JP2002131524A - カラーフィルタとその製造方法、液晶素子 - Google Patents

カラーフィルタとその製造方法、液晶素子

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JP2002131524A
JP2002131524A JP2000320710A JP2000320710A JP2002131524A JP 2002131524 A JP2002131524 A JP 2002131524A JP 2000320710 A JP2000320710 A JP 2000320710A JP 2000320710 A JP2000320710 A JP 2000320710A JP 2002131524 A JP2002131524 A JP 2002131524A
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Kenitsu Iwata
研逸 岩田
Junichi Sakamoto
淳一 坂本
Yoshikatsu Okada
良克 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶素子用のカラーフィルタを混色、白抜け
を防止して形成し、且つ、液晶素子を構成する際のスペ
ーサーを高精度にブラックマトリクス上に形成する。 【解決手段】 樹脂製のブラックマトリクスに撥インク
化処理を施した後、該ブラックマトリクスの開口部にイ
ンクジェット方式によりインクを付与して着色部を形成
すると同時に、ブラックマトリクス上の所定の位置にイ
ンクを付与してスペーサーを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビ、パ
ーソナルコンピューター、パチンコ遊技台等に使用され
ているカラー液晶ディスプレイに用いられるカラーフィ
ルタとその製造方法に関し、特にカラーフィルタと対向
電極基板の間隔を制御する部材(いわゆるスペーサー)
を備えたカラーフィルタに関する。また、本発明は、該
カラーフィルタを用いてなる液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴
い、液晶ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの
需要が増加する傾向にある。しかしながら、さらなる普
及のためにはコストダウンが必要であり、特にコスト的
に比率の高いカラーフィルタ関係のコストダウンに対す
る要求が高まっている。
【0003】従来のカラーフィルタの製造方法として、
染色法、顔料分散法、電着法、印刷法、等が挙げられ
る。これらの方法に共通している点は、R(赤)、G
(緑)、B(青)の3色の着色部を形成するために、同
一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるこ
とである。また、工程数が多いほど歩留りが低下すると
いう問題を有している。さらに、電着法においては、形
成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術で
はTFT型(薄膜トランジスタを用いたアクティブマト
リクス駆動方式)の液晶素子には適用困難である。ま
た、印刷法は、解像性が悪いためファインピッチのパタ
ーンの形成には不向きである。これらの欠点を補うべ
く、近年インクジェット方式を用いたカラーフィルタの
製造方法がさかんに検討されている。
【0004】インクジェット方式を用いてカラーフィル
タを作製する際のメリットとしては、R、G、Bの3色
を同時に着色するため、製造プロセスが簡略、低コスト
という点が挙げられる。しかしながら、インクジェット
方式には特有の問題として、「混色」及び「白抜け」と
いう問題がある。
【0005】「混色」は、隣接する異なる色の着色部
(画素)間においてインクが混ざり合うことにより発生
する障害である。ブラックマトリクスを隔壁として、該
ブラックマトリクスの開口部にインクを付与して着色部
を形成するカラーフィルタの製造方法においては、ブラ
ックマトリクスの開口部の容積に対して、数倍〜数十倍
の体積を有するインクを付与する必要がある。インク中
に含まれる着色剤や硬化成分等の固形分濃度が高い場
合、即ち付与するインクの体積が比較的少ない場合にお
いては、ブラックマトリクスが十分に隔壁として機能
し、該ブラックマトリクスの開口部内にインクを保持す
ることができるため、付与されたインクがブラックマト
リクスを乗り超えて、隣接する異なる色の着色部にまで
到達することはない。しかしながら、インク中の固形分
濃度が低い場合、即ち多量のインクを付与する必要があ
る場合には、隔壁となるブラックマトリクスを超えてイ
ンクが溢れてしまうため、隣接する着色部間で混色が発
生してしまう。特に、インクジェットヘッドのノズルよ
り安定して吐出可能なインクの粘度には限界があり、イ
ンク中に含有される固形分の濃度にも限界があるため、
混色を回避するための技術が必要である。
【0006】そこで、着色部と隔壁との間におけるイン
クの濡れ性の差を利用して混色を防止する方法が提案さ
れている。例えば、特開昭59−75205号公報に
は、インクが目的領域外へ広がることを防止するため、
濡れ性の悪い物質で拡散防止パターンを形成する方法が
提案されているが、具体的な技術は開示されていない。
また、特開平4−123005号公報には、具体的な手
法として、撥水、撥油作用の大きなシリコーンゴム層を
パターニングして混色防止用の仕切壁とする方法が提案
されている。さらに、特開平5−241011号公報や
特開平5−241012号公報においても同様に、遮光
層となるブラックマトリクス上にシリコーンゴム層を形
成し、混色防止用の隔壁として用いる手法が開示されて
いる。
【0007】これらの方法によれば、隔壁の高さをはる
かに超える量のインクを付与した場合においても、隔壁
の表面層が撥インク性を示すためにインクがはじかれ、
隔壁を超えて隣接する着色部にまで及ぶことがなく、有
効に混色を防止することができる。
【0008】また、フッ素化合物を用いて撥インク性を
得る方法も提案されている。例えば、特開2000−3
5511号公報には、遮光部上にポジ型のレジストパタ
ーンを形成し、さらに該パターン上に撥インク化処理剤
を塗布する方法が開示されており、撥インク化処理剤と
しては、フッ素化合物を用いることが開示されている。
しかしながら、この方法の場合、遮光部上に設けられた
ポジ型レジストパターンを着色部形成後に除去する必要
があるが、レジストパターンを除去する際に画素の溶
解、剥離、膨潤といった問題を生じる場合がある。さら
に、上述した手法はいずれも塗布−露光−現像のフォト
リソグラフィ工程を複数回実施する必要があることか
ら、プロセスの複雑化、コストアップ、ひいては歩留ま
り低下を招くという問題がある。
【0009】また、「白抜け」は、吐出されたインクが
隔壁によって囲まれた領域内において十分に濡れ拡がら
ないために発生する不良であり、ムラ、コントラスト低
下、白色輝点といった表示不良の原因となる。
【0010】白抜けは、複雑なコーナー部位や開口部幅
が狭小な部位ではインクが濡れ拡がりにくいため、ま
た、隔壁近傍部においてインク厚みが薄くなるため発生
する問題である。TFT型液晶パネル用カラーフィルタ
では、TFT素子の誤作動を防ぐために外光から保護す
る目的と、尚且つ開口率の向上という目的から開口形状
が複雑な形状となっており、白抜け問題が発生しやす
い。
【0011】通常、隔壁の形成にはフォトレジストを用
いており、インク付与部にはフォトレジストに含有され
る種々の成分が付着残留している場合があり、この付着
残留物がインクの濡れ拡がりを妨げる場合がある。ま
た、隔壁自体に対しては撥インク性が求められており、
撥インク性を付与する処理により、インク付与部におけ
る十分な濡れ拡がり性を得る事ができずに、白抜けが発
生する場合がある。
【0012】例えば、特開平11−329741号公報
には、隔壁をインクに対して親和性を有する下層と、非
親和性を有する上層の多層構造とし、上層をインクに対
して非親和性とする手法として、フッ素化合物を含むガ
スによりプラズマ処理する方法が開示されている。しか
し、多層化するといった点から、フォトリソ工程を複数
回実施しなくてはならず、プロセスの複雑化、コストア
ップにつながるという問題がある。
【0013】以上の混色及び白抜けを解決する方法とし
て、樹脂ブラックマトリクス基板に対して、酸素ガスに
よるプラズマ処理を行うことにより、インク付与部のレ
ジスト残渣、ケミカルコンタミなどを除去し、親インク
化処理を行った後、フッ素化合物ガスによるプラズマ処
理を行うことによって、隔壁部のみを撥インク化する方
法がある。この方法によれば、インクジェット方式の問
題点である混色、白抜けを防止することが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、カラーフ
ィルタの製造方法に関しては、コストダウンを達成する
方法が開発されているが、カラーフィルタ側基板と対向
側基板との間隔を制御するスペーサーの形成に関しては
コストダウンが十分には達成されていない。スペーサー
の形成方法としては、アルミナ粉末、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー、プラスチックビーズ等を表示面内に直
接散布する方法が一般的であるが、この方法では画素上
に存在するスペーサーが光の散乱等を引き起こして液晶
素子の表示品位を低下させてしまうという問題点があ
る。
【0015】上記問題点を解決する方法として、カラー
フィルタ形成後、スペーサー用レジスト樹脂を使用して
フォトリソプロセスによりブラックマトリクス上にスペ
ーサーをパターン形成する製造方法が提案されている。
しかしながら、この方法は前述の様な表示品位の低下を
招くという問題点は解決するが、レジスト塗布→乾燥→
露光→現像→リンス→焼成という一連のフォトリソプロ
セスを通すため低コスト化という問題点は解決されてい
ない。
【0016】この点を鑑みてさらなる簡易な方法とし
て、顔料分散法でR、G、Bの画素を形成する際にブラ
ックマトリクス上の一部にも着色層を残すことにより3
原色からなる積層スペーサーを形成する方法が提案され
ている。しかしながら、この方法は低コスト化には有効
であるが、ガラス部分と樹脂ブラックマトリクス部分で
は膜厚が2μm前後異なるため、ブラックマトリクス上
での膜厚の均一性が悪く、さらにスペーサーとしての膜
厚を稼ぐためには3原色を積層させる必要があり、R、
G、B各着色部の位置合わせ精度として現在の顔料分散
よりも高いものが要求される。
【0017】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
簡単な方法で混色及び白抜けを防止したスペーサー付き
カラーフィルタの製造方法を提供し、信頼性の高いカラ
ーフィルタを提供すると同時に、該カラーフィルタを用
いてカラー表示に優れた液晶素子をより安価に提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、透明基
板上に複数の着色部と、隣接する着色部間に位置する隔
壁とを少なくとも有するカラーフィルタの製造方法であ
って、透明基板上に樹脂組成物からなる隔壁を形成する
工程と、上記隔壁を形成した透明基板に撥インク化処理
を施す工程と、インクジェット方式により隔壁に囲まれ
た領域にインクを付与して着色部を形成する工程と、イ
ンクジェット方式により隔壁上にインクを付与してスペ
ーサーを形成する工程と、を少なくとも有することを特
徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0019】上記本発明の第一は、下記の構成を好まし
い態様として含むものである。上記撥インク化処理が、
少なくともフッ素原子を含有するガス雰囲気下で上記透
明基板にプラズマ照射するプラズマ処理である。上記プ
ラズマ処理工程で導入するガスが、CF4、SF6、CH
3、C26、C38、C58から選択される少なくと
も1種のハロゲンガスである。上記プラズマ処理工程で
導入するガスが、CF4、SF6、CHF3、C26、C3
8、C58から選択される少なくとも1種のハロゲン
ガスとO2ガスとの混合ガスであり、O2の混合比率が3
0%以下である。上記撥インク化処理工程に先立って、
隔壁の形成された透明基板に親インク化処理を施す。上
記親インク化処理が、酸素、アルゴン、ヘリウムから選
択される少なくとも1種のガス雰囲気下で、上記透明基
板にプラズマ照射するドライエッチング処理である。上
記隔壁をカーボンブラックを含む樹脂組成物で形成す
る。上記隔壁を形成する工程において、後工程でスペー
サーを形成する部位に開口部を形成する。上記着色部を
形成するインクが少なくとも着色剤、硬化成分、水、有
機溶剤を含有する。上記スペーサーを形成するインクが
少なくとも硬化成分、水、有機溶剤を含有する。
【0020】本発明の第二は、透明基板上に複数の着色
部と、隣接する着色部間に位置する隔壁と、該隔壁上に
形成されたスペーサーを少なくとも有し、上記本発明の
カラーフィルタの製造方法により製造されたことを特徴
とするカラーフィルタである。
【0021】上記本発明の第二は、下記の構成を好まし
い態様として含むものである。上記隔壁が遮光層であ
る。上記着色部上に保護層を有する。表面に透明導電膜
を有する。
【0022】本発明の第三は、一対の基板間に液晶を挟
持してなり、一方の基板が上記本発明のカラーフィルタ
を用いて構成されたことを特徴とする液晶素子である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、樹脂製の隔壁を形成し
た後に、該隔壁に撥インク化処理を施し、該隔壁の開口
部にインクジェット方式でインクを付与して着色部を形
成し、同様に該隔壁上にもインクを付与してスペーサー
を形成することに特徴を有する。本発明においては、上
記したように隔壁に撥インク化処理が施されているた
め、混色が防止されると同時に、隔壁上に付与したイン
クが該隔壁表面の撥インク性によって水平方向への拡が
りを制限されるため、所望の位置に十分な高さのスペー
サーを形成することができる。また、上記撥インク化処
理に先立って親インク化処理を施しておくことによっ
て、隔壁の開口部内においてインクが良好に拡がり、白
抜けも防止される。
【0024】以下に、図面を参照して本発明の光学素子
の製造方法について説明する。
【0025】図1、図2は本発明の光学素子の製造方法
を模式的に示す工程図である。以下に各工程について説
明する。尚、以下の工程(a)〜(g)は図1、図2の
(a)〜(g)に対応する。また、図1、図2の各工程
において紙面左側の(a−1)〜(g−1)は上方より
見た平面模式図、紙面右側の(a−2)〜(g−2)は
(a−1)〜(g−1)のA−B断面模式図である。図
中、1は透明基板、2は樹脂組成物層、3は隔壁、4は
隔壁3の開口部、5はインク、6は着色部、7はスペー
サーである。
【0026】工程(a) 透明基板1を用意する。本発明においては、透明基板1
として一般にガラス基板が用いられるが、液晶素子用カ
ラーフィルタとしての透明性、機械的強度等の必要特性
を有するものであればガラス基板に限定されるものでは
ない。
【0027】透明基板1の表面に対しては、プラズマ処
理、UV処理、カップリング処理等の表面処理を施して
も良い。
【0028】工程(b) 透明基板1上に隔壁3を形成するための樹脂組成物層2
を形成する。隔壁3としては、隣接する着色部間を遮光
する遮光層を兼ねるのが好ましく、該遮光層としては、
図1に示したブラックマトリクス、或いはブラックスト
ライプとすることもできる。
【0029】本発明において、隔壁3を形成するために
用いられる樹脂組成物としては、エポキシ系樹脂、アク
リル系樹脂、ポリアミドイミドを含むポリイミド系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニル
系樹脂などの感光性または非感光性の樹脂材料が挙げら
れるが、250℃以上の耐熱性を有することが好まし
く、その点から、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポ
リイミド系樹脂が好ましく用いられる。
【0030】また、かかる隔壁3を遮光層とする場合に
は、上記樹脂組成物中に、遮光剤を分散せしめた黒色樹
脂組成物を用いて樹脂組成物層2を形成する。該遮光剤
としては、後述するように、隔壁3の高い撥インク性を
得る上でカーボンブラックを用いることが望ましく、該
カーボンブラックとしては、チャネルブラック、ローラ
ーブラック、ディスクブラックと呼ばれているコンタク
ト法で製造されたもの、ガスファーネストブラック、オ
イルファーネストブラックと呼ばれているファーネスト
法で製造されたもの、サーマルブラック、アセチレンブ
ラックと呼ばれているサーマル法で製造されたものなど
を用いることができるが、特に、チャネルブラック、ガ
スファーネストブラック、オイルファーネストブラック
が好ましい。さらに必要に応じて、R、G、Bの顔料の
混合物などを加えても良い。また、一般に市販されてい
る黒色レジストを用いることもできる。必要に応じて高
抵抗化した遮光層を用いても良い。
【0031】樹脂組成物層2は、樹脂組成物が液体であ
る場合には、スピンコート、スリットコート、スプレー
コート等の塗布方法の中から単独あるいは組み合わせて
使えば良い。塗布後、必要に応じて加熱乾燥、減圧乾燥
等で溶剤除去を行う。また、樹脂組成物が転写シート上
に積層されている構造を有する転写体であった場合、透
明基板1上に転写体を密着させて樹脂組成物層2を透明
基板1側に転写させれば良い。
【0032】工程(c) 樹脂組成物層2として感光性材料を用いた場合には、フ
ォトリソグラフィ等によりパターニングすることで複数
の開口部4を有する隔壁3を形成する。また、非感光性
材料を用いる場合には、フォトレジストをマスクにし
て、ウェット或いはドライエッチングにより、もしくは
リフトオフによりパターニングして形成しても良い。隔
壁パターン形成後は加熱処理により、硬化反応を終了さ
せる。加熱処理の方法としては、温風循環式オーブン、
ホットプレート等を適宜使用する。
【0033】工程(d) 本発明においては、後工程の撥インク化処理に先立っ
て、親インク化処理を施すことが望ましい。
【0034】かかる親インク化処理の方法としては、酸
素、アルゴン、ヘリウムのうちから選択される少なくと
も1種を含むガスを導入し、減圧雰囲気下或いは大気圧
雰囲気下で支持基板1にプラズマ照射を行なう減圧プラ
ズマ処理や大気圧プラズマ処理を行なうドライエッチン
グ処理が好ましい。
【0035】当該ドライエッチング処理を行なうことに
よって、隔壁3の形成工程において支持基板1表面に付
着した汚染物を除去し、該表面を清浄化して後工程にお
けるインク5に対する親インク性を向上し、開口部4内
でインク5を良好に拡散させることができるようにな
る。さらに、当該ドライエッチング処理によって、隔壁
3表面が粗面化され、撥インク性が向上する。
【0036】工程(e) 隔壁3を形成した支持基板1に撥インク化処理を施す。
該撥インク化処理は、前記工程(d)の親インク化処理
を行う場合には、該親インク化処理の後に行う。該撥イ
ンク化処理としては、少なくともフッ素原子を含有する
ガス雰囲気下でプラズマ照射するプラズマ処理が好まし
い。当該プラズマ処理により、導入ガス中のフッ素また
はフッ素化合物が隔壁3表層に入り込み、隔壁3表層の
撥インク性が増大する。
【0037】特に、隔壁3をカーボンブラックを含む樹
脂組成物で構成した場合には、非常に高い撥インク性が
発現する。その理由としては、先の工程(d)において
ドライエッチング処理を行った場合には、該処理によっ
て隔壁3表面にカーボンブラックが露出し、本工程のプ
ラズマ処理によってフッ素またはフッ素化合物が該カー
ボンブラックと結合するためと考えられる。よって、本
発明においては、隔壁3にカーボンブラックを含ませて
おくことが望ましい。
【0038】本工程において導入する、少なくともフッ
素原子を含有するガスとしては、CF4、CHF3、C2
6、SF6、C38、C58から選択されるハロゲンガ
スを1種以上用いることが好ましい。特に、C58(オ
クタフルオロシクロペンテン)は、オゾン破壊能が0で
あると同時に、大気寿命が従来のガスに比べて(C
4:5万年、C48:3200年)0.98年と非常
に短い。従って、地球温暖化係数が90(CO2=2と
した100年積算値)と、従来のガスに比べて(C
4:6500、C48:8700)非常に小さく、オ
ゾン層や地球環境保護に極めて有効であり、本発明で使
用する上で望ましい。
【0039】さらに、導入ガスとしては、必要に応じて
酸素、アルゴン、ヘリウム等のガスを併用しても良い。
本発明においては、上記CF4、CHF3、C26、SF
6、C38、C58から選択されるハロゲンガスを1種
以上とO2との混合ガスを用いると、本工程による撥イ
ンク性の程度を制御することが可能になる。但し、当該
混合ガスにおいて、O2の混合比率が30%を超えると
2による酸化反応が支配的になり、撥インク性向上効
果が妨げられるため、また、O2混合比率が30%を超
えると樹脂に対するダメージが顕著になるため、当該混
合ガスを用いる場合にはO2の混合比率が30%以下の
範囲で使用する必要がある。
【0040】本工程及び先のドライエッチング処理工程
におけるプラズマの発生方法としては、低周波放電、高
周波放電、マイクロ波放電等の方式を用いることがで
き、プラズマ照射の際の圧力、ガス流量、放電周波数、
処理時間等の条件は、任意に設定することができる。
【0041】工程(f) 次いで、インクジェット記録装置を用いて、インクジェ
ットヘッド(不図示)よりR、G、Bの各インク5を隔
壁3に囲まれた開口部4内及び隔壁3上のスペーサーを
形成する位置に付与する。着色部6を形成するために開
口部4にインク5を付与する工程と、スペーサー7を形
成するために隔壁3上にインク5を付与する工程とは、
同時に行っても、いずれかの工程を先に行ってもよい。
【0042】本発明においては、隔壁3の表面が撥イン
ク化処理されているため、スペーサー形成位置に付与し
たインクは隔壁3表面に良好にはじかれて拡散が制限さ
れ、適度な高さを保持することができる。
【0043】本工程で用いるインクジェット方式として
は、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバ
ブルジェット(登録商標)タイプ、あるいは圧電素子を
用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能である。
【0044】また、本工程で用いるインク5としては、
着色部6を形成するために開口部4に付与するインク
は、少なくとも着色剤、硬化成分、溶剤を含有すること
が好ましく、スペーサー7を形成するために隔壁3上面
に付与するインクは、少なくとも硬化成分、溶剤を含有
することが好ましい。それぞれの構成要素に関して、さ
らに詳しく説明する。
【0045】〔1〕着色剤 着色剤としては、染料系および顔料系共に使用可能であ
るが、顔料を使用する場合には、インク中で均一に分散
させるために別途分散剤の添加が必要となり、全固形分
中の着色剤比率が低くなってしまうことから、染料系の
着色剤が好適に用いられる。また、着色剤の添加量とし
ては、後述する硬化成分と同量以下であることが好まし
い。
【0046】〔2〕硬化成分 後工程におけるプロセス耐性、信頼性等を考慮した場
合、熱処理あるいは光照射等の処理により硬化し、着色
剤を固定化する成分、すなわち架橋可能なモノマーある
いはポリマー等の成分を含有することが好ましい。特
に、後工程における耐熱性を考慮した場合、硬化可能な
樹脂組成物を用いることが好ましい。具体的には、例え
ば基材樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アルコ
キシ基、アミド基等の官能基を有するアクリル樹脂、シ
リコーン樹脂;またはヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体あるいは
それらの変性物;またはポリビニルピロリドン、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアセタール等のビニル系ポ
リマーが挙げられる。さらに、これらの樹脂を光照射あ
るいは加熱処理により硬化させるために架橋剤、光開始
剤を用いることも可能である。具体的には、架橋剤とし
ては、メチロール化メラミン等のメラミン誘導体が、ま
た光開始剤としては重クロム酸塩、ビスアジド化合物、
ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン系開始
剤等が使用可能である。また、これらの光開始剤を複数
種混合して、あるいは他の増感剤と組み合わせて使用す
ることもできる。
【0047】〔3〕溶剤 本発明において使用されるインクの媒体としては、水お
よび有機溶剤の混合溶媒が好適に使用される。水として
は種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交
換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。さらに
有機溶剤としては、 溶剤の蒸発を促進させる 溶剤の蒸発に伴い、着色剤および硬化成分の析出が生
じない 等の観点から、沸点の異なる2種類以上の有機溶剤を混
合して用い、高沸点溶剤に対する着色剤および硬化成分
の溶解性が、先に蒸発する低沸点溶剤に対する溶解性よ
りも高くなるよう有機溶剤を選択することが好ましい。
具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter
−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケ
トン類またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコー
ル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグ
リコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキ
レングリコール類;グリセリン類;エチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の
多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル
−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の中から、沸点の
差が50℃以上、より好ましくは100℃以上となるよ
うな溶剤を組み合わせて選択することが好ましい。例え
ば高沸点溶剤としては、ジエチレングリコール等の多価
アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、N−メ
チル−2−ピロリドン等が好適に用いられ、低沸点溶剤
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter−
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール類等が
好適に用いられる。また、上記成分の多に、必要に応じ
て所望の物性値を持つインクとするために、界面活性
剤、消泡剤、防腐剤等を添加しても良い。
【0048】工程(g) 次いで、熱処理、光照射等必要な処理を施し、インク5
中の溶剤成分を除去して硬化させることにより着色部6
及びスペーサー7を形成する。
【0049】また、必要に応じて保護層(不図示)及び
透明導電膜(不図示)を形成しても良い。保護層として
は、光硬化タイプ、熱硬化タイプあるいは光熱併用タイ
プの樹脂材料、蒸着、スパッタ等によって形成された無
機膜等を用いることができ、カラーフィルタとした場合
の透明性を有し、その後の透明導電膜形成プロセス、配
向膜形成プロセス等に耐え得るものであれば使用可能で
ある。また、透明導電膜は、保護層を介さずに着色画素
部上に直接形成しても良い。
【0050】スペーサー7の面積や形成場所は液晶素子
を作製する場合にカラーフィルタと対向する基板の構造
に影響を受ける。液晶素子がTFT型の場合、カラーフ
ィルタは通常、TFTが形成されたアレイ基板に対向す
る側の基板に形成される。そのため、このような素子に
おいて、スペーサーがTFTに対応する位置に形成され
た場合には、基板に外部から力が加わった際にスペーサ
ーがTFTを押圧して破損させてしまう可能性がある
等、問題点が考えられる。このため、スペーサーの形成
位置精度の確保は非常に重要な課題である。
【0051】本発明においては、この位置精度を向上さ
せるべく、隔壁3のスペーサーの形成位置に予め開口部
を設けることが好ましい。この形態の工程を図3に示
す。図中の4’はスペーサー7形成用の開口部である。
図3の各工程において紙面左側の(a−1)〜(c−
1)は上方より見た平面模式図、紙面右側の(a−2)
〜(c−2)は(a−1)〜(c−1)のA−B断面模
式図である。
【0052】図3(a)に示すように、図1(c)の工
程において樹脂組成物層2をパターニングする際に、ス
ペーサー7の形成位置にも開口部4’を形成しておく。
この時、開口部4’は着色部6の形成される開口部4よ
りも開口面積が小さいため、透明基板1にまで達しない
場合があるが、本発明においては、隔壁3上面に凹部が
形成されればその目的を十分に達することができるた
め、特に、透明基板1にまで達する開口部を形成する必
要はない。
【0053】本形態では、この状態で好ましくは親イン
ク化処理を施し、さらに撥インク化処理を施し、引き続
き、図3(b)、(c)に示されるように、インク5を
付与して着色部6、スペーサー7を形成する。
【0054】撥インク化処理後の開口部4’は開口部4
と同様に、内側に露出した透明基板1表面は親インク
性、開口部4’の周囲の隔壁3表面は撥インク性を示す
ため、このコントラストによって、インク5は速やかに
開口部4’内に収納され、インク5が何らかの外的要因
によりよれてしまった場合にも、本来のスペーサー形成
位置にインク5を付与することが可能となる。尚、本形
態では、隔壁3の一部がインク5により形成されること
になるので、隔壁3が遮光層を兼ねる場合には、遮光性
の観点から開口部4’に付与するインクは、開口部4に
付与するR、G、Bの各色のインクを重ねて付与し、黒
色とするか、或いは黒色の着色剤を添加したインクを用
いることが望ましい。
【0055】次に、本発明の製造方法により製造され
る、本発明のカラーフィルタの一実施形態の断面を図4
に模式的に示す。図中、41は透明基板、42は隔壁を
兼ねたブラックマトリクス、43は着色部、44はスペ
ーサー、45は必要に応じて形成される保護層である。
本発明のカラーフィルタを用いて液晶素子を構成する場
合には、着色部43上或いは、着色部43上に保護層4
5を形成したさらにその上に、液晶を駆動するためのI
TO(インジウム・チン・オキサイド)等透明導電材か
らなる透明導電膜が形成されて提供される場合もある。
【0056】図5に、図4のカラーフィルタを用いて構
成した、本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図を
示す。図中、47は共通電極(透明導電膜)、48は配
向膜、49は液晶、51は対向基板、52は画素電極、
53は配向膜であり、図4と同じ部材には同じ符号を付
して説明を省略する。
【0057】カラー液晶素子は、一般的にカラーフィル
タ側の基板41と対向基板51とを合わせ込み、液晶4
9を封入することにより形成される。液晶素子の一方の
基板51の内側に、TFT(不図示)と画素電極52が
マトリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ
側の基板41の内側には、画素電極52に対向する位置
に、R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着
色部43が形成され、その上に透明な共通電極47が形
成される。さらに、両基板の面内には配向膜48,53
が形成されており、液晶分子を一定方向に配列させてい
る。これらの基板は、スペーサー(不図示)を介して対
向配置され、シール材(不図示)によって貼り合わさ
れ、その間隙に液晶49が充填される。
【0058】上記液晶素子は、透過型の場合には、基板
51及び画素電極52を透明素材で形成し、それぞれの
基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板
を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバッ
クライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして
機能させることにより表示を行なう。また、反射型の場
合には、基板51或いは画素電極52を反射機能を備え
た素材で形成するか、或いは、基板51上に反射層を設
け、透明基板41の外側に偏光板を設け、カラーフィル
タ側から入射した光を反射して表示を行なう。
【0059】
【実施例】(実施例1)ガラス基板を2%水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いてアルカリ超音波洗浄をし、次いでU
Vオゾン処理を行った。洗浄後のガラス基板上に黒色感
光性樹脂(富士フィルムオーリン製「CK−S171X
BKレジスト」)をスピンコート法により膜厚2μm
となる様塗布した。この基板を減圧乾燥処理した後、ホ
ットプレートを用い90℃で120秒間加熱処理し、レ
ジストを仮硬化させた。
【0060】次いで、UV露光装置を使用し、所定のパ
ターンマスクを用いてプロキシミティ露光を行った。続
いて無機アルカリ現像液(富士フィルムオーリン製CD
現像液;10%水溶液)でシャワー現像を90秒間行
い、続いて純水でリンス処理し、現像液を完全に除去し
た。この後、温風循環式クリーンオーブンで220℃、
1時間の加熱硬化を行って、硬化反応を終了させた。
【0061】ブラックマトリクス(隔壁)の形成された
基板に、平行平板型のプラズマ処理装置を用いて、以下
の条件にてプラズマ照射を行った。
【0062】〔親インク化処理〕 使用ガス:O2 ガス流量:80sccm 圧力:8Pa RF−power:150W 処理時間:30sec
【0063】〔撥インク化処理〕 使用ガス:CF4 ガス流量:80sccm 圧力:50Pa RF−power:150W 処理時間:30sec
【0064】この段階で得られたブラックマトリクス基
板の純水に対する接触角を測定したところ、 ブラックマトリクス上:130° ガラス基板上:15° であり、ブラックマトリクス上の撥インク性を十分に高
く、ガラス基板上が親インク性の基板を得た。
【0065】次にインクジェット装置を用い、R、G、
Bそれぞれのインクをブラックマトリクスパターンの開
口部及びスペーサー形成位置のブラックマトリクス上に
付与して、着色部及びスペーサーを形成した。インクに
は下記に示す組成から成るアクリル系共重合体を熱硬化
成分として用い、以下の組成からなるRGBの各インク
を用いた。
【0066】熱硬化成分 メチルメタクリレート 50重量部 ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部 N−メチロールアクリルアミド 20重量部
【0067】Rインク C.I.アシッドオレンジ148 3.5重量部 C.I.アシッドレッド289 0.5重量部 ジエチレングリコール 30重量部 エチレングリコール 20重量部 イオン交換水 40重量部 上記硬化成分 6重量部
【0068】Gインク C.I.アシッドイエロー23 2重量部 亜鉛フタロシアニンスルホアミド 2重量部 ジエチレングリコール 30重量部 エチレングリコール 20重量部 イオン交換水 40重量部 上記硬化成分 6重量部
【0069】Bインク C.I.ダイレクトブルー199 4重量部 ジエチレングリコール 30重量部 エチレングリコール 20重量部 イオン交換水 40重量部 上記硬化成分 6重量部
【0070】インク付与量は、着色部に対しては開口部
1個あたりそれぞれ200〜800plの範囲で、10
0plおきに量を変化させて付与した。また、スペーサ
ー形成部に関してはR、G、Bの何れかのインクを80
pl付与した。次いで、90℃で10分間、引き続き2
30℃で30分間の熱処理を行って着色部及びスペーサ
ー部を硬化させ、インク付与量の異なる7種類のスペー
サー付きカラーフィルタを作製した。
【0071】得られたカラーフィルタを光学顕微鏡で観
察したところ、全てのカラーフィルタにおいて、インク
はブラックマトリクスの開口部表面を均一に覆い、ま
た、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色および白抜け
などの欠陥となる不良は観察されなかった。さらにブラ
ックマトリクス上の所定の位置に高さが5μmのスペー
サーが形成されていた。
【0072】(実施例2)ガラス基板を2%水酸化ナト
リウム水溶液を用いてアルカリ超音波洗浄をし、次いで
UVオゾン処理を行った。洗浄後のガラス基板上に黒色
感光性樹脂(新日鉄化学製「V−259 BKレジス
ト」)をスピンコート法により膜厚2μmとなる様塗布
した。この基板を減圧乾燥処理した後、ホットプレート
を用い90℃で120秒加熱処理し、レジストを仮硬化
させた。
【0073】DEEP−UV露光装置を使用し、パター
ンマスクを用いてプロキシミティ露光を行った。続いて
無機アルカリ現像液(新日鉄化学製「V−2401I
D」;5%水溶液)でシャワー現像を30秒間行い、続
いて純水でリンス処理し、現像液を完全に除去した。
【0074】ブラックマトリクスの形成された基板に、
平行平板型のプラズマ処理装置を用いて、フッ素系ガス
として、SF6を用いた以外は実施例1と同様の条件に
て親インク化処理及び撥インク化処理を行った。
【0075】この段階で得られたブラックマトリクス基
板の純水に対する接触角を測定したところ、 ブラックマトリクス上:126° ガラス基板上:7° であり、ブラックマトリクス上の撥水性を十分に高く、
ガラス基板上が親水性の基板を得た。
【0076】次にインクジェット装置を用い、R、G、
Bそれぞれのインクをブラックマトリクスパターンの開
口部及びスペーサー形成部分のブラックマトリクス上に
付与して着色部及びスペーサーを形成した。インクは実
施例1と同様に調合されたものを使用した。
【0077】インク付与量は、着色部に対しては開口部
1個あたりそれぞれ200〜800plの範囲で、10
0plおきに量を変化させて付与した。また、スペーサ
ー形成部に関してはR、G、Bそれぞれの色を30pl
付与した。次いで、90℃で10分間、引き続き230
℃で30分間の熱処理を行って着色部及びスペーサー部
を硬化させ、インク付与量の異なる7種類のスペーサー
付きカラーフィルタを作製した。
【0078】得られたスペーサー付きカラーフィルタを
光学顕微鏡で観察したところ、全てのカラーフィルタに
おいて、インクはブラックマトリクスの開口部表面を均
一に覆い、また、にじみ、はみ出し、隣接画素との混色
および白抜けなどの欠陥となる不良は観察されなかっ
た。さらにブラックマトリクス上の所定の位置に高さが
5μmのスペーサーが形成されていた。
【0079】(比較例1)親インク化処理及び撥インク
化処理を行わない以外は実施例1と同様にしてブラック
マトリクス基板を作製した。得られた基板の純水に対す
る接触角を測定したところ、 ブラックマトリクス上:65° ガラス基板上:50° であった。
【0080】次にインクジェット記録装置を用い、実施
例1と同様にしてブラックマトリクスパターンの開口部
及びスペーサー形成部分のブラックマトリクス上に実施
例1と同様のインクを付与して着色部及びスペーサーを
形成した。
【0081】得られたスペーサー付きカラーフィルタを
光学顕微鏡で観察したところ、全てのカラーフィルタに
おいて白抜けが観察され、さらにスペーサー部分では付
与したインクが広がってしまい、スペーサーとして十分
な高さが得られなかった。
【0082】(比較例2)親インク化処理及び撥インク
化処理を行わない以外は実施例2と同様にしてブラック
マトリクス基板を作製した。得られた基板の純水に対す
る接触角を測定したところ、 ブラックマトリクス上:80° ガラス基板上:35° であった。
【0083】次にインクジェット装置を用い、実施例1
と同様のR、G、Bそれぞれのインクをブラックマトリ
クスパターンの開口部及びスペーサー形成部分のブラッ
クマトリクス上に付与して、着色部及びスペーサーを形
成した。
【0084】インク付与量は、着色部に対しては開口部
1個あたりそれぞれ200pl付与した。また、スペー
サー形成部に関してはR、G、Bのそれぞれの色を30
〜70plの範囲で10plおきに量を変化させて付与
した。次いで、90℃で10分間、引き続き230℃で
30分間の熱処理を行って着色部及びスペーサー部を硬
化させ、5種類のスペーサー付きカラーフィルタを作製
した。
【0085】得られたスペーサー付きカラーフィルタを
光学顕微鏡で観察したところ、カラーフィルタとして
は、隣接画素との混色および白抜けなどの欠陥となる不
良は観察されなかったが、5種類いずれのカラーフィル
タでもスペーサー部分は付与したインクが広がってしま
い、スペーサーとして十分な高さが得られなかった。さ
らに、スペーサー部分へのインク付与量が50pl以上
になると、インクが着色部まで広がってしまい、混色を
起こしてしまった。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
混色および白抜け等の無い着色部を備え、さらに所定の
高さのスペーサーを備えた信頼性の高いカラーフィルタ
を簡易なプロセスで製造することができ、該カラーフィ
ルタを用いて信頼性の高い液晶素子をより安価に提供す
ることができる。本発明においては、上記スペーサーを
所定の位置に高精度に形成することが可能であるため、
液晶素子を構成した際の信頼性をより高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形
態の工程図である。
【図3】本発明のカラーフィルタの製造方法の他の実施
形態の工程図である。
【図4】本発明のカラーフィルタの一実施形態の断面模
式図である。
【図5】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図で
ある。
【符号の説明】
1 透明基板 2 樹脂組成物層 3 隔壁 4、4’ 開口部 5 インク 6 着色部 7 スペーサー 41 透明基板 42 ブラックマトリクス 43 着色部 44 スペーサー 45 保護層 47 共通電極 48 配向膜 49 液晶 51 対向基板 52 画素電極 53 配向膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 良克 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA24 FB01 2H048 BA02 BA11 BA64 BB01 BB02 BB14 BB24 BB44 2H089 HA10 LA09 LA16 NA07 QA12 QA14 TA12 TA13 2H091 FA02Y FA35Y FC10 FC12 FC24 FC26 GA08 LA12 LA15 LA16

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に複数の着色部と、隣接する
    着色部間に位置する隔壁とを少なくとも有するカラーフ
    ィルタの製造方法であって、透明基板上に樹脂組成物か
    らなる隔壁を形成する工程と、上記隔壁を形成した透明
    基板に撥インク化処理を施す工程と、インクジェット方
    式により隔壁に囲まれた領域にインクを付与して着色部
    を形成する工程と、インクジェット方式により隔壁上に
    インクを付与してスペーサーを形成する工程と、を少な
    くとも有することを特徴とするカラーフィルタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 上記撥インク化処理が、少なくともフッ
    素原子を含有するガス雰囲気下で上記透明基板にプラズ
    マ照射するプラズマ処理である請求項1に記載のカラー
    フィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】上記プラズマ処理工程で導入するガスが、
    CF4、SF6、CHF3、C26、C38、C58から
    選択される少なくとも1種のハロゲンガスである請求項
    2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記プラズマ処理工程で導入するガス
    が、CF4、SF6、CHF3、C26、C38、C58
    から選択される少なくとも1種のハロゲンガスとO2
    スとの混合ガスであり、O2の混合比率が30%以下で
    ある請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記撥インク化処理工程に先立って、隔
    壁の形成された透明基板に親インク化処理を施す請求項
    1〜4のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記親インク化処理が、酸素、アルゴ
    ン、ヘリウムから選択される少なくとも1種のガス雰囲
    気下で、上記透明基板にプラズマ照射するドライエッチ
    ング処理である請求項5に記載のカラーフィルタの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 上記隔壁をカーボンブラックを含む樹脂
    組成物で形成する請求項1〜6のいずれかに記載のカラ
    ーフィルタの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記隔壁を形成する工程において、後工
    程でスペーサーを形成する部位に開口部を形成する請求
    項1〜7のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 上記着色部を形成するインクが少なくと
    も着色剤、硬化成分、水、有機溶剤を含有する請求項1
    〜8のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記スペーサーを形成するインクが少
    なくとも硬化成分、水、有機溶剤を含有する請求項1〜
    9のいずれかに記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 透明基板上に複数の着色部と、隣接す
    る着色部間に位置する隔壁と、該隔壁上に形成されたス
    ペーサーを少なくとも有し、請求項1〜10のいずれか
    に記載のカラーフィルタの製造方法により製造されたこ
    とを特徴とするカラーフィルタ。
  12. 【請求項12】 上記隔壁が遮光層である請求項11に
    記載のカラーフィルタ。
  13. 【請求項13】 上記着色部上に保護層を有する請求項
    11または12に記載のカラーフィルタ。
  14. 【請求項14】 表面に透明導電膜を有する請求項11
    〜13のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  15. 【請求項15】 一対の基板間に液晶を挟持してなり、
    一方の基板が請求項11〜14のいずれかに記載のカラ
    ーフィルタを用いて構成されたことを特徴とする液晶素
    子。
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