JP2004292722A - ダイコーター用塗布液 - Google Patents

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JP2004292722A
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Makoto Kawana
真 川名
Naoki Sako
迫  直樹
Yasutsugu Yamauchi
康嗣 山内
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Abstract

【課題】塗布膜厚の面内均一性に優れ、塗り始め、塗り終わり部分での塗布液のかえりによる肉厚部が小さく抑えられ、しかも、塗布装置汚染が防止されたダイコーター用塗布液を提供する。
【解決手段】塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、剪断速度S(s−1)の時の剪断応力をσ(S)(Pa)とし、σ(S) をS に対してプロットするCassonプロットにおいて、S の値を0へ外挿した際のσ(0) の値の2乗をσとした際、σが10−3Pa以上であるダイコーター用塗布液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイコーター用塗布液に関し、詳しくは、カラーフィルターのクリアコート、カラーフィルターを使用した液晶ディスプレイパネルのセルギャップ保持用フォトスペーサー、カラーフィルターの画素画像やブラックマトリックスの形成に好適なダイコーター用塗布液に関する。
【0002】
【従来技術】
カラーフィルターの製造において、例えば、画素画像の形成工程で採用されるカラーフィルター用着色組成物(レジスト)の塗布方法は、基板中央部にレジストを滴下し、スピンコート法(回転塗布法)によって均一化する方法が主流である。そして、斯かる方法での使用に好適な塗布液(着色感光性組成物)も種々提案され、例えば、特定の2種類以上の顔料と感光性樹脂と有機溶媒とを所定の割合で含有る着色感光性組成物であって、当該組成物の流動特性について、特定の式に示すずり応力とずり速度の関係で規定した着色感光性組成物が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記の着色感光性組成物は、ニュートン流体特性に近似した流動特性を有し、それにより、表面平滑性および膜厚の均一性が優れた着色硬化膜が得られるとされている。
【0004】
【特許文献1】
特許第3275520号公報
【0005】
ところで、近時、基板の大型化に伴い、レジスト使用量が増加すること、スピンコーターの装置上の制約(モーターの能力など)が大きいこと等から、ダイコート法による塗布技術が開発され、一部実用化されている。
【0006】
ところが、ダイコート法に従来の塗布液を適用した場合、次の様な問題があることが判明した。
【0007】
(1)均一に塗布されても、乾燥工程へ搬送する間の振動により塗布液の表面が波打ち、塗布膜厚の面内均一性が劣る。
(2)塗り始め、塗り終わり部分での塗布液のかえりが起こりその部分だけ厚く塗られてしまう。
(3)基板端部から液ダレしてダイコーター汚染が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、塗布膜厚の面内均一性に優れ、塗り始め、塗り終わり部分での塗布液のかえりによる肉厚部が小さく抑えられ、しかも、塗布装置汚染が防止されたダイコーター用塗布液を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、次の様な新規な知見を得た。すなわち、塗布液は、基本的には、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るが、従来のスピンコート法(回転塗布法)用塗布液の場合、基板中央部に滴下した塗布液が全面に広がる過程での塗布液の粘度を一定にする必要があるとの観点から、比較的沸点の高い溶媒が使用され、塗布液の流動性は一定に保持されている。ところが、ダイコーター用塗布液においては、上記の思想とは反対に、塗布後であって、基板の搬送が始まるまでの短時間(例えば〜10秒)の間に塗布液が流動性を失う方が塗布液の表面の波打ちが抑制され得る点で好ましい。そして、塗布液の流動性を短時間に失わせる手段としては次の様な手段が効果的である。
【0010】
(1)低沸点溶媒の使用により塗布液の乾燥速度を高めて短時間に固形分濃度を高くする。
(2)チキソ性を有する塗布液に対してシェアを取り除く。
(3)高沸点溶媒を使用した塗布液であってもダイコータのスリットから吐出された時点で少しは乾燥するのであるから、最初の固形分濃度において塗布液がチキソ性を有しているか否かに拘わらず、上記の少し乾燥した段階で塗布液に流動性を失わせる。
(4)チキソ性を有するか否かに拘わらず塗布液の流動性を低下させる。
【0011】
本発明は、上記の知見に基づき更に検討を重ねて完成されたものであり、関連する一群の発明から成り、各発明の要旨は次の通りである。
【0012】
第1の要旨は、少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、溶媒として沸点が100℃以下の溶媒を含有し、その割合が全溶媒に対する割合として20〜100重量%であることを特徴とするダイコーター用塗布液に存する。
【0013】
第2の要旨は、少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、剪断速度S(s−1)の時の剪断応力をσ(S)(Pa)とし、σ(S) をS に対してプロットするCassonプロットにおいて、S の値を0へ外挿した際のσ(0) の値の2乗をσとした際、σが10−3Pa以上であることを特徴とするダイコーター用塗布液に存する。
【0014】
第3の要旨は、少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、固形分濃度が50重量%になる様に濃縮し、ω=0.1rad/sの条件で測定した際に得られる複素弾性率の実部をG’、虚部をG”した場合、G’ > G”であることを特徴とするダイコーター用塗布液に存する。
【0015】
第4の要旨は、少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、剪断速度が10−2−1以下の範囲における粘度が20〜200mPa・sの範囲にあることを特徴とするダイコーター用塗布液に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のダイコーター用塗布液は、少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成る。そして、本発明の塗布液の好適な使用態様としては、カラーフィルターのクリアコート用組成物、液晶ディスプレイパネルのセルギャップ保持用フォトスペーサー用組成物、カラーフィルター用着色組成物が挙げられ、カラーフィルター用着色組成物として使用される塗布液の場合、上記の成分の他に更に色材を含有する。
【0017】
以下の説明は、最多の成分を含有するカラーフィルター用着色組成物に基づいて行なうが、この場合、塗膜形成用樹脂はバインダ樹脂として機能する。以下の説明では塗膜形成用樹脂をバインダ樹脂として称する。なお、以下において、「(メタ)アクリル」「(メタ)アクリレート」「(メタ)アクリロ」はそれぞれ「アクリル又はメタクリル」「アクリレート又はメタクリレート」「アクリロ又はメタクリロ」を示す。
【0018】
先ず、カラーフィルター用着色組成物の各成分について説明する。
【0019】
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独重合体または共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフェノール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
【0020】
バインダ樹脂として好ましい樹脂は、側鎖または主鎖にカルボキシル基またはフェノール性水酸基を含有する樹脂である。斯かる官能基を有する樹脂を使用すれば、アルカリ溶液での現像が可能となる。特に好ましいバインダ樹脂は、高アルカリ現像性である、カルボキシル基を有する樹脂、例えば、アクリル酸(共)重合体、スチレン/無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂などである。最も好ましいバインダ樹脂は、(メタ)アクリル酸又はカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体(本明細書ではこれらを「アクリル系樹脂」という)である。すなわち、斯かるアクリル系樹脂は、現像性、透明性に優れ、かつ、様々なモノマーを選択して種々の共重合体を得ることが可能なため、性能および製造方法を制御し易い点において好ましい。
【0021】
アクリル系樹脂としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに酸(無水物)を付加させた化合物を必須成分とし、必要に応じ、更に、スチレン系モノマー、不飽和基含有カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸にラクトン類を付加させた化合物、または、その他の各種モノマーを共重合させた樹脂が挙げられる。
【0022】
上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリル酸および/またはコハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、アジピン酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、アジピン酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル等が挙げられる。
【0023】
上記の酸(無水物)としては、(無水)コハク酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などが挙げられ、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、不飽和基含有カルボン酸としては、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などが挙げられる。
【0024】
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
上記のラクトン類としては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0026】
上記のアクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メタクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0027】
上記のその他の各種モノマーとしては、アクリロニトリルの他、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニル等が挙げられる。
【0028】
また、フェニル基を有するモノマーと(メタ)アクリル酸またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを共重合させたアクリル系樹脂は、塗膜の強度を上げる目的で好ましく使用される。
【0029】
上記のフェニル基を有するモノマーとしては、チレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等が挙げられる。
【0030】
上記のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル等が挙げられる。
【0031】
フェニル基を有するモノマーの使用割合は、通常10〜98モル%、好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%であり、(メタ)アクリル酸またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの使用割合は、通常2〜90モル%、好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%である。
【0032】
また、上記のバインダ樹脂は、側鎖にエチレン性二重結合を有している構造が好ましい。斯かるバインダ樹脂の使用により、得られるカラーフィルター用着色組成物の光硬化性が高まるため、解像性や密着性を更に向上させることが出来る。
【0033】
樹脂にエチレン性二重結合を導入する手段としては、例えば、特公昭50−34443号公報、特公昭50−34444号公報などに記載の方法、すなわち、樹脂が有するカルボキシル基に、グリシジル基やエポキシシクロヘキシル基と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物を反応させる方法、樹脂が有する水酸基にアクリル酸クロライド等を反応させる方法などが挙げられる。
【0034】
例えば、カルボキシル基や水酸基を有する樹脂に、(メタ)アクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリルクロライド等の化合物を反応させることにより、側鎖にエチレン性二重結合基を有する樹脂を得ることが出来る。特に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートの様な脂環式エポキシ化合物を反応させた樹脂はバインダ樹脂として好ましい。
【0035】
上記の様に、カルボン酸基または水酸基を有する樹脂にエチレン性二重結合を有する化合物を結合させる割合は、カルボキシル基や水酸基に対する割合として、通常2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%である。
【0036】
また、上記のアクリル系樹脂のGPCで測定した重量平均分子量は、通常1,000〜100,000である。重量平均分子量が1,000未満の場合は均一な塗膜を得るのが難しく、100,000を超える場合は現像性が低下する傾向がある。また、カルボキシル基の含有量は、酸価として、通常5〜200である。酸価が5未満の場合はアルカリ現像液に不溶となり、200を超える場合は感度が低下することがある。
【0037】
バインダ樹脂の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。
【0038】
<単量体>
単量体としては、重合可能な低分子化合物であれば特に制限されないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と略す)が好ましい。エチレン性化合物とは、カラーフィルター用着色組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述の光重合開始系の作用により付加重合し、硬化する様なエチレン性二重結合を有する化合物である。なお、本発明における単量体は、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に、二量体、三量体、オリゴマーも含有する概念を意味する。
【0039】
エチレン性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸とモノヒドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物(脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物など)とのエステル、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物などが挙げられる。
【0040】
不飽和カルボン酸と脂肪族ポリヒドロキシ化合物とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。また、これらのアクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、マレイン酸部分に代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0041】
不飽和カルボン酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
【0042】
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物とのエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、アクリル酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物などが挙げられる。
【0043】
ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物の調製に使用されるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート等が挙げられ、(メタ)アクリロイル含有ヒドロキシ化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタクリロイルオキシメチル)プロパン等が挙げられる。
【0044】
上記の他、本発明で使用されるエチレン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物などが挙げられる。
【0045】
単量体の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%である。
【0046】
<重合開始剤>
重合開始剤は、好適には光重合開始系で構成される。単量体としてエチレン性化合物を含むカラーフィルター用着色組成物は、光を直接吸収し、または、光増感されて分解反応もしくは水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する。光重合開始系は、重合開始剤に加速剤などの付加剤が併用された系で構成される。
【0047】
上記の重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物、特開平10−39503号公報に記載の2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール等のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤が挙げられる。これらは複数の種類を組み合わせてもよい。
【0048】
上記の加速剤としては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等のN,N−ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物、脂肪族多官能メルカプト化合物、オキシムエステル系化合物などが挙げられる。これらは複数の種類を組み合わせてもよい。
【0049】
光重合開始系の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは0.7〜10重量%である。光重合開始系の使用割合が著しく低いと感度低下を起こし、反対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が低下し、現像不良を誘起させ易い。
【0050】
<色材>
(RGB用色材)
RGB用色材としては、バックライトからの光をできるだけ効率良く利用するため、赤、緑、青のバックライトの発光波長に合わせて、それぞれの画素における当該蛍光体の発光波長での透過率をできるだけ高くし、その他の発光波長での透過率をできるだけ低くするように選ぶ必要がある。
【0051】
本発明で使用される色材としては、特に限定されるものではなく上記の条件を満たすように適宜選択される。色材としては、有機顔料、無機顔料、染料、天然色素などがあるが、耐熱性や耐光性の観点からは有機顔料が好ましく、必要に応じて2種類以上の顔料を組み合わせることも可能である。
【0052】
顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリン系、ジオキザジン系、インダスロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系などの有機顔料に加え、種々の無機顔料も利用可能である。具体的には、例えば、下記に示すピグメントナンバーの顔料を使用することが出来る。なお、以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0053】
赤色色材としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等が挙げられる。
【0054】
青色色材としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。
【0055】
緑色色材としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55等が挙げられる。
【0056】
黄色色材としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等が挙げられる。
【0057】
オレンジ色材としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79等が挙げられる。
【0058】
バイオレット色材としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
【0059】
ブラウン色材としては、C.I.ピグメントブラウン1、6、11、22、23、24、25、27、29、30、31、33、34、35、37、39、40、41、42、43、44、45等が挙げられる。
【0060】
黒色色材としては、C.I.ピグメントブラック1、31、32等が挙げられる。
【0061】
染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料などが挙げられる。
【0062】
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
【0063】
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
【0064】
上記の他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
【0065】
また、カラーフィルタ用組成物に使用し得る他の色材としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム、カーボンブラック等の無機色材が挙げられる。
【0066】
なお、上記の各色材は分散処理して使用され、その平均粒径は、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.25μm以下である。
【0067】
(樹脂ブラックマトリクス用色材)
樹脂ブラックマトリクス用色材としては、カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等の黒色色材の他、無機または有機の顔料や染料の中から適宜選択される赤、緑、青色などの混合による黒色色材が挙げられる。
【0068】
色材の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0069】
<その他の成分>
カラーフィルター用着色組成物には、必要に応じ、熱重合防止剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、その他の添加剤を配合することが出来る。
【0070】
上記の熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトール等が挙げられる。熱重合防止剤の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常3重量%以下である。
【0071】
上記の可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が挙げられる。可塑剤の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常10重量%以下である。
【0072】
また、カラーフィルター用着色組成物中には、必要に応じ、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素を配合させることが出来る。
【0073】
上記の増感色素の例としては、特開平4−221958号や同4−219756号の各公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号や同5−289335号の各公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号や同5−289335号の各公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号、同54−155292号、特公昭45−37377号、特開昭48−84183号、同52−112681号、同58−15503号、同60−88005号、同59−56403号、特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号の各公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素などが挙げられる。
【0074】
上記の増感色素のうち好ましいのは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいのは、アミノ基およびフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に好ましいのは、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物である。このうち最も好ましいのは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
【0075】
増感色素の使用割合は、カラーフィルター用着色組成物の全固形分中の割合として、通常0〜20重量%、好ましくは0.2〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
【0076】
また、カラーフィルター用着色組成物には、更に、密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤などを適宜添加することが出来る。
【0077】
<溶媒>
上述したカラーフィルター用着色組成物の成分は、溶媒に溶解または分散またはその両方の状態で塗布液となる。
【0078】
前記の第1の要旨に係る発明においては、溶媒として沸点が100℃以下の溶媒(以下、低沸点溶媒と言う)を含有し、その割合が全溶媒に対する割合として一定量以上でなければならない。低沸点溶媒の好ましい沸点は50〜100℃、更に好ましい沸点は70〜100℃であり、余りにもその沸点が低い場合には塗布液のハンドリングが問題となる。
【0079】
上記の様な低沸点溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、クロロメチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、2クロロプロピオン酸、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、トリメチルペンタン等が挙げられる。
【0080】
ところで、溶質の溶解性の点から全溶媒を低沸点溶媒にすることが難しい場合がある。その場合、沸点が100℃を超える溶媒(以下、高沸点溶媒と言う)を含むことは差し支えない。ただし、高沸点溶媒を含む場合、低沸点溶媒の割合は、全溶媒に対する割合として20重量%以上でなければならない。低沸点溶媒の好ましい割合は30重量%以上である。
【0081】
上記の様な高沸点溶媒としては、バインダ樹脂や単量体などの組成物の構成成分に応じて適宜選択すればよく、例えば、エチルカプリレート、イソプレン、エチルイソブチルエーテル、ブチルステアレート、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルアセテート、アプコシンナー、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキセン、メチルノニルケトン、プロピルエーテル、ドデカン、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、アミルホルメート、ジヘキシルエーテル、ジイソプロピルケトン、ソルベッソ#150、(n,sec,t−)酢酸ブチル、ヘキセン、シェルTS28ソルベント、ブチルクロライド、エチルアミルケトン、エチルベンゾエート、アミルクロライド、エチレングリコールジエチルエーテル、エチルオルソホルメート、メトキシメチルペンタノン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソブチレート、ベンゾニトリル、エチルプロピオネート、メチルセロソルブアセテート、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピルアセテート、アミルアセテート、アミルホルメート、ビシクロヘキシル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジペンテン、メトキシメチルペンタノール、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、プロピルプロピオネート、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、カルビトール、シクロヘキサノン、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、エチレングリコールアセテート、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を併用してもよい。
【0082】
溶媒の使用割合は、塗布液全体に対する割合として、通常99重量%以下、好ましくは50〜90重量%、更に好ましくは60〜85重量%である。溶媒の使用割合が99重量%を超える場合は、バインダー樹脂、色材などが少なくなり過ぎて塗布膜を形成するには不適当であり、溶媒の使用割合が少なすぎる場合は、粘度が高くなり過ぎて塗布用途に供するには不適当となる。
【0083】
塗布液のチキソ性は後述する分散条件によっても調節することが出来る。従って、本発明において、上記の溶媒の使用割合は、後述する分散条件を考慮し、適宜選択する。
【0084】
第1の要旨に係る発明においては、使用する溶媒を前記の様に規定したことにより、塗布液の乾燥速度は大きく、塗布後10秒以内に塗布液の固形分濃度は60重量%以上になる。その結果、ダイコーターによって基板上に塗布された塗布液の表面の波打ちは抑制され、塗り始め、塗り終わり部分での塗布液のかえりも抑制され、しかも、液ダレも殆ど生じない。
【0085】
次に、カラーフィルター用着色組成物は調製法について説明する。
【0086】
先ず、色材を分散処理してインクの状態にする。分散処理は、ペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を使用して行う。分散処理により色材が微粒子化するため、透過光の透過率向上および塗布特性の向上が達成される。
【0087】
分散処理は、好ましくは、色材と溶媒に、分散機能を有するバインダー樹脂、界面活性剤などの分散剤、分散助剤などを適宜併用した系で行う。特に、高分子分散剤を使用すると経時の分散安定性に優れるので好ましい。
【0088】
本発明においては、第2〜第4の要旨で規定する特定の物性で表される流動特性を実現するため、上記の分散処理における制御が重要である。
【0089】
すなわち、前記の第2の要旨に係る発明においては、剪断速度S(s−1)の時の剪断応力をσ(S)(Pa)とし、σ(S) をS に対してプロットするCassonプロットにおいて、S の値を0へ外挿した際のσ(0) の値の2乗をσとした際、σが10−3Pa以上であることが重要である。
【0090】
上記の規定は次の様な思想に基づく。すなわち、塗布液がチキソトロピックであり、その降伏応力が塗布液の塗布された基板がその後に受ける衝撃(例えば、移送されて乾燥装置に設置されるまでに受ける衝撃)による応力以上であるならば、塗布液の流動は防止される。そして、このことは、塗布液の降伏応力が上記のCassonプロットにおいて10−3Pa以上であれば実現される。
【0091】
本発明の好ましい態様においては、以下に記載したCARREAUの近似式におけるηが100mPa・sec以上、nが0.8以下である。
【0092】
【数1】
η=μ (1+λ(n+1)/2
【0093】
上記の近似式において、ηは塗布液の粘度、μ はゼロシェアー粘度、λは塗布液固有の値、nは1以下の実数(通常0.6〜1)、Sは剪断速度である。nが小さい程、チキソトロピック性が大きくなる。
【0094】
前記の第3の要旨に係る発明においては、固形分濃度が50重量%になる様に濃縮し、ω=0.1rad/sの条件で測定した際に得られる複素弾性率の実部をG’、虚部をG”した場合、G’ > G”であることが重要である。
【0095】
上記の規定は次の様な思想に基づく。すなわち、上記の様な複素弾性率による規定は、ゲル状態と流動状態の指標として利用されている。溶媒が少し蒸発した段階でゲル状態を呈することが出来る塗布液は、前述の第1の要旨に係る発明の場合と同様に、基板上に塗布された後の表面の波打ちが抑制され、塗り始め、塗り終わり部分での塗布液のかえりも抑制され、しかも、液ダレも殆ど生じない。そして、このことは、上記のG’ > G”の条件を満足することにより実現することが出来る。
【0096】
第4の要旨に係る本発明においては、剪断速度が10−2−1以下の範囲における粘度が20〜200mPa・sの範囲にあることが重要である。本発明の好ましい態様においては、上記の粘度は、20〜100mPa・sである。塗布液の粘度が余りにも低い場合は本発明の目的を達成することが出来ず、塗布液の粘度が余りにも高い場合はタンクからスリットノズル迄の移送が円滑に行われない。なお、上記に様に、剪断速度を規定したのは、スリットノズルから塗布液が吐出する際、あるレベルの剪断力が掛かって流動するが、基板上に塗布されて剪断力から開放された時点で塗布液が流動性を失うことを考慮したことによる。
【0097】
本発明において、上記の各発明で規定する流動特性を実現するため、分散処理は次の様に行なう。例えば、サンドグラインダーで分散処理する場合は、0.1から数ミリ径のガラスビーズ又はジルコニアビーズを使用するのが好ましい。分散処理時の温度は通常5℃〜80℃、好ましくは室温〜60℃の範囲に設定する。なお、分散時間は、インキの組成(色材、溶媒、分散剤)及びサンドグラインダーの装置仕様などにより適正時間が異なるため、適宜調節する。
【0098】
次いで、上記の分散処理によって得られたインキに、バインダー樹脂、単量体、光重合開始系などを混合し、均一な溶液とする。なお、分散処理および混合の各工程においては、微細なゴミが混入することが多いため、フィルター等により、得られた溶液を濾過処理することが好ましい。
【0099】
次に、カラーフィルターの製造方法について説明する。カラーフィルターは、ブラックマトリクスが設けられた透明基板上に、通常、赤、緑、青の画素画像を形成することにより製造することが出来る。
【0100】
透明基板の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性プラスチックシート、各種ガラス板などが挙げられる。この中では、耐熱性の点から、耐熱性プラスチック及びガラス板が好ましい。
【0101】
透明基板には、表面の接着性などの物性を改良するため、予め、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜処理などを行ってもよい。
【0102】
ブラックマトリクスは、金属薄膜またはブラックマトリクス用顔料分散液を利用して透明基板上に形成される。
【0103】
金属薄膜を利用したブラックマトリクスは、例えば、クロム単層またはクロムと酸化クロムの2層により形成される。この場合、先ず、蒸着、スパッタリング法などにより、透明基板上に、上記の金属または金属・金属酸化物の薄膜を形成する。続いで、その上に感光性被膜を形成した後、ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパターンを有するフォトマスクを使用し、感光性被膜を露光・現像し、レジスト画像を形成する。その後、当該薄膜をエッチング処理しブラックマトリクスを形成する。
【0104】
ブラックマトリクス用顔料分散液を利用する場合は、色材として黒色色材を含有するカラーフィルター用着色組成物を使用してブラックマトリクスを形成する。例えば、前述の黒色色材を含有するカラーフィルター用着色組成物を使用し、後述の赤、緑、青色の画素画像を形成する方法と同様にして、ブラックマトリクスを形成する。
【0105】
ブラックマトリクスを設けた透明基板上に、ダイコートにより、赤、緑、青のうち1色の色材を含有する前述のカラーフィルター用着色組成物を塗布・乾燥した後、この塗膜の上にフォトマスクを置き、当該フォトマスクを介して画像露光を行った後、現像、必要に応じて熱硬化または光硬化して画素画像を形成し、着色層を作成する。この操作を赤、緑、青の3色のカラーフィルター用着色組成物について各々行い、カラーフィルター画像を形成する。
【0106】
ダイコーターによる塗布条件は、目標乾燥膜厚に応じて適宜ノズルからの吐出量とリップの走行速度を選択する。ノズル先端のリップ幅は通常50〜500μm、ノズル先端と基板面との間隔は通常30〜300μmとされる。
【0107】
基板に硬化性樹脂組成物を塗布した後の塗布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を使用して行う。通常、予備乾燥の後、再度加熱して乾燥させる。予備乾燥の条件は、含まれる溶媒成分の沸点、構成比、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択される。
【0108】
乾燥時間は、通常、40〜80℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度より高いから選択され、具体的には、通常50〜200℃、好ましくは70〜160℃、更に好ましくは70〜130℃とされる。また乾燥時間は、加熱温度にもよるが、通常10秒から10分、好ましくは15秒から5分とされる。乾燥温度は、高いほど透明基板に対する接着性が向上するが、高すぎると不揮発分を構成する化合物が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。乾燥後の塗膜の膜厚は、通常0.5〜3μm、好ましくは1〜2μmである。
【0109】
なお、バインダ樹脂とエチレン性化合物とを併用しており、しかも、バインダ樹脂が側鎖にエチレン性二重結合とカルボキシル基を有するアクリル系樹脂であるカラーフィルター用着色組成物は、非常に高感度、高解像力であるため、ポリビニルアルコール等の酸素遮断層を設けることなしに露光および現像を行って画像を形成することが可能であるために好ましい
【0110】
画像露光に適用し得る露光光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源などが使用される。特定の波長のみを使用する場合は光学フィルターを利用することも出来る。
【0111】
画像露光を行った後、界面活性剤とアルカリ剤を含有する水溶液または有機溶媒を使用して現像を行うことにより、基板上に画像を形成することが出来る。上記の水溶液には、更に、有機溶媒、緩衝剤、染料または顔料を含有させることが出来る。現像処理は、通常10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像などの方法で行われる。
【0112】
上記のアルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機のアルカリ剤、あるいはトリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の有機アミン類が挙げられ、これらは2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
【0113】
上記の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
【0114】
上記の有機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0115】
現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処理を施す。この際の温度は通常100〜280℃、好ましくは150〜250℃であり、時間は通常5〜60分間のである。
【0116】
上記の一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成が終了する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成する。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番に限定されるものではない。
【0117】
その後、画像上にITO等の透明電極を形成し、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることも出来る。また、平面配向型駆動方式(IPSモード)等の一部の用途においては、透明電極を形成しないこともある。
【0118】
本発明のダイコーター用塗布液は、前述の様に、カラーフィルター用着色組成物や樹脂ブラックマトリクス用着色組成物として好適に使用されるが、カラーフィルターのクリアコート(トップコート)用組成物しても好適であり、更には、液晶ディスプレイパネルのセルギャップ保持用フォトスペーサー用組成物としても好適である。クリアコートやセルギャップ保持用フォトスペーサーは公知の方法に従って製造することが出来る。
【0119】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は重量部を表す。
【0120】
製造例1(バインダ樹脂の製造)
酸価200、重量平均分子量5,000のスチレン・アクリル酸樹脂20部、p−メトキシフェノール0.2部、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40部をフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6部を滴下し、100℃の温度で30時間反応させた。反応液を水に再沈殿、乾燥させて樹脂を得た。KOHによる中和滴定を行ったところ、樹脂の酸価は80mg−KOH/gであった。
【0121】
製造例2(レジスト溶液の製造)
下記に示す各成分を下記の割合で調合し、スターラーにて各成分が完全に溶解するまで攪拌し、レジスト溶液を得た。
【0122】
【表1】
Figure 2004292722
【0123】
製造例3(レジスト溶液の製造2)
製造例2において、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの代わりにトルエン5.41部を使用した以外は、製造例2と同様にしてレジスト溶液を製造した。
【0124】
実施例1
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:75部、赤色顔料P.R.254:17部、ウレタン系分散樹脂:8部を混合し、攪拌機で3時間攪拌して固形分濃度が25重量%のミルベースを調製した。このミルベースをビーズミル装置(0.5mmφのジルコニアビーズ600部使用)にて周速10m/、滞留時間3時間で分散処理し「P.R.254インキ」を得た。
【0125】
また、顔料をP.R.177に変更した以外は、上記のP.R.254と同様の組成にてミルベースを調製し、同様の分散条件にて滞留時間で2時間分散処理を行い「P.R.177インキ」を得た。
【0126】
次いで、「P.R.254インキ」47部、「P.R.177インキ」25部、製造例2で製造したレジスト溶液28部を混合攪拌し、最終的な固形分濃度が25重量%になる様に溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を加えて赤色カラーフィルター用着色組成物を得た。
【0127】
得られた組成物の粘度を東洋精機社製E型粘度計にて剪断速度Sが10 〜10 の範囲で剪断応力をσ(S)(Pa)を測定し、とし、σ(S) をS に対してプロット(Cassonプロット)し、S →0へ外挿した際のσ(0) の値の2乗、σは5.5×10−3Paであった。
【0128】
また、得られた組成物をエバポレーターにより、不揮発分が50%となる様に濃縮し、複素弾性率をRheometrics社製ARESにて各周波数ωが10 rad/sにて測定したところ、G’=6.3×10(Pa)、G”=2.5×10(Pa)であった。
【0129】
また、得られた組成物の剪断速度5×10−3−1における粘度を測定した結果は89mPa・sであった。なお、測定は、Rhtometrics社製のARESを使用して行なった。
【0130】
実施例2
実施例1において、R254の分散時の滞留時間を15分とした以外は、実施例1と同様にして「P.R.254インキ」を作成した。このようにして得られた「P.R.254インキ」47部、実施例1と同様の「P.R.177インキ」25部、製造例3で製造したレジスト溶液28部を混合攪拌し、最終的な固形分濃度が25重量%になる様に溶媒(トルエン)を加えて赤色カラーフィルター用着色組成物を得た。得られた組成物中の溶媒の構成成分とその重量割合は、メチルエチルケトン/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=74/26であった。
【0131】
得られた組成物の粘度を実施例1と同様にしてσを求めたところ1.5×10−4Paであった。また、得られた組成物の複素弾性率を実施例1と同様にして測定したところ、G’=7.4×10 (Pa)、G”=1.1×10(Pa)であった。更に、実施例1と同様にして剪断速度5×10−3−1における粘度を測定した結果は90mPa・sであった。
【0132】
比較例1
実施例1において、R254の分散時の滞留時間を15分とした以外は、実施例1と同様にして赤色カラーフィルター用着色組成物を得た。得られた組成物のσを実施例1と同様にして測定したところ、2.1×10 Paであった。更に、実施例1と同様にして剪断速度5×10−3−1における粘度を測定した結果は10.3mPa・sであった。
【0133】
実施例3
製造例1において、顔料をP.G.36に変更した以外は、製造例1のP.R.254と同様の組成にてミルベースを調製し、同様の分散条件にて滞留時間1時間で分散処理し、「P.G.36インキ」を得た。
【0134】
また、製造例1において、顔料をP.Y.150に変更した以外は、製造例1のP.R.254と同様の組成にてミルベースを調製し、同様の分散条件にて滞留時間2時間で分散処理し、「P.Y.150インキ」を得た。
【0135】
また、製造例1において、顔料をP.Y.139に変更した以外は、製造例1のP.R.254と同様の組成にてミルベースを調製し、同様の分散条件にて滞留時間2時間で分散処理し、「P.Y.139インキ」を得た。
【0136】
次いで、「P.G.36インキ」33.5部、「P.Y.150インキ」8.4部、「P.Y.139インキ」9.0部、前記の製造例2で製造したレジスト溶液66部を混合攪拌し、最終的な固形分濃度が25重量%になる様に溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を加えて緑色カラーフィルター用着色組成物を得た。
【0137】
得られた組成物の粘度を実施例1と同様にしてσを求めたところ3.3×10Paであった。また、得られた組成物の複素弾性率を実施例1と同様にして測定したところ、G’=8.9×10(Pa)、G”=2.1×10(Pa)であった。更に、実施例1と同様にして剪断速度5×10−3−1における粘度を測定した結果は118mPa・sであった。
【0138】
比較例2
実施例3において、PG36の分散時の滞留時間を7分とした以外は、実施例3と同様にして「PG36インキ」を作成した。
【0139】
また、実施例3において、PY150の分散時の滞留時間を18分とした以外は、実施例3と同様にして「PY150インキ」を作成した。
【0140】
また、実施例3において、PY139分散時の滞留時間を15分とした以外は、実施例3と同様にして「PY139インキ」を作成した。
【0141】
次いで、「P.G.36インキ」33.5部、「P.Y.150インキ」8.4部、「P.Y.139インキ」9.0部、前記の製造例2で製造したレジスト溶液66部を混合攪拌し、最終的な固形分濃度が25重量%になる様に溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を加えて緑色カラーフィルター用着色組成物を得た。
【0142】
得られた組成物の粘度を実施例1と同様にしてσを求めたところ1.2×10−4Paであった。また、得られた組成物の複素弾性率を実施例1と同様にして測定したところ、G’=4.3×10 (Pa)、G”=7.6×10−2(Pa)であった。更に、実施例1と同様にして剪断速度5×10−3−1における粘度を測定した結果は6.5mPa・sであった。
【0143】
以上の様にして得られた組成物をダイコートによりガラス基板(旭硝子製AN100、基板サイズ730×920mm)に塗工したときの評価を以下の表2に纏めた。なお、評価は次の様に行なった。
【0144】
(1)塗布膜厚の面内均一性:
ナトリウムランプ下で目視により確認した。
【0145】
(2)塗り始め部分の肉厚部のサイズ(mm):
ナトリウムランプ下または白色灯下で目視により端部の肉厚部を判定し、定規でその長さを測定した。
【0146】
(3)液ダレによる塗布装置の汚れ:
目視判断によって行なった。
【0147】
【表2】
Figure 2004292722
【0148】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、塗布膜厚の面内均一性に優れ、塗り始め、塗り終わりの部分での塗布液のかえりによる肉厚部が小さく抑えられ、しかも、塗布装置汚染が防止されたダイコーター用塗布液が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。

Claims (8)

  1. 少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、溶媒として沸点が100℃以下の溶媒を含有し、その割合が全溶媒に対する割合として20〜100重量%であることを特徴とするダイコーター用塗布液。
  2. 少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、剪断速度S(s−1)の時の剪断応力をσ(S)(Pa)とし、σ(S) をS に対してプロットするCassonプロットにおいて、S の値を0へ外挿した際のσ(0) の値の2乗をσとした際、σが10−3Pa以上であることを特徴とするダイコーター用塗布液。
  3. 少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、固形分濃度が50重量%になる様に濃縮し、ω=0.1rad/sの条件で測定した際に得られる複素弾性率の実部をG’、虚部をG”した場合、G’ > G”であることを特徴とするダイコーター用塗布液。
  4. 少なくとも、塗膜形成用樹脂、単量体、重合開始剤および溶媒を含有して成るダイコーター用塗布液であって、剪断速度が10−2−1以下の範囲における粘度が20〜200mPa・sの範囲にあることを特徴とするダイコーター用塗布液。
  5. カラーフィルターのクリアコート用組成物として構成される請求項1〜4の何れかに記載のダイコーター用塗布液。
  6. 液晶ディスプレイパネルのセルギャップ保持用フォトスペーサー用組成物として構成される請求項1〜4の何れかに記載のダイコーター用塗布液。
  7. 更に、色材を含有し、カラーフィルター用着色組成物として構成される請求項1〜4の何れかに記載のダイコーター用塗布液。
  8. 更に、色材を含有し、樹脂ブラックマトリクス用着色組成物として構成される請求項1〜4の何れかに記載のダイコーター用塗布液。
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