JP2011150094A - カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナー - Google Patents

カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナー Download PDF

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Abstract

【課題】 被覆層の厚さが均一なカプセルトナーを高い回収率で得ることができるカプセルトナーの製造方法、および画像安定性に優れ、定着性が良好なカプセルトナーを提供する。
【解決手段】 カプセルトナーの製造方法は、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させる樹脂微粒子付着工程と、流動状態にある前記トナー母粒子および樹脂微粒子に、これらの粒子を可塑化させる噴霧液体を噴霧する噴霧工程と、前記トナー母粒子表面に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで、回転撹拌手段の回転を続けて前記トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを含み、前記噴霧工程では、超音波振動を付与して、前記噴霧液体の個数平均液滴径を10μm未満とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カプセルトナーの製造方法およびカプセルトナーに関する。
トナーの製造方法として、従来から混練粉砕法が汎用されているが、粉砕トナーは表面に凹凸の多い不定形状であり、粉砕後の破砕面がそのままトナー粒子表面となるため表面組成が不均一になりやすく、トナー粒子の表面状態を均一に制御するのは難しい。トナー粒子表面が凹凸の多い不定形状であると、トナーの流動性が低下したり、トナー組成の不均一性が原因となり、かぶりやトナー飛散が発生する等の問題が生じる。
このようなトナー粒子表面の不定形状の問題を鑑みて、混練粉砕法に代わり、トナー原料の分散液を混合し、凝集させてトナーを製造する湿式法が種々提案されている。しかしながら、湿式法の場合、分散安定剤や凝集剤を多用するため、それらの成分の一部がトナー粒子表面または内部に残留して耐湿性の低下や帯電特性の悪化を招き、特に帯電特性が著しく不安定になりやすいという欠点がある。
一方、近年の高画質化の流れに伴い、トナーの小粒径化が進み、微粉である小粒径トナーの、二成分現像剤中における含有率が増加する傾向にある。小粒径トナーを含む二成分現像剤においては、現像装置内でのストレスによる小粒径トナーの割れや形状変化により、キャリアへのトナースペントとそれに伴う現像剤の帯電劣化が生じ、現像や転写プロセスが影響され、画質の劣化を招く要因となっている。
また、近年の画像のカラー化の流れに伴い、カラートナーの低温定着化が進み、トナー成分として低温軟化性の材料が用いられる傾向にある。
そこで、流動性、転写性などが良好で、帯電性能が均一であり、耐オフセット性に優れ、またその他の様々な機能を有するトナーとして、トナー母粒子の表面を樹脂層により被覆したカプセルトナーが提案されている。
特許文献1には、トナー粒子と、疎水性樹脂微粒子とその他の必要な微粒子とを、機械的歪力をかけて混合し、トナー粒子表面を被覆した静電トナーが開示されている。
特開昭63−198070号公報
カプセルトナーの製造方法として、トナー母粒子および樹脂微粒子を可塑化させる液体を噴霧して被覆層を形成する方法が知られており、この方法によると、樹脂被覆層が均一に形成されるという利点がある。
しかしながら、液体噴霧の条件によっては、トナー母粒子および樹脂微粒子の混合物に噴霧液体を均一に噴霧することができず、その結果、前記混合物の凝集や装置内壁への付着が発生し、収率が低下するとともに被覆層の厚みが不均一となることが問題となる。
また、被覆層の厚みが不均一なトナーは、画像濃度が変動しやすく、定着性が良好でなく、さらに、このようなトナーを含む現像剤は、高温安定性に問題を生じる。
本発明の目的は、被覆層の厚さが均一なカプセルトナーを高い回収率で得ることができるカプセルトナーの製造方法、および画像安定性に優れ、定着性が良好なカプセルトナーを提供することである。
本発明は、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させる樹脂微粒子付着工程と、
流動状態にある前記トナー母粒子および樹脂微粒子に、これらの粒子を可塑化させる噴霧液体を噴霧する噴霧工程と、
前記トナー母粒子表面に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで、回転撹拌手段の回転を続けて前記トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを含み、
前記噴霧工程では、超音波振動を付与して、前記噴霧液体の個数平均液滴径を10μm未満とすることを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
また本発明は、前記噴霧工程において、前記噴霧液体は、個数平均液滴径が5μm未満であることを特徴とする。
また本発明は、前記に記載の方法で製造されたカプセルトナーである。
本発明によれば、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させる樹脂微粒子付着工程と、流動状態にある前記トナー母粒子および樹脂微粒子に、これらの粒子を可塑化させる噴霧液体を噴霧する噴霧工程と、前記トナー母粒子表面に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで、回転撹拌手段の回転を続けて前記トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを含み、前記噴霧工程では、超音波振動を付与して前記噴霧液体の個数平均液滴径を10μm未満とするので、個数平均液滴径が10μm未満である噴霧液体を、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に噴霧することができる。噴霧液体の個数平均液滴径を10μm未満とすることでトナー母粒子および樹脂微粒子の凝集を抑えるとともに、これらの粒子の装置内への付着を防止することができる。また、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に均一に噴霧液体を展延させることができるため、樹脂微粒子が付着したトナー母粒子に均一な衝撃力を与え、樹脂微粒子の均一な膜化を促進することができる。その結果、トナー粒子同士の凝集およびトナー粒子毎の被覆状態のばらつきを抑えることができ、樹脂被覆層の膜厚が均一なカプセルトナーを高い回収率で得ることができる。また、樹脂被覆層の膜厚が均一であることにより、画像安定性やトナーの定着性が良好なカプセルトナーを得ることができる。
また本発明によれば、前記噴霧工程において、前記噴霧液体は、個数平均液滴径が5μm未満であるので、トナー母粒子および樹脂微粒子により均一に噴霧液体を展延させることができる。その結果、樹脂被覆層の膜厚がより均一なカプセルトナーをより高い回収率で得ることができる。
また本発明によれば、前記に記載の方法で製造されたカプセルトナーであるので、画像安定性やトナーの定着性が良好なカプセルトナーを得ることができ、また、このようなカプセルトナーを含むことで、高温安定性のよい現像剤を得ることができる。
本発明の実施形態に係るカプセルトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。 本発明のカプセルトナーの製造方法の一例で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。 噴霧手段203の構成を示す正面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
1、カプセルトナーの製造方法
図1は、本発明の実施形態に係るカプセルトナーの製造方法の手順の一例を示す工程図である。本発明のカプセルトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子を樹脂微粒子で被覆する被覆工程S3とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂微粒子によって被覆されるべきトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されることなく、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
(粉砕法によるトナー母粒子作製)
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級には、遠心力および風力による分級により過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用できる。
(トナー母粒子原料)
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができ、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
上述の結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるので、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒および重縮合触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを接触させることによって行われ、生成するポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによって、ポリエステルが得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が行われる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変性できる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することによっても、変性ポリエステルが得られる。ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中での自己分散性ポリエステルも使用できる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂は、ガラス転移温度が30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることによって製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としては、この分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。電荷制御剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
また、トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に離型剤が含まれてもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部〜20重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜10重量部、特に好ましくは1.0重量部〜8.0重量部である。
トナー母粒子作製工程S1において得られるトナー母粒子は、体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が4μm以上8μm以下であると、長期にわたり高精細な画像を安定して形成できる。またトナー母粒子をこの範囲内に小粒径化することにより、付着量が少なくても高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。トナー母粒子の体積平均粒径が4μm未満であると、トナー母粒子の粒径が小さいため、高帯電化および低流動化するおそれがある。トナーが高帯電化、低流動化すると、感光体にトナーを安定して供給できなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー母粒子の体積平均粒径が8μmを超えると、トナー母粒子の粒径が大きいため形成画像の層厚が大きくなり、粒状性の著しい画像となり、高精細な画像を得られない。またトナー母粒子の粒径が大きくなることにより比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(2)樹脂微粒子調製工程S2
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した樹脂微粒子を調製する。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を被覆する樹脂被覆層として用いられる。トナー母粒子表面を樹脂被覆層で被覆することによって、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することによって得られる。また樹脂のモノマー成分の重合によっても得られる。
樹脂微粒子原料としては、たとえば、トナー材料に用いられる樹脂を用いることができ、ポリエステル、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。
樹脂微粒子原料として用いられる樹脂の軟化温度は、トナー母粒子に含まれる結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。このことによって、本発明の方法で製造されたトナーは、保存中にトナー同士が融着することを防止でき、保存安定性が向上する。また、樹脂微粒子原料として用いられる樹脂の軟化温度は、トナーが使用される画像形成装置にもよるが、80℃以上140℃以下であることが好ましい。このような温度範囲の樹脂を用いることによって、保存安定性と定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、トナー母粒子の平均粒径よりも充分に小さい必要があり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。また、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることによって、トナー母粒子表面に好適な大きさの突起部が形成される。このことによって本発明の方法で製造されるトナーは、クリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くなり、クリーニング性が向上する。
樹脂微粒子の添加量は、トナー母粒子100重量部に対して3重量部以上であることが好ましい。3重量部未満であると、トナー母粒子を均一に被覆することが難しくなり、トナー母粒子の種類によっては、保存安定性が悪くなるおそれがある。
(3)被覆工程S3
<トナーの製造装置>
図2は、本発明のカプセルトナーの製造方法の一例で用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200―A200からみた概略断面図である。被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子に樹脂微粒子調製工程S2で調製した樹脂微粒子を付着させ、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子に樹脂膜を形成する。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の軸線方向一方側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子および樹脂微粒子および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子のガラス転移温度以下に設定され、30℃以上トナー母粒子のガラス転移温度以下であることが好ましい。粉体流路202内の温度は、トナー母粒子の流動により、どの部分においてもほぼ均一となる。流路内の温度がトナー母粒子のガラス転移温度を超えると、トナー母粒子が軟化し過ぎ、トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。したがってトナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および後述の回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子のガラス転移温度以下に維持する必要がある。そのため、内径が粉体流路管の外径よりも大きい、後述の温度調整用ジャケットを粉体流路202および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設する。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向他方側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するように形成される貫通孔221に挿通されるように設けられ、図示しないモータにより軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分により支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
被覆工程S3において、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上に設定するのが好ましく、50m/sec以上に設定するのがさらに好ましい。回転撹拌手段204の最外周とは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材218の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分204aである。回転時の回転撹拌手段204の最外周における周速が30m/sec以上に設定することによって、トナー母粒子を孤立流動させることができる。最外周における周速度が30m/sec未満であると、トナー母粒子および樹脂微粒子を孤立流動させることができないため、トナー母粒子を樹脂膜で均一に被覆できなくなる。
トナー母粒子および樹脂微粒子は、回転盤219に対して垂直に衝突することが好ましい。これによって、トナー母粒子および樹脂微粒子が充分に撹拌されるので、トナー母粒子を樹脂微粒子でより均一に被覆でき、樹脂被覆層が均一なトナーの収率をより向上させることができる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、トナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。
噴霧手段203は、噴霧液体をトナー母粒子に向けて噴霧する。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を噴霧液体として粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴霧する二流体ノズル203aと、二流体ノズル203aに所定量の液体を供給する送液ポンプと、液体に超音波振動を与える超音波振動子203bとを備える。
キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送液され、噴霧手段203により噴霧された液体は、トナー母粒子表面に展延する。
図4は、噴霧手段203の構成を示す正面図である。超音波振動子203bを1〜3MHzで振動させることにより、二流体ノズル203aから噴霧される直前の液体に対して、超音波振動を付与し、液滴化した液体を、キャリアガスと共に噴霧液体として二流体ノズル203aから噴霧する。
超音波振動子203bとしては、公知の超音波振動子が使用できる。本実施形態では日本特殊陶業株式会社製超音波振動子(タイプ:D4520)を使用している。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これによって、後述の温度調整工程S3aにおいて、粉体流路内および回転撹拌手段の外側の温度をトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御することができる。また噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいて、トナー母粒子、樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきを少なくし、トナー母粒子および樹脂微粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。
本実施形態において、温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。トナー母粒子および樹脂微粒子は通常粉体流路内の内壁に何度も衝突するが、衝突の際衝突エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、トナー母粒子および樹脂微粒子に蓄積される。衝突回数の増加とともに、それらの粒子に蓄積される熱エネルギーが増加し、やがてトナー母粒子および樹脂微粒子は軟化して粉体流路の内壁に付着する。温度調整用ジャケットを粉体流路202の外側全体に設けることにより、トナー母粒子および樹脂微粒子の粉体流路内壁への付着力が低下し、装置内温度の急上昇による粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着を確実に防止でき、トナー母粒子および樹脂微粒子によって粉体流路内が狭くなることを回避できる。したがって、トナー母粒子が樹脂微粒子で均一に被覆され、クリーニング性に優れるトナーを高い収率で製造できる。
また、噴霧手段203より下流の粉体流過部209内部では、噴霧された液体が乾燥せず残存状態にあり、温度が適正でないと乾燥速度が遅くなり液体が滞留しやすい。これにトナー母粒子が接触すると、粉体流路202内壁にトナー母粒子が付着しやすくなり、トナーの凝集発生源となる。開口部210付近の内壁では、撹拌部208に流入するトナー母粒子と、回転撹拌手段204による撹拌で撹拌部208内を流動するトナー母粒子とが衝突し、衝突したトナー母粒子が開口部210付近に付着しやすい。したがってこのようなトナー母粒子が付着しやすい部分に温度調整用ジャケットを設けることによって、粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着をより確実に防止できる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図5は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す側面図である。
粉体投入部206は、トナー母粒子および樹脂微粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204による撹拌によって、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、トナー母粒子および樹脂微粒子は粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217によって回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また電磁弁217によって回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収されない。
上述のようなトナーの製造装置201を用いる被覆工程S3は、温度調整工程S3aと、樹脂微粒子付着工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eとを含む。
(3)−1 温度調整工程S3a
温度調整工程S3aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する樹脂微粒子付着工程で投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
(3)−2 樹脂微粒子付着工程S3b
樹脂微粒子付着工程S3bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および樹脂微粒子を粉体流路202に供給する。
粉体流路202に供給されたトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これによって、樹脂微粒子がトナー母粒子表面に付着する。
(3)−3 噴霧工程S3c
噴霧工程S3cでは、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、これらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体を、前述の噴霧手段203からキャリアガスにより噴霧する。
トナー母粒子および樹脂微粒子を溶解せず可塑化させる効果のある液体としては、特に限定されないが、液体の噴霧後にトナー母粒子および樹脂微粒子から除去される必要があるので、蒸発し易い液体であることが好ましい。このような液体としては、低級アルコールを含む液体が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、被覆材料である樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に樹脂微粒子を付着させ、さらに変形および膜化させることが容易となる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、トナー粒子同士の凝集を抑制できる。
また噴霧される液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。液体の粘度は、25℃において測定され、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計により測定できる。粘度が5cP以下の液体で好ましいものとしてアルコールが挙げられる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコールなどが挙げられる。これらのアルコールは粘度が小さく、また蒸発しやすいので、液体がアルコールを含むことによって、噴霧手段203から噴霧される液体の噴霧液滴径が粗大化することなく、液滴径の微細な液体の噴霧が可能となる。また液滴径の均一な液体の噴霧が可能となる。トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進できる。これによって、トナー母粒子および樹脂微粒子表面を均一に濡らし、馴染ませ、衝突エネルギーとの相乗効果で樹脂微粒子を軟化させることができる。その結果、均一性に優れた樹脂被覆トナーを得ることができる。
超音波振動子203bによって、噴霧される液体に超音波振動を付与し、微小液滴化する。噴霧される液体の個数平均液滴径は、10μm未満であることが好ましく、5μm未満であることがより好ましい。噴霧される液体の個数平均液滴径がこのような大きさであることで、粉体流路202内を流動しているトナー母粒子および樹脂微粒子の凝集、および流路内壁への付着を抑えるとともに、これらの粒子に均一に噴霧液体を展延させることができる。個数平均液滴径の大きさは、付与する超音波振動の周波数を変化させることで制御できる。
噴霧された液体は、粉体流路202内が一定のガス濃度になるようにガス化され、ガス化した液体は貫通孔221を通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。これによって、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保ち、濃度が一定に保たれていない場合より液体の乾燥速度を上げることができる。よって未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集を抑制し、樹脂被覆層が均一なトナーの収率をより向上させることができる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定されるガス化された液体の濃度は、3重量%以下程度であることが好ましい。濃度が3重量%以下程度であると、液体の乾燥速度を充分に大きくでき、未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集を防止できる。またガス化された液体の濃度は、0.1重量%以上3.0重量%以下であることがさらに好ましい。噴霧速度がこのような範囲内であると、生産性を低下させることなく、トナー粒子の凝集を防止できる。
本実施形態では、粉体流路202においてトナー母粒子および樹脂微粒子の流動速度が安定してから、噴霧を開始することが好ましい。これにより、トナー母粒子および樹脂微粒子に液体を均一に噴霧でき、樹脂被覆層が均一なトナーの収率を向上させることができる。
(3)−4 膜化工程S3d
膜化工程S3dでは、トナー母粒子に付着した樹脂微粒子が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続け、トナー母粒子を樹脂層で被覆し、カプセルトナーとする。
(3)−5 回収工程S3e
回収工程S3eでは、噴霧手段からの液体噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207からカプセルトナーを装置外に排出し回収する。
このようなトナーの製造装置201としては、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、温度調整用ジャケットは粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に設けられてもよく、粉体流過部209または撹拌部208の外側の一部に設けられてもよい。粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に温度調整用ジャケットを設けた場合、トナー母粒子の粉体流路202内壁への付着をより確実に防止することができる。
また、トナーの製造装置は、市販の撹拌装置と噴霧手段とを組合せて構成することもできる。粉体流路および回転撹拌手段を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置内に液体噴霧ユニットを取付けることによって、この撹拌装置を本発明のカプセルトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置として用いることができる。
2、トナー
本発明の実施形態であるトナーは、上記のカプセルトナーの製造方法で製造される。上記のカプセルトナーの製造方法によって得られるトナーは、樹脂微粒子による被覆層の厚みが均一であるため、個々のトナー粒子間におけるトナー特性が均一となる。したがって、高温での安定性に優れ、定着性も向上する。また、このようなトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない画質の良好な画像を得られる。
本発明のトナーには、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。またこれらは、シリコン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、トナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
3、現像剤
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるトナーを含む。トナー特性が均一な現像剤とすることができるので、良好な現像性を維持可能な現像剤が得られる。本実施形態の現像剤は、一成分現像剤としても二成分現像剤としても使用できる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。二成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のトナーをキャリアとともに用いる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは108Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cm2の容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、より好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、磁化強さが10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm2)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80重量%であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における樹脂のガラス転移温度および軟化温度、離型剤の融点、トナー母粒子および樹脂微粒子の体積平均粒径、噴霧液体の個数平均液滴径は、以下のようにして測定した。
[樹脂のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークより高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[樹脂の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[トナー母粒子および樹脂微粒子の体積平均粒径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
[噴霧液体の個数平均液滴径]
粒度分布測定装置(商品名:VisiSizerSH、日本レーザー株式会社製)を用いて測定した。トナー製造装置201から噴霧装置203を取り外し、高解像度カメラと照射光源(レーザー)間に噴霧工程と同様に噴霧液体を噴霧し、レーザー照射(照射時間1μs)して得られる画像を高解像度カメラ(解像度1600x1200DPI)で撮影した。得られた画像を画像解析ソフト(VisiSizer粒子測定ソフトウェア)で解析し、5000個の噴霧液滴の個数平均粒子径を噴霧液体の個数平均液滴径とした。
(実施例1)
〔トナー母粒子作製工程S1〕
ポリエステル樹脂(商品名:ダイヤクロン、三菱レイヨン株式会社製、ガラス転移温度55℃、軟化温度130℃) 90.0%
C.I.Pigment Blue 15:3 4.0%
離型剤(パラフィンワックス、融点75℃) 5.0%
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
1.0%
上記の原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)により前混合した後、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)により140℃で溶融混練した。この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)により微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級し、体積平均粒径6.7μm、ガラス転移温度54℃、軟化温度121℃のトナー母粒子を作製した。
〔樹脂微粒子調製工程S2〕
スチレンとアクリル酸ブチルとを重合したものを凍結乾燥し、体積平均粒径0.1μmのスチレン−ブチルアクリレート共重合体樹脂微粒子(ガラス転移温度61℃、軟化温度110℃)を得た。
〔被覆工程S3〕
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)によって、トナー母粒子100部および樹脂微粒子5部を、5分間撹拌、流動させ、そこへ噴霧手段203によって、周波数2.0MHzで超音波振動を与えたエタノール(個数平均液滴径4.5μm)を噴霧した。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設けた。粉体流路には温度センサを取り付け、粉体流過部および撹拌部の温度が55℃となるよう調整した。前記装置において、トナー母粒子表面への樹脂微粒子付着工程で、ハイブリダイゼーションシステムの回転撹拌手段の最外周における周速度を100m/secとした。噴霧工程および膜化工程でも周速度100m/secとした。
また液体噴霧方向と、粉体流動方向とのなす角度(以下「噴霧角度」という)が平行(0°)になるよう二流体ノズルの取付け角度を設定した。
エタノールを噴霧速度0.5g/min、エア流量5L/minで30分間噴霧し、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に膜化させた。エタノール噴霧を停止した後5分間撹拌し、実施例1のカプセルトナーを得た。このとき装置内へ送るエア流量は、回転軸部から装置内に送るエア流量を5L/minに調節し、二流体ノズルからのエア流量と合計して10L/minとした。
このようにして作製したカプセルトナーに外添剤を外添した。カプセルトナー100部に対し、外添剤として疎水性シリカ(商品名:R−974、日本アエロジル株式会社製)1.2部と、疎水性チタン(商品名:T−805、日本アエロジル株式会社製)1.0部との合計2.2部を加え、ヘンシェルミキサ(商品名:FMミキサ、三井鉱山株式会社製)で混合し、実施例1のトナーとした。
[二成分現像剤の作製]
キャリアとして、体積平均粒子径が45μmであるフェライトコアキャリアを用いて、キャリアに対するトナーの被覆率が60%となるようにV型混合器混合機(商品名:V−5、株式会社特寿工作所製)で20分間混合することによって、実施例1のトナーを含む二成分現像剤を作製した。
(実施例2)
被覆工程S3において、超音波振動の周波数を1.2MHzに変更し、エタノールの個数平均液滴径を6.0μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーおよび現像剤を作製した。
(実施例3)
被覆工程S3において、超音波振動の周波数を0.9MHzに変更し、エタノールの個数平均液滴径を9.5μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーおよび現像剤を作製した。
(実施例4)
被覆工程S3において、超音波振動の周波数を3.2MHzに変更し、エタノールの個数平均液滴径を1.5μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーおよび現像剤を作製した。
(実施例5)
被覆工程S3において、噴霧液体としてエタノールの代わりにメタノールを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5のトナーおよび現像剤を作製した。
(比較例1)
被覆工程S3において、噴霧手段として、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)と二流体ノズルを接続したものを使用し、超音波振動を与えずにエタノール(個数平均液滴径12μm)を噴霧したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーおよび現像剤を作製した。
(比較例2)
被覆工程S3において、超音波振動の周波数を0.8MHzに変更し、エタノールの個数平均液滴径を10μmにしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーおよび現像剤を作製した。
(比較例3)
被覆工程S3において、エタノールを噴霧しないこと以外は実施例1と同様にして、比較例3のトナーおよび現像剤を作製した。
(比較例4)
樹脂微粒子調製工程S2および被覆工程S3を行わず、トナー母粒子のみで比較例4のトナーおよび現像剤を作製した。
得られた実施例1〜5および比較例1〜4のトナーについて、以下のようにして評価を行った。
〔収率〕
下記式によって、トナーの回収率を算出し、以下の基準で評価した。
トナーの回収率(%)={回収されたトナーの重量
/(トナー母粒子投入量+樹脂微粒子投入量)}×100
◎(非常に良好):トナーの回収率が95%以上
○(良好):トナーの回収率が90%以上95%未満
△(やや悪い):トナーの回収率が80%以上90%未満
×(不良):トナーの回収率が80%未満
〔被覆層均一性〕
樹脂被覆層の状態を電子顕微鏡により観察し、均一性を評価した。
トナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂に包埋した硬化物を、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、複数箇所切断して超薄切片化(約100nm)し、ルテニウム染色した。この切片を、透過型電子顕微鏡(商品名:H−8100、株式会社日立製作所製)によって20,000倍に拡大し、トナー粒子の断面を撮影した。樹脂被覆層は染色されて膜状態がはっきりわかり、トナー母粒子と区別できるため、画像解析ソフトを用いて、トナー母粒子を被覆している樹脂被覆層の膜厚を計測した。
樹脂被覆層の膜厚は、トナー粒子の中心から角度10度ごとに36本の直線を放射状に描き、直線が樹脂被覆層と交わった点から樹脂被覆層に対して垂直に計測し、これらの平均値で表した。
膜厚の評価基準は以下の通りである。
◎(非常に良好):厚さが0.07μm以上0.15μm未満
○(良好):厚さが0.05μm以上0.07μm未満、または、0.15μm以上0.2μm以下
×(不良):厚さが0.05μm未満または0.2μmを超える
次に、計測値のうち、最も小さい値から順に5つを選択して平均値Aを算出し、最も大きい値から順に5つを選択して平均値Bを算出した。BをAで割った値を厚み差とし、以下の基準で評価した。
◎(非常に良好):B/Aが1.5未満
○(良好):B/Aが1.5以上2未満
△(やや悪い):B/Aが2以上2.5未満
×(不良):B/Aが2.5以上
膜厚と厚み差の評価を総合して、樹脂被覆層の均一性を評価した。
◎(非常に良好):いずれの評価も◎
○(良好):どちらか片方の評価が○、またはいずれの評価も○、いずれの評価にも×はない
×(不良):いずれかの評価が×
〔画像安定性〕
市販複写機(商品名:MX-4500、シャープ株式会社製)に実施例1,2および比較例1〜3で得られた2成分現像剤をそれぞれ充填し、感光体上のトナー付着量が0.4mg/cmとなるよう調節して印字したときの初期の画像濃度(ID)および10,000(以下「10k」と記す)枚印字後の画像濃度(ID10k)を測色色差計(商品名:X−Rite938、X−Rite社製)を用いて測定した。
画像安定率を下記式によって算出し、得られた値に基づいて以下のように画像安定性を評価した。
画像安定率(%)=(ID10k/ID)×100
◎(非常に良好):画像安定率が95%以上
○(良好):画像安定率が90%以上95%未満
△(やや悪い):画像安定率が80%以上90%未満
×(不良):画像安定率が80%未満
〔定着性〕
市販複写機(商品名:MX−4500、シャープ株式会社製)を改造したものを用い、実施例1,2および比較例1〜3の2成分現像剤による定着画像を作製した。まず、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、べた画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、べた画像部のトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cm2となるよう調整した。次に、カラー複合機の定着部を利用した外部定着器を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度は124mm/secとし、定着ローラの温度を130℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を測定し、その温度幅を定着非オフセット域とした。本実施形態において、高温オフセットおよび低温オフセットとは、定着時にトナーが記録用紙に定着せずに、前記トナーが定着ローラに付着したまま定着ローラが一周した後に記録用紙に付着することと定義する。
定着非オフセット域の値より、定着性を下記の基準で評価した。
◎(非常に良好):定着非オフセット域が50℃以上
○(良好):定着非オフセット域が35℃以上50℃未満
△(やや悪い):定着非オフセット域が25℃以上35℃未満
×(不良):定着非オフセット域が25℃未満
〔総合評価〕
収率、被覆層均一性、画像安定性および定着性の評価に基づき、本発明のカプセルトナーの製造方法によるカプセルトナーの総合評価を行った。評価基準は以下のとおりである。
◎(非常に良好):いずれの評価も◎である
○(良好):いずれの評価も◎または○である
△(やや悪い):いずれかの評価が△であるが、×はない。
×(不良):いずれかの評価が×である、もしくはいずれも△である。
実施例1〜5および比較例1〜4のトナーの製造に用いた噴霧液体を表1、各トナーの評価結果を表2に示す。
Figure 2011150094
Figure 2011150094
実施例1〜5のトナーはいずれも収率が◎または○であり、総合評価も◎または○であった。
比較例1および2のトナーはいずれも収率が△であったが、このことは、用いた噴霧液体の個数平均液滴径が10μm以上と大きく、製造装置内での凝集や内壁への付着が原因と考えられる。
比較例3のトナーは、収率および定着性は◎であったが、被覆層均一性および画像安定性が×であるため、総合評価が×となった。このことは、噴霧液体を用いなかったことにより、樹脂微粒子が均一に膜化していないことが原因と考えられる。
201 トナーの製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
220 撹拌羽根

Claims (3)

  1. 樹脂微粒子をトナー母粒子表面に付着させる樹脂微粒子付着工程と、
    流動状態にある前記トナー母粒子および樹脂微粒子に、これらの粒子を可塑化させる噴霧液体を噴霧する噴霧工程と、
    前記トナー母粒子表面に付着した樹脂微粒子が軟化して膜化するまで、回転撹拌手段の回転を続けて前記トナー母粒子および樹脂微粒子を流動させる膜化工程とを含み、
    前記噴霧工程では、超音波振動を付与して、前記噴霧液体の個数平均液滴径を10μm未満とすることを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
  2. 前記噴霧工程において、前記噴霧液体は、個数平均液滴径が5μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のカプセルトナーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法で製造されたカプセルトナー。
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