JP2013068731A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタおよび表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】はじめに、基板11上に、所定の間隙を空けてx方向に沿って並ぶよう複数の着色層20,30,40を形成する。次に、各着色層20,30,40の間隙に黒色顔料を含む塗工液を塗布する。その後、塗工液を乾燥させ、これによって各着色層20,30,40間にブラックマトリクス層50を形成する。
【選択図】図4
Description
図1に示すように、表示装置60は、カラーフィルタ10と、カラーフィルタ10に対向するよう配置され、カラーフィルタ10へ向けて光を出射する表示部18と、を備えている。
次に図2を参照して、カラーフィルタ10について詳細に説明する。図2は、カラーフィルタ10を図1の矢印II方向から見た場合を示す平面図である。なお説明の都合上、図2およびそれ以降の図において、カラーフィルタ10のオーバーコート膜12は省略されている。
はじめに、カラーフィルタ10の基板11について説明する。基板11としては、各着色層20,30,40およびBM層50を適切に支持することができ、かつ透明性を有する様々な材料が用いられ、例えばガラスやポリマーなどが用いられる。なお好ましくは、基板11として、後述するフッ化プラズマ処理により親液性を有することになる材料が用いられ、例えばSiO2ガラスが用いられる。
次に、カラーフィルタ10の各着色層20,30,40について説明する。各着色層20,30,40の具体的なパターンは特には限定されないが、本実施の形態においては、各着色層20,30,40がストライプ状に形成されている形態について説明する。この場合、図2に示すように、各着色層20,30,40は、所定の間隙s1を空けてx方向に沿って並ぶよう基板11に設けられている。図2に示すように、各着色層20,30,40間の間隙s1は、x方向に直交するy方向に延びている。
次に、各着色層20,30,40を構成する第1着色層用材料(以下、第1材料)、第2着色層用材料(以下、第2材料)、第3着色層用材料(以下、第3材料)について説明する。各第1〜第3材料は、各色の顔料や染料および分散剤を含む顔料分散体、光開始剤、ポリマーやモノマーを含むバインダー、および界面活性剤などを含んでいる。このうち光開始剤は、光を照射されることによりラジカル成分を発生するものである。またバインダーには、光開始剤によって発生されたラジカルにより重合反応を起こして硬化する成分と、その後の現像により未露光部が溶解可能となる成分とが少なくとも含まれている。
次に、カラーフィルタ10のBM層50について説明する。BM層50は、表示部18からの光を遮蔽するよう構成されたものである。本実施の形態において、BM層50は、図2に示すように、一の着色層とその他の着色層との間の間隙s1に設けられている。具体的には、BM層50は、第1着色層20と第2着色層30との間の間隙s1、第2着色層30と第3着色層40との間の間隙s1、および第3着色層40と第1着色層20との間の間隙s1に設けられている。後述するように、BM層50は、はじめに各着色層20,30,40間の間隙s1にBM層用材料を含むBM層用の塗工液(以下、BM塗工液)を塗布し、その後にBM塗工液を硬化させることによって形成される層である。
次に、BM層50を構成するBM層用材料について説明する。BM層用材料は、黒色の顔料や染料および分散剤を含む顔料分散体、ポリマーやモノマーを含むクリア剤、および界面活性剤などを含んでいる。このうちクリア剤には、加熱されることにより重合反応を起こして硬化する成分が少なくとも含まれている。なお、重合反応が開始され易くするための開始助剤として、カルボン酸無水物などの低分子化合物がBM層用材料にさらに含まれていてもよい。
次に、各着色層20,30,40およびBM層50の寸法に基づいて、カラーフィルタ10における開口率について説明する。なお、以下に説明する例においては、各着色層20,30,40の形状が互いに等しくなっている場合について説明する。しかしながら、これに限られることはなく、カラーフィルタ10に求められる特性などに応じて各着色層20,30,40の形状が各々異なっていてもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、図4乃至図6を参照して、カラーフィルタ10の製造方法について説明する。
以下、各着色層形成工程およびBM層形成工程について詳細に説明する。はじめに図5(a)〜(c)を参照して、第1着色層形成工程について詳細に説明する。
まず、図5(a)に示すように、上述の第1材料と溶剤とを混合することにより得られる第1着色層用塗工液(以下、第1塗工液)21を基板11上に塗布する。第1塗工液21を基板11上に塗布する方法が特に限られることはなく、スピンコート法、インクジェット法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法などを適宜用いることができる。
次に、図5(b)に示すように、開口部26および遮光部27を有する第1露光マスク25を介して、第1材料22に対して露光光を照射する。この場合、第1露光マスク25の開口部26は、第1着色層20のパターンに対応するよう、上述のピッチp1でx方向に沿って並ぶよう配置されている。露光処理の結果、第1材料22のうち露光光が照射された部分が硬化する。なお、露光光として用いられる光が特に限られることはなく、第1材料22の感光特性に応じて様々な光が適宜用いられ得る。
その後、現像処理を実施し、これによって、第1材料22のうち露光光が照射されなかった部分を現像液中に溶解させる。これによって、図5(c)に示すように、所定のピッチp1でx方向に沿って並ぶ複数の第1着色層20が基板11に形成される。
図5(d)〜(f)に示す第2着色層形成工程は、塗工液として、上述の第2材料と溶剤とを混合することにより得られる第2着色層用塗工液(第1塗工液)31が用いられる点、および、第1着色層20と第2着色層30との間に所定の間隙s1が形成されるよう第2露光マスク35の開口部36が配置されている点が異なるのみであり、その他の点は、上述の図5(a)〜(c)に示す第1着色層形成工程と略同一である。従って、第2着色層形成工程に関する詳細な説明は省略する。
また図5(g)〜(i)に示す第3着色層形成工程は、塗工液として、上述の第3材料と溶剤とを混合することにより得られる第3着色層用塗工液(第3塗工液)41が用いられる点、および、第2着色層30と第3着色層40との間に所定の間隙s1が形成されるよう第3露光マスク45の開口部46が配置されている点が異なるのみであり、その他の点は、上述の図5(a)〜(c)に示す第1着色層形成工程と略同一である。従って、第3着色層形成工程に関する詳細な説明は省略する。
次に図6(a)〜(e)を参照して、BM層形成工程について詳細に説明する。
はじめに、基板11上に残っている残渣62を取り除くための処理を実施する。ここでは、酸素を含むガスを導入ガスとして用いた酸素プラズマLoを発生させ、この酸素プラズマLoを、図6(b)に示すように各着色層20,30,40間の間隙において基板11上に照射する。これによって、基板11上に残っている残渣62がCO2やH2Oに分解されて除去される。
次に、各着色層20,30,40のうち基板11と反対側にある表面(以下、露出側の表面)20b,30b,40bを撥液化するための撥液処理を実施する。ここでは、フッ素もしくはフッ素化合物を含むガスを導入ガスとして用いたフッ化プラズマLfを発生させ、このフッ化プラズマLfを、図6(c)に示すように基板11上の各着色層20,30,40の表面20b,30b,40bに照射する。これによって、各着色層20,30,40の表面20b,30b,40bにフッ素基を導入することができる。具体的には、各着色層20,30,40を構成する第1〜第3材料の分子の一部をフッ素基に置換することができる。このことにより、各着色層20,30,40の表面20b,30b,40bを撥液化することができる。
次に、図6(d)に示すように、各着色層20,30,40間の間隙にBM塗工液51を塗布する。BM塗工液51としては、上述のBM層用材料と適切な溶剤とを混合することにより得られる塗工液が用いられる。
次に、BM塗工液51に対して焼成処理を施す。これによって、図6(e)に示すように、各着色層20,30,40間の間隙にBM層50が形成される。
上述の製造方法により得られたカラーフィルタ10の特徴について説明する。
はじめに、各着色層20,30,40およびBM層50の断面形状について説明する。一般に、フォトリソグラフィー法によるパターニングによって得られた各着色層20,30,40の断面形状は順テーパ形状となっている。一方、BM層50は、各着色層20,30,40間の間隙にBM塗工液51を塗布し、その後、BM塗工液51を乾燥させることにより形成される。このため、BM層50の形状は各着色層20,30,40間の間隙の形状に一致しており、従って、BM層50の断面形状は逆テーパ形状となっている。
次に、各着色層20,30,40およびBM層50の表面の形状について説明する。上述のように、本実施の形態によれば、はじめに各着色層20,30,40が基板11上に形成され、その後にBM層50が基板11上に形成される。この場合、図4(a)〜(c)および図5(a)〜(i)に示されているように、一の着色層は、その他の着色層およびBM層50からの物理的な影響をほとんど受けることなく形成されることになる。このため本実施の形態によれば、第1〜第3塗工液21〜41の組成や工程条件を適切に設定することにより、図3に示されるように、各着色層20,30,40の表面20b,30b,40bをほぼ平坦にすることができる。
次に、各着色層20,30,40におけるフッ素濃度について説明する。上述のように、各着色層20,30,40の露出側の表面20b,30b,40bにはフッ化プラズマ処理が施されている。このため、各着色層20,30,40において、露出側の表面20b,30b,40bにおけるフッ素濃度は、露出側の表面20b,30b,40bよりも内側にある部分、すなわち基板11側にある部分におけるフッ素濃度よりも高くなっている。このようなフッ素濃度の差は、例えば上述のX線光電子分光分析装置を用いて各着色層20,30,40におけるフッ素濃度を測定することにより確認され得る。
次に、本実施の形態によるカラーフィルタの製造方法の効果について説明する。
はじめに、BM層50の幅に関する効果について説明する。上述のように、BM層50は、既に形成されている各着色層20,30,40間の間隙に形成される。この場合、BM層50の幅は、各着色層20,30,40間の間隙の寸法によって定められることになる。このため、各着色層20,30,40間の間隙を精度良く定めることにより、所望の幅を有するBM層50を形成することができる。
次に、カラーフィルタ10の製造工程が簡略になるという効果について説明する。上述のように、本実施の形態によれば、BM層50は、各着色層20,30,40間の間隙にBM塗工液51を塗布することにより形成される。すなわち、露光処理および現像処理を実施することなくBM層50を形成することができる。このため、BM層50を形成するための露光機および現像機を準備する必要がなく、このことにより、カラーフィルタ10の製造設備のコストを低減することができる。また、露光のための露光マスクを不要にすることができる。このことにより、製造コストを低減することができ、また、BM層50のパターンの変更に柔軟に対応することが可能となる。
また本実施の形態によれば、上述のように、露光処理および現像処理を実施することなくBM層50を形成することができる。このため、BM層用材料に光開始剤が含まれている必要がなく、これによって、より高い自由度の下でBM層用材料を設計することができる。例えば、従来のBM層用材料に比べて、光開始剤を削除した分だけ黒色の顔料分散体の含有比率を高めることができ、これによって、BM層50の遮光特性を高めることができる。また、光開始剤が不要となることにより、BM層用材料のコストを低減することができる。
次に、図7乃至図9を参照して、本実施の形態の効果を比較の形態と比較して説明する。
上述の比較の形態において、BM層用材料としてネガ型の材料が用いられる場合について、図8(a)(b)を参照して説明する。図8(a)は、開口部156および遮光部157を有する露光マスク155を介してネガ型のBM層用材料152に露光光Lが照射される様子を示す縦断面図であり、図8(b)は、露光処理後の現像処理により形成されるBM層150を示す縦断面図である。
次に、比較の形態により形成される各着色層120,130,140の表面の形状について、図9(a)(b)を参照して説明する。
なお本実施の形態において、各着色層20,30,40間の間隙にBM塗工液51が塗布される前に、フッ素プラズマ処理により各着色層20,30,40の表面が撥液化される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、BM塗工液51の塗布方法に応じて、各着色層20,30,40の表面の撥液化が適宜省略されてもよい。例えば、各着色層20,30,40間の間隙の幅よりも小さな直径で液滴を吐出することができるノズルを有するインクジェットヘッドが用いられる場合、各着色層20,30,40の表面を撥液化することなく、各着色層20,30,40間の間隙に精度良くBM塗工液51を塗布することができる。
11 基板
12 オーバーコート膜
13 フォトスペーサー
15 TFT基板
17 液晶
18 表示部
20 第1着色層
20a 基板側の表面
20b 露出側の表面
21 第1着色層用塗工液(第1塗工液)
22 第1着色層用材料(第1材料)
25 第1着色層用露光マスク(第1露光マスク)
26 開口部
27 遮光部
30 第2着色層
30a 基板側の表面
30b 露出側の表面
31 第2着色層用塗工液(第2塗工液)
32 第2着色層用材料(第2材料)
35 第2着色層用露光マスク(第2露光マスク)
36 開口部
37 遮光部
40 第3着色層
40a 基板側の表面
40b 露出側の表面
41 第3着色層用塗工液(第3塗工液)
42 第3着色層用材料(第3材料)
45 第3着色層用露光マスク(第3露光マスク)
46 開口部
47 遮光部
50 ブラックマトリクス層(BM層)
50a 基板側の表面
50b 露出側の表面
51 ブラックマトリクス層用塗工液(BM塗工液)
60 表示装置
62 残渣
Claims (9)
- 基板を準備する工程と、
前記基板上に、所定の間隙を空けて第1方向に沿って並ぶよう複数の着色層を形成する着色層形成工程と、
各着色層間の前記間隙に黒色顔料を含む塗工液を塗布する塗布工程と、
前記塗工液を乾燥させ、これによって各着色層間にブラックマトリクス層を形成する工程と、を備えたことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 前記着色層形成工程は、前記基板上に、所定のピッチで前記第1方向に沿って並ぶよう複数の第1着色層を形成する第1着色層形成工程と、前記第1着色層形成工程の後、前記基板上に、各第1着色層との間に前記間隙が設けられるよう前記第1方向に沿って複数の第2着色層を形成する第2着色層形成工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記塗布工程よりも前に、各着色層に対して撥液処理を施すことにより、各着色層の表面を撥液化する撥液化工程をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記撥液化工程は、フッ素もしくはフッ素化合物を含むガスを導入ガスとしたプラズマ処理を行う工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記撥液化工程は、フッ素もしくはフッ素化合物を含むガスを導入ガスとしたプラズマ処理工程よりも前であって前記着色層形成工程よりも後に、酸素を含むガスを導入ガスとしたプラズマ処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記塗布工程は、各着色層間の間隙にインクジェット法により前記塗工液を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 前記塗布工程は、前記基板上にスピンコート法により前記塗工液を塗布する工程を含むことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 基板と、
所定の間隙を空けて第1方向に沿って並ぶよう前記基板上に設けられた複数の着色層と、
各着色層間の前記間隙に設けられた、黒色顔料を含むブラックマトリクス層と、を備え、
各着色層において、露出側の表面におけるフッ素濃度が、露出側の表面よりも前記基板側にある部分におけるフッ素濃度よりも高くなっていることを特徴とするカラーフィルタ。 - カラーフィルタと、
前記カラーフィルタに対向するよう配置され、前記カラーフィルタへ向けて光を出射する表示部と、を備え、
前記カラーフィルタは、請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたカラーフィルタ、または、請求項8に記載のカラーフィルタのいずれかからなることを特徴とする表示装置。
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