JP2011191621A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着装置20には、定着部材21や定着フレーム43を覆うとともに、定着部材21の表面の一部が定着装置20の外部から露呈するように形成された開口部48aを具備した定着外装カバー48が設置されている。画像形成装置本体1には、定着装置20が装着された状態で定着部材21の表面温度を検知する非接触型の温度検知手段50と、定着装置20の装着動作に連動して温度検知手段50が開口部48aを介して定着外装カバー48の内部に入り込むように温度検知手段50を保持する保持部材51と、が設置されている。
【選択図】図5
Description
ここで、特許文献1では、サーモパイル自体の温度上昇を軽減するために、サーモパイルを画像形成装置本体内であって定着装置の外部に設置している。そして、定着装置の外部の位置で加熱ローラに対向するように配設されたサーモパイルによって、加熱ローラの温度制御をおこなっている。
しかし、定着装置の外部に非接触型の温度検知手段が設置されることで、温度検知手段が画像形成装置本体内の気流の影響を受けて、温度検知手段の周囲の雰囲気温度の乱れによって、定着部材の表面温度を高精度に検知できない可能性があった。そして、このように温度検知手段によって定着部材の表面温度が高精度に検知できない場合には、定着部材の定着温度が安定せずに、出力画像上に定着不良が生じやすくなってしまう。
図1〜図5にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
なお、本実施の形態1では、定着装置20の定着ベルト21(定着部材)の表面温度を検知する温度センサ50(温度検知手段)が、定着装置20の側にではなく、装置本体1の側に設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
図2〜図5に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ベルト21(ベルト部材)、固定部材26、金属部材22(加熱部材)、補強部材23、加熱手段としてのヒータ25(熱源)、加圧回転体としての加圧ローラ31、断熱部材27、ステー部材28、等で構成される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。なお、本実施の形態1では、定着ベルト21の弾性層として、層厚が200μmのシリコーンゴムを用いている。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
定着ベルト21の内部(内周面側)には、固定部材26、ヒータ(加熱手段)、金属部材22、補強部材23、断熱部材27、ステー部材28、等が固設されている。また、図示は省略するが、定着ベルト21と金属部材22との間には、潤滑剤が介在(塗布)されている。
ここで、固定部材26は、定着ベルト21の内周面21aに摺接するように固定されている。そして、固定部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3を参照して、固定部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の定着フレーム43に固定支持されている。なお、固定部材26の構成については、後でさらに詳しく説明する。
そして、略パイプ状に形成された金属部材22は、ヒータ25の輻射熱により加熱されて定着ベルト21を加熱する(熱を伝える。)。すなわち、金属部材22がヒータ25によって直接的に加熱されて、金属部材22を介して定着ベルト21がヒータ25によって間接的に加熱されることになる。定着ベルト21の加熱効率を良好に維持するためには、金属部材22の厚さを0.1mm以下に設定することが好ましい。
金属部材22の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属である。)を用いることができるが、その中でも単位体積の熱容量比(密度×比熱である。)が比較的小さいフェライト系ステンレス鋼が好適である。本実施の形態1では、金属部材22の材料として、フェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いている。また、金属部材22の厚さを0.1mmに設定している。
なお、ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に対向する非接触型の温度センサ50(温度検知手段)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。また、このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。この非接触型の温度センサ50(温度検知手段)は、サーモパイル、非接触型サーミスタ等であって、定着装置20の側にではなく、装置本体1の側に設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
また、金属部材22と定着ベルト21とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、定着ベルト21の内周面には、双方の部材21、22の間にはフッ素グリスやシリコーンオイル等の潤滑剤が塗布されている。
なお、本実施の形態1では、金属部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、金属部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできる。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、鏡面処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が金属部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(金属部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径とほぼ同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
なお、定着ベルト21の加熱効率をさらに向上させるために、加圧ローラ31を直接的に加熱する熱源(例えば、加圧ローラ31の芯金内部に設置するヒータである。)を設けることもできる。
なお、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、固定部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の金属部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、金属部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形することがある。パイプ状の金属部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じる。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の金属部材22とは別に高剛性の固定部材26を設置してニップ部を形成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
また、固定部材26の表面層26aに、予め潤滑剤を含浸させることもできる。これにより、固定部材26は、定着ベルト21に当接する面に潤滑剤が保持された状態になり、双方の部材21、26が磨耗する不具合がさらに軽減される。
本実施の形態1では、定着ベルト21と金属部材22とがほぼ全周にわたって近接しているため、加熱待機時(プリント動作待機時)においても定着ベルト21を周方向に温度ムラなく加熱できる。したがって、プリント要求を受けた後、速やかにプリント動作をおこなうことができる。このとき、従来のオンデマンド方式の定着装置(例えば、特許第2884714号公報参照。)では、ニップ部で加熱待機時に加圧ローラを変形させたまま熱を与えてしまうと、加圧ローラのゴムの材質によっては、熱劣化を起こして加圧ローラの寿命が短くなってしまったり、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生してしまったりする(ゴムの圧縮永久ひずみは、ゴムの変形に加熱が加わることにより増大する。)。そして、加圧ローラに圧縮永久ひずみが発生すると、加圧ローラの一部が凹んだ状態になり、所望のニップ幅が得られないため、定着不良が発生したり、回転時に異音が生じたりする。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と金属部材22との間に断熱部材27が設置されているために、加熱待機時に金属部材22の熱が固定部材26に達しにくくなる。したがって、加熱待機時に加圧ローラ31が変形した状態で高温加熱される不具合が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
これに対して、本実施の形態1では、固定部材26と金属部材22との間に断熱部材27が設置されているために、金属部材22の熱がニップ部の潤滑剤に達しにくくなる。したがって、潤滑剤の高温による劣化が軽減されて、上述の問題が生じるのを抑止することができる。
略パイプ状の金属部材22は、0.1mm厚のステンレスからなる平板に曲げ加工を施して形成したものである。したがって、ステンレス板を曲げ加工によって所望のパイプ形状に加工しようとしても、そのままでは、スプリングバックによって径が大きくなる方向に開いてしまい所望のパイプ形状を形成することができない。そして、金属部材22がスプリングバックによって開いてしまうと、定着ベルト21の内周面に接触してしまい定着ベルト21を傷つけたり、定着ベルト21との接触ムラによる定着ベルト21の加熱ムラが生じたりしてしまう。本実施の形態1では、このような不具合が生じるのを抑止するために、金属部材22の開口部が形成された凹部22a(曲げ部)をステー部材28で固定することによって、金属部材22のスプリングバックによる変形を抑止している。具体的には、スプリングバック力に抗するように曲げ加工が施された金属部材22の形状を保持しながら、金属部材22の内周面側からステー部材28を凹部22aに圧入する。
上述したように、金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の金属部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、金属部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力が金属部材22に作用すると、その加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形してしまう。そして、パイプ状の金属部材22が変形してしまうと所望のニップ幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じてしまう。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の金属部材22に凹部22a(固定部材26が挿設されている部分である。)をニップ部から離れるように設けて、加圧ローラ31の加圧力が金属部材22に直接的に作用しないように構成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
また、定着装置20には、定着ベルト21、金属部材22、固定部材26、ヒータ25、補強部材23、加圧ローラ31、定着フレーム43等を覆う定着外装カバー48が設置されている。この定着外装カバー48は、定着装置20を全体的に覆うものであって、耐熱性樹脂材料で形成されている。定着外装カバー48を設置することで、ユーザーやサービスマンが定着装置20の着脱動作やジャム処理作業をおこなう場合であっても、定着工程がおこなわれた後で高温に達している定着フレーム43等の部材に直接的に触れてしまう不具合が抑止される。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、不図示の駆動モータから駆動力が伝達されて加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、ニップ部における加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、金属部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図2、図5を参照して、本実施の形態1における画像形成装置本体1には、温度検知手段としての温度センサ50、保持部材としてのセンサ・ブラケット51、本体ブラケット52、本体側カバー56、スタッド53、57、圧縮スプリング54、58、等が設置されている。他方、定着装置20は、定着外装カバー48に開口部48aが設けられ、定着フレーム43にも開口が設けられている。
詳しくは、図5に示すように定着装置20が装置本体1(一点鎖線で囲んでいる。)に対して白矢印方向に装着されると、センサ・ブラケット51(本体ブラケット52に保持されている。)に保持された温度センサ50が、定着装置20のいずれの部材と干渉することなく、開口部48aから定着外装カバー48の内部に入り込んでいく。そして、最終的に、図2に示すように、センサ・ブラケット51に保持された温度センサ50は、定着外装カバー48の内部で定着ベルト21に対向する位置に位置決めされて、定着工程時における定着ベルト21の温度制御に寄与することになる。同様に、定着装置20が装置本体1から離脱(図5の白矢印に対して反対方向の定着装置20の移動である。)されるときにも、センサ・ブラケット51に保持された温度センサ50は、定着装置20のいずれの部材と干渉することなく、開口部48aから定着外装カバー48の外部に取出されることになる。
また、装置本体1の側に設置した温度センサ50が、耐熱性を有する定着外装カバー48に覆われた状態で、対向する定着ベルト21の温度検知をおこなうため、温度センサ50が画像形成装置本体1内の気流の影響を受けて、温度センサ50の周囲の雰囲気温度の乱れによって、定着ベルト21の表面温度を高精度に検知できなくなる不具合が抑止される。すなわち、定着外装カバー48に覆われた位置で、温度センサ50によって定着ベルト21の表面温度が高精度に検知されることになり、出力画像上に定着不良が生じる不具合が軽減される。
この本体側カバー56は、耐熱性樹脂材料で形成されていて、装置本体1の筐体(不図示である。)に固設された本体ブラケット52に保持されている。詳しくは、本体側カバー56は、装置本体1に対する定着装置20の装着方向(図5の白矢印方向である。)に反する方向に付勢されるように装置本体1に保持されていて、装置本体1に定着装置20が装着された状態で開口部48aを覆うように定着外装カバー48に密着する。
そして、このように図5の左右方向に可動できるように付勢された本体側カバー56は、定着装置20が装着されると、圧縮スプリング58の付勢力によって定着外装カバー56に対して図2の破線で囲んだ位置で密着して当接することになる。詳しくは、本体側カバー56は、定着外装カバー48によって図2の左方に僅かに押圧された位置で、その位置が定められることになる。すなわち、装置本体1を構成する部品や定着装置20を構成する部品の部品精度が多少低くても、上述した構成により、定着外装カバー48と本体側カバー56との密着性が確保されることになる。
このように、定着外装カバー48の開口部48aが本体側カバー56によって密封されることで、定着ベルト21に対向する温度センサ50が、装置本体1内から隔絶された状態になる。したがって、温度センサ50は、画像形成装置本体1内の気流の影響をまったく受けずに、定着ベルト21の表面温度をさらに高精度に検知することができることになる。
具体的に、本体ブラケット52にはスタッド53が固設されている。そして、センサ・ブラケット51には、スタッド53が貫通する穴部(不図示である。)と、定着フレーム43に固定された位置決めピン43aに係合する位置決め用の穴部(不図示である。)と、が設けられている。さらに、スタッド53に周囲には、本体ブラケット52からセンサ・ブラケット51が離れるように双方の部材51、52を付勢する圧縮スプリング54が巻装されている。このような構成により、定着装置20が装着されていない状態(図5の状態である。)で、装置本体1に固定された本体ブラケット52に対して、センサ・ブラケット51が圧縮スプリング54のスプリング力によって図5の右方に付勢されて、本体ブラケット52とセンサ・ブラケット51とが腹当たりする位置(不図示である。)で、センサ・ブラケット51の位置が定まることになる。
そして、このように図5の左右方向に可動できるように付勢されたセンサ・ブラケット51は、定着装置20が装着されると、位置決めピン43aに係合しながら、圧縮スプリング54の付勢力によって定着フレーム43に押圧されてその位置が定まることになる。詳しくは、センサ・ブラケット51は、定着フレーム43によって図2の左方に僅かに押圧された位置で、その位置が定められることになる。すなわち、装置本体1を構成する部品や定着装置20を構成する部品の部品精度が多少低くても、上述した構成により、位置決めピン43aによってセンサ・ブラケット51の位置決めが確実におこなわれることになる。
このように、センサ・ブラケット51の位置決めが確実におこなわれることで、定着ベルト21に対向する温度センサ50の位置精度が高まることになる。したがって、温度センサ50によって定着ベルト21の表面温度がさらに高精度に検知されることになる。
このような構成により、温度センサ50が、定着装置20内において上昇する熱気やトナー中の含有成分の蒸気の影響をほとんど受けずに、高精度に定着ベルト21の温度検知をおこなうことができる。
図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図6は、実施の形態2における画像形成装置に定着装置が設置された状態を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、金属部材22が電磁誘導によって加熱される点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
定着ベルト21が図6中の矢印方向に回転駆動されると、定着ベルト21は誘導加熱部60との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、金属部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、金属部材22表面に渦電流が生じて、金属部材22自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、金属部材22が電磁誘導加熱されて、さらに加熱された金属部材22によって定着ベルト21が加熱される。
なお、金属部材22を効率的に電磁誘導加熱するためには、誘導加熱部60を金属部材22の周方向全域に対向するように構成することが好ましい。また、金属部材22の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。
このような場合にも、本実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
そして、その場合にも、画像形成装置本体側に非接触型の温度検知手段を設置して、画像形成装置本体への定着装置の装着動作に連動して温度検知手段が定着外装カバーに形成された開口部を介して定着外装カバーの内部に入り込んで定着部材に対向するように構成することで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(定着部材)、
22 金属部材、
23 補強部材、
25 ヒータ(加熱手段)、
26 固定部材、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、
43 定着フレーム、
43a 位置決めピン、
48 定着外装カバー、
48a 開口部、
50 温度センサ(温度検知手段)、
51 センサ・ブラケット(保持部材)、
52 本体ブラケット、
56 本体側カバー。
Claims (7)
- 画像形成装置本体に対して定着装置が着脱自在に設置される画像形成装置であって、
前記定着装置は、
所定方向に走行してトナー像を加熱して溶融する定着部材と、
前記定着部材を直接的又は間接的に保持する定着フレームと、
前記定着部材及び前記定着フレームを覆うとともに、前記定着フレームを介して前記定着部材の表面の一部が当該定着装置の外部から露呈するように形成された開口部を具備した定着外装カバーと、
を備え、
前記画像形成装置本体は、
前記定着装置が装着された状態で、前記定着部材に対して非接触で対向して前記定着部材の表面温度を検知する温度検知手段と、
当該画像形成装置本体への前記定着装置の装着動作に連動して前記温度検知手段が前記開口部を介して前記定着外装カバーの内部に入り込むように前記温度検知手段を保持する保持部材と、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記画像形成装置本体は、前記定着装置が装着された状態で、前記定着外装カバーの外部から前記開口部を覆うように形成された本体側カバーをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記本体側カバーは、前記画像形成装置本体に対する前記定着装置の装着方向に反する方向に付勢されるように前記画像形成装置本体に保持され、前記定着装置が装着された状態で前記開口部を覆うように前記定着外装カバーに密着することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記保持部材は、前記画像形成装置本体に対する前記定着装置の装着方向に反する方向に付勢されるように前記画像形成装置本体に保持され、前記画像形成装置本体に前記定着装置が装着された状態で前記定着フレームに対して位置決めされることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記温度検知手段は、前記画像形成装置本体に前記定着装置が装着された状態で、前記定着部材に対して真下から真横の範囲内で対向するように前記保持部材に保持されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記定着部材は、可撓性を有する無端状の定着ベルトであって、
前記定着装置は、
前記定着ベルトの内周面側に固設されて、当該定着ベルトを介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する固定部材と、
前記定着ベルトの内周面に対向するように固設されて前記定着ベルトを加熱するとともに、加熱手段によって加熱されるパイプ状の金属部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記金属部材は、前記ニップ部を除く位置で前記定着ベルトの内周面に対向するように固設され、
前記金属部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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