JP2003279516A - スープの旨味成分測定方法ならびにスープの品質管理方法およびスープ製造装置 - Google Patents

スープの旨味成分測定方法ならびにスープの品質管理方法およびスープ製造装置

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JP2003279516A
JP2003279516A JP2002081754A JP2002081754A JP2003279516A JP 2003279516 A JP2003279516 A JP 2003279516A JP 2002081754 A JP2002081754 A JP 2002081754A JP 2002081754 A JP2002081754 A JP 2002081754A JP 2003279516 A JP2003279516 A JP 2003279516A
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water
container
electrical conductivity
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Isao Matsushita
功 松下
Koichi Miyazaki
浩一 宮崎
Keizo Higo
慶三 肥後
Manabu Nakamoto
学 中本
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スープ製造のインラインにおいて簡易かつ迅
速に旨味成分を測定し、品質管理することを可能にす
る。 【解決手段】 容器3に水を供給して沸騰するまで加熱
し(b1〜b4)、容器3に原材料6を供給して所定時
間加熱し(b5〜b6)、スープの電気伝導率σを測定
してσが管理範囲上限値を超えているとき水を追加供給
し(b8〜b9)、σが管理範囲下限値未満であるとき
原材料を追加供給し(b10〜b11)、σが管理範囲
内であるとき、スープの品質管理手順を完了する。スー
プのσと旨味成分である総アミノ酸濃度とは高い相関が
有るので、σを適正範囲になるように管理することによ
って、所望の品質を備えるスープを製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スープの旨味成分
測定方法ならびにスープの品質管理方法およびスープ製
造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】肉および骨片(若干の肉が付着したもの
も含む)であるたとえば鶏ミンチ、鶏ガラ、豚骨などの
旨味成分を含有する原材料(以後、単に原材料と呼ぶ)
から旨味成分を抽出して得られる抽出液であるスープ
は、中華料理および洋風料理に多用されている。
【0003】スープが、たとえばレストランなどにおい
て比較的小規模に製造されるとき、熟練した料理人によ
って、均質な味(品質)のスープが再現性良く製造され
得る。しかしながら、たとえばインスタント食品および
冷凍食品として大量生産されるラーメンなどに添付され
るスープは、一度に工業的規模で大量に製造されるの
で、1人の品質管理者による味見程度では、その品質を
管理し再現性良く均質なスープを製造することは困難で
ある。
【0004】従来、工業的に大量生産されるスープの品
質を評価する方法には、複数人のパネラーによる官能試
験が用いられてきた。官能試験は、スープの品質評価方
法として最も信頼性の高いものであるけれども、スープ
から複数の検体を採取し、複数のパネラーによる味見を
してその評価結果を集計し、さらに最終的に調整するべ
き品質を確定するという作業に長時間を必要とするの
で、迅速性を要求される工業的生産ラインでのスープ製
造の評価方法としては適さない。
【0005】また、前述の鶏ガラおよび豚骨などの動物
性の原材料を用いて抽出されたスープの旨味成分の指標
は、総アミノ酸量であることが知られている。従来、こ
の総アミノ酸量によるスープの品質評価では、スープの
検体を採取し、その検体について液体クロマトグラフィ
によって18種類ものアミノ酸を個別に定量した後、そ
れらの定量結果を合計して総アミノ酸量を同定してい
る。したがって、従来の総アミノ酸量による品質評価に
おいても、官能試験と同様評価結果を得るまでに長時間
を必要とするので、迅速性を要求される工業的生産ライ
ンでのスープ製造の評価方法としては適さない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
スープの品質である味の評価方法、すなわち旨味成分の
測定方法については、簡易性および迅速性を備えるもの
がないので、スープの工業的生産に用いるには適さない
というのが実情であり、このことがスープ製造の自動化
を困難なものとしていた。
【0007】本発明の目的は、スープ製造のインライン
において簡易かつ迅速に旨味成分を測定し、品質管理す
ることのできるスープの旨味成分測定方法ならびにスー
プの品質管理方法およびスープ製造装置を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スープの旨味
成分測定方法であって、スープの電気伝導率を測定する
ことによって、電気伝導率と相関を有するスープの旨味
成分の濃度を測定することを特徴とするスープの旨み成
分測定方法である。
【0009】本発明に従えば、スープの旨味成分、たと
えばスープに含まれる総アミノ酸量と相関を有する電気
伝導率を測定するという簡易な方法によって、迅速にス
ープの旨味成分を測定することができる。この測定方法
によれば、工業的規模のスープ製造におけるスープの品
質評価を、簡易かつ迅速に行うことが可能になる。
【0010】また本発明は、スープの品質管理方法であ
って、スープの旨味成分の濃度と相関を有する電気伝導
率を管理指標とし、スープの旨味成分の濃度管理範囲に
対応するように電気伝導率の管理範囲を予め定め、スー
プの電気伝導率を測定し、スープの電気伝導率が、前記
電気伝導率の管理範囲の下限値未満であるとき、旨味成
分の抽出されるべき原材料をスープに添加して旨味成分
の濃度を増加させ、前記電気伝導率の管理範囲の上限値
を超えるとき、スープに水を添加して旨味成分の濃度を
減少させることによって、スープの電気伝導率が前記管
理範囲内になるように管理することを特徴とするスープ
の品質管理方法である。
【0011】本発明に従えば、スープの旨味成分の濃度
と相関を有する電気伝導率を管理指標とし、スープの品
質管理範囲である旨味成分の濃度管理範囲に対応するよ
うに電気伝導率の管理範囲を予め定め、測定されるスー
プの電気伝導率が、予め定められる電気伝導率の管理範
囲内になるように、スープに水または原材料を添加して
スープの旨味成分の濃度を管理する。このように、スー
プの品質管理すなわち旨味成分の濃度管理が、スープの
電気伝導率を測定し、その測定結果をフィードバックし
て電気伝導率が予め定められる管理範囲内になるよう
に、旨味成分の濃度を調整するという簡易な方法によっ
て迅速に達成される。このことによって、均質な品質の
スープを工業的規模で大量に再現性良く製造すること
が、可能になる。
【0012】また本発明は、スープの収容されるべき容
器と、旨味成分の抽出媒体である水を前記容器に供給す
る水供給手段と、水によって旨味成分が抽出される原材
料を前記容器に供給する原材料供給手段と、前記容器内
の水および原材料を加熱する加熱手段と、前記加熱手段
によって水および原材料が加熱され、原材料の旨味成分
が温水または熱水で抽出されることによって製造される
前記スープの電気伝導率を測定する電気伝導率測定手段
と、前記電気伝導率測定手段の出力に応答し、スープの
電気伝導率が予め定められる範囲の上限値を超えると
き、水供給手段の動作を制御して前記容器内に水を供給
し、スープの電気伝導率が予め定められる範囲の下限値
未満であるとき、原材料供給手段の動作を制御して前記
容器内に原材料を供給し、前記容器内のスープの電気伝
導率が予め定められる範囲内になるように制御する制御
手段とを含むことを特徴とするスープ製造装置である。
【0013】本発明に従えば、制御手段は、電気伝導率
測定手段によるスープの電気伝導率の測定結果に応じ、
スープの電気伝導率が予め定められる範囲の上限値を超
えるときスープに水を供給し、スープの電気伝導率が予
め定められる範囲の下限値未満であるときスープに原材
料を供給し、スープの電気伝導率が予め定める範囲内に
なるように制御する。このようにして、スープの電気伝
導率が予め定められる範囲内、すなわちスープの電気伝
導率と相関を有する旨味成分の濃度が予め定められる品
質管理範囲内になるような制御を自動で行うことが可能
になるので、均質な品質のスープを大量に自動で製造す
ることのできるスープ製造装置が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態であ
るスープ製造装置1の構成を簡略化して示す系統図であ
り、図2は図1に示すスープ製造装置1の電気的構成を
簡略化して示すブロック図である。
【0015】本実施の形態のスープ製造装置1は、スー
プ2の収容されるべき容器3と、旨味成分の抽出媒体で
ある水4を容器3に供給する水供給手段5と、水4によ
って旨味成分が抽出される原材料6を容器3に供給する
原材料供給手段7と、容器3内の水4および原材料6を
加熱する加熱手段8と、加熱手段8によって水4および
原材料6が加熱され、原材料6の旨味成分が温水または
熱水で抽出されることによって製造されるスープ2の電
気伝導率を測定する電気伝導率測定手段9と、スープ2
の温度を検出する温度センサ10と、電気伝導率測定手
段9の出力に応答し、スープ2の電気伝導率が予め定め
られる範囲の上限値を超えるとき、水供給手段5の動作
を制御して容器3内に水を供給し、スープ2の電気伝導
率が予め定められる範囲の下限値未満であるとき、原材
料供給手段7の動作を制御して容器3内に原材料6を供
給し、容器3内のスープ2の電気伝導率が予め定められ
る範囲内になるように制御する制御手段11とを含む。
【0016】容器3は、たとえばステンレス鋼製の内部
空間を有する鍋であり、その内部空間にスープ2もしく
は水4,原材料6を収容することができる。水供給手段
5は、図示しない上水道などの水供給源に接続される水
供給管路12と、水供給管路12に設けられるポンプ1
3aと、ポンプ13aの動作を電気的に制御するポンプ
制御部13bとを含む。容器3に対する水4の供給は、
以下のようにして行われる。制御手段11に設けられる
たとえばキーボードなどの入力手段14から、容器3に
供給するべき水の所定量を制御手段11に入力し、制御
手段11と電気的に接続されるポンプ制御部13bに、
制御手段11から制御信号を与えることによってポンプ
13aの動作を制御し、所定量の水4を容器3に供給す
ることができる。また、ポンプ13aを手動操作するこ
とによっても、容器3に水を供給することが可能であ
る。
【0017】なお水供給源とポンプ13aとの間に水を
加熱する加熱装置、たとえば水を一時貯留する槽と槽内
の水を加熱するヒータなどが設けられ、容器3に予め加
温された温水または熱水が供給されるように構成されて
も良い。
【0018】ここで旨味成分の抽出される原材料6に
は、鶏肉、牛肉、豚肉、魚肉および鶏ガラ、牛骨、豚
骨、魚骨などの前述した肉および骨片である主として動
物性の原材料が用いられるけれども、これらの例示のも
のに限定されるものではない。
【0019】原材料供給手段7は、原材料6を貯留する
ポッパ7aと、ホッパ7aに設けられる底扉の開閉動作
を電気的に制御するポッパ制御部7bとを含んで構成さ
れる。ポッパ制御部7bは、制御手段11と電気的に接
続され、制御手段11からポッパ制御部7bに与えられ
る制御信号によって、ホッパ7aの底扉の開閉が行われ
る。ホッパ7aの底扉が開くと原材料6が容器3に供給
され、ポッパ7bが閉じると原材料6の容器3への供給
が停止される。
【0020】ホッパ7aから容器3への原材料供給量
は、以下のようにして制御される。ホッパ7aの底扉の
開扉時間と原材料のホッパ7a通過量との関係を、原材
料の種類毎に予め求めておき、制御手段11から制御信
号を出力し、ホッパ制御部7bを介してホッパ7aの底
扉の開扉時間を制御することによって、所望量の原材料
を容器3へ供給することを実現できる。
【0021】加熱手段8は、ガスバーナー8aと、ガス
バーナー8aの点火、消火および火力調整を制御するバ
ーナー制御部8bとを含んで構成される。バーナー制御
部8bは、制御手段11と電気的に接続され、制御手段
11からバーナー制御部8bに与えられる制御信号によ
って、ガスバーナー8aの点火、消火および火力調整が
行われる。なお加熱手段は、ガスバーナーに限定される
ものではなく、誘導加熱(IH)または抵抗発熱体によ
る構成であっても良い。
【0022】電気伝導率測定手段9は、容器3内のスー
プ2を採取して再び容器3内に戻すように循環させる管
路であるスープ循環管路17と、スープ循環管路17に
設けられる冷却循環装置18と、スープ循環管路17に
おいて冷却循環装置18よりも下流側に設けられる電気
伝導率計19とを含む。なおスープ循環管路17内のス
ープ2の循環は、スープ循環管路17に備えられる図示
しないポンプによって行われる。冷却循環装置18は、
熱交換器であり、スープ循環管路17内を流過するスー
プ2を冷却して約60℃以下の温度になるように降温す
る。電気伝導率計19には、たとえばモデルES−14
(堀場製作所製)などを用いることができる。
【0023】電気伝導率計19は、スープ循環管路17
内を流過し冷却循環装置18によって約60℃以下の温
度に冷却されたスープ2の電気伝導率を測定する。電気
伝導率測定手段9によって測定されるスープ2の電気伝
導率の測定結果は、制御手段11に与えられる。なお、
本実施の形態では、スープ2を60℃以下に降温して電
気伝導率を測定するけれども、電気伝導率計の種類によ
っては、スープ2の温度を降温することなく、容器3内
に電気伝導率計を直接浸漬して電気伝導率を測定しても
よい。
【0024】温度センサ10は、たとえばサーミスタな
どによって実現される温度計であり、スープ2に浸漬さ
れて温度を測定し、その測定出力は、制御手段11に与
えられる。
【0025】制御手段11は、たとえばCPU(Centra
l Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータな
どによって実現される処理回路である。処理回路11に
は、記憶手段であるメモリ15が設けられ、メモリ15
には、処理回路11を動作させるためのプログラムおよ
びスープの品質管理ために設定される電気伝導率の管理
範囲が予めストアされる。
【0026】前述のように処理回路11に接続される入
力手段14は、スープ製造装置1の動作に関する諸条件
を入力するために設けられる。入力手段14からは、ス
ープ製造の初めに容器3に供給するべき水4および原材
料6の所定量、また電気伝導率すなわち旨味成分の濃度
が管理範囲内になるように、追加で供給するべき水4お
よび原材料6の所定量、さらにスープ製造の各ステップ
における加熱時間および火力調整値などを予め入力する
ことができる。これらの入力値は、前記メモリ15にス
トアされる。処理回路11は、入力手段14によって入
力された諸条件の設定値および電気伝導率測定手段9、
温度センサ10の出力に応答し、水供給手段5、原材料
供給手段7および加熱手段8の動作を制御する。
【0027】前述のように構成されるスープ製造装置1
によって、スープの製造およびその製造されるスープの
品質管理が行われる。このスープの品質管理において、
管理指標として用いられるスープの電気伝導率と旨味成
分の濃度との相関およびスープの品質管理範囲について
以下に説明する。
【0028】まずスープの電気伝導率と旨味成分の濃度
との相関について説明する。前述した原材料から抽出さ
れるスープの旨味は、スープに含有される総アミノ酸量
によることが知られている。本発明者らは、スープの総
アミノ酸濃度と電気伝導率との関係を求め、両者の間に
極めて高い相関のあることを知見として得た。
【0029】図3は、総アミノ酸濃度および電気伝導率
測定に用いられるスープの製造手順を説明するフローチ
ャートである。図3を参照して総アミノ酸濃度および電
気伝導率測定に用いられる試験スープの製造手順を説明
する。
【0030】ステップa1では、原材料である所定量の
鶏ミンチと0.5L(リットル)の水とを、充分に混合
して準備する。ここで原材料である鶏ミンチは、鶏の首
の部分を骨付きの状態のまま刻んだものであり、鶏の正
肉のみからなるいわゆるミンチ肉よりは粗い状態で使用
した。ステップa2では、鍋などの容器に水7.5Lを
供給する。したがって、ここではステップa1において
使用する水0.5Lと合わせて合計8.0Lの水を使用
する。
【0031】ステップa3では、容器および容器に供給
された水を、たとえばガスレンジで約10分間加熱し沸
騰させる。ステップa4では、ステップa1において準
備した鶏ミンチと水との混合物を容器に供給する。ステ
ップa5では、鶏ミンチを容器に供給後、容器および容
器に供給された水、鶏ミンチを、5分間加熱し、ステッ
プa6では、さらに約30分間加熱する。ステップa7
では、スープをろ過し、ステップa8の手順終了とな
る。
【0032】前述のステップa1における鶏ミンチの所
定量、すなわち合計8.0Lの水に対して供給される鶏
ミンチ重量の、水と鶏ミンチ供給量との合計重量に対す
る百分率(以後、便宜上鶏ミンチ含有量と呼ぶ)が、表
1に示すように20〜30重量%まで2重量%毎に段階
的に変化する6種類のスープを、図3のフローチャート
に示す手順に従ってそれぞれ製造した。各鶏ミンチ含有
量のスープについて、総アミノ酸濃度を液体クロマトグ
ラフィで測定し、電気伝導率σを電気伝導率計で測定し
た。結果を後述の図4に示す。
【0033】
【表1】
【0034】図4は、スープの総アミノ酸濃度と電気伝
導率σとの関係を示す図である。図4では、横軸にスー
プに含有される総アミノ酸濃度、縦軸にスープの電気伝
導率σを採り、図中に示すライン16が、総アミノ酸濃
度と電気伝導率σとの関係を示す。まずスープの旨味成
分である総アミノ酸濃度は、鶏ミンチの含有量の増加に
伴ってほぼ直線的に増加するので、鶏ミンチの含有量を
増加させることによって、総アミノ酸濃度を増加させ得
ることが判る。
【0035】総アミノ酸濃度と電気伝導率σとは、高い
相関を有し、電気伝導率σを測定することによって、ス
ープの旨味成分である総アミノ酸濃度を得ることが可能
である。このようにスープの電気伝導率σを測定するこ
とによって、電気伝導率σと相関を有するスープの旨味
成分である総アミノ酸濃度を測定することは、本発明の
実施の他の形態である。
【0036】スープ製造時におけるスープの品質管理
は、総アミノ酸濃度と相関を有する電気伝導率σを指標
として行われる。この電気伝導率σの管理範囲を定める
元になる総アミノ酸濃度の管理範囲は、官能試験と組合
せて以下のように定められる。
【0037】まず官能試験について説明する。前述の図
3のフローチャートに示す手順に従って製造された鶏ミ
ンチ含有量が20重量%のスープを、旨味判定の基準ス
ープとする。官能試験のパネラー12名が、前記基準ス
ープの旨味と、図3のフローチャートに示す手順に従い
鶏ミンチ含有量を変化させて製造された各試験スープの
旨味とを比較し判定する。判定は、表2および表3に示
すように、旨味の濃いと感じられる方のスープに丸印を
付けることによって行われる。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】パネラーによる判定が、たとえば表2に示
すように、基準スープAの旨味が濃いとする者6名と、
試験スープBの旨味が濃いと判定する者6名とにばらつ
くようなとき、鶏ミンチ含有量が異なるように製造した
スープであっても、基準スープAと試験スープBとの間
には、旨味に有意差が無いと結論付ける。一方、パネラ
ーによる判定が、たとえば表3に示すように、基準スー
プAの旨味が濃いとする者3名と、試験スープBの旨味
が濃いと判定する者9名とに分れるとき、基準スープA
と試験スープBとの間には、旨味に有意差が有ると結論
付ける。一般的には、パネラーが12名のとき、8名以
上のパネラーが一方のスープに印を付けると、旨味に有
意差があると結論付ける。このような官能試験によっ
て、鶏ミンチ含有量が20重量%である基準スープの旨
味に対して有意差の無い試験スープの鶏ミンチ含有量の
範囲を求める。
【0041】次に官能試験によって基準スープの旨味と
有意差が無いと判定された試験スープの鶏ミンチ含有量
の範囲を許容範囲とし、許容範囲のうちからスープの品
質管理範囲が定められる。ただし、鶏ミンチ含有量によ
って定まる旨味成分である総アミノ酸濃度が、基準スー
プの総アミノ酸濃度よりも薄い方に変動すると、官能試
験によって旨味に有意差が無いと判定されたとしても、
品質が良くない方に変動することになり品質管理上好ま
しくないので、スープの品質管理範囲は、基準スープの
総アミノ酸濃度を超える範囲になるように定められる。
【0042】ここで、前述した官能試験の結果得られる
前記許容範囲は、基準スープに該当する鶏ミンチ含有量
である20重量%以上、28重量%以下であるけれど
も、基準スープの旨味成分濃度を下回らないようにとの
観点から、スープの品質管理範囲には、鶏ミンチ含有量
で22重量%以上、28重量%以下の範囲が選定され
る。図4中のライン16から、鶏ミンチ含有量が、22
重量%以上、28重量%以下の範囲であるときに得られ
るスープの総アミノ酸濃度の範囲は、69.5mg/1
00g以上、82.5mg/100g以下であり、この
総アミノ酸濃度に対応する電気伝導率σは、1.672
mS/cm以上、1.977mS/cm以下である。こ
のようにして求められる1.672mS/cm以上、
1.977mS/cm以下の電気伝導率σの範囲が、ス
ープの品質管理範囲として定められる。なお、前述のよ
うなスープの品質管理範囲およびその選定方法は、単に
例示に過ぎないものであり、これに限定されるものでは
なく、スープの品質管理範囲が他の範囲に選定されても
よく、また選定方法も他の方法によっても良い。
【0043】図5は、本発明の実施のさらに他の形態で
あるスープの品質管理方法の手順を説明するフローチャ
ートである。図5を参照し、たとえば前述のように選定
される電気伝導率σを指標とする品質管理範囲に基づい
て実行されるスープの品質管理方法について説明する。
【0044】ステップb1では、スープの品質管理方法
が適用されるスープ製造装置1の操業準備が完了してい
る状態である。ステップb2では、予め入力手段14に
よって入力されメモリ15にストアされている水の初期
供給量の設定値に基づいて、処理回路11は、水供給手
段5の動作を制御して水:400Lを容器3内に供給す
る。ステップb3では、容器3および容器3内に供給さ
れた水を加熱手段8によって加熱する。
【0045】ステップb4では、温度センサ10の検出
出力に応答し、処理回路11において容器3内の水が沸
点に達したか否かが判断される。判断結果が肯定で、水
が沸騰したとき、ステップb5に進み、判断結果が否定
で、未だ水が沸騰していないとき、ステップb3に戻り
以降のステップを繰返す。
【0046】ステップb5では、予め入力手段14によ
って入力されメモリ15にストアされている原材料の初
期供給量の設定値に基づいて、処理回路11は、原材料
供給手段7の動作を制御して原材料である鶏ミンチ:1
26.3kg(24重量%)を容器3内に供給する。ス
テップb6では、容器3内の水および鶏ミンチを、約3
0分間加熱する。ステップb7では、電気伝導率測定手
段9によって、スープの電気伝導率σを測定する。
【0047】ステップb8では、測定された電気伝導率
σが、スープの品質管理範囲の上限値、たとえば前記
1.977mS/cmを超えるか否かが判断される。判
断結果が肯定であり電気伝導率σが1.977mS/c
mを超えるとき、すなわちスープの総アミノ酸濃度が品
質管理範囲の上限値を超えるとき、ステップb9に進
む。ステップb9では、電気伝導率σの測定結果に応答
し、処理回路11は、水供給手段5の動作を制御して、
電気伝導率σの測定値に応じて定められる量の水を容器
3内に追加供給し、ステップb6に戻る。なお、ステッ
プb9では、水に代えて予め加温された温水または熱水
が、容器3内に追加供給されてもよい。温水または熱水
が追加供給されるときには、追加供給後ステップb7に
戻る。
【0048】ステップb8における判断が否定であり、
電気伝導率σが1.977mS/cm以下であるとき、
ステップb10に進む。ステップb10では、測定され
た電気伝導率σが、スープの品質管理範囲の下限値、た
とえば前記1.672mS/cm未満であるか否かが判
断される。判断結果が肯定であり電気伝導率σが1.6
72mS/cm未満であるとき、すなわちスープの総ア
ミノ酸濃度が品質管理範囲の下限値未満であるとき、ス
テップb11に進む。ステップb11では、電気伝導率
σの測定結果に応答し、処理回路11は、原材料供給手
段7の動作を制御して、電気伝導率σの測定値に応じて
定められる量の鶏ミンチを容器3内に追加供給し、ステ
ップb6に戻る。
【0049】ステップb9またはステップb11からス
テップb6に戻り以降のステップに進むとき、ステップ
b6では、容器3および容器3内のスープと鶏ミンチと
を5〜15分間加熱し、以降のステップを繰返し実行す
る。一方前述のステップb10における判断結果が否定
であるとき、すなわち電気伝導率σが、品質管理範囲内
であるとき、スープの品質管理手順は完了、すなわち所
望の品質を備えるスープの製造が完了する。
【0050】このように、スープの品質管理すなわち旨
味成分である総アミノ酸濃度の管理が、スープの電気伝
導率σを測定し、その測定結果をフィードバックして電
気伝導率σが予め定められる管理範囲内になるように、
総アミノ酸濃度を調整するという簡易な方法によって迅
速に達成される。簡易かつ迅速なスープの品質管理方法
をスープの製造に適用することによって、均質な品質の
スープを工業的規模で大量に再現性良く製造することを
可能にするとともに、均質な品質のスープを工業的規模
で大量に再現性良く自動で製造することのできるスープ
製造装置1を提供することができる。
【0051】なお、本実施の形態におけるスープの品質
管理方法は、スープ製造装置1を用いる自動制御に依る
ものであるけれども、これに限定されることなく、水お
よび原材料の容器への初期供給を手動操作で行っても良
く、またスープの電気伝導率σの測定結果に応じて、原
材料または水の追加供給量を手動で計量し、手動で容器
に追加供給して、スープの品質を管理する方法であって
も良い。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、スープの旨味成分、た
とえばスープに含まれる総アミノ酸量と相関を有する電
気伝導率を測定するという簡易な方法によって、迅速に
スープの旨味成分を測定することができる。この測定方
法によれば、工業的規模のスープ製造におけるスープの
品質評価を、簡易かつ迅速に行うことが可能になる。
【0053】また本発明によれば、スープの旨味成分の
濃度と相関を有する電気伝導率を管理指標とし、スープ
の品質管理範囲である旨味成分の濃度管理範囲に対応す
るように電気伝導率の管理範囲を予め定め、測定される
スープの電気伝導率が、予め定められる電気伝導率の管
理範囲内になるように、スープに水または原材料を添加
してスープの旨味成分の濃度を管理する。このように、
スープの品質管理すなわち旨味成分の濃度管理が、スー
プの電気伝導率を測定し、その測定結果をフィードバッ
クして電気伝導率が予め定められる管理範囲内になるよ
うに、旨味成分の濃度を調整するという簡易な方法によ
って迅速に達成される。このことによって、均質な品質
のスープを工業的規模で大量に再現性良く製造すること
が、可能になる。
【0054】また本発明によれば、制御手段は、電気伝
導率測定手段によるスープの電気伝導率の測定結果に応
じ、スープの電気伝導率が予め定められる範囲の上限値
を超えるときスープに水を供給し、スープの電気伝導率
が予め定められる範囲の下限値未満であるときスープに
原材料を供給し、スープの電気伝導率が予め定める範囲
内になるように制御する。このようにして、スープの電
気伝導率が予め定められる範囲内、すなわちスープの電
気伝導率と相関を有する旨味成分の濃度が予め定められ
る品質管理範囲内になるような制御を自動で行うことが
可能になるので、均質な品質のスープを大量に自動で製
造することのできるスープ製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるスープ製造装置1
の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】図1に示すスープ製造装置1の電気的構成を簡
略化して示すブロック図である。
【図3】総アミノ酸濃度および電気伝導率測定に用いら
れるスープの製造手順を説明するフローチャートであ
る。
【図4】スープの総アミノ酸濃度と電気伝導率σとの関
係を示す図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態であるスープの
品質管理方法の手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 スープ製造装置 2 スープ 3 容器 4 水 5 水供給手段 6 原材料 7 原材料供給手段 8 加熱手段 9 電気伝導率測定手段 10 温度センサ 11 制御手段 14 入力手段
フロントページの続き (72)発明者 肥後 慶三 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 中本 学 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 2G060 AA06 AD05 AE17 AF08 FA15 FB02 HC07 HC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スープの旨味成分測定方法であって、 スープの電気伝導率を測定することによって、電気伝導
    率と相関を有するスープの旨味成分の濃度を測定するこ
    とを特徴とするスープの旨み成分測定方法。
  2. 【請求項2】 スープの品質管理方法であって、 スープの旨味成分の濃度と相関を有する電気伝導率を管
    理指標とし、 スープの旨味成分の濃度管理範囲に対応するように電気
    伝導率の管理範囲を予め定め、 スープの電気伝導率を測定し、 スープの電気伝導率が、前記電気伝導率の管理範囲の下
    限値未満であるとき、旨味成分の抽出されるべき原材料
    をスープに添加して旨味成分の濃度を増加させ、前記電
    気伝導率の管理範囲の上限値を超えるとき、スープに水
    を添加して旨味成分の濃度を減少させることによって、
    スープの電気伝導率が前記管理範囲内になるように管理
    することを特徴とするスープの品質管理方法。
  3. 【請求項3】 スープの収容されるべき容器と、 旨味成分の抽出媒体である水を前記容器に供給する水供
    給手段と、 水によって旨味成分が抽出される原材料を前記容器に供
    給する原材料供給手段と、 前記容器内の水および原材料を加熱する加熱手段と、 前記加熱手段によって水および原材料が加熱され、原材
    料の旨味成分が温水または熱水で抽出されることによっ
    て製造される前記スープの電気伝導率を測定する電気伝
    導率測定手段と、 前記電気伝導率測定手段の出力に応答し、スープの電気
    伝導率が予め定められる範囲の上限値を超えるとき、水
    供給手段の動作を制御して前記容器内に水を供給し、ス
    ープの電気伝導率が予め定められる範囲の下限値未満で
    あるとき、原材料供給手段の動作を制御して前記容器内
    に原材料を供給し、前記容器内のスープの電気伝導率が
    予め定められる範囲内になるように制御する制御手段と
    を含むことを特徴とするスープ製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011056142A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Imonoya Corp スープ抽出用圧力鍋、およびそれを用いた圧力鍋装置、ならびにそれら利用のスープ抽出方法

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