JP2010262940A - 有機エレクトロルミネセンスパネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に下部電極、バンク、有機膜及び上部電極が形成された有機エレクトロルミネセンスパネルであって、上記有機エレクトロルミネセンスパネルは、異なる膜厚の2以上のバンク領域、及び、2以上のバンク領域により囲まれ、平面形状が四辺形又は頂点若しくは辺に丸みを帯びた略四辺形の有機膜領域を有する有機エレクトロルミネセンスパネル。
【選択図】図1
Description
図6に示す有機EL表示装置では、図7に示すように、下部電極(アノード)50上に、エッジカバー(絶縁層)51及びカソードセパレータ(陰極隔壁)52という2種の絶縁膜からなる線状絶縁体が設けられており、陰極の微細パターニングや蒸着時における有機薄膜の塗り分けを行うことができる。なお、製造工程の簡略化等を目的として、エッジカバーの役割を果たすハーフトーンパターンとカソードセパレータの役割を果たす絶縁層とが一層で形成されてなる有機EL素子の構成についても開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
(I)に関して、大型化に伴い画素数が多くなると、PM駆動型では応答速度が遅くなったり、画素同士で信号の干渉が起こり、クロストークを生じたりしてしまう。これに対し、個々の画素を独立に駆動するアクティブマトリクス(AM)駆動型は、上述したような不具合を起こさず、大型パネルにおける画素の駆動方式として好適である。しかしながら、AM駆動型では、上部電極が全ての画素に共通の電極として全面に形成され、上部電極がストライプ状に形成されるPM駆動型に比べ、上部電極とバンクとの積層箇所が多くなるため、バンクと下部電極との境界部にて上部電極の段切れ(段差による物理的・電気的な分離)が生じやすくなるという点で工夫の余地があった。
図8に示す有機ELパネルでは、上部電極(図示せず)の段切れを防止することができる高さt1でバンク62を形成している。しかしながら、バンク62の高さ(厚み)がt1の場合には、バンク内にインクを蓄える能力が低く、例えばG(緑色)の画素領域に塗布したインクが隣接するR(赤色)やB(青色)の画素領域まで溢れ、混色不良が発生してしまう可能性が高かった。これは、例えば、1回に塗布する(溜める)インク量を減らすことにより回避することが可能であるが、所望の発光特性(発光効率、寿命)を得るのに必要な膜厚を得るためには、塗布・乾燥の組み合わせの繰り返し回数を増加させる必要が生じ、有機層の形成にかかる工数が増大してしまうという点で改善の余地があった。一方、充分にインクを蓄えることができる高さt2でバンク62を形成すると、インクの保持能力は確保することができるものの、下部電極61とバンク62との境界部近傍において、上部電極の段切れが生じやすくなり、段切れにより電気的に分離された画素(ドット)が点灯しなくなってしまうという点で改善の余地があった。
本発明においては、異なる膜厚の2以上のバンク領域により有機膜領域が囲まれるが、着弾後のインク液滴は球形になろうとするため、有機膜領域に対して縦方向のバンクの膜厚が薄くても、横方向のバンクの膜厚が厚いことで、インクの溢れを抑制し、インクが隣接画素に流入するのを防止することが可能である。
また、本発明のカラーフィルタ基板によれば、異なる膜厚の2以上のバンク領域、及び、2以上のバンク領域により囲まれ、平面形状が四辺形又は頂点若しくは辺に丸みを帯びた略四辺形の着色層領域を有する形態であることから、インクジェット印刷法等の塗布法により着色層を形成する際に、液状材料の溢れや引き込みに起因する隣接画素間での混色について、主に膜厚が厚い側のバンクを利用して抑制することができ、また、上部電極の段切れ(段差による物理的・電気的な分離)について、膜厚が薄い側のバンクを設けることにより、低減することができる。
図1は、本発明の実施形態1のアクティブマトリクス(AM)駆動フルカラー有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置の構成を示す正面模式図である。なお、図1中のR・G・Bはそれぞれ、赤・緑・青色の画素を表す。
本実施形態の有機EL表示装置は、AM駆動を想定したものであるから、画素電極として機能する下部電極11は、図1に示すように、ドット単位で(画素毎に)互いに隔離された島状のパターンに構成されており、上部電極13は、全ての画素に共通の電極として構成されている。下部電極11としては、基板側(下部電極側)より光を取り出すボトムエミッション型の場合には、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化亜鉛錫)等の透明導電膜が用いられ、上部電極側より光を取り出すトップエミッション型の場合には、反射性を高めるため、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等又はそれらを含む合金膜等が用いられる。なお、それらの膜の形成方法としては特に限定されないが、スパッタ法が一般的である。
図2は、図1に示すバンク12を線分a−a’で切断したときの断面模式図である。バンク12の膜厚について、第1のバンク12aの膜厚をt1、第2のバンク12bの膜厚をt2とすると、例えばt1=1μm、t2=5μmという具合に、第1のバンク12aが第2のバンク12bより薄く形成されている。
上部電極13の形成方法としては特に限定されないが、蒸着法や成膜ダメージを抑制することができるスパッタ法が一般的である。なお、トップエミッション型の場合には、電子の注入効率を向上させるために、上部透過電極13と発光層18との間に、低仕事関数の金属(リチウム(Li)等のアルカリ金属やカルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属)やそれらのフッ化物、酸化物等の膜(図示せず)を挿入することが好ましい。
上述したように、第1のバンク12aは第2のバンク12bに対して膜厚が薄く(高さが低く)、バンク12上に一部乗り上げた状態でインクが溜められる場合があるが、バンク12の開口部14の平面形状は縦横比を1:1に近づける(すなわち、円形や正方形に近づける)ことが好ましく、図1中の黒塗り領域15には薄膜トランジスタ(TFT)が配置されることが多いため、第1のバンク12aの幅は広くとることができ、それにより隣接画素へインクが漏れるのを抑制することができる。また、断面のテーパ角を小さくすることができるため、上部電極13の導通を確保することが容易となる。
本実施形態では、第2のバンク12bは第1のバンク12aに対して膜厚が厚いため、図4(b)に示すように、インクがバンク12に乗り上げる、又は、インクが隣接ドットに流出するといった現象を抑制することができる。また、図4(d)に示す丸(点線)で囲まれた部分にて、上部電極13の段切れを生じる可能性があるが、第2のバンク12bは、図1に示すように、不連続に形成されており、R・G・Bが並ぶ方向に電流が流れるようになっているため、上部電極の抵抗値を効果的に低減することができる。
図5は、本発明の実施形態2のパッシブマトリクス(PM)駆動フルカラー有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置の構成を示す正面模式図である。なお、図5中のR・G・Bはそれぞれ、赤・緑・青色の画素を表す。
本実施形態の有機EL表示装置は、PM駆動を想定したものであるから、下部電極11は、図5に示すように、列方向(図5の縦方向)に延伸されたストライプ(縞)状のパターンに構成され、上部電極(図示せず)は、行方向(図5の横方向)に延伸された縞状のパターンに構成されている。また、画素領域14は、異なる形態の2つのバンク12(第1のバンク12a及び第2のバンク12b)に囲まれている。
まず、下部電極11を列方向に延伸された縞状にパターン形成する。続いて、下部電極11に直交するように、第1のバンク12aを縞状にパターン形成する。続いて、下部電極11及び第1のバンク12aに囲まれた領域に、第2のバンク12bを所定の間隔でパターン形成する。このとき、第2のバンク12bは、その上面が、下部電極11上に形成された第1のバンク12aの上面よりも高くなるように形成する。なお、第1のバンク12aの膜厚をt1とし、第2のバンク12bのうち下部電極11よりも上に出ている部分の膜厚をt2とすると、t2>t1×1.5となるように設定することが好ましい。また、第1のバンク12aの形成と第2のバンク12bの形成とは、製造プロセスを短縮する観点から、同一の工程にて行うことが好ましい。
なお、液晶表示パネルを作製する場合であれば、カラーフィルタ基板は、薄膜トランジスタアレイ基板と貼り合わされ、液晶層がカラーフィルタ基板と薄膜トランジスタアレイ基板との間に注入される。そして、カラーフィルタ基板に設けられた上部電極と、薄膜トランジスタアレイ基板に設けられた画素電極との間に電圧が印加されることによって、液晶の配向制御が行われることになる。
12、62:バンク(絶縁層)
12a:第1のバンク
12b:第2のバンク
13:上部電極
14、64:画素(バンク開口部)
15、65:薄膜トランジスタ(TFT)形成領域
16:(正孔輸送層17形成用の)インク
17:正孔輸送層
18:発光層
19、52:カソードセパレータ(陰極隔壁)
20:有機層(有機膜)
50:下部電極
51:エッジカバー
Claims (7)
- 基板上に下部電極、バンク、有機膜及び上部電極が形成された有機エレクトロルミネセンスパネルであって、
該有機エレクトロルミネセンスパネルは、異なる膜厚の2以上のバンク領域、及び、2以上のバンク領域により囲まれ、平面形状が長方形又は頂点若しくは短辺に丸みを帯びた略長方形の有機膜領域を有し、
膜厚が相対的に薄いバンク領域を第1のバンク領域とし、第1のバンク領域よりも膜厚が厚い別のバンク領域を第2のバンク領域としたときに、
該バンクは、第2のバンク領域が第1のバンク領域との交点において不連続に形成され、
上部電極に覆われたものであり、
該第1のバンク領域は、複数色がストライプ配列された画素構成における同一色を隔てる側である有機膜領域の短辺側を構成する
ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンスパネル。 - 前記有機エレクトロルミネセンスパネルは、アクティブマトリクス駆動方式又はスタティック駆動方式により駆動されることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
- 前記バンクは、第1のバンク領域の膜厚をt1、第2のバンク領域の膜厚をt2としたときに、t2>t1×1.5の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
- 前記バンクは、第2のバンク領域の断面形状が順テーパ形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネル。
- 基板上に下部電極、バンク、有機膜及び上部電極が形成された有機エレクトロルミネセンスパネルの製造方法であって、
該バンクの形成工程は、感光性樹脂を含むバンク形成材料をフォトリソプロセスによってパターニングする際に、領域毎に露光量に差を設けて異なる膜厚でバンクを形成し、
膜厚が相対的に薄いバンク領域を第1のバンク領域とし、第1のバンク領域よりも膜厚が厚い別のバンク領域を第2のバンク領域としたときに、
該バンクは、第2のバンク領域が第1のバンク領域との交点において不連続に形成され、
上部電極に覆われ、
該第1のバンク領域は、複数色がストライプ配列された画素構成における同一色を隔てる側である有機膜領域の短辺側を構成し、
略有機膜領域は、平面形状が長方形又は頂点若しくは短辺に丸みを帯びた略長方形に形成される
ことを特徴とする有機エレクトロルミネセンスパネルの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネセンスパネルを備えてなることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
- 請求項5記載の有機エレクトロルミネセンスパネルの製造方法を用いて製造された有機エレクトロルミネセンスパネルを備えてなることを特徴とする有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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