JP3684804B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラーフィルタ製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】
液晶表示パネル等のカラーフィルタを製造する方法として、印刷法は精度の点で欠点があり、電着法はパターンが限定されるという欠点があったので、従来、染色法及び顔料分散法が主として用いられてきた。
【0003】
しかし、染色法及び顔料分散法は、第1色、第2色、第3色の各画素(着色パターン層)を形成する際に毎回リソグラフィの工程が必要であり、カラーフィルタの量産性向上の大きな妨げとなっていた。
【0004】
また、1色毎にリソグラフィ工程を繰り返すことなく着色パターン層を形成する方法として、特開昭59−75205号公報、特開昭61−245106号公報、特開平7−146406号公報等に、インクジェット方式によりカラーフィルタを製造する方法が開示されているが、着色インクを打ち込むことにより形成される着色パターン層の形状制御のために画素間仕切り部位を必要とし、その画素間仕切り部位の形成のために毎回リソグラフィの工程が必要となるため、インクジェット方式の利点を減じることとなる。
【0005】
そこで、上述した欠点を補うべく、形成しようとする着色パターン層の形状に応じた凹凸を有する原盤を用いて、インク充填用凹部を有するインク充填層を転写形成し、このインク充填用凹部に、インクジェット方式により予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成し、この着色パターン層の形成されたインク充填層上に光透過性を有する樹脂層を形成してカラーフィルタを製造する方法が提案されている。
【0006】
そして、液晶表示パネル用のカラーフィルタには、その後、透明電極膜が形成される。透明電極膜の例として、例えばITO(Indium Tin oxide)膜は、スパッタや蒸着などの真空成膜法により膜を形成した後、アニール処理することで形成される。アニール処理の温度は、通常200〜300℃であるが、温度が高いほど抵抗値が下がり良質の電極膜となるので好ましい。
【0007】
しかしながら、アニール処理の高温は、インク充填層や着色パターン層に悪影響を与えるのみならず、これらを構成する材料に制約を受けるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を解決するもので、その目的は、カラー濃度にむらがなく高精細であって、透明電極膜を有するカラーフィルタを安価に製造する方法提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
を含む。
【0010】
本発明によれば、インク充填用凹部にインクを充填して着色パターン層が形成され、インク充填用凹部から着色パターン層を剥離することなくカラーフィルタが製造される。したがって、着色パターン層の欠落や変形が生じないので、シャープなエッジを有し、色濃度にむらのない、高精細のカラーフィルタを得ることができる。また、着色パターン層の剥離性を考慮しなくても良いので、着色パターン層を構成するインク材料の設計及び選定の自由度が増す。そして、インク充填層及び樹脂層が、着色パターン層のオーバーコート層(保護膜)を兼ねるため、オーバーコートを形成する工程が不要となる。さらには、基台として平坦性を有するものを用いると、平坦化処理なしに平坦性に優れたカラーフィルタが得られる。
【0011】
本発明では、まず、透明電極膜が形成されてアニールされる。その後、透明電極膜上にインク充填層、着色パターン層及び樹脂層が形成されて、カラーフィルタが得られる。したがって、透明電極膜にアニールするときに、まだインク充填層、着色パターン層及び樹脂層が形成されていないので、これらに対して、アニール時の高温の影響を与えない。また、インク充填層、着色パターン層及び樹脂層を構成する材料は、アニール時の高温に耐えられるものに限定されないので、材料選択の自由度が増す。
【0012】
(2)前記第2工程は、前記インク充填用凹部の反転パターンとなる凹凸を有する原盤を製造する工程と、前記原盤を前記インク充填層を形成する材料を介して前記透明電極膜に密着させる工程と、前記インク充填層を形成する材料を固化して前記インク充填層を形成する工程と、前記インク充填層から前記原盤を剥離する工程と、を含んでもよい。
【0013】
このように、原盤からの転写によりインク充填用凹部を形成することで、インク充填用凹部を簡単に形成することができる。また、原盤は、耐久性の許容範囲内で、何度でも使用できるので経済的である。
【0014】
(3)前記原盤の前記凹凸は、エッチングによって形成されてもよい。
【0015】
例えば、半導体デバイスの製造技術で用いられるエッチングによって、原盤の凹凸を形成することができる。
【0016】
(4)前記原盤の前記凹凸は、該凹凸に応じて形成されたレジストパターンを電気鋳造法により金属層に転写することによって形成されてもよい。
【0017】
こうすることで、低コストで原盤を製造することができる。
【0018】
(5)前記第3工程で、前記インクはインクジェット方式によって充填されてもよい。
【0019】
インクジェット方式によれば、インクジェットプリンタ用に実用化された技術を応用することで、インクの充填を高速化できるとともに、インクの利用効率をほぼ100%にすることができ、インクを無駄にすることがない。
【0020】
(6)前記第4工程の前に、前記インク充填用凹部に充填された前記インクを熱処理し、溶剤成分を揮発させる工程を含んでもよい。
【0021】
こうして溶剤成分を揮発させてから樹脂層を形成することで、着色パターン層と樹脂層との混合を防止することができる。また、残存する溶剤によるカラーフィルタの信頼性の低下の防止にも効果がある。
【0022】
(7)前記樹脂層上に光透過性を有する補強板を載せる工程を含んでもよい。
【0023】
これによって、カラーフィルタの強度を向上させることができる。
【0024】
(8)前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第5工程で、前記基台を通して前記透明電極膜に前記放射線を照射して、該透明電極膜と前記基台との界面における結合力を低減させてもよい。
【0025】
このように、透明電極膜と基台との界面における結合力を低減させることで、透明電極膜を基台から剥離しやすくすることができる。
【0026】
(9)前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記基台と前記分離層との界面における結合力を低減させてもよい。
【0027】
これによれば、基台と分離層との界面における結合力が低減して、分離層を基台から剥離することができる。
【0028】
(10)前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記透明電極膜と前記分離層との界面における結合力を低減させてもよい。
【0029】
これによれば、透明電極膜と分離層との界面における結合力が低減して、透明電極膜を分離層から剥離することができる。
【0030】
(11)前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
前記基台は、放射線透過性を有し、
前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記分離層の内部における結合力を低減させてもよい。
【0031】
これによれば、分離層の内部における結合力が低減して、この分離層の内部に剥離が生じる。したがって、分離層の一部はカラーフィルタに付着し、分離層の残りは基台に付着する。
【0032】
(12)放射線を照射するときには、前記第5工程後に、前記透明電極膜の表面を洗浄処理する工程を含んでもよい。
【0033】
こうすることで、放射線の照射により劣化した透明電極膜の一部を除去することができる。
【0034】
(13)分離層を形成するときには、前記第5工程後に、前記透明電極膜の表面に付着した前記分離層を除去する工程を含んでもよい。
【0035】
こうすることで、カラーフィルタに付着した分離層又はその残骸を除去することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0040】
(第1実施形態)
図1(A)〜図4(B)は、本発明の第1実施形態を説明する図である。そして、図1(A)〜図1(E)は、第1実施形態における原盤を製造する工程を示す図である。
【0041】
まず、図1(A)に示すように、基板12上にレジスト層14を形成する。基板12は、表面をエッチングして原盤10(図1(E)参照)とするためのもので、シリコンから構成される。特に大きさに制約がなければ、ウェーハを用いることが好ましい。シリコンウェーハをエッチングする技術は、半導体デバイスの製造技術において確立されており、高精度なエッチングが可能である。なお、基板12は、エッチング可能な材料であれば、シリコンに限定されるものではなく、例えば、ガラス、石英、樹脂、金属(特にニッケル)、セラミックなどの基板あるいはフィルム等が利用できる。
【0042】
レジスト層14を形成する物質としては、例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジアゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジストとは、所定のパターンに応じて放射線に暴露することにより、放射線によって暴露された領域が現像液により選択的に除去可能となる物質のことである。
【0043】
レジスト層14を形成する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
【0044】
次に、図1(B)に示すように、マスク16をレジスト層14の上に配置し、マスク16を介してレジスト層14の所定領域のみを放射線18によって暴露する。
【0045】
マスク16は、図1(E)に示す凹凸パターン19の凹部19aの形成領域に対応した領域においてのみ、放射線18が透過するようにパターン形成されたものである。
【0046】
また、放射線としては波長200nm〜500nmの領域の光を用いることが好ましい。この波長領域の光の利用は、液晶パネルの製造プロセス等で確立されているフォトリソグラフィの技術及びそれに利用されている設備の利用が可能となり、低コスト化を図ることができる。
【0047】
そして、レジスト層14を放射線18によって暴露した後に所定の条件により現像処理を行うと、図1(C)に示すように、放射線18の暴露領域17のレジスト層14のみが選択的に除去されて基板12の表面が露出し、それ以外の領域はレジスト層14により覆われたままの状態となる。
【0048】
こうしてレジスト層14がパターン化されると、図1(D)に示すように、このレジスト層14をマスクとして基板12を所定の深さエッチングする。
【0049】
エッチングの方法としてはウエット方式またはドライ方式があるが、基板12の材質に合わせて、エッチング断面形状、エッチングレート等の観点から最適な方式および条件を選べばよい。制御性の点からいうとドライ方式の方が優れており、例えば、平行平板型リアクティブイオンエッチング(RIE)方式、誘導結合型(ICP)方式、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)方式、ヘリコン波励起方式、マグネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビームエッチング方式等の装置が利用でき、エッチングガス種、ガス流量、ガス圧、バイアス電圧等の条件を変更することにより、凹凸パターン19を矩形に加工したり、テーパーを付けたり、面を粗らしたりと、所望の形状にエッチングすることができる。
【0050】
次に、エッチングの完了後に、図1(E)に示すように、レジスト層14を除去すると、基板12に凹凸パターン19が形成されるので、これが原盤10となる。凹凸パターン19は、凹部19a及び凸部19bからなる。ここで、凸部19bは、図2(C)に示すインク充填用凹部32に対応するように形成される。
【0051】
この原盤10は、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り何度でも繰り返し使用できるため、原盤10の製造工程は、2枚目以降のカラーフィルタの製造工程において省略でき、工程数の減少および低コスト化を図ることができる。
【0052】
上記実施の形態では、基板12上に凹凸パターン19を形成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴露されていない領域が現像液により選択的に除去可能となるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、上記マスク16とはパターンが反転したマスクが用いられる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストをパターン状に暴露しても良い。
【0053】
上記原盤10の製造とは別にあるいは同時に、図2(A)に示すように、基台20上に透明電極膜22を形成する。なお、基台20は、カラーフィルタの製造工程における台となる。ここで、基台20として、後の工程での必要があれば、放射線透過性を有するものが使用される。透明電極膜22は、例えばITO(Indium Tin oxide)膜等であり、スパッタや蒸着などの真空成膜法により形成された後、アニール処理が施される。アニール処理の温度は、通常200〜300℃であるが、温度が高いほど抵抗値が下がり良質の電極膜となるので好ましい。なお、基台20は、アニール時の高温に耐えられることが要求される。
【0054】
次に、基台20に形成された透明電極膜22の上に、図2(B)に示すように、インク充填層30を形成する。
【0055】
詳しくは、インク充填層30を形成する液状物質を、原盤10あるいは透明電極膜22の少なくともいずれか一方に滴下してあるいは塗布して、図2(B)に示すように、原盤10と透明電極膜22とを、インク充填層30を形成する液状物質を介して貼り合わせる。インク充填層30を形成する液状物質は、原盤10の自重(貼り合わせの際に基台20が上側に配置される場合は基台20の自重)又は原盤10あるいは基台20を介して加圧されることで原盤10上の凹凸パターン19に対応する形状になり、凸部19bに対応してインク充填用凹部32が形成される。
【0056】
ここで、インク充填層30を形成する液状物質は、インク充填層30を形成した際に着色パターン層40の色特性に影響を与えないものであれば特に限定されるものでなく、エネルギーの付与により硬化可能な物質、可塑性を有する物質等が利用できる。
【0057】
エネルギーの付与により硬化可能な物質を利用する場合、使用するエネルギーとしては、光及び熱の少なくともいずれか一方であることが好ましい。光や熱を利用することで、汎用の露光装置やベイク炉やホットプレート等の加熱装置を利用することができ、省設備コスト化を図ることができる。
【0058】
このようなエネルギーで硬化する物質としてはアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が利用できる。特に、アクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤(光重合開始剤)を利用することで、光の照射により短時間で硬化し、優れた光学特性を有するインク充填層を形成することが可能であるため好適である。
【0059】
光硬化型のアクリル系樹脂の基本組成の具体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤があげられる。
【0060】
プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメタクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリエーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利用できる。
【0061】
モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが利用できる。
【0062】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、ベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル類、ミヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物が利用できる。
【0063】
なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶剤、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネート、エチルラクテート、エチルピルビネート、メチルアミルケトン等が利用可能である。
【0064】
このようなエネルギー硬化性を有する樹脂を介して、図2(B)に示すように、原盤10と透明電極膜22を貼り合わせる。そして、インク充填層30を形成するために用いた樹脂に応じた硬化処理を施す。例えば、光硬化型の樹脂を用いた場合であれば、所定条件で光を照射することにより固化させると、原盤10上の凹凸パターン19に対応した凹凸パターンを有するインク充填層30が形成される。
【0065】
なお、光硬化型の樹脂を用いてインク充填層30を形成するときには、原盤10及び基台20のうち少なくとも一方が、光透過性を有することが必要となり、光が透過する側からインク充填層30を形成する物質に光を照射することとなる。
【0066】
また、可塑性を有する物質を利用する場合には、インク充填層30を形成する物質として、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性を有する樹脂を利用できる。このような物質を軟化点温度以上に加温することにより可塑化させて液状とし、図2(B)に示すように、この液状化した樹脂を介して原盤10と透明電極膜22とを貼り合わせる。そして、可塑化させた樹脂を冷却することにより固化させると、原盤10上の凹凸パターン19に対応した凹凸パターンを有するインク充填層30が形成される。
【0067】
このようにして原盤10と透明電極膜22との間にインク充填層30が形成されると、原盤10をインク充填層30から剥離して、インク充填用凹部32を有するインク充填層30が形成される。
【0068】
次に、図3(A)に示すように、インク充填層30に形成されたインク充填用凹部32に対向させて、インクジェット方式によりインクを吐出するヘッド42を配置する。
【0069】
ヘッド42は、例えばインクジェットプリンタ用に実用化されたもので、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ、あるいはエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積および着色パターンは任意に設定することが可能である。
【0070】
例えば、このヘッド42を、駆動周波数14.4kHz(1秒間に14400回の吐出)で、インク44を吐出する吐出口を赤インクR、緑インクG、青インクB用に各色20個ずつ配列し、一つのインク充填用凹部32にインク44を3滴ずつ吐出するとすれば、約90万画素の10型VGA仕様のカラーフィルター用のインク充填用凹部32にインク44を充填するのに要する時間は、
90万×3滴/(14400回×20個×3色)=約3秒
となる。ここで、ヘッド42がインク充填用凹部32間を移動する時間を考慮しても、2〜3分程度でインク44を充填することができる。
【0071】
なお、顔料分散法によれば、リソグラフィ法による一色毎の形成時間が最低でも30分はかかるため、一枚のカラーフィルター基板においてR、G、B、3色で約90分以上のの時間が最低でも必要となる。これと比較すると、本実施の形態では、インク44の充填に2〜3分、その後の樹脂塗布から剥離までの工程で3〜5分程度の時間で形成可能であり、従来と比べて短時間でカラーフィルタが形成できる。
【0072】
図3(A)では、ヘッド42によって、例えば、R、G、B各色インク44をインク充填用凹部32に吐出して、着色パターン層40を形成する様子を示してある。これらに用いるインク44は、色材を含有するエネルギー付与による硬化可能な物質を含むものでもよい。
【0073】
このような成分としては、各色の色材の色特性に影響を与えず、インク中で凝固等の問題を起こすものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用いられる。
【0074】
そして、図3(B)に示すように、全てのインク充填用凹部32にインク44を充填する。インク44に溶剤成分を含むものは、熱処理を行ってインク44の溶剤を揮発させる。この熱処理の条件は、インク44に含まれる溶剤成分の沸点等を考慮して決定される。インク44に用いる溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤が使用可能である。ただし、インク44使用中に溶剤が揮発することにより、ヘッド42のインク吐出口やインク流路でインク44が固化して詰まらないようにするため、比較的高沸点の溶剤を使用することが好ましい。具体的には、溶剤除去の作業性にも鑑みて、溶剤の沸点の範囲は、80〜200℃であることが好ましい。この場合の熱処理条件は、50〜200℃で、ホットプレートを用いた場合は2〜10分、ベイク炉を用いた場合は20〜30分程度行うことが好ましい。
【0075】
また、着色パターン層40は、溶剤を除去すると収縮するが、収縮後の厚みで必要なカラー濃度が確保できるだけのインク量を充填しておくことが必要である。
【0076】
次に、図3(C)に示すように、着色パターン層40が形成されたインク充填層30の上に光透過性の樹脂層42を形成する。
【0077】
樹脂層42を構成する物質としては、着色パターン層40の色特性に影響を与えないものであれば特に限定されるものではなく、種々の樹脂を利用できる。特に、光硬化型のアクリル系樹脂は、市販品の様々な前駆体や感光剤(光重合開始剤)を利用することで、光の照射により短時間で硬化し、優れた光学特性を有する樹脂層を形成することが可能であるため好適である。光硬化型のアクリル系樹脂の基本組成の具体例としては、上記インク充填層30の形成において説明したものと同様のものを利用することができるため、説明を省略する。
【0078】
このようなエネルギー硬化性を有する樹脂を、着色パターン層40の上に塗布して樹脂層42を形成する。
【0079】
さらに、図3(C)に示すように、樹脂層42の上には、光透過性の補強板44が載せられる。補強板44を載せることでカラーフィルタの強度が増す。補強板44は、製造しようとするカラーフィルタに応じて選ばれるもので、例えば、ガラス基板や、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、アモルファスポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート又はポリメチルメタクリレート等のプラスチック製の基板あるいはフィルムで構成される。
【0080】
そして、補強板44を載せてエネルギーを付与し、補強板44に接着するように樹脂層42を硬化させる。
【0081】
特に、着色パターン層40及び樹脂層42の双方が同一のエネルギーにより硬化可能なように設定した場合には、着色パターン層40を硬化させる前に、樹脂層42を構成する樹脂を塗布し、双方同時にエネルギーを付与して同時に硬化させることで、強固に一体化させることが可能である。
【0082】
こうして、図3(C)に示すように、基台20上に、透明電極膜22、インク充填層30、着色パターン層40、樹脂層42及び補強板44が一体化させる。
【0083】
次に、図4(B)に示すように、透明電極膜22、インク充填層30、着色パターン層40、樹脂層42及び補強板44を一体的に基台20から剥離する。
【0084】
なお、基台20及び透明電極膜22を構成する物質の組み合わせによっては、これらの間の密着力が高くなって、透明電極膜22が基台20から剥離しにくくなり、透明電極膜22の欠落やクラックの発生等といった不良品発生率の増大、剥離に要する時間がかかることによる生産性の低下、さらには、基台20の耐久性の低下等の問題が発生する場合がある。
【0085】
そこで、図4(A)に示すように、基台20を通して、透明電極膜22と基台20との界面に放射線46を照射する。こうすることで、透明電極膜22と基台20との密着力を低減又は消失させて、図4(B)に示すように、基台20から透明電極膜22を良好に剥離することができる。
【0086】
詳しくは、基台20と透明電極膜22との界面において、原子間又は分子間の種々の結合力を低減又は消失させて、アブレーション等の現象を発生させて界面剥離に至らしめることができる。あるいは、放射線46によって、透明電極膜22に含有されていた成分が気化して放出されることで分離効果が発現して界面剥離に寄与する場合もある。
【0087】
このように、放射線46の照射によって界面剥離を生じさせるには、基台20が放射線46を透過する材質であり、かつ、透明電極膜22が放射線46のエネルギーを吸収する物質からなることが必要である。
【0088】
ここで、基台20の放射線46の透過率は10%以上、特に50%以上であることが好ましい。照射された放射線46が基台20を透過するときの減衰を小さくし、小さなエネルギーでアブレーション等の現象を起こせるように、基台20における放射線46の透過率は高いことが好ましい。基台20の例として、石英ガラスが挙げられる。石英ガラスは、短波長領域の光の透過率が高く、機械的強度や耐熱性においても優れている。
【0089】
放射線46として、例えばディープUV光が挙げられる。その発生源として、例えばエキシマレーザは、短波長領域で高エネルギーを出力するものとして実用化されている。エキシマレーザによれば、極めて短時間で界面近傍においてのみアブレーションが引き起こされ、基台20及び透明電極膜22に温度衝撃をほとんど与えることがない。
【0090】
そして、基台20から剥離された透明電極膜22の表面には、洗浄処理を施して、放射線46により劣化した部分を除去することが好ましい。
【0091】
以上のようにして、図4(B)に示すカラーフィルタ1を得ることができる。本実施形態によれば、透明電極膜22を予め基台20に形成しておくため、アニール処理によるインク充填層30や着色パターン層40へのダメージがない。また、インク充填層30及び着色パターン層40は、アニール処理時の高温にさらされることがないので、材料選択の自由度が増す。
【0092】
(第2実施形態)
図5(A)及び図5(B)は、本発明の第2実施形態を説明する図である。本実施形態では、図5(A)に示すように、基台20と透明電極膜22との間に、分離層50が形成される。すなわち、基台20上に、まず分離層50が形成されてから、分離層50上に透明電極膜22が形成される。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0093】
そして、図5(B)に示すように、基台20を通して分離層50に放射線46を照射すると、基台20と透明電極22とが剥離しやすくなる。
【0094】
分離層50を構成する材料として、例えば、非晶質シリコン、酸化ケイ素、ケイ酸化合物、酸化チタン、チタン酸化合物、酸化ジルコニウム、ジルコン酸化物、酸化ランタン、ランタン酸化合物などの各種酸化物セラミックス、(強)誘電体あるいは半導体、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化セラミックス、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド、ポリイミド等の有機高分子材料、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、Gd、Smの中から選ばれた1種又は2種以上の合金等が利用できる。これらの中から、プロセス条件、基台20及び透明電極膜22の材質等に応じて適宜選択される。
【0095】
分離層50の形成方法は、特に限定されるものではなく、その組成や形成膜厚に応じて適宜選択される。具体的には例えば、CVD、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の各種気相成長法、電気メッキ、無電解メッキ、ラングミュア・ブロジェット(LB)法、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコード法等が利用される。
【0096】
分離層50の厚さは、薄すぎると透明電極膜22へのダメージが大きくなる一方、厚すぎると分離層50の良好な剥離性を確保するために必要な放射線46のエネルギー量を大きくしなければならない。そこで、分離層50の厚さは、剥離目的や組成により異なるが、通常は、1nm〜20μm程度が好ましく、10nm〜20μm程度がさらに好ましく、40nm〜1μm程度とすることが最も好ましい。なお、分離層50の膜厚は、できるだけ均一であることが好ましい。
【0097】
このような分離層50に対して、図5(B)に示すように放射線46を照射すると、基台20からの剥離が可能になる。剥離形態は、図6(A)〜図6(C)に示すように、3種類がある。
【0098】
図6(A)には、基台20と分離層50との界面における結合力が低減して、両者間の界面に剥離が生じた例が示されている。この場合には、分離層50を透明電極膜22から除去するために、洗浄処理を施すことが好ましい。
【0099】
図6(B)には、透明電極膜22と分離層50との界面における結合力が低減して、両者間の界面に剥離が生じた例が示されている。この場合でも、分離層50の一部が透明電極膜22に付着していることがあるため、透明電極膜22の表面に洗浄処理を施すことが好ましい。
【0100】
図6(C)には、分離層50の内部において、分子又は原子間の結合力が低減して剥離が生じた例が示されている。この場合においても、分離層50の残骸を透明電極膜22から除去するために洗浄処理を施すことが好ましい。
【0101】
なお、剥離形態は、上記3つの例に限られるものではなく、これらが部分的に組み合わされて剥離が生じる場合も有り得る。
【0102】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、図7(A)〜図8(C)には、原盤の別の製造方法が示されている。
【0103】
すなわち、図7(A)に示すように、基板112上にレジスト層114を形成し、図7(B)に示すように、マスク116をレジスト層114の上に配置し、マスク116を介してレジスト層114の所定領域のみを放射線118によって暴露する。マスク116は、図1(B)に示すマスク16とはパターンが反転したものである。そして、現像処理を行って、図7(C)に示すように、放射線118の暴露領域117のレジスト層114のみが選択的に除去される。こうしてレジスト層114がパターン化されると、図8(A)に示すように、レジスト層114がパターン化された面を導体化するため、金属膜122を形成する。金属膜122としては、例えば、ニッケル(Ni)を500Å〜1000Åの厚みで形成すればよい。金属膜122の形成方法としては、スパッタリング、CVD、蒸着、無電解メッキ法等の方法を用いることが可能である。そして、この金属膜22を陰極とし、チップ状あるいはボール状のNiを陽極として電気メッキ法によりさらにNiを電着させて、図8(B)に示すように、厚い金属層124を形成する。電気メッキ液の一例を以下に示す。
【0104】
スルファミン酸ニッケル:55g/l
ホウ酸 :35g/l
塩化ニッケル : 5g/l
レベリング剤 :20mg/l
次いで、図8(C)に示すように、金属層124及び金属膜122を第1の原盤110から剥離し、必要があれば導体化層を除去して、これを第2の原盤120とする。この第2の原盤120が、図1(E)に示す原盤10に相当する。
【0105】
これによれば、原盤120の製造に電気鋳造法が適用されるので、低コストで原盤120を製造することができる。
【0106】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜図1(E)は、第1実施形態における原盤を製造する工程を示す図である。
【図2】図2(A)〜図2(C)は、第1実施形態においてインク充填層を形成する工程を示す図である。
【図3】図3(A)〜図3(C)は、第1実施形態においてインク充填用凹部に着色パターン層を形成して補強板を載せる工程を示す図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、第1実施形態において基台からカラーフィルタを剥離する工程を示す図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、本発明の第2実施形態を示す図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、第2実施形態における剥離形態を示す図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、原盤の他の製造方法を示す図である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、原盤の他の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
10 原盤
19 凹凸パターン(凹凸)
20 基台
22 透明電極膜
30 インク充填層
32 インク充填用凹部
40 着色パターン層
42 樹脂層
44 補強板
46 放射線
50 分離層

Claims (10)

  1. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記第2工程は、前記インク充填用凹部の反転パターンとなる凹凸を有する原盤を製造する工程と、前記原盤を前記インク充填層を形成する材料を介して前記透明電極膜に密着させる工程と、前記インク充填層を形成する材料を固化して前記インク充填層を形成する工程と、前記インク充填層から前記原盤を剥離する工程と、を含むカラーフィルタの製造方法。
  2. 請求項記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記原盤の前記凹凸は、エッチングによって形成されるカラーフィルタの製造方法。
  3. 請求項記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記原盤の前記凹凸は、該凹凸に応じて形成されたレジストパターンを電気鋳造法により金属層に転写することによって形成されるカラーフィルタの製造方法。
  4. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記第4工程の前に、前記インク充填用凹部に充填された前記インクを熱処理し、溶剤成分を揮発させる工程を含むカラーフィルタの製造方法。
  5. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記基台は、放射線透過性を有し、
    前記第5工程で、前記基台を通して前記透明電極膜に前記放射線を照射して、該透明電極膜と前記基台との界面における結合力を低減させるカラーフィルタの製造方法。
  6. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層 を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
    前記基台は、放射線透過性を有し、
    前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記基台と前記分離層との界面における結合力を低減させるカラーフィルタの製造方法。
  7. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
    前記基台は、放射線透過性を有し、
    前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記透明電極膜と前記分離層との界面における結合力を低減させるカラーフィルタの製造方法。
  8. 基台上に透明電極膜を形成する第1工程と、
    前記透明電極膜上に所定配列の複数のインク充填用凹部を有する光透過性のインク充填層を形成する第2工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第3工程と、
    前記着色パターン層が形成されたインク充填層上に光透過性の樹脂層を形成する第4工程と、
    前記樹脂層の固化後に、前記透明電極膜、インク充填層、前記着色パターン層及び前記樹脂層を一体的に前記基台から剥離する第5工程と、
    を含み
    前記第1工程で、前記基台には予め分離層が形成され、該分離層の上に前記透明電極膜が形成され、
    前記基台は、放射線透過性を有し、
    前記第5工程で、前記基台を通して前記分離層に前記放射線を照射して、前記分離層の内部における結合力を低減させるカラーフィルタの製造方法。
  9. 請求項記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記第5工程後に、前記透明電極膜の表面を洗浄処理する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
  10. 請求項から請求項のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記第5工程後に、前記透明電極膜の表面に付着した前記分離層を除去する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
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