JP2010285622A - ポリチオフェン、ポリチオフェンの分散液とその製造方法及びその使用 - Google Patents

ポリチオフェン、ポリチオフェンの分散液とその製造方法及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】電解コンデンサの漏れ電流を向上させる固体電解質導電性ポリマー用ポリチオフェン分散液を提供する。
【解決手段】カチオン性ポリチオフェンとして、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622

〔式中、Aはアルキレン基;Rは直鎖または分枝のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシル基;xは0〜8の整数。複数のR基がAと結合している場合、それらは同じまたは異なるものであり得る。〕対イオンとしてポリマーアニオン、および溶媒を含むカチオン性ポリチオフェン分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルキレンオキシチアチオフェン単位を有するポリチオフェン、それを含む分散液、分散液の製造方法及び使用に関する。
π共役ポリマーの化合物群は、ここ数十年の多くの刊行物の主題であった。それらは、導電性ポリマーまたは合成金属とも称される。
導電性ポリマーは、増加する経済的重要性を獲得している。なぜならポリマーは、金属に対して、加工性、質量、および化学変性による性質の精密な調節に関して利点を有するからである。知られているπ共役ポリマーの例は、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンおよびポリ(p-フェニレンビニレン)である。
特に重要で工業的に使用されているポリチオフェンは、ポリ-3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェンであり、これは、しばしばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)とも称され、酸化体で非常に高い導電率を有し、例えば欧州特許出願公開第339 340号に記載されている。多くのポリ(アルキレンオキシチオフェン)誘導体、特にポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)誘導体、それらのモノマー構成単位、合成および応用のレヴューは、L. Groenendaal, F. Jonas, D. Freitag, H. Pielartzik および J. R. Reynolds, Adv. Mater. 12 (2000年) 第481-494頁により与えられる。
欧州特許出願公開第340 512号は、3,4-エチレン-1,2-ジオキシチオフェンからの固体電解質の製造、および酸化重合により製造されるそのカチオン性ポリマーの電解コンデンサ中における固体電荷質としての使用を記載している。二酸化マンガンまたは固体電解コンデンサ中の電荷移動錯体の代替物としてのポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)は、その高い導電率の故にコンデンサの等価直列抵抗を減少させ、周波数特性を向上させる。
特開2000-021687号公報は、電解コンデンサの高周波数特性を、ポリ(3,4-エチレンジチアチオフェン)を固体電解質として使用することにより向上させ得ることを述べている。しかしながら3,4-エチレンジチアチオフェンは、製造が困難であるという欠点を有する(文献 C. Wang, J. L. Schindler, C. R. Kannewurf および M. G. Kanatzidis, Chem. Mater. 1995年, 7, 第58-68頁)。この文献の3,4-ジブロモチオフェンから出発する方法によれば、合成は19%の全収率でのみ進行し、方法の欠点、例えば−78℃での反応、n-ブチルリチウムおよび金属カリウムのような非常に感湿性の試薬の使用、およびまた高度に爆発性で毒性の二硫化炭素の使用を引き受ける必要がある。3,4-エチレンジチアチオフェンも、3,4-ジアルコキシチオフェンおよび1,2-ジメルカプトエタンからエーテル交換(transetherification)の原理により製造することができるが、これも、極度に高い臭気の硫黄生成物を生じ、これは、非常に著しくこの合成経路の実用性および該生成物の使用を制限する。さらに上記文献の研究は、3,4-エチレンジチアチオフェンを使用して、0.1S/cm(テトラクロロ鉄酸塩として)または0.4S/cm(電気化学的に製造されたポリマーとして)の中度の導電率のみを有するポリチオフェンを製造できたことを示している。しかしながらより高い導電率が、高周波数特性のさらなる向上のために望ましい。比較して、以下の値がエチレンジオキシチオフェンから構成されるポリチオフェンに対して得られる:5〜31S/cm(テトラクロロ鉄酸塩として)(文献 F. Jonas, G. Heywang, Electrochimica Acta 39 (8/9), 第1345-1347頁 (1994年) を参照)および200S/cm(電気化学的に製造)(同文献)。ポリマー固体電解質を有する電解コンデンサの漏れ電流は、固体電解質として二酸化マンガンを有する電解コンデンサのものより約10倍高い(I. Horacek ら, Proceedings of the 15th European Passive Components Symposium CARTS-Europe 2001, コペンハーゲン, デンマーク, 第24-29頁)。高い電流損失は、例えば自動車のエレクトロニクス用途において、より早いバッテリー切れにつながる。ポリマー固体電解質を使用する電解コンデンサの漏れ電流を減少させることが望ましい。
欧州特許出願公開第339 340号 欧州特許出願公開第340 512号 特開2000-021687号公報
L. Groenendaal, F. Jonas, D. Freitag, H. Pielartzik および J. R. Reynolds, Adv. Mater. 12 (2000年) 第481-494頁 C. Wang, J. L. Schindler, C. R. Kannewurf および M. G. Kanatzidis, Chem. Mater. 1995年, 7, 第58-68頁 F. Jonas, G. Heywang, Electrochimica Acta 39 (8/9), 第1345-1347頁 (1994年) I. Horacek ら, Proceedings of the 15th European Passive Components Symposium CARTS-Europe 2001, コペンハーゲン, デンマーク, 第24-29頁
それゆえ既知のポリマー、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)およびポリ(3,4-エチレンジチアチオフェン)と比べて漏れ電流を向上させるために、電解コンデンサ中の固体電解質として適する導電性ポリマーが必要である。
本発明の課題は、そのような導電性ポリマーとして有用なポリチオフェン及びポリチオフェンの分散体を提供することである。
Org. Lett. 4 (4), 2002年, 第607-609頁において Roncali らは、3,4-エチレンオキシチアチオフェン(チエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン、EOTT)の製造、およびそれを電気化学的に重合してポリ(3,4-エチレンオキシチアチオフェン)(PEOTT)を生じさせることを記載している。対応するジオキシおよびジチア類似体との比較は、チオフェン環上でアルコキシ基をアルキルスルファニル基により置き換えることが、その重合ポテンシャルをかなり減少させることを示す。コンデンサ中におけるポリマーの使用に関して、導電率のデータまたは研究の記載は無い。
なおいっそう驚くべきことに、3,4-アルキレンオキシチアチオフェン単位または3,4-アルキレンオキシチアチオフェンおよび3,4-アルキレンジオキシチオフェン単位を有するポリチオフェンは、上で概説した欠点を示さず、電解コンデンサ中の固体電解質として際立って適していることを見出した。
それゆえ本発明は、中性またはカチオン性ポリチオフェンであって、それらが、一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、
Aは、任意に置換されているC1〜C5アルキレン基、好ましくはC2〜C3アルキレン基であり、
Rは、直鎖または分枝の、任意に置換されているC1〜C18アルキル基、任意に置換されているC5〜C12シクロアルキル基、任意に置換されているC6〜C14アリール基、任意に置換されているC7〜C18アラルキル基、任意に置換されているC1〜C4ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシル基であり、
xは、0〜8の整数、好ましくは0または1であり、
複数のR基がAと結合している場合、それらは同じまたは異なるものであり得る。〕
を有し、1〜100モル%の割合の一般式(I)で示される反復単位、および99〜0モル%の割合の一般式(II)で示される反復単位を、2つの割合の合計が100モル%であることを条件として有し、
それらがカチオン性である場合、ポリチオフェンは、対イオンとしてポリマーアニオンを含有するポリチオフェン、および
カチオン性ポリチオフェンとして、上記一般式(I)で示される反復単位、または上記一般式(I)および(II)で示される反復単位を有するもの、対イオンとしてポリマーアニオン、および1種またはそれ以上の溶媒を含むカチオン性ポリチオフェンの分散液を提供する。
一般式(I)は、置換基Rが、x回、アルキレン基Aと結合することができるように解釈されるべきである。
電解コンデンサにおける固体電解質として有用な本発明のポリチオフェンにおいて、一般式(I)で示される反復単位は、1〜100モル%の割合、好ましくは20〜96モル%の割合、より好ましくは30〜80モル%の割合で存在し、一般式(II)で示される反復単位は、99〜0モル%の割合、好ましくは80〜5モル%の割合、より好ましくは70〜20モル%の割合で存在し、但し、2つの割合の合計が100モル%であることを条件とする。
好ましい実施態様において、本発明のポリチオフェンは、一般式(I)で示される反復単位から構成されたホモポリチオフェン、即ち一般式(I)で示される反復単位が、100モル%の割合で存在するポリチオフェンである。
コポリマーおよびホモポリマーの両方中において、(I-1)で示される部位規則性の結合:
Figure 2010285622
および(I-2)および(I-3)で示される結合:
Figure 2010285622
Figure 2010285622
のいずれもが生ずることができ、ポリチオフェン中の異なる結合の割合は、同じまたは異なり得るように、式(I)で示されるモノマー構成単位の結合は解釈されるべきである。
本発明の好ましい態様において、ポリチオフェンは、一般式(Ia)、または一般式(Ia)および(IIa)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、Rは、一般式(I)および(II)のために上で定義したものと同じである。〕
を有する。
本発明のより好ましい態様において、ポリチオフェンは、一般式(Iaa)、または一般式(Iaa)および(IIaa)で示される反復単位:
Figure 2010285622
を有する。
ポリチオフェンが、2つまたはそれ以上の一般式(I)および(II)で示される単位(ここでおよび以下で、これは、一般式(Ia)および(IIa)または(Iaa)および(IIaa)で示される単位も含む。)のコポリマー、あるいは2つおよびそれ以上の異なる一般式(I)で示される単位(ここでおよび以下で、これは、一般式(Ia)または(Iaa)で示される単位も含む。)のコポリマーである場合、それらは、ランダム、交互またはブロックとしてコポリマー中に存在することができ、一般式(I)で示される単位は、(I-1)、(I-2)および/または(I-3)により、相互に結合することができ、一般式(I)で示される単位は、(I-4)、(I-5)、(I-6)および/または(I-7):
Figure 2010285622
により、一般式(II)で示される単位と結合することができる。
1つまたはそれ以上の、結合可能なもの(I-1)〜(I-3)および結合可能なもの(I-4)〜(I-7)は、好ましくはポリチオフェン中に生じ得るが、そのような好ましいものが生ずる必要は無い。
本発明において接頭辞ポリは、1つよりも多い同じまたは異なる反復単位が、ポリマーまたはポリチオフェン中に存在することを意味する。ポリチオフェンは、好ましくは、一般式(I)または一般式(I)および(II)で示されるn個の反復単位合計を含有し、その中でnは、2〜2000、好ましくは2〜100の整数である。一般式(I)および/または(II)で示される反復単位は、それぞれ、ポリチオフェン中において同じまたは異なっていても良い。好ましいものは、各場合に、一般式(I)または(I)および(II)で示される同一の反復単位を有するポリチオフェンである。
本発明の好ましい実施態様においてポリチオフェンは、一般式(I)および(II)、より好ましくは(Ia)および(IIa)、最も好ましくは(Iaa)および(IIaa)で示される反復単位を有するコポリマーである。
末端基でポリチオフェンは、好ましくはそれぞれHを有する。
本発明において反復単位は、一般式(I)または(II)、(Ia)または(IIa)、および(Iaa)または(IIaa)で示される単位を指し、それらが、1つまたは1つならずポリチオフェン中に存在するかとは無関係である。言い換えれば、一般式(I)または(II)、(Ia)または(IIa)、および(Iaa)または(IIaa)で示される単位は、それらがポリチオフェン中に1つだけ存在する場合にも、反復単位とみなされる。
本発明においてC1〜C5アルキレン基Aは、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレンまたはn-ペンチレンである。本発明においてC1〜C18アルキルは、直鎖または分枝C1〜C18アルキル基であり、例えばメチル、エチル、n-若しくはイソプロピル、n-、イソ-、sec-またはt-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルへキシル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシルまたはn-オクタデシルであり、C5〜C12シクロアルキルは、C5〜C12シクロアルキル基であり、例えばシクロペンチル、シクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシルであり、C5〜C14アリールは、C5〜C14アリール基であり、例えばフェニルまたはナフチルであり、C7〜C18アラルキルは、C7〜C18アラルキル基であり、例えばベンジル、o-、m-、p-トリル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-、3,5-キシリルまたはメシチルである。前記の列挙は、例として本発明を説明するために役立ち、排他的なものとみなされない。
1〜C5アルキレン基Aのあらゆるさらなる置換基は、多くの有機基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、アミノ、アルデヒド、ケト、カルボン酸エステル、カルボン酸、カーボネート、カルボン酸塩、シアノ、アルキルシランおよびアルコキシシラン基およびまたカルボキシアミド基を含む。
電解コンデンサ中に固体電解質として存在する本発明のポリチオフェンは、中性またはカチオン性であり得る。好ましい実施態様において、それらはカチオン性であり、「カチオン性」は、ポリチオフェン主鎖上に存在する電荷のみを指す。R基上の置換基に応じて、ポリチオフェンは、正および負の電荷を構造単位中に帯びることができ、ポリチオフェン上の正電荷および負電荷は、スルホネートまたはカルボキシレートの基により置換されているR基上に任意に配分され得る。ポリチオフェン主鎖の正電荷の一部または全部を、R基上に存在するあらゆるアニオン性基により中性化することができる。全体的に見て、これらの場合のポリチオフェンは、カチオン性、中性、またはアニオン性でさえあり得る。それにもかかわらずそれらは、全て、本発明においてカチオン性ポリチオフェンで考察される。なぜならポリチオフェン主鎖上の正電荷が重要だからである。正電荷は、式中に示されていない。なぜなら正確な数および位置を、明白に定めることができないからである。しかしながら正電荷数は、少なくとも1および多くてnであり、その中でnは、ポリチオフェン中における全ての反復単位(同じまたは異なるもの)の総数である。
正電荷を補うために、これが、スルホネートまたはカルボキシレートで置換され、そうして負に帯電したR基により既になされていない場合に、カチオン性ポリチオフェンは、対イオンとしてアニオンを必要とする。
有用な対イオンは、モノマーまたはポリマーアニオンを含み、後者は以下でポリアニオンとも称される。
例えばポリマーアニオンは、ポリマーカルボン酸、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸若しくはポリマレイン酸、またはポリマースルホン酸、例えばポリスチレンスルホン酸およびポリビニルスルホン酸のアニオンであり得る。これらのポリカルボン酸およびポリスルホン酸はまた、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸と、他の重合性モノマー、例えばアクリル酸エステルおよびスチレンとのコポリマーであり得る。
対イオンとして、特に好ましいポリマーアニオンはポリスチレンスルホン酸(PSS)のアニオンである。
ポリアニオンを与えるポリ酸の分子量は、好ましくは1000〜2,000,000、より好ましくは2000〜500,000である。ポリ酸またはそのアルカリ金属塩は、市販されており、例えばポリスチレンスルホン酸およびポリアクリル酸であるか、または既知の方法により製造することができる(例えば Houben Weyl, Methoden der organischen Chemie, 第E20巻 Makromolekulare Stoffe, 第2部, (1987年), 第1141頁以降を参照)。
好ましいものは、電解コンデンサ中で使用するためのモノマーアニオンである。
有用なモノマーアニオンは、例えばC1〜C20アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、若しくは高級スルホン酸、例えばドデカンスルホン酸のアニオン、脂肪族パーフルオロスルホン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸若しくはパーフルオロオクタンスルホン酸のアニオン、脂肪族C1〜C20カルボン酸、例えば2-エチルへキシルカルボン酸のアニオン、脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸若しくはパーフルオロオクタン酸のアニオン、任意にC1〜C20アルキル基により置換されている芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸若しくはドデシルベンゼンスルホン酸のアニオン、およびシクロアルカンスルホン酸、例えばカンファースルホン酸のアニオン、またはテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセナート若しくはヘキサクロロアンチモネートである。
特に好ましいものは、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはカンファースルホン酸のアニオンである。
電荷補償のために対イオンとしてアニオンを含有するカチオン性ポリチオフェンは、技術分野においてポリチオフェン/(ポリ)アニオン錯体とも称される。
電解コンデンサを構成する被酸化性金属は、好ましくは、バルブ金属または同等の性質を有する化合物である。
本明細書において、バルブ金属は、酸化物層が双方向の電流の流れを許さない金属を指す。アノードに適用される電圧の場合、バルブ金属の酸化物層は、電流の流れを遮断し、一方カソードに適用される電圧は、酸化物層を消失させることができる大電流を導く。バルブ金属は、Be、Mg、Al、Ge、Si、Sn、Sb、Bi、Ti、Zr、Hf、V、Nb、TaおよびW、およびまた少なくとも1種のこれら金属と他の元素との合金または化合物を含む。バルブ金属の最もよく知られている典型は、Al、TaおよびNbである。同等の性質を有する化合物は、金属導電率を有する化合物であり、これは被酸化性であり、その酸化物層は、上記の性質を有する。例えばNbOは、金属導電率を有するが、一般にバルブ金属とはみなされない。しかしながら酸化NbO層は、バルブ金属酸化物層の典型的な性質を有し、そうしてNbO、またはNbOと他の元素との合金もしくは化合物は、そのような同等の性質を有する化合物の典型例である。
従って用語「被酸化性金属」は、金属だけでなく、金属と他の元素との合金または化合物が金属導電率を有し、被酸化性である限り、それらの合金または化合物も意味する。
従って、より好ましくは、バルブ金属または同等の性質を有する化合物は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、少なくとも1種のこれら金属と他の元素との合金若しくは化合物、NbO、またはNbOと他の元素との合金若しくは化合物である。
電解コンデンサ中の「被酸化性金属」は、好ましくは、例えば多孔質焼結体または粗面箔の形態の大きな表面積を有するアノード体を形成する。これは、以下で略してアノード体とも称される。
原則として、そのような電解コンデンサは、まずアノード体を例えば電気化学的酸化により誘電体、即ち酸化物層で酸化的に被覆することにより製造される。誘電体上で、本発明の導電性ポリマー、一般式(I)または(I)および(II)で示される反復単位を有するポリチオフェンが、次いで酸化重合により化学的または電気化学的に付着させられ、固体電解質を形成する。良好な導電率を有するさらなる層、例えばグラファイトおよび銀での被覆は、電流を伝導する機能を果たす。最後にコンデンサボディは、接触およびカプセル化される。
ポリチオフェンは、一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ一般式(I)および(II)のために上で定義したものと同じである。〕
の酸化重合により酸化物層で被覆されるアノード体上で、一般式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェン、酸化剤および任意に対イオンを、好ましくは溶液の形態で、別々に連続してまたは一緒に、アノード体の酸化物層に適用し、酸化重合を完了まで、使用酸化剤の活性に応じて適切な場合に被覆を加熱することにより行うことによって形成される。
本発明のポリチオフェンを用いた電解コンデンサの製造方法においては、一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ一般式(I)および(II)のために上で定義したものと同じである。〕、
酸化剤および任意に対イオンを、一緒にまたは連続的に、任意に溶液形態で金属酸化物層に適用し、−10℃〜250℃、好ましくは0℃〜200℃の温度で、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じである。〕
を有するポリチオフェンをもたらす化学的酸化方法で重合するか、または
一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物、および対イオンを、−78℃〜250℃、好ましくは−20〜60℃の温度で、任意に溶液から、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位を有するポリチオフェンをもたらす電気化学重合により金属酸化物層に適用する。
アノード体の酸化物層の適用を、直接に、または定着剤、例えばシランおよび/または別の官能性層を使用して行うことができる。
本発明の方法の好ましい実施態様において使用する一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物は、一般式(IIIa)で示されるチオフェン、または一般式(IIIa)および(IVa)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
〔式中、Rは、一般式(I)および(II)のために上で定義したものと同じである。〕
であり、より好ましくは一般式(IIIaa)で示されるチオフェン、または一般式(IIIaa)および(IVaa)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
である。
式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェンの酸化化学重合は、使用する酸化剤および所望の反応時間に応じて、一般に−10℃〜250℃の温度、好ましくは0℃〜200℃の温度で行われる。
一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物が、本発明の方法により重合される場合、混合物中において、一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンのあらゆるモル比があり得る。得られるポリチオフェン中の反復単位(I)および(II)のモル比は、重合される混合物中のこの一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合比に対応することができ、またはそれと異なることができる。
本発明のポリチオフェンの製造のために必要な、式(III)または(IV)で示される3,4-アルキレンオキシチアチオフェンは、当業者に知られており、または既知の方法により(例えば P. Blanchard, A. Cappon, E. Levillain, Y. Nicolas, P. Frere および J. Roncali, Org. Lett. 4 (4), 2002年, 第607-609頁により)製造することができる。
一般式(III)または(IV)で示されるチオフェンおよび/または酸化剤および/または対イオンのために有用な溶媒は、特に、反応条件下で不活性である以下の有機溶媒:脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびブタノール、脂肪族ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、脂肪族カルボン酸エステル、例えば酢酸エチルおよび酢酸ブチル、芳香族炭化水素、例えばトルエンおよびキシレン、脂肪族炭化水素、例えばヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサン、クロロ炭化水素、例えばジクロロメタンおよびジクロロエタン、脂肪族ニトリル、例えばアセトニトリル、脂肪族スルホキシドおよびスルホン、例えばジメチルスルホキシドおよびスルホラン、脂肪族カルボキサミド、例えばメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルホルムアミド、脂肪族および芳香脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテルおよびアニソールを含む。さらに、水または水と上記有機溶媒との混合物も、溶媒として使用することができる。
使用する酸化剤は、当業者に知られており、チオフェン、アニリンまたはピロールの酸化重合のために適当なあらゆる金属塩であり得る。
適当な金属塩は、元素周期表の典型または遷移金属の金属塩であり、後者は、以下で遷移金属塩とも称される。適当な遷移金属塩は、特に、無機若しくは有機酸または有機基を有する無機酸の、遷移金属、例えば鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(IV)、マンガン(VII)およびルテニウム(III)の塩である。
好ましい遷移金属塩は、鉄(III)の塩である。鉄(III)塩は、しばしば安価で、容易に入手することができ、容易に取り扱うことができ、例えば無機酸の鉄(III)塩、例えばハロゲン化鉄(III)(例えばFeCl3)、または他の無機酸の鉄(III)塩、例えばFe(ClO4)3若しくはFe2(SO4)3、並びに有機酸および有機基を有する無機酸の鉄(III)塩である。
有機基を有する無機酸の鉄(III)塩は、例えばC1〜C20アルカノールの硫酸モノエステルの鉄(III)塩、例えば硫酸ラウリル鉄(III)塩を含む。
特に好ましい遷移金属塩は、有機酸の塩、特に有機酸の鉄(III)塩である。
有機酸の鉄(III)塩の例は、C1〜C20アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸または高級スルホン酸、例えばドデカンスルホン酸の鉄(III)塩、脂肪族パーフルオロスルホン酸、例えばトリフルオロメタンスルホン酸の鉄(III)塩、パーフルオロブタンスルホン酸の鉄(III)塩、パーフルオロオクタンスルホン酸の鉄(III)塩、脂肪族C1〜C20カルボン酸、例えば2-エチルへキシルカルボン酸の鉄(III)塩、脂肪族パーフルオロカルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸の鉄(III)塩、またはパーフルオロオクタン酸の鉄(III)塩、およびC1〜C20アルキル基により任意に置換されている芳香族スルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸、o-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸の鉄(III)塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸の鉄(III)塩、およびシクロアルカンスルホン酸、例えばカンファースルホン酸の鉄(III)塩を含む。
これら上記有機酸の鉄(III)塩のあらゆる混合物も使用することができる。
有機酸および有機基を有する無機酸の鉄(III)塩の使用は、それらが腐食性ではないという大きな利点を有する
まさに好ましい金属塩は、p-トルエンスルホン酸鉄(III)、o-トルエンスルホン酸鉄(III)、またはp-トルエンスルホン酸鉄(III)およびo-トルエンスルホン酸鉄(III)の混合物である。
好ましい実施態様において金属塩は、使用前に、イオン交換体、好ましくは塩基性アニオン交換体で処理されている。適当なイオン交換体の例は、例えば商品名 Lewatit(商標) で Bayer AG、レーフエルクーゼン、ドイツにより販売されているような、スチレンおよびジビニルベンゼンから構成されており、第3級アミンで官能化されているマクロ孔質ポリマーである。
さらなる適当な酸化剤は、任意に触媒量の金属イオン、例えば鉄、コバルト、ニッケルモリブデンまたはバナジウムイオンの存在下での、ペルオキソ化合物、例えばペルオキソ二硫酸塩(過硫酸塩)、特にペルオキソ二硫酸アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩、例えばペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウム、またはアルカリ金属過ホウ酸塩、およびまた遷移金属酸化物、例えば酸化マンガン(IV)または酸化セリウム(IV)である。
式(III)または(IV)で示されるチオフェンの酸化重合のために、2.25当量の酸化剤が、理論的にチオフェン1モルあたりに要求される(例えば J. Polym. Sc. Part A Polymer Chemistry 第26巻, 第1287頁 (1988年)を参照)。しかしながらより低いまたはより高い当量の酸化剤を使用することもできる。本発明において好ましくは、1当量またはそれ以上、特に好ましくは2当量またはそれ以上の酸化剤を、チオフェン1モルあたりに使用する。
一般式(III)で示されるチオフェンまたは一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物の配合物も、以下で、同じ意味であるが省略して、一般式(III)または(III)および(IV)のチオフェンと表現される。
有用な対イオンは、既に上で明記したポリマーまたはモノマーアニオンである。
一般式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェン、酸化剤、および任意に対イオンを別々に適用する場合、アノード体の酸化物層は、好ましくは、初めに酸化剤および任意に対イオンの溶液で、その後に一般式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェンの溶液で被覆される。チオフェン、酸化剤、および任意に対イオンを好ましくは組合せて適用する場合、アノード体の酸化物層は、1つの溶液、即ちチオフェン、酸化剤および任意に対イオンを含有する溶液でのみ被覆される。
さらなる成分、例えば有機溶媒に溶解性の1種またはそれ以上の有機結合剤、例えばポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、シリコーン、スチレン/アクリル酸エステルコポリマー、酢酸ビニル/アクリル酸エステルコポリマーおよびエチレン/酢酸ビニルコポリマー、または水溶性結合剤、例えばポリビニルアルコール、架橋剤、例えばポリウレタンまたはポリウレタン分散液、ポリアクリレート、ポリオレフィン分散液、エポキシシラン、例えば3-グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、および/または添加剤、例えば界面活性物質を、溶液に添加することもできる。さらにアルコキシシラン水解物、例えばテトラエトキシシランをベースとするものを、被覆の耐引掻性を向上させるために添加することができる。
アノード体の酸化物層に適用される溶液は、好ましくは1〜30質量%の一般式(III)で示されるチオフェンまたは一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物、並びに0〜50質量%の結合剤、架橋剤および/または添加剤を含有する。ここで両方の質量割合(%)は、混合物の全質量を基準とする。
溶液は、アノード体の酸化物層に既知の方法により、例えば含浸、流し込み、滴下適用、噴射、吹付け適用、ナイフ塗布、塗装または印刷により適用される。
溶媒を、溶液適用後に、簡単に室温で蒸発させることにより除去することができる。しかしながらより高い処理速度を達成するために溶媒を、高温で、例えば20〜300℃まで、好ましくは40〜250℃までの温度で除去することがより有利である。熱後処理を、溶媒除去、または被覆完了からちょうど良い時に着手されるオフセットと、直接関連させることができる。
被覆に使用するポリマー種に応じて、熱処理の継続時間は、典型的に5秒〜数時間である。熱処理のために、異なる温度および遅延時間を有する温度プロフィルを使用し得る。
例えば選択温度での所望の遅延時間が達成されるような速度で、被覆アノード体が、所望の温度で加熱室を通して移動されるか、またはホットプレートと、所望の温度で所望の遅延時間で接触させられるように、熱処理を行うことができる。さらに、熱処理を、例えば1つの加熱炉、またはそれぞれ異なる温度を有するいくつかの加熱炉で行うことができる。
溶媒除去(乾燥)後、および任意に熱後処理の後に、過剰の酸化剤および残留塩を被覆から適当な溶媒、好ましくは水またはアルコールを使用して洗い落とすことが有利であり得る。ここで残留塩は、酸化剤の還元形態の塩、およびさらに存在するあらゆる塩を指す。
アノード体の種類に応じて、より厚いポリマー層を達成するために、好ましくは洗浄後に、アノード体を繰り返し混合物で含浸させることが有利であり得る。
重合後、および好ましくは洗浄中またはその後に、酸化物フィルム中のあらゆる欠陥を修正し、そうして完成コンデンサの漏れ電流を減少させるために、酸化物フィルムを電気化学的に改質すること(改質)が有利であり得る。用語「改質」は、当業者に知られている。
ポリチオフェンを、一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物から、電気化学的な酸化重合により製造することもできる。
一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物の電気化学的酸化重合は、−78℃から使用溶媒の沸点までの温度で行うことができる。好ましくは、−78℃〜250℃、より好ましくは−20℃〜60℃の温度で電気化学重合を行う。
使用するチオフェンまたはチオフェン混合物、使用する電解質、選択温度および適用する電流密度に応じて、反応時間は、好ましくは1分〜24時間である。
一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物が液状である場合、電解重合を、電解重合の条件下で不活性である溶媒の存在下または不存在下で行うことができる。固体の一般式(III)で示されるチオフェンまたは一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物の電解重合は、電解重合の条件下で不活性である溶媒の存在下で行われる。或る場合に、溶媒混合物を使用すること、および/または可溶化剤(洗剤)を溶媒に添加することが有利であり得る。
電解重合の条件下で不活性である溶媒の例は、水、アルコール、例えばメタノールおよびエタノール、ケトン、例えばアセトフェノン、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびフルオロ炭化水素、エステル、例えば酢酸エチルおよび酢酸ブチル、炭酸エステル、例えばプロピレンカーボネート、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサン、ニトリル、例えばアセトニトリルおよびベンゾニトリル、スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド、スルホン、例えばジメチルスルホン、フェニルメチルスルホンおよびスルホラン、液状脂肪族アミド、例えばメチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-メチルカプロラクタム、脂肪族および混合脂肪族-芳香族エーテル、例えばジエチルエーテルおよびアニソール、液状尿素、例えばテトラメチル尿素、またはN,N-ジメチルイミダゾリジノンを含む。
電解重合のために、一般式(III)で示されるチオフェン若しくは一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物、またはそれらの溶液は、電解質添加剤と混合される。使用する電解質添加剤は、好ましくは、使用溶媒中での一定の溶解度を有する遊離酸または通常の導電性塩である。有用な電解質添加剤の例は、遊離酸、例えばp-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、およびまたアルカンスルホネートアニオン、芳香族スルホネートアニオン、テトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、パークロレートアニオン、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン、ヘキサフルオロアルセナートアニオンおよびヘキサクロロアンチモネートアニオンと、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類金属カチオン、または任意にアルキル化されているアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオンおよびオキソニウムカチオンとを有する塩であることが分かっている。
一般式(III)または(III)および(IV)で示されるモノマーチオフェンの濃度は、0.01〜100質量%(液状チオフェンの場合にのみ100質量%)の間であり得、濃度は、好ましくは0.1〜20質量%である。
電解重合を、バッチまたは連続的に行うことができる。
電解重合のための電流密度は、広い範囲で変化し得るが、通常0.0001〜100mA/cm2、好ましくは0.01〜40mA/cm2の電流密度で運転する。これらの電流密度で、約0.1〜50Vの電圧が確立される。
電解重合後に、酸化物フィルム中のあらゆる欠陥を修正し、そうして完成コンデンサの漏れ電流を減少させるために、酸化物フィルムを電気化学的に改質すること(改質)が有利であり得る。
適当な対イオンは、上で既に列挙したモノマーまたはポリマーアニオン、好ましくはモノマーまたはポリマーのアルカン若しくはシクロアルカンスルホン酸または芳香族スルホン酸のアニオンである。電解コンデンサにおいて使用するために特に好ましいものは、モノマーのアルカン若しくはシクロアルカンスルホン酸または芳香族スルホン酸のアニオンである。なぜならそれらを含む溶液は、多孔質アノード物質中への浸透のため、そうしてそれと固体電解質との間のより大きな接触面積を形成するためにより好適だからである。対イオンは、例えばそのアルカリ金属塩の形態で、または遊離酸として溶液に添加される。電気化学重合においてこれらの対イオンは、溶液またはチオフェンに、場合により電解質添加剤または導電性塩として添加される。
使用する対イオンはまた、存在する使用酸化剤のあらゆるアニオンであることができ、そうして、化学的酸化重合の場合に追加の対イオンを添加することは、必ずしも必要ではない。
本発明は、電解コンデンサ中、好ましくは被酸化性金属としてバルブ金属または同等の性質を有する化合物を含有するコンデンサ中、より好ましくはこれらがタンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、少なくとも1種のこれら金属と他の元素との合金若しくは化合物、NbO、またはNbOと他の元素との合金若しくは化合物であるコンデンサ中の固体電解質としての、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じである。〕
を有するポリチオフェンの使用をさらに提供する。
一般式(I)で示される反復単位を有するポリチオフェンの電解コンデンサ中での固体電解質としての本発明の使用は、現存の固体電解質、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)に対して、コンデンサの漏れ電流が明確に減少され、等価直列抵抗が低減されるという利点を提供する。より低い等価直列抵抗は、コンデンサのより良好な高周波数特性を生ずる。
一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位を有するポリチオフェンは、他の用途のための導電層を製造するため、例えば帯電防止被覆、OLED(有機発光ダイオード)用の正孔注入層、OFET(有機電界効果トランジスタ)用の導電層、コンデンサ、電解コンデンサ、二重層コンデンサ、電気化学コンデンサ、バッテリー、燃料電池、太陽電池、センサー用およびアクチュエーターとしての電極を製造するためにも適している。
それゆえ、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、上で定義したものと同じである。〕
を有するポリチオフェン、および対イオンとしてヘキサフルオロホスフェートを除くモノマーアニオンまたはポリマーアニオンを含む導電層を形成することができる。
用途に応じて、ポリチオフェン層は、1nm〜100μm、好ましくは10nm〜10μm、より好ましくは50nm〜1μmの厚さを有する。
上記の導電層を、簡単な方法で酸化重合により製造することができる。
上記の導電層は、以下のような製造方法により製造することができる。一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ一般式(I)および(II)のために上で定義したものと同じである。〕、
酸化剤および任意に対イオンを、一緒にまたは連続的に、任意に溶液形態で基材に適用し、−10℃〜250℃、好ましくは0℃〜250℃の温度で、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じである。〕
を有するポリチオフェンをもたらす化学的酸化方法で重合する。
上記の導電層を、一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物、および対イオンを任意に溶液から、−78℃〜250℃、好ましくは−20℃〜60℃の温度で、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位を有するポリチオフェンをもたらす電気化学重合により、基材に適用することによって、電気化学的酸化方法で製造することもできる。
例示の好ましい反応条件、モル比、質量割合(%)、溶媒、酸化剤および導電性塩、およびまたそれらに関して記載した変形、および特に化学的または電気化学的酸化重合を行う際の特徴、およびあらゆる有利な後処理は、電解コンデンサ中の固体コンデンサとしてのポリチオフェンの製造について上で既に記載したものに相当する。
ポリマーアニオンは、本発明のポリチオフェンのために上で既に言及したものを指す。モノマーアニオンは、ヘキサフルオロホスフェートを除く電解コンデンサのために上で既に言及したものを指す。好ましいものは、有機カルボン酸またはスルホン酸のモノマーアニオン、例えばC1〜C20アルカンスルホン酸、脂肪族パーフルオロスルホン酸、脂肪族C1〜C20カルボン酸、脂肪族パーフルオロカルボン酸、任意にC1〜C20アルキル基により置換されている芳香族スルホン酸、およびシクロアルカンスルホン酸のアニオンである。ポリマーアニオンは、導電層のための対イオンとして好ましい。なぜならそれらは、ポリマーフィルムの形成において向上した膜形成性を導き得るからである。
基材は、例えばガラス、超薄ガラス(フレキシブルガラス)またはプラスチックであり得、これらは、電気化学重合の場合に導電層(電極)を供される。
特に適当なプラスチックは、ポリカーボネート、ポリエステル、例えばPETおよびPEN(ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート)、コポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、または環式ポリオレフィン若しくは環式オレフィンコポリマー(COC)、水添スチレンポリマーまたは水添スチレンコポリマーである。
適当なポリマー基材は、例えば住友からのポリエステルフィルム、PESフィルム、または Bayer AG からのポリカーボネートフィルム(Makrofol(商標))のようなフィルムであり得る。
本発明に従い製造される導電層は、基材上にとどまることができ、またはそれから取り出すことができる。
この導電層は、その導電率を、モノマー組成の選択により調節し得るという利点を有する。
この導電層の比導電率は、用途に応じて異なり得る。高オーム用途、例えば帯電防止被覆のために105〜1010オーム/sqの表面抵抗が好ましく、OLEDのために10-2S/cm〜10-6S/cmの比導電率が好ましい。他の用途、例えばコンデンサのために、少なくとも1S/cm、好ましくは少なくとも10S/cm、より好ましくは少なくとも100S/cmの比導電率を有する層が、好ましい。
導電層は、有利には透明であり得る。
所望の基材上でのインサイチュー重合による導電層の上記製造に加えて、導電層を、完成ポリチオフェン分散液から製造することもできる。そのような溶液からの適用は、上で列挙した使用のために有利であり得る。なぜなら最終製品、例えばOLED、OFET、コンデンサ、バッテリー、燃料電池、太陽電池、センサーおよびアクチュエーターの製造におけるあらゆる複雑なプロセス工程を、省略し得るからである。この目的のために、ポリチオフェンを含む分散液を、カチオン形態で製造することができる。
それゆえ本発明は、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じである。〕
を有するカチオン性ポリチオフェン、対イオンとしてポリマーアニオン、および1種またはそれ以上の溶媒を含む分散液をさらに提供する。
有用な溶媒は、電解コンデンサ中の固体電解質として使用される本発明のポリチオフェンの製造のために上で既に明記したものである。好ましい溶媒は、水、またはアルコールのような他のプロトン性溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびブタノール、およびまた水とこれらアルコールとの混合物であり、特に好ましい溶媒は水である。
有用なポリマーアニオンは、既に上で列挙したものである。好ましいポリマーアニオンは、ポリスチレンスルホン酸のアニオンである。
本発明の分散液を、少なくとも1種の溶媒の存在下でポリチオフェンを製造することにより直接得ることができる。
それゆえ本発明は、本発明の分散液の製造方法をさらに提供し、それにより、一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物:
Figure 2010285622
〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じである。〕、
を、1種またはそれ以上の酸化剤、1種またはそれ以上の溶媒、およびポリマーアニオンまたはそれに対応するポリマー酸の存在下で酸化重合する。
本発明の分散液は、一般式(III)で示されるチオフェンまたは一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物から、欧州特許出願公開第440 957号に明記されている条件と類似の方法で製造される。
有用な酸化剤、溶媒およびアニオンは、既に上で列挙したものである。
アニオンまたはその対応する酸は、一般式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェン1モルのために、0.25〜20、より好ましくは0.25〜10、最も好ましくは0.8〜8のアニオン性の基または酸の基が使用されるような量で、好ましくは使用される。
一般式(III)または(III)および(IV)で示されるチオフェン、およびアニオンまたはその対応する酸は、分散液の全質量を基準に固形分0.5〜55質量%、好ましくは1〜30質量%を有する安定な分散液が得られるような量の溶媒中に、好ましくは溶解される。
本発明の分散液を製造するためのさらなる適当な酸化剤は、単独または任意に上記酸化剤の1つとを組合わせた、酸素または空気である。空気または酸素が酸化剤として使用される場合、空気または酸素は、チオフェン、アニオンまたはその対応する酸を含む溶液中に重合が完了するまで導入される。任意に触媒量の金属イオン、例えば鉄、コバルト、ニッケル、モリブデンまたはバナジウムイオンは、重合溶液中にさらに存在し得る。
しかしながら本発明の分散液を、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位を有するポリチオフェンから、1種またはそれ以上の溶媒のその後の添加により製造することもできる。
本発明は、一般式(I)および(II)で示される反復単位:
Figure 2010285622
〔式中、
A、Rおよびxは、それぞれ上で定義したものと同じであり。
複数のR基がAと結合している場合、それらは同じまたは異なるものであり得る。〕
を有し、1〜100モル%の割合、好ましくは20〜95モル%の割合、より好ましくは30〜80モル%の割合の一般式(I)で示される反復単位、および99〜0モル%の割合、好ましくは80〜5モル%の割合、より好ましくは70〜20モル%の割合の一般式(II)で示される反復単位を、2つの割合の合計が100モル%であることを条件として有し、
それらがカチオン性である場合、ポリチオフェンは、対イオンとしてポリマーアニオンを含有することを特徴とするポリチオフェンをさらに提供する。
本発明のポリチオフェンの好ましい範囲は、電解コンデンサ中の固体電解質としてのポリチオフェンのために既に上で記載したもののあらゆる組合せである。有用な有機カルボン酸若しくはスルホン酸のモノマーアニオン、またはポリマーアニオンは、既に上で言及したものである。
本発明のポリチオフェンを、上記のような酸化化学的または電気化学的方法により製造することができる。それらを、インサイチューまたは使用される本発明の分散液の形態で調製して、例えば帯電防止被覆、OLED(有機発光ダイオード)用の正孔注入層、OFET(有機電界効果トランジスタ)用の導電層、電解コンデンサ中の固体電解質、またはコンデンサ、電解コンデンサ、二重層コンデンサ、電気化学コンデンサ、バッテリー、燃料電池、太陽電池、センサーおよびアクチュエーター用の電極を製造することができる。
それらの特に有利なことは、モノマー組成の選択が、得られる層の導電率の調節を可能にすることである。比較的高いオーム調節のために、特にこれは、省略すべき他の欠点、例えばPSS、または他の非固有導電性の、そうして導電率を減少する添加剤、または電気抵抗に関する粒子界面が増加する結果として導電率減少を引き起こす複雑な微細および超微細分散液の追加適用と結びつく他の必要な手段を可能にし得る。
本発明は、導電層または電解コンデンサを製造するための本発明のポリチオフェンまたは分散液の使用も同様に提供する。
以下の実施例は、本発明を例として説明するために役立ち、限定として解釈されるべきではない。
実施例1:
3,4-エチレンオキシチアチオフェン(チエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン)の製造
Figure 2010285622
3,4-ジエトキシチオフェン32.31g(187.6mmol)、2-メルカプトエタノール29.31g(375.2mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物3.56g(18.7mmol)を、N2雰囲気下トルエン400ml中で5時間還流加熱した。このときにトルエンおよび形成したエタノールを連続的に除去し、新たなトルエンにより置き換えた。その後に反応は、薄層クロマトグラフィーでの監視により、完了した。反応混合物を室温(23℃)に冷却後に濾過し、水で中性に洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、混合物を0.07mbar(沸点59〜62℃)で蒸留し、留出物をさらにシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離剤:トルエン)により精製した。
収量:実質的に無色のオイルとして、チエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン15.99g(=理論53.9%)
1H-NMR(400MHz)δ(CDCl3、ppm):6.72(d、1H、J=3.55Hz)、6.46(d、1H、J=3.55Hz)、4.37(m、2H)、3.00(m、2H)
実施例2:
3,4-エチレンジオキシチアチオフェン(2-メチルチエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン)の製造
Figure 2010285622
3,4-ジエトキシチオフェン11.68g(67.8mmol)、1-メルカプト-2-プロパノール12.5g(135.6mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物1.29g(6.8mmol)を、N2雰囲気下トルエン200ml中で10時間還流加熱した。さらなる処理は、実施例1に記載したものと同じであった。

収量:黄みがかったオイルとして、2-メチルチエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン4.06g(=理論34.8%)
1H-NMR(400MHz)δ(CDCl3、ppm):6.72(d、1H、J=3.54Hz)、6.44(d、1H、J=3.54Hz)、4.33(qおよびABXのX部分、1H、JX,CH3=6.2Hz、JAX=1.9Hz、JBX=9.0Hz)、2.89(ABXのB部分、1H、JAB=13.1Hz)、2.83(ABXのA部分、1H、JAB=13.1Hz)、1.45(d、3H、JX,CH3=6.2Hz)
第2の不純画分から、さらに約1.5gの純粋生成物をカラムクロマトグラフィーにより得ることができた。理論の全純粋収率47.6%。
実施例3(応用例)
ポリ(3,4-エチレンオキシチアチオフェン)を固体電解質として使用するコンデンサの製造
比容量50,000μFV/gを有するタンタル粉末を、ペレットに圧縮し、寸法4mm×3mm×1.5mmを有する多孔質体を形成するために焼結した。ペレット(アノード)を、リン酸電極において30Vに陽極処理した。
3,4-エチレンオキシチアチオフェン(実施例1からのチエノ[3,4-b]-1,4-オキサチアン)1質量部および40質量%のエタノール中p-トルエンスルホン酸鉄(III)溶液(Baytron(商標) C-E、H.C. Starck GmbH)20質量部からなる溶液を調製した。
溶液を、アノードペレットを含浸させるために使用した。アノードペレットを、この溶液に含浸させ、次いで室温で30分間、50℃で15分間、および150℃で15分間乾燥させた。熱処理後に溶液を、ペレット中で重合させた。次いでペレットを水中で30分間洗浄した。洗浄後にペレットを、25Vの電圧で0.25質量%のp-トルエンスルホン酸水溶液中で30分間改質した。記載した含浸、洗浄および改質をもう一度行った。最後にペレットを銀層で被覆した。
比較のためにコンデンサを、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を固体電解質として使用して製造した:
この目的のためにペレットを上記のように製造した。3,4-エチレンジオキシチオフェン(Baytron(商標) M、H.C. Starck GmbH)1質量部および40質量%のエタノール中p-トルエンスルホン酸鉄(III)溶液(Baytron(商標) C-E、H.C. Starck GmbH)20質量部からなる溶液を製造した。ペレットを上記のように含浸させたが、全部で3回の含浸を行った。
コンデンサは以下の電気的値を有した:
Figure 2010285622
キャパシタンスを、120Hzで、等価直列抵抗を100KHzで、LCRメーター(Agilent 4284A)により測定した。漏れ電流を、Keithley 199 マルチメーターを使用して10Vの電圧を適用した後3分で測定した。
本発明に従ったコンデンサは、2回だけの含浸後でさえ、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)を有するコンデンサと同じキャパシタンスを有し、それゆえ、より少ないプロセス工程で製造することができる。しかしながらそれらは、明確に低い等価直列抵抗および1桁小さい漏れ電流を有する。
実施例4(応用例):
トシル酸Fe(III)を用いる化学的インサイチュー重合によるポリ(3,4-エチレンオキシチアチオフェン)を含む導電層の製造
実施例1からの3,4-エチレンオキシチアチオフェン1.11質量部、n-ブタノール中40%のトシル酸鉄(III)溶液(Baytron(商標) C-B 40、H.C. Starck GmbH)25質量部およびn-ブタノール106質量部を混合した。溶液を、ガラス板上に60μmの未乾燥塗膜の膜厚でナイフ塗布し、23℃で20分間乾燥させた。その後に得られたフィルムを脱イオン水で洗浄し、再び乾燥させた。得られた青色の導電層は、表面抵抗312Ω/sq(二点法により測定)を有した。
実施例5(応用例):
トシル酸Fe(III)を用いる化学的インサイチュー重合による本発明のポリチオフェンを含む導電層の製造
実施例2からのメチル-3,4-エチレンオキシチアチオフェン1.21質量部、n-ブタノール中40%のトシル酸鉄(III)溶液(Baytron(商標) C-B 40、H.C. Starck GmbH)25質量部およびn-ブタノール106質量部を混合した。溶液を、ガラス板上に60μmの未乾燥塗膜の膜厚でナイフ塗布し、23℃で20分間乾燥させた。その後に得られたフィルムを脱イオン水で洗浄し、再び乾燥させた。得られた青色の導電層は、表面抵抗296Ω/sq(二点法により測定)を有した。
実施例6(本発明):
3,4-エチレンジオキシチオフェンおよび3,4-エチレンオキシチアチオフェンのコポリマーのPSS錯体の製造
6.2質量%のポリスチレンスルホン酸水溶液88.02g(PSS、固体PSS 5.46gに相当、SO3H 29.7mmolに相当、分子量Mw約180,000)、3,4-エチレンジオキシチオフェン1.0g(7.04mmol)、3,4-エチレンオキシチアチオフェン1,114g(実施例1からの2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]オキサチアン、7.04mmol)およびNa228 3.0gを、水350ml中23℃で8時間激しく攪拌した。その後、さらにNa228 1.7gを添加し(全部で4.7g=19.7mmol)、23℃でさらに16時間攪拌した。その後、深い青色の混合物を、各場合に41gのアニオン交換体(Lewatit(商標) MP 62、Bayer AG)およびカチオン交換体((Lewatit(商標) S 100、Bayer AG)と8時間攪拌することにより脱イオン化し、次いでイオン交換体を濾過した。得られた深い青色の本発明の分散液について、固形分1.15質量%が測定された。この溶液1.13質量部を、各場合に1質量部のメタノール、アセトンおよび水で希釈し、PETフィルム上で未乾燥塗膜の膜厚60μmでナイフ塗布した。淡青色の透明層が乾燥した後、表面抵抗2・105Ω/sqが測定された(二点法)。

Claims (10)

  1. カチオン性ポリチオフェンとして、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
    Figure 2010285622
    〔式中、
    Aは、任意に置換されているC1〜C5アルキレン基であり、
    Rは、直鎖または分枝の、任意に置換されているC1〜C18アルキル基、任意に置換されているC5〜C12シクロアルキル基、任意に置換されているC6〜C14アリール基、任意に置換されているC7〜C18アラルキル基、任意に置換されているC1〜C4ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシル基であり、
    xは、0〜8の整数であり、
    複数のR基がAと結合している場合、それらは同じまたは異なるものであり得る。〕
    を有するもの、対イオンとしてポリマーアニオン、および1種またはそれ以上の溶媒を含むことを特徴とするカチオン性ポリチオフェンの分散液。
  2. 溶媒として水を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分散液。
  3. 対イオンとしてポリマーカルボン酸またはスルホン酸のアニオンを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の分散液。
  4. 対イオンが、ポリスチレンスルホン酸(PSA)のアニオンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の分散液。
  5. 一般式(III)で示されるチオフェン、または一般式(III)および(IV)で示されるチオフェンの混合物:
    Figure 2010285622
    〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ請求項1で定義したものと同じである。〕、
    を、1種またはそれ以上の酸化剤、1種またはそれ以上の溶媒、およびポリマーアニオンまたはそれに対応するポリマー酸の存在下で酸化重合することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の分散液の製造方法。
  6. 中性またはカチオン性ポリチオフェンであって、それらが、一般式(I)および(II)で示される反復単位:
    Figure 2010285622
    〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ請求項1で定義したものと同じである。〕
    を有し、1〜100モル%の割合の一般式(I)で示される反復単位、および99〜0モル%の割合の一般式(II)で示される反復単位を、2つの割合の合計が100モル%であることを条件として有し、
    それらがカチオン性である場合、ポリチオフェンは、対イオンとしてポリマーアニオンを含有することを特徴とするポリチオフェン。
  7. 20〜95モル%の割合の一般式(I)で示される反復単位、および80〜5モル%の割合の一般式(II)で示される反復単位を、2つの割合の合計が100モル%であることを条件として有することを特徴とする、請求項6に記載のポリチオフェン。
  8. 一般式(I)および(II)で示される反復単位が、一般式(Iaa)および(IIaa)で示される反復単位:
    Figure 2010285622
    であることを特徴とする、請求項6または7に記載のポリチオフェン。
  9. 導電層を製造するための、請求項6〜8のいずれかに記載のポリチオフェンまたは請求項1〜4のいずれかに記載の分散液の使用。
  10. 電解コンデンサ中における固体電解質としての、一般式(I)で示される反復単位、または一般式(I)および(II)で示される反復単位:
    Figure 2010285622
    〔式中、A、Rおよびxは、それぞれ請求項1で定義したものと同じである。〕
    を有するポリチオフェンおよび任意に対イオンの使用。
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