JP2008055403A - 表示装置用部材の製造方法及び表示装置用部材及び表示装置 - Google Patents

表示装置用部材の製造方法及び表示装置用部材及び表示装置 Download PDF

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光利 田中
Tsutomu Okita
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Abstract

【課題】スリットノズルの詰まり、乾燥異物の発生、スリット塗布ムラの無く、塗布液(前記光硬化性組成物)のロスが少ない表示装置用部材の製造方法、その製造方法を用いた該表示装置用部材及び表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも感光剤および溶剤を含有する光硬化性組成物を、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置により基板上に塗布する表示装置用部材の製造方法であって、前記溶剤が、沸点180℃以上の溶剤を、前記溶剤全質量に対して5質量%以上含有することを特徴とする表示装置用部材の製造方法、その製造方法を用いて製造された該表示装置用部材、及びそれを有する表示装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置用部材の製造方法及びこれにより製造された表示装置用部材及びこの表示装置用部材を有す表示装置に関する。
赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、バイオレット(V)等の着色層、ホワイト(W)等の非着色層、スペーサー、配向制御突起、ブラックマトリクス等の表示装置用部材は、液晶ディスプレイに不可欠な構成部品である。液晶ディスプレイは、表示装置としてCRTと比較すると、コンパクトであり、且つ、性能面では同等以上であることから、テレビ画面、パソコン画面、その他の表示装置としてCRTに置き換わりつつある。
近年では、液晶ディスプレイの開発の動向は、画面が比較的小面積であった従来のモニター用途から、画面が大型で高度な画質が求められるTV用途に向かいつつある。
画面の大型化や基板サイズの大型化に伴い、基板への光硬化性組成物の塗布は、従来のスピン塗布から省液性や製造効率等に優れるスリット塗布(ダイコート方式)に技術の主体が移っている。
該スリット塗布においては、問題点として、塗布液を吐出する塗布ヘッド先端での液の乾燥がある。すなわち、塗布ヘッド先端のスリット開口部で塗布液が外気に曝されるので、塗布液の乾燥、固化がおこって、スリットノズルの詰まりによるスリット塗布ムラを生じたり、基板上に塗布された塗布膜中に固化物が異物として持ち込まれ、品質欠陥の原因になったりした。この問題点を解消するために、スリットノズルを洗浄し予備吐出する方法が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかし、これらの方法では、洗浄溶剤がスリットノズルに残存すると、これに起因するムラが発生する欠点があった。このため、洗浄溶媒が完全に除去されるまで予備吐出を実施する必要があり、塗布液(前記光硬化性組成物)のロスが増え新たな問題となっていた。
特開2000−288488号公報 特開2001−310147号公報
本発明の目的は、スリットノズルの詰まり、乾燥異物の発生、スリット塗布ムラが無く、塗布液(前記光硬化性組成物)のロスが少ない表示装置用部材の製造方法、その製造方法を用いた該表示装置用部材及び表示装置を提供することにある。
前記実情に鑑み本発明者らは、鋭意研究を行ったところ、上記課題を解決しうることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1>少なくとも感光剤および溶剤を含有する光硬化性組成物を、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置により基板上に塗布する表示装置用部材の製造方法であって、前記溶剤が、沸点180℃以上の溶剤を、前記溶剤全質量に対して5質量%以上含有することを特徴とする表示装置用部材の製造方法。
<2>前記基板上に塗布するときの塗布速度が100mm/秒〜300mm/秒であることを特徴とする上記<1>に記載の表示装置用部材の製造方法。
<3>前記光硬化性組成物の固形分濃度が、5〜15質量%であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の表示装置用部材の製造方法。
<4>上記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする表示装置用部材。
<5>請求項4に記載の表示装置用部材を有することを特徴とする表示装置。
本発明によれば、スリットノズルの詰まり、乾燥異物の発生、スリット塗布ムラが無く、塗布液(前記光硬化性組成物)のロスが少ない表示装置用部材の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、前記表示装置用部材の製造方法を用いて製造された該表示装置用部材、及び該表示装置用部材を有する表示装置を提供することができる。
[表示装置用部材及びその製造方法]
本発明の表示装置用部材の製造方法は、少なくとも感光剤および溶剤を含有する光硬化性組成物を、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置により基板上に塗布する製造方法であり、前記溶剤が、沸点180℃以上の溶剤を、前記溶剤全質量に対して5質量%以上含有することを特徴とする。
上記構成とすることにより、スリットノズルの詰まり、乾燥異物の発生、スリット塗布ムラが無く、塗布液(前記光硬化性組成物)のロスが少ない表示装置用部材の製造方法を提供することができるものである。
ここで、前記表示装置用部材とは、表示装置に備えられる部材であって、前記光硬化性組成物を用いて基板上に形成されたもの(パターン化されたものを含む。)を言う。
表示装置用部材としては、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、バイオレット(V)等の着色層(例えば、カラーフィルタで、更に遮光層を備えたものを含む。)、ホワイト(W)等の非着色層、スペーサー、液晶配向制御用突起、及び遮光層(例えば、ブラックマトリクスなど)を少なくとも何れか1つ以上を基板上に有する部材等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ等の表示装置用部材は液晶ディスプレイに不可欠な構成部品である。
以下、本発明の表示装置用部材の製造方法に用いる前記光硬化性組成物の構成成分、及び表示装置用部材の製造方法、並びに表示装置について、詳細に説明する。
≪光硬化性組成物≫
本発明における光硬化性組成物は、前述の通り、少なくとも感光剤および溶剤を含有する。前記光硬化性組成物はネガ型でもポジ型であってもよい。
<感光剤>
前記基板上に形成される塗布膜をネガ型に構成する場合、感光剤として、少なくとも光重合開始系を含有することが好ましい。
また、前記塗布膜をポジ型に構成する場合、感光剤として少なくとも光酸発生剤を含有することが好ましい。
(ネガ型)
−光重合開始系−
次に、本発明における光硬化性組成物に含有される光重合開始系について説明する。
本発明において、上記光重合開始系としては、アセトフェノン系、ケタール系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾイル系、キサントン系、トリアジン系、ハロメチルオキサジアゾール系、アクリジン類系、クマリン類系、ロフィンダイマー類系、ビイミダゾール系、等の光重合開始剤や水素供与体などの助剤を用いることが好ましい。該光重合開始剤の例としては、特開2005−70152号公報の段落番号[0090]〜[0096]に記載の光重合開始剤等を好適に挙げることができる。
その他、上記トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチルアミノ)−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、上記ハロメチルオキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−(p−スチリルスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール等を好適に挙げることができる。
上記光重合開始剤の使用量は、光硬化性組成物の全固形分の0.1〜10.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の使用量が0.1質量%以上であると重合が進みやすくなり、また、10.0質量%以下であると十分な膜強度が得られる。
(ポジ型)
本発明における光硬化性組成物に含まれる光酸発生剤としては、例えばナフトキノンジアジドが挙げられ、特開2005−338258号公報の段落番号[0041]〜[0044]に記載のナフトキノンジアジドが本発明において好適に用いることができる。
<溶剤>
本発明における光硬化性組成物には溶剤として、沸点が180℃以上の溶剤を、全溶剤質量に対して5質量%以上を含有する。
該溶剤のうち、5質量%以上の溶剤の沸点は180℃以上が必要である。5質量%以上の溶剤の沸点は、高いほど乾燥抑制効果の向上傾向が観られ、あまり沸点が高すぎると、その後の現像工程で画素カケが発生する傾向にある。
以上の点も考慮すると、該溶剤の沸点は、好ましくは180℃〜260℃、より好ましくは、190℃〜250℃である。
前記沸点が180℃以上の溶剤の含有量は、5質量%以上とする必要がある。前記含有量が多いほど乾燥抑制効果が向上する傾向にあり、また、あまり前記含有量が多すぎると、その後の現像工程で画素カケが発生する傾向にある。
以上の点も考慮すると、前記沸点が180℃以上の溶剤の含有量は好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%である。
前記沸点と含有量との好適な組合せがより好ましい。
(沸点180℃以上260℃以下の溶剤の具体例)
前記沸点が180℃以上である溶剤であれば用いることができるが、その中でも好ましい、沸点180℃以上260℃以下の溶剤の具体例としては、例えば、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点190℃)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(沸点242℃)、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(沸点212℃)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(沸点229℃)、プロピレングリコールフェニルエーテル(沸点243℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点188℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点202℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点217℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点231℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点247℃)、1,3−ブチレングリコール(沸点208℃)、トリアセチン(沸点260℃)、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(沸点213℃)等が挙げられる。
<その他の成分>
本発明における光硬化性組成物には、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、フッ素系有機化合物、その他の添加剤を必要に応じて加えることができる。
上記光重合開始系を含む光硬化性組成物として、特開2006−126633号公報の段落番号[0019]〜[0028]に記載のカラーフィルタ用着色組成物、特開2006−23696号公報の段落番号[0010]〜[0021] に記載の着色感光性樹脂組成物や、特開2002−351075号公報の段落番号[0009]〜[0055]に記載の感光性樹脂組成物を構成する成分を、本発明においても好適に用いることができる。
また、該光酸発生剤を含む光硬化性組成物として、特開2005−338258号公報の段落番号[0033]〜[0052]に記載のポジ型感光性樹脂層を構成する成分を、本発明においても好適に用いることができる。
本発明における光硬化性組成物の固形分濃度としては、特に限定されるものでないが、前記光硬化性組成物の基板上への塗布性の観点から、5〜15質量%であることが好ましく、8〜14質量%がより好ましく、9〜13質量%が特に好ましい。
前記光硬化性組成物の固形分濃度が、5質量%未満であると塗布ムラが生じやすく、また、15質量%を超えると塗布時に液切れ(液によって基板に形成された液膜に、塗布方向に平行、または、直角に、筋状の液が無い部分が生じる)が発生しやすい。該液切れは塗布速度にも依存し、5質量%から15質量%の間は、液切れ無く塗布する事のできる、塗布速度の最高値(これを最高塗布速度と呼ぶ)が、固形分濃度の増加とともに低くなる。
<光硬化性組成物の調製>
本発明の光硬化性組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性化合物、光重合開始剤、溶剤さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を溶剤と混合し各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
尚、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理、さらに続けて行う高圧分散処理からなることが好ましい。
本発明の組成物の好ましい製造方法としては、着色剤をアルカリ可溶性樹脂で、混練分散処理後の粘度が10,000mPa・s以上、望ましくは100,000mPa・s以上の比較的高粘度になるように混練分散処理し、次いで前記アクリル可溶性樹脂を添加して、微分散処理後の粘度が1,000mPa・s以下、望ましくは100mPa・s以下の比較的低粘度になるように微分散処理することである。
混練分散処理で使用する機械は二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸および2軸の押出機等であり、強い剪断力を与えながら分散する。次いで、溶剤およびアルカリ可溶性樹脂を加えて、主として縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.1〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理する。尚、混練分散処理を省くことも可能である。その場合には、着色剤及び必要に応じて分散剤若しくは表面処理剤と、アルカリ可溶性樹脂と溶剤とでビーズ分散を行う。また、高圧分散処理は、減圧機構付高圧分散機等を用いて行うことができる。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著「Paint Flow and Pigment Dispersion」(1964年 John Wiley and Sons社刊)等にも記載されている。
本発明の光硬化性組成物は、高画質が求められる液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタの作製に好適であり、特に、大型基板上への塗布適性に優れているので、画面サイズが大きな大型液晶ディスプレイに好適である。例えば、ノート型パソコン用表示部、携帯電話用、薄型TV用途に使用されるカラーフィルタに好適である。
≪表示装置用部材及びその製造方法≫
本発明の表示装置用部材の製造方法は、本発明における前記光硬化性組成物を、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置を用いて基板上にスリット塗布すること(塗布工程)を特徴とする。
前記塗布装置を用いて、前記光硬化性組成物を塗布することにより、乾燥が起因と推察されるスリット塗布ムラ(筋ムラ)、不定形ムラなく、また、塗布液のロスが少ない本発明の製造方法を提供することができる。
本発明の表示装置用部材の製造方法は、更に、前記塗布後乾燥して塗布膜を形成し(乾燥工程)、該塗布膜にパターン露光(パターン露光工程)、次いでアルカリ現像を行う工程(現像工程)を含むことが好ましい。
(塗布工程)
本発明の表示装置用部材の製造方法における塗布は、前述のごとく、回転ローラーを有する予備吐出装置を有するスリット塗布装置を用いて行う。
−スリット塗布に用いる装置−
本発明の表示装置用部材の製造方法において、スリット塗布に用いる装置は、図1に示すように、スリットノズル1と、予備吐出用の回転ローラーを備えた回転ローラー型予備吐出装置とが少なくとも備えられた構成となっている装置であれば、特に限定されず用いることができる。
また、スリット塗布装置には、スリットノズルが基板に対して相対的に移動する方式によりスリットノズルが移動するタイプの装置と、基板が移動するタイプの装置とがある。本発明においてこれらはいずれも用いることができる。
該スリット塗布装置は、基板を保持して搬送するための基板保持部を有することが好ましい。
通常スリットノズルには塗布液を供給するポンプなどの液供給システムが接続され、スリットノズルから塗布液が吐出できるようになっている。
以下、特開2001−310147号公報の図1に記載されている装置を例に説明する。
次に、回転ローラー型予備吐出装置について説明する。
−回転ローラー型予備吐出装置−
本発明の表示装置用部材の製造方法に用いる予備吐出装置は、回転ローラーを有する予備吐出装置である。
図1は本発明に用いることができる回転ローラー型予備吐出装置の一例の洗浄層部分の断面図である。
前記回転ローラー型予備吐出装置Pは、図1に示すように、回転可能なローラー13及び洗浄槽10を少なくとも有する構成となっている。
前記洗浄槽10は、洗浄液S1が満たされた貯留部11と、前記回転ローラー13が回転可能なように構成された側壁部12から少なくとも形成されている。
前記洗浄液S1は、前記回転ローラー13が洗浄できるものであれば特に限定されるものでない。
本発明における塗布において、前記回転ローラー型予備吐出装置Pにより、液供給システム(図示せず。)から送られてくる塗布液S2がスリットノズル1から回転ローラー13に予備吐出される。基板(図示なし)に塗布する前に前記回転ローラー13に塗布する事で、スリットノズル先端(吐出口)2の乾燥や、異物発生を抑制することができる。
前記回転ローラー13は回転して洗浄液S1により洗浄されて、再び元の回転ローラーの清浄な状態となり再びスリットノズル1より塗布液S2が予備吐出される。
従来、ノズル先端の乾燥等に基づく異物の混入防止のため、予備吐出前にスリットノズルを溶剤で洗浄し予備吐出する必要があった。しかし、この洗浄液がスリットノズルに残存すると、これに起因すると推察されるスリット塗布ムラ等が発生することとなり、また、前記洗浄液により塗布液は希釈されるので所望の塗布濃度にするために予備吐出する必要があり予備吐出量も増加する結果となった。
本発明は、前記予備吐出装置を備えたスリット塗布装置と前記光硬化性組成物とを用いることにより、予備吐出前のスリットノズルの洗浄を行うことなく、スリットノズルの詰まり及び乾燥異物の発生がなく、またスリット塗布ムラがない表示装置用部材を製造することができるものである。
本発明において、前記光硬化性組成物を前記基板上に塗布するときの塗布速度は、塗布ムラの減少と、生産効率アップの両立の観点から、100mm/秒〜300mm/秒が好ましく、120mm/秒〜280mm/秒であることがより好ましく、140mm/秒〜250mm/秒であることが特に好ましい。
ここで、前記塗布速度とは、前記基板が移動するタイプのスリット塗布装置では前記塗布装置への基板の搬送速度と、またスリットノズルが移動するタイプのスリット塗布装置ではスリットノズルの移動速度と、実質的に同一になる。
前記塗布速度は、100mm/秒未満であると、生産性を維持するために、予備吐出・他の時間を削減する必要があり、その結果として、ムラなどが増える場合があり、300mm/秒を超えると液切れが顕著となる場合がある。
(乾燥工程)
基板上に塗布された本発明における光硬化性組成物の塗布膜の乾燥は、VCD(減圧乾燥)及びまたはプリベーク(ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10〜300秒処理)で行うことができる。
本発明における光硬化性組成物の塗布膜の塗布厚み(乾燥後)は、一般的に0.3〜5.0μm、望ましくは0.5〜3.5μm、最も望ましくは1.0〜2.5μmである。
(パターン露光工程)
前記パターン露光は、所定のマスクパターンを介して前記塗布膜に放射線を照射する工程である。この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
(現像工程)
前記アルカリ現像は、前記パターン露光における光未照射部分をアルカリ水溶液により除去させ、光硬化した部分だけを残す工程である。
現像液としては、光未照射部の組成物の塗布膜を溶解し、一方光照射部を溶解しないものであればいかなるものも用いることができる。
現像液としては、本発明における組成物を除去し、一方硬化部を除去しない組成物であればいかなるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
上記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄(リンス)する。
(ポストベーク)
次いで、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥又はエアーナイフによる水切り等を施した後の現像後の塗布膜に、50℃〜240℃の温度で加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱であり、好ましい温度としては約200℃〜220℃の加熱(ハードベーク)である。
このポストベークは、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
(基板)
基板としては、例えば液晶表示素子等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスおよびこれらに透明導電膜を付着させたものが挙げられる。さらに、プラスチック基板も可能である。
以上の工程により、本発明の表示装置用部材が得られる。
例えば、カラーフィルタの場合は、以上の工程を色の数(例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)等)だけ順次繰り返すことにより作製する。また、各画素間にブラックマトリックスを設けてもよい。カラーフィルタ上には、更に必要に応じて、オーバーコート膜や透明導電膜を形成してもよい。
遮光層(例えば、ブラックマトリクスの場合)は、ガラス基板やRGB等の着色パターンが形成されたカラーフィルタ基板の上に、上記の工程によって作製してもよいし、その他の基板(例えば、TFT基板等)の上に作製してもよい。
前記ブラックマトリックスは、カーボンブラック、チタンブラックなどの黒色の着色剤を添加した組成物をパターン露光、アルカリ現像し、更にその後、ポストベークして膜の硬化を促進させて形成させることができる。
スペーサの場合、カラーフィルタ基板の上に、上記の工程によって作製してもよいし、その他の基板(例えばTFT基板)の上に作製してもよい。
液晶配向制御用突起の場合、カラーフィルタ基板の上に、上記の工程によって作製してもよいし、その他の基板(例えばTFT基板)の上に作製してもよい。
≪表示装置≫
本発明の表示装置としては、上記で説明した表示装置用部材を備えて構成される。表示装置の例としては、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置が挙げられる。
例えば、本発明の表示装置用部材であるカラーフィルタ、隔壁、スペーサ、液晶配向制御用突起を備えた基板と、これとは別に用意した対向基板とを所定の間隙を設けて対向配置し、該間隙に液晶を封入することによって液晶表示装置が作製される。
液晶の表示方式としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できる。例えば、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、VA(Vertically Aligned)、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、STN(Supper Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、GH(Guest Host)、FLC(強誘電性液晶)、AFLC(反強誘電性液晶)、PDLC(高分子分散型液晶)などの表示方式に適用可能である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
[実施例1]
≪赤色(R)光硬化性組成物の調製≫
<混練分散処理>
下記RED組成Aの各成分をニーダーにて30分間混練した。混練後、さらに二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。
−RED組成A−
・Pigment Red 254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 29部
・Pigment Yellow 139(商品名:Irgaphor Yellow 2R−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 6部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 22部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製) 2部
<微分散処理>
上記混練分散処理により得られた分散物に、下記RED組成Bの各成分を添加し、3000rpmの条件でホモジナイザーを用いて3時間撹拌した。得られた混合溶液を、0.3mmジルコニアビーズを用いたビーズ分散機(商品名:ディスパーマット、GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施した。
−RED組成B−
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 22部
・MMPGAC(沸点146℃)<その他の溶剤1> 200部
<高圧分散処理>
上記微分散処理により得られた混合溶液を減圧機構付高圧分散機(商品名:NANO−3000−10、日本ビーイーイー(株)製)を用いて、2000kg/cmの圧力下で流量500g/minで、分散処理を施した。該高圧分散処理を10回繰り返し、分散液を得た。
<光硬化性組成物の調製>
上記高圧分散処理を10回繰り返して得られた分散液に、下記RED組成Cの各成分を添加し、撹拌混合して、赤色(R)光硬化性組成物を調製した。
−RED組成C−
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物) 23部
・4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン(光重合開始剤) 4部
・BMGAC(沸点186℃)<高沸点溶剤> 117部
・MEK(沸点80℃)<その他の溶剤2> 117部
・MMPGAC(沸点146℃)<その他の溶剤1> 126部
尚、本実施例で用いられる略号は以下の化合物を表す。
Figure 2008055403
≪スリット塗布による赤色(R)着色層の形成≫
スリット間隔(スリットヘッドの吐出口を正面から見た時の吐出口の隙間の幅)50μm、塗布幅(前記吐出口の隙間の長さ)1080mmのスリットヘッドを備え、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置(該スリット間隔、スリットヘッド以外は特開2001−310147号公報に記載のコーターに準じて作製したコーター)を用いて、以下の方法でスリット塗布を行った。
まず、前記スリットヘッドを回転ローラー型予備吐出装置上に移動し、回転ローラーから200μmの高さにヘッドを近づけ、塗布液(上記で得られた赤色(R)光硬化性組成物)をポンプにより送液し、4秒間回転ローラー上に塗布する事で、予備吐出を行い、吐出口からの塗布液の吐出状態を安定化した。
一旦、ポンプを停止したのち、幅1100mm、長さ1300mm、厚み0.7mmの短形状ガラス基板の一方の短辺近くに、前記スリットヘッドを速やかに移動し、200μmのクリアランス(基板とスリットヘッドの吐出口との距離)にて、ポンプより送液を再開し、再び塗布を開始し、150mm/秒にてヘッドを移動した。該基板の、もう一方の短辺近くまで塗布した時点で、ポンプを停止し、スリットヘッドを、再び回転ローラー型予備吐出装置上へ移動し、次の塗布に備えた。前記塗布後のガラス基板を、バキューム乾燥機にて減圧により乾燥し、更にホットプレートで90℃60秒間プリベークして赤色(R)着色層を得た。膜厚は2μmであった。
[評価]
<スリット塗布ムラの評価>
上記で得られた赤色(R)着色層の塗布面の状況を目視にて観察し、筋ムラ及び不定形ムラの評価を行った。
<筋ムラ>
スジ状のムラの本数をカウントし、塗布面にスジ状のムラが全くないものを「◎」、薄く0.5本(基板の長さの半分以下が1本)程度を「○」、薄く1〜2本程度のものを「△○」、3〜5本のものを「△」、6本以上のものを「×」とした。
<不定形ムラ>
基板上の塗布開始位置付近を良く観察し、レジスト(この場合は赤)の濃度が不定形に変動して見えるムラの有無を観察した。該不定形ムラが観察されない場合を「○」、該不定形ムラが観察される場合を「×」とした。
<液ロスの評価>
予備吐出に用いられる塗布液が、基板に塗布されている塗布液の半分以下である事が好ましいので、液ロス率(%)=(予備吐出に使用した塗布液量)/(基板に塗布した塗布液量)×100としたとき、液ロス率が50%以下の場合「○」、50%を超える場合「×」として評価した。
[実施例2〜10、比較例1〜5]
実施例1において、RED組成Cの高沸点溶剤とその他の溶剤2を表2のように変更した他は、実施例1と同様にして本発明及び比較の赤色(R)着色層を作成し、同様に評価した。ここで、比較例4、5は、回転ローラー型予備吐出装置の前に、スリットヘッドを溶剤洗浄装置へ移動し、MEKを吹き付けて洗浄した。比較例5は予備吐出を4秒延長して8秒とした。
評価結果を表2に示す。
Figure 2008055403
[実施例11〜17、比較例6〜7](固形分濃度と塗布速度の評価)
実施例1の赤色(R)光硬化性組成物を調製する際に、BMGAC(沸点186℃)<高沸点溶剤> 、MEK(沸点80℃)<その他の溶剤2>、MMPGAC(沸点146℃)<その他の溶剤1>の添加量を変化させて、表3に記載の固形分濃度の赤色(R)光硬化性組成物を調製した。その際、上記3つの溶媒の添加量は質量部の比率で、117対117対126とした。こうして得られた、実施例11〜17、比較例6〜7の赤色(R)光硬化性組成物を、実施例1と同様に塗布して塗布ムラと液切れを評価した。その際、各赤色(R)光硬化性組成物について、塗布速度を変化させ、液切れ無く塗布できる塗布速度の最大値を最高塗布速度として求めた。また、乾燥後の基板を観察し、乾燥時に発生していると考えられるムラを評価した。
Figure 2008055403
[比較例8]
実施例10で高沸点溶媒の添加量を50(対全溶剤質量%)とした以外は実施例10と同様にして赤色(R)光硬化性組成物を調製した。
[実施例18](カラーフィルタの作製)
≪黒色(K)光硬化性組成物の調製≫
黒色(K)光硬化性組成物は、まず表4に記載の量のK顔料分散物1をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150rpmで10分間攪拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BMGAC)、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150rpmで30分間攪拌することによって得られる。なお、表4に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
Figure 2008055403
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1%
・分散剤1(下記化合物1) 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、分子量3.7万) 6.72%
・MMPGAC 79.53%
Figure 2008055403
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) 27%
・MMPGAC 73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA) 76%
・MMPGAC 24%
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30%
・MEK 70%
Figure 2008055403
≪緑色(G)光硬化性組成物の調製≫
実施例1において、RED組成A、B、Cをそれぞれ下記GREEN組成A、B、Cに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、緑色(G)光硬化性樹脂組成物を調製した。
−GREEN組成A−
・Pigment Green 36(商品名:Rionol Green 6YK、東洋インキ製造(株)製) 28部
・Pigment Yellow 150(商品名:Bayplast Yellow 5GN 01 バイエル株式会社製) 14部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 20部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製) 4部
−GREEN組成B−
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 10部
・MMPGAC(沸点200℃未満の溶剤種;溶剤種1)<その他の溶剤1> 200部
−GREEN組成C−
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物) 18部
・4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン(光重合開始剤) 4部
・1,3−BGDA(沸点232℃)<高沸点溶剤> 110部
・MEK(沸点80)<その他の溶剤2> 110部
・MMPGAC(沸点146℃)<その他の溶剤1> 110部
≪青色(B)光硬化性組成物の調製≫
実施例1において、RED組成A、B、Cをそれぞれ下記BLUE組成A、B、Cに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、青色(B)光硬化性樹脂組成物を調製した。
−BLUE組成A−
・Pigment Blue 15:6(商品名:Rionol Blue ES、東洋インキ製造(株)製) 16部
・Pigment Violet 23(商品名:Hostaperm Violet RL−NF、クラリアントジャパン(株)製) 3部
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 20部
・分散剤(商品名:Disperbyk−161、ビックケミー社製) 4部
−BLUE組成B−
・ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/エトキシメチルアクリレート(=75/15/10[質量比])共重合体(アルカリ可溶性樹脂、重量平均分子量Mw:10000)のMMPGAC溶液(固形分:50質量%) 10部
・MMPGAC(沸点200℃未満の溶剤種;溶剤種1)<その他の溶剤1> 200部
−BLUE組成C−
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合性化合物) 18部
・4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(クロロメチル)−s−トリアジン(光重合開始剤) 4部
・1,3−BGDA(沸点232℃)<高沸点溶剤> 80部
・MEK(沸点80)<その他の溶剤2> 80部
・MMPGAC(沸点146℃)<その他の溶剤1> 25部
≪カラーフィルタの作製≫
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、実施例1と同様の方法で、上記表4に記載の組成よりなる上記黒色(K)光硬化性組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置:東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.0μmの感光性樹脂層K1を得た。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cmでパターン露光した。
次に純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製)を純水で100倍に希釈した液にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、パターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、更に超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、付着している現像液や前記感光性樹脂層溶解物を除去し、エアーナイフにて液切りを行い、ブラック(K)の画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。熱処理後のブラック(K)の画像は高さ2.0μmであった。
−レッド(R)画素の形成−
前記ブラック(K)の画像を形成した基板に、実施例1で作製した赤色(R)光硬化性組成物を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みR画素を形成した。
該熱処理済みR画素の膜厚は1.6μmであった。
−グリーン(G)画素の形成−
前記Kの画像とRの画素を形成した基板に、上記に記載の組成よりなる緑色(G)光硬化性組成物を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みG画素を形成した。
該熱処理済みG画素の膜厚は1.6μmであった。
−ブルー(B)画素の形成−
前記Kの画像、R及びGの画素を形成した基板に、上記に記載の組成よりなる青色(B)光硬化性組成物を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みB画素を形成した。
該熱処理済みB画素の膜厚は1.6μmであった。
以上のようにして、ガラス基板上にブラックマトリクス(BM)及びRGB画素が形成されたカラーフィルタ(以下、「カラーフィルタ基板」ともいう。)を作製した。
≪液晶表示装置の作製≫
上記より作製したカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上にITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。
−フォトスペーサの形成−
前記ITOの透明電極を形成した基板に、下記に記載の組成よりなるフォトスペーサ形成用樹脂組成物を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済みスペーサを形成した。
〜フォトスペーサ形成用樹脂組成物の組成〜
・コロイダルシリカ分散物(コロイダルシリカ:30部、メチルイソブチルケトン:70部、日産化学工業製 MIBKst) 140.9部
・MMPGAC 455部
メタクリル酸/アリルメタクリレート共重合体(モル比)=20/80
(重量平均分子量=3.6万) 93.43部
・DPHA液(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:76部、MMPGAC:24部) 92.20部
・ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.036部
・2,4−ビス−(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−s−トリアジン 2.297部
・ビクトリアピュアブルーBOHM(保土ヶ谷化学工業株式会社製) 1.027部
・メガファックF−780−F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.323部
・MEK 60部
・BMGAC 155部
尚、全溶剤中の高沸点溶剤(BMGAC)は20%、その他の溶剤はMMPGACが60%、MEKが8%、メチルイソブチルケトンが12%であった。
得られたスペーサパターンは、ブラックマトリクスの上方に位置するITO膜上に形成され、直径16μm、平均高さ3.7μmの柱状であった。
以上の、各色及びフォトスペーサの形成条件をまとめると次の通りであった。
Figure 2008055403
−液晶配向制御用突起の形成−
前記フォトスペーサを形成した基板に、下記に記載の組成よりなる液晶配向制御用突起用塗布液T1を用い、前記ブラック(K)画像の形成と同様の工程で、熱処理済み液晶配向制御用突起を形成した。
但し、露光、現像、及び、ベーク工程は、以下の方法を用いた。
所定のフォトマスクが感光性樹脂層の表面から100μmの距離となるようにプロキシミティ露光機を配置し、該フォトマスクを介して超高圧水銀灯により照射エネルギー150mJ/cmでプロキシミティ露光した。その後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を、シャワー式現像装置にて33℃で30秒間基板に噴霧しながら現像し、感光性樹脂層の不要部(露光部)を現像除去した。カラーフィルタ側基板上には、所望の形状にパターニングされた感光性樹脂層よりなる液晶配向制御用突起が形成された。
次いで、該液晶配向制御用突起が形成された液晶表示装置用基板を230℃下で30分ベークすることにより、液晶表示装置用基板上に液晶配向制御用突起を形成した。
*液晶配向制御用突起用塗布液T1の組成
・ポジ型レジスト液(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F) 100部
・DPM 10部
・メガファックF−780F(大日本インキ化学工業(株)製) 0.04部
尚、全溶剤中の高沸点溶剤(DPM)は5%以上であった。
−液晶表示装置の作製−
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれMVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリックス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、MVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。
このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。
次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
上記で得られたカラーフィルタは、筋ムラ、不定形ムラが無い、良好なものであった。また、上記で得られた液晶表示装置は筋ムラ、不定形ムラが無い、良好なものであった。
[実施例19]
画素カケの傾向を評価するため、実施例18と同様にしてブラツク(K)画像を形成した基板上に、実施例1〜10、比較例8の赤色(R)光硬化性組成物を用いて、実施例1と同様にしてレッド(R)画素を形成した。その際、露光量を半分(50J/cm)、現像時間を2倍(120秒)として、アンダーカット(現像後の画素断面形状が順テーパーとならず、基板近傍が狭くなった状態)を発生させた。更に超高圧洗浄ノズルを14MPaに設定し、画素カケが発生しやすい条件とした。
<画素カケの評価>
上記のレッド(R)画素が形成された基板の中央付近を光学顕微鏡で観察し、100画素あたりのカケの発生の程度を調べた。
[評価基準]
○ : カケ無し
○△ : サイズ1μm未満のものが1個
△ : サイズ1〜3μmのものが1個
× : サイズ1〜3μmのものが2個以上
Figure 2008055403
上記から明らかな通り、その結果は実施例全般に亘り良好であった。
本発明における回転ローラー型予備吐出装置の1例の洗浄槽部分の断面図である。
符号の説明
1 スリットノズル
2 吐出口
10 洗浄槽
11 貯留部
12 側壁部
13 回転ローラー
21 排気口
20 排気カバー
25 上面カバー
26 ギャップセンサー
S1 洗浄液
S2 塗布液
P 予備吐出装置

Claims (5)

  1. 少なくとも感光剤および溶剤を含有する光硬化性組成物を、回転ローラー型予備吐出装置を有するスリット塗布装置により基板上に塗布する表示装置用部材の製造方法であって、前記溶剤が、沸点180℃以上の溶剤を、前記溶剤全質量に対して5質量%以上含有することを特徴とする表示装置用部材の製造方法。
  2. 前記基板上に塗布するときの塗布速度が100mm/秒〜300mm/秒であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置用部材の製造方法。
  3. 前記光硬化性組成物の固形分濃度が、5〜15質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置用部材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする表示装置用部材。
  5. 請求項4に記載の表示装置用部材を有することを特徴とする表示装置。
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