JPH11295519A - カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ及びその製造方法

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JPH11295519A
JPH11295519A JP11411098A JP11411098A JPH11295519A JP H11295519 A JPH11295519 A JP H11295519A JP 11411098 A JP11411098 A JP 11411098A JP 11411098 A JP11411098 A JP 11411098A JP H11295519 A JPH11295519 A JP H11295519A
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JP
Japan
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color filter
receiving layer
ink receiving
manufacturing
concave portion
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11411098A
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English (en)
Inventor
Hisao Nishikawa
尚男 西川
Atsushi Takakuwa
敦司 高桑
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストかつ短い工程で高精細のカラーフィ
ルタを製造する方法及びその方法により製造されるカラ
ーフィルタを提供することにある。 【解決手段】 複数の領域を区画する凹部29を有する
インク受容層26を形成する第1工程と、インク受容層
26の所定の領域に複数色の着色インク30を吸収させ
る工程と、凹部29に遮光性材料42を充填する工程
と、を含む第2工程と、を含み、第1工程では、凹部2
9に対応する形状の凸部17を有する原盤20を、イン
ク受容層前駆体24に密着させて凹部29を形成し、イ
ンク受容層前駆体24を固化させてインク受容層26を
形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネル等
に用いられるカラーフィルタ及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【発明の背景】液晶表示パネル等のカラーフィルタを製
造する方法として、印刷法は精度の点で欠点があり、電
着法はパターンが限定されるという欠点があったので、
従来、染色法及び顔料分散法が主として用いられてき
た。しかし、染色法及び顔料分散法は、第1色、第2
色、第3色の各画素(着色パターン層)を形成する際に
毎回リソグラフィの工程が必要であり、カラーフィルタ
ーの量産性向上の大きな妨げとなっていた。
【0003】また、特開平7−72325号公報には、
インクジェット方式によりインク受容層に3色のインク
を付与する方法が開示されている。これによれば、1色
ごとのリソグラフィの工程が不要なので、短い工程でカ
ラーフィルタを製造することができる。
【0004】しかし、この方法では、高精細のカラーフ
ィルタに必要なブラックマトリクスを、従来通りの方法
で形成していた。したがって、ブラックマトリクスの形
成工程で、コストのかかるリソグラフィの工程が必要と
なるため、インクジェット方式の利点を減じることにな
っていた。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するも
ので、その目的は、低コストかつ短い工程で高精細のカ
ラーフィルタを製造する方法及びその方法により製造さ
れるカラーフィルタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係るカラ
ーフィルタの製造方法は、複数の領域を区画する凹部を
有するインク受容層を形成する第1工程と、前記インク
受容層の所定の領域に複数色の着色インクを吸収させる
工程と、前記凹部に遮光性材料を充填する工程と、を含
む第2工程と、を含む。
【0007】本発明では、インク受容層前駆体に凹部を
形成し、この凹部に遮光性材料を充填することでブラッ
クマトリクスを形成することができ、インク受容層の所
定の領域に着色インクを吸収させることで着色層を形成
することができる。
【0008】本発明によれば、遮光性材料を凹部に充填
してブラックマトリクスを形成するので、リソグラフィ
の工程が不要となり、工程数の減少及び低コスト化を図
ることができる。
【0009】(2)前記着色インクを吸収させる工程
は、少なくとも前記凹部間であってもよい。
【0010】(3)前記第1工程では、前記凹部に対応
する形状の凸部を有する原盤を、インク受容層前駆体に
密着させて前記凹部を形成し、前記インク受容層前駆体
を固化させて前記インク受容層を形成してもよい。
【0011】これによれば、原盤の凸部を型として、イ
ンク受容層前駆体に凹部を形成することができる。ま
た、原盤は、一旦製造すればその後、耐久性の許す限り
何度でも使用できるため、2枚目以降のカラーフィルタ
の製造工程において省略でき、工程数の減少および低コ
スト化を図ることができる。
【0012】(4)前記第2工程では、前記原盤上で前
記インク受容層に前記着色インクを吸収させ、その後、
前記インク受容層を前記原盤から剥離して前記凹部に前
記遮光性材料を充填してもよい。
【0013】(5)前記第1工程では、前記インク受容
層前駆体を、前記原盤と基台とで挟んで前記凹部を形成
し、前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤か
ら剥離して前記凹部に前記遮光性材料を充填し、その
後、前記インク受容層を前記基台から剥離し、前記イン
ク受容層の前記凹部とは反対側面から前記着色インクを
吸収させてもよい。
【0014】(6)前記第1工程では、前記インク受容
層前駆体を、前記原盤と基台とで挟んで前記凹部を形成
し、前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤か
ら剥離して前記凹部に前記遮光性材料を充填し、前記イ
ンク受容層の前記凹部が形成された面から前記着色イン
クを吸収させ、その後、前記インク受容層を前記基台か
ら剥離してもよい。
【0015】(7)前記第2工程では、前記インク受容
層を前記原盤から剥離して前記凹部に前記遮光性材料を
充填し、前記インク受容層の前記凹部が形成された面か
ら前記インク受容層に前記着色インクを吸収させてもよ
い。
【0016】(8)前記第2工程では、前記インク受容
層を前記原盤から剥離し、前記インク受容層の前記凹部
が形成された面から前記インク受容層に前記着色インク
を吸収させ、前記凹部に前記遮光性材料を充填してもよ
い。
【0017】(9)前記第1工程では、前記インク受容
層前駆体を、前記原盤と基台とで挟んで前記凹部を形成
し、前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤か
ら剥離し、前記インク受容層の前記凹部が形成された面
から前記着色インクを吸収させ、前記凹部に前記遮光性
材料を充填し、その後、前記インク受容層を前記基台か
ら剥離してもよい。
【0018】(10)前記第1工程では、前記インク受
容層前駆体を、前記原盤と基台とで挟んで前記凹部を形
成し、前記第2工程では、前記インク受容層を前記基台
から剥離し、前記インク受容層の前記凹部が形成された
面とは反対側面から前記着色インクを吸収させ、前記イ
ンク受容層を前記原盤から剥離し、その後、前記凹部に
前記遮光性材料を充填してもよい。
【0019】(11)前記第2工程で、前記インク受容
層前駆体における前記着色インク又は遮光性材料の少な
くとも一方が充填された面上に保護膜前駆体を載せて、
前記保護膜前駆体を固化して保護膜を形成してもよい。
【0020】(12)前記保護膜前駆体は、エネルギー
の付与により硬化可能な物質であってもよい。
【0021】(13)前記エネルギーは、光及び熱の少
なくともいずれか一方であってもよい。
【0022】(14)前記保護膜前駆体は、紫外線硬化
型樹脂であってもよい。
【0023】(15)前記インク受容層に補強板を接着
してもよい。
【0024】(16)前記第1工程は、基板上に所定の
パターンをなすレジスト層を形成し、次いで、エッチン
グによって前記基板上に前記凸部を形成して前記原盤を
得る工程を含んでもよい。
【0025】この工程によれば、エッチング条件を変え
ることにより、凸部の形状および面粗さを高精度かつ自
由に制御することが可能である。
【0026】(17)前記基板は、シリコン又は石英か
らなるものであってもよい。
【0027】シリコン又は石英は、純度の高いものが容
易に得られ、リソグラフィ法におけるエッチングによる
加工性が良い。原盤は、凹部を形成する際の型となるた
め、加工性の良いエッチングは効果的である。
【0028】(18)前記第1工程は、基台上に所定の
パターンをなすレジスト層を形成し、次いで、前記基台
およびレジスト層を導体化し、さらに電気鋳造法(電気
メッキ法)により金属を電着させて金属層を形成した
後、この金属層を前記基台およびレジスト層から剥離し
て前記原盤を得る工程を含んでもよい。
【0029】この工程のより得られた金属製の原盤は、
一般に耐久性および剥離性に優れる。
【0030】(19)前記第2工程で用いるインク受容
層前駆体は、エネルギーの付与により硬化可能な物質で
あってもよい。
【0031】(20)前記エネルギーは、光及び熱の少
なくともいずれか一方であってもよい。
【0032】こうすることで、汎用の露光装置やベイク
炉、ホットプレートが利用でき、低設備コスト化、省ス
ペース化が可能である。
【0033】(21)前記インク受容層前駆体は、紫外
線硬化型樹脂であってもよい。
【0034】紫外線硬化型樹脂としては、アクリル系樹
脂が透明性に優れ、様々な市販の樹脂や感光剤を利用す
ることができるため好適である。
【0035】(22)前記第2工程で、前記着色インク
及び前記遮光性材料の少なくともいずれか一方をインク
ジェット方式によって充填してもよい。
【0036】インクジェット方式のよれば、インクの充
填を高速化できるとともに、インクを無駄にすることが
ない。
【0037】(23)前記凹部は、底面よりも開口部の
面積が大きくなるように、内側面がテーパ状に形成され
ていてもよい。
【0038】このように凹部をテーパ状に形成すれば、
遮光性材料を確実に凹部に導くことができるため、特に
高解像度の液晶パネルに使用するカラーフィルタに適す
る。
【0039】(24)前記凹部は、内側面の開口端部に
おいて、テーパ状に形成されていてもよい。このように
凹部を形成すれば、遮光性材料の厚さの差が小さいた
め、遮光性能が均一化され、鮮明な画像を提供するカラ
ーフィルタを製造できる。
【0040】(25)本発明に係るカラーフィルタは、
複数の領域を区画する凹部を有するインク受容層と、前
記凹部にて区画された領域に吸収される着色インクと、
前記凹部に充填される遮光性材料と、を有する。
【0041】(26)このカラーフィルタは、前記イン
ク受容層における前記着色インク又は前記遮光性材料の
少なくとも一方が充填された面上に保護膜を有してもよ
い。
【0042】(27)このカラーフィルタは、前記イン
ク受容層に補強板が接着されてもよい。
【0043】(28)本発明に係るカラーフィルタは、
上記方法により製造される。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて図面を参照にして説明する。
【0045】(第1の実施形態)図1(A)〜図5
(B)は、本発明の第1の実施形態に係るカラーフィル
タの製造方法を示す図である。
【0046】まず、図1(A)に示すように、基板10
上にレジスト層12を形成する。
【0047】基板10は、表面をエッチングして原盤2
0(図1(E)参照)とするためのもので、ここではシ
リコン製基板が用いられる。シリコン製基板をエッチン
グする技術は、半導体デバイスの製造技術において確立
されており、高精度なエッチングが可能である。なお、
基板10は、エッチング可能な材料であれば、シリコン
製基板に限定されるものではなく、例えば、石英、ガラ
ス、樹脂、金属、セラミックなどの基板あるいはフィル
ム等が利用できる。
【0048】レジスト層12を形成する物質としては、
例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられ
ている、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジ
アゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジ
ストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジスト
とは、所定のパターンに応じて放射線に暴露することに
より、放射線によって暴露された領域が現像液により選
択的に除去可能となる物質のことである。
【0049】レジスト層12を形成する方法としては、
スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、
ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが
可能である。
【0050】次に、図1(B)に示すように、マスク1
4をレジスト層12の上に配置し、マスク14を介して
レジスト層12の所定領域のみを放射線16によって暴
露して、放射線暴露領域18を形成する。
【0051】マスク14は、少なくとも図1(E)に示
す凸部17に対応した領域を、放射線16が透過しない
ようにパターン形成されたものである。
【0052】また、凸部17は、製造しようとするカラ
ーフィルタのブラックマトリクスを形成するための凹部
29(図4(C)参照)を転写形成するためのものであ
り、ブラックマトリクスの形状および配列に応じて形成
される。また、凸部17によって複数の画素領域が区画
され、この区画された領域が着色される。例えば、10
型のVGA仕様の液晶パネルでは、約100μmピッチ
で、640×480×3(色)で90万画素、つまり約
90万個の領域が凸部17によって区画される。
【0053】また、放射線16としては波長200nm
〜500nmの領域の光を用いることが好ましい。この
波長領域の光の利用は、液晶パネルの製造プロセス等で
確立されているフォトリソグラフィの技術及びそれに利
用されている設備の利用が可能となり、低コスト化を図
ることができる。
【0054】そして、レジスト層12を放射線16によ
って暴露した後、所定の条件で現像処理を行うと、図1
(C)に示すように、放射線暴露領域18のレジストの
みが選択的に除去されて基板10が露出し、それ以外の
領域はレジスト層12により覆われたままの状態とな
る。
【0055】こうしてレジスト層12がパターン化され
ると、図1(D)に示すように、このレジスト層12を
マスクとして、エッチャント15によって、基板10を
所定の深さエッチングする。
【0056】エッチングの方法としてはウエット方式ま
たはドライ方式があるが、基板10の材質に合わせて、
エッチング断面形状、エッチングレート、面内均一性等
の点から最適な方式および条件を選べばよい。制御性の
点からいうとドライ方式の方が優れており、例えば、平
行平板型リアクティブイオンエッチング(RIE)方
式、誘導結合型(ICP)方式、エレクトロンサイクロ
トロン共鳴(ECR)方式、ヘリコン波励起方式、マグ
ネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビーム
エッチング方式等の装置が利用でき、エッチングガス
種、ガス流量、ガス圧、バイアス電圧等の条件を変更す
ることにより、凸部17を矩形に加工したり、テーパー
を付けたり、面を粗らしたりと、所望の形状にエッチン
グすることができる。
【0057】次に、エッチング完了後に、図1(E)に
示すように、レジスト層12を除去すると、基板10上
に凸部17が得られ、これを原盤20とする。凸部17
間には、凹部13が形成される。
【0058】次に、図2(A)に示すように基台22を
用意し、インク受容層前駆体24を原盤20と基台22
とで挟み込む。基台22は、表面が平坦に形成されてお
り、インク充填層前駆体24を平坦にするためのもので
ある。インク受容層前駆体24は、図2(C)に示すイ
ンク受容層26の材料となる。なお、図2(A)では、
原盤20が下に位置しているが、基台22が下であって
もよい。
【0059】インク受容層前駆体24としては、インク
受容層26が着色インク30(図3(A)参照)を吸収
することができ、着色パターン層34(図3(A)参
照)の色特性を損なわない程度の光透過性を有していれ
ば特に限定されるものでなく、種々の物質が利用でき
る。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液等
を使用することができる。
【0060】さらには、インク充填層前駆体24は、エ
ネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ま
しい。硬化処理を施すことにより堅牢なインク充填層を
形成することができ、このあと説明する図2(C)や図
4(C)に示す工程において、基台22や原盤20をイ
ンク充填層から剥離する際に、インク充填層にクラック
が発生したり、部分的にインク充填層が欠落するなどの
不良を低減できる。
【0061】このようなインク受容層前駆体24を、図
2(A)に示すように、原盤20上に所定量滴下する。
【0062】そして、図2(B)に示すように、インク
受容層前駆体24を所定領域まで拡げ、続いて、インク
受容層前駆体24を固化させて、原盤20及び基台22
の間にインク受容層26を形成する。
【0063】インク受容層前駆体24を所定領域まで拡
げるにあたって、必要に応じて所定の圧力を原盤20及
び基台22の少なくとも一方に加えてもよい。
【0064】ここでは、インク受容層前駆体24を原盤
20上に滴下したが、基台22に滴下するか、原盤20
及び基台22の両方に滴下してもよい。
【0065】また、スピンコート法、ディッピング法、
スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の
方法を用いて、原盤20及び基台22のいずれか一方、
または、両方にインク受容層前駆体24を塗布してもよ
い。
【0066】そして、図2(C)に示すように、基台2
2を、インク受容層26から剥離する。こうして、表面
が平坦に形成されたインク受容層26が原盤20上に形
成される。なお、インク受容層26には、原盤20側に
凹部29が形成されている。
【0067】続いて、図3(A)に示すように、インク
受容層26における凹部29とは反対側面から、予め設
定された着色インク30を射出する。詳しくは、凹部2
9によって区画された領域に着色インク30を射出し
て、その領域に着色インク30を吸収させる。
【0068】着色インク30の射出方法としては、特に
限定されるものではないが、インクジェット方式が好適
である。インクジェット方式によれば、インクジェット
プリンタ用に実用化された技術を応用することで、高速
かつインクを無駄なく経済的に充填するとが可能であ
る。
【0069】図3(A)には、インクジェットヘッド3
2によって、例えば、赤、緑及び青の着色インク30を
インク受容層26に射出する様子を示してある。詳しく
は、インク受容層26とは反対側面に対向させてインク
ジェットヘッド32を配置し、各着色インク30を、凹
部29によって区画された領域に射出する。
【0070】インクジェットヘッド32は、例えばイン
クジェットプリンタ用に実用化されたもので、圧電素子
を用いたピエゾジェットタイプ、あるいはエネルギー発
生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイ
プ等が使用可能であり、着色の面積およびパターンは任
意に設定することが可能である。
【0071】例えば、3色の着色インク30を吐出する
吐出口を各色20個ずつ配列することで、インクジェッ
トヘッド32を構成し、駆動周波数14.4kHz(1
秒間に14400回の吐出)で、一つの領域に3滴ずつ
吐出するとすれば、約90万画素の10型VGA仕様の
カラーフィルタ用に着色インク30を充填するのに要す
る時間は、90万×3滴/(14400回×20個×3
色)=約3秒となる。
【0072】こうして、図3(B)に示すように、イン
ク受容層26上に着色パターン層34が形成される。着
色パターン層34は、インク受容層26が部分的に着色
インク30を吸収して形成される。
【0073】次に、図4(A)に示すように、着色パタ
ーン層34を含むインク受容層26上に保護膜前駆体3
6を滴下する。
【0074】保護膜前駆体36としては、光透過性を有
していれば特に限定されるものでなく、種々の物質が利
用できるが、エネルギーの付与により硬化可能な物質で
あることが好ましい。
【0075】エネルギーとしては、光及び熱の少なくと
もいずれか一方であることが好ましい。こうすること
で、汎用の露光装置やベイク炉、ホットプレートが利用
でき、低設備コスト、省スペース化を図ることができ
る。
【0076】このような物質としては、例えば、紫外線
硬化型樹脂がある。紫外線硬化型樹脂としては、アクリ
ル系樹脂が好適である。様々な市販の樹脂や感光剤を利
用することで、透明性に優れ、また、短時間の処理で硬
化可能な紫外線硬化型のアクリル系樹脂を得ることがで
きる。
【0077】紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本組成
の具体例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モ
ノマー、光重合開始剤があげられる。
【0078】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタクリレート類、ウレタンメ
タクリレート類、ポリエステルメタクリレート類、ポリ
エーテルメタクリレート類等のメタクリレート類等が利
用できる。
【0079】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリド
ン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロ
ペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアク
リレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレング
リコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の
二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが
利用できる。
【0080】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブ
チルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノ
ン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチル
ケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアル
キルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2
−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン等のキサントン類、ベンゾイン
エーテル、イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾイ
ンエーテル類、ミヒラーケトン等のラジカル発生化合物
が利用できる。
【0081】なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害
を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、塗
布を容易にする目的で溶剤成分を添加してもよい。
【0082】溶剤成分としては、特に限定されるもので
はなく、種々の有機溶剤、例えば、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、メトキシメチルプロピオネー
ト、エトキシエチルプロピオネート、エチルセロソル
ブ、エチルセロソルブアセテート、エチルラクテート、
エチルピルビネート、メチルアミルケトン、シクロヘキ
サノン、キシレン、トルエン、ブチルアセテート等から
選ばれる一種または複数種の利用が可能である。
【0083】そして、補強板38を保護膜前駆体36に
密着させて、この保護膜前駆体36を押し拡げる。な
お、保護膜前駆体36は、スピンコート法、ロールコー
ト法等の方法により、インク受容層26上に、或いは補
強板38上に塗り拡げてから、補強板38を密着させて
もよい。
【0084】補強板38としては一般にガラス基板が用
いられるが、カラーフィルタとして要求される光透過性
や機械的強度等の特性を満足するものであれば特に限定
されるものではない。例えば、補強板38として、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォ
ン、アモルファスポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリメチルメタクリレート等のプラスチック
製の基板あるいはフィルム基板を用いてもよい。
【0085】そして、保護膜前駆体36の組成に応じた
硬化処理をすることにより、これを硬化させて、図4
(B)に示すように保護膜40を形成する。紫外線硬化
型のアクリル系樹脂が用いられる場合には、紫外線を所
定の条件により照射することにより、保護膜前駆体36
を硬化させる。
【0086】なお、インク受容層26が硬化処理によっ
て十分な強度を有する場合には、保護膜40及び補強板
38を省略してもよい。
【0087】続いて、図4(C)に示すように、原盤2
0をインク受容層26から剥離する。インク受容層26
には、原盤20の凸部17によって、凹部29が形成さ
れている。
【0088】次に、ブラックマトリクスを形成するため
に、図5(A)に示すように、インク受容層26の凹部
29に遮光性材料42を充填する。なお、凹部29は、
着色パターン層34の間に位置する。この領域に遮光性
材料42を充填することで、ブラックマトリクスを形成
することができる。
【0089】遮光性材料42は、光透過性のない材料で
あって耐久性を有し、インク受容層26に浸透しないも
のであれば種々の材料を適用可能である。ただし、本実
施形態では、インクジェットヘッド44から遮光性材料
42を吐出させる。そのため、ある程度、遮光性材料4
2の流動性を確保する必要がある。例えば、富士フィル
ムオーリン社製ネガ型樹脂ブラック、凸版印刷社製高絶
縁性ブラックマトリクス用レジストHRB−#01、日
本合成ゴム(JSR)社製樹脂ブラック等の黒色の樹脂
を有機溶剤に溶かしたものを、遮光性材料42として用
いる。
【0090】有機溶媒としては、特にその種類に限定さ
れるものではなく種々の有機溶剤を適用可能である。例
えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、メ
トキシメチルプロピオネート、メトキシエチルプロピオ
ネート、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテー
ト、エチルラクテート、エチルピルビネート、メチルア
ミルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、
ブチルアセテート等のうち一種または複数種類の混合溶
液を利用できる。
【0091】遮光性材料42を充填するときには、原盤
20に形成された凹部29に均一な量で充填されるよう
に、インクジェットヘッド44を動かす等の制御を行っ
て、打ち込み位置を制御する。凹部29の隅々にまで均
一に遮光性材料42が満たされたら、充填を完了する。
溶剤成分が含まれている場合には、熱処理により遮光性
材料42から溶剤成分を除去する。なお遮光性材料42
は、溶剤成分を除去すると収縮するため、必要な遮光性
が確保できる厚みが収縮後でも残される量を充填してお
くことが必要である。
【0092】こうして、図5(B)に示すように、イン
ク受容層26に、遮光性材料42からなる遮光性層46
が一体的に形成されて、カラーフィルタ1が得られる。
このカラーフィルタ1は、着色パターン層34と、ブラ
ックマトリックスとしての遮光性層46と、が形成され
たインク受容層26を有する。なお、遮光性層26の上
を覆うように、保護膜を形成してもよく、さらに補強板
を接着してもよい。
【0093】本実施形態によれば、凹部29を形成し、
これに遮光性材料42を充填してブラックマトリクスと
しての遮光性層46を形成する。したがって、リソグラ
フィの工程がないので、材料の使用効率が高く、かつ工
程数の短縮を図ることができる。このため、従来のカラ
ーフィルタよりもコストダウンを図ることができる。
【0094】本実施形態において、原盤20は、一旦製
造すれば、その耐久性の許す限り何度でも繰り返し利用
ができる。したがって、2枚目以降のカラーフィルタの
製造工程において、原盤20の製造工程を省くことがで
き、さらに工程数の短縮を図ることができ、従来のカラ
ーフィルタよりもコストダウンを図ることができる。
【0095】上記実施形態では、原盤20上に凸部17
を形成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射
線に暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線
に暴露されていない領域が現像液により選択的に除去可
能となるネガ型のレジストを用いても良い。この場合に
は、上記マスク14とはパターンが反転したマスクが用
いられる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あ
るいは電子線によって直接レジストをパターン状に暴露
しても良い。
【0096】(第2の実施形態)図6(A)〜図7
(C)は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィル
タの製造方法を示す図である。本実施形態は、着色イン
ク及び遮光性材料の充填の順序において、第1の実施形
態と異なる。
【0097】本実施形態でも、第1の実施形態で使用し
た原盤20及び基台22が使用される。そして、図6
(A)に示すように、インク受容層前駆体24を原盤2
0と基台22とで挟み込み、インク受容層26を形成す
る。なお、図6(A)では、基台22が上に位置してい
るが、原盤20が上であってもよい。
【0098】そして、図6(B)に示すように、原盤2
0をインク受容層26から剥離する。こうして、表面に
凹部29を有するインク受容層26が、基台22上(図
においては基台22下)に形成される。
【0099】続いて、図5(A)と同様の工程により、
インク受容層26の凹部29に遮光性材料42を充填
し、図6(C)に示すように遮光性層46を形成する。
【0100】そして、図7(A)に示すように、遮光性
層46及びインク受容層26上に、保護膜前駆体からな
る保護膜50を形成し、保護膜50の上に補強板38を
設ける。その工程は、図4(A)及び図4(B)に示す
工程と同様である。
【0101】次に、図7(B)に示すように基台22を
インク受容層26から剥離し、図3(A)と同様の工程
によってインク受容層26に着色インク30を充填す
る。こうして、図7(C)に示すように、着色パターン
層34が形成され、完成品としてのカラーフィルタ2が
得られる。
【0102】本実施形態によっても、凹部29に遮光性
材料42を充填して遮光性層46を形成するので、リソ
グラフィの工程が不要となる。しかも、凹部29は、転
写法により形成されるので、材料の使用効率が高く、か
つ工程数の短縮を図ることができる。このため、従来の
カラーフィルタよりもコストダウンを図ることができ
る。その他の効果及び変形例も、第1の実施形態と同様
である。
【0103】(第3の実施形態)図8(A)〜図8
(C)は、本発明の第3の実施形態に係るカラーフィル
タの製造方法を示す図である。本実施形態は、着色イン
ク及び遮光性材料の充填の順序において、第1の実施形
態と異なる。
【0104】本実施形態でも、第1の実施形態と同様の
工程を経て、図6(C)に示すように基台22上にイン
ク受容層26を形成し、凹部29に遮光性層46を形成
する。
【0105】そして、この状態のまま、図8(A)に示
すように、インク受容層26に着色パターン層52を形
成する。着色パターン層52は、形成位置において、第
1の実施形態と異なる。すなわち、第1の実施形態で
は、図5(B)に示すように、インク受容層26におけ
る遮光性層46の形成面とは反対側に、着色パターン層
34が形成されている。これに対して、第3の実施形態
では、図8(A)に示すように、インク受容層26にお
ける遮光性層46の形成面と同じ側に、着色パターン層
52が形成されている。なお、着色パターン層52の形
成方法は、第1の実施形態と同様である。
【0106】次に、図8(B)に示すように、インク受
容層26における着色パターン層52及び遮光性層46
の形成面上に、保護膜前駆体からなる保護膜54を形成
し、保護膜54の上に補強板38を設ける。その工程
は、図4(A)及び図4(B)に示す工程と同様であ
る。
【0107】そして、図8(C)に示すように、基台2
2をインク受容層26から剥離して、完成品としてのカ
ラーフィルタ3が得られる。
【0108】本実施形態によっても、凹部29に遮光性
材料42を充填して遮光性層46を形成するので、リソ
グラフィの工程が不要となる。しかも、凹部29は、転
写法により形成されるので、材料の使用効率が高く、か
つ工程数の短縮を図ることができる。このため、従来の
カラーフィルタよりもコストダウンを図ることができ
る。その他の効果及び変形例も、第1の実施形態と同様
である。
【0109】(第4の実施形態)図9(A)〜図9
(D)は、本発明の第4の実施形態に係るカラーフィル
タの製造方法を示す図である。
【0110】本実施形態では、第1の実施形態と同様の
原盤20が使用される。すなわち、図9(A)に示すよ
うに、原盤20と補強板38との間にインク受容層26
を形成する。詳しくは、原盤20の上に、インク受容層
前駆体24を滴下し、その上に補強板38を載せて、原
盤20と補強板38とでインク受容層前駆体24を挟ん
でインク受容層26を形成する。
【0111】そして、図9(B)に示すように、インク
受容層26から原盤20を剥離する。こうして、補強板
38に、凹部29が形成されたインク受容層26が形成
される。
【0112】続いて、図9(C)に示すように、凹部2
9に遮光性層46を形成する。この工程は、図5(A)
に示す工程と同様である。そして、図9(D)に示すよ
うに、遮光性層46にて区画された領域に、着色パター
ン層52を形成する。この工程は、図3(A)に示す工
程と同様である。なお、図9(C)及び図9(D)の工
程は、順序を入れ替えてもよい。ただし、遮光性材料4
2を凹部29に充填する工程を先に行えば、着色インク
30によって凹部29が埋まることを防止して、必要な
量の遮光性材料42を充填することができる。
【0113】こうして、図9(D)に示すカラーフィル
タ4が得られる。このカラーフィルタ4は、図8(C)
に示すカラーフィルタ3と同様に、インク受容層26に
おける遮光性層46の形成面と同じ側に、着色パターン
層52が形成されている。
【0114】なお、着色パターン層52及び遮光性層4
6上に、保護膜前駆体からなる保護膜を形成してもよ
い。
【0115】本実施形態によっても、凹部29に遮光性
材料42を充填して遮光性層46を形成するので、リソ
グラフィの工程が不要となる。しかも、凹部29は、転
写法により形成されるので、材料の使用効率が高く、か
つ工程数の短縮を図ることができる。このため、従来の
カラーフィルタよりもコストダウンを図ることができ
る。その他の効果及び変形例も、第1の実施形態と同様
である。
【0116】(第5の実施形態)本発明の第5の実施形
態は、上記第1の実施形態における原盤20の他の製造
方法を提供するものである。
【0117】図10(A)〜図11(C)に、第5の実
施形態における原盤の製造方法を説明する製造工程断面
図を示す。
【0118】レジスト層形成工程(図10(A)) レジスト層形成工程では、基台60上にレジスト層62
を形成する。基台60の材料としては、レジスト層62
をリソグラフィ法によりパターン化する際の支持体とし
ての役割を担うものであるため、プロセス流動に必要と
される機械的強度や薬液耐性等を有し、レジスト層62
との付着がよく、密着可能なものであれば、その種類に
限定されない。例えば、基台60の材質としては、ガラ
ス、石英、シリコンウェハ、樹脂、金属、セラミックス
等を利用できる。本実施形態では、表面を酸化セリウム
系の研磨剤を用いて平坦に研磨した後、洗浄、乾燥した
ガラス製原盤を用いる。
【0119】レジスト層62の材料および形成方法につ
いては、上記第1の実施形態のレジスト層12と同様な
ので、説明を省略する。
【0120】露光工程(図10(B)) 露光工程では、レジスト層62上を所定のパターンに応
じたマスク64で覆って光66を照射することにより露
光する。
【0121】マスク64は、露光領域68に対応した領
域のみ光66が透過するようにパターンが形成された遮
へい部材である。このパターンは、原盤20の凸部17
(図1(E)参照)に相当する領域に光66を透過させ
るためのものである。図1(B)に示すマスク14と比
べると、光を透過する領域と透過しない領域との関係が
反転している。もちろん、ネガ型のレジストを用いれ
ば、上記関係を反転させることができる。
【0122】現像工程(図10(C)) 現像工程では、レジスト層62を光66によって露光し
た後、一定条件で現像処理を行って、露光領域68のレ
ジスト材料を除去する。この処理により、光66にさら
されていた露光領域68のレジスト材料が選択的に取り
除かれて基台60が露出した状態となる。
【0123】導体化工程(図11(A)) 導体化工程では、基台60に導体化層70を形成して表
面を導体化する。
【0124】導体化層70の材料としては、図11
(B)に示すメッキ(金属)層72を成長させるための
導電性を備えれば十分であり、例えば、Niを500〜
1000オングストローム(10-10m) の厚みで形成
する。導体化層70の形成方法としては、スパッタリン
グ法、CVD法、蒸着法、無電解メッキ法等の種々の方
法を適用することができる。なお、導体化層70を形成
せずにメッキ層72を成長させることが可能であれば、
この工程は不要である。
【0125】メッキ(金属)層形成工程(図11
(B)) メッキ層形成工程では、メッキ層72を成長させる。ま
ず、導体化層70により導体化されたレジスト層62お
よび基台60を陰極とし、チップ状あるいはボール状の
Niを陽極として、図示しないメッキ装置の電極を接続
する。そして電気鋳造法(電気メッキ法)によりNiを
電着させ、メッキ層72を形成させる。
【0126】電気メッキ液としては、例えば次のような
組成のメッキ液を適用可能である。
【0127】 スルファミン酸ニッケル:500g/l ホウ酸 : 30g/l 塩化ニッケル : 5g/l レベリング剤 : 10mg/l あるいは、 スルファミン酸ニッケル:900g/l ホウ酸 : 60g/l 塩化ニッケル : 8g/l レベリング剤 : 30mg/l 剥離工程(図11(C)) 剥離工程では、導体化層70およびメッキ層72を基台
60およびレジスト層62から剥離する。剥離後に、必
要に応じて洗浄することにより、原盤74を完成させる
ことができる。なお、導体化層70は、必要に応じて剥
離処理を施して、メッキ層72から除去してもよい。
【0128】上記のようにして製造された原盤74を第
1の実施形態における原盤20として使用することがで
きる。
【0129】なお、上記レジスト層62の形成にはポジ
型のレジストを適用したが、ネガ型のレジストを用いて
もよい。この場合、上記マスク64とは露光部分と非露
光部分の関係が反転したマスクを用いる。
【0130】また、露光方法としては、マスクを用いず
に、レーザ光や電子線によって直接レジストをパターン
状に露光するものでもよい。
【0131】上記したように本実施形態によれば、電気
メッキによりカラーフィルタの製造に適する原盤を製造
することができる。本実施形態により製造される原盤は
金属であって堅牢なため、耐久性がよく、製造コストを
さらに下げることができるという効果を奏する。
【0132】(第6の実施形態)本実施形態は、上記第
1の実施形態のインク受容層26に形成される凹部29
の形状における変形例である。
【0133】すなわち、図12(A)に示すように、イ
ンク受容層80には、内側面が傾斜したテーパ形状に形
成された凹部82が形成されている。このように内側面
が傾斜した凹部82によれば、底面に比べ開口部の面積
が広くなっているので、画素密度が高くなっても、遮光
性材料42(図5(A)参照)を確実に充填することが
できる。
【0134】このような形状の凹部82を形成するに
は、断面において台形をなす凸部86を有する原盤84
を使用する。
【0135】あるいは、図12(B)に示すように、イ
ンク受容層90に、内側面のうち開口端部のみがテーパ
形状に形成された凹部92を形成してもよい。このよう
に、開口端部がテーパ形状となった凹部92によれば、
底面に比べて開口部の面積が広くなっているので、画素
密度が高くなっても、遮光性材料42(図5(A)参
照)を確実に充填することができる。
【0136】このような形状の凹部92を形成するに
は、立ち上がりの基端部96aにおいて台形と同様に傾
斜した側面を有する凸部96を有する原盤94を使用す
る。
【0137】本実施形態によれば、原盤84、94の凹
部82、92の側面又は開口端部を傾斜させてテーパ形
状に形成したので遮光性材料42を容易に確実に導き入
れることができる。したがって、インクジェットヘッド
の制御が容易で、製造上の歩留まりが良くなるという効
果を奏する。
【0138】図13は、上述したいずれかの実施形態に
係る方法により製造されたカラーフィルタ1を組み込ん
だTFT(Thin Film Transistor)カラー液晶パネルの断
面図である。カラー液晶パネルは、カラーフィルタ1と
対向するガラス基板100とを備え、その間に液晶組成
物101が封入されて構成される。カラーフィルタ1
は、補強板38、保護膜40、着色パターン層34、イ
ンク受容層26、遮光性層46を有する。さらに、イン
ク受容層26及び遮光性層46上には、保護層102及
び共通電極103が順次形成されている。
【0139】一方、ガラス基板100の内側には透明な
画素電極104とTFT(図示せず)がマトリクス上に
形成されている。液晶組成物101の外側には、配向膜
105、106が形成されている。配向膜105、10
6で囲まれる領域(セルギャップ)には、セルギャップ
の隙間を一定に保つためにスペーサ107が封入されて
いる。スペーサ107として、球状のシリカ、ポリスチ
レン等が使用されている。
【0140】この液晶パネルにバックライト光を照射
し、液晶組成物101をバックライト光の透過率を変化
させる光シャッタとして機能させることによりカラー表
示を行うことができる。
【0141】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜図1(E)は、第1実施形態にお
ける原盤の形成工程を示す図である。
【図2】図2(A)〜図2(C)は、第1実施形態にお
けるインク充填層の形成工程を示す図である。
【図3】図3(A)及び図3(B)は、第1実施形態に
おける着色インクによる着色パターン層の形成工程を示
す図である。
【図4】図4(A)〜図4(C)は、第1実施形態にお
ける保護膜形成及び補強板の取付工程を示す図である。
【図5】図5(A)及び図5(B)は、第1実施形態に
おける遮光性材料の充填による遮光性層の形成工程を示
す図である。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、第2実施形態に係
るカラーフィルタの製造方法を示す図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、第2実施形態に係
るカラーフィルタの製造方法を示す図である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、第3実施形態に係
るカラーフィルタの製造方法を示す図である。
【図9】図9(A)〜図9(D)は、第4実施形態に係
るカラーフィルタの製造方法を示す図である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、第5実施形
態に係る原盤の製造工程を示す図である。
【図11】図11(A)〜図11(C)は、第5実施形
態に係る原盤の製造工程を示す図である。
【図12】図12(A)及び図12(B)は、第6実施
形態に係る凹部を示す図である。
【図13】図13は、本発明により製造されたカラーフ
ィルタが組み込まれた液晶表示装置を示す図である。
【符号の説明】
17 凸部 20 原盤 22 基台 24 インク受容層前駆体 26 インク受容層 29 凹部 30 着色インク 36 保護膜前駆体 38 補強板 40 保護膜 42 遮光性材料 46 遮光性層

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の領域を区画する凹部を有するイン
    ク受容層を形成する第1工程と、 前記インク受容層の所定の領域に複数色の着色インクを
    吸収させる工程と、前記凹部に遮光性材料を充填する工
    程と、を含む第2工程と、 を含むカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記着色インクを吸収させる工程は、少なくとも前記凹
    部間であるカラーフィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のカラーフィ
    ルタの製造方法において、 前記第1工程では、前記凹部に対応する形状の凸部を有
    する原盤を、インク受容層前駆体に密着させて前記凹部
    を形成し、前記インク受容層前駆体を固化させて前記イ
    ンク受容層を形成するカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第2工程では、前記原盤上で前記インク受容層に前
    記着色インクを吸収させ、その後、前記インク受容層を
    前記原盤から剥離して前記凹部に前記遮光性材料を充填
    するカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第1工程では、前記インク受容層前駆体を、前記原
    盤と基台とで挟んで前記凹部を形成し、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤から剥
    離して前記凹部に前記遮光性材料を充填し、その後、前
    記インク受容層を前記基台から剥離し、前記インク受容
    層の前記凹部とは反対側面から前記着色インクを吸収さ
    せるカラーフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第1工程では、前記インク受容層前駆体を、前記原
    盤と基台とで挟んで前記凹部を形成し、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤から剥
    離して前記凹部に前記遮光性材料を充填し、前記インク
    受容層の前記凹部が形成された面から前記着色インクを
    吸収させ、その後、前記インク受容層を前記基台から剥
    離するカラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤から剥
    離して前記凹部に前記遮光性材料を充填し、前記インク
    受容層の前記凹部が形成された面から前記インク受容層
    に前記着色インクを吸収させるカラーフィルタの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤から剥
    離し、前記インク受容層の前記凹部が形成された面から
    前記インク受容層に前記着色インクを吸収させ、前記凹
    部に前記遮光性材料を充填するカラーフィルタの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項3記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記第1工程では、前記インク受容層前駆体を、前記原
    盤と基台とで挟んで前記凹部を形成し、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記原盤から剥
    離し、前記インク受容層の前記凹部が形成された面から
    前記着色インクを吸収させ、前記凹部に前記遮光性材料
    を充填し、その後、前記インク受容層を前記基台から剥
    離するカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3記載のカラーフィルタの製造
    方法において、 前記第1工程では、前記インク受容層前駆体を、前記原
    盤と基台とで挟んで前記凹部を形成し、 前記第2工程では、前記インク受容層を前記基台から剥
    離し、前記インク受容層の前記凹部が形成された面とは
    反対側面から前記着色インクを吸収させ、前記インク受
    容層を前記原盤から剥離し、その後、前記凹部に前記遮
    光性材料を充填するカラーフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記第2工程で、前記インク受容層前駆体における前記
    着色インク又は遮光性材料の少なくとも一方が充填され
    た面上に保護膜前駆体を載せて、前記保護膜前駆体を固
    化して保護膜を形成するカラーフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のカラーフィルタの製
    造方法において、 前記保護膜前駆体は、エネルギーの付与により硬化可能
    な物質であるカラーフィルタの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のカラーフィルタの製
    造方法において、 前記エネルギーは、光及び熱の少なくともいずれか一方
    であるカラーフィルタの製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載のカラーフィルタの製
    造方法において、 前記保護膜前駆体は、紫外線硬化型樹脂であるカラーフ
    ィルタの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記インク受容層に補強板を接着するカラーフィルタの
    製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項3から請求項10のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記第1工程は、基板上に所定のパターンをなすレジス
    ト層を形成し、次いで、エッチングによって前記基板上
    に前記凸部を形成して前記原盤を得る工程を含むカラー
    フィルタの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載のカラーフィルタの製
    造方法において、 前記基板は、シリコン又は石英からなるカラーフィルタ
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項3から請求項10のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記第1工程は、基台上に所定のパターンをなすレジス
    ト層を形成し、次いで、前記基台およびレジスト層を導
    体化し、さらに電気鋳造法により金属を電着させて金属
    層を形成した後、この金属層を前記基台およびレジスト
    層から剥離して前記原盤を得る工程を含むカラーフィル
    タの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項18のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記第2工程で用いるインク受容層前駆体は、エネルギ
    ーの付与により硬化可能な物質であるカラーフィルタの
    製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のカラーフィルタの製
    造方法において、 前記エネルギーは、光及び熱の少なくともいずれか一方
    であるカラーフィルタの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1から請求項20のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記インク受容層前駆体は、紫外線硬化型樹脂であるカ
    ラーフィルタの製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項1から請求項21のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記第2工程で、前記着色インク及び前記遮光性材料の
    少なくともいずれか一方をインクジェット方式によって
    充填するカラーフィルタの製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項1から請求項22のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記凹部は、底面よりも開口部の面積が大きくなるよう
    に、内側面がテーパ状に形成されているカラーフィルタ
    の製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項1から請求項22のいずれかに
    記載のカラーフィルタの製造方法において、 前記凹部は、内側面の開口端部において、テーパ状に形
    成されているカラーフィルタの製造方法。
  25. 【請求項25】 複数の領域を区画する凹部を有するイ
    ンク受容層と、前記凹部にて区画された領域に吸収され
    る着色インクと、前記凹部に充填される遮光性材料と、
    を有するカラーフィルタ。
  26. 【請求項26】 請求項25記載のカラーフィルタにお
    いて、 前記インク受容層における前記着色インク又は前記遮光
    性材料の少なくとも一方が充填された面上に保護膜を有
    するカラーフィルタ。
  27. 【請求項27】 請求項25又は請求項26記載のカラ
    ーフィルタにおいて、 前記インク受容層に補強板が接着されるカラーフィル
    タ。
  28. 【請求項28】 請求項1から請求項24のいずれかに
    記載の方法により製造されるカラーフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102385083A (zh) * 2010-09-03 2012-03-21 株式会社Lg化学 使用喷墨印刷方法制造滤色器衬底的装置和方法

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