JP3735978B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネル等に用いられるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネル等のカラーフィルタを製造する方法として、染色法、顔料分散法、印刷法、電着法などがある。
【0003】
染色法は、染色用材料である水溶性高分子材料に感光剤を添加して感光化し、これをリソグラフィ工程でパターニングした後、染色液に浸漬し着色パターンを得る方法である。
【0004】
例えば、まず、ガラス基板の上に遮光性部位(一般に黒色でブラックマトリクスと称され、以下、BMという)を形成する。そして、水溶性高分子材料に感光剤を添加して光が当たれば溶媒に溶解しにくくなるようにした染色用材料を、BMの形成された基板に塗布する。次に、マスクを介して染色用材料の一部のみを露光し現像することで、第1のカラー領域のみ染色用材料が残るようパターニングする。そして、この染色用材料を染色液に浸漬して染色し、固着させることで第1の着色層が形成される。この工程を3回繰り返すことで3色のカラーフィルタが形成される。
【0005】
この染色法で製造されたカラーフィルタは、透過率が高くて色が鮮やかな反面、耐光性、耐熱性及び吸湿性において劣るという特性がある。
【0006】
次に、顔料分散法は、顔料を分散した感光性樹脂を基板に塗布し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る、という工程を繰り返す方法である。上記染色法が、染色用材料をパターニングしてから染色する方法であったのに対して、顔料分散法は、予め着色された感光性樹脂を基板に塗布するものでる。そして、顔料分散法にて製造されたカラーフィルタは、耐性が高いものの透過率が多少低いというとう特性をもっている。
【0007】
さらに、上記感光性樹脂層は、少なくとも塗布された70%以上が除去・廃棄され材料の利用効率で大きな課題を有する。
【0008】
印刷法は、熱硬化性樹脂に顔料を分散させた塗料を繰り返し印刷によって3色を塗り分け、樹脂を熱硬化させて着色層を形成する方法である。この印刷法は、工程が簡易であるものの、平坦性に劣るものである。
【0009】
電着法は、パターニングされた透明電極を基板に設けておき、これを顔料・樹脂・電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第1色を電着させる。そして、この工程を3回繰り返して最後に焼成する方法である。この電着法は平坦性に優れているが、ストライプパターンのカラー配列であれば有効であるが、モザイクパターンのようなカラー配列を形成することは困難である。
【0010】
以上の製造方法のうち、印刷法は精度の点で欠点があり、電着法はパターンが限定されるという欠点があったので、従来、染色法及び顔料分散法が主として用いられてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の染色法及び顔料分散法は、第1色、第2色、第3色の各画素領域を形成する際に毎回リソグラフィの工程が必要であり、カラーフィルターの量産性向上の大きな妨げとなってきた。このように1色毎にリソグラフィ工程を繰り返すことなく画素を形成する方法として、特開昭59−75205号公報、特開昭61−245106号公報等を初めとした、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法が多数開示されている。インクジェット方式により画素を形成することで、材料の使用効率を向上や工程の短縮を図り、さらには、高精彩のカラーフィルタを得ようとするものである。
【0012】
このようなインクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法の一つとして、原盤上に所定のパターンに応じて画素間仕切り部位によりインク充填用凹部を形成する第1工程と、それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、前述の着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、前述の樹脂層を固化後に、前述の着色パターン層および画素間仕切り部位と一体的に前述の原盤から剥離する第4工程と、を含むカラーフィルタの製造方法が発案されている。
【0013】
このカラーフィルタの製造方法は、要するに、画素間仕切り部位により形成されたインク充填用凹部により着色パターン層の形状を制御し、原盤によりカラーフィルタの表面形態を制御しようとするものである。
【0014】
しかしながら、上述のカラーフィルタの製造方法によれば、3色の着色パターン層および画素間仕切り部位の計4種類の異なる物質が原盤から剥離されることになり、各物質の原盤との密着性が異なると、剥離の際に原盤から均一に離型せず、パターンの欠落やクラックの発生といった転写不良が発生するという問題点を有する。
【0015】
そこで本発明はこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、転写不良のないカラーフィルタの製造方法を提供するところにある。
【0016】
本発明に係るカラーフィルタの製造方法は、原盤上に所定のパターンに応じて画素間仕切り部位によりインク充填用凹部を形成する第1工程と、それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、前記着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、前記樹脂層を固化後に、前記着色パターン層および画素間仕切り部位と一体的に前記原盤から剥離する第4工程と、を含むカラーフィルタの製造方法であって、前記第1工程において、前記原盤上に前記画素間仕切り部位を形成する前に、前記原盤上に、離型剤が添加されている下地層を形成してから前記画素間仕切り部位を形成し、前記第4工程において、前記下地層を、前記着色パターン層、画素間仕切り部位および樹脂層と一体的に前記原盤から剥離することを特徴とする。
【0017】
本発明は、要するに、着色パターン層および画素間仕切り部位と原盤との間に下地層を設けて、原盤との剥離界面を下地層のみで形成し、この下地層と原盤との密着性を制御することで、着色パターン層および画素間仕切り部位の原盤からの剥離を容易にしようとするものである。したがって、剥離の際の転写不良による不良品の発生を防止することが容易となる。そして、各色インク材料への要求性能として原盤からの離型性に関する制約がなくなり、各色インク材料の設計、選定の自由度が増す。
【0018】
また、本発明の製造方法により得られたカラーフィルタでは、前述の下地層が着色パターン層のオーバーコート層(保護膜)として兼用できるため、オーバーコート層を形成する工程が不要となる。さらには、原盤に平坦性を有するものを用いた場合には、優れた平坦性を有するカラーフィルタを得ることが可能となる。
【0019】
次に、前述の下地層を形成する物質は、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ましい。こうすることで、下地層は強固なものとなり、第4工程での剥離の際の下地層の欠落やクラックの発生の防止に効果がある。エネルギーの具体的な例としては、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることが好ましい。この場合、様々な市販の樹脂や感光剤、硬化剤を配合した物質を利用することができ、また、汎用の露光装置やホットプレート、ベイク炉等を生産設備として利用できる。樹脂としては、具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂が好適に用いられる。
【0020】
また、前述の下地層を形成する物質は、離型剤が添加されていることが好ましい。こうすることで、原盤からの剥離を良好に行うことができる。
【0021】
あるいは、前述の第1工程で、前述の原盤表面の少なくとも前述の下地層を形成する領域に、予め離型剤を付けておくか、あるいは、下地層との密着性の低い材質からなる離型層を形成しておいても同様の効果が得られる。前述の離型層は、Ni、Cr、Ti、Al、Cu、Ag、Au、Ptのいずれか一種からなる金属、あるいはこれら二種以上からなる合金、あるいはこれらのうちの少なくとも一種を含む化合物であることが好ましい。これらの物質は、下地層として好適に用いられるアクリル系樹脂に対する密着性が一般的に低く、スパッタリング、蒸着、CVDといった真空成膜法を用いることにより制御性良く成膜できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照にして説明する。
【0023】
図2は、本発明の実施形態における画素間仕切り部位12を形成する工程の一例を示す図である。
【0024】
具体的には、以下の方法により行う。
【0025】
まず、図2(a)に示すように、原盤10上に下地層11、画素間仕切り部位形成用物質からなる層19、レジスト層20を順次形成する。
【0026】
原盤10は、画素間仕切り部位および下地層11の支持体としての役目を担い、かつ、カラーフィルタの表面形態を決定するものであり、所望の表面形態に加工でき、プロセス耐性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコンウェーハ、ガラス、石英、樹脂、金属、セラミックなどの基板あるいはフィルム等が利用できる。ここでは、表面を酸化セリウム系の研磨剤を用いて平坦に研磨した後、洗浄、乾燥したガラス製原盤を用いる。
【0027】
下地層11を形成する物質としては、この後の工程で形成される着色パターン層の色特性を損なわない程度の光透過性を有し、かつ、画素間仕切り部位形成用物質および着色パターン層形成用物質との密着性が良好であるものであれば特に限定されるものではなく、種々の樹脂、シリコン系、ガラス系、金属系、セラミック系の材料が利用できるが、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることが好ましい。エネルギーの具体的な例としては、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることが好ましい。この場合、光、熱あるいは光および熱の双方により硬化可能な成分を含有することが必須であり、様々な市販の樹脂や感光剤、硬化剤を利用することができる。具体的には、紫外線硬化型のアクリル系樹脂、熱硬化型のエポキシ系樹脂等が好適に用いられる。
【0028】
紫外線硬化型のアクリル系樹脂の基本組成の一例としては、プレポリマーまたはオリゴマー、モノマー、光重合開始剤があげられる。
【0029】
プレポリマーまたはオリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、ポリエーテルアクリレート類、スピロアセタール系アクリレート類等のアクリレート類、エポキシメタアクリレート類、ウレタンメタアクリレート類、ポリエステルメタアクリレート類、ポリエーテルメタアクリレート類等のメタアクリレート類等が利用できる。
【0030】
モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、カルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、1,3−ブタンジオールアクリレート等の単官能性モノマー、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート等の二官能性モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性モノマーが利用できる。
【0031】
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン等のブチルフェノン類、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、α,α−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン等のハロゲン化アセトフェノン類、ベンゾフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル類、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル等のベンゾイン類、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のオキシム類、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のキサントン類、ベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル等のベンゾインエーテル類、ミヒラーケトン、ベンジルメチルケタール等のラジカル発生化合物が利用できる。
【0032】
なお、必要に応じて、酸素による硬化阻害を防止する目的でアミン類等の化合物を添加してもよい。
【0033】
また、熱硬化型のエポキシ系樹脂の基本組成の一例としては、主剤と硬化剤があげられる。
【0034】
主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂肪族環状エポキシ樹脂等が利用できる。
【0035】
硬化剤としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル4(5)−メチルイミダゾール、メンタンジアミン、N−アミノメチルピペラジン、N−メチルモルホリン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が利用できる。
【0036】
上述した物質を用いて下地層11を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
【0037】
画素間仕切り部位形成用物質としては、パネル化した際の表面反射の点で問題にならないものであり、製造しようとするカラーフィルタの着色パターンの形状および配列に応じて加工可能なものであれば特に限定されるものではなく、種々の樹脂、シリコン系、ガラス系、金属系、セラミック系の材料が利用できる。特に、上述した下地層と同様に紫外線硬化型のアクリル系樹脂、熱硬化型のエポキシ系樹脂が好適に用いられ、下地層と同一の系の材料を用いると下地層との密着性が良好となり、プロセス流動時に下地層との界面で剥がれて不良となる問題がない。
【0038】
レジスト層20を形成する物質としては、例えば、半導体デバイス製造において一般的に用いられるクレゾールノボラック系樹脂と感光剤としてジアゾナフトキノン誘導体を配合した市販のポジ型のレジストをそのまま利用できる。ここで、ポジ型のレジストとは、所定のパターンに応じて放射線に暴露することにより、放射線によって暴露された領域が現像液により選択的に除去可能となる物質のことである。
【0039】
レジスト層20を形成する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法等の方法を用いることが可能である。
【0040】
次に、図2(b)に示したように、マスク21をレジスト層20の上に配置し、マスク21を介してレジスト層20の所定領域のみを放射線22によって暴露する。マスク21は、図2(e)に示すインク充填用凹部13の形成領域に対応した領域においてのみ、放射線22が透過するようにパターン形成されたものである。また、インク充填用凹部13は、製造しようとするカラーフィルタ各色の形状および配列に応じて形成されるもので、例えば、10型のVGA仕様の液晶パネルでは、約100μmピッチで、640×480×3(色)で90万画素、つまり約90万個のインク充填用凹部13が形成される。
【0041】
そして、レジスト層20を放射線22によって暴露した後に現像処理を行うと、図2(c)に示すように、インク充填用凹部13の形成領域に対応したレジスト層20、すなわち、放射線の暴露領域23のみが選択的に除去されて画素間仕切り部位形成用物質からなる層19が露出し、その他の領域はレジスト層20により覆われたままの状態となる。
【0042】
こうしてレジスト層20がパターン化されると、図2(d)に示すように、このレジスト層20をマスクとして画素間仕切り部位形成用物質からなる層19を所定の深さエッチングする。
【0043】
エッチングの方法としてはウエット方式またはドライ方式があるが、画素間仕切り部位を形成する物質の性状に合わせて、エッチング断面形状、エッチングレート等の観点から最適な方式および条件を選べばよい。制御性の点からいうとドライ方式の方が優れており、例えば、平行平板型リアクティブエッチング(RIE)方式、誘導結合型(ICP)方式、エレクトロンサイクロトロン共鳴(ECR)方式、ヘリコン波励起方式、マグネトロン方式、プラズマエッチング方式、イオンビームエッチング方式等の装置が利用でき、エッチングガス種、ガス流量、ガス圧、バイアス電圧等の条件を変更することにより、インク充填用凹部13を矩形に加工したり、テーパーを付けたり、面を粗らしたりと、所望の形状にエッチングすることができる。
【0044】
次に、エッチングが完了すると、図2(e)に示すように、レジスト層20を除去して画素間仕切り部位12とし、この画素間仕切り部位12よって仕切られた領域をインク充填用凹部13とする。
【0045】
上述の実施形態では、画素間仕切り部位12を形成するに際し、ポジ型のレジストを用いたが、放射線に暴露された領域が現像液に対して不溶化し、放射線に暴露されていない領域が現像液により選択的に除去可能となるネガ型のレジストを用いても良く、この場合には、上述のマスクとはパターンが反転したマスクが用いられる。あるいは、マスクを使用せずに、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストを暴露しても良い。
【0046】
また、画素間仕切り部位を形成する別の方法として、画素間仕切り部位形成用物質にレジストを用い、このレジストをパターニングして画素間仕切り部位としても良い。
【0047】
具体的には、以下の方法により行う。
【0048】
まず、図3(a)に示すように、原盤10上に下地層11、レジスト層25を順次形成する。
【0049】
原盤10および下地層11は、上述した実施形態における図2のものと同一のものが利用できるため省略する。
【0050】
また、レジスト層25としては、パネル化した際の表面反射の点で問題にならないものであり、製造しようとするカラーフィルタの着色パターンの形状および配列に応じた寸法を解像できるものであれば特に限定されるものではないが、アクリル系のレジストが好適に用いられる。アクリル系のレジストでは、市販の樹脂や化合物、感光剤、硬化剤を用いて、半導体デバイス製造において一般的に用いられるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液により現像可能で、比較的解像度の高いレジストを得られやすい。ここでは、ネガ型のレジストを用いている。
【0051】
次に、図3(b)に示したように、マスク26をレジスト層25の上に配置し、マスク26を介してレジスト層25の所定領域のみを放射線22によって暴露する。マスク26は、図3(c)に示す画素間仕切り部位12の形成領域に対応した領域においてのみ、放射線22が透過するようにパターン形成されたものであり、上述の図2(b)で用いたものとはパターンが反転した関係にある。
【0052】
そして、図3(c)に示したように、放射線22によって暴露した後、現像処理を施すことによって放射線22の暴露領域23を除く領域を現像処理によって除去して、画素間仕切り部位12とし、この画素間仕切り部位12よって仕切られた領域をインク充填用凹部13とする。
【0053】
図3に示した方法では、画素間仕切り部位12を形成するに際し、ネガ型のレジストを用いたが、ポジ型のレジストを用いても良く、この場合には、上述のマスク26とはパターンが反転したマスクが用いられる。あるいは、上述の図2に示した方法と同様に、マスクを使用せずに、レーザ光あるいは電子線によって直接レジストを暴露しても良い。
【0054】
この方法によれば、レジストを画素間仕切り部位形成物質と兼用でき、また、図2(d)に示すようなエッチングの工程も不要となるので、低コスト化に有利である。
【0055】
こうして、原盤10上に画素間仕切り部位12によりインク充填用凹部13を形成した後の工程を図1に示す。図1(a)において、原盤10上のインク充填用凹部13に対向させて、インクジェット方式によりインクを吐出するヘッド14を配置してある。
【0056】
ヘッド14は、例えばインクジェットプリンタ用に実用化されたもので、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ、あるいはエネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積および着色パターンは任意に設定することが可能である。
【0057】
例えば、このヘッド14を、駆動周波数14.4kHz(1秒間に14400回の吐出)で、インクを吐出する吐出口を赤インクR、緑インクG、青インクB用に各色20個ずつ配列し、一つのインク充填用凹部13にインクを3滴ずつ吐出するとすれば、約90万画素の10型VGA仕様のカラーフィルター用のインク充填用凹部13にインクを充填するのに要する時間は、
90万×3滴/(14400回×20個×3色)=約3秒
となる。ここで、ヘッド14がインク充填用凹部13間を移動する時間を考慮しても、2〜3分程度で基板にインクを充填することができる。
【0058】
なお、顔料分散法によれば、フォトリソグラフィ法による1色毎の形成時間が最低でも30分はかかるため、一枚のカラーフィルター基板においてR、G、B、3色で約90分以上のの時間が最低でも必要となる。これと比較すると、本実施の形態では、インクの充填に2〜3分、その後の樹脂塗布から剥離までの工程で5〜10分程度の時間で形成可能であり、従来と比べて短時間でカラーフィルタが形成できる。
【0059】
図1(a)では、ヘッド14によって、例えば、R、G、B各色インク15をインク充填用凹部13に吐出して、着色パターン層16を形成する様子を示してある。これらに用いるインク15は、色材を含有するエネルギー付与により硬化可能な物質を含むものでもよい。
【0060】
このような成分としては、各色の色材の色特性に影響を与えず、インク中で凝固等の問題を起こすものでなければ特に限定されるものではなく、例えば、光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用いられる。
【0061】
そして、全てのインク充填用凹部13にインクを充填する。インクに溶剤成分を含むものは、熱処理を行ってインクの溶剤を揮発させる。この熱処理の条件は、インクに含まれる溶剤成分の沸点等を考慮して決定される。インクに用いる溶剤成分としては、特に限定されるものではなく、水あるいは種々の有機溶剤が使用可能であるが、インク使用中に溶剤が揮発することにより、ヘッド14のインク吐出口やインク流路においてインクが固化して詰まってしまう。そのため、インクに用いる溶剤は高沸点のものが好ましい。しかし、一方では、溶剤除去の際の妨げにならないよう、高沸点のものは好ましくない。溶剤の沸点の範囲としては、好ましくは80〜200℃である。この場合の熱処理条件は、50〜200℃で、ホットプレートを用いた場合は2〜10分、ベイク炉を用いた場合は20〜30分程度行うことが好ましい。
【0062】
また、着色パターン層16は、溶剤を除去すると収縮するが、収縮後の厚みで必要なカラー濃度が確保できるだけのインク量を充填しておくことが必要である。
【0063】
次に、図1(b)に示すように、着色パターン層16および画素間仕切り部位12上に樹脂層17を形成し、さらにその上にガラス基板18を載せる。
【0064】
樹脂層17を形成する物質としては、例えば、エネルギーを付与することによって硬化し、硬化後にその樹脂層17が光透過性を有するものであることが必要である。このような成分としては、例えば、光硬化あるいは熱硬化あるいは光及び熱の双方のいずれかにより硬化可能な成分を含有する樹脂があげられる。具体的には、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が、市販品で様々な感光剤、硬化剤等を利用できるため、好適に用いられる。
【0065】
このようなエネルギー硬化性を有する樹脂を、着色パターン層16および画素間仕切り部位12上に塗布して樹脂層17を形成する。そして、補強のためのガラス基板18を載せてエネルギーを付与し、ガラス基板18に接着するように樹脂層17を硬化させる。なお、用途によっては、ガラス基板18の代わりにフィルムを基板として用いてもよい。
【0066】
特に、着色パターン層16および樹脂層17の双方が同一のエネルギーにより硬化可能なように設定した場合には、着色パターン層16を硬化させる前に樹脂を塗布し、双方同時にエネルギーを付与して同時に硬化させることで、強固に一体化させることが可能である。
【0067】
また、上述したように、第3工程で、樹脂層17の上に光透過性の補強基板を載せる工程を含むようにすれば、カラーフィルタの強度を向上させることができる。
【0068】
こうして、下地層11、画素間仕切り部位12、着色パターン層16、樹脂層17およびガラス基板18が一体化すると、これらを原盤10から剥離して、図1(c)に示すカラーフィルタの完成品を得ることができる。
【0069】
原盤10は、その後、必要に応じて研磨、洗浄等の再生処理を施すことにより、耐久性の許す限り何度でも繰り返し使用できる。
【0070】
また、図4に示すように、遮光性を有する物質、例えば、クロムおよびその化合物やカーボン、黒色顔料あるいは黒色染料を含有する樹脂等により画素間仕切り部位12を形成することで、画素間仕切り部位12をBMとすることも可能である。
【0071】
なお、材質によっては、原盤10と下地層11の密着力が高くなって、下地層11が原盤10から剥離しにくくなる場合があり、下地層11、さらには、画素間仕切り部位12や着色パターン層16の欠落やクラックの発生等といった不良品発生率の増大、剥離に要する時間がかかることによる生産性の低下、さらには、原盤10の耐久性の低下等の問題が考えられる。
【0072】
そこで、下地層11を形成する物質に、原盤10との密着性が低下する作用を有する離型剤を添加しておくことで、原盤10からの剥離を良好に行うことができる。
【0073】
あるいは、前述の第1工程で、原盤10の表面の少なくとも下地層11を形成する領域に、予め離型剤を付けておくか、あるいは、図5に示すように、下地層11との密着性の低い材質からなる離型層28を形成しておいても同様の効果が得られる。
【0074】
離型剤を塗布する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法、ベーパー処理法等の方法を用いることが可能である。
【0075】
離型層28は、Ni、Cr、Ti、Al、Cu、Ag、Au、Ptのいずれか一種からなる金属、あるいはこれら二種以上からなる合金、あるいはこれらのうちの少なくとも一種を含む化合物であることが好ましい。これらの物質は、下地層11として光透過性に優れている点で好適に用いられるアクリル系樹脂に対する密着性が一般的に低く、スパッタリング、蒸着、CVDといった真空成膜法を用いることにより制御性良く成膜できる。なお、このような離型層28の厚みは、数十〜数千Å程で良い。
【0076】
以上に述べたカラーフィルタの製造方法によれば、原盤10から剥離の際に、着色パターン層16および画素間仕切り部位12の欠落やクラックの発生といった転写不良を防止することができ、原盤10に平坦性を有するものを用いた場合には平坦性に優れたカラーフィルタが得られる。また、下地層11をオーバーコート層とすることでオーバーコートを形成する工程が不要となる。
【0077】
さらに、必要に応じて下地層11上に透明電極及び配向膜を付けて、アレイに装着することになる。
【0078】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、原盤から剥離の際に、着色パターン層および画素間仕切り部位の欠落やクラックの発生といった転写不良を防止することができ、原盤に平坦性を有するものを用いた場合には平坦性に優れたカラーフィルタが得られる。また、下地層をオーバーコート層とすることでオーバーコートを形成する工程が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における下地層および画素間仕切り部位が形成された後の工程を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における原盤上に下地層および画素間仕切り部位を形成する工程を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における原盤上に下地層および画素間仕切り部位を形成する別の工程を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態における遮光性を有する画素間仕切り部位を下地層上に形成した図である。
【図5】本発明の実施の形態における離型層を形成した原盤を示す図。
【符号の説明】
10 原盤
11 下地層
12 画素間仕切り部位
13 インク充填用凹部
14 ヘッド
15 インク
16 着色パターン層
17 樹脂層
18 ガラス基板
19 画素間仕切り部位形成用物質からなる層
20 レジスト層
21 マスク
22 放射線
23 露光領域
24 エッチャント
25 画素間仕切り部位形成用レジスト層
26 マスク
27 遮光性を有する画素間仕切り部位(ブラックマトリクス)
28 離型層

Claims (6)

  1. 原盤上に所定のパターンに応じて画素間仕切り部位によりインク充填用凹部を形成する第1工程と、
    それぞれのインク充填用凹部に、予め設定された色のインクを充填して着色パターン層を形成する第2工程と、
    前記着色パターン層が形成された原盤上に樹脂を塗布し、光透過性を有する樹脂層を形成する第3工程と、
    前記樹脂層を固化後に、前記着色パターン層および画素間仕切り部位と一体的に前記原盤から剥離する第4工程と、
    を含むカラーフィルタの製造方法であって、
    前記第1工程において、前記原盤上に前記画素間仕切り部位を形成する前に、
    前記原盤上に、離型剤が添加されている下地層を形成してから前記画素間仕切り部位を形成し、
    前記第4工程において、前記下地層を、前記着色パターン層、画素間仕切り部位および樹脂層と一体的に前記原盤から剥離することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記下地層を形成する物質は、エネルギーの付与により硬化可能な物質であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記エネルギーは、光、熱あるいは光および熱の双方のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記第1工程で、前記原盤表面の少なくとも前記下地層を形成する領域に、離型剤を付けてから前記下地層を形成することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記原盤表面の少なくとも前記下地層を形成する領域に、前記下地層との密着性の低い材質からなる離型層が形成されていることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法において、
    前記離型層は、Ni、Cr、Ti、Al、Cu、Ag、Au、Ptのいずれか一種からなる金属、あるいはこれら二種以上からなる合金、あるいはこれらのうちの少なくとも一種を含む化合物からなることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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