JP2011056142A - スープ抽出用圧力鍋、およびそれを用いた圧力鍋装置、ならびにそれら利用のスープ抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 抽出鍋11上端開口13に耐圧蓋15を開閉自在に装着して圧力鍋となし、該抽出鍋11の上端開口13寄りとなる外周壁14に送液バルブ40を設け、同送液バルブ40には、同抽出鍋11内底壁12直上付近から上向き延伸した上昇管5の上端を接続し、該送液バルブ40の外端がわに、送液管6の供給端がわが接続された送液機構4を組み込んだスープ抽出用圧力鍋10に、スープ鍋16を隣接配置状に組み合わせてなる圧力鍋装置1である。
【選択図】 図1
Description
一般的な業務用ラーメンの希釈スープの製造は、例えば、図22の非乳化スープ抽出作業のフローチャートに示すように、豚骨や鶏ガラなどを茹でて、アクや血液などを除去、洗浄してから豚骨を割ったり、煮干しの内臓部分を除去したり、野菜を洗って刻んだりして1ないし2時間を掛けて食材の下処理Aを行い、それら下拵えした各食材と適量の水とを寸胴型の抽出鍋に投入して仕込みBを行った上、そのまま2ないし12時間に渡って加熱し、旨み成分の抽出Cを行った後、約1時間ほど掛け、該抽出鍋から別のスープ鍋にスープ液のみを小さな柄杓などを用い、手作業で静かに移し換えDをしてようやく完成となるものであり、また、豚骨ラーメンなどのように、乳化したスープを製造する場合には、例えば、図23の乳化スープの抽出作業のフローチャートに示すように、基本的に前記非乳化スープの製造と同様に食材の下処理Aおよび抽出鍋への仕込みBを行った後、旨み成分の抽出Cの工程で8ないし12時間に渡って最大火力で煮出した上、別のスープ鍋にスープ液のみを移し替えDして、さらに、最大火力で3ないし8時間を掛けて煮沸、対流させてスープの乳化Eを促進させて完成となるが、何れの場合にも、バナーに点火して旨み成分の抽出Cを開始してから完成するまで、12ないし24時間の長時間に亘って加熱調理を行わなければならず、それだけ燃料消費量も多くを必要とし、しかも厨房の室内環境が高温、多湿状態となって劣悪を極め、過酷な労働環境となっていた。
こうした状況を憂慮し、例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、乳化させたスープ液に天然由来のゼラチンからなる乳化剤を添加して油分を拡散すると共に、スープ液中に混在する油成分の分離を阻止して乳化状態を安定化させる技術や、同特許文献1(2)および特許文献1(3)などに見られるような、洗浄後に解砕または圧縮加工した豚骨や鶏ガラなどを透液性パックに収納、冷凍しておき、使用のときに冷凍のままか、または、必要に応じて肉汁がパックから出ない程度に解凍してから湯中に浸すだけで骨髄を短時間で抽出することができるようにする食材解砕用の装置や、それを用いた調理技術などが散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある各種乳化安定剤などは、何れも製造された乳化スープ液の安定化を図るものであって、非乳化スープ液および乳化スープ液の製造工程を簡素化したり、製造工数を短縮したりすることは不可能であって、しかも乳化安定剤の添加によってスープ液の味や風味に変化を及ぼしてしまう虞があるという欠点があり、また、解砕または圧縮加工した豚骨や鶏ガラなどの透液性パックによるものでは、スープ液の製造工数を短縮できるという利点は得られるものの、それら食材パックを製造する工数や経費の点に問題があり、特にスープ液を生産する度毎に経費が発生してしまうという欠点なども抱えており、これまでのところでは、従来と同様の食材を利用し、味や風味に影響を与えずに効率の良いスープ液の製造を可能とする技術については、未だ存在していないという状況にある。
そこで、この発明は、業務用として一般的に使用されている食材に特殊な加工や添加物などを一切施さず、そのまま利用して非乳化スープ液や乳化スープ液を各段に効率良く製造可能とする新たなスープ抽出技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造のスープ抽出用圧力鍋、およびそれを用いた新規な構造の圧力鍋装置、ならびにそれら利用の新規なスープ抽出方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明のスープ抽出用圧力鍋は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、有底容器型の抽出鍋上端開口に対し、適所に調圧弁が設けられた耐圧蓋を、密閉機構を介して開閉自在に装着し、該抽出鍋の上端開口寄りとなる外周壁に送液バルブの一端がわを貫通状に設けると共に、同抽出鍋周壁に貫通した送液バルブ一端がわには、同抽出鍋内底壁直上付近に配したフィルターから上向き延伸した上昇管の上端を接続した上、該送液バルブの外端がわに、当該抽出鍋とは別のスープ鍋などの移送先へ送液可能な長さ寸法に設定した配管であって、その送出端に給液ノズルを装備した送液管の供給端がわが接続された送液機構を組み込んでなるものとした構成を要旨とするスープ抽出用圧力鍋である。
上記したスープ抽出用圧力鍋に関連し、この発明には、それを用いた圧力鍋装置も包含している。
即ち、この発明の基本をなす前記何れか記載のスープ抽出用圧力鍋に、当該抽出鍋と同等の容量に設定した有底容器型のスープ鍋を隣接配置状に組み合わせたものにすると共に、当該送液機構の送液管を硬質パイプ製のものとし、同送出端がわを、該スープ鍋上端開口縁を乗り越えるよう逆U字型に折曲、延伸し、同スープ鍋内底壁直上付近に配した該送出端給液ノズルの噴射孔を下向き開口状に姿勢維持してなるものとした構成からなる圧力鍋装置である。
上記したスープ抽出用圧力鍋、およびそれを利用した圧力鍋装置に関連し、この発明には、それらを利用したスープ抽出方法も包含している。
即ち、この発明の基本をなす前記何れか記載のスープ抽出用圧力鍋、および、それを利用した圧力鍋装置を利用するもので、当該抽出鍋に適量の水を張り、下処理した食材を投入して仕込みを行い、耐圧蓋で密閉して水が蒸気を発生して抽出鍋内圧が所定圧力に達するまで1時間以内の加熱を行った上、所望のスープ濃度を得るために事前に準備してある、抽出鍋に投入した[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、当該圧力鍋装置による抽出時間とスープ濃度との相関関係グラフや相関関係表、または相関関係式の何れかに基づいて得られる抽出時間に渡って旨み成分抽出加熱した後、送液バルブを開放し、当該抽出鍋の内圧を利用して送液機構を通じ、スープ液だけを、隣接配置するようにしたスープ鍋に対して30分未満の間に静かに移送し、乳化が無いか、殆ど進まないスープ液を製造するようにした構成からなるスープ抽出方法である。
抽出鍋は、下処理した食材を投入して適量の水を張り、耐圧蓋で施蓋して加熱することで、スープ液を抽出可能とする機能を果たすものであり、有底容器型のものとし、上端開口に耐圧蓋を開閉自在に装着可能とする密閉機構の一部を設けたものとし、充分な耐圧性および耐久性を有するものとし、上端開口寄りとなる外周壁適所に送液機構を組み込んでなるものとしなければならず、実用性を考慮すると、後述する実施例に示すような、従来型の業務用寸胴鍋と同等、もしくはそれ以上の寸法、形状のものとし、外側の複数適所に運搬用の持ち手を設けたものとするのが望ましい。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
同図中に示すとおり、該スープ抽出用圧力鍋10抽出鍋11内上昇管5上端がわのワンタッチカプラー(商品名)P付け根直前部分に乳化容器7を設け、該乳化容器7内に貫通状に接続した上昇管5上端には、図12中に示すように、噴射孔71内径d2を上流がわ管路内径d1よりも大きく設定してなる乳化ノズル70か、または、図13中に示すように、噴射孔71内径d2を上流がわ管路内径d1よりも小さく設定した上、同噴射孔71の吐出端面に、同噴射孔71内径d2よりも狭い一文字型放射状の拡散溝72を、同噴射孔71軸心に直交するよう刻設してなる乳化ノズル70かの何れか一方を、希望する乳化状態の違いに応じて適宜選択し、接続したものとすることが可能であり、さらにまた、図8中に示すように、乳化容器7は、当該抽出鍋11の外がわとなる送液機構4送液管6の中途適所に接続したものとすることが可能であり、該乳化容器7前後の送液管6中途適所の夫々に適宜、ワンタッチカプラー(商品名)P,Pを介在させて着脱自在に接続可能なものとすることができる。
前記実施例1に示すとおりの構成からなるこの発明のスープ抽出用圧力鍋10、およびそれを用いた圧力鍋装置1は、図1中に示すように、乳化容器7を設けずに組み立てたものを用いて、この発明に包含する非乳化スープの抽出方法を実施可能であり、予め実験で得た、抽出鍋に投入する[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、下記表1の食材量およびスープ濃度と、加熱時間との関係、ならびに、図17の煮沸時間/スープ濃度の関係のグラフ、あるいは、それらによって導き出された煮沸時間/スープ濃度の相関関係式(特に示していない。)などに基づき、旨み成分抽出加熱に要する時間を決定し、図18に示してある非乳化スープ抽出のフローチャートに従って非乳化スープ液を製造可能である。
前記実施例2に示すとおりの構成からなるこの発明の圧力鍋装置1は、図7中に示すように、抽出鍋11内の送液機構4上昇管5上端がわに乳化容器7を組み込んだスープ抽出用圧力鍋10を用いて、この発明に包含する乳化スープの抽出方法を実施可能であり、図20の乳化スープ抽出のフローチャートに従って乳化スープ液Sを製造可能であって、図9中に示すように、食材の下処理A(1ないし2時間)、抽出鍋への仕込みB、および所定圧力(134℃、2.2kg/cm3)まで加熱F(40分)した後、旨み成分の抽出C(80分)までの作用を、前記実施例1と同様の条件で行った後、送液機構4送液バルブ40を開放し、図11中の実線矢印に示すように、抽出鍋11の内圧によって、フィルター50、上昇管5、乳化容器7および送液管6を通じて給液ノズル60から、スープ鍋16内底壁17直上付近に、スープ液Sだけを21分間で移送、放出Dするものとなる。
以上のような構成からなる実施例1のスープ抽出用圧力鍋10、およびそれを利用した圧力鍋装置1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図22のフローチャートに示すように、一般的な業務用寸胴鍋を用いた非乳化スープの調理方法に従えば、通常5時間ないし24時間必要となるのに比較して、図18のフローチャートに示すように、食材の下処理Aからスープの移し替えDの完了まで、4時間21分ないし5時間21分まで短縮することが可能となり、さらに、図19のフローチャートに示すように、スープの移し替え工程Dの直前に、冷却機構Rを利用したスープの冷却工程G(10分間)を実施することにより、スープの移し替え工程Dの段階で、送液バルブ40を全開してもスープ液Sの乳化を防止できるものとなり、食材の下処理Aからスープの移し替えDの完了まで2時間51分ないし4時間51分まで短縮することができる外、一段と透明度の高いスープ液Sを製造することが可能となるという大きな特徴を備えている。
また、この実施例2のスープ抽出用圧力鍋10、およびそれを利用した圧力鍋装置1は、前記したこの発明の効果の項で記載の特徴に加え、図23のフローチャートに示すように、一般的な業務用寸胴鍋を用いた乳化スープの調理方法に依るならば、通常時間13時間ないし23時間必要となるのに比較し、図20のフローチャートに示すように、食材の下処理Aからスープの移し替えDおよびスープの乳化Eが完了するまでの時間を、大巾に改善して2時間41分ないし4時間20分に短縮することが可能であり、しかも、図21のフローチャート、および図10中に示すように、スープの移し替え工程Dの直前に、減圧機構8を利用した減圧による乳化Jを行うことによって、スープの移し替えDの後に行うスープの乳化Hを短縮するか、または、スープ液Sの濃度をさらに高めることが可能となるという極めて実用的な効果が期待できるものとなる。
非乳化スープ液Sと乳化スープ液Sとの光透過率測定値に、然程大きな数値差は認められないが、目視による色調は、非乳化スープ液Sが、薄い茶色(僅かに白色を含む)を呈する一方、乳化スープ液Sでは、乳白色(牛乳と同等)を呈し、両者の目視による色調の差異は明確であり、業務用ラーメンの希釈スープ液として充分に利用できる高品質なものであった。
叙述の如く、この発明のスープ抽出用圧力鍋、およびそれを用いた圧力鍋装置、ならびにそれら利用のスープ抽出方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの寸胴鍋型の圧力鍋に開閉バルブを有する配管設備を装着するだけで、軽量且つ低廉にて経済的に生産、販売可能なものとすることができる上、従前まで各店舗毎の厨房にて毎日のように多大な労力と長時間とを費やして製造してきたラーメン希釈用スープを、短時間の中に簡便且つ高品質に製造できるものとして、調理者の過大な負担を大巾に削減すると共に、表やグラフまたは計算式などに依って、その食材量、初期水量および所望スープ濃度を特定すれば、加熱調理時間を誰でも簡単に知ることができるものとしてあるから、未経験者であっても失敗無く高品質の営業用スープ液を安定的に製造可能となり、従業員不足を嘆く個人経営のラーメン店者はもとより、熟練者の不足や調理者の違いによる風味や品質のバラツキなどを解決できずにいた外食チェーン業界や、各種外食業界に厨房設備を提供する厨房設備業界などからも高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
10 同 スープ抽出用圧力鍋
11 同 抽出鍋
12 同 底壁
13 同 開口
14 同 周壁
15 同 耐圧蓋
16 同 スープ鍋
17 同 底壁
18 同 開口
2 密閉機構
20 同 パッキン当接面
21 同 掛止爪
22 同 パッキン装着溝
23 同 係合爪
24 同 パッキン
3 安全装置
30 同 調圧弁
4 送液機構
40 同 送液バルブ
41 同 ブロック型エルボ
5 上昇管
50 同 フィルター
6 送液管
60 同 給液ノズル
7 乳化容器
70 同 乳化ノズル
71 同 噴射孔
72 同 拡散溝
73 同 円柱ベース
74 同 植込みボルト
75 同 円筒キャップ
76 同 天壁
77 同 無端状シール
78 同 持ち手
8 減圧機構
80 同 減圧バルブ
9 減圧管
90 同 排気ノズル
R 冷却機構
R0 同 熱交換回路
R1 同 冷媒流入管
R2 同 冷媒流出管
R3 同 冷却バルブ
P ワンタッチカプラー(商品名)
S スープ液
F 食材
W 水
A 食材の下処理工程
B 抽出鍋への仕込み工程
C 旨み成分の抽出工程
D スープの移し替え工程
E スープの乳化工程
F 所定圧力までの加熱する工程
G スープの冷却工程
H スープの乳化工程
J 減圧による乳化工程
Claims (13)
- 有底容器型の抽出鍋上端開口に対し、適所に調圧弁が設けられた耐圧蓋を、密閉機構を介して開閉自在に装着し、該抽出鍋の上端開口寄りとなる外周壁に送液バルブの一端がわを貫通状に設けると共に、同抽出鍋周壁に貫通した送液バルブ一端がわには、同抽出鍋内底壁直上付近に配したフィルターから上向き延伸した上昇管の上端を接続した上、該送液バルブの外端がわに、当該抽出鍋とは別のスープ鍋などの移送先へ送液可能な長さ寸法に設定した配管であって、その送出端に給液ノズルを装備した送液管の供給端がわが接続された送液機構を組み込んでなるものとしたことを特徴とするスープ抽出用圧力鍋。
- 有底容器型の抽出鍋上端開口に対し、適所に調圧弁が設けられた耐圧蓋を、密閉機構を介して開閉自在に装着し、該抽出鍋の上端開口寄りとなる外周壁に送液バルブの一端がわを貫通状に設け、同抽出鍋周壁に貫通した送液バルブ一端がわには、同抽出鍋内底壁直上付近に配したフィルターから上向き延伸した上昇管の上端を接続すると共に、該送液バルブの外端がわに、当該抽出鍋とは別のスープ鍋などの移送先へ送液可能な長さ寸法に設定した配管であって、その送出端に給液ノズルを装備した送液管の供給端がわが接続された送液機構を組み込んだ上、該抽出鍋内がわ適所に熱交換回路を収容し、同熱交換回路の冷媒流入管および冷媒流出管を、該抽出鍋周壁の適宜間隔を隔てた適所夫々に貫通して抽出鍋外がわに導出し、同冷媒流入管外端には、他端がわから冷媒を供給可能とした冷却バルブの一端が接続された冷却機構を配設してなるものとしたことを特徴とするスープ抽出用圧力鍋。
- 有底容器型の抽出鍋上端開口に対し、適所に調圧弁が設けられた耐圧蓋を、密閉機構を介して開閉自在に装着し、該抽出鍋の上端開口寄りとなる外周壁に送液バルブの一端がわを貫通状に設け、同抽出鍋周壁に貫通した送液バルブ一端がわには、同抽出鍋内底壁直上付近に配したフィルターから上向き延伸した上昇管の上端を接続すると共に、該送液バルブの外端がわに、当該抽出鍋とは別のスープ鍋などの移送先へ送液可能な長さ寸法に設定した配管であって、その送出端に給液ノズルを装備した送液管の供給端がわが接続された上、当該上昇管および/または送液管の適所に液密型の乳化容器を接続し、該乳化容器の流入口に、同乳化容器内に乱流を発生して流入スープ液の混合促進用とする乳化ノズルが装着された送液機構を組み込んでなるものとしたことを特徴とするスープ抽出用圧力鍋。
- 有底容器型の抽出鍋上端開口に対し、適所に調圧弁が設けられた耐圧蓋を、密閉機構を介して開閉自在に装着し、該抽出鍋の上端開口寄りとなる外周壁に送液バルブの一端がわを貫通状に設け、同抽出鍋周壁に貫通した送液バルブ一端がわには、同抽出鍋内底壁直上付近に配したフィルターから上向き延伸した上昇管の上端を接続すると共に、該送液バルブの外端がわに、当該抽出鍋とは別のスープ鍋などの移送先へ送液可能な長さ寸法に設定した配管であって、その送出端に給液ノズルを装備した送液管の供給端がわが接続された上、当該上昇管の該抽出鍋内となる適所に、液密型の乳化容器を接続し、該乳化容器の流入口に、同乳化容器内に乱流を発生して流入スープ液の混合促進用とする乳化ノズルが装着された送液機構を組み込んでなるものとしたことを特徴とするスープ抽出用圧力鍋。
- 乳化ノズルが、その上流がわ管路断面積を噴射孔断面積よりも小さく、同噴射孔の吐出端面に、同噴射孔の開口巾よりも狭い一文字状または十字状などの放射状の拡散溝を、同噴射孔に直交するよう刻設してなるものとした、請求項3または4何れか一方記載のスープ抽出用圧力鍋。
- 当該上昇管および/または送液管の適所に、複数基の液密型の乳化容器を連続的または不連続的、且つ、1基単位での追加および削減が可能な状態に接続してなるものとした、請求項3ないし5何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋。
- 抽出鍋が、その上端開口寄りとなる外周壁に減圧バルブの一端がわを貫通状に設け、同減圧バルブの外端には、該抽出鍋外周壁に沿って下向きに延伸した減圧管が接続された減圧機構を組み込んでなるものとした、請求項ないし6何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋。
- 請求項1ないし7何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋に、当該抽出鍋と同等の容量に設定した有底容器型のスープ鍋を隣接配置状に組み合わせたものにすると共に、当該送液機構の送液管を硬質パイプ製のものとし、同送出端がわを、該スープ鍋上端開口縁を乗り越えるよう逆U字型に折曲、延伸し、同スープ鍋内底壁直上付近に配した該送出端給液ノズルの噴射孔を下向き開口状に姿勢維持してなるものとしたことを特徴とする圧力鍋装置。
- 請求項1ないし7何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋に、当該抽出鍋と同等の容量に設定した有底容器型のスープ鍋を隣接配置状に組み合わせたものとすると共に、当該送液機構の送液管を湾曲自在且つ配管姿勢維持可能なフレキシブルパイプ製のものとし、同送出端がわを、該スープ鍋上端開口縁を乗り越えるよう逆U字型に折曲、延伸し、同スープ鍋内底壁直上付近に配した該送出端給液ノズルの噴射孔を下向き開口状に姿勢維持可能なものとしたことを特徴とする圧力鍋装置。
- 請求項1記載のスープ抽出用圧力鍋、および、請求項1記載のスープ抽出用圧力鍋を用いた請求項8または9何れか一方記載の圧力鍋装置を利用し、当該抽出鍋に適量の水を張り、下処理した食材を投入して仕込みを行い、耐圧蓋で密閉して水が蒸気を発生して抽出鍋内圧が所定圧力に達するまで1時間以内の加熱を行った上、所望のスープ濃度を得るために事前に準備してある、抽出鍋に投入した[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、当該圧力鍋装置による抽出時間とスープ濃度との相関関係グラフや相関関係表、または相関関係式の何れかに基づいて得られる抽出時間に渡って旨み成分抽出加熱した後、送液バルブを開放し、当該抽出鍋の内圧を利用して送液機構を通じ、スープ液だけを、隣接配置するようにしたスープ鍋に対して30分未満の間に静かに移送し、乳化が無いか、殆ど進まないスープ液を製造するようにしたことを特徴とするスープ抽出方法。
- 請求項2記載のスープ抽出用圧力鍋、および、請求項2記載のスープ抽出用圧力鍋を用いた請求項8または9何れか一方記載の圧力鍋装置を利用し、当該抽出鍋に適量の水を張り、下処理した食材を投入して仕込みを行い、耐圧蓋で密閉して水が蒸気を発生して抽出鍋内圧が所定圧力に達するまで1時間以内の加熱を行った上、所望のスープ濃度を得るために事前に準備してある、抽出鍋に投入した[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、当該圧力鍋装置による抽出時間とスープ濃度との相関関係グラフや相関関係表、または相関関係式の何れかに基づいて得られる抽出時間に渡って旨み成分抽出加熱した後、冷却機構の冷却バルブを開放して熱交換回路に冷媒を供給し、スープ液を乳化し難い温度以下で、しかも送液機構を通じて自動的に排出可能な抽出鍋内圧を確保可能な温度以上の条件を満たす温度範囲まで冷却してから、送液バルブを開放し、当該抽出鍋の内圧を利用して送液機構を通じ、スープ液だけを、隣接配置するようにしたスープ鍋に対して30分未満の間に静かに移送し、乳化が無いか、殆ど進まないスープ液を製造するようにしたことを特徴とするスープ抽出方法。
- 請求項3ないし7何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋、および、請求項3ないし7何れか一項記載のスープ抽出用圧力鍋を用いた請求項8または9何れか一方記載の圧力鍋装置を利用し、当該抽出鍋に適量の水を張り、下処理した食材を投入して仕込みを行い、耐圧蓋で密閉して水が蒸気を発生して抽出鍋内圧が所定圧力に達するまで1時間以内の加熱を行った上、所望のスープ濃度を得るために事前に準備してある、抽出鍋に投入した[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、当該圧力鍋装置による抽出時間とスープ濃度との相関関係グラフや相関関係表、または相関関係式の何れかに基づいて得られる抽出時間に渡って旨み成分抽出加熱した後、送液バルブを開放し、当該抽出鍋の内圧を利用し、送液機構を通じてスープ液だけを、隣接配置するようにしたスープ鍋に対し、30分未満の間に移送すると同時に、乳化容器および乳化ノズル通過に伴う乳化促進操作を自動的に行うようにし、移送スープ液中の油分を微細化、攪拌して所望のスープ液を製造するようにしたことを特徴とするスープ抽出方法。
- 請求項7記載のスープ抽出用圧力鍋、または、請求項7記載のスープ抽出用圧力鍋を用いた請求項8または9何れか一方記載の圧力鍋装置を利用し、当該抽出鍋に適量の水を張り、下処理した食材を投入して仕込みを行い、耐圧蓋で密閉して水が蒸気を発生して抽出鍋内圧が所定圧力に達するまで1時間以内の加熱を行った上、所望のスープ濃度を得るために事前に準備してある、抽出鍋に投入した[食材重量+水重量]に応じて変化するところの、当該圧力鍋装置による抽出時間とスープ濃度との相関関係グラフや相関関係表、または相関関係式の何れかに基づいて得られる抽出時間に渡って旨み成分抽出加熱した後、一時的に減圧バルブを開放して当該抽出鍋の内圧を減圧機構によって減圧し、抽出鍋内スープ液の沸騰と対流とを促進してスープ液を攪拌、乳化した上、減圧バルブを閉鎖し、再加熱して抽出鍋内圧力を高めてから、送液バルブを開放し、当該抽出鍋の内圧を利用し、送液機構を通じてスープ液だけを、隣接配置するようにしたスープ鍋に対し、30分未満の間に移送すると同時に、乳化容器および乳化ノズル通過に伴う乳化促進操作を自動的に行い、移送スープ液中の油分を微細化、攪拌して乳化処理を行い、所望のスープ液を製造するようにしたことを特徴とするスープ抽出方法。
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