の供給等における流動性に劣り、一方、総繊度25,050dtexを超えると、カットした際に集束性を得ることが難しい場合がある。
また、本発明においては、上記短繊維束の表面にサイズ剤が付着しており、これにより短繊維束を集束している。サイズ剤の付着量は、短繊維束の全重量に対して好ましくは5〜20重量%、より好ましくは7〜15重量%である。付着量が5重量%未満の場合、短繊維束の集束性が不十分となり、ハンドリング性が悪化したり、樹脂ペレットと混合する工程において容易に短繊維束が開繊し、繊維塊状物が発生するなどの問題が生じる場合があり、一方、付着量が20重量%を超えると、製造が困難となる場合があるため好ましくない。
本発明で使用するサイズ剤は、集束性を付与できるものであれば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれでもよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ変性ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル樹脂、またはこれらの樹脂のブレンドである。これらの樹脂は、水分散液または水溶液として用いる。なお、水分散液または水溶液には若干の溶剤を含んでいてもよい。また、本発明の目的を阻害しない範囲で、サイズ剤に難燃剤、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防錆剤、抗菌剤、顔料、シランカップリング剤、無機系微粒子などの機能剤を包含してもよく、また、繊維製造工程で付与する処理剤(油剤など)を除去せずそのまま使用してもよい。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、全芳香族ポリアミド繊維束に、上記サイズ剤を付与した後、これをカットして製造することができる。
サイズ剤を付与した繊維束の乾燥方法としては、加熱した金属ロール等に接触させる方法、非接触のヒーター中に通す方法、高温のスチームを付与する方法等が挙げられる。また、円柱形状の短繊維束を得やすくするために、乾燥工程の前に円形のノズルガイドを通したり、円柱状の穴を有する加熱された金型に通しても良い。いずれの方法を用いる場合でも、温度は120℃〜200℃、滞留時間0.05〜10分の条件で乾燥させるのが好ましいが、サイズ剤水溶液の付着量に応じて適宜調整した上で条件は設定することが必要である。またカットの方法としては、全芳香族ポリアミド繊維束の切断が可能ないずれのカッターを用いてカットしてもよく、具体的にはロータリーカッター、ギロチンカッター等を用いてカットすればよい。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、繊維軸に直交する断面において実質的に円形状の形態を有し、切断断面の扁平比が1〜5であることが好ましい。扁平比とは、工程カット切断装置を用いて切断した後の切断断面における長径と短径の比率であり、好ましくは1〜3が好ましい。この範囲にある場合、繊維強化熱可塑性樹脂の繊維補強効率が良好で好ましい。
本発明の樹脂補強用短繊維束の繊維長は、好ましくは1〜12mm、より好ましくは2〜10mmである。繊維長が1mm未満の場合には、複数本の単繊維が集束した、実質的に円柱状の短繊維を得ることが困難となる場合があり、一方12mmを超える場合には、マトリックス樹脂と溶融混合する際に単繊維同士が絡み合い、分散不良となりやすくなる場合があるため好ましくない。
本発明の短繊維束は、かさ密度が、好ましくは0.28〜0.40(g/ml)、より好ましくは0.35〜0.40(g/ml)である。ここでいうかさ密度とは、短繊維束を1,000mlメスシリンダーに100g採取し、このメスシリンダーを30mmの高さから落下させることを10回繰り返して、そのメスシリンダーの短繊維束の体積V(ml)とその重量W(g)から下記式により得られるものである。
かさ密度(g/l)=W/V
かさ密度が0.28(g/ml)未満の場合、集束性が不十分となって短繊維束に毛羽を多く含み、また成形工程でもさらに前述の如く解繊し易く、工程通過性が低下する場合がある。一方、かさ密度が0.4(g/ml)を超える場合、付与したサイジング剤が多く、押出機で多量の分解ガス発生の原因になり易いし、また、ストランドが硬く剛直であるため工程通過性が低下する場合がある。本発明の短繊維束のかさ密度を、上記範囲内にするには、前記の短繊維束の総繊度、繊維長の範囲とすることが好ましい。
また、本発明の短繊維束は、好ましくは安息角が50°以下、より好ましくは45°以下である。上記範囲を逸脱すると、マトリクス樹脂とのドライブレンド性、またはサイドフィーダーによる供給性、及び練合・押出し性が低下する場合がある。ここで、安息角とは、一般に粉体、ペレットなど(本発明においては、本発明の短繊維束)を積み上げたときに自発的に崩れることなく安定を保つ斜面の角度であり、これを「安息角」と呼ぶ。安息角は、主に短繊維束の大きさ、つまり短繊維の総繊度、繊維長等によって決まり、短繊維束の角の丸み、さらには摩擦係数などが影響する場合もある。よって、上記安息角とするには、前記の短繊維束の総繊度、繊維長の範囲とすることが好ましい。本発明の短繊維束において、安息角が小さいことは、流動性に優れていることを示すものである。
本発明の樹脂補強用短繊維束は、集束性、流動性に優れており、これを用いて繊維強化成形材料を製造する場合には、該短繊維束とマトリクス樹脂とのドライブレンド性、またはサイドフィーダーによる供給安定性、押出し機から押出されるストランドの吐出速度均一性、ストランド切れに対する安定性などが極めて良好となる。
B成分の含有量は、A成分100重量部に対し、10〜100重量部であり、好ましくは15〜80重量部、より好ましくは20〜50重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では、機械的強度が劣り、100重量部を超えると生産または成形加工性が低下し、最悪の場合押し出しができなくなる。
(C成分:環状カルボジイミド化合物)
本発明のC成分として使用される環状カルボジイミド化合物は環状構造を有する。環状カルボジイミド化合物は、環状構造を複数有していてもよい。環状構造を有しないカルボジイミド化合物を使用した場合、熱可塑性樹脂との反応性が低いため十分な機械的強度やウエルド強度の向上効果が得られない。
環状構造は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている。一つの環状構造中には、1個のカルボジイミド基のみを有する。環状構造中の原子数は8〜50であり、好ましくは10〜30、より好ましくは10〜20、最も好ましいのは10〜15である。
ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8より小さいと、環状カルボジイミド化合物の安定性が低下して、保管、使用が困難となる。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50を超える原子数の環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する。
環状構造は、下記式(1)で表される構造である。
Figure 0006865607
式中、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。
Figure 0006865607
式中、ArおよびArは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基である。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数6〜15のアリーレン基、炭素数6〜15のアレーントリイル基、炭素数6〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基(2価)として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびRは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。シクロアルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。シクロアルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数6〜15のアリーレン基、炭素数6〜15のアレーントリイル基、炭素数6〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これら芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
およびXは各々独立に、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂肪族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これらの脂環族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数6〜15のアリーレン基、炭素数6〜15のアレーントリイル基、炭素数6〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
式(1−1)、(1−2)においてs、kは0〜10の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0〜1の整数である。sおよびkが10を超えると、環状カルボジイミド化合物は合成上困難となり、コストが大きく上昇する場合が発生するためである。かかる観点より整数は好ましくは0〜3の範囲が選択される。なお、sまたはkが2以上であるとき、繰り返し単位としてのX、あるいはXが、他のX、あるいはXと異なっていてもよい。
は、それぞれヘテロ原子ならびに置換基を含んでいてもよい、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。
脂肪族基として、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数1〜20のアルカントリイル基、炭素数1〜20のアルカンテトライル基などが挙げられる。アルキレン基として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、へキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、メタントリイル基、エタントリイル基、プロパントリイル基、ブタントリイル基、ペンタントリイル基、ヘキサントリイル基、ヘプタントリイル基、オクタントリイル基、ノナントリイル基、デカントリイル基、ドデカントリイル基、ヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、メタンテトライル基、エタンテトライル基、プロパンテトライル基、ブタンテトライル基、ペンタンテトライル基、ヘキサンテトライル基、ヘプタンテトライル基、オクタンテトライル基、ノナンテトライル基、デカンテトライル基、ドデカンテトライル基、ヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂肪族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
脂環族基として、炭素数3〜20のシクロアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルカントリイル基、炭素数3〜20のシクロアルカンテトライル基が挙げられる。シクロアルキレン基として、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロドデシレン基、シクロへキサデシレン基などが挙げられる。アルカントリイル基として、シクロプロパントリイル基、シクロブタントリイル基、シクロペンタントリイル基、シクロヘキサントリイル基、シクロヘプタントリイル基、シクロオクタントリイル基、シクロノナントリイル基、シクロデカントリイル基、シクロドデカントリイル基、シクロヘキサデカントリイル基などが挙げられる。アルカンテトライル基として、シクロプロパンテトライル基、シクロブタンテトライル基、シクロペンタンテトライル基、シクロヘキサンテトライル基、シクロヘプタンテトライル基、シクロオクタンテトライル基、シクロノナンテトライル基、シクロデカンテトライル基、シクロドデカンテトライル基、シクロヘキサデカンテトライル基などが挙げられる。これら脂環族基は置換基を含んでいてもよく、置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリーレン基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
芳香族基として、それぞれへテロ原子を含んで複素環構造を持っていてもよい、炭素数6〜15のアリーレン基、炭素数6〜15のアレーントリイル基、炭素数6〜15のアレーンテトライル基が挙げられる。アリーレン基として、フェニレン基、ナフタレンジイル基などが挙げられる。アレーントリイル基(3価)として、ベンゼントリイル基、ナフタレントリイル基などが挙げられる。アレーンテトライル基(4価)として、ベンゼンテトライル基、ナフタレンテトライル基などが挙げられる。これらの芳香族基は置換されていても良い。置換基として、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミド基、ヒドロキシル基、エステル基、エーテル基、アルデヒド基などが挙げられる。
また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
<環状カルボジイミド(2)>
Figure 0006865607
式中、Qは、下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である。
Figure 0006865607
式中、Ara(aは下付、以下同様)およびAraは各々独立に、2価の炭素数6〜15の芳香族基である。RaおよびRaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。saは0〜10の整数である。kaは0〜10の整数であるXaおよびXaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。Xaは、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ara、Ara、Ra、Ra、Xa、XaおよびXaはヘテロ原子を含有していてもよい。かかる環状カルボジイミド化合物(2)としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
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Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
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Figure 0006865607
Figure 0006865607
<環状カルボジイミド(3)>
Figure 0006865607
式中、Qb(bは下付、以下同様)は、下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であり、Yは環状構造を担持する担体である。
Figure 0006865607
式中、Arb、Arb、Rb、Rb、Xb、Xb、Xb、sbおよびkbは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。Yは、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。Yは結合部であり、複数の環状構造がYを介して結合し、式(3)で表される構造を形成している。かかる環状カルボジイミド化合物(3)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
<環状カルボジイミド(4)>
Figure 0006865607
式中、Qc(cは下付、以下同様)は、下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であり、ZおよびZは環状構造を担持する担体である。ZおよびZは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
Figure 0006865607
Arc、Arc、Rc、Rc、Xc、Xc、Xc、scおよびkcは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。
およびZは各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。ZおよびZは結合部であり、複数の環状構造がZおよびZを介して結合し、式(4)で表される構造を形成している。かかる環状カルボジイミド化合物(4)としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 0006865607
Figure 0006865607
Figure 0006865607
C成分の含有量は、A成分100重量部に対し、0.001〜10重量部であり、好ましくは、0.01〜7重量部、より好ましくは、0.1〜5重量部である。C成分の含有量が0.001重量部より少ない場合、A成分のカルボキシル末端量に対して、環状カルボジイミドのカルボジイミド基の数が少なすぎるために、十分な機械強度やウエルド強度の向上効果が得られない。また、環状カルボジイミド化合物の添加量が10重量部よりも多い場合は、生産または成形加工性が低下し、最悪の場合押し出しができなくなる。
<環状カルボジイミド化合物の製造方法>
環状カルボジイミド化合物は従来公知の方法により製造することができる。例として、アミン体からイソシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からイソチオシアネート体を経由して製造する方法、アミン体からトリフェニルホスフィン体を経由して製造する方法、アミン体から尿素体を経由して製造する方法、アミン体からチオ尿素体を経由して製造する方法、カルボン酸体からイソシアネート体を経由して製造する方法、ラクタム体を誘導して製造する方法などが挙げられる。
また、本発明の環状カルボジイミド化合物は、以下の文献に記載された方法を組み合わせ及び改変して製造することができ、製造する化合物によって適切な方法を採用する事が出来る。
Tetrahedron Letters,Vol.34,No.32,515−5158,1993.
Medium−and Large−Membered Rings from Bis(iminophosphoranes):An Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides, Pedro Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.61,No.13,4289−4299,1996.
New Models for the Study of the Racemization Mechanism of Carbodiimides.Synthesis and Structure(X−ray Crystallography and 1H NMR) of Cyclic Carbodiimides, Pedro
Molina etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.43,No8,1944−1946,1978.
Macrocyclic Ureas as Masked Isocyanates,
Henri Ulrich etal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.48,No.10,1694−1700,1983.
Synthesis and Reactions of Cyclic Carbodiimides,
R.Richteretal.
Journal of Organic Chemistry,Vol.59,No.24,7306−7315,1994.
A New and Efficient Preparation of Cyclic Carbodiimides from Bis(iminophosphoranea)and the System Boc2O/DMAP,Pedro Molina etal.
製造する化合物に応じて、適切な製法を採用すればよいが、例えば、(1)下記式(a−1)で表されるニトロフェノール、下記式(a−2)で表されるニトロフェノールおよび下記式(b)で表される化合物を反応させ、下記式(c)で表されるニトロ体を得る工程、
Figure 0006865607
(2)得られたニトロ体を還元して下記式(d)で表わされるアミン体を得る工程、
Figure 0006865607
(3)得られたアミン体とトリフェニルホスフィンジブロミドを反応させ下記式(e)で表されるトリフェニルホスフィン体を得る工程、および
Figure 0006865607
(4)得られたトリフェニルホスフィン体を反応系中でイソシアネート化した後、直接脱炭酸させる工程により製造したものは、本願発明に用いる環状カルボジイミド化合物として好適に用いることができる。(上記式中、ArおよびArは各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい芳香族基である。EおよびEは各々独立に、ハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基およびメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ基からなる群から選ばれる基である。Arは、フェニル基である。Xは、下記式(i−1)〜(i−3)の結合基である。)
Figure 0006865607
(式中、ni−1は1〜6の整数である。)
Figure 0006865607
(式中、mi−2およびni−2は各々独立に0〜3の整数である。)
Figure 0006865607
(式中、Ri−3およびR’i−3は各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基を表す。)
(その他の成分)
本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーン・アクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコア−シェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本発明における樹脂組成物は本発明の効果を損なわない範囲で、全芳香族ポリアミド繊維以外の充填剤や酸化防止剤、耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(赤燐、リン酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)および他の重合体を添加することができる。
(樹脂組成物の製造)
本発明の樹脂組成物は上記各成分を同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは二軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分をサイドフィーダー等を用いて第二供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
二軸押出機に使用するスクリューは、輸送用順フライトピースの間に多種多様な形状のスクリュピースを挿入して複雑に組合せ、一体化して一本のスクリューとして構成されており、順フライトピース、順ニーディングピース、逆ニーディングピース、逆フライトピースなどのスクリュピースを処理対象原材料の特性を考慮して、適宜の順序および位置に配置して組み合わせたものなどを挙げることができる。
溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜4mmである。
(成形品について)
本発明の樹脂組成物を用いてなる成形品は、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形、押出し成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、多色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品、シート、フィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形等により成形品とすることも可能である。
本発明の樹脂組成物は、優れた機械的強度と剛性、熱伝導率を併せ持つ樹脂組成物であることから、パソコン(ノートブック、ウルトラブック)、タブレット、携帯電話用ハウジング、ハイブリッド自動車や電気自動車用のインバータハウジング、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの電気、電子機器の筐体およびトレイやシャーシなどの内部部材やそのケース、機構部品、パネルなどの建材用途、モーター部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、サスペンション部品、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係、排気系または吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、各種アーム、各種フレーム、各種ヒンジ、各種軸受、燃料ポンプ、ガソリンタンク、CNGタンク、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、ハンドル、ドアビーム、プロテクター、シャーシ、フレーム、アームレスト、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、ラジエターサポート、スペアタイヤカバー、シートシェル、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、アンダーカバー、スカッフプレート、ピラートリム、プロペラシャフト、ホイール、フェンダー、フェイシャー、バンパー、バンパービーム、ボンネット、エアロパーツ、プラットフォーム、カウルルーバー、ルーフ、インストルメントパネル、スポイラーおよび各種モジュールなどの自動車、二輪車関連部品、部材および外板やランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、風車の羽根などにおいて幅広く有用であり、特に自動車や二輪車のエンジン周り部品や発熱性の高い半導体素子、抵抗などの封止部品、または高い摩擦熱が発生する摺動部品に有用であり、その奏する産業上の効果は格別である。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
[樹脂組成物の評価]
(1)引張破断強度
ISO527(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)により成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の機械的強度が優れていることを意味する。
(2)曲げ強度
ISO178(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)により成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物の機械的強度が優れていることを意味する。
(3)ウエルド引張強度
ISO527に準拠した引張試験片の両側に設けたサイドゲートから樹脂を充填させ試験片中央部にウエルドを作成した。得られた試験片をISO527(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)により成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物のウエルド引張強度が優れていることを意味する。
(4)ウエルド曲げ強度
ISO527に準拠した引張試験片の両側に設けたサイドゲートから樹脂を充填させ試験片中央部にウエルドを作成した。得られた試験片を切削せずそのまま用い、試験片形状以外はISO178(測定条件23℃)に準拠して測定した。なお、試験片は射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)により成形した。この数値が大きいほど樹脂組成物のウエルド曲げ強度が優れていることを意味する。
[実施例1〜3、6、比較例1〜7]
ポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維およびカルボジイミドを表1記載の各配合量で、ベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX−30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件は吐出量16kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで320℃とした。なお、ポリアリーレンスルフィド樹脂、全芳香族ポリアミド繊維およびカルボジイミドはダイスから最も離れた第一供給口から押出機に供給した。得られたペレットを130℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機によりシリンダー温度320℃、金型温度140℃で各種評価用の試験片を成形した。
[実施例4]
ポリブチレンテレフタレート樹脂、全芳香族ポリアミド繊維およびカルボジイミド化合物を表1記載の各配合量で、実施例1と同様に実施した。押出条件は吐出量10kg/h、シリンダー温度260℃とし、射出条件は乾燥温度80℃で乾燥した後、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で各種評価用の試験片を成形した。
[実施例5]
ポリブチレンナフタレート樹脂、全芳香族ポリアミド繊維およびカルボジイミド化合物を表1記載の各配合量で、実施例1と同様に実施した。押出条件は吐出量10kg/h、シリンダー温度280℃とし、成形条件は乾燥温度120℃で乾燥した後、シリンダー温度280℃、金型温度80℃で各種評価用の試験片を成形した。
表1中の記号表記の各成分は下記の通りである。
<A成分>
PPS−1:以下の製造方法で得られたカルボキシル基の末端基構造を有するポリアリーレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン5130g及び硫黄450gに、反応開始剤としてメルカプトベンゾチアゾール4gを含む反応物を180℃に加熱して完全に溶融および混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を350Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度および圧力が各々300℃および1Torr以下となるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、重合反応を進行した。前記重合反応が80%進行した時(重合反応の進行程度は粘度による相対比率((現在粘度/目標粘度)×100%)の方法で確認した。)、重合停止剤としてメルカプトベンゾチアゾールを25g添加して反応を行った。1時間後、4−ヨード安息香酸51g添加して窒素雰囲気下で10分間反応を行い、0.5Torr以下に徐々に真空度を上げてさらに1時間反応を行った後反応を終了し、カルボキシ基を主鎖末端に含むポリアリーレンスルフィド樹脂を製造した。総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。FT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークの存在を確認した。また、前記FT−IRスペクトル上で、約1400〜1600cm−1で現れるRing stretchピークの高さ強度を100%とした時、前記約1600〜1800cm−1のピークの相対的高さ強度は約3.4%であることが確認された。
PPS−2:以下の製造方法で得られたカルボキシル基の末端基構造を有しないポリフェニレンスルフィド樹脂
[製造方法]
パラジヨードベンゼン300.00g及び硫黄27.00gに、重合停止剤としてジフェニルジスルフィド0.60g(最終的に重合されたPPSの重量に基づいて0.65重量%の含量)を投入して180℃に加熱して完全にそれらを溶融及び混合した後、温度を220℃に昇温し、且つ、圧力を200Torrに降圧した。得られた混合物を、最終温度及び圧力が夫々320℃及び1Torrとなるように温度及び圧力を段階的に変化させつつ、8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した。総塩素含有量は20ppm以下(検出限界以下)、総ナトリウム含有量は7ppmであった。FT−IRで分析して、スペクトル上で、約1600〜1800cm−1のカルボキシ基のピークが存在しないのを確認した。
PBT−1:ポリブチレンテレフタレート樹脂(ポリプラスチックス(株)製:ジュラネックス 500FP EF201R、IV値:0.88、末端カルボキシル基量:12eq/ton)
PBN−1:ポリブチレンナフタレート樹脂(帝人(株)製 TQB−OT、末端カルボキシル基量:16eq/ton)
<B成分>
B−1:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製 パラ系アラミド繊維 T322UR 長径:12μm、カット長:3mm、ウレタン系集束剤)
B−2:全芳香族ポリアミド繊維(帝人(株)製 パラ系アラミド繊維 T322EH 長径:12μm、カット長:3mm、ポリエステル系集束剤)
<C成分>
C−1:以下の同定方法、製造方法で得られた環状カルボジイミド
[同定方法]
(1)環状カルボジイミド構造のNMRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物のNMRによる同定は、日本電子(株)製JNREX270を使用し、1H−NMR、13C−NMRによって確認した。尚、溶媒は重クロロホルムを用いた。
(2)環状カルボジイミドのカルボジイミド骨格のIRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物のカルボジイミド骨格の同定は、ニコレー(株)製Magna−750を使用し、FT−IRよってカルボジイミドに特徴的な2100〜2200cm−1の吸収ピークを確認することで行った。
[製造方法]
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置及び加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物D(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物D(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去すると中間生成物E(アミン体)が得られた。次に攪拌装置及び加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌させた。そこに中間生成物E(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させる。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物F(トリフェニルホスフィン体)が得られた。
次に、攪拌装置及び滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌させる。そこに、25℃で中間生成物F(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、C−1成分を得た。C−1成分の構造はNMR、IRにより確認した。
Figure 0006865607
C−2:日清紡(株)製 カルボジライトLA−1 [脂肪族ポリカルボジイミド]
C−3:ラインケミージャパン(株)製 stabaxol−P[芳香族ポリカルボジイミド]
Figure 0006865607

Claims (9)

  1. (A)カルボキシル基の当量が、5〜200eq/tonである末端基中の少なくとも一部がカルボキシル基で置換された熱可塑性樹脂(A成分)100重量部に対し、(B)全芳香族ポリアミド繊維(B成分)10〜100重量部および(C)カルボジイミド基を1個有しその第一窒素と第二窒素とが結合基により結合されている下記式(1)で表される環状構造を含み、環状構造を直接形成する原子数が8〜50である化合物(C成分)0.001〜10重量部を含有する樹脂組成物。
    Figure 0006865607
    (式中、Qは、下記式(1−1)、(1−2)または(1−3)で表される2〜4価の結合基である。)
    Figure 0006865607
    (式中、ArおよびArは各々独立に、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基である。RおよびRは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。XおよびXは各々独立に、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。Xは、2〜4価の炭素数1〜20の脂肪族基、2〜4価の炭素数3〜20の脂環族基、2〜4価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXはヘテロ原子を含有していてもよい、また、Qが2価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXは全て2価の基である。Qが3価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが3価の基である。Qが4価の結合基であるときは、Ar、Ar、R、R、X、XおよびXの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  2. 式(1)中のQが下記式(2−1)、(2−2)または(2−3)で表される2価の結合基である請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 0006865607
    (式中、Ara(aは下付、以下同様)およびAraは各々独立に、2価の炭素数6〜15の芳香族基である。RaおよびRaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、およびこれらの組み合わせ、またはこれら脂肪族基、脂環族基と2価の炭素数6〜15の芳香族基の組み合わせである。sは0〜10の整数である。kは0〜10の整数である。XaおよびXaは各々独立に、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。Xaは、2価の炭素数1〜20の脂肪族基、2価の炭素数3〜20の脂環族基、2価の炭素数6〜15の芳香族基、またはこれらの組み合わせである。但し、Ara、Ara、Ra、Ra、Xa、XaおよびXa ヘテロ原子を含有していてもよい。)
  3. C成分が下記式(3)で表される化合物である請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 0006865607
    (式中、Qb(bは下付、以下同様)は下記式(3−1)、(3−2)または(3−3)で表される3価の結合基であり、Yは環状構造を担持する担体であり、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。)
    Figure 0006865607
    (式中、Arb、Arb、Rb、Rb、Xb、Xb、Xb、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)のAr、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但しこれらの内の一つは3価の基である。)
  4. C成分が下記式(4)で表される請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 0006865607
    (式中、Qc(cは下付、以下同様)は下記式(4−1)、(4−2)または(4−3)で表される4価の結合基であり、ZおよびZは、環状構造を担持する担体であり、各々独立に、単結合、二重結合、原子、原子団またはポリマーである。)
    Figure 0006865607
    (式中、Arc、Arc、Rc、Rc、Xc、Xc、Xc、sおよびkは、各々式(1−1)〜(1−3)の、Ar、Ar、R、R、X、X、X、sおよびkと同じである。但し、これらの内の一つが4価の基であるか、二つが3価の基である。)
  5. B成分がパラ系芳香族ポリアミド繊維である請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. A成分がポリアリーレンスルフィド系樹脂またはポリエステル系樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
  8. 射出成形、押出成形、熱成形、ブロー成形または発泡成形により成形された請求項7に記載の成形品。
  9. 自動車部品、電気・電子部品、電気機器外装部品、OA外装部品である請求項7または8に記載の成形品。
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