JP3960311B2 - ダイコート用硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

ダイコート用硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、ダイコート用硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、ダイコート用硬化性樹脂組成物を基板の表面に塗布する工程で、乾燥凝集し難く、異物の発生を大幅に少なくしたダイコート用硬化性樹脂組成物、このダイコート用硬化性樹脂組成物を用いて製造したカラーフィルタ、このカラーフィルタの製造方法、および、このカラーフィルタを用いて調製された液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタの製造方法としては、顔料分散法、染色法、電着法、印刷法が知られている。分光特性、耐久性、パターン形状および精度などの観点から、平均的に優れた特性を有する顔料分散法が、最も広範に採用されている。
以下、顔料分散法の概要を説明する。通常、最初に、ガラス基板などの透明支持体上に、クロムや酸化クロムなどの金属遮光膜により、ブラックマトリックスを形成し、次いで、例えば赤色の顔料を分散させた硬化性樹脂組成物(カラーレジスト)をスピンコート法などにより全面に塗布し、マスクを介して露光する。露光後に現像を行うと、赤色の画素が得られる。青色、緑色の画素についても同様の手法によって、3色の画素が形成される。各画素間は、ブラックマトリックス部が凹(へこ)みとなるので、平滑化のために表面をエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などの透明樹脂の保護膜で被覆するが、この保護膜は設けない場合もある。更に、保護膜上にスパッタリングや真空蒸着などで、ITO膜などの透明導電膜を形成する。また、最近では、ブラックマトリックスを形成する際にも、顔料分散法が採用されることが多い。具体的には、黒色顔料を分散させた硬化性樹脂(ブラックレジスト)を塗布、露光、現像させて作成される。
近年の技術革新の流れに違わず、液晶表示装置に要求される性能も多様化、高度化している。中でも、カラーフィルタについては、これまで以上に広い色再現性があること、高透過率であることなどが要求されている。これらの諸要求を、上記の顔料分散法によって達成するために、多種多様の新規顔料が開発され、しかも、これら新規顔料を高濃度に配合した硬化性樹脂組成物(カラーレジスト)が、主流となりつつある。また、カラーレジストだけでなく、上記したブラックレジストにおいても、薄い塗布膜でかつ高い遮光性が要求されており、顔料濃度が高濃度化されたレジストが採用される傾向にある。
一方、カラーフィルタの製造方法に関しても、種々の新技術が開発されている。画素形成工程のうち、例えば、レジストの塗布工程に関しては、これまで基板中央部にレジストを滴下し、スピンコート法によって均一化するのが主流であった。しかしながら、基板が大型化されるに伴い、レジスト使用量が増加すること、および、スピンコーターの装置上の制約(モーターの能力など)が大きいことなどから、最近ではダイコート法による塗布技術が開発され、一部実用化されている。
一般に、レジストをダイコート法によって塗布する技術は、例えば、ディスク状記録媒体などの製造に採用され、通常は高分子フィルムなどの媒体に、レジストなどの塗布液を連続塗布する場合に好適に採用される。カラーフィルタのような枚葉塗布の場合には、レジストの塗布方法は間欠塗布であり、ダイリップの先端は、湿潤、乾燥を繰り返す。高濃度の顔料を分散させたカラーレジストまたはブラックレジストがダイリップ先端で乾燥す
ると、顔料濃度が急激に増加するため、顔料の凝集塊が発生する場合がある。これら凝集塊は、ダイリップ先端に付着し、再度レジストを吐出した際にリップ先端から剥離して基板上に移動する。これら凝集塊は、その後の工程では容易に除去されず、最後まで基板上に残留する。このような凝集塊は、カラーフィルタの画素欠陥となり、品質不良の原因となる。この不良現象が頻発すると製品の歩留りが低下するので、避けなければならない現象の一つとされている。
しかしながら、従来のカラーフィルター用レジスト(例えば、特許文献1参照)では、この問題が十分に解決されていなかった。
特開2002−372779号公報
本発明の目的は、従来技術における上記の諸問題点を解決し、塗布液として高濃度レジストを用いた場合でも、ダイリップ先端における乾燥凝集塊の発生を抑制することができ、基板上への異物付着を最小限とし、高品質の製品が得られるダイコート用硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を進めた結果、次のような知見を得た。すなわち、顔料などの色材、溶剤成分、バインダ樹脂および/またはその単量体を含有する、カラーフィルタ製造用に採用されるダイコート用硬化性樹脂組成物において、溶剤成分として、特定物性値が特定の関係にある混合溶剤を用いることによって、主として塗布時に発生する凝集塊による画素欠陥発生が大幅に抑制されることを見いだし、本発明に到達した。特に、ダイコート法によって塗布する際には、ダイリップ先端で乾燥が促進されるため、凝集塊が生じ易いが、上記ダイコート用硬化性樹脂組成物を使用すると、凝集塊の基板面への付着残留が抑制され、不良製品発生率を大幅に低くできることを見いだした。
上記課題を解決するために、第1発明では、色材[(a)成分]、溶剤成分[(b)成分]、バインダ樹脂[(c1)成分]および/またはその単量体[(c2)成分]を含有する硬化性樹脂組成物であって、
色材[(a)成分]が顔料であり、
溶剤成分[(b)成分]が、溶剤成分[(b1)成分]、溶剤成分[(b2)成分]および溶剤成分[(b3)成分]の混合物であり、溶剤成分[(b1)成分]がプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートであり、溶剤成分[(b2)成分]が沸点(圧力1013.25[hPa]条件下での沸点
。)50℃以上133℃以下のアルコール類および/またはジケトン類、溶剤成分[(b3)
成分]が沸点150℃以上の溶剤であり、かつ、次の(1)ない し(3)の関係を満たすことを特徴とする、ダイコート用硬化性樹脂組成物を提供する。
(1)溶剤成分[(b1)成分]の沸点が、溶剤成分[(b2)成分]の沸点より高い。
(2)溶剤成分[(b1)成分]の含有量が、溶剤成分[(b2)成分]の含有量より大である。
(3)硬化性樹脂組成物のSP(溶解度パラメータ)値をδR、溶剤成分[(b1)成分]のSP 値をδ(b1)、溶剤成分[(b2)成分]のSP値をδ(b2)とするとき、δR、δ(b1)およびδ(b2)が、次式すなわち、|δR−δ(b1)|>|δR−δ(b2)|、を満たす。(ただし、δRを計算する際には、下記(イ)、(ロ)および(ハ)のSP値および重量%は0として計算する。
(イ)色材[(a)成分]
(ロ)溶剤成分[(b)成分]
(ハ)色材[(a)成分]および溶媒成分[(b)成分]を除いた硬化性樹脂組成物中、含有率が5重量%以下の成分。)
また、第2発明では、カラーフィルタ基板上に、第1発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物を塗布する工程、これを露光する工程、および露光後にこれを現像する工程を経て画素を形成するカラーフィルタの製造方法において、カラーフィルタ基板上への塗布をダイコート法によって行うこと、を特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。

本発明の硬化性樹脂組成物を用いることにより、ダイコート法によって塗布する際に、ダイリップ先端で乾燥に起因する凝集塊の基板面への付着残留が抑制され、不良製品発生率を大幅に低減する効果がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]ダイコート用硬化性樹脂組成物の構成成分
本発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物(以下、単に硬化性樹脂組成物と略称することがある)は、色材{以下、単に(a)成分と略称する}、溶剤成分{以下、単に(b)成分と略称する}、バインダ樹脂{以下、単に(c1)成分と略称する}および/またはその単量体{以下、単に(c2)成分と略称する}、要すればさらに、光重合開始剤系{以下、単に(d)成分と略称する}、(a)成分ないし(d)成分以外の他の添加物{以下、単に(e)成分と略称する}などを配合することができる。
[1-1]色材=(a)成分
(a)成分は、本発明に係る硬化性樹脂組成物を着色するものをいう。(a)成分としては、赤色、緑色、青色の顔料および調色用の黄色、バイオレットの顔料、カーボンブラックなどが挙げられ、この他、必要に応じ配合できるものとして、金属粉、白色顔料、蛍光顔料などが挙げられる。顔料は無機顔料、有機顔料のいずれでもよい。無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラックなどが挙げられる。
有機顔料として、例えば、次のようなものが挙げられる。なお、以下の染料・顔料などの(a)成分の種類は、C.I.(カラーインデックス)番号で記載する。黄色顔料として
は、C.I.ピグメントイエロー1、3、4、5、6、12、13、14、16、17、18、20、24、55、65、73、74、81、83、86、87、93、94、95、97、98、100、101、108、109、110、113、116、117、120、123、125、128、129、133、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、156、166、168、169、170、171、172、173、175などが挙げられる。
オレンジ顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、15、16、17、18、19、31、34、36、38、40、42、43、51、52、55、59、60、61、62などが挙げられる。赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、17、18、22、23、31、37、38、41、42、48:1、48:2、48:3、49、50、52、53、54、57、58、60、63、64、68、81、88、90、97、112、114、115、122、123、133、139、144、146、147、149、150、151、166、168、170、171、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、194、202、207、208、209、214、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、243、245、246、247、254などが挙げられる。
バイオレット顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、2、3、5、19、23、29、30、31、32、33、36、37、38、39、40、43、50などが挙げられ、青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、17、19、22、56、60、61、64などが挙げられる。緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン2、8、10などが挙げられ、ブラウン顔料としては、C.I.ピグメントブラウン5、
23、25、26、32などが挙げられ、黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック7などが挙げられる。
カーボンブラック、および上記した以外の染料・顔料の具体的例としては、三菱カーボンブラックM1000、三菱カーボンブラックMA−100、三菱カーボンブラック#40、ビクトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サクラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、NO.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラファーストイエローGRO(21090)、シムラファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4J−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッド7B4401(15850)、ファーストゲンブルーJGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー15:6、ピグメントブルー1536)、リオノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168、ピグメントレッド108)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリーン36)などが挙げられる。
本発明に係る硬化性樹脂組成物において、(a)成分の占める割合は、通常、硬化性樹脂組成物中の総固形分の1〜70重量%の範囲で選ぶのが好ましい。(a)成分の割合が多過ぎると、(a)成分の凝集塊が発生し易く、少な過ぎると塗布膜を厚くする必要があり、塗布膜構成上好ましくない。なお、本発明において「総固形分」とは、後記する溶媒成分の[(b)成分]を除いた総ての成分を意味する。上記範囲の中では、下限値は、好ましくは5重量%、より好ましくは10重量%、より好ましくは15重量%、更に好ましくは20重量%、特に好ましくは30重量%である。一方、上限値は、好ましくは60重量%、より好ましくは44重量%、更に好ましくは42重量%、特に好ましくは40重量%である。従って、(a)成分の占める割合は、硬化性樹脂組成物中の総固形分の10〜70重量%がより好ましく、中でも20〜60重量%が好ましく、中でも20〜42重量%が更に好ましく、30〜40重量%が特に好ましい。
[1-2]溶剤成分=(b)成分
溶剤成分である(b)成分は、本発明に係る硬化性樹脂組成物において、(a)成分および(c)成分のほか、場合により配合される(d)成分および(e)成分などを溶解または分散させ、粘度を調節するように機能する。(b)成分を構成する溶剤は、第1発明においては、溶剤成分{以下、(b1)成分と略称する}と溶剤成分{以下、(b2)成分と略する}および溶剤成分{以下、(b3)成分と略称する}を含み、前記(1)ないし(3)の関係を満たすことを必須とする。
第1発明においては、溶剤成分[(b)成分]が、溶剤成分[(b1)成分]、溶剤成分[(b2)成分]
および溶剤成分[(b3)成分]の混合物であり、溶剤成分[(b1)成分]がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、溶剤成分[(b2)成分]が沸点(圧力1013.25[hPa]条件下での沸点。以下同じ意味である))50℃以上133℃以下のアルコール類
および/またはジケトン類であり、さらに溶剤成分[(b3)成分]が沸点150℃以上の溶剤であり、かつ溶剤成分[(b1)成分]の沸点が、溶剤成分[(b2)成分]の沸点より高いことが必要である。(b1)成分と(b2)成分との沸点(圧力1013.25[hPa] 条件下での沸点)が、一方の(b1)成分を高沸点のもの、他方の(b2)成分を(b1)成分より低いものとして組合せるものとする。このように組合せると、基板にダイコート法により硬化性樹脂組成物を塗布する際に、凝集塊の発生を大幅に抑制することができる。

(b1)成分は、(b)成分に溶解している成分の溶解性を向上させ、分散している成分の分散性を安定化させる。(b1)成分の具体例としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、酢酸メトキシブチルなどグリコールエーテルエステル類やジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、などのグリコールエーテル類が挙げられる。グリコールエーテルエステル類の中でも、グリコールエーテルアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが更に好ましい。(b)成分に占める(b1)成分の割合は、特に制限はないが、30〜90重量%の範囲で選ぶのが好ましい。より好ましいのは、50〜80重量%である。(b1)成分は、二種以上併用してもよい。
(b2)成分としては、アルコール類(アルコール性水酸基を有するもの)やジケトン類が挙げられるが、アルコール類が好ましく、中でも1価ないし2価のアルコール性水酸基を有するものが好適である。具体的には、アルコール類としては、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどの脂肪族アルコール類、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール類、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコール類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールモノエーテル類が挙げられる。中でもグリコールモノエーテル類が好ましい。ジケトン類としてはアセチルアセトン、ジアセチルなどが挙げられ、中でもアセチルアセトンが好ましい。
(b2)成分の中では、沸点が50〜300℃のものが好適である。沸点が50℃より低いと、塗布工程などにおいて乾燥が促進されるため、(b2)成分添加の効果が相殺される場合がある。沸点が300℃より高いと、硬化性樹脂組成物の乾燥性抑制の効果は高いが、熱焼成後においても塗膜中に残留溶媒が多く存在し、品質上の不具合を生じる場合がある。(b2)成分の沸点の特に好ましい範囲は、100〜250℃である。
また、硬化性樹脂組成物に含まれる(b1)成分と(b2)成分の含有量は、(b1)成分の方を多くする。(b)成分中に占める(b2)成分の割合は、好ましいのは10〜40重量%であり、
特に好ましいのは20〜40重量%である。
(b)成分は、(b1)成分と(b2)成分によって構成されるが、これらとは異なる溶剤であっ
て沸点が150℃以上の溶剤成分[以下(b3)成分と略称する]、および/または、(b1)成分
、(b2)成分および(b3)成分以外の溶剤成分{以下、[(b4)成分と略称する]を併用することができる。(b3)成分を混合することにより、(b)成分の乾燥を抑制することができる。(b4)成分を混合することにより、後記する(d)成分{光開始剤系}、(e)成分[(a)成分ないし(d)成分以外の成分}などを、均一に溶解または分散させるように機能する。
(b3)成分の具体例としては、アルコキシエステル類とグリコールエーテル類が好ましく、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチエレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。中でも、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好適である。
(b3)成分は、沸点が170℃以上のものが好ましく、さらに190℃以上のものが好ましく、300℃以下のものが好適である。沸点が300℃より高いと、硬化性樹脂組成物の乾燥性抑制の効果は高いが、熱焼成後においても塗膜中に残留溶媒が多く存在し、品質上の不具合を生じる場合がある。沸点は、270℃以下がより好ましい。(b3)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。(b)成分に占める(b3)成分の割合は、特に制限
はないが、1〜60重量%の範囲で選ぶのが好ましい。より好ましい範囲は、10〜30重量%である。
(b4)成分の具体例としては、例えば、ジイソプロピルエーテル、ミネラルスピリット、n−ヘプタン、アミルエーテル、エチルカプリレート、n−ヘキサン、ジエチルエーテル、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、n−オクタン、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソプチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノクルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1およびNO.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec,t-)酢酸ブチル、ヘキセン、シェルTS28ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエー卜、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジペンテン、メトキシメチルペンタノ一ル、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキザノン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エヂルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノ一ル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどが挙げられる。これら(b4)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
本発明の第1発明に係る硬化性樹脂組成物は、本発明者らの実験によれば、硬化性樹脂組成物に含まれる、溶媒成分[(b)成分]の(b1)成分と(b2)成分のSP値(solubility parameter)が、硬化性樹脂組成物を基板に塗布する際の乾燥凝縮し難さ、異物の発生し難さなどに密接な関係があり、硬化性樹脂組成物のSP値をδR、(b1)成分のSP値をδ(b1)、(b2)成分のSP値をδ(b2)とするとき、次式すなわち、|δR−δ(b1)|>|δR−δ(b2)|、を満たすことが必要であることが分かった。ただし、δRを計算する際に、硬化性樹脂組成物に含まれる(a)成分、(b)成分、および、含有率が5重量%以下の成分のSP値および重量%は、0として計算する。なお「含有量5重量%以下」とは、「色材[(a)成分]および溶媒成分[(b)成分]を除いた硬化性樹脂組成物中、含有率が5重量%以下」の意である。
溶媒成分[(b)成分]のSP値は、化合物分子に特有の値であり,次の手順で算出される。まず、分子構造中の各官能基のvi(モル体積)の総和(V)を、V=Σvi、で計算する。ついで、分子構造中の各官能基のFdi(分散力に関する定数)、Fpi(極性に関する定数)、Ehi(水素結合エネルギー)から、δd=ΣFdi/V、δp=√(ΣFpi2)/V、δh=√(ΣEhi/V)、δ=√(δd2+δp2+δh2)を計算する。
これら式におけるvi、Fdi、Fpi、Ehiなどは固有の値であり、文献に記載されている。文献としては、プロパティズオブポリマーズーそれらの定数と化学構造との関係("PROPERTIES 0F POLYMERS" Their estimation and correlation with chemical structure", D.W.Van Krevelen, P.J.Hoftyzer, Elsevier Scientific Publishing Company,Amsterdam-Oxford-New York,1976)が挙げられる。硬化性樹脂組成物のδR、硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分の重量%(wi)から,次式によって算出する。δR={Σ(δi×wi)}/Σwi。ただし、硬化性樹脂組成物に含まれる色材[(a)成分]、溶媒成分[(b)成分]、および、含有率が5重量%以下の成分のSP値および重量%は、0として計算する。なお「含有量5重量%以下」とは、「色材[(a)成分]および溶媒成分[(b)成分]を除いた硬化性樹脂組成物中、含有率が5重量%以下」の意である。
硬化性樹脂組成物中に含まれる各成分が、上記(1)ないし(3)の関係を満たすと、これをダイコート法により基板に塗布する際に、凝集塊の発生を大幅に抑制することができる。上記(3)の関係は、SP値の定義によって、硬化性樹脂組成物に対する相溶性が、(b1)成
分より(b2)成分の方が高いことを意味する。これに上記(1)、(2)の関係を組合せると、硬化性樹脂組成物に対する相溶性の高い溶媒の方が、より低沸点で、かつ、より含有量が低いということを意味する。
第1の発明に係る硬化性樹脂組成物全体に占める,上記(b1)成分ないし(b4)成分によって構成される(b)成分の含有量は、特に制限はないが、通常は、硬化性樹脂組成物全体に
占める割合を、99重量%以下とする。(b)成分が多すぎると、(a)成分、(c)成分などが
少なくなり過ぎて塗布膜を形成するには不適当であり、(b)成分が少なすぎても粘度が高
くなり過ぎて塗布用途に供するには不適当となる。硬化性樹脂組成物全体に占める(b)成
分の含有量は98重量%以下が好ましく、95重量%以下がさらに好ましく、90重量%以下がとりわけ好ましい。また、硬化性樹脂組成物中に占める総固形分[溶剤成分[(b)成分]を除く総ての成分を含む]は18重量%以下が好ましい。総固形分が多すぎると、基
板にダイコート法によって塗布する場合に、ダイリップの先端に凝集塊が発生しやすくなり、好ましくない。従って、硬化性樹脂組成物全体に占める(b)成分の含有量は、82重
量%以上が好ましく、84重量%以上がとりわけ好ましい。
[1-3]バインダ樹脂=(c1)成分
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、透明基板に塗布してカラーフィルタを製造する際の塗布液として好適に使用される。以下では、カラーフィルタ用の硬化性組成物として使用する場合を例にして説明ずる。(c1)成分(バインダ樹脂)を単独で使用する場合は、目的とする画素画像の形成性や性能、採用したい製造方法などを考慮し、それに適した種類の(cl)成分を適宜選択する。(c1)成分を(c2)成分と併用する場合は、硬化後(特に光硬化後)の物性、例えば(b)成分との相溶性、硬化性樹脂組成物の基板上での皮膜形成性、基板
との接着性、塗布膜の現像性などが改善される。
(c1)成分の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミドなどの単独重合体、または、これら単量体を含む共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノ一ル、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含むことを意昧し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基なども同様の意味であり「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味する。また、本発明において「アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体を意味する。
上に挙げた(c1)成分の中で好ましいのは、側鎖または主鎖にカルボキシル基またはフェノ一ル性水酸基を有する単量体を含むアクリル系樹脂である。(c1)成分としてこれら官能基を有するアクリル系樹脂を使用すると、得られたカラーフィルタは、アルカリ性溶液での現像が可能となる。中でも特に好ましいのは、高アルカリ性溶液での現像が可能な、カルボギシル基を有するアクリル系樹脂、例えば、アクリル酸(共)重合体、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂などである。中でもとりわけ好ましいのは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体である。これらのアクリル系樹脂は、現像性・透明性などに優れ、種々の単量体と組合せて性能の異なる共重合体を得ることができ、かつ、製造方法が制御し易いからである。
(c1)成分としてのアクリル系樹脂は、例えば次に挙げる単量体を主成分とする(共)重合体である。単量体としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、アジピン酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、アジピン酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、などの、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸(無水物)を付加させた化合物などが挙げられる。
上記の単量体と共重合させることができる単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系単量体類、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和基含有カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類、(メタ)アクリル酸にε
一カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類を付加させた化合物類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのアクリルアミド類、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの酸ビニル類などが挙げられる。
なお、基板上の塗布膜の強度を向上させるのに好ましい(c1)成分として、次に挙げる(c11)単量体群の少なくとも一種と、次に挙げる(c12)単量体群の少なくとも一種と共重合させたアクリル系樹脂が挙げられる。(c11)単量体群としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミドなどのフェニル基を有する単量体が挙げられる。(c12)単量体群としては、(メタ)アクリル酸、または、コハク酸(2−(メタ)
アクリロイロキシエチル)エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステルなどのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。共重合体は、(c11)単量体群を10〜98モル%、好ましくは20〜8
0モル%、より好ましくは30〜70モル%とし、(c12)単量体群を2〜90モル%、好
ましくは20〜80モル%、より好ましくは30〜70モル%の割合とするのが好ましい。
また、(c1)成分としてのアクリル系樹脂は、側鎖にエチレン性二重結合を有しているものが好ましい。(c1)成分として側鎖にエチレン性二重結合を有するアクリル系樹脂を用いると、本発明に係るカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の光硬化性が向上するので、第2発明に係るカラーフィルタの解像性、基板との密着性を一層向上させることができる。
(c1)成分の側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法としては、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載されている方法、すなわち、(1)アクリル系樹脂が有するカルボキシル基に、グリシジル基やエポキシシクロヘキシ
ル基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物を反応させる方法、(2)アクリル系樹
脂が有ずる水酸基にアクリル酸クロライドなどを反応させる方法、などが挙げられる。
より具体的には、カルボキシル基や水酸基を有するアクリル系樹脂に、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α一エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライドなどの化合物を反応させることにより、側鎖にエチレン性二重結合基を有するアクリル系樹脂を得ることができる。中でも、カルボキシル基や水酸基を有するアクリル系樹脂に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートのような脂環式エポキシ化合物を反応させたものが、特に好ましい。
このように、予めカルボン酸基または水酸基を有するアクリル系樹脂に、エチレン性二重結合を導入するには、アクリル系樹脂のカルボキシル基や水酸基の2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%に、エチレン性二重結合を有する化合物を結合させる方法によるのが好ましい。また、カルボキシル基の好ましい含有量は、酸価として5〜200の範囲である。酸価が5未満であるとアルカリ性現像液に不溶となり、また、200を超えると現像感度が低下することがあり、いずれも好ましくない。
これらのアクリル系樹脂は、GPCで測定した重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量が1,000未満であると、均一な塗布膜を得るのが難しく、また、100,000を超えると現像性が低下する傾向があり、いずれも好ましくない。
上記(c1)成分の割合は、本発明に係る硬化性樹脂組成物における固形分中、10〜80重量%の範囲で選ぶのが好ましく、中で、20〜70重量%が特に好ましい。(a)成分と(c1)成分との界面の親和性を改良する目的で、シランカップリング剤を配合することがで
きる。シランカップリング剤の割合は、固形分中の1〜10重量%の範囲で選ぶのが好ましい。
[1-4]単量体=(c2)成分
(c2)成分は、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と略称する)が好ましい。エチレン性化合物とは、本発明に係る硬化性樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後記する(d)成分(光重合開始剤系)の作用により付加重合し、硬化する
ようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明において「単量体」とは、いわゆる高分子物質に相対する意味であり、狭義の単量体の外に、二量体、三量体、オリゴマーなども含む意味である。
(c2)成分のエチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、それとモノヒドロキシ化合物とのエステル類、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル類、芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸、および前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物などの多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル類、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロィル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物などが挙げられる。
脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル類としては、工チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレートなどのアクリル酸エステル類が挙げられる。さらに、これらアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、または、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステルなどが挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル類としては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレートなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル類は、必ずしも単一物である必要はなく、混合物であってもよい。代表例としては、アクリル酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオールおよびグリセリンの縮合物などが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート
、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなど脂肪族ジイソシアネート類、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどと、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパンなどの(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物などが挙げられる。
上記した以外のエチレン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミドなどのアクリルアミド類、フタル酸ジアリルなどのアリルエステル類、ジビニルフタレートなどのビニル基含有化合物などが挙げられる。
上記(c2)成分の割合は、本発明に係る硬化性樹脂組成物における総固形分に占める割合は、10〜80重量%の範囲で選ぶのが好ましい。中でも、20〜70重量%の範囲が特に好ましい。
[1-5]光重合開始系=(d)成分
本発明に係る硬化性樹脂組成物が、(c2)成分のエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収し、または光増感されて分解反応または水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する(d)成分(光重合開始剤系)を、硬化性樹脂組成物に配合
する必要がある。なお、本発明において、(d)成分の光重合開始剤系とは、光重合開始剤
{以下、(d1)成分と略称する}に加速剤{以下、(d2)成分と略称する}、増感色素{以下、(d3)成分と略称する}などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
(d)成分は、硬化性樹脂組成物によってブラックの光重合性層を形成する際には、光重
合性層上よりパターンマスクを介して画像露光されるため、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物を意味し、画像露光に際しては、それに相当する露光光源を使用するのが好ましい。また、赤色、緑色、青色の各光重合性層においても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の方法により、前記ブラックマトリクスパターン間に、赤色、緑色、青色の画素画像パターンを形成するため、ブラックマトリクスパターンの場合と同様、(d)成分としては、紫外光線〜可視光線に感度を発揮ずる化合物、中でも450nm以下、特
に400nm以下の波長に分光感度を発揮する化合物が好ましい。
(d)成分を構成する(d1)成分としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特
開昭61−151197号公報などに記載されている、チタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10−39503号公報に記載されているヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−6−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類などのラジカル活性剤が挙げられる。
(d)成分を構成する(d2)成分(加速剤)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安
息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。(d1)成分および(d2)成分は、それぞれ二種類以上の混合物であってもよい。
具体的な(d)成分(光重合開始剤系)としては、例えば、「ファインケミカル」(19
91年、3月1日号、vol.20、No.4)の第16〜26頁に記載されている、ジアルキ
ルアセトフェノン系、ベンゾイン、チオキサントン誘導体などの他、特開昭58−403023号公報、特公昭45−37377号公報などに記載されている、ヘキサアリールビイミダゾール系、S−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−221958号公報、特
開平4−219756号公報などに記載されている、チタノセンとキサンテン色素、アミノ基またはウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた系、などが挙げられる。
上記(d)成分の割合は、著しく低いと露光光線に対する感度が低下する原因となること
があり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良の原因となることがあるので、本発明に係る硬化性樹脂組成物における総固形分に占める割合は、0.1〜30重量%の範囲で選ぶのが好ましい。中でも0.5〜20重量%が好ましく、より好ましいのは0.7〜10重量%である。
(d)成分には、必要に応じて、感応感度を向上させる目的で、画像露光光源の波長に応
じた(d3)成分(増感色素)を配合することができる。これら(d3)成分としては、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報などに記載されているキサンテン色素、特開平3−239703号公報、特開5−289335号公報などに記載されている複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報などに記載されている3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載されているピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報などに記載されているジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素などを挙げることができる。
これらの(d3)成分のうち好ましいのは、アミノ基含有増感色素であり、さらに好ましいのは、同一分子内にアミノ基とびフェニル基の双方を有する化合物である。特に好ましいのは、例えば、4,4´−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物類、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジンなどのp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物などである。このうち最も好ましいのは、4,4´−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
上記(d3)成分の割合は、本発明に係る硬化性樹脂組成物における全固形分に占める割合は、0〜20重量%の範囲で選ぶのが好ましい。より好ましくは0.2〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
[1-6]その他の成分=(e)成分
本発明に係る硬化性樹脂組成物には、前記したとおり、必要に応じさらに、(e)成分[(a)成分ないし(d)成分以外の成分}を配合できるが、(e)成分としては、熱重合防止剤{以
下、(e1)成分と略称する}、可塑剤{以下、(e2)成分と略称する}、界面活性剤、分散剤
、分散助剤、保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、シランカップリング剤などを添加することができる。(e1)成分としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどが挙げられる。これら(e1)成分の配合量は、硬化性樹脂組成物中の総固形分に対し、0〜3重量%の範囲で選ぶのが好ましい。
分散剤および分散助剤について以下で説明する。(b)成分に(a)成分を分散処理する際には、(c1)成分および/または(c2)成分、界面活性剤などの分散剤、分散助剤などを適宜併用して分散させるのが好ましい。分散剤としては、通常、高分子分散剤が分散安定性の面からよく用いられるが、中でも、グラフト共重合体が好ましく、特に、主鎖に窒素原子を含有する繰り返し単位を少なくとも有するグラフト共重合体が好ましい。また、分散助剤としては、通常、顔料誘導体が用いられるが、中でも、顔料スルホン化体が好ましい。
(e2)成分としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。これら(e2)成分の配合量は、硬化性着色樹脂組成物中の総固形分に対し10重量%以下の範囲で選ぶのが好ましい。
[2]ダイコート用硬化性樹脂組成物(レジスト液)の調製
次に、本発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物を調製する方法を説明する。まず、(a)成分と(b)成分とを各所定量秤量し、分散処理工程において、(b)成分に(a)成分を分散させて液状の硬化性樹脂組成物(インク状を呈する組成物)とする。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理により(a)成分が微粒子化されるため、硬化性樹脂組成物の塗布特性が向上し、透過光の透過
率が向上したカラーフィルタが得られる。
(b)成分に(a)成分を分散処理する際に、(c1)成分および/または(c2)成分、界面活性剤などの分散剤、分散助剤などを適宜併用して分散させるのが好ましい。特に、高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性に優れるので好ましい。例えば、サンドグラインダーを用いて分散処理する場合には、直径が0.1から数ミリのガラスビーズまたは、ジルコニアビーズを用いるのが好ましい。分散処理時の温度は、通常、0℃〜100℃、好ましくは室温〜80℃の範囲に設定する。なお、分散時間は、インキ状物の組成[(a)成分、(b)
成分、分散剤}、およびサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるため、適宜調整する必要がある。
上記分散処理工程によって得られたインキ状物に、(c1)成分および/または(c2)成分、および、さらに要すれば所定量の(d)成分、(e)成分などを混合し、均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程および混合の各工程においては、微細なゴミが混入することがあるので、得られたインキ状物をフィルタなどによってろ過処理するのが好ましい。
[3]カラーフィルタの製造方法[3-1]透明基板(支持体)
次に、本発明の第2の発明に係るカラーフィルタ、第3の発明に係る製造方法について説明する。カラーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、または各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。
透明基板およびブラックマトリクス形成基板には、接着性などの表面物性改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
[3-2]ブラックマトリクス
透明基板上に、ブラックマトリクスを設け、通常、赤色、緑色、青色の画素画像を形成することにより、本発明の第3の発明に係るカラーフィルタを製造することができる。上記硬化性樹脂組成物は、黒色、赤色、緑色、青色のうち少なくとも一種のレジスト形成用塗布液として使用される。ブラックレジストに関しては、透明基板上素ガラス面上、赤色、緑色、青色に関しては透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリクス形成面上、または、クロム化合物その他の遮光金属材料を用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を行って各色の画素画像を形成する。
ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜またはブラックマトリクス用顔料分散液を利用して、透明基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数層状に積層させたものであってもよい。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
[3-3]画素の形成
この場合、まず、蒸着またはスパッタリング法などにより、透明基板上にこれら金属または金属・金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に硬化性樹脂組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有するフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング処理を施してブラックマトリックスを形成することができる。
ブラックマトリクス用の顔料分散液を利用する場合は、黒色の色材を含有する硬化性樹脂組成物を使用して、ブラックマトリックスを形成する。例えば、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色色材単独または複数、もしくは、無機または有機の顔料、染料の中から適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による黒色色材を含有する硬化性樹脂組成物を使用し、下記の赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリックスを形成することができる。
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色材料を含有する硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥した後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化または光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。この操作を、赤色、緑色、青色の3色の硬化性樹脂組成物について各々行うことによって、カラーフィルタ画像を形成することができる。
硬化性樹脂組成物の塗布は、ダイコート法により行われる。
ダイコート法による塗布条件は、硬化性樹脂組成物の組成や、製造するカラーフィルタの種類などによって適宜選択すればよい。例えば、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするのが好ましい。塗布膜の厚さを調節するためには、リップの走行速度、およびリップからの液状の硬化性樹脂組成物の吐出量を調整すればよい。
第3の発明に係るカラーフィルタの製造方法では、カラーフィルタ用塗布液を塗布する際の雰囲気を、相対湿度55〜100%の範囲に調節することが好ましい。相対湿度が55%未満であると、スリットダイのリップ先端の乾燥が進み、色材(b) などの固形分の凝集、すなわち異物が発生する。また、カラーフィルタ用塗布液が帯電し、塗布時に基板面またはブラックマトリクス上に放電する液中放電現象が度々起こり、画素残りなどの欠陥の原因となることがある。これらの異物および画素残りなどのうち、目に見える大きさのものは画素欠陥として認識され、製品の基板は不良品となる。これらの欠陥が頻発すると歩留まりが低下するため好ましくない。一方、湿度が高すぎる場合には、雰囲気内の装置、基板などに僅かでも低温の箇所があると、結露を引き起こす危険がある。
塗布工程の雰囲気の相対湿度は、55%以上が好ましく、より好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上である。また雰囲気の相対湿度は、100%以下であり、好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下、特に好ましくは75%以下に制御される。塗布基板上に結露すると、付着水分によってカラーフィルタ用組成物の変質が起こり、通常ピンホール欠陥の原因となる。この現象も、製品の歩留まり低下につながるため好ましくない。塗布時の温度は好ましくは18〜28℃であり、更に好ましくは20〜26℃である。
塗布工程の雰囲気の相対湿度を上記範囲に調節するには、(1)スリットダイの全体を調
温・調湿装置内に装備し調温・調湿する方法、(2)スリットダイの先端部分近傍にのみを
調温・調湿装置を装備し調温・調湿する方法、などが挙げられる。中でも、上記(1)の方
法が好適である。
[3-4]塗布膜の乾燥
基板に硬化性樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブンを使用した乾燥法によるのが好ましい。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させる。予備乾燥の条件は、前記(b) 成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、(b)成分の種類、使用す
る乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高い50〜200℃、中でも70〜160℃が好ましく、特に70〜130℃が好ましい。また乾燥時間は、加熱温度にもよるが10秒〜10分、中でも15秒〜5分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高すぎると(d)成分が分解し、熱重合を誘発して現
像不良を生ずる場合がある。乾燥後のカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物塗布膜の厚さは、0.5〜3μm、好ましくは1〜2μmの範囲である。なお、この塗布膜の乾燥工程では、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であってもよい。
[3-5]露光工程
画像露光は、硬化性樹脂組成物の塗布膜上に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線または可視光線の光源を照射して行う。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中
圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
[3-6]現像工程
本発明の第3の発明に係るカラーフィルタは、第1の発明または第2の発明に係る硬化性樹脂組成物による塗布膜を、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、または、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、基板上に画像を形成して調製することができる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料または顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−またはトリエタノールアミン、モノ−・ジ−またはトリメチルアミ、モノ−・ジ−またはトリエチルアミン、モノ−またはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、二種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独でも水溶液と併用して使用できる。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
なお、本発明の第2発明に係るカラーフィルタは、上記した製造方法の他に、(1)(b)成分、(a)成分としてのフタロシアニン系顔料、(c)成分としてのポリイミド系樹脂を含む硬化性樹脂組成物を、基板に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても製造することができる。また、(2)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を着
色インキとして用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成する方法や、(3)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を電着液として用い、基板をこの電着液
に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法などが挙げられる。さらに、(4)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を塗布したフィルムを
、透明基板に張り付けて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法や、(5)フタ
ロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を着色インキ用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法、などが挙げられる。カラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
[3-7]熱硬化処理
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度
は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。これら一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
[3-8]透明電極の形成
本発明の第3発明に係るカラーフィルタは、このままの状態で画像上にITOなどの透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミドなどのトップコート層を設けることもできる。また一部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途においては、透明電極を形成しないこともある。
[4]液晶表示装置(パネル)
次に、本発明の第4の発明に係る液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。第4の発明に係る液晶表示装置は、通常、上記、第3の発明に係るカラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜の上にスペーサーを散布した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミドなどの樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法および/またはフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行った後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整し得る表面状態に加工される。
スペーサーは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmの範囲のものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂製のフォトスペーサー(PS)を形成し、これをスペーサーの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2〜8μmの範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂などのシール材によって封止する。シール材はUV照射および/または加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常、1×10-2〜1×10-7Paであるが、好ましくは1×10-3〜1×10-6Paである。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30〜100℃であり、より好ましくは50〜90℃である。減圧時の加温保持は、通常10〜60分間の範囲とされ、その後液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口のUV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物など、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶などのいずれでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメクティック液晶およびコレスティック液晶などが知られているが、いずれであってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、使用した(a)成分(色材)の詳細は、表−1に示したとおりであり、使用した(b)成分(溶
媒成分)の詳細は、表−2に示したとおりである。
Figure 0003960311
Figure 0003960311
[注](1) PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート (b.p.=146℃) {(b1)成分}
(2) PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル (b.p.=121℃) {(b2)成分} (3) PGEE:プロピレングリコールモノエチルエーテル (b.p.=133℃) {(b2)成分}
(4) DEGEA:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート (b.p.=217℃)
{(b3)成分}
(5) EEP:3−エトキシプロピオン酸エチル (b.p.=169℃) {(b3)成分}

参考例1、実施例1及び2、比較例1〜比較例3]<硬化性樹脂組成物の調製>
液状の硬化性樹脂組成物を構成する各成分を、それぞれ表−3に記載した量を秤量し、さらに全量に対して3.6重量倍のジルコニアビーズ(直径0.5mm)を、ペイントシェーカーに収納し、7時間分散処理を行ってインク状を呈する硬化性樹脂組成物を調製した。

Figure 0003960311
Figure 0003960311
Figure 0003960311
Figure 0003960311
<カラーフィルタの製造>
縦370mm、横470mm、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、AN635)に、インク状を呈する黒色の硬化性樹脂組成物をダイコータで塗布した。なお、ダイコータは、幅手360mmのステンレス製ダイコータを使用し、リップ間隔を200μm、ガラス基板面とのギャップは100μmとした。塗布に際しては、乾燥膜厚で0.7μmとなるようにインク状を呈する塗布液の吐出量を調整した。その後、60℃で1分間乾燥した後、110℃で2分間加熱乾燥した。その後、硬化性樹脂組成物の塗布膜上に、乾燥後の膜厚が1.5μmになるように、ポリビニルアルコール水溶液を塗布した後に乾燥して、酸素遮断層を形成した。
次いで、幅30μm、縦330μm、横110μmのピッチで繰り返すブラックマトリクス用ネガフォトマスクを使用し、2kW高圧水銀灯により、300mJ/cm2の露光量で
露光処理を行った。その後、現像処理を、0.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度23℃で現像を行った。ついで、3kg/cm2の水圧で30秒間スプレー水洗処
理を行い、ブラックマトリクスを形成した。
その後、温度200℃で、7分間の熱硬化処理を行った。
次いで、赤色、緑色、青色の各材料を含有する液状の硬化性樹脂組成物を使用し、上記と同様の手順で、塗布、予備乾燥、加熱乾燥、露光、現像、水洗、熱硬化の各処理を行い
、各色パターンを順次に形成し、カラーフィルタを得た。この際、乾燥膜厚が1.3μmとなるように、塗布液の液吐出量を調整した。露光量は、各色共500mJ/cm2、現像処
理は、0.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、現像液温度25℃で現像を行った。現像後、10kg/cm2の水圧で30秒間スプレー水洗処理を行った。各色の最後に200
℃、15分間の熱硬化処理を実施した。なお、現像機は上記のブラックマトリクス形成に用いたものと同じものを使用した。このようにして、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の組成を有する硬化性樹脂組成物を用いて、100枚ずつの樹脂ブラックマトリクス付きカラーフィルタを作製した。
<カラーフィルタの評価試験>
得られたカラーフィルタにつき、異物欠陥発生の有無を測定し、その異物欠陥発生率を表−5に示した。表−5において、黒色、赤色、緑色、青色は各色のインク状を呈する硬化性樹脂組成物(レジスト)を意味する。なお、異物欠陥とは、[(長径)2+(短径)2]の平方根が60μm以上のものを異物と定義し、各色レジストの凝集に起因する異物欠陥が認められたカラーフィルタの枚数を、全製造枚数(100枚)で割った値を異物欠陥発生率と定義した。
Figure 0003960311
表−1〜表−5より、次のことが明らかである。
(1)本発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物を塗布して製造したカラーフィルタは、
異物欠陥発生率が少ない(実施例1〜実施例3参照)。
(2)これに対して、(b)成分が請求項1の要件を満たさないダイコート用硬化性樹脂組成物を塗布して製造したカラーフィルタは、異物欠陥発生率が高い(比較例1〜比較例3参照)。
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物は、色材が高濃度であっても、基板表面に塗布する工程で、乾燥凝集し難く、異物の発生が少ない。
2.本発明に係るダイコート用硬化性樹脂組成物を基板表面に塗布する際に、ダイコート法によるとダイリップに凝集塊が生じ難く、高品質の製品を高歩留りで得ることができる。
3.本発明に係るカラーフィルタの製造方法によるときは、画素欠陥の少ない高品質の製品を、高歩留りで得ることができる。
4.本発明に係るカラーフィルタは、高品質であるので、これを使用したカラーディスプレー、液晶表示装置なども高品質のものが得られる。

Claims (6)

  1. 色材[(a)成分]、溶剤成分[(b)成分]、バインダ樹脂[(c1)成分]および/またはその単量体[(c2)成分]を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    色材[(a)成分]が顔料であり、
    溶剤成分[(b)成分]が、溶剤成分[(b1)成分]、溶剤成分[(b2)成分]および溶剤成分[(b3)成分]の混合物であり、
    溶剤成分[(b1)成分]がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、
    溶剤成分[(b2)成分]が沸点(圧力1013.25[hPa]条件下での沸点)50℃以上13
    3℃以下のアルコール類および/またはジケトン類、
    溶剤成分[(b3)成分]が沸点150℃以上の溶剤であり、
    かつ、次の(1)ないし(3)の関係を満たすことを特徴とする、ダイコート用硬化性樹脂組成物。
    (1)溶剤成分[(b1)成分]の沸点が、溶剤成分[(b2)成分]の沸点より高い。
    (2)溶剤成分[(b1)成分]の含有量が、溶剤成分[(b2)成分]の含有量より大である。
    (3)硬化性樹脂組成物のSP(溶解度パラメータ)値をδR、溶剤成分[(b1)成分]のSP
    値をδ(b1)、溶剤成分[(b2)成分]のSP値をδ(b2)とするとき、δR、δ(b1)およびδ(b2)が、次式すなわち、|δR−δ(b1)|>|δR−δ(b2)|、を満たす。
    (ただし、δRを計算する際には、下記(イ)、(ロ)および(ハ)のSP値および重量%は0として計算する。
    (イ)色材[(a)成分]
    (ロ)溶剤成分[(b)成分]
    (ハ)色材[(a)成分]および溶媒成分[(b)成分]を除いた硬化性樹脂組成物中、含有率が5重量%以下の成分。)
  2. 溶剤成分[(b)成分]が、溶剤成分[(b1)成分]を30〜90重量%、溶剤成分[(b2)成分] を10〜40重量%、および溶剤成分[(b3)成分]を1〜60重量%含有することを特徴とする、請求項1に記載のダイコート用硬化性樹脂組成物。
  3. アルコール類が、グリコールモノエーテル類であることを特徴とする、請求項1または2に記載のダイコート用硬化性樹脂組成物。
  4. 光重合開始剤系[(d)成分]を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記
    載のダイコート用硬化性樹脂組成物。
  5. ダイコート用硬化性樹脂組成物が、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のダイコート用硬化性樹脂組成物。
  6. カラーフィルタ基板上に、請求項5に記載のカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物を塗布する工程、これを露光する工程、および露光後にこれを現像する工程を経て画素を形成するカラーフィルタの製造方法において、カラーフィルタ基板上への塗布をダイコート法によって行うこと、を特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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