JPH10186350A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法

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JPH10186350A
JPH10186350A JP35019896A JP35019896A JPH10186350A JP H10186350 A JPH10186350 A JP H10186350A JP 35019896 A JP35019896 A JP 35019896A JP 35019896 A JP35019896 A JP 35019896A JP H10186350 A JPH10186350 A JP H10186350A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原盤上に形成されたインク充填用凹部に、予め
設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成
し、次いで、着色パターン層が形成された原盤上に光透
過性を有する樹脂層を形成した後、着色パターン層およ
び樹脂層を一体的に原盤から剥離することによりカラー
フィルタを製造する方法において、原盤から剥離する際
の着色パターン層の欠落やクラックの発生といった転写
不良の防止を目的とする。 【解決手段】原盤10上に、予め下地層11を形成して
から着色パターン層15および樹脂層16を形成し、着
色パターン層15および樹脂層16を下地層11と一体
的に原盤10から剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネル等
に用いられるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル等のカラーフィルタを製
造する方法として、染色法、顔料分散法、印刷法、電着
法などがある。
【0003】染色法は、染色用材料である水溶性高分子
材料に感光剤を添加して感光化し、これをリソグラフィ
工程でパターニングした後、染色液に浸漬し着色パター
ンを得る方法である。
【0004】例えば、まず、ガラス基板の上に遮光性部
位(一般に黒色でブラックマトリクスと称され、以下、
BMという)を形成する。そして、水溶性高分子材料に
感光剤を添加して光が当たれば溶媒に溶解しにくくなる
ようにした染色用材料を、BMの形成された基板に塗布
する。次に、マスクを通して染色用材料の一部のみを露
光し現像することで、第1のカラー領域のみ染色用材料
が残るようパターニングする。そして、この染色用材料
を染色液に浸漬して染色し、固着させることで第1の着
色層が形成される。この工程を3回繰り返すことで3色
のカラーフィルタが形成される。
【0005】この染色法で製造されたカラーフィルタ
は、透過率が高くて色が鮮やかな反面、耐光性、耐熱性
及び吸湿性において劣るという特性がある。
【0006】次に、顔料分散法は、顔料を分散した感光
性樹脂を基板に塗布し、これをパターニングすることに
より単色のパターンを得る、という工程を繰り返す方法
である。上記染色法が、染色用材料をパターニングして
から染色する方法であったのに対して、顔料分散法は、
予め着色された感光性樹脂を基板に塗布するものでる。
そして、顔料分散法にて製造されたカラーフィルタは、
耐性が高いものの透過率が多少低いというとう特性をも
っている。
【0007】さらに、上記感光性樹脂層は、少なくとも
塗布された70%以上が除去・廃棄され材料の利用効率
で大きな課題を有する。
【0008】印刷法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させ
た塗料を繰り返し印刷によって3色を塗り分け、樹脂を
熱硬化させて着色層を形成する方法である。この印刷法
は、工程が簡易であるものの、平坦性に劣るものであ
る。
【0009】電着法は、パターニングされた透明電極を
基板に設けておき、これを顔料・樹脂・電解液等の入っ
た電着塗装液に浸漬して第1色を電着させる。そして、
この工程を3回繰り返して最後に焼成する方法である。
この電着法は平坦性に優れており、ストライプパターン
のカラー配列であれば有効であるが、モザイクパターン
のようなカラー配列を形成することは困難である。
【0010】以上の製造方法のうち、印刷法は精度の点
で欠点があり、電着法はパターンが限定されるという欠
点があったので、従来、染色法及び顔料分散法が主とし
て用いられてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の染色法
及び顔料分散法は、第1色、第2色、第3色の各画素領
域を形成する際に毎回リソグラフィの工程が必要であ
り、カラーフィルターの量産性向上の大きな妨げとなっ
てきた。このように1色毎にリソグラフィ工程を繰り返
すことなく画素を形成する方法として、特開昭59−7
5205号公報、特開昭61−245106号公報等を
初めとした、インクジェット方式によるカラーフィルタ
の製造方法が多数開示されている。インクジェット方式
により画素を形成することで、材料の使用効率の向上や
工程の短縮を図り、さらには、高精彩のカラーフィルタ
を得ようとするものである。
【0012】このようなインクジェット方式を用いたカ
ラーフィルタの製造方法の一つとして、原盤上に形成さ
れた所定配列の複数のインク充填用凹部に、予め設定さ
れた色のインクを充填して着色パターン層を形成し、次
いで、この着色パターン層が形成された原盤上に光透過
性を有する樹脂層を形成した後、着色パターン層と樹脂
層を一体的に原盤から剥離することによりカラーフィル
タを製造する方法が発案されている。
【0013】このカラーフィルタの製造方法は、要する
に、原盤を型として着色パターン層を形成することで着
色パターン層の形状を制御し、高精彩のカラーフィルタ
を得ようとするものである。
【0014】しかしながら、このカラーフィルタの製造
方法によれば、3色の着色パターン層および樹脂層の計
4種類の異なる物質が原盤から剥離されることになり、
各物質の原盤との密着生が異なると、剥離の際に原盤か
ら均一に離型せず、着色パターンの欠落やクラックの発
生といった転写不良の問題を有する。
【0015】そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは、転写不良のないカ
ラーフィルタの製造方法を提供するところにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカラーフィ
ルタの製造方法は、所定配列の複数のインク充填用凹部
を有する原盤を製造する第1工程と、それぞれのインク
充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着
色パターン層を形成する第2工程と、前述の着色パター
ン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有
する樹脂層を形成する第3工程と、前述の樹脂層を固化
後に、前述の着色パターン層と一体的に前述の原盤から
剥離する第4工程と、を含むカラーフィルタの製造方法
であって、前述の第2工程において、前述の原盤上に下
地層を形成してから前述のインク充填用凹部にインクを
充填して着色パターンを形成し、前述の第4工程におい
て、前述の下地層を前述の着色パターン層および樹脂層
と一体的に前述の原盤から剥離することを特徴とする。
【0017】本発明は、要するに、着色パターン層およ
び樹脂層と原盤との間に下地層を設けて、原盤との剥離
界面を下地層のみで形成し、この下地層と原盤との密着
性を制御することで、着色パターン層の原盤からの剥離
を容易にしようとするものである。したがって、剥離の
際の転写不良による不良品の発生を防止することが容易
となる。そして、各色インク材料への要求性能として原
盤からの離型性に関する制約がなくなり、各色インク材
料の設計、選定の自由度が増す。
【0018】また、本発明の製造方法により得られたカ
ラーフィルタでは、前述の下地層が着色パターン層のオ
ーバーコート層(保護膜)として兼用できるため、オー
バーコート層を形成する工程が不要となる。
【0019】次に、前述の下地層を形成する物質は、エ
ネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ま
しい。こうすることで、下地層は強固なものとなり、第
4工程での剥離の際の下地層の欠落やクラックの発生の
防止に効果がある。エネルギーの具体的な例としては、
光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであること
が好ましい。この場合、様々な市販の樹脂や感光剤、硬
化剤を配合した物質を利用することができ、また、汎用
の露光装置やホットプレート、ベイク炉等を生産設備と
して利用できる。樹脂としては、具体的には、アクリル
系樹脂、エポキシ系樹脂が好適に用いられる。
【0020】また、前述の下地層を形成する物質は、離
型剤が添加されていることが好ましい。こうすること
で、原盤からの剥離を良好に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照にして説明する。
【0022】図2は、本発明の実施形態における原盤を
製造する工程の一例を示す図である。
【0023】具体的には、以下の方法により行う。
【0024】まず、図2(a)に示すように、基板18
上にレジスト層19を形成する。
【0025】基板18は、表面をエッチングして原盤と
するとするためのもので、ここではシリコンウェーハが
用いられる。シリコンウェーハをエッチングする技術
は、半導体デバイスの製造技術において確立されてお
り、高精度なエッチングが可能である。なお、基板18
は、エッチング可能な材料であれば、シリコンウェーハ
に限定されるものではなく、例えば、ガラス、石英、樹
脂、金属、セラミックなどの基板あるいはフィルム等が
利用できる。
【0026】レジスト19を形成する物質としては、例
えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられて
いる、クレゾールノボラック系樹脂に感光剤としてジア
ゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジス
トをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジストと
は、所定のパターンに応じて放射線に暴露することによ
り、放射線によって暴露された領域が現像液により選択
的に除去可能となる物質のことである。
【0027】レジスト層19を形成する方法としては、
スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、
ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが
可能である。
【0028】次に、図2(b)に示したように、マスク
20をレジスト層19の上に配置し、マスク20を介し
てレジスト層19の所定領域のみを放射線21によって
暴露する。マスク20は、図2(e)に示すインク充填
用凹部12の形成領域に対応した領域においてのみ、放
射線21が透過するようにパターン形成されたものであ
る。また、インク充填用凹部12は、製造しようとする
カラーフィルタ各色の形状および配列に応じて形成され
るもので、例えば、10型のVGA仕様の液晶パネルで
は、約100μmピッチで、640×480×3(色)
で90万画素、つまり約90万個のインク充填用凹部1
2が形成される。
【0029】そして、レジスト層19を放射線21によ
って暴露した後に現像処理を行うと、図2(c)に示す
ように、インク充填用凹部12の形成領域に対応したレ
ジスト層19、すなわち、放射線の暴露領域22のレジ
スト層19のみが選択的に除去されて基板18が露出
し、それ以外の領域はレジスト層19により覆われたま
まの状態となる。
【0030】こうしてレジスト層19がパターン化され
ると、図2(d)に示すように、このレジスト層19を
マスクとして基板18を所定の深さエッチングする。
【0031】エッチングの方法としてはウエット方式ま
たはドライ方式があるが、基板18の材質に合わせて、
エッチング断面形状、エッチングレート等の観点から最
適な方式および条件を選べばよい。制御性の点からいう
とドライ方式の方が優れており、例えば、平行平板型リ
アクティブエッチング(RIE)方式、誘導結合型(I
CP)方式、エレクトロンサイクロトロン共鳴(EC
R)方式、ヘリコン波励起方式、マグネトロン方式、プ
ラズマエッチング方式、イオンビームエッチング方式等
の装置が利用でき、エッチングガス種、ガス流量、ガス
圧、バイアス電圧等の条件を変更することにより、イン
ク充填用凹部13を矩形に加工したり、テーパーを付け
たり、面を粗らしたりと、所望の形状にエッチングする
ことができる。
【0032】次に、エッチングが完了後に、図2(e)
に示すように、レジスト層19を除去すると、インク充
填用凹部12を有する基板18が得られ、これを原盤1
0とする。
【0033】上述の実施形態では、基板18上にインク
充填用凹部12を形成するに際し、ポジ型のレジストを
用いたが、放射線に暴露された領域が現像液に対して不
溶化し、放射線に暴露されていない領域が現像液により
選択的に除去可能となるネガ型のレジストを用いても良
く、この場合には、上述のマスクとはパターンが反転し
たマスクが用いられる。あるいは、マスクを使用せず
に、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストを暴
露しても良い。
【0034】こうして、インク充填用凹部12を有する
原盤10が得られた後の工程を図1に示す。
【0035】まず、図1(a)に示すように、原盤10
上に下地層11を形成する。
【0036】下地層11を形成する物質としては、この
後の工程で形成される着色パターン層15および樹脂層
16との密着性が良好であり、かつ、着色パターン層1
5の色特性を損なわない程度の光透過性を有するもので
あれば特に限定されるものではなく、種々の樹脂、シリ
コン系、ガラス系、金属系、セラミック系の材料が利用
できるが、エネルギーの付与により硬化可能な物質であ
ることが好ましい。エネルギーの具体的な例としては、
光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであること
が好ましい。この場合、光、熱あるいは光および熱の双
方により硬化可能な成分を含有することが必須であり、
様々な市販の樹脂や感光剤、硬化剤を利用することがで
きる。具体的には、紫外線硬化型のアクリル系樹脂や熱
硬化型のエポキシ系樹脂等が好適に用いられる。
【0037】紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本組成
の一例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノ
マー、光重合開始剤があげられる。
【0038】プレポリマーまたはオリゴマーとしては、
例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレー
ト類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアク
リレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のア
クリレート類、エポキシメタアクリレート類、ウレタン
メタアクリレート類、ポリエステルメタアクリレート
類、ポリエーテルメタアクリレート類等のメタアクリレ
ート類等が利用できる。
【0039】モノマーとしては、例えば、2−エチルヘ
キシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタアクリレート、N−ビニル−2−ピロリ
ドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシク
ロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールア
クリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレー
ト等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリ
レート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モ
ノマーが利用できる。
【0040】光重合開始剤としては、例えば、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イ
ソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−
ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、
p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−t
ert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジ
クロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化
アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエ
チル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベン
ジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等の
ベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン
−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシ
ム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサ
ントン等のキサントン類、ベンゾインエーテル、イソブ
チルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル類、ミ
ヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発
生化合物が利用できる。
【0041】なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害
を防止する目的でアミン類等の化合物を添加したり、溶
剤成分を添加してもよい。溶剤成分としては、特に限定
されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤、例え
ば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、メトキシメチルプロピオネート、エトキシエチルプ
ロピオネート、エチルラクテート、エチルピルビネー
ト、メチルアミルケトン等が利用可能である。
【0042】上述した紫外線硬化型のアクリル系樹脂を
用いて下地層11を形成する方法としては、例えば、ス
ピンコート法を用いることが可能である。
【0043】まず、スピナーにより下地層11の形成用
材料を原盤10上に塗布する。下地層11の形成用材料
に溶剤が含まれる場合は、下地層11の形成用材料を塗
布後にオーブンあるいはベイク炉等により熱処理を行っ
て溶剤を揮発させる。この場合、下地層11は溶剤を除
去すると収縮するため、収縮後の厚みで必要な厚みが確
保できだけの量を塗布することが必要である。
【0044】下地層11の厚みは、薄いと、図1(d)
に示す原盤10からの剥離の際に、下地層11にクラッ
クや部分的な欠落が発生しやすくなるため厚い方が好ま
しい。一方、下地層11の膜厚が厚いと、その分だけイ
ンク充填用凹部12を深くしなければならなかったり、
インク充填用凹部12、すなわち、着色パターン層15
の形状の劣化の原因となるため、薄い方が好ましい。下
地層11の厚みの範囲としては、例えば、着色パターン
層15の厚みが1μm必要で、インク充填層の深さを3
μmとした場合、好ましくは0.01〜1μmである。
【0045】そして、原盤10上に塗布された下地層1
1の形成用材料に紫外線を照射して硬化させると、下地
層11が形成される。
【0046】なお、下地層11の形成用材料の成分によ
っては、熱処理を併用することにより硬化が促進され、
強度の向上や硬化処理時間の短縮の効果が見込まれる場
合は、熱処理を併用することが好ましい。
【0047】また、下地層11の形成用材料として熱硬
化型のエポキシ系樹脂も好適に用いられる。熱硬化型の
エポキシ系樹脂の基本組成の一例としては、主剤と硬化
剤があげられる。
【0048】主剤としては、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族環状エポ
キシ樹脂等が利用できる。
【0049】硬化剤としては、イミダゾール、2−メチ
ルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダ
ゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−エチル4(5)−メチルイミダゾール、メンタ
ンジアミン、N−アミノメチルピペラジン、N−メチル
モルホリン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホ
ロンジアミン等が利用できる。
【0050】こうして、原盤10上に下地層11が形成
されると、次に、インク充填用凹部12に着色インクを
充填して着色パターン層15を形成する。インク充填用
凹部12への着色インクの充填方法としては、特に限定
されるものではないが、インクジェット方式が好適であ
る。インクジェット方式によれば、インクジェットプリ
ンタ用に実用化された技術を応用することで、高速かつ
経済的にインクを充填することが可能である。
【0051】図1(b)に示すように、下地層11が形
成された原盤10上のインク充填用凹部12に対向させ
てインクジェットヘッド13を配置し、このヘッド13
により着色インク14を各インク充填用凹部12に充填
する。
【0052】ヘッド13は、例えばインクジェットプリ
ンタ用に実用化されたもので、圧電素子を用いたピエゾ
ジェットタイプ、あるいはエネルギー発生素子として電
気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ等が使用可能
であり、着色面積および着色パターンは任意に設定する
ことが可能である。
【0053】例えば、このヘッド13を、駆動周波数1
4.4kHz(1秒間に14400回の吐出)で、イン
クを吐出する吐出口を赤インクR、緑インクG、青イン
クB用に各色20個ずつ配列し、一つのインク充填用凹
部12にインクを3滴ずつ吐出するとすれば、約90万
画素の10型VGA仕様のカラーフィルター用のインク
充填用凹部12にインクを充填するのに要する時間は、 90万×3滴/(14400回×20個×3色)=約3
秒 となる。ここで、ヘッド13がインク充填用凹部12間
を移動する時間を考慮しても、2〜3分程度で基板にイ
ンクを充填することができる。
【0054】なお、顔料分散法によれば、フォトリソグ
ラフィ法による1色毎の形成時間が最低でも30分はか
かるため、1枚のカラーフィルター基板においてR、
G、B、3色で約90分以上のの時間が最低でも必要と
なる。これと比較すると、本実施の形態では、インクの
充填に2〜3分、その後の樹脂塗布から剥離までの工程
で5〜10分程度の時間で形成可能であり、従来と比べ
て短時間でカラーフィルタが形成できる。
【0055】図1(b)では、ヘッド13によって、例
えば、R、G、B各色インク14をインク充填用凹部1
2に吐出して、着色パターン層15を形成する様子を示
してある。これらに用いるインク14は、色材を含有す
るエネルギー付与により硬化可能な物質を含むものでも
よい。
【0056】このような成分としては、各色の色材の色
特性に影響を与えず、インク中で凝固等の問題を起こす
ものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、
光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれ
かにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。
具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市
販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適
に用いられる。
【0057】そして、全てのインク充填用凹部12にイ
ンクを充填する。インクに溶剤成分を含むものは、熱処
理を行ってインクの溶剤を揮発させる。この熱処理の条
件は、インクに含まれる溶剤成分の沸点等を考慮して決
定される。インクに用いる溶剤成分としては、特に限定
されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤が使用
可能であるが、インク使用中に溶剤が揮発することによ
り、ヘッド13のインク吐出口やインク流路においてイ
ンクが固化して詰まってしまう。そのため、インクに用
いる溶剤は高沸点のものが好ましい。しかし、一方で
は、溶剤除去の際の妨げにならないよう、高沸点のもの
は好ましくない。溶剤の沸点の範囲としては、好ましく
は80〜200℃である。この場合の熱処理条件は、5
0〜200℃で、ホットプレートを用いた場合は2〜1
0分、ベイク炉を用いた場合は20〜30分程度行うこ
とが好ましい。
【0058】また、着色パターン層15は、溶剤を除去
すると収縮するが、収縮後の厚みで必要なカラー濃度が
確保できるだけのインク量を充填しておくことが必要で
ある。
【0059】次に、図1(c)に示すように、着色パタ
ーン層15が形成された原盤10上に樹脂層16を形成
し、さらにその上に、必要に応じて、補強のためのガラ
ス基板17を載せる。なお、用途によっては、ガラス基
板17の代わりにフィルムを基板として用いてもよい。
こうすれば、カラーフィルタの強度を向上させることが
できる。
【0060】樹脂層16を形成する物質としては、例え
ば、エネルギーを付与することによって硬化し、硬化後
にその樹脂層16が光透過性を有するものであることが
必要である。このような成分としては、例えば、光硬化
あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかによ
り硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的
には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で
様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用い
られる。
【0061】このようなエネルギー付与による硬化性を
有する樹脂を、着色パターン層15が形成された原盤1
0上に塗布して樹脂層16を形成する。そして、補強の
ためのガラス基板17を載せてエネルギーを付与し、ガ
ラス基板17に接着するように樹脂層16を硬化させ
る。
【0062】特に、着色パターン層15および樹脂層1
6の双方が同一のエネルギーにより硬化可能なように設
定した場合には、着色パターン層15を硬化させる前に
樹脂を塗布し、双方同時にエネルギーを付与して同時に
硬化させることで、強固に一体化させることが可能であ
る。
【0063】こうして、下地層11、着色パターン層1
5、樹脂層16およびガラス基板17が一体化すると、
これらを原盤10から剥離して、図1(d)に示すカラ
ーフィルタの完成品を得ることができる。
【0064】原盤10は、その後、必要に応じて洗浄等
の再生処理を施すことにより、耐久性の許す限り何度で
も繰り返し使用できる。
【0065】なお、材質によっては、原盤10と下地層
11の密着力が高くなって、下地層11が原盤10から
剥離しにくくなる場合があり、下地層11、さらには、
着色パターン層15の欠落やクラックの発生等といった
不良品発生率の増大、剥離に要する時間の延長による生
産性の低下、さらには、原盤10の耐久性の低下等の問
題が考えられる。
【0066】そこで、下地層11を形成する物質に、原
盤10との密着性が低下する作用を有する離型剤を添加
しておくことで、原盤10からの剥離を良好に行うこと
ができる。
【0067】あるいは、前述の第1工程で、原盤10の
表面の少なくとも下地層11を形成する領域に、予め離
型剤を付けておくか、あるいは、下地層11との密着性
の低い材質からなる離型層を形成しておいても同様の効
果が得られる。
【0068】離型剤を塗布する方法としては、スピンコ
ート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコ
ート法、バーコート法、ベーパー処理法等の方法を用い
ることが可能である。
【0069】離型層としては、Ni、Cr、Ti、A
l、Cu、Ag、Au、Ptのいずれか一種からなる金
属、あるいはこれら二種以上からなる合金、あるいはこ
れらのうちの少なくとも一種を含む化合物であることが
好ましい。これらの物質は、下地層11として光透過性
に優れている点で好適に用いられるアクリル系樹脂に対
する密着性が一般的に低く、スパッタリング、蒸着、C
VDといった真空成膜法を用いることにより制御性良く
成膜できる。なお、このような離型層の厚みは、数十〜
数千Å程で良い。
【0070】以上に述べたカラーフィルタの製造方法に
よれば、原盤10から剥離の際に、着色パターン層15
の欠落やクラックの発生といった転写不良を防止するこ
とができる。また、下地層11をオーバーコート層とす
ることでオーバーコートを形成する工程が不要となる。
【0071】さらに、必要に応じて下地層11上に透明
電極及び配向膜を付けて、アレイに装着することにな
る。
【0072】
【発明の効果】本発明のカラーフィルタの製造方法によ
れば、原盤から剥離の際に、着色パターン層の欠落やク
ラックの発生といった転写不良を防止することができ
る。また、下地層をオーバーコート層とすることでオー
バーコートを形成する工程が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における原盤が得られた後
の工程を示す図。
【図2】本発明の実施形態における原盤を製造する工程
を示す図。
【符号の説明】
10 原盤 11 下地層 12 インク充填用凹部 13 インクジェットヘッド 14 インク 15 着色パターン層 16 樹脂層 17 補強板 18 基板 19 レジスト 20 マスク 21 放射線 22 放射線暴露領域 23 エッチャント

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定配列の複数のインク充填用凹部を有す
    る原盤を製造する第1工程と、 それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のイ
    ンクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、 前記着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布
    し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、 前記樹脂層を固化後に、前記着色パターン層と一体的に
    前記原盤から剥離する第4工程と、 を含むカラーフィルタの製造方法であって、 前記第2工程において、前記原盤上に下地層を形成して
    から前記インク充填用凹部にインクを充填して着色パタ
    ーンを形成し、 前記第4工程において、前記下地層を前記着色パターン
    層および樹脂層と一体的に前記原盤から剥離することを
    特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記下地層を形成する物質は、エネルギーの付与により
    硬化可能な物質であることを特徴とするカラーフィルタ
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記エネルギーは、光、熱あるいは光およ
    び熱の双方のいずれかであることを特徴とする請求項2
    に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のカラーフィルタの製造方
    法において、 前記下地層を形成する物質は、離型剤が添加されている
    ことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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