JP4474025B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーテレビ、パーソナルコンピュータ、パチンコ遊技台等に使用されているカラー液晶ディスプレイの構成部材であるカラーフィルタ、及びその製造方法に関し、特に、インクジェット記録技術を利用して各着色部を形成したカラーフィルタとその製造方法に関し、さらに、該カラーフィルタを具備する液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータの発達、特に携帯用パーソナルコンピュータの発達に伴い、液晶ディスプレイ、特にカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、さらなる普及のためにはコストダウンが必要であり、特にコスト的に比重の重いカラーフィルタのコストダウンに対する要求が高まっている。
【0003】
従来から、カラーフィルタの要求特性を満足しつつ上記の要求に応えるべく、種々の方法が試みられているが、未だ全ての要求特性を満足する方法は確立されていない。以下にそれぞれの方法を説明する。
【0004】
第一の方法は染色法である。染色法は、先ず透明基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料層を形成し、これをフォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の着色部からなる着色層を形成する。
【0005】
第二の方法は顔料分散法であり、近年最も盛んに行われている。この方法は、先ず透明基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより、単色のパターンを得る。この工程を3回繰り返すことにより、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成する。
【0006】
第三の方法としては電着法がある。この方法は、先ず透明基板上に透明電極をパターニングし、顔料、樹脂、電解液等の入った電着塗装液に浸漬して第一の色を電着する。この工程を3回繰り返して、R、G、Bの3色の着色部からなる着色層を形成し、最後に焼成するものである。
【0007】
第四の方法としては、熱硬化型の樹脂に顔料を分散し、印刷を3回繰り返すことにより、R、G、Bを塗り分けた後、樹脂を熱硬化させることにより、着色層を形成するものである。いずれの方法においても、着色層の上に保護層を形成するのが一般的である。
【0008】
これらの方法に共通している点は、R、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になることである。また、工程数が多い程、歩留まりが低下するという問題も有している。さらに、電着法においては、形成可能なパターン形状が限定されるため、現状の技術ではTFT型(TFT、即ち薄膜トランジスタをスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス駆動方式)の液晶素子の構成には適用困難である。
【0009】
また、印刷法は解像性が悪いため、ファインピッチのパターン形成には不向きである。
【0010】
上記のような欠点を補うべく、近年、インクジェット方式を利用したカラーフィルタの製造方法が盛んに検討されている。インクジェット方式を利用した方法は、製造プロセスが簡略で、低コストであるという利点がある。
【0011】
インクジェット方式によるカラーフィルタの製造方法としては、例えば、特開昭59−75205号、特開昭63−235901号、特開平1−217302号等に提案されているが、本発明者は先に、当該製造方法において最も問題となるインクの混色を防止した製造方法を特許公報第2872594号、特許公報第2872595号等に提案している。
【0012】
これらの提案の概略は、
▲1▼透明基板上にブラックマトリクスと、光照射により硬化してインク吸収性が低下する樹脂からなるインク受容層を形成し、
▲2▼上記インク受容層をパターン露光してブラックマトリクス上の樹脂を硬化させ、
▲3▼上記硬化した部分を混色防止壁として、インク受容層の未露光部分にインクジェット方式によりインクを付与して着色し、着色部を形成する、
というものである。
【0013】
この製造方法は、樹脂からなるインク受容層を形成し、該インク受容層中にインクを吸収する部分と、インクを吸収しない部分(混色防止壁)を形成し、インクを吸収する部分に対して選択的にインクを付与することによって、インク受容層を着色して着色部を形成する方法である。該製造方法における混色防止のメカニズムとしては、以下のように考えることができる。
【0014】
(1)インク受容層表面における混色の防止
混色防止壁は、インクの吸収性が低下すると同時に、表面層におけるインクの濡れ性が低下するため、付与されたインク滴はインクを吸収する部分(未露光部)に選択的に付着し、インク受容層表面における混色を防止する。
【0015】
(2)インク受容層内部における混色の防止
インクを吸収する部分に付着したインク滴は、その後徐々にインク受容層中に吸収される(浸透する)が、異なる色間においては、インク受容層中にインクが吸収されない部分(混色防止壁)が形成されているため、これにより浸透が阻害され、インク受容層内部での混色が防止される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上記混色防止壁を形成してインク受容層を着色する製造方法においては、付与されたインク滴がインク受容層中に浸透するためには、数秒から数分の時間が必要であり、その間、インク滴はインク受容層表面に保持されている。そのため、以下のような状況下においては、インク受容層表面においてインク滴の混合(混色)が発生する場合がある。
〔1〕着色の終わった被処理基板をハンドリングする際に、振動又は横方向の加速度等が加わる場合。
〔2〕ダウンフロー等により被処理基板上での空気の流れが発生する場合。
〔3〕多量のインクが付与され、インク滴が混色防止壁上にまで及ぶ場合。
【0017】
本発明の課題は、上記〔1〕〜〔3〕のような状況下においても混色が発生せず、信頼性の高いカラーフィルタを歩留まり良く製造する製造方法を提供することにあり、該製造方法により高品質のカラーフィルタを提供し、該カラーフィルタを用いてカラー表示特性に優れた液晶素子をより安価に提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、透明基板上に複数の着色部を有するカラーフィルタの製造方法であって、透明基板上に、開口部を有する遮光層を形成する工程と、光照射によりインク吸収性が低下する第一の組成物層を設ける工程と、上記遮光層上の第一の組成物層の少なくとも一部を露光してインク吸収性の低下した領域を形成する工程と、上記第一の組成物層上に、光照射によりインクに対する接触角が低下する第二の組成物層を形成する工程と、上記遮光層をフォトマスクとして透明基板裏面側より第二の組成物層を露光する工程と、上記第二の組成物層の露光部にインクジェット方式によりインクを付与して、第二の組成物層の露光部及び第一の組成物層の未露光部を着色する工程と、着色した第一の組成物層を硬化させて着色部を形成する工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0020】
また上記本発明は、上記第一の組成物層が220〜260nmに吸収極大を有し、260nmを超える波長における吸収が、上記吸収極大の1/10以下であること、さらには、上記透明基板の260nm以下の波長の光の透過率が5%以下であること、また、上記第二の組成物層がTiO2を含有すること、上記着色した第一の組成物層を加熱処理して硬化させること、を好ましい態様として含むものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法、該製造方法によるカラーフィルタ、該カラーフィルタを用いた液晶素子について、図面を用いて詳細に説明する。
【0024】
図1に、本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形態の工程を模式的に示す。図中の1は透明基板、2はブラックマトリクス、3は第一の組成物層、4はフォトマスク、5は露光部、6は未露光部、7は第二の組成物層、8はフォトマスク、9は未露光部、10は露光部、11はインクジェットヘッド、12はインク、13は着色部、14は保護層である。尚、図1の(a)〜(f)はそれぞれ、下記工程(a)〜(f)に対応する断面模式図である。
【0025】
工程(a)
透明基板1上に、必要に応じてブラックマトリクス2を形成する。透明基板1としては、一般にガラスが用いられるが、カラーフィルタの透明性を損なわず、強度等必要な特性を備えたものであれば、プラスチック等も用いることができる。
【0026】
また、ブラックマトリクス2はブラックストライプでも良く、その膜厚は、通常0.1〜2.0μm程度であり、透明基板1上にクロム等金属をスパッタ或いは蒸着等により成膜し、フォトリソ工程によりパターニングして得られる。また、ブラックマトリクス2は金属以外にも黒色樹脂等を用いて形成しても良い。また、ブラックマトリクス2は第二の組成物層7を形成した後、或いは、着色部13を形成した後に形成することもできる。
【0027】
次いで、透明基板1上に全面に第一の組成物層3を形成する。第一の組成物層3は、インク吸収性を有し、光照射によって硬化してインク吸収性が低下する組成物で形成する。このような組成物としては、例えば基材樹脂として、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アミド基等の官能基を有するアクリル樹脂、シリコーン樹脂;またはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体或いはそれらの変性物;またはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等のビニル系ポリマーが挙げられる。さらに、これらの基材樹脂を光照射或いは加熱処理により硬化させるための架橋剤、光開始剤を用いることが可能である。具体的には、架橋剤としては、メチロール化メラミン等のメラミン誘導体が、また光開始剤としては重クロム酸塩、ビスアジド化合物、ラジカル系開始剤、カチオン系開始剤、アニオン系開始剤等が使用可能である。また、これらの光開始剤を複数種混合して、或いは他の増感剤と組み合わせて使用することもできる。
【0028】
また、本発明に用いられる第一の組成物層3は、後述する第二の組成物層7のパターン露光の際に反応を生じない、或いは生じにくいことが理想的であり、感光波長をDeep−UV領域に有するもの、さらに詳しくは220〜260nmの領域に吸収極大を有し、且つ、260nmを超えるUV領域には吸収を有していないものを選択することが好ましい。また、本例においては、光照射のみにより第一の組成物層3を反応させる例を示すが、光照射に熱処理を併用するものであっても問題はない。
【0029】
上記第一の組成物層3の形成には、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法が用いられるが、特に限定されるものではない。また、第一の組成物層3は好ましくは、厚さ0.5〜3.0μmに形成される。
【0030】
工程(b)
フォトマスク4を用いて、第一の組成物層3をパターン露光し、露光部5のインク吸収性を低下させる。露光部5はブラックマトリクス2に重なる位置に形成され、特に、ブラックマトリクス2の開口部境界における白抜けを防止する観点から、ブラックマトリクス2の幅よりも露光部5が狭くなるように形成することが好ましい。
【0031】
工程(c)
第一の組成物層3上に全面に第二の組成物層7を形成する。第二の組成物層7は、後工程においてインクを付与した際に混色を防止するため、インクを付与する領域と付与しない領域でインクの濡れ性の差を大きくするために用いる層である。よって、本発明においては、第二の組成物層7は、光照射によってインクに対する接触角が低下する組成物で形成される。このような組成物としては、TiO2を被膜性樹脂溶液に分散させた組成物が好ましく用いられ、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法により第二の組成物層7を形成することができる。第二の組成物層7は、好ましくは厚さ0.01〜0.5μmに形成される。
【0032】
上記被膜性樹脂としては、シリコーン系樹脂が好適に用いられ、具体的には、分子中に1〜3個の有機基を有するオルガノアルコキシシランの加水分解物、またはそれらの部分縮合物;オルガノポリシロキサン;オルガノポリシルセスキオキサン;オルガノポリシラン等が使用可能であるが、被膜性の観点から、オルガノポリシルセスキオキサン或いはオルガノポリシラン等が好ましく用いられる。
【0033】
また、第二の組成物層7の形成には、第一の組成物層3を溶解しないような溶剤を用いることが好ましく、第一の組成物層3が極性溶剤に可溶の場合には非極性溶剤を、また、第一の組成物層3が非極性溶剤に可溶の場合には、極性溶剤を用いることが好ましい。
【0034】
工程(d)
第二の組成物層7をパターン露光し、第一の組成物層3の未露光部6上を露光する。図1では、フォトマスク8を用いて第二の組成物層7の表面側から露光する形態を示すが、図2に示すように、ブラックマトリクス2をフォトマスクとして用い、透明基板1の裏面側から露光することもできる。
【0035】
本発明においては、前述したように、当該工程において第一の組成物層3が反応しないことが望ましく、第一の組成物層3の吸収波長をカットした光を用いる。よって、図1に示したように第二の組成物層7の表面側からフォトマスク8を用いて露光する場合には、該フォトマスク8に第一の組成物層3の吸収波長をカットする素材を用いておく。また、図2に示したように、透明基板1の裏面側から露光する場合には、透明基板1として、第一の組成物層3の吸収波長をカットする素材を用いておく。具体的には、第一の組成物層3が上記した220〜260nmに吸収極大を有する場合、フォトマスク8或いは透明基板1として、260nm以下の波長の光をほとんど透過しない、青板ガラス、コーニング社製「7059ガラス」等のガラス基板を用いることが望ましい。
【0036】
当該工程により、第二の組成物層7の露光部10のインク12に対する接触角が低下する。本発明において第二の組成物層7のパターン露光後のインクに対する接触角は、好ましくは露光部10で30°以下、未露光部9で50°以上となるように素材を選択する。また、第二の組成物層7の露光領域としては、第一の組成物層3の未露光部6中に、後述するインク12を均一に浸透させるためには、第一の組成物層3の未露光部6と同等以下の大きさとすることが好ましい。
【0037】
工程(e)
インクジェットヘッド11より、所定の着色パターンに沿って、R、G、Bのインク12を第二の組成物層7の露光部10に吐出し、該露光部10及び第一の組成物層3の未露光部6を着色する。
【0038】
本発明においては、第二の組成物層7の露光部10のインク12に対する接触角が小さいため、当該露光部10表面にインク12が速やかに濡れ広がって第一の組成物層3の未露光部6へと浸透し、着色する。同時に、未露光部9との境界においては、未露光部9のインク12に対する接触角が露光部10よりも大きいために該未露光部9へはインク12が広がらず、隣接する露光部10間に付与されたインク12同士の混色が防止される。
【0039】
本発明において使用されるインクとしては、染料系、顔料系共に使用可能であるが、インクの媒体としては、水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒が好適に用いられる。さらに、水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用することが好ましい。
【0040】
インクに含有しうる上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン等が好適に用いられる。また、上記成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加しても良い。
【0041】
また、本発明において用いられるインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、或いは、圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。
【0042】
工程(f)
熱処理等必要な処理を施して着色された第一の組成物層3、第二の組成物層7を硬化させ、着色部13を形成する。
【0043】
さらに、必要に応じて着色部13上に保護層14を形成し、本発明のカラーフィルタを得る。保護層14は光硬化型、熱硬化型、或いは熱・光併用硬化型の樹脂組成物層、或いは蒸着、スパッタ等によって形成された無機膜等を用いることができる。いずれの場合もカラーフィルタとしての透明性を有し、その後のITO形成工程、配向膜形成工程等に耐えるものであれば使用することができる。
【0044】
また、本発明のカラーフィルタは、液晶素子を構成した際に液晶を駆動する電極となるITO等の透明導電膜を表面に形成して提供される場合もあり、この場合、透明導電膜の下層として保護層14を形成したものであっても、形成していないものであっても良い。
【0045】
次に、図3に本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図を示す。本実施形態は、図1の工程により得られた本発明のカラーフィルタを用いて、TFT型カラー液晶素子を構成した例である。図中、17は共通電極、18は配向膜、21は対向基板、22は画素電極、23は配向膜、24は液晶であり、図1と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略する。
【0046】
カラー液晶素子は、一般的にカラーフィルタ側の基板1と対向基板21とを合わせ込み、液晶24を封入することにより形成される。液晶素子の一方の基板21の内側に、TFT(不図示)と画素電極22がマトリクス状に形成されている。また、カラーフィルタ側の基板1の内側には、画素電極22に対向する位置に、R、G、Bが配列するように、カラーフィルタの着色部13が形成され、その上に透明な共通電極17が形成される。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルタ側に形成されるが、BMオンアレイタイプの液晶素子では対向基板21側に形成される場合もある。さらに、両基板の面内には配向膜18、23が形成されており、液晶分子を一定方向に配列させている。これらの基板は、スペーサー(不図示)を介して対向配置され、シール材(不図示)によって貼り合わされ、その間隙に液晶24が充填される。
【0047】
上記液晶素子は、透過型の場合には、基板21及び画素電極22を透明素材で形成し、それぞれの基板の外側に偏光板を接着し、一般的に蛍光灯と散乱板を組み合わせたバックライトを用い、液晶化合物をバックライトの光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。また、反射型の場合には、基板21或いは画素電極22を反射機能を備えた素材で形成するか、或いは、基板21上に反射層を設け、透明基板1の外側に偏光板を設け、カラーフィルタ側から入射した光を反射して表示を行う。
【0048】
また、本発明の液晶素子においては、本発明のカラーフィルタを用いて構成されていれば、他の部材については従来の技術をそのまま用いることができることは言うまでもない。
【0049】
【実施例】
参考実施例1)厚さが0.15μmのクロム膜からなるブラックマトリクスの形成されたコーニング社製「7059ガラス」基板上に、下記に示す組成からなるアクリル系共重合体97重量部及びトリフェニルスルフォニウムトリフラート3重量部をエチルセロソルブに溶解してなる樹脂組成物を膜厚2μmとなるようにスピンコートし、90℃で5分間のプリベークを行って第一の組成物層を形成した。該第一の組成物層の吸収スペクトルとしては、トリフェニルスルフォニウムトリフラートに由来する吸収極大を230nm付近に有しており、260nmを超える波長の吸収は上記吸収極大の1/10以下であった。
【0050】
〔アクリル系共重合体の組成〕
メチルメタクリレート 50重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 30重量部
N−メチロールアクリルアミド 20重量部
【0051】
次いで、ブラックマトリクスの幅よりも狭いストライプ状の開口部を有する石英ガラス製のフォトマスクを介して上記第一の組成物層をストライプ状にパターン露光し、さらに120℃のホットプレート上で1分間の熱処理を施した。
【0052】
次に、上記第一の組成物層の上に、以下の組成からなる樹脂組成物を膜厚が0.1μmとなるようにスピンコートし、90℃で3分間のプリベークを行って第二の組成物層を形成した。該第二の組成物層の吸収スペクトルは、紫外線領域においてTiO2の光散乱に由来するなだらかな吸収を有するものであった。
【0053】
〔第二の組成物層の組成〕
ポリメチルフェニルシルセスキオキサン 7重量部
TiO2 3重量部
メチルイソブチルケトン 90重量部
【0054】
上記第一の組成物層の未露光部上の上記第二の組成物層を露光するための開口部を有する青板ガラス製のフォトマスクを介して、上記第二の組成物層をパターン露光した。
【0055】
次いで、上記第二の組成物層の露光部に対して、インクジェットヘッドを用いて下記の組成からなるR、G、Bの染料インクを付与して第二の組成物層の露光部及び第一の組成物層の未露光部を着色し、90℃で5分間のインク乾燥の後、200℃で60分間熱処理を施して着色した第一の組成物層を硬化させた。
【0056】
〔Rインク〕
C.I.アシッドオレンジ148 6重量部
C.I.アシッドレッド289 1重量部
ジエチレングリコール 30重量部
イオン交換水 63重量部
【0057】
〔Gインク〕
C.I.アシッドイエロー23 3重量部
亜鉛フタロシアニンスルホアミド 3重量部
ジエチレングリコール 30重量部
イオン交換水 64重量部
【0058】
Bインク
C.I.ダイレクトブルー199 6重量部
ジエチレングリコール 30重量部
イオン交換水 64重量部
【0059】
着色前の第二の組成物層表面と上記R、G、Bの各インクの初期接触角は、露光部が8°、未露光部が58°であった。
【0060】
上記着色済みの第二の組成物層の上に、二液型の熱硬化型樹脂組成物(JSR製「SS6699G」)を膜厚が1μmとなるようにスピンコートし、90℃で30分間のプリベークを行った後、250℃で60分間の熱処理を行って保護層を形成した後、さらにスパッタによりITO膜を厚さ0.15μmとなるように成膜し、カラーフィルタを作製した。
【0061】
このようにして作製されたカラーフィルタ1000枚に関して、混色の有無を検査したところ、不良品は3枚であった。
【0062】
参考実施例2〜6)
第二の組成物として下記の組成の樹脂組成物を用いる以外は参考実施例1と同様にして参考実施例2〜6のカラーフィルタを作製した。尚、参考実施例2〜6において用いた第二の組成物層の吸収スペクトルは、参考実施例1と同様に紫外領域になだらかな吸収を有するものであった。
【0063】
参考実施例2の第二の組成物層の組成〕
ポリメチルフェニルシルセスキオキサン 6重量部
TiO2 4重量部
メチルイソブチルケトン 90重量部
【0064】
参考実施例3の第二の組成物層の組成〕
ポリメチルフェニルシルセスキオキサン 5重量部
TiO2 5重量部
メチルイソブチルケトン 90重量部
【0065】
参考実施例4の第二の組成物層の組成〕
メチルフェニルポリシラン 7重量部
TiO2 3重量部
トルエン 90重量部
【0066】
参考実施例5の第二の組成物層の組成〕
メチルフェニルポリシラン 6重量部
TiO2 4重量部
トルエン 90重量部
【0067】
参考実施例6の第二の組成物層の組成〕
メチルフェニルポリシラン 5重量部
TiO2 5重量部
トルエン 90重量部
【0068】
(実施例7〜12)
第二の組成物層のパターン露光をブラックマトリクスをマスクとしてガラス基板裏面より露光した以外は参考実施例1〜6と同様にして、実施例7〜12のカラーフィルタを作製した。
【0069】
(比較例1)
第二の組成物層を形成しない以外は、参考実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。接触角は、第一の組成物層表面について測定した。
【0070】
上記実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
Figure 0004474025
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インクジェット方式によるカラーフィルタの製造において混色を防止し、信頼性の高いカラーフィルタを高歩留まりで量産することが可能となり、該カラーフィルタを用いて、カラー表示特性に優れた液晶素子をより安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図2】本発明に係る、第二の組成物層のパターン露光の異なる形態を示す模式図である。
【図3】本発明の液晶素子の一実施形態の断面模式図である。
【符号の説明】
1 透明基板
2 ブラックマトリクス
3 第一の組成物層
4 フォトマスク
5 露光部
6 未露光部
7 第二の組成物層
8 フォトマスク
9 未露光部
10 露光部
11 インクジェットヘッド
12 インク
13 着色部
14 保護層
17 共通電極
18 配向膜
21 対向基板
22 画素電極
23 配向膜
24 液晶

Claims (5)

  1. 透明基板上に複数の着色部を有するカラーフィルタの製造方法であって、透明基板上に、開口部を有する遮光層を形成する工程と、光照射によりインク吸収性が低下する第一の組成物層を設ける工程と、上記遮光層上の第一の組成物層の少なくとも一部を露光してインク吸収性の低下した領域を形成する工程と、上記第一の組成物層上に、光照射によりインクに対する接触角が低下する第二の組成物層を形成する工程と、上記遮光層をフォトマスクとして透明基板裏面側より第二の組成物層を露光する工程と、上記第二の組成物層の露光部にインクジェット方式によりインクを付与して、第二の組成物層の露光部及び第一の組成物層の未露光部を着色する工程と、着色した第一の組成物層を硬化させて着色部を形成する工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 上記第一の組成物層が220〜260nmに吸収極大を有し、260nmを超える波長における吸収が、上記吸収極大の1/10以下である請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 上記透明基板の260nm以下の波長の光の透過率が5%以下である請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 上記第二の組成物層がTiO2を含有する請求項1〜のいずれかに1項記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 上記着色した第一の組成物層を加熱処理して硬化させる請求項1〜のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
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