JP5440006B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、加熱部材とベルト部材との摺動抵抗を低減するために双方の部材の間に潤滑剤を介在させた場合に、ニップ部の位置に形成された加熱部材の開口部から加熱部材の内部に潤滑剤(異物)が進入してしまう不具合が生じる可能性があった。このような場合には、加熱部材とベルト部材との間に介在する潤滑剤が不足することにより双方の部材の摺動抵抗が増加して双方の部材の磨耗劣化が早まる2次的な不具合や、加熱部材の内部に進入した潤滑剤がヒータに付着してヒータの機能を低下させてしまったり潤滑剤が気化したりする2次的な不具合が生じてしまうことになる。
しかし、加熱部材が加圧回転体から直接的に加圧力を受ける構成であるため、加熱部材の加熱効率を向上するために加熱部材をさらに薄肉化する場合や、ニップ部のニップ幅を大きくして定着性を向上するために加圧回転体による加圧力をさらに大きくする場合等には、加熱部材に変形が生じる可能性があった。このように加熱部材に変形が生じてしまうと、ベルト部材が加熱部材に部分的に強く当接して、ベルト部材にキズがついたり異常音が発生したりする2次的な不具合が生じてしまうことになる。
また、このような加熱部材の変形は、ベルト部材に対して加圧回転体の接離動作が繰り返しおこなわれる定着装置では、接離動作にともない加熱部材に圧変動や衝撃力が生じるために、特に無視できない問題となる。
また、この発明の請求項12記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたものである。
図1〜図5にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1における画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は、定着装置20を示す構成図である。図3は、定着装置20を幅方向にみた図である。図4は、定着装置20のニップ部の近傍を示す拡大図である。図5は、固定部材26とシール部材28とを示す拡大斜視図である。
図2及び図4に示すように、定着装置20は、ベルト部材としての定着ベルト21、固定部材26、加熱部材22、補強部材23(支持部材)、ヒータ25(熱源)、ステー部材29A(保持部材)、シール部材28、加圧回転体としての加圧ローラ31、温度センサ40、接離機構51〜53、等で構成される。
定着ベルト21の基材層は、層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。
定着ベルト21の弾性層は、層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層を設けることで、ニップ部における定着ベルト21表面の微小な凹凸が形成されなくなり、記録媒体P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。
定着ベルト21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層を設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
図2及び図4を参照して、定着ベルト21の内部(内周面側)には、固定部材26、ヒータ25(加熱手段)、加熱部材22、補強部材23、ステー部材29A、シール部材28、等が固設されている。
ここで、固定部材26は、定着ベルト21の内周面に摺接するように固設(固定)されている。そして、固定部材26が定着ベルト21を介して加圧ローラ31に圧接することで、記録媒体Pが搬送されるニップ部が形成される。図3を参照して、固定部材26は、その幅方向両端部が定着装置20の側板43に固定支持されている。
なお、本実施の形態1では、ニップ部を形成する固定部材26の形状を凹状に形成したが、ニップ部を形成する固定部材26の形状を平面状に形成することもできる。すなわち、固定部材26の摺接面(加圧ローラ31に対向する面である。)が平面形状になるように形成することができる。これにより、ニップ部の形状が記録媒体Pの画像面に対して略平行になって、定着ベルト21と記録媒体Pとの密着性が高まるために定着性が向上する。さらに、ニップ部の出口側における定着ベルト21の曲率が大きくなるために、ニップ部から送出された記録媒体Pを定着ベルト21から容易に分離することができる。
また、固定部材26の外周には、フッ素グリス等の潤滑剤が含浸された潤滑シート26cが設けられているために、固定部材26と定着ベルト21との摺動抵抗が低減される。
また、ステー部材29Aには、固定部材26の突出部26a1が挿通される開口(貫通穴)が設けられている。そして、この開口と突出部26a1との間もシール部材28によってシールされることになる。
なお、加熱部材22の加熱効率を向上させるために、ステー部材29Aのヒータ25に対向する面にBA処理や鏡面研磨処理を施すことが好ましい。また、図4では、見易さのため、ステー部材29Aと加熱部材22との間に隙間が開いているように図示している(実際には、ステー部材29Aは、加熱部材22の凹部に密着している。)。
また、加熱部材22と定着ベルト21(ベルト部材)とが摺接しても定着ベルト21の磨耗が軽減されるように、双方の部材21、22の間には潤滑剤としてフッ素グリスが塗布されている。なお、加熱部材22と定着ベルト21との摺動抵抗を低下させるために、加熱部材22の摺接面を摩擦係数の低い材料で形成したり、定着ベルト21の内周面21aにフッ素を含む材料からなる表面層を形成することもできる。
なお、本実施の形態1では、加熱部材22の断面形状が略円形になるように形成したが、加熱部材22の断面形状が多角形になるように形成することもできる。
また、補強部材23における、ヒータ25に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、BA処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。これにより、ヒータ25から補強部材23に向かう熱(補強部材23を加熱する熱)が加熱部材22の加熱に用いられることになるために、定着ベルト21(加熱部材22)の加熱効率がさらに向上することになる。
また、本実施の形態1では、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径と同等になるように形成したが、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも小さくなるように形成することもできる。その場合、ニップ部における定着ベルト21の曲率が加圧ローラ31の曲率よりも小さくなるために、ニップ部から送出される記録媒体Pが定着ベルト21から分離され易くなる。
また、定着ベルト21の直径が加圧ローラ31の直径よりも大きくなるように形成することもできるが、定着ベルト21の直径と加圧ローラ31の直径との関係によらず、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に作用しないように構成されている。
詳しくは、接離機構は、加圧レバー51、偏心カム52、加圧スプリング53、等で構成されている。加圧レバー51は、一端側に設けられた支軸51aを中心として定着装置20の側板43に回転自在に支持されている。加圧レバー51の中央部は、加圧ローラ31の軸受43(側板43に形成された長穴に移動可能に保持されている。)に当接している。また、加圧レバー51の他端側には加圧スプリング53が接続され、さらに加圧スプリング53の保持板に偏心カム52(不図示の駆動モータによって回転可能に構成されている。)が係合している。このような構成により、偏心カム52の回転により、加圧レバー51が支軸51aを中心にして回転して、加圧ローラ31が図2の破線矢印方向に移動することになる。すなわち、通常の定着工程時には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態になって、加圧ローラ31は定着ベルト21を加圧して所望のニップ部を形成する。これに対して、通常の定着工程時以外のとき(ジャム処理時や待機時等である。)には、偏心カム52の回転方向の姿勢が図2の状態から180度回転して、加圧ローラ31は定着ベルト21から離脱する(又は、定着ベルト21を減圧する。)。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、ヒータ25に電力が供給されるとともに、加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。これにより、加圧ローラ31との摩擦力によって、定着ベルト21も図2中の矢印方向に従動(回転)する。
その後、給紙部12から記録媒体Pが給送されて、2次転写ローラ89の位置で、記録媒体P上に未定着のカラー画像が担持(転写)される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。
そして、加熱部材22(ヒータ25)によって加熱された定着ベルト21による加熱と、補強部材23によって補強された固定部材26と加圧ローラ31との押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、ニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図4を参照して、加熱部材22には、加圧ローラ31(加圧回転体)に対向する位置に開口部22aが形成されている。そして、この開口部22aと固定部材26との間にシール部材28が設置されている。このシール部材28は、開口部22aから加熱部材22の内部に異物が進入しないようにするためのものである。特に、異物として加熱部材22と定着ベルト21との間に介在された潤滑剤が加熱部材22の内部に進入してしまうと、潤滑剤の不足により双方の部材21、22の摺動抵抗が増加して双方の部材21、22の磨耗劣化が早まる不具合や、加熱部材22の内部に進入した潤滑剤がヒータ25に付着してヒータ25の機能を低下させてしまったり潤滑剤が気化したりする不具合が生じてしまうことになる。特に、本実施の形態1では、潤滑剤として浸透力が高いフッ素グリスを用いているために、上述したような開口部22aにシール部材28を設置することによる効果が高くなる。
ここで、シール部材28は、無負荷状態での厚みが、突出部26a1と加熱部材22との隙間に対して、8〜30%厚くなるように形成されている。したがって、シール部材28は、図5の矢印方向に圧縮された状態になり、これにより開口部22aの隙間がシールされることになる。このように、シール部材28は、その厚みの変化が加圧ローラ31の加圧方向(図5の白矢印方向である。)に直交する方向で生じるため、補強部材23と固定部材26との間の加圧状態に影響を与えることはない。また、加圧ローラ31の加圧力がシール部材28を介して加熱部材22に作用することもない。したがって、固定部材26や補強部材23が図5の白矢印方向(又は、その反対方向)に変位しても、開口部22aにおけるシール部材28の良好なシール性は維持されることになる。
なお、シール部材28には、(1)オイルシール性が高いこと、(2)低い圧力で圧縮できること、(3)耐熱性が高いこと、が求められ、厚さが0.5〜2mm程度のシリコーンゴムやフッ素ゴム等の材料で形成されたものが好適である。
なお、加圧時に補強部材23に撓みが生じて固定部材26が図4の左方向に変位しても、固定部材26と加熱部材22の凹部とが接触しないように、固定部材26と加熱部材22の凹部との間にはクリアランスが設けられている。
また、シール部材28の高さ(図4の左右方向の長さである。)がある程度大きくなるように形成することで、シール部材28が図4の左右方向にズレてしまっても、開口部22aと突出部26a1との間に確実にシール部材28が介在されて、加熱部材22の内部への異物の進入を確実に抑止することができる。
上述したように、金属板を曲げ加工することにより形成する略パイプ状の加熱部材22は、その肉厚を薄くすることができるために、ウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、加熱部材22自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ31の加圧力が加熱部材22に作用すると、その加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形してしまう。そして、パイプ状の加熱部材22が変形してしまうと、定着ベルト21の走行性が低下したり、定着ベルト21との密着不良が生じて加熱ムラが発生してしまう。これに対して、本実施の形態1では、薄肉の加熱部材22に加圧ローラ31の加圧力が作用しないように構成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
そして、それらの場合にも、本実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
図6にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図6は、実施の形態2における定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図4に相当する図である。本実施の形態2における定着装置は、固定部材26及び補強部材23の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
ここで、本実施の形態2における補強部材23は、前記実施の形態1のものとは異なり、加熱部材22の外部に向けて突出するように開口部22aに挿通されて固定部材26に当接する突出部23aが設けられている。また、これに合わせて、固定部材26の突出部は、加熱部材22の凹部内に形成されている。
ここで、第2ステー部材29Bは、厚さが0.5mmのステンレス板を箱状に形成したものであって、加熱部材22の凹部に圧入される。また、第2ステー部材29Bには、補強部材23の突出部23aが挿通される開口(貫通穴)が設けられている。第2ステー部材29Bを設けることにより、加熱部材22の凹部の形状がさらに強固に維持されるとともに、加熱部材22のスプリングバックによる変形を抑止することができる。
図7及び図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図7は、実施の形態3における定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図4に相当する図である。また、図8は、固定部材26とシール部材28とステー部材29Aとを示す分解図である。
本実施の形態3における定着装置は、主として、シール部材28と固定部材26とステー部材29Aとの構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
また、図8を参照して、本実施の形態3における固定部材26は、前記実施の形態1のものとは異なり、補強部材23に当接する突出部26a1が幅方向に複数設けられている。そして、ステー部材29Aにも、固定部材26の5つの突出部26a1に対応する位置に、それぞれ開口29A1が形成されている。すなわち、固定部材26の突出部26a1は、加熱部材22の内部に向けて突出するように開口部22a及び開口29A1に挿通されて補強部材23に当接することになる。
詳しくは、シール部材128は、シリコーンゴムやフッ素ゴムで形成されたOリング(環状の弾性部材)である。そして、図8に示すように、5つのシール部材128(Oリング)が、固定部材26の5つの突出部26a1にそれぞれ嵌め込まれる。そして、固定部材26の突出部26a1に嵌め込まれたシール部材128は、ステー部材29Aの開口29A1の周囲に圧接して、加熱部材22の開口部22aから加熱部材22の内部に異物が進入する不具合が抑止されることになる。
また、シール部材128は、加熱部材22の開口部22aに対して隙間を空けて配設されているため、加圧ローラ31の加圧力がシール部材28を介して加熱部材22に作用することもない。したがって、シール部材28のシール性を安定的に維持できるとともに、加熱部材22の変形を防止することができる。
また、加圧ローラ31の加圧力がシール部材28を介してステー部材29Aに作用してステー部材29Aが変形しても、その変形により加熱部材22が変形する方向は加熱部材22が開く方向ではないため、加熱部材22の変形によって定着ベルト21の内周面21aを傷つける不具合は生じにくい。
さらに、シール部材128(Oリング)は、固定部材26と、加熱部材22の内側から凹部に密着するステー部材29Aと、の間に挟むように配設しているために、固定部材26と加熱部材22の外側から凹部に密着する第2ステー部材29B(図6等を参照できる。)との間に挟むようにシール部材128(Oリング)を配設する場合に比べて、シール部材128(Oリング)の設置スペースを確保することができる。
これに対して、加熱部材22の開口部22aを、金属板を曲げ加工した後に近接するエッジ部を溶接して形成することもできる。この場合、加熱部材22の開口部は、ステー部材29Aの複数の開口29A1に対応した位置に、幅方向にわたって複数箇所形成することもできる。
図9にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図9は、実施の形態4における定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図であって、前記実施の形態3における図7に相当する図である。本実施の形態4における定着装置は、固定部材26と補強部材23とステー部材29Bとの構成が、前記実施の形態3のものとは相違する。
また、本実施の形態4における補強部材23は、前記実施の形態3のものとは異なり、加熱部材22の外部に向けて突出するように、加熱部材22の開口部22aと第2ステー部材29Bの開口とに挿通されて、固定部材26に当接する突出部23aが設けられている。また、これに合わせて、固定部材26の突出部は、加熱部材22の凹部内に形成されている。
なお、シール部材128は、前記実施の形態3のものと同様に、シリコーンゴムやフッ素ゴムで形成されたOリングである。そして、シール部材128(Oリング)が、補強部材23の突出部23aに嵌め込まれる。そして、補強部材23の突出部23aに嵌め込まれたシール部材128は、第2ステー部材29Bの開口の周囲に圧接して、加熱部材22の開口部22aから加熱部材22の内部に異物が進入する不具合が抑止されることになる。
なお、シール部材128(Oリング)は、補強部材23と、加熱部材22の外側から凹部に密着する第2ステー部材29Bと、の間に挟むように配設しているために、補強部材23と加熱部材22の内側から凹部に密着するステー部材29A(図7等を参照できる。)との間に挟むようにシール部材128(Oリング)を配設する場合に比べて、シール部材128(Oリング)の設置スペースを確保することができる。
図10にて、この発明の実施の形態5について詳細に説明する。
図10は、実施の形態5における定着装置のニップ部の近傍を示す拡大図であって、前記実施の形態1における図4に相当する図である。本実施の形態5における定着装置は、シール部材の構成が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図11にて、この発明の実施の形態6について詳細に説明する。
図11は、実施の形態6における定着装置の、固定部材26とシール部材28とステー部材29Aとを示す分解図である。本実施の形態6における定着装置は、主として、シール部材の保持方法が、前記実施の形態3のものとは相違する。
さらに、本実施の形態6におけるシール部材128(Oリング)は、前記実施の形態3のものとは異なり、ステー部材29Aの開口29A1に嵌め込まれている。そして、ステー部材29Aの開口29A1に嵌め込まれたシール部材128が、固定部材26の突出部26a1に圧接して、加熱部材22の開口部22aから加熱部材22の内部に異物が進入する不具合が抑止されることになる。
図12にて、この発明の実施の形態7について詳細に説明する。
図12は、実施の形態7における定着装置を示す構成図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態7における定着装置は、加熱部材22が電磁誘導によって加熱される点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
ここで、本実施の形態7における定着装置20は、加熱手段として、ヒータ25の代わりに、誘導加熱部50が設置されている。そして、本実施の形態7における加熱部材22は、ヒータ25の輻射熱によって加熱される前記実施の形態1のものとは異なり、誘導加熱部50による電磁誘導によって加熱される。
定着ベルト21が図12中の矢印方向に回転駆動されると、定着ベルト21は誘導加熱部50との対向位置で加熱される。詳しくは、励磁コイルに高周波の交番電流を流すことで、加熱部材22の周囲に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、加熱部材22表面に渦電流が生じて、加熱部材22自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱部材22が電磁誘導加熱されて、さらに加熱された加熱部材22によって定着ベルト21が加熱される。
なお、加熱部材22を効率的に電磁誘導加熱するためには、誘導加熱部50を加熱部材22の周方向全域に対向するように構成することが好ましい。また、加熱部材22の材料としては、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、コバルト、クロム、アルミニウム、金、白金、銀、スズ、パラジウム、これらのうち複数の金属からなる合金、等を用いることができる。
さらに、加熱部材22自身を抵抗発熱体とすることもできる。具体的に、加熱部材22を薄肉の抵抗発熱体で形成して、その両端部に電源部を接続する。そして、加熱部材(抵抗発熱体)に電流が流されると、加熱部材自身の電気抵抗によって抵抗発熱体が昇温して、定着ベルト21が加熱されることになる。
これらの場合にも、シール部材28を前記各実施の形態と同様に設置することで、前記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
22 加熱部材(パイプ状部材)、
23 補強部材、
23a 突出部、
25 ヒータ、
26 固定部材、
26a1 突出部、
28、128、228 シール部材、
29A ステー部材、 29B 第2ステー部材(ステー部材)、
31 加圧ローラ(加圧回転体)、 P 記録媒体。
Claims (12)
- 所定方向に走行してトナー像を加熱・溶融するとともに、可撓性を有する無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材の内周面側に固設されて、当該ベルト部材を介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する固定部材と、
前記ベルト部材の内周面に対向するように固設されて当該ベルト部材を加熱するとともに、前記加圧回転体に対向する位置に開口部を有する加熱部材と、
前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材と、
を備え、
前記固定部材は、前記加熱部材の内部に向けて突出するように前記開口部に挿通されて前記補強部材に当接する突出部を具備し、
前記開口部と前記突出部との間から前記加熱部材の内部に異物が進入しないようにシール部材を設けたことを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材は、前記固定部材が挿設されるように内部に凹状に形成されるとともに前記開口部が形成された凹部を具備し、
前記シール部材は、前記開口部と前記固定部材の前記突出部との間に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記加熱部材は、前記固定部材が挿設されるように内部に凹状に形成されるとともに前記開口部が形成された凹部を具備し、
前記加熱部材の内側から前記凹部に密着するとともに、前記開口部よりも小さな開口が形成されたステー部材を備え、
前記シール部材は、前記開口部に接触せずに前記固定部材と前記ステー部材との間に挟まれるように前記突出部に挿設されたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 所定方向に走行してトナー像を加熱・溶融するとともに、可撓性を有する無端状のベルト部材と、
前記ベルト部材の内周面側に固設されて、当該ベルト部材を介して加圧回転体に圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する固定部材と、
前記ベルト部材の内周面に対向するように固設されて当該ベルト部材を加熱するとともに、前記加圧回転体に対向する位置に開口部を有する加熱部材と、
前記加熱部材の内周面側に固設されて前記固定部材に当接して当該固定部材を補強する補強部材と、
を備え、
前記補強部材は、前記加熱部材の外部に向けて突出するように前記開口部に挿通されて前記固定部材に当接する突出部を具備し、
前記開口部と前記突出部との間から前記加熱部材の内部に異物が進入しないようにシール部材を設けたことを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材は、前記固定部材が挿設されるように内部に凹状に形成されるとともに前記開口部が形成された凹部を具備し、
前記シール部材は、前記開口部と前記補強部材の前記突出部との間に設置されたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記加熱部材は、前記固定部材が挿設されるように内部に凹状に形成されるとともに前記開口部が形成された凹部を具備し、
前記加熱部材の外側から前記凹部に密着するとともに、前記開口部よりも小さな開口が形成されたステー部材を備え、
前記シール部材は、前記開口部に接触せずに前記補強部材と前記ステー部材との間に挟まれるように前記突出部に挿設されたことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。 - 前記加熱部材を加熱するヒータを当該加熱部材の内部に備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の定着装置。
- 前記ヒータから射出される輻射光が前記シール部材に達するのを防ぐ遮蔽部材を設置したことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
- 前記シール部材は、シリコーンゴム又はフッ素ゴムで形成された弾性部材であることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の定着装置。
- 前記加熱部材は、肉厚が0.2mm以下のパイプ状部材であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の定着装置。
- 前記異物は、前記ベルト部材と前記加熱部材との間に介在された潤滑剤であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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