JP2005255754A - 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粘度が3cP以上4cP以下であり、全硬化性樹脂組成物中に占める総固
形分の割合が18重量%以上であり、好ましくは、常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上である溶媒を対固形分重量比率で200%以上含むことを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物及び、これを用いて製造されたカラーフィルター及び液晶表示装置。
【選択図】 なし
Description
以下に、顔料分散法の概要を説明する。通常、最初に、ガラス基板などの透明支持体上に、クロムや酸化クロムなどの金属遮光膜によりブラックマトリックスを形成し、次いで、例えば赤色の顔料を分散させた感光性樹脂組成物(カラーレジスト)をスピンコート法などにより全面に塗布し、マスクを介して露光する。露光後に現像を行うと、赤色の画素が得られる。青色、緑色の画素についても同様の手法によって、3色の画素が形成される。各画素間は、ブラックマトリックス部が凹(へこ)みとなるので、平滑化のために表面をエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂などの透明樹脂の保護膜で被覆するが、この保護膜は設けない場合もある。更に、保護膜上にスパッタリングや真空蒸着などで、ITO膜などの透明導電膜を形成する。また、最近では、ブラックマトリックスを形成する際にも、顔料分散法が採用されることが多い。具体的には、黒色顔料を分散させた感光性樹脂(ブラックレジスト)を塗布、露光、現像させて作成される。
しかしながら、ダイコート方式で用いられるレジストは、従来のスピンコート用塗布液の延長線上での経験的な設計に留まっており、厚膜ダイコートに特有の乾燥ムラや凹み欠陥の発生を防止する具体的な方法は認識されていなかった。
(2)上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物であって、常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上である溶媒を対総固形分重量比率で200%以上含むことを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。
(4)上記(3)に記載の硬化性樹脂組成物であって、溶媒(A)及び(B)がそれぞれグリコールエーテル類であり、(C)がアルコキシエステル類であることを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。
(6)塗布膜厚が2μm以上である上記(5)に記載のカラーフィルターの製造方法。(7)上記(5)又は(6)に記載の方法により得られたカラーフィルター。
(8)上記(7)に記載のカラーフィルターを用いて形成された液晶表示装置。
[本発明の硬化性樹脂組成物]
[1]本発明の硬化性着色組成物の粘度
第1の本発明の硬化性樹脂組成物の粘度は粘度が3cP以上4cP以下であることが特徴である。粘度を本発明の範囲内とすることで、乾燥時の過度の流動を抑制し、ダイコートにより厚膜塗布した際にも乾燥ムラや凹み欠陥などを抑制することができ、また、ダイリップ先端の不均一に起因する塗布筋のないカラーフィルタを形成することができる。また、上記理由から、硬化性樹脂組成物の粘度は4cP以下であり、3.8cP以下であることが更に好ましい。また、3cP以上であることが好ましく、3.2cP以上であることが更に好ましい。
但し、第2の本発明の硬化性樹脂組成物の場合には、溶媒成分の蒸気圧が、後述する条件を満たすことに起因し、粘度が2.5cP以上である。尚、好ましい粘度範囲は、上記と同様である。
第1の本発明の硬化性樹脂組成物は、常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上である溶媒を対固形分重量比率で200%以上含むこと、また、第2の本発明の硬化性樹脂組成物は、溶媒成分として常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上6Torr以下である溶媒(A)を溶媒成分中の重量比率で50%以上、常温での蒸気圧が6Torr以上である溶媒(B)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%、常温での蒸気圧が3Torr以下である溶媒(C)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%含むこと、が特徴である。このような硬化性樹脂組成物は通常の大気雰囲気下では容易には乾燥しないため、スリットダイリップ先端の乾きを発生しないが、塗布後、減圧乾燥した際には速やかに乾燥が完了するので、乾燥ムラによる欠陥を解消することが出来る。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、色材{以下、単に(a)成分と略称する}、溶剤成分
{以下、単に(b)成分と略称する}、バインダ樹脂{以下、単に(c1)成分と略称する}お
よび/またはその単量体{以下、単に(c2)成分と略称する}などを含有し、要すればさらに、光重合開始剤系{以下、単に(d)成分と略称する}、(a)成分ないし(d)成分以外の他
の添加物{以下、単に(e)成分と略称する}などが含有していてもよい。
赤色、緑色、青色の染料・顔料および調色用の黄色、バイオレットの染料・顔料、カーボンブラックなどが挙げられ、この他、必要に応じ配合できる金属粉、白色顔料、蛍光顔料などが挙げられる。(a)成分は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。顔料は無機
顔料、有機顔料のいずれでもよい。無機顔料としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラックなどが挙げられる。
は、C.I.ピグメントイエロー1、3、4、5、6、12、13、14、16、17、18、20、24、55、65、73、74、81、83、86、87、93、94、95、97、98、100、101、108、109、110、113、116、117、120、123、125、128、129、133、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、156、166、168、169、170、171、172、173、175などである。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I
.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7など挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5などが、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9などが、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64などが、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42などが挙げられる。
で選ぶものとする。この範囲の中では、10〜70重量%が好ましく、中でも20〜60重量%がより好ましい。
ほか、場合により配合した(d)成分および(e)成分などを溶解または分散させ、粘度を調節するように機能する。
(b)成分としては、一種でも二種以上の混合物であってもよい、グリコールエーテル類
および/またはアルコキシエステル類が挙げられる。本発明の硬化性樹脂組成物は溶媒成分として常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上である溶媒を対固形分重量比率で200%以上含む(第1の本発明の硬化性樹脂組成物)か、又は、常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上6Torr以下である溶媒(A)を溶媒成分中の重量比率で50%以上、常温での蒸気圧が6Torr以上である溶媒(B)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%、常温での蒸気圧が3Torr以下である溶媒(C)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%含む(第2の本発明の硬化性樹脂組成物)ことを特徴とするが、このような蒸気圧が3Torr以上である溶媒、又は(A)若しくは(B)として、例えばグリコール
エーテル類が挙げられる。また、蒸気圧が3Torr以下である溶媒(C)として、例えばアルコキシエステル類が挙げられる。
濃度)に応じて、84重量%未満の範囲で適宜設定される。(b)成分の含有量が少なすぎ
ると、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎて塗布用途に供するには不適当となる。(b)成分が多すぎると、乾燥ムラが発生し易く好ましくない。好ましくは、70重量%以上
、さらに好ましいのは80重量%以上であり、上限は、好ましくは82重量%である。
性、硬化性樹脂組成物の基板上での皮膜形成性、基板との接着性、塗布膜の現像性などが改善される。
れる。なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸とメタクリル酸の双方を含むことを意味し、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基なども同様の意味であり「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味する。また、本発明において「アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体を意味する。
レン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミドなどのフェニル基を有する単量体が挙げられる。(c12)単量体群としては、(メタ)アクリル酸、または、コハク酸(2−(メタ)
アクリロイロキシエチル)エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステルなどのカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。共重合体は、(c11)単量体群を10〜98モル%、好ましくは20〜8
0モル%、より好ましくは30〜70モル%とし、(c12)単量体群を2〜90モル%、好
ましくは20〜80モル%、より好ましくは30〜70モル%の割合とするのが好ましい。
(c1)成分の側鎖にエチレン性二重結合を導入する方法としては、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載されている方法、すなわち、(1)アクリル系樹脂が有するカルボキシル基に、グリシジル基やエポキシシクロヘキシ
ル基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物を反応させる方法、(2)アクリル系樹
脂が有する水酸基にアクリル酸クロライドなどを反応させる方法、などが挙げられる。
上記(c1)成分の割合は、本発明に係る硬化性樹脂組成物における総固形分中、10〜80重量%の範囲で選ぶのが好ましく、中でも、20〜70重量%が特に好ましい。(a)成
分と(c1)成分との界面の親和性を改良する目的で、シランカップリング剤を配合することができる。シランカップリング剤の割合は、総固形分中の1〜10重量%の範囲で選ぶの
が好ましい。
ようなエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明において「単量体」とは、いわゆる高分子物質に相対する意味であり、狭義の単量体の外に、二量体、三量体、オリゴマーなども含む意味である。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル類は、必ずしも単一物である必要はなく、混合物であってもよい。代表例としては、アクリル酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオールおよびグリセリンの縮合物などが挙げられる。
クリルアミド類、フタル酸ジアリルなどのアリルエステル類、ジビニルフタレートなどのビニル基含有化合物などが挙げられる。
上記(c2)成分の割合は、本発明に係る硬化性樹脂組成物における総固形分中、10〜80重量%の範囲で選ぶのが好ましい。中でも、20〜70重量%の範囲が特に好ましい。
する必要がある。なお、本発明において「(d)成分光重合開始剤系」とは、光重合開始剤
{以下、(d1)成分と略称する}に加速剤{以下、(d2)成分と略称する}、増感色素{以下、(d3)成分と略称する}などの付加剤が併用されている混合物を意味する。
合性層上よりパターンマスクを介して画像露光されるため、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物を意味し、画像露光に際しては、それに相当する露光光源を使用するのが好ましい。また、赤色、緑色、青色の各光重合性層においても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の方法により、前記ブラックマトリクスパターン間に、赤色、緑色、青色の画素画像パターンを形成するため、ブラックマトリクスパターンの場合と同様、(d)成分としては、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物、中でも450nm以下、特
に400nm以下の波長に分光感度を発揮する化合物が好ましい。
開昭61−151197号公報などに記載されている、チタノセン化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10−39503号公報に記載されているヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類などのラジカル活性剤が挙げられる。
息香酸エチルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げられる。(d1)成分および(d2)成分は、それぞれ二種類以上の混合物であってもよい。
91年、3月1日号、vol.20、No.4)の第16〜26頁に記載されている、ジアルキ
ルアセトフェノン系、ベンゾイン、チオキサントン誘導体などの他、特開昭58−403023号公報、特公昭45−37377号公報などに記載されている、ヘキサアリールビイミダゾール系、S−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報などに記載されている、チタノセンとキサンテン色素、アミノ基またはウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた系、などが挙げられる。
があり、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良の原因となることがあるので、本発明に係る硬化性樹脂組成物における総固形分中、0.1〜30重量%の範囲で選ぶのが好ましい。中でも0.5〜20重量%が好ましく、より好ましいのは0.7〜10重量%である。
じた(d3)成分(増感色素)を配合することができる。これら(d3)成分としては、特開平4−221958号公報、特開平4−219756号公報などに記載されているキサンテン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報などに記載されている複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報などに記載されている3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載されているピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報などに記載されているジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素などを挙げることができる。
本発明に係る硬化性樹脂組成物には、前記したとおり、必要に応じさらに、(e)成分[(a)成分ないし(d)成分以外の成分}を配合できるが、(e)成分としては、熱重合防止剤{以
下、(e1)成分と略称する}、可塑剤{以下、(e2)成分と略称する}、分散剤{以下、(e3)成分と略称する}、分散助剤{以下、(e4)成分と略称する}、界面活性剤{以下、(e5)成分と略称する}、保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、シランカップリング剤などを添加することができる。(e1)成分としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどが挙げられる。これら(e1)成分の配合量は、硬化性樹脂組成物中の総固形分に対し、0〜3重量%の範囲で選ぶのが好ましい。
られる。これら(e2)成分の配合量は、硬化性着色樹脂組成物中の総固形分に対し10重量%以下の範囲で選ぶのが好ましい。
[4]本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法
次に、本発明に係るカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物を調製する方法を説明する。まず、(a)成分と(b)成分とを各所定量秤量し、分散処理工程において、(b)成分に(a)成分を分散させて液状の硬化性樹脂組成物(インク状物)とする。この分散処理工程では、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザーなどを使用することができる。この分散処理により(a)成
分が微粒子化されるため、硬化性樹脂組成物の塗布特性が向上し、透過光の透過率が向上したカラーフィルタが得られる。
、(e4)成分]、およびサンドグラインダーの装置の大きさなどにより適正時間が異なるた
め、適宜調整する必要があるが、時間が短すぎると(a)成分が充分に微粒子化されないた
め光学特性が悪化する他、粘度が低くなりすぎて乾燥ムラが発生し易く、時間が長すぎると(a)成分が過度に微粒子化されて粘度が増大し、塗布用途に供するには不適当となるの
で、いずれも好ましくない。
分散工程における適度な分散状態の実現が重要であり、分散処理条件は、総固形分濃度、(a)成分量と種類、(c1)成分量、(c1)成分量と(c2)成分量の比、(e3)成分の種類、(e4)成
分の種類等によって、分散時間、(e3)成分量、(e4)成分量を適宜調整し、過度な分散を行うことなく、適度な分散状態を実現することが重要である。
[本発明のカラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、透明基板上に、本発明の硬化性樹脂組成物により形成された画素またはブラックマトリックスを形成するものである。
これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリング法によって形成され、ポジ型フォトレジストにより、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対しては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを混合したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによって、ブラックマトリクスを形成することができる。
ダイコート法による塗布条件は、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の組成や、製造するカラーフィルタの種類などによって適宜選択すればよい。例えば、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするのが好ましい。塗布膜の厚さを調節するためには、リップの走行速度、およびリップからの液状の硬化性樹脂組成物の吐出量を調整すればよい。
機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、(b)成分の種類、使用す
る乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
発して現像不良を生ずる場合がある。乾燥後のカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の塗布膜の厚さは、通常2μm以上、好ましくは3μm以上であり、通常10μm以下、好ましくは5μm以下である。なお、この塗布膜の乾燥工程では、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であってもよい。
レーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射使用する場合には、光学フィルタを利用することもできる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−またはトリエタノールアミン、モノ−・ジ−またはトリメチルアミン、モノ−・ジ−またはトリエチルアミン、モノ−またはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
してのフタロシアニン系顔料、(c)成分としてのポリイミド系樹脂を含む硬化性樹脂組成
物を、基板に塗布し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっても製造することができる。また、(2)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を着色インキとし
て用い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成する方法や、(3)フタロシア
ニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析出させる方法などが挙げられる。さらに、(4)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を塗布したフィルムを、透明基板に
張り付けて剥離し、画像露光、現像し画素画像を形成する方法や、(5)フタロシアニン系
顔料を含む硬化性樹脂組成物を着色インキ用い、インクジェットプリンターにより画素画像を形成する方法、などが挙げられる。カラーフィルタの製造方法は、カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の組成に応じ、これに適した方法が採用される。
のではない。
[実施例1]
顔料としてピグメントグリーン36を10gとピグメントイエロー139を2g、分散剤としてビック・ケミー社製byk−161を12g、分散助剤としてアビシア社製ソルスパース5000を1gとソルスパース22000を0.2g、および溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート42gとを混合した顔料分散液を作製した。また別途、バインダーとして下記式[1]で表される繰り返し単位を有するアクリル系樹脂6.0g、エチレン性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート4.0g、光重合開始剤として2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体0.4g、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.2g、2−メチルベンゾチアゾール0.4g、界面活性剤として住友3M社製FC430を0.028g、溶剤としてプロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート24gと乳酸メチル44gとを混合したクリアーレジストを作製した。両者をさらに混合し、攪拌均一化したのち、粒子径0.5mmのジルコニアビーズ300gを加え、ペイントコンディショナーで10時間振とうして分散処理した後、濾過して均一なカラーレジストを得た。このカラーレジストの固形分実測値は19.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は3.2cPであった。なおプロプレングリコールモノメチルエーテルアセテートの常温での
蒸気圧は3.7Torr、乳酸メチルの常温での蒸気圧は2.3Torrであった。
実施例1のクリアーレジスト作製において、ペイントコンディショナーでの振とう時間を5時間として分散処理したこと以外は全く同様の手順でカラーレジストを作製した。このカラーレジストの固形分実測値は19.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は2.5cPであった。
(比較例2)
比較例1のクリアーレジスト作製において、溶剤として乳酸メチル68gを混合したこと以外は全く同様の手順でカラーレジストを作製した。このカラーレジストの固形分実測値は19.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は2.6cPであった。
実施例1のクリアーレジスト作製において、溶剤としてプロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート38gとプロプレングリコールモノメチルエーテル22gと3−エトキシプロピオン酸エチル25gとを混合したこと以外は全く同様の手順でカラーレジストを作製した。このカラーレジストの固形分実測値は17.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は2.8cPであった。なお、プロプレングリコールモノメチルエー
テル、3−エトキシプロピオン酸エチルの常温での蒸気圧は、それぞれ10Torr、2Torrであった。
実施例2のクリアーレジスト作製において、溶剤としてプロプレングリコールモノメチルエーテル75gと3−エトキシプロピオン酸エチル10gとを混合したこと以外は全く同様の手順でカラーレジストを作製した。このカラーレジストの固形分実測値は17.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は2.9cPであった。
(比較例4)
実施例2のクリアーレジスト作製において、溶剤としてプロプレングリコールモノメチルエーテル10gと3−エトキシプロピオン酸エチル75gとを混合したこと以外は全く同様の手順でカラーレジストを作製した。このカラーレジストの固形分実測値は17.0%で、東京計器製E型粘度計による粘度測定値は2.8cPであった。
Claims (8)
- 粘度が3cP以上4cP以下であり、全硬化性樹脂組成物中に占める総固形分の割合が
18重量%以上であることを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物であって、常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上である溶媒を対総固形分重量比率で200%以上含むことを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。
- 硬化性樹脂組成物であって、その溶媒成分として常温(23℃)での蒸気圧が3Torr以上6Torr以下である溶媒(A)を溶媒成分中の重量比率で50%以上、常温での蒸気圧が6Torrを超える溶媒(B)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%、常温での蒸気圧が3Torr未満である溶媒(C)を溶媒成分中の重量比率で10〜40%含み、且つ、その固形分が16%以上であり、粘度が2.5cP以上であることを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。
- 請求項3に記載の硬化性樹脂組成物であって、溶媒(A)及び(B)がそれぞれグリコールエーテル類であり、(C)がアルコキシエステル類であることを特徴とするダイコート用硬化性樹脂組成物。
- 透明基板上に請求項1乃至4の何れか1項に記載の硬化性樹脂組成物をダイコート法により塗布する工程を含むカラーフィルターの製造方法。
- 塗布膜厚が2μm以上である請求項5に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 請求項5又は6に記載の方法により得られたカラーフィルター。
- 請求項7に記載のカラーフィルターを用いて形成された液晶表示装置。
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