JP2007212770A - カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 残渣がほとんどなく、品質が極めて良好なカラーフィルタ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 カラーフィルタの製造方法は、透明基板100上に形成された樹脂膜200をレーザアブレーション装置4によってパターニングするパターニング工程と、パターニングされた樹脂膜200を洗浄装置6によって洗浄する洗浄工程とを備える。洗浄工程は、レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了後(レーザ光の照射終了後)60秒以内に開始される。洗浄工程では、洗浄液を2〜35MPaの圧力で透明基板100に噴射させ、洗浄液の液滴の平均直径が5〜20μmとなっている。
【選択図】 図2
【解決手段】 カラーフィルタの製造方法は、透明基板100上に形成された樹脂膜200をレーザアブレーション装置4によってパターニングするパターニング工程と、パターニングされた樹脂膜200を洗浄装置6によって洗浄する洗浄工程とを備える。洗浄工程は、レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了後(レーザ光の照射終了後)60秒以内に開始される。洗浄工程では、洗浄液を2〜35MPaの圧力で透明基板100に噴射させ、洗浄液の液滴の平均直径が5〜20μmとなっている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、カラーフィルタ及びその製造方法に関する。
従来から、カラーフィルタの製造工程においてブラックマトリクス等のパターンを形成するため、ガラス等の基板上に形成された樹脂膜に対してエキシマレーザ光を照射することにより樹脂層の被照射部分を蒸発させて樹脂層のパターニングを行う、レーザアブレーション法が知られている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開平9−325365号公報
特開平9−80221号公報
特開平11−133226号公報
特開平8−146408号公報
特開平11−281814号公報
しかしながら、上記特許文献1〜5に記載された従来のカラーフィルタの製造方法では、レーザ光の照射によって分解・蒸発した樹脂が再固化し、微粒子として基板上に付着することで、基板上に残渣が残ってしまうという問題があった。
このような残渣を除去するための方法として、例えば特許文献1には、真空吸引装置を用いて微粒子を真空吸引することにより、除去する方法が開示されている。しかしながら、真空吸引装置のフィルタに微粒子が蓄積することでフィルタの目詰まりが発生してしまい、真空吸引装置の吸引力の低下により微粒子を十分除去することができないことがあった。
また、例えば特許文献2及び3には、レーザアブレーション法により樹脂層のパターニングを行った後、基板に対して洗浄液を噴射することにより、微粒子を除去する方法が開示されている。しかしながら、微粒子を確実に除去することのできる洗浄条件については知られておらず、ガラス基板上に残渣が残ってしまうことがあった。
本発明は、残渣がほとんどなく、品質が極めて良好なカラーフィルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、基板上に形成された樹脂膜をレーザアブレーション法によってパターニングするパターニング工程と、パターニングされた樹脂膜に対して洗浄液を噴射してその樹脂膜を洗浄する洗浄工程とを備え、洗浄工程は、パターニング工程の終了後60秒以内に開始され、洗浄工程では、洗浄液を2〜35MPaの圧力で前記基板に噴射させ、洗浄液の液滴の平均直径が5〜20μmである。
本発明に係るカラーフィルタの製造方法では、パターニング工程の終了後60秒以内に、洗浄液の噴射圧力を2〜35MPa、洗浄液の液滴の平均直径を5〜20μmとして、レーザアブレーション法によってパターニングされた樹脂膜を洗浄している。レーザアブレーション法によってパターニングが行われると、レーザ光の照射によって分解・蒸発した樹脂が加工部分の近傍に飛散・再固化して、基板上に微粒子として堆積・付着することがあるが、パターニング工程の終了後60秒以内に洗浄が開始されるため、この微粒子が基板に対して強固に固着する前に洗浄がなされることとなる。また、洗浄液の噴射圧力及び洗浄液の液滴の平均直径も好適な範囲となっている。従って、極めて良好な洗浄効果を得られると共に、パターニングされた樹脂膜が損傷することもない。その結果、残渣がほとんどなく、品質が極めて良好なカラーフィルタを製造することが可能となる。
また、洗浄液を5〜20MPaの圧力で基板に噴射させることが好ましく、洗浄液を5〜15MPaの圧力で基板に噴射させることがより好ましい。このようにすると、洗浄効果をより向上させることが可能となる。
また、樹脂膜に着色材料が含有されていることが好ましい。また、着色材料が遮光性を有していることが好ましい。このようにすると、レーザアブレーション法によってパターニングされた赤色、緑色、青色等の各樹脂膜及びブラックマトリクスを形成することが可能となる。
また、洗浄液が純水であることが好ましい。このようにすると、界面活性剤が含まれる水と比較して、配管内において気泡が生じにくい。
また、非スピン式スリットコーターダイを用いて樹脂膜を形成することが好ましい。従来は、基板を回転させて樹脂膜を基板上に形成していたために、基板の回転によって多量の樹脂が廃棄されてコストがかかると共に、大型の基板については回転させることができないという制約があったが、非スピン式スリットコーターダイでは基板を回転させないため、基板の大きさにかかわらず樹脂を基板上に均一に塗布することができる。その結果、カラーフィルタの大型化を図ることが可能となると共に、樹脂の使用量を必要最小限に抑えられるのでコストを低減することが可能となる。
また、樹脂膜は、無機ガラス基板上にその無機ガラス基板と接して形成されており、パターニング工程では、YAGレーザ光を用いて樹脂膜をパターニングすることが好ましい。このようにすると、特に、ガラス基板等の無機物上における樹脂膜の厚さが、比較的厚い例えば0.5μm以上であるときに容易にパターニングすることが可能となるため好適であり、0.5μm〜3.0μm程度であるとカラーフィルタを製造する場合により好ましい。
また、樹脂膜は、有機層上にその有機層と接して形成されており、パターニング工程では、エキシマレーザ光を用いて樹脂膜をパターニングすることが好ましい。このようにすると、特に、樹脂膜等の有機物上に接して形成された部分における他の樹脂膜の厚さが、比較的薄い例えば0.01μm以上であるときに容易にパターニングすることが可能となるため好適であり、0.01μm〜2.0μm程度であるとカラーフィルタを製造する場合により好ましく、0.01μm〜1.5μm程度であるとカラーフィルタを製造する場合に更により好ましい。
一方、本発明に係るカラーフィルタは、上記のいずれかの方法により製造されたものである。
本発明によれば、残渣がほとんどなく、品質が極めて良好なカラーフィルタ及びその製造方法を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(カラーフィルタ)
図1を参照して、本発明の実施形態に係るカラーフィルタCFの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るカラーフィルタを模式的に示す縦断面図である。カラーフィルタCFは、透明基板(基板)100と、透明基板100上に格子状(マトリクス状)に形成された遮光層104と、透明基板100上に並んで配置された複数の着色樹脂領域102R,102G,102Bと、スペーサ110とを備える。カラーフィルタCFは、例えば、TFT液晶ディスプレイといった液晶表示装置に好適に用いられる。透明基板100としては、例えば、無機ガラス類(人工又は天然の石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸塩ガラス、表面がシリカコートされたソーダライムガラス等)、透明樹脂フィルム、透明樹脂シート、光学用透明樹脂板等のフレキシブル材を用いることができる。
図1を参照して、本発明の実施形態に係るカラーフィルタCFの構成について説明する。図1は、本実施形態に係るカラーフィルタを模式的に示す縦断面図である。カラーフィルタCFは、透明基板(基板)100と、透明基板100上に格子状(マトリクス状)に形成された遮光層104と、透明基板100上に並んで配置された複数の着色樹脂領域102R,102G,102Bと、スペーサ110とを備える。カラーフィルタCFは、例えば、TFT液晶ディスプレイといった液晶表示装置に好適に用いられる。透明基板100としては、例えば、無機ガラス類(人工又は天然の石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸塩ガラス、表面がシリカコートされたソーダライムガラス等)、透明樹脂フィルム、透明樹脂シート、光学用透明樹脂板等のフレキシブル材を用いることができる。
遮光層104は、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ペリレン化合物、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)に記されたC.I.アシッドブラック51、C.I.アシッドブラック52、C.I.ベイシックブラック2、C.I.ソルベントブラック123等の化合物といった有機顔料や、チタンブラック、マグネタイトといった無機顔料等の遮光剤を着色材料として含有した樹脂から構成されている。遮光層104は、隣り合う各着色樹脂領域102R,102G,102Bを分離するように格子状に形成されており、ブラックマトリクスとして機能する。遮光層104は、その縦断面形状が、上底が短く下底が長い略台形状(順テーパ形状)となっている(図1参照)。そのため、マトリクス状に配置された遮光層104における複数の開口に、着色樹脂領域102R,102G,102Bが確実に埋め込まれるようになっている。よって、着色樹脂領域102R,102G,102Bを透過する光が遮光層104によって分離され、光漏れの発生が極めて抑制される。
着色樹脂領域102R,102G,102Bは、光透過性を有しており、光学フィルタとして機能する。着色樹脂領域102R,102G,102Bは、例えば、顔料等の着色剤を着色材料として含有した樹脂から構成されている。顔料としては、例えば、黄色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料等が好適に用いられる。本実施形態において、着色樹脂領域102Rは例えば赤色顔料と樹脂とからなり、着色樹脂領域102Gは例えば緑色顔料と樹脂とからなり、着色樹脂領域102Bは例えば青色顔料と樹脂とからなる。このとき、必要に応じて、着色樹脂領域102Gに黄色顔料を添加してもよい。また、顔料としては、有機および無機顔料を用いることができ、具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。そのような化合物としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等のイエロー系ピグメント、C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド177等のレッド系ピグメント、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6等のブルー系ピグメント、C.I.ピグメントバイオレット23:19等のバイオレット系ピグメント、C.I.ピグメントグリーン36等のグリーン系ピグメント等が例示される。
スペーサ110は、樹脂によって構成されており、後述する透明電極層108上に複数設けられている。スペーサ110は遮光層104の上方に配置されることが好ましい。これにより、スペーサ110が遮光性を有する場合であっても、着色樹脂領域102R,102G,102Bを透過する光がスペーサ110によって遮られない。スペーサ110は、カラーフィルタCFと対向基板(図示せず)とを貼り合わせる時に対向基板に接触して、透明電極層108と対向基板との間に液晶が充填される空間を提供すると共に、カラーフィルタCFと対向基板とのギャップを制御する。
(樹脂)
ここで、本実施形態において、上記着色樹脂領域102R,102G,102B、遮光層104及びスペーサ110の形成に用いられる樹脂について説明する。樹脂の材質は、特に限定されず、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂等の種々の樹脂を利用できる。
ここで、本実施形態において、上記着色樹脂領域102R,102G,102B、遮光層104及びスペーサ110の形成に用いられる樹脂について説明する。樹脂の材質は、特に限定されず、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂や、熱可塑性樹脂等の種々の樹脂を利用できる。
(光硬化性樹脂)
光硬化性樹脂としては、ネガ型感光性樹脂が挙げられる。ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するものである。ネガ型感光性樹脂は、X線、紫外線、可視光又は赤外線を含むエネルギー線により重合するエネルギー線重合性組成物から構成されていることが好ましい。エネルギー線重合性組成物は、エネルギー線を吸収してラジカルを発生するエネルギー線重合開始剤、ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物(エチレン性化合物)、結合剤、溶剤及び分散剤等の添加物を含む。なお、着色樹脂領域102R,102G,102B及び遮光層104の形成の際には、エネルギー線重合性組成物に上述した着色剤や遮光剤が配合される。
光硬化性樹脂としては、ネガ型感光性樹脂が挙げられる。ネガ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して不溶化し残存するものである。ネガ型感光性樹脂は、X線、紫外線、可視光又は赤外線を含むエネルギー線により重合するエネルギー線重合性組成物から構成されていることが好ましい。エネルギー線重合性組成物は、エネルギー線を吸収してラジカルを発生するエネルギー線重合開始剤、ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1つ有する化合物(エチレン性化合物)、結合剤、溶剤及び分散剤等の添加物を含む。なお、着色樹脂領域102R,102G,102B及び遮光層104の形成の際には、エネルギー線重合性組成物に上述した着色剤や遮光剤が配合される。
(エネルギー線重合開始剤)
エネルギー線重合開始剤としては、例えば、エネルギー線としての紫外線を吸収してラジカルを発生する紫外線感応型の重合開始剤、エネルギー線としての可視光を吸収してラジカルを発生する可視光感応型の重合開始剤等が挙げられる。紫外線感応型の重合開始剤としては、例えば、ジアルキルアセトフェノン系、ベンジルジアルキルケタール系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル系、チオモサントン誘導体、アルシホスフィンオキサイド系、ヘキサアリールビイミダゾール系、s−トリハロメチルトリアジン系等の重合開始剤が挙げられる。
エネルギー線重合開始剤としては、例えば、エネルギー線としての紫外線を吸収してラジカルを発生する紫外線感応型の重合開始剤、エネルギー線としての可視光を吸収してラジカルを発生する可視光感応型の重合開始剤等が挙げられる。紫外線感応型の重合開始剤としては、例えば、ジアルキルアセトフェノン系、ベンジルジアルキルケタール系、ベンゾイン系、ベンゾインアルキルエーテル系、チオモサントン誘導体、アルシホスフィンオキサイド系、ヘキサアリールビイミダゾール系、s−トリハロメチルトリアジン系等の重合開始剤が挙げられる。
(エチレン性化合物)
エチレン性化合物は、例えば、単量体、二量体、三量体、オリゴマー、又は、側鎖若しくは主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体のいずれでもよい。具体的には、例えば、不飽和カルボン酸、エステル等が挙げられる。エステルとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、多価ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル等が挙げられる。多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、脂肪族ピロヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等が挙げられる。
エチレン性化合物は、例えば、単量体、二量体、三量体、オリゴマー、又は、側鎖若しくは主鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する重合体のいずれでもよい。具体的には、例えば、不飽和カルボン酸、エステル等が挙げられる。エステルとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル、多価ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル等が挙げられる。多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、脂肪族ピロヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等が挙げられる。
(結合剤)
結合剤としては、例えば、メチル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、酢酸ビニル等の酸ビニル、アクリルニトリル等の有機物質が挙げられる。結合剤は、透明基板100との接着性の観点から、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のフェニル基を有する共重合モノマーと、(メタ)アクリル酸との共重合体を含有することが好ましい。フェニル基を有する共重合モノマーは、結合剤の全量に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%、特に好ましくは30〜60モル%の割合で含有される。(メタ)アクリル酸は、結合剤の全量に対して、好ましくは2〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%の割合で含有される。なお、結合剤は、全共重合モノマーに対して2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加された化合物と、(メタ)アクリル酸との共重合体を含有するとしてもよい。
結合剤としては、例えば、メチル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、酢酸ビニル等の酸ビニル、アクリルニトリル等の有機物質が挙げられる。結合剤は、透明基板100との接着性の観点から、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のフェニル基を有する共重合モノマーと、(メタ)アクリル酸との共重合体を含有することが好ましい。フェニル基を有する共重合モノマーは、結合剤の全量に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜70モル%、特に好ましくは30〜60モル%の割合で含有される。(メタ)アクリル酸は、結合剤の全量に対して、好ましくは2〜50質量%、より好ましくは5〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%の割合で含有される。なお、結合剤は、全共重合モノマーに対して2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加された化合物と、(メタ)アクリル酸との共重合体を含有するとしてもよい。
(溶剤)
エネルギー線重合性組成物を溶解するための溶剤としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。この溶剤にエネルギー線重合性組成物を溶解させると、透明基板100上に塗布したときに樹脂膜200となる溶液を得ることができる。
エネルギー線重合性組成物を溶解するための溶剤としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。この溶剤にエネルギー線重合性組成物を溶解させると、透明基板100上に塗布したときに樹脂膜200となる溶液を得ることができる。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂材料、ユリア樹脂材料、メラミン樹脂材料、ベンゾグアナミン樹脂材料、アリル樹脂材料、アルキド樹脂材料、エポキシ樹脂材料、ウレタン樹脂材料、シリコーン樹脂材料を用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、ポジ型感光性樹脂を用いることもできる。ポジ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して可溶化するもので、一般的には樹脂と光反応により親水化する化合物とが複合化されて構成されている。ポジ型感光性樹脂としては、例えば、ノボラック・ナフトキノン系樹脂が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂は、光硬化性樹脂で用いたものと同様の溶剤を用いて透明基板100に塗布することができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂材料、ユリア樹脂材料、メラミン樹脂材料、ベンゾグアナミン樹脂材料、アリル樹脂材料、アルキド樹脂材料、エポキシ樹脂材料、ウレタン樹脂材料、シリコーン樹脂材料を用いることができる。また、熱硬化性樹脂としては、ポジ型感光性樹脂を用いることもできる。ポジ型感光性樹脂は、光の照射部分が現像液に対して可溶化するもので、一般的には樹脂と光反応により親水化する化合物とが複合化されて構成されている。ポジ型感光性樹脂としては、例えば、ノボラック・ナフトキノン系樹脂が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂は、光硬化性樹脂で用いたものと同様の溶剤を用いて透明基板100に塗布することができる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、結晶性炭化水素系材料、非結晶性炭化水素系材料、極性ビニル系材料、線状構造材料等を用いることができる。結晶性炭化水素系材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、結晶性ポリブタジエン等が挙げられる。非結晶性炭化水素系材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン樹脂等が挙げられる。極性ビニル系材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。線状構造材料としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、アルキルベンゼンスルホン酸系樹脂材料、ポリフッ化ビニリデン樹脂材料、ポリフェニレンサルファイド樹脂材料、ポリテトラフロロエチレン樹脂材料等を用いることもできる。なお、熱可塑性樹脂は、光硬化性樹脂で用いたものと同様の溶剤を用いて透明基板100に塗布することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、結晶性炭化水素系材料、非結晶性炭化水素系材料、極性ビニル系材料、線状構造材料等を用いることができる。結晶性炭化水素系材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、結晶性ポリブタジエン等が挙げられる。非結晶性炭化水素系材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン樹脂等が挙げられる。極性ビニル系材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンポリテトラフルオロエチレン共重合体等が挙げられる。線状構造材料としては、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂としては、アルキルベンゼンスルホン酸系樹脂材料、ポリフッ化ビニリデン樹脂材料、ポリフェニレンサルファイド樹脂材料、ポリテトラフロロエチレン樹脂材料等を用いることもできる。なお、熱可塑性樹脂は、光硬化性樹脂で用いたものと同様の溶剤を用いて透明基板100に塗布することができる。
再び図1を参照して、透明基板100上には、着色樹脂領域102R,102G,102B及び遮光層104を覆うように保護層106及び透明電極層108が順に設けられている。この保護層106は、カラーフィルタCFの使用中に遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102Bが溶出することを防ぐと共に、遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102Bにおける段差(ギャップ)を小さくすることで、液晶の駆動スピードを均一化する目的等で設けられている。保護層106は、例えば、酸素遮断性を有する樹脂から構成されている。そのような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリレート系コポリマー等に、スチリルピリジウム基、スチルバゾール塩等をペンダント化させた樹脂等が挙げられる。
透明電極層108は、液晶を駆動するためのものである。透明電極層108は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、又はこれらの合金等から構成されている。
(カラーフィルタの製造システムの構成)
図2を参照して、本発明の実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を実施するための製造システム1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を実施するための製造システムの概要を示す図である。
図2を参照して、本発明の実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を実施するための製造システム1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るカラーフィルタの製造方法を実施するための製造システムの概要を示す図である。
製造システム1は、主として、樹脂膜形成装置2、レーザアブレーション装置4及び洗浄装置6により構成されている。
(樹脂膜形成装置)
樹脂膜形成装置2は、透明基板100上に樹脂膜200を形成するための装置である。樹脂として光硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、光硬化性樹脂を透明基板100上に塗布し、透明基板100の全面について露光及び/又は加熱を行うことで、樹脂膜200を形成している。また、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、熱硬化性樹脂を透明基板100上に塗布し、透明基板100の全面について加熱を行うことで、樹脂膜200を形成している。さらに、樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、熱可塑性樹脂のフィルムを透明基板100に貼付し、又は重合開始材を含むモノマーの熱可塑性樹脂前駆体を透明基板100上に塗布してポリマー化して熱可塑性樹脂とすることで、樹脂膜200を形成している。なお、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂又はこれらが混合された樹脂を用いてもよい。
樹脂膜形成装置2は、透明基板100上に樹脂膜200を形成するための装置である。樹脂として光硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、光硬化性樹脂を透明基板100上に塗布し、透明基板100の全面について露光及び/又は加熱を行うことで、樹脂膜200を形成している。また、樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、熱硬化性樹脂を透明基板100上に塗布し、透明基板100の全面について加熱を行うことで、樹脂膜200を形成している。さらに、樹脂として熱可塑性樹脂を用いる場合には、樹脂膜形成装置2により、熱可塑性樹脂のフィルムを透明基板100に貼付し、又は重合開始材を含むモノマーの熱可塑性樹脂前駆体を透明基板100上に塗布してポリマー化して熱可塑性樹脂とすることで、樹脂膜200を形成している。なお、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂又はこれらが混合された樹脂を用いてもよい。
なお、光硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂を透明基板100上に塗布する際には、非スピン式スリットコーターダイを用いると、透明基板100が大きなものであっても、透明基板100上に均一に感光性樹脂を塗布することができるため好ましい。また、透明基板100の大きさによっては、非スピン式スリットコーターダイの他に、スピンコート装置、ロールコート装置、ドライフィルムレジスト積層装置等の公知の樹脂膜形成装置を利用することができる。スピンコート装置を用いる場合には、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂を透明基板100の中央に滴下して、その後透明基板100を回転させることにより透明基板100上に樹脂膜200を均一に形成してもよく、光硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂をスリットコーターダイで透明基板100上に塗布し、その後透明基板100を回転させることにより透明基板100上に樹脂膜200を均一に形成してもよい。
また、光硬化性樹脂を露光する際の光源としては、特に限定されないが、g線、h線又はi線であると好ましく、g線、h線又はi線とi線以下の波長の光との混合光であるとより好ましい。
(レーザアブレーション装置)
レーザアブレーション装置4は、樹脂膜200に対してレーザ光を照射することにより、その照射された部分を分解除去して、樹脂膜200のパターニングを行う装置である。レーザアブレーション装置4を用いて樹脂膜200のパターニングを行うことで、着色樹脂領域102R,102G,102B、遮光層104、スペーサ110を形成することができる。レーザアブレーション装置4のレーザ光としては、特に限定されないが、エキシマレーザ光、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ光等の公知のものを用いることができる。ここで、樹脂膜200が無機ガラス製の透明基板100上に直接接触して形成されているときには、YAGレーザ光を用いることが好ましく、樹脂膜200が他の樹脂膜等の有機層上に直接接触して形成されているときには、エキシマレーザ光を用いることが好ましい。透明基板100上における樹脂膜200の厚さが、比較的厚い例えば0.5μm以上であると、YAGレーザ光により容易にその樹脂膜200をパターニングできるため好適であり、0.5μm〜3.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましい。特に遮光剤を含む樹脂膜200をパターニングする場合には、YAGレーザ光が遮光剤の吸収波長でもあることから、エネルギーの大きさが等しいエキシマレーザ光を用いた場合よりも加工量を多くすることができるので、経済的にも有利である。一方、他の樹脂膜等の上に接して形成された部分における樹脂膜200の厚さが、比較的薄い例えば0.01μm以上であると、エキシマレーザ光により容易にその樹脂膜200をパターニングできるため好適であり、0.01μm〜2.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましく、0.01μm〜1.5μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合に更により好ましい。
レーザアブレーション装置4は、樹脂膜200に対してレーザ光を照射することにより、その照射された部分を分解除去して、樹脂膜200のパターニングを行う装置である。レーザアブレーション装置4を用いて樹脂膜200のパターニングを行うことで、着色樹脂領域102R,102G,102B、遮光層104、スペーサ110を形成することができる。レーザアブレーション装置4のレーザ光としては、特に限定されないが、エキシマレーザ光、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ光等の公知のものを用いることができる。ここで、樹脂膜200が無機ガラス製の透明基板100上に直接接触して形成されているときには、YAGレーザ光を用いることが好ましく、樹脂膜200が他の樹脂膜等の有機層上に直接接触して形成されているときには、エキシマレーザ光を用いることが好ましい。透明基板100上における樹脂膜200の厚さが、比較的厚い例えば0.5μm以上であると、YAGレーザ光により容易にその樹脂膜200をパターニングできるため好適であり、0.5μm〜3.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましい。特に遮光剤を含む樹脂膜200をパターニングする場合には、YAGレーザ光が遮光剤の吸収波長でもあることから、エネルギーの大きさが等しいエキシマレーザ光を用いた場合よりも加工量を多くすることができるので、経済的にも有利である。一方、他の樹脂膜等の上に接して形成された部分における樹脂膜200の厚さが、比較的薄い例えば0.01μm以上であると、エキシマレーザ光により容易にその樹脂膜200をパターニングできるため好適であり、0.01μm〜2.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましく、0.01μm〜1.5μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合に更により好ましい。
(洗浄装置)
洗浄装置6は、パターニングされた樹脂膜200に対して洗浄液を噴射し、透明基板100及び樹脂膜200に残存した残渣を除去するためのものである。図2及び図3を参照して、洗浄装置6の構成について説明する。図3は、洗浄装置の上面図である。
洗浄装置6は、パターニングされた樹脂膜200に対して洗浄液を噴射し、透明基板100及び樹脂膜200に残存した残渣を除去するためのものである。図2及び図3を参照して、洗浄装置6の構成について説明する。図3は、洗浄装置の上面図である。
洗浄装置6は、配管6aと、図示しない搬送部と、複数の噴射ノズル6bとを備えている。
配管6aは、タンク6cからポンプ6dによって加圧された洗浄液(本実施形態では、純水)を各噴射ノズル6bに供給する(図2参照)。搬送部は、この搬送部に載置された透明基板100を、配管6aと交差する方向(図3に示される矢印a方向)に搬送する。
各噴射ノズル6bは、配管6aに一列に配列されるように接続されており、配管6aから供給された洗浄液を透明基板100に対して噴射する。各噴射ノズル6bから噴射される洗浄液は、そのスプレーパターン6eが透明基板100上においてそれぞれ略紡錘状となっている。
各噴射ノズル6bから噴射される洗浄液の液滴は、その平均直径が5〜20μmとなるように設定されている。液滴の平均直径が5μm未満の場合には、液滴の平均直径が極めて小さいため、大きな残渣を除去しようとすると洗浄液の噴射圧力を高くする必要があるが、このように洗浄液の噴射圧力を高くすると樹脂膜200が損傷してしまう。また、液滴の平均直径が20μmを超える場合には、液滴の平均直径が大きいため、レーザアブレーションによって樹脂膜200に形成された開口の底面における隅部に対して液滴が入り込まず、その隅部に堆積・付着した残渣が除去されずに残存することがある。なお、この液滴の平均直径は、8〜15μmであるとより好ましい。
各噴射ノズル6bから洗浄液を噴射する際の洗浄液の噴射圧力は、2〜35MPaに設定されている。洗浄液の噴射圧力が2MPa未満の場合には、圧力が低すぎ、十分な洗浄効果が得られない。また、洗浄液の噴射圧力が35MPaを超える場合には、圧力が高くなりすぎ、レーザアブレーション装置4によってパターニングされた樹脂膜200自体が削り取られてしまう。なお、この洗浄液の噴射圧力は、5〜20MPaであるとより好ましく、5〜15MPaであると更により好ましい。
なお、各噴射ノズル6bから噴射される洗浄液の透明基板100における各スプレーパターン6eの長手方向の長さA(図3参照)は、50mm≦A≦300mmの関係を満たすように設定されていることが好ましい。長さAが50mm未満である場合には、隣り合う2つの噴射ノズル6bにおける透明基板100の進行方向から見たときの各スプレーパターン6e同士が重なる幅X(詳しくは後述する)との関係から、隣り合う噴射ノズル6b同士の設置間隔が小さくなり、噴射ノズル6bの設置数が増加して設置コストが増加する傾向があるためである。また、長さAが300mmを超える場合には、スプレーパターン6eが大きくなりすぎ、透明基板100上におけるスプレーパターン6eの中央部分とスプレーパターン6eの長手方向の両端部分とにおいて洗浄液の噴射圧力にばらつきが生じ、均一な洗浄ができないためである。なお、この長さAは、50mm≦A≦250mmの関係を満たすように設定されているとより好ましい。
また、隣り合う2つの噴射ノズル6bにおける透明基板100の進行方向から見たときの各スプレーパターン6e同士が重なる幅X(図3参照)は、それぞれ(1/4)Asinθ≦X≦(3/5)Asinθの関係を満たすように設定されていると好ましい。ここで、θは、透明基板100の進行方向(図3に示される矢印a方向)と各噴射ノズル6bから噴射される透明基板100上における洗浄液のスプレーパターン6eの長手方向とが成す角度である。重なる幅Xが(1/4)Asinθ未満である場合には、隣り合う各噴射ノズル6bが離れすぎることとなるために、洗浄液が噴射されない部分や洗浄液の噴射圧力が極めて低くなってしまう部分が生じ、パターニングされた樹脂膜200の幅が不均一となる傾向があるためである。また、重なる幅Xが(3/5)Asinθを超える場合には、各噴射ノズル6bが密に配置されすぎるために樹脂膜200に対して洗浄液が強く当たりすぎる部分が生じ、樹脂膜200自体も削り取られてしまい、パターニングされた樹脂膜200の幅が不均一となる傾向があるためである。なお、重なる幅Xは、それぞれ(1/3)Asinθ≦X≦(1/2)Asinθの関係を満たすように設定されているとより好ましい。
また、本実施形態では、透明基板100の進行方向(図3に示される矢印a方向)と各噴射ノズル6bから噴射される洗浄液のスプレーパターンの長手方向とが成す角度θ(図3参照)は、45°以上で且つ85°以下に設定されていることが好ましい。角度θが45°未満の場合には、洗浄斑が生じてしまう傾向があるためである。また、角度θが85°を超える場合には、隣り合う2つの噴射ノズル6b同士のスプレーパターン6eが重なった部分において洗浄効果が低下し、洗浄が十分に行われない傾向があるためである。
(カラーフィルタの製造方法)
続いて、カラーフィルタCFを上述したカラーフィルタの製造システム1により製造する方法について説明する。
続いて、カラーフィルタCFを上述したカラーフィルタの製造システム1により製造する方法について説明する。
まず、透明基板100上に遮光層104を形成する。具体的には、樹脂膜形成装置2により、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂又はこれらが混合された樹脂に上述の遮光剤が配合された樹脂膜200を、透明基板100上に形成する。そして、レーザアブレーション装置4を用いて、樹脂膜200のパターニングを行う。このとき、遮光層104をパターニングにより形成する際には、樹脂膜200の膜厚が例えば0.5μm〜2.5μm程度と比較的厚いために、YAGレーザ光が好適に用いられる。さらに、洗浄装置6を用いて、パターニングされた樹脂膜200に対して洗浄液を噴射し、透明基板100上及び樹脂膜200上に残存した残渣を除去して、遮光層104を形成する。ここで、カラーフィルタCFの使用中における変形等を防ぎ、遮光層104を図1に示されるような順テーパ形状とするために、パターニングされた樹脂膜200のポストベークを行ってもよい。なお、洗浄装置6による透明基板100及び樹脂膜200の洗浄は、レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了後(レーザ光の照射終了後)60秒以内に開始される。レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニングから60秒を超えると、基板に付着した微粒子の固化が進行してしまい、残渣が十分に除去されない傾向があるためである。
続いて、マトリクス状に配置された遮光層104の複数の開口に埋め込むように各着色樹脂領域102R,102G,102Bをそれぞれ形成する。これらの各着色樹脂領域102R,102G,102Bについても、樹脂膜形成装置2、レーザアブレーション装置4及び洗浄装置6を用いて、遮光層104と同様の手順でそれぞれ形成されることとなる。なお、ここでは、上述の着色剤が配合された樹脂膜200が用いられる。また、レーザアブレーション装置4によってパターニングする際には、遮光層104上に接して形成された部分における各着色樹脂領域102R,102G,102Bの膜厚が例えば0.02μm〜1.5μm程度と比較的薄い部分について、エキシマレーザ光が好適に用いられる。
続いて、遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102Bを覆うように、透明基板100上に保護層106を形成する。
続いて、保護層106上に透明電極層108を必要に応じて形成する。透明電極層108は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、コーティング法等の成膜方法を用いて形成される。
続いて、透明電極層108上にスペーサ110を形成することで、カラーフィルタCFが製造される。このスペーサ110についても、樹脂膜形成装置2、レーザアブレーション装置4及び洗浄装置6を用いて、遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102Bと同様の手順で形成することができる。
以上のように、本実施形態では、レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了後(レーザ光の照射終了後)60秒以内に洗浄装置6による透明基板100及び樹脂膜200の洗浄が開始される。そして、洗浄装置6では、洗浄液の液滴の平均直径を5〜20μmに設定し、洗浄液を2〜35MPaの圧力で透明基板100上に噴射している。レーザアブレーション法によってパターニングが行われると、レーザ光の照射によって分解・蒸発した樹脂が加工部分の近傍に飛散・再固化して、透明基板100上に微粒子として堆積・付着することがあるが、パターニング終了後(レーザ光の照射終了後)60秒以内に洗浄が開始されるため、この微粒子が透明基板100に対して強固に固着する前に洗浄がなされることとなる。また、洗浄液の噴射圧力及び洗浄液の液滴の平均直径も好適な範囲となっている。従って、極めて良好な洗浄効果を得られると共に、パターニングされた遮光層104や各着色樹脂領域102R,102G,102B等が損傷することもない。その結果、残渣がほとんどなく、品質が極めて良好なカラーフィルタCFを製造することが可能となる。
また、本実施形態では、洗浄液として純水を用いている。そのため、界面活性剤が含まれる水と比較して、配管内において気泡が生じにくく好適である。
また、本実施形態では、非スピン式スリットコーターダイを用いて光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂若しくは熱可塑性樹脂又はこれらが混合された樹脂を透明基板100上に塗布して樹脂膜200を形成している。そのため、従来は透明基板100を回転させて樹脂膜200を透明基板100上に形成していたために透明基板100の回転によって多量の樹脂が廃棄されてコストがかかると共に、大型の透明基板100については回転させることができないという制約があったが、非スピン式スリットコーターダイでは透明基板100を回転させないため、透明基板100の大きさにかかわらず樹脂を透明基板100上に均一に塗布することができる。その結果、カラーフィルタの大型化を図ることが可能となると共に、樹脂の使用量を必要最小限に抑えられるのでコストをより低減することが可能となる。
また、本実施形態では、YAGレーザ光を用いているため、透明基板100上における樹脂膜200の厚さが、比較的厚い例えば0.5μm以上であるときに容易にパターニングすることが可能となるため好適であり、0.5μm〜3.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましい。
また、本実施形態では、エキシマレーザ光を用いているため、他の樹脂膜等の上に接して形成された部分における樹脂膜200の厚さが、比較的薄い例えば0.01μm以上であるときに容易にパターニングすることが可能となるため好適であり、0.01μm〜2.0μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合により好ましく、0.01μm〜1.5μm程度であるとカラーフィルタCFを製造する場合に更により好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、洗浄液として純水を用いたが、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界面活性剤のうち少なくともどちらかを含む洗浄液であってもよい。
また、本実施形態では遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102Bを覆うように保護層106を形成したが、保護層106を形成せず、遮光層104及び各着色樹脂領域102R,102G,102B上に透明電極層108を直接形成してもよい。
また、レーザアブレーション装置6を用いて保護層106、透明電極層108、スペーサ110のパターニングを行った場合にも、上述の洗浄装置6による洗浄方法を適用してもよい。
以下、実施例1−1〜1−12及び比較例1−1〜1−6に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、図4は、実施例1−1〜1−12及び比較例1−1〜1−6の各実施条件及び評価結果を示す表である。
(実施例1−1)
縦横が1100mm×1250mm、厚みが0.63mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上に、非スピン式スリットコーターダイ(東京応化工業(株)製TR63240S−CPD−CLT)を用いて、厚みが1.5μmとなるように遮光剤が配合されたアクリル系のネガ型感光性樹脂(東京応化工業(株)製CFPR−BK8000型)を均一に塗布し、樹脂膜200を形成した。90℃で100秒間、その樹脂を予備乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて樹脂全体に光を照射した。露光量は100mJ/cm2とした。続いて、透明基板100及びその樹脂を220℃で40分間熱処理し、透明基板100上に厚さが1.2μmの樹脂膜200を得た。
縦横が1100mm×1250mm、厚みが0.63mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上に、非スピン式スリットコーターダイ(東京応化工業(株)製TR63240S−CPD−CLT)を用いて、厚みが1.5μmとなるように遮光剤が配合されたアクリル系のネガ型感光性樹脂(東京応化工業(株)製CFPR−BK8000型)を均一に塗布し、樹脂膜200を形成した。90℃で100秒間、その樹脂を予備乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて樹脂全体に光を照射した。露光量は100mJ/cm2とした。続いて、透明基板100及びその樹脂を220℃で40分間熱処理し、透明基板100上に厚さが1.2μmの樹脂膜200を得た。
続いて、レーザアブレーション装置4であるYAGレーザ装置(エキシテック(株)製M9000P型)を用いて、透明基板100上に形成された樹脂膜200のパターニングを行った。具体的には、樹脂膜200に対してYAGレーザ光を照射して、縦横が239μm×68μmの大きさの開口部を、その開口部の長手方向の間隔が40μm、その開口部の短手方向の間隔が25μmとなるように、所定数形成した。そして、樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から50秒後に、洗浄装置6により、各噴射ノズル6bから液滴の平均直径が10μmの純水を10MPaの圧力で、パターニングされた樹脂膜200に対して60秒間噴射した。このとき、スプレーパターンの長手方向の長さAは153.4mm、透明基板100の進行方向から見て隣り合うスプレーパターン6e同士が重なる幅Xは68.17mm(0.46Asinθ)、角度θは75°であった。そして、この樹脂膜200を乾燥することで、透明基板100上にブラックマトリクスとして機能する遮光層104を形成した。その後、透明基板100及び遮光層104上に各着色樹脂領域102R,102G,102B、保護層106、透明電極108及びスペーサ110を順次形成して、カラーフィルタCFを得た。
(実施例1−2〜1−6)
実施例1−2〜1−6の順に洗浄液の噴射圧力を2MPa、5MPa、15MPa、20MPa、35MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2〜1−6のカラーフィルタCFを得た。
実施例1−2〜1−6の順に洗浄液の噴射圧力を2MPa、5MPa、15MPa、20MPa、35MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−2〜1−6のカラーフィルタCFを得た。
(実施例1−7〜1−9)
実施例1−7〜1−9の順に洗浄液の液滴の平均直径を5μm、15μm、10μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−7〜1−9のカラーフィルタCFを得た。
実施例1−7〜1−9の順に洗浄液の液滴の平均直径を5μm、15μm、10μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−7〜1−9のカラーフィルタCFを得た。
(実施例1−10〜1−12)
実施例1−10〜1−12の順にレーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を10秒、30秒、60秒として樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−10〜1−12のカラーフィルタCFを得た。
実施例1−10〜1−12の順にレーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を10秒、30秒、60秒として樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして実施例1−10〜1−12のカラーフィルタCFを得た。
(比較例1−1)
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を50秒、洗浄液の液滴の平均直径を10μm、洗浄液の噴射圧力を1.5MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−1のカラーフィルタを得た。
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を50秒、洗浄液の液滴の平均直径を10μm、洗浄液の噴射圧力を1.5MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−1のカラーフィルタを得た。
(比較例1−2)
洗浄液の噴射圧力を40MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−2のカラーフィルタを得た。
洗浄液の噴射圧力を40MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−2のカラーフィルタを得た。
(比較例1−3)
洗浄液の液滴の平均直径を3μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−3のカラーフィルタを得た。
洗浄液の液滴の平均直径を3μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−3のカラーフィルタを得た。
(比較例1−4)
洗浄液の液滴の平均直径を25μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−4のカラーフィルタを得た。
洗浄液の液滴の平均直径を25μmとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−4のカラーフィルタを得た。
(比較例1−5)
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を70秒として樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−5のカラーフィルタを得た。
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を70秒として樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−5のカラーフィルタを得た。
(比較例1−6)
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を70秒、洗浄液の噴射圧力を20MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−6のカラーフィルタを得た。
レーザアブレーション装置4による樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から洗浄装置6による洗浄液の噴射開始までの時間間隔を70秒、洗浄液の噴射圧力を20MPaとして樹脂膜200の洗浄を行ったこと以外は、実施例1−1と同様にして比較例1−6のカラーフィルタを得た。
(評価結果)
実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFの遮光層104及び比較例1−1〜1−6のカラーフィルタの遮光層をそれぞれ電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFでは、図4に示されるように、全ての実施例において残渣や異物が残っておらず、また実施例1−6において僅かに遮光層104に損傷が見られたものの、それ以外の実施例においては損傷がなかった。また、実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFでは、図4に示されるように、パターニングされた遮光層104の開口部の透過率も98〜100%と高かった。以上より、実施例1−1〜1−12におけるカラーフィルタCFの品質の評価結果としては、「A:極めて良好」又は「B:ほぼ良好」のいずれかであった。
実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFの遮光層104及び比較例1−1〜1−6のカラーフィルタの遮光層をそれぞれ電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFでは、図4に示されるように、全ての実施例において残渣や異物が残っておらず、また実施例1−6において僅かに遮光層104に損傷が見られたものの、それ以外の実施例においては損傷がなかった。また、実施例1−1〜1−12のカラーフィルタCFでは、図4に示されるように、パターニングされた遮光層104の開口部の透過率も98〜100%と高かった。以上より、実施例1−1〜1−12におけるカラーフィルタCFの品質の評価結果としては、「A:極めて良好」又は「B:ほぼ良好」のいずれかであった。
一方、比較例1−1〜1−6のカラーフィルタをそれぞれ電子顕微鏡で観察した。その結果、比較例1,3〜6のカラーフィルタでは、図4に示されるように、遮光層104に損傷はみられないものの、微粒子が付着して煤状の残渣が残っており、開口部の透過率も90〜96%と低かった。また、比較例2のカラーフィルタでは、図4に示されるように、残渣や異物が残っておらず、開口部の透過率は100%と高かったものの、遮光層に損傷が見られた。以上より、比較例1〜6におけるカラーフィルタの品質の評価結果としては、「C:問題あり」であった。
続いて、実施例2に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例2)
実施例1−1と同じ条件で、縦横が370mm×470mm、厚みが0.70mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上にブラックマトリクスとして機能する遮光層104を形成した。このときの開口部の大きさは、縦横が253μm×68μmであり、その開口部の長手方向の間隔が26μm、その開口部の短手方向の間隔が25μmであった。その後、透明基板100及び遮光層104上に、非スピン式スリットコーターダイ(東京応化工業(株)製TR28200S−CLT)を用いて、厚みが2.1μmとなるように赤色の着色剤が配合されたアクリル系のネガ型感光性樹脂(住友化学(株)製YR−14)を均一に塗布し、樹脂膜(以下、赤色樹脂膜という)を形成した。90℃で100秒間、赤色樹脂膜200を予備乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて赤色樹脂全体に光を照射した。露光量は100mJ/cm2とした。続いて、透明基板100及び赤色樹脂膜200を220℃で40分間熱処理した。このとき、赤色樹脂膜200が遮光層104上に接するように形成された部分における赤色樹脂膜200の最も厚い部分の膜厚は、1.2μmであった。
実施例1−1と同じ条件で、縦横が370mm×470mm、厚みが0.70mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上にブラックマトリクスとして機能する遮光層104を形成した。このときの開口部の大きさは、縦横が253μm×68μmであり、その開口部の長手方向の間隔が26μm、その開口部の短手方向の間隔が25μmであった。その後、透明基板100及び遮光層104上に、非スピン式スリットコーターダイ(東京応化工業(株)製TR28200S−CLT)を用いて、厚みが2.1μmとなるように赤色の着色剤が配合されたアクリル系のネガ型感光性樹脂(住友化学(株)製YR−14)を均一に塗布し、樹脂膜(以下、赤色樹脂膜という)を形成した。90℃で100秒間、赤色樹脂膜200を予備乾燥した後、高圧水銀ランプを用いて赤色樹脂全体に光を照射した。露光量は100mJ/cm2とした。続いて、透明基板100及び赤色樹脂膜200を220℃で40分間熱処理した。このとき、赤色樹脂膜200が遮光層104上に接するように形成された部分における赤色樹脂膜200の最も厚い部分の膜厚は、1.2μmであった。
続いて、レーザアブレーション装置4であるエキシマレーザ装置(エキシテック(株)製FDM6000型)を用いて、透明基板100及び遮光層104上に形成された赤色樹脂膜200のパターニングを行った。具体的には、赤色樹脂膜200に対してエキシマレーザ光を照射して、パターニングされた遮光層104の開口部以外の部分における赤色樹脂膜200を除去した。そして、赤色樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から40秒後に、洗浄装置6により、各噴射ノズル6bから液滴の平均直径が10μmの純水を10MPaの圧力で、パターニングされた赤色樹脂膜200に対して60秒間噴射した。このとき、スプレーパターンの長手方向の長さAは92.1mm、透明基板100の進行方向から見て隣り合うスプレーパターン6e同士が重なる幅Xは39.0mm(0.42Asinθ)、角度θは75°であった。続いて、赤色樹脂膜200を乾燥することで、遮光層104の全ての開口部内に着色樹脂領域102Rを形成した。
(評価結果)
実施例2のカラーフィルタCFの着色樹脂領域102Rを電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例2のカラーフィルタCFでは、残渣や異物が残っておらず、遮光層104に損傷がなく均一にパターニングされており、品質が極めて良好な状態であった。
実施例2のカラーフィルタCFの着色樹脂領域102Rを電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例2のカラーフィルタCFでは、残渣や異物が残っておらず、遮光層104に損傷がなく均一にパターニングされており、品質が極めて良好な状態であった。
続いて、実施例3に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例3)
縦横が370mm×470mm、厚みが0.70mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上に、遮光剤としてカーボンブラックが10重量部配合されたノボラック・ナフトキノン系のポジ型感光性樹脂を80ml滴下し、公知のスピンコート装置を用いて透明基板100を800rpmの回転速度で30秒間回転させ、均一な厚みとした。90℃で100秒間予備乾燥した後、更に230℃で40分間熱処理し、透明基板100上に厚さが1.2μmの樹脂膜200を得た。
縦横が370mm×470mm、厚みが0.70mmの透明基板(コーニング社製の1737ガラス基板)100上に、遮光剤としてカーボンブラックが10重量部配合されたノボラック・ナフトキノン系のポジ型感光性樹脂を80ml滴下し、公知のスピンコート装置を用いて透明基板100を800rpmの回転速度で30秒間回転させ、均一な厚みとした。90℃で100秒間予備乾燥した後、更に230℃で40分間熱処理し、透明基板100上に厚さが1.2μmの樹脂膜200を得た。
続いて、レーザアブレーション装置4であるYAGレーザ装置(エキシテック(株)製M9000P型)を用いて、透明基板100上に形成された樹脂膜200のパターニングを行った。具体的には、樹脂膜200に対してYAGレーザ光を照射して、縦横が60μm×200μmの大きさの開口部を、その開口部の長手方向の間隔が20μm、その開口部の短手方向の間隔が20μmとなるように、所定数形成した。そして、樹脂膜200のパターニング終了(レーザ光の照射終了)から50秒後に、洗浄装置8により、各噴射ノズル8bから液滴の平均直径が10μmの純水を10MPaの圧力で、パターニングされた樹脂膜200に対して60秒間噴射した。このとき、スプレーパターンの長手方向の長さAは107.4mm、透明基板100の進行方向から見て隣り合うスプレーパターン6e同士が重なる幅Xは53.7mm(0.50Asinθ)、角度θは75°であった。そして、この感光性樹脂膜200を乾燥することで、透明基板100上にブラックマトリクスとして機能する遮光層104を形成した。その後、透明基板100及び遮光層104上に各着色樹脂領域102R,102G,102B、保護層106、透明電極108及びスペーサ110を順次形成して、カラーフィルタCFを得た。
(評価結果)
実施例3のカラーフィルタCFの遮光層104を電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例3のカラーフィルタCFでは、残渣や異物が残っておらず、遮光層104に損傷がなく均一にパターニングされており、品質が極めて良好な状態であった。
実施例3のカラーフィルタCFの遮光層104を電子顕微鏡で観察した。その結果、実施例3のカラーフィルタCFでは、残渣や異物が残っておらず、遮光層104に損傷がなく均一にパターニングされており、品質が極めて良好な状態であった。
1…カラーフィルタの製造システム、2…樹脂膜形成装置、4…レーザアブレーション装置、6…洗浄装置、6b…噴射ノズル、6e…スプレーパターン、100…透明基板、102R,102G,102B…着色樹脂領域、104…遮光層、106…保護層、108…透明電極層、110…スペーサ、200…樹脂膜、CF…カラーフィルタ。
Claims (10)
- 基板上に形成された樹脂膜をレーザアブレーション法によってパターニングするパターニング工程と、
パターニングされた前記樹脂膜に対して洗浄液を噴射して該樹脂膜を洗浄する洗浄工程とを備え、
前記洗浄工程は、前記パターニング工程の終了後60秒以内に開始され、
前記洗浄工程では、前記洗浄液を2〜35MPaの圧力で前記基板に噴射させ、前記洗浄液の液滴の平均直径が5〜20μmであるカラーフィルタの製造方法。 - 前記洗浄液を5〜20MPaの圧力で前記基板に噴射させる請求項1に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 前記洗浄液を5〜15MPaの圧力で前記基板に噴射させる請求項2に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 前記樹脂膜に着色材料が含有されている請求項1〜3のいずれか一項に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 前記着色材料が遮光性を有している請求項4に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 前記洗浄液が純水である請求項1〜5のいずれか一項に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 非スピン式スリットコーターダイを用いて前記樹脂膜を形成する工程を更に備える請求項1〜6のいずれか一項に記載されたカラーフィルタの製造方法。
- 前記樹脂膜は、無機ガラス基板上に該無機ガラス基板と接して形成されており、
前記パターニング工程では、YAGレーザ光を用いて前記樹脂膜をパターニングする請求項1〜7のいずれか一項に記載されたカラーフィルタの製造方法。 - 前記樹脂膜は、有機層上に該有機層と接して形成されており、
前記パターニング工程では、エキシマレーザ光を用いて前記樹脂膜をパターニングする請求項1〜7のいずれか一項に形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載された方法により製造されたカラーフィルタ。
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JP2006032727A JP2007212770A (ja) | 2006-02-09 | 2006-02-09 | カラーフィルタ及びその製造方法 |
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JP2013068731A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | Dainippon Printing Co Ltd | カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタおよび表示装置 |
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2006
- 2006-02-09 JP JP2006032727A patent/JP2007212770A/ja active Pending
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