JP2003064138A - 硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示装置

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JP2003064138A
JP2003064138A JP2001257122A JP2001257122A JP2003064138A JP 2003064138 A JP2003064138 A JP 2003064138A JP 2001257122 A JP2001257122 A JP 2001257122A JP 2001257122 A JP2001257122 A JP 2001257122A JP 2003064138 A JP2003064138 A JP 2003064138A
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JP
Japan
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resin composition
component
color filter
curable resin
meth
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Application number
JP2001257122A
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English (en)
Inventor
Naoki Sako
迫  直樹
Hideyori Fujiwara
英資 藤原
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板表面に塗布する工程で、乾燥凝縮し難
く、異物の発生を大幅に少なくした硬化性樹脂組成物、
この硬化性樹脂組成物を使用した高品質のカラーフィル
タ、このカラーフィルタの製造方法、およびこのカラー
フィルタを用いた液晶表示装置などを提供すること。 【構成】 第一発明は、色材(a)、溶剤成分(b)、バイン
ダ樹脂(c1)および/またはその単量体(c2)を含有する硬
化性樹脂組成物であって、溶剤成分(b)を除く成分中に
占める色材(a)の割合が44重量%とされてなるとを特
徴とし、第二発明は、この硬化性樹脂組成物を使用した
高品質のカラーフィルタを特徴とし、第三発明は、この
カラーフィルタの製造方法を特徴とし、第四発明は、こ
のカラーフィルタを用いた液晶表示装置を特徴とする。 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成
物、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、およ
び液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、硬化性樹脂
組成物を基板の表面に塗布する工程で、乾燥凝集し難
く、異物の発生を大幅に少なくした硬化性樹脂組成物、
この硬化性樹脂組成物を用いたカラーフィルタ、このカ
ラーフィルタの製造方法、および、このカラーフィルタ
を用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置などに用いられ
るカラーフィルタの製造方法としては、顔料分散法、染
色法、電着法、印刷法などが知られている。分光特性、
耐久性、パターン形状および精度などの観点から、平均
的に優れた特性を有する顔料分散法が、最も広範に採用
されている。
【0003】以下、顔料分散法の概要を説明する。通
常、最初に、ガラス基板などの透明支持体上に、クロム
や酸化クロムなどの金属遮光膜により、ブラックマトリ
ックスを形成し、次いで、例えば赤色の顔料を分散させ
た感光性樹脂組成物(カラーレジスト)をスピンコート
法などにより全面に塗布し、マスクを介して露光する。
露光後に現像を行うと、赤色の画素が得られる。青色、
緑色の画素についても同様の手法によって、3色の画素
が形成される。各画素間は、ブラックマトリックス部が
凹(へこ)みとなるので、平滑化のために表面をエポキ
シ系樹脂、アクリル系樹脂などの透明樹脂の保護膜で被
覆するが、この保護膜は設けない場合もある。更に、保
護膜上にスパッタリングや真空蒸着などで、ITO膜な
どの透明導電膜を形成する。また、最近では、ブラック
マトリックスを形成する際にも、顔料分散法が採用され
ることが多い。具体的には、黒色顔料を分散させた感光
性樹脂(ブラックレジスト)を塗布、露光、現像させて
作成される。
【0004】近年の技術革新の流れに違わず、液晶表示
装置に要求される性能も多様化、高度化している。中で
も、カラーフィルタについては、これまで以上に広い色
再現性があること、高透過率であることなどが要求され
ている。これらの諸要求を、上記の顔料分散法によって
達成するために、多種多様の新規顔料が開発され、しか
も、これら新規顔料を高濃度に配合した感光性樹脂組成
物(カラーレジスト)が、主流となりつつある。また、
カラーレジストだけでなく、上記したブラックレジスト
においても、薄い塗布膜でかつ高い遮光性が要求されて
おり、顔料濃度が高濃度化されたレジストが採用される
傾向にある。
【0005】一方、カラーフィルタの製造方法に関して
も、種々の新技術が開発されている。画素形成工程のう
ち、例えば、レジストの塗布工程に関しては、これまで
基板中央部にレジストを滴下し、スピンコート法によっ
て均一化するのが主流であった。しかしながら、基板が
大型化されるに伴い、レジスト使用量が増加すること、
および、スピンコーターの装置上の制約(モーターの能
力など)などから、最近ではダイコート法による塗布技
術が開発され、一部実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、レジストをダ
イコート法によって塗布する技術は、例えば、フロッピ
ーディスクなどの製造に用いられ、通常は高分子フィル
ムなどの媒体に、レジストなどの塗布液を連続塗布する
場合に好適に採用される。カラーフィルタのような枚葉
塗布の場合には、レジストの塗布方法は間欠塗布であ
り、ダイリップの先端は、湿潤、乾燥を繰り返す。高濃
度の顔料を分散させたカラーレジストまたはブラックレ
ジストがダイリップ先端で乾燥すると、顔料濃度が急激
に増加するため、顔料の凝集塊が発生する場合がある。
これら凝集塊は、ダイリップ先端に付着し、再度レジス
トを吐出した際にリップ先端から剥離して基板上に移動
する。これら凝集塊は、その後の工程では容易に除去さ
れず、最後まで基板上に残留する。このような凝集塊
は、カラーフィルタの画素欠陥となり、品質不良の原因
となる。この不良現象が頻発すると製品の歩留りが低下
するので、避けなければならない現象の一つとされてい
る。
【0007】本発明の目的は、従来技術における上記の
諸問題点を解決し、塗布液として高濃度レジストを用い
た場合でも、ダイリップ先端における乾燥凝集塊の発生
を抑制することができ、基板上への異物付着を最小限と
し、高品質の製品が得られる硬化性樹脂組成物、カラー
フィルタ、カラーフィルタの製造方法、および液晶表示
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を進めた結果、次のような知
見を得た。すなわち、顔料などの色材、溶剤成分、バイ
ンダ樹脂および/またはその単量体を含有する、カラー
フィルタ用樹脂組成物などに用いる硬化性樹脂組成物に
おいて、溶剤成分を除く総固形分に対する色材濃度(割
合)を特定の範囲とすることによって、主として塗布時
に発生する凝集塊による画素欠陥発生が大幅に抑制され
ることを見いだし、本発明に到達した。特にダイコート
法によって塗布する際には、ダイリップ先端で乾燥が促
進されるため、凝集塊が生じ易いが、上記硬化性樹脂組
成物を使用すると、凝集塊の基板面への付着残留が抑制
され、不良製品発生率を大幅に低くできることを見いだ
した。
【0009】上記課題を解決するために、第一発明で
は、色材{(a)成分}、溶剤成分{(b)成分}、バインダ樹
脂{(c1)成分}および/またはその単量体{(c2)成分}を
含有する硬化性樹脂組成物であって、溶剤成分{(b)成
分}を除く成分中に占める色材{(a)成分}が、44重量
%以下であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物を提
供する。
【0010】第二発明では、第一発明に係る硬化性樹脂
組成物によって形成された画素を有することを特徴とす
る、カラーフィルタを提供する。
【0011】第三発明では、カラーフィルタ用基板上に
第一発明に係るカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物を塗
布する塗布工程、これを露光する露光工程、および露光
後にこれを現像する現像工程を経て画素を形成するカラ
ーフィルタの製造方法において、塗布工程がダイコート
法であることを特徴とする、カラーフィルタの製造方法
を提供する。
【0012】第4発明では、第二発明に係るカラーフィ
ルタを用いて得られたものであることを特徴とする、液
晶表示装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る硬化性樹脂組成物は、色材{以下、単に
(a)成分と略称する}、溶剤成分{以下、単に(b)成分と
略称する}、バインダ樹脂{以下、単に(c1)成分と略称
する}および/またはその単量体{以下、単に(c2)成分
と略称する}などを含有し、要すればさらに、光重合開
始剤系{以下、単に(d)成分と略称する}、(a)成分ない
し(d)成分以外の他の添加物{以下、単に(e)成分と略称
する}などが含有していてもよい。
【0014】(a)成分は、本発明に係る硬化性樹脂組成
物を着色するものをいう。(a)成分としては、赤色、緑
色、青色の染料・顔料および調色用の黄色、バイオレッ
トの染料・顔料、カーボンブラックなどが挙げられ、こ
の他、必要に応じ配合できる金属粉、白色顔料、蛍光顔
料などが挙げられる。(a)成分は、一種でも二種以上の
混合物であってもよい。顔料は無機顔料、有機顔料のい
ずれでもよい。無機顔料としては、例えば、硫酸バリウ
ム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロ
ム、カーボンブラックなどが挙げられる。
【0015】有機顔料として、例えば、次のようなもの
が挙げられる。なお、以下の染料・顔料などの(a)成分
の種類は、C.I.(カラーインデックス)番号で記載
する。黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー
1、3、4、5、6、12、13、14、16、17、
18、20、24、55、65、73、74、81、8
3、86、87、93、94、95、97、98、10
0、101、108、109、110、113、11
6、117、120、123、125、128、12
9、133、137、138、139、147、14
8、150、151、153、154、155、15
6、166、168、169、170、171、17
2、173、175などである。
【0016】オレンジ顔料としては、C.I.ピグメン
トオレンジ1、2、5、13、15、16、17、1
8、19、31、34、36、38、40、42、4
3、51、52、55、59、60、61、62などで
ある。赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド
2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、
15、17、18、22、23、31、37、38、4
1、42、48:1、48:2、48:3、49、5
0、52、53、54、57、58、60、63、6
4、68、81、88、90、97、112、114、
115、122、123、133、139、144、1
46、147、149、150、151、166、16
8、170、171、175、176、177、17
8、179、180、185、187、188、19
0、192、194、202、207、208、20
9、214、215、216、217、220、22
1、223、224、226、227、228、24
0、242、243、245、246、247、254
などである。
【0017】バイオレット顔料としては、C.I.ピグ
メントバイオレット1、2、3、5、19、23、2
9、30、31、32、33、36、37、38、3
9、40、43、50などである。青色顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15:6、17、19、2
2、56、60、61、64などである。緑色顔料とし
ては、C.I.ピグメントグリーン2、8、10、36
などである。ブラウン顔料としては、C.I.ピグメン
トブラウン5、23、25、26、32などである。黒
色顔料としては、C.I.ピグメントブラック7などで
ある。
【0018】これらのうち、黄色顔料としては、C.
I.ピグメントイエロー138、139、150が好ま
しく、赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1
77、224、254が好ましく、バイオレット顔料と
しては、C.I.ピグメントバイオレット23が好まし
く、青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1
5:6が好ましく、緑色顔料としては、C.I.ピグメ
ントグリーン36が好ましい。
【0019】染料としては、アゾ系染料、アントラキノ
ン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染
料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染
料、メチン系染料などが挙げられる。
【0020】アゾ系染料としては、例えば、C.I.ア
シッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、
C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド
180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレ
クトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.
I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレ
ンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.
ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロ
ー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リア
クティブレッド120、C.I.リアクティブブラック
5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディス
パースレッド58、C.I.ディスパースブルー16
5、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシッ
クレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.
モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7
など挙げられる。
【0021】アントラキノン系染料としては、例えば、
C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー4
0、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクテ
ィブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、
C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパー
スブルー56、C.I.ディスパースブルー60などが
挙げられる。
【0022】この他、フタロシアニン系染料として、例
えば、C.I.パッドブルー5などが、キノンイミン系
染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、
C.I.ベーシックブルー9などが、キノリン系染料と
して、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.
I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロ
ー64などが、ニトロ系染料として、例えば、C.I.
アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、
C.I.ディスパースイエロー42などが挙げられる。
【0023】カーボンブラック、および上記した以外の
染料・顔料の具体的例としては、以下のものが挙げられ
る。三菱カーボンブラックM1000、三菱カーボンブ
ラックMA−100、三菱カーボンブラック#40、ビ
クトリアピュアブルー(42595)、オーラミンO
(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベー
シック13)、ローダミン6GCP(45160)、ロ
ーダミンB(45170)、サクラニンOK70:10
0(50240)、エリオグラウシンX(4208
0)、NO.120/リオノールイエロー(2109
0)、リオノールイエローGRO(21090)、シム
ラファーストイエローGRO(21090)、シムラフ
ァーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイ
エロー4J−564D(21095)、シムラーファー
ストレッド4015(12355)、リオノールレッド
7B4401(15850)、ファーストゲンブルーJ
GR−L(74160)、リオノールブルーSM(26
150)、リオノールブルーES(ピグメントブルー1
5:6、ピグメントブルー1536)、リオノーゲンレ
ッドGD(ピグメントレッド168、ピグメントレッド
108)、リオノールグリーン2YS(ピグメントグリ
ーン36)などが挙げられる。
【0024】本発明に係る硬化性樹脂組成物において、
(a)成分の割合が多過ぎると、(a)成分の凝集塊が発生し
易く、少な過ぎると塗布膜を厚くする必要があり、塗布
膜構成上好ましくない。硬化性樹脂組成物中の全固形分
に占める(a)成分の割合は、5〜44重量%の範囲で選
ぶものとする。この範囲の中では、15〜42重量%が
好ましく、中でも20〜42がより好ましく、特に30
〜40重量%が好ましい。なお、本発明において「固形
分」とは、後記する(b)成分(溶媒成分)以外の全成分
を意味する。
【0025】(b)成分は、本発明に係る硬化性樹脂組成
物において、(a)成分および(C)成分のほか、場合により
配合した(d)成分および(e)成分などを溶解または分散さ
せ、粘度を調節するように機能する。
【0026】(b)成分としては、グリコールエーテル類
および/またはアルコキシエステル類が挙げられる。グ
リコールエーテル類の具体例としては、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチル
エーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレ
ングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0027】アルコキシエステル類の具体例としては、
3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピ
オン酸メチル、ブチルアセテート、エチルプロピオネー
ト、プロピルアセテート、エチルカプリレートなどが挙
げられる。(b)成分は、一種でも二種以上の混合物であ
ってもよい。
【0028】本発明に係る硬化性樹脂組成物全体に占め
る、(b)成分の含有量は、特に制限はないが、通常は、
硬化性樹脂組成物全体に占める割合を、99重量%以下
とする。(b)成分が99重量%を超えると、(a)成分、
(c)成分などが少なくなり過ぎて塗布膜を形成するには
不適当であり、(b)成分が少なすぎても粘度が高くなり
過ぎて塗布用途に供するには不適当となる。(b)成分の
硬化性樹脂組成物全体に占める好ましい割合は、50〜
90重量%であり、中でも60〜85重量%の範囲が特
に好ましい。
【0029】本発明の第一発明に係る硬化性樹脂組成物
は、透明基板に塗布して第二発明に係るカラーフィルタ
を製造する際の塗布液として好適に使用される。以下で
は、カラーフィルタ用の硬化性組成物として使用する場
合を例にして説明する。(c1)成分(バインダ樹脂)を単
独で使用する場合は、目的とする画素画像の形成性や性
能、採用したい製造方法などを考慮し、それに適した種
類の(c1)成分を適宜選択する。(c1)成分を(c2)成分(単
量体)と併用する場合は、カラーフィルタ用の硬化性樹
脂組成物の改質、硬化後(特に光硬化後)の物性、例え
ば(b)成分との相溶性、硬化性樹脂組成物の基板上での
皮膜形成性、基板との接着性、塗布膜の現像性などが改
善される。
【0030】(c1)成分の具体例としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレ
イミドなどの単独重合体、または、これら単量体を含む
共重合体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ
エーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセル
ロース、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリビニルフ
ェノール、ポリビニルブチラールなどが挙げられる。な
お、本発明において、「(メタ)アクリル酸」とは、ア
クリル酸とメタクリル酸の双方を含むことを意味し、
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイル基なども
同様の意味であり「(共)重合体」とは、単一重合体
(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含
むことを意味する。また、本発明において「アクリル系
樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、
カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを
含む(共)重合体を意味する。
【0031】上に挙げた(c1)成分の中で好ましいのは、
側鎖または主鎖にカルボキシル基またはフェノール性水
酸基を有する単量体を含むアクリル系樹脂である。(c1)
成分としてこれら官能基を有するアクリル系樹脂を使用
すると、得られたカラーフィルタは、アルカリ性溶液で
の現像が可能となる。中でも好ましいのは、高アルカリ
性溶液での現像が可能な、カルボキシル基を有するアク
リル系樹脂、例えば、アクリル酸(共)重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸樹脂、ノボラックエポキシアクリレ
ートの酸無水物変性樹脂などである。中でも特に好まし
いのは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、また
はカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル
を含む(共)重合体である。これらのアクリル系樹脂
は、現像性・透明性などに優れ、種々の単量体と組合せ
て性能の異なる共重合体を得ることができ、かつ、製造
方法が調節し易いからである。
【0032】(c1)成分としてのアクリル系樹脂は、例え
ば次に挙げる単量体を主成分とする(共)重合体であ
る。単量体としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸
(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステル、ア
ジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)エステル、フ
タル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)エステ
ル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロ
キシエチル)エステル、マレイン酸(2−(メタ)アク
リロイロキシエチル)エステル、コハク酸(2−(メ
タ)アクリロイロキシプロピル)エステル、アジピン酸
(2−(メタ)アクリロイロキシプロピル)エステル、
ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシ
プロピル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロ
イロキシプロピル)エステル、マレイン酸(2−(メ
タ)アクリロイロキシプロピル)エステル、コハク酸
(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エステル、ア
ジピン酸(2−(メタ)アクリロイロキシブチル)エス
テル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)アクリロイ
ロキシブチル)エステル、フタル酸(2−(メタ)アク
リロイロキシブチル)エステル、マレイン酸(2−(メ
タ)アクリロイロキシブチル)エステル、などの、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートに(無水)コハク
酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸などの酸
(無水物)を付加させた化合物などが挙げられる。
【0033】上記の単量体と共重合させることができる
単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのスチレン系単量体類、桂皮酸、マレイ
ン酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸などの不
飽和基含有カルボン酸類、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、アリル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリ
レート、メトキシフェニル(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリル酸のエステル類、(メタ)アクリル酸
にε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブ
チロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類を
付加させた化合物類、アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリルなどのアクリロニトリル類、(メタ)アクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアクリルアミド、Nーメタクリロイルモルホリン、
N,Nージメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミドなどのア
クリルアミド類、酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル
などの酸ビニル類などが挙げられる。
【0034】なお、基板上の塗布膜の強度を向上させる
のに好ましい(c1)成分として、次に挙げる(c11)単量体
群の少なくとも一種と、次に挙げる(c12)単量体群の少
なくとも一種と共重合させたアクリル系樹脂が挙げられ
る。(c11)単量体群としては、スチレン、α−メチルス
チレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフ
ェニル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリ
ルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホ
アミドなどのフェニル基を有する単量体が挙げられる。
(c12)単量体群としては、(メタ)アクリル酸、また
は、コハク酸(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)
エステル、アジピン酸(2−アクリロイロキシエチル)
エステル、フタル酸(2−(メタ)アクリロイロキシエ
チル)エステル、ヘキサヒドロフタル酸(2−(メタ)
アクリロイロキシエチル)エステル、マレイン酸(2−
(メタ)アクリロイロキシエチル)エステルなどのカル
ボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが
挙げられる。共重合体は、(c11)単量体群を10〜98
モル%、好ましくは20〜80モル%、より好ましくは
30〜70モル%とし、(c12)単量体群を2〜90モル
%、好ましくは20〜80モル%、より好ましくは30
〜70モル%の割合とするのが好ましい。
【0035】また、(c1)成分としてのアクリル系樹脂
は、側鎖にエチレン性二重結合を有しているものが好ま
しい。(c1)成分として側鎖にエチレン性二重結合を有す
るアクリル系樹脂を用いると、本発明に係るカラーフィ
ルタ用硬化性樹脂組成物の光硬化性が向上するので、第
2発明に係るカラーフィルタの解像性、基板との密着性
を一層向上させることができる。
【0036】(c1)成分の側鎖にエチレン性二重結合を導
入する方法としては、例えば、特公昭50−34443
公報、特公昭50−34444公報などに記載されてい
る方法、すなわち、(1)アクリル系樹脂が有するカルボ
キシル基に、グリシジル基やエポキシシクロヘキシル基
と(メタ)アクリロイル基とを併せ持つ化合物を反応さ
せる方法、(2)アクリル系樹脂が有する水酸基にアクリ
ル酸クロライドなどを反応させる方法、などが挙げられ
る。
【0037】より具体的には、カルボキシル基や水酸基
を有するアクリル系樹脂に、(メタ)アクリル酸グリシ
ジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イ
ソ)クロトン酸グリシジルエーテル、(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸クロライド、(メタ)アリルクロライド
などの化合物を反応させることにより、側鎖にエチレン
性二重結合基を有するアクリル系樹脂を得ることができ
る。中でも、カルボキシル基や水酸基を有するアクリル
系樹脂に、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル
(メタ)アクリレートのような脂環式エポポキシ化合物
を反応させたものが、特に好ましい。
【0038】このように、予めカルボン酸基または水酸
基を有するアクリル系樹脂に、エチレン性二重結合を導
入するには、アクリル系樹脂のカルボキシル基や水酸基
の2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%に、エチ
レン性二重結合を有する化合物を結合させる方法による
のが好ましい。また、カルボキシル基の好ましい含有量
は、酸価として5〜200の範囲である。酸価が5以下
であるとアルカリ性現像液に不溶となり、また、200
を超えると現像感度が低下することがあり、いずれも好
ましくない。
【0039】これらのアクリル系樹脂は、GPCで測定
した重量平均分子量(Mw)が1,000〜100,0
00の範囲のものが好ましい。重量平均分子量が1,0
00以下であると、均一な塗布膜を得るのが難しく、ま
た、100,000を超えると現像性が低下する傾向が
あり、いずれも好ましくない。
【0040】上記(c1)成分の割合は、本発明に係る硬化
性樹脂組成物における固形分中、10〜80重量%の範
囲で選ぶのが好ましく、中で、20〜70重量%が特に
好ましい。(a)成分と(c1)成分との界面の親和性を改良
する目的で、シランカップリング剤を配合することがで
きる。シランカップリング剤の割合は、固形分中の1〜
10重量%の範囲で選ぶのが好ましい。
【0041】(c2)成分は、重合可能な低分子化合物であ
れば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくと
も1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン
性化合物」と略称する)が好ましい。エチレン性化合物
とは、本発明に係る硬化性樹脂組成物が活性光線の照射
を受けた場合、後記する(d)成分(光重合開始剤系)の
作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重
結合を有する化合物である。なお、本発明において「単
量体」とは、いわゆる高分子物質に相対する意味であ
り、狭義の単量体の外に、二量体、三量体、オリゴマー
なども含む意味である。
【0042】(c2)成分のエチレン性化合物としては、例
えば、不飽和カルボン酸、それとモノヒドロキシ化合物
とのエステル類、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸とのエステル類、芳香族ポリヒドロキシ化合
物と不飽和カルボン酸とのエステル類、不飽和カルボン
酸と多価カルボン酸、および前述の脂肪族ポリヒドロキ
シ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物などの多価ヒド
ロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステ
ル類、ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイ
ル含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を
有するエチレン性化合物などが挙げられる。
【0043】脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステル類としては、エチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメ
チロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、グリセロールアクリレートなど
のアクリル酸エステル類が挙げられる。さらに、これら
アクリレートのアクリル酸部分を、メタクリル酸部分に
代えたメタクリル酸エステル、イタコン酸部分に代えた
イタコン酸エステル、クロトン酸部分に代えたクロトン
酸エステル、または、マレイン酸部分に代えたマレイン
酸エステルなどが挙げられる。
【0044】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステル類としては、ハイドロキノンジアク
リレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシ
ンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロ
ガロールトリアクリレートなどが挙げられる。
【0045】不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および
多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られ
るエステル類は、必ずしも単一物である必要はなく、混
合物であってもよい。代表例としては、アクリル酸、フ
タル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル
酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、
メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトー
ルの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール
およびグリセリンの縮合物などが挙げられる。
【0046】ポリイソシアネート化合物と(メタ)アク
リロイル基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタ
ン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネートなど脂肪族ジイソシアネート類、シクロヘ
キサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
などの脂環式ジイソシアネート類、トリレンジイソシア
ネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香
族ジイソシアネートなどと、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−
ヒドロキシ(1,1,1−トリアクリロイルオキシメチ
ル)プロパン、3−ヒドロキシ(1,1,1−トリメタ
クリロイルオキシメチル)プロパンなどの(メタ)アク
リロイル基含有ヒドロキシ化合物との反応物などが挙げ
られる。
【0047】上記した以外のエチレン性化合物の例とし
ては、エチレンビスアクリルアミドなどのアクリルアミ
ド類、フタル酸ジアリルなどのアリルエステル類、ジビ
ニルフタレートなどのビニル基含有化合物などが挙げら
れる。
【0048】上記(c2)成分の割合は、本発明に係る硬化
性樹脂組成物における固形分中、10〜80重量%の範
囲で選ぶのが好ましい。中でも、20〜70重量%の範
囲が特に好ましい。
【0049】本発明に係る硬化性樹脂組成物が、(c2)成
分のエチレン性化合物を含む場合には、光を直接吸収
し、または光増感されて分解反応または水素引き抜き反
応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する
(d)成分(光重合開始剤系)を、硬化性樹脂組成物に配
合する必要がある。なお、本発明において「(d)成分光
重合開始剤系」とは、光重合開始剤{以下、(d1)成分と
略称する}に加速剤{以下、(d2)成分と略称する}、増
感色素{以下、(d3)成分と略称する}などの付加剤が併
用されている混合物を意味する。
【0050】(d)成分は、硬化性樹脂組成物によってブ
ラックの光重合性層を形成する際には、光重合性層上よ
りパターンマスクを介して画像露光されるため、紫外光
線〜可視光線に感度を発揮する化合物を意味し、画像露
光に際しては、それに相当する露光光源を使用するのが
好ましい。また、赤色、緑色、青色の各光重合性層にお
いても、各色のパターンマスクを介した露光やその他の
方法により、前記ブラックマトリクスパターン間に、赤
色、緑色、青色の画素画像パターンを形成するため、ブ
ラックマトリクスパターンの場合と同様、(d)成分とし
ては、紫外光線〜可視光線に感度を発揮する化合物、中
でも450nm以下、特に400nm以下の波長に分光感度
を発揮する化合物が好ましい。
【0051】(d)成分を構成する(d1)成分としては、例
えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−
151197号公報などに記載されている、チタノセン
化合物を含むメタロセン化合物や、特開平10−395
03号公報に記載されているヘキサアリールビイミダゾ
ール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−
フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、
N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−
アミノ酸エステル類などのラジカル活性剤が挙げられ
る。
【0052】(d)成分を構成する(d2)成分(加速剤)と
しては、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ルエステルなどのN,N−ジアルキルアミノ安息香酸ア
ルキルエステル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2
−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベン
ゾイミダゾールなどの複素環を有するメルカプト化合
物、および脂肪族多官能メルカプト化合物などが挙げら
れる。(d1)成分および(d2)成分は、それぞれ二種類以上
の混合物であってもよい。
【0053】具体的な(d)成分(光重合開始剤系)とし
ては、例えば、「ファインケミカル」(1991年、3
月1日号、vol.20、No.4)の第16〜26頁に記載
されている、ジアルキルアセトフェノン系、ベンゾイ
ン、チオキサントン誘導体などの他、特開昭58−40
3023号公報、特公昭45−37377号公報などに
記載されている、ヘキサアリールビイミダゾール系、S
−トリハロメチルトリアジン系、特開平4−22195
8号公報、特開平4−219756号公報などに記載さ
れている、チタノセンとキサンテン色素、アミノ基また
はウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二
重結合含有化合物を組合せた系、などが挙げられる。
【0054】上記(d)成分の割合は、著しく低いと露光
光線に対する感度が低下する原因となることがあり、反
対に著しく高いと未露光部分の現像液に対する溶解性が
低下し、現像不良の原因となることがあるので、本発明
に係る硬化性樹脂組成物における固形分中、0.1〜3
0重量%の範囲で選ぶのが好ましい。中でも0.5〜2
0重量%が好ましく、より好ましいのは0.7〜10重
量%である。
【0055】(d)成分には、必要に応じて、感応感度を
向上させる目的で、画像露光光源の波長に応じた(d3)成
分(増感色素)を配合することができる。これら(d3)成
分としては、特開平4−221958号公報、特開平4
−219756号公報などに記載されているキサンテン
色素、特開平3−239703号公報、特開平5−28
9335号公報などに記載されている複素環を有するク
マリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5
−289335号公報などに記載されている3−ケトク
マリン化合物、特開平6−19240号公報に記載され
ているピロメテン色素、その他、特開昭47−2528
号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45
−37377号公報、特開昭48−84183号公報、
特開昭52−112681号公報、特開昭58−155
03号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭5
9−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭
57−168088号公報、特開平5−107761号
公報、特開平5−210240号公報、特開平4−28
8818号公報などに記載されているジアルキルアミノ
ベンゼン骨格を有する色素などを挙げることができる。
【0056】これらの(d3)成分のうち好ましいのは、ア
ミノ基含有増感色素であり、さらに好ましいのは、同一
分子内にアミノ基とフェニル基の双方を有する化合物で
ある。特に好ましいのは、例えば、4,4’−ビス(ジ
メチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、
4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノ
ベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’
−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾ
フェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノンなどのベン
ゾフェノン系化合物類、2−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノ
フェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルア
ミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、
2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]
ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミ
ノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジ
メチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−
ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p
−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−
(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,
4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)
ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、
(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエ
チルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノ
フェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニ
ル)ピリミジンなどのp−ジアルキルアミノフェニル基
含有化合物などである。このうち最も好ましいのは、
4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
【0057】上記(d3)成分の割合は、本発明に係る硬化
性樹脂組成物における全固形分中、0〜20重量%の範
囲で選ぶのが好ましい。より好ましくは0.2〜15重
量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。
【0058】本発明に係る硬化性樹脂組成物には、前記
したとおり、必要に応じさらに、(e)成分{(a)成分ない
し(d)成分以外の成分}を配合できるが、(e)成分として
は、熱重合防止剤{以下、(e1)成分と略称する}、可塑
剤{以下、(e2)成分と略称する}、分散剤、分散助剤、
保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤、密着向上
剤、塗布性向上剤、現像改良剤、シランカップリング剤
などを添加することができる。(e1)成分としては、例え
ば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガ
ロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾ
ール、β−ナフトールなどが挙げられる。これら(e1)成
分の配合量は、硬化性樹脂組成物中の全固形分に対し、
0〜3重量%の範囲で選ぶのが好ましい。
【0059】(e2)成分としては、例えば、ジオクチルフ
タレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコ
ールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、
トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジ
ブチルセバケート、トリアセチルグリセリンなどが挙げ
られる。これら(e2)成分の配合量は、硬化性着色樹脂組
成物中の全固形分に対し10重量%以下の範囲で選ぶの
が好ましい。
【0060】次に、本発明に係るカラーフィルタ用硬化
性樹脂組成物を調製する方法を説明する。まず、(a)成
分と(b)成分とを各所定量秤量し、分散処理工程におい
て、(b)成分に(a)成分を分散させて液状の硬化性樹脂組
成物(インク状物)とする。この分散処理工程では、ペ
イントコンディショナー、サンドグラインダー、ボール
ミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモ
ジナイザーなどを使用することができる。この分散処理
により(a)成分が微粒子化されるため、硬化性樹脂組成
物の塗布特性が向上し、透過光の透過率が向上したカラ
ーフィルタが得られる。
【0061】(b)成分に(a)成分を分散処理する際に、(c
1)成分および/または(c2)成分、界面活性剤などの分散
剤、分散助剤などを適宜併用して分散させるのが好まし
い。特に、高分子分散剤を用いると、経時の分散安定性
に優れるので好ましい。例えば、サンドグラインダーを
用いて分散処理する場合には、直径が0.1から数ミリ
のガラスビーズまたは、ジルコニアビーズを用いるのが
好ましい。分散処理時の温度は、通常、0℃〜100
℃、好ましくは室温〜80℃の範囲に設定する。なお、
分散時間は、インキ状物の組成{(a)成分、(b)成分、分
散剤}、およびサンドグラインダーの装置の大きさなど
により適正時間が異なるため、適宜調整する必要があ
る。
【0062】上記分散処理工程によって得られたインキ
状物に、(c1)成分および/または(c2)成分、および、さ
らに要すれば所定量の(d)成分、(e)成分などを混合し、
均一な分散溶液とする。なお、分散処理工程および混合
の各工程においては、微細なゴミが混入することがある
ので、得られたインキ状物をフィルタなどによってろ過
処理するのが好ましい。
【0063】次に、本発明の第二発明に係るカラーフィ
ルタ、第三発明に係る製造方法について説明する。カラ
ーフィルタの透明基板としては、透明で適度の強度があ
れば、その材質は特に限定されるものではない。材質と
しては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポ
リエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなど
のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性樹脂製シー
ト、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メ
タ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、または
各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観
点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。
【0064】透明基板およびブラックマトリクス形成基
板には、接着性などの表面物性改良のため、必要に応
じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング
剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理な
どを行ってもよい。透明基板の厚さは、通常0.05〜
10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また
各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常
0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範
囲である。
【0065】透明基板上に、ブラックマトリクスを設
け、通常、赤色、緑色、青色の画素画像を形成すること
により、本発明の第二発明に係るカラーフィルタを製造
することができる。上記硬化性樹脂組成物は、黒色、赤
色、緑色、青色のうち少なくとも一種のレジスト形成用
塗布液として使用される。ブラックレジストに関して
は、透明基板上素ガラス面上、赤色、緑色、青色に関し
ては透明基板上に形成された樹脂ブラックマトリクス形
成面上、または、クロム化合物その他の遮光金属材料を
用いて形成した金属ブラックマトリクス形成面上に、塗
布、加熱乾燥、画像露光、現像および熱硬化の各処理を
行って各色の画素画像を形成する。
【0066】ブラックマトリックスは、遮光金属薄膜ま
たはブラックマトリクス用顔料分散液を利用して、透明
基板上に形成される。遮光金属材料としては、金属クロ
ム、酸化クロム、窒化クロムなどのクロム化合物、ニッ
ケルとタングステン合金などが用いられ、これらを複数
層状に積層させたものであってもよい。
【0067】これらの金属遮光膜は、一般にスパッタリ
ング法によって形成され、ポジ型フォトレジストによ
り、膜状に所望のパターンを形成した後、クロムに対し
ては硝酸第二セリウムアンモニウムと過塩素酸とを混合
したエッチング液を用い、その他の材料に対しては、材
料に応じたエッチング液を用いて蝕刻され、最後にポジ
型フォトレジストを専用の剥離剤で剥離することによっ
て、ブラックマトリクスを形成することができる。
【0068】この場合、まず、蒸着またはスパッタリン
グ法などにより、透明基板上にこれら金属または金属・
金属酸化物の薄膜を形成する。次いで、この薄膜上に硬
化性樹脂組成物の塗布膜を形成した後、ストライプ、モ
ザイク、トライアングルなどの繰り返しパターンを有す
るフォトマスクを用いて、塗布膜を露光・現像し、レジ
スト画像を形成する。その後、この塗布膜にエッチング
処理を施してブラックマトリックスを形成することがで
きる。
【0069】ブラックマトリクス用の顔料分散液を利用
する場合は、黒色の色材を含有する硬化性樹脂組成物を
使用して、ブラックマトリックスを形成する。例えば、
カーボンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シ
アニンブラック、チタンブラックなどの黒色色材単独ま
たは複数、もしくは、無機または有機の顔料、染料の中
から適宜選択される赤色、緑色、青色などの混合による
黒色色材を含有する硬化性樹脂組成物を使用し、下記の
赤色、緑色、青色の画素画像を形成する方法と同様にし
て、ブラックマトリッスを形成することができる。
【0070】ブラックマトリクスを設けた透明基板上
に、赤色、緑色、青色のうち一色の着色材料を含有する
カラーフィルタ用硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥した
後、塗布膜の上にフォトマスクを重ね、このフォトマス
クを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化または
光硬化により画素画像を形成させ、着色層を作成する。
この操作を、赤色、緑色、青色の三色のカラーフィルタ
用硬化性樹脂組成物について各々行うことによって、カ
ラーフィルタ画像を形成することができる。
【0071】カラーフィルタ用の硬化性樹脂組成物の塗
布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、
ダイコート法、ロールコート法、スプレーコート法など
によって行うことができる。中でも、ダイコート法によ
れば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコ
ート法によった際に付着するミストなどの影響が全くな
い、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ま
しい。
【0072】ダイコート法による塗布条件は、カラーフ
ィルタ用硬化性樹脂組成物の組成や、製造するカラーフ
ィルタの種類などによって適宜選択すればよい。例え
ば、ノズル先端のリップ幅は50〜500μmとし、ノ
ズル先端と基板面との間隔は30〜300μmとするの
が好ましい。塗布膜の厚さを調節するためには、リップ
の走行速度、およびリップからの液状の硬化性樹脂組成
物の吐出量を調整すればよい。
【0073】基板に硬化性樹脂組成物を塗布した後の塗
布膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、コンベ
クションオーブンを使用した乾燥法によるのが好まし
い。通常は、予備乾燥の後、再度加熱させて乾燥させ
る。予備乾燥の条件は、前記(b)成分の種類、使用する
乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。
乾燥時間は、(b)成分の種類、使用する乾燥機の性能な
どに応じて、通常は、40〜80℃の温度で15秒〜5
分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜70℃の温度で
30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
【0074】再加熱乾燥の温度条件は、予備乾燥温度よ
り高い50〜200℃、中でも70〜160℃が好まし
く、特に70〜130℃が好ましい。また乾燥時間は、
加熱温度にもよるが10秒〜10分、中でも15秒〜5
分の範囲とするのが好ましい。乾燥温度は、高いほど透
明基板に対する接着性が向上するが、高すぎると(d)成
分が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合が
ある。乾燥後のカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物の塗
布膜の厚さは、0.5〜3μm、好ましくは1〜2μm
の範囲である。なお、この塗布膜の乾燥工程では、温度
を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法
であってもよい。
【0075】画像露光は、硬化性樹脂組成物の塗布膜上
に、ネガのマトリクスパターンを重ね、このマスクパタ
ーンを介し、紫外線または可視光線の光源を照射して行
う。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度
の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコー
ル層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよ
い。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定され
るものではない。光源としては、例えば、キセノンラン
プ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀
灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのラ
ンプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザ
ー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミ
ニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源な
どが挙げられる。特定の波長の光を照射使用する場合に
は、光学フィルタを利用することもできる。
【0076】本発明の第二発明に係るカラーフィルタ
は、第一発明に係る硬化性樹脂組成物による塗布膜を、
上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、ま
たは、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を
用いる現像によって、基板上に画像を形成して調製する
ことができる。この水溶液には、さらに有機溶剤、緩衝
剤、錯化剤、染料または顔料を含ませることができる。
【0077】アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ、炭酸水素カリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸
水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナ
トリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム
などの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−またはト
リエタノールアミン、モノ−・ジ−またはトリメチルア
ミン、モノ−・ジ−またはトリエチルアミン、モノ−ま
たはジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−
・ジ−またはトリイソプロパノールアミン、エチレンイ
ミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性
化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2
種以上の混合物であってもよい。
【0078】界面活性剤としては、例えば、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキル
エステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリ
セリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性
剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスル
ホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオ
ン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類など
の両性界面活性剤が挙げられる。
【0079】有機溶剤としては、例えば、イソプロピル
アルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレング
リコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有
機溶剤は、単独でも水溶液と併用してもよい。
【0080】現像処理の条件は特に制限はなく、通常、
現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、
特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像
法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法など
のいずれかの方法によることができる。
【0081】なお、本発明の第二発明に係るカラーフィ
ルタは、上記した製造方法の他に、(1)(b)成分、(a)成
分としてのフタロシアニン系顔料、(c)成分としてのポ
リイミド系樹脂を含む硬化性樹脂組成物を、基板に塗布
し、エッチング法により画素画像を形成する方法によっ
ても製造することができる。また、(2)フタロシアニン
系顔料を含む硬化性樹脂組成物を着色インキとして用
い、印刷機によって、透明基板上に直接画素画像を形成
する方法や、(3)フタロシアニン系顔料を含む硬化性樹
脂組成物を電着液として用い、基板をこの電着液に浸漬
させ所定パターンにされたITO電極上に、着色膜を析
出させる方法などが挙げられる。さらに、(4)フタロシ
アニン系顔料を含む硬化性樹脂組成物を塗布したフィル
ムを、透明基板に張り付けて剥離し、画像露光、現像し
画素画像を形成する方法や、(5)フタロシアニン系顔料
を含む硬化性樹脂組成物を着色インキ用い、インクジェ
ットプリンターにより画素画像を形成する方法、などが
挙げられる。カラーフィルタの製造方法は、カラーフィ
ルタ用硬化性樹脂組成物の組成に応じ、これに適した方
法が採用される。
【0082】現像の後のカラーフィルタには、熱硬化処
理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜
280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で
選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。これら
一連の工程を経て、一色のパターニング画像形成は終了
する。この工程を順次繰り返し、ブラック、赤色、緑
色、青色をパターニングし、カラーフィルタを形成す
る。なお、4色のパターニングの順番は、上記した順番
に限定されるものではない。
【0083】本発明の第二発明に係るカラーフィルタ
は、このままの状態で画像上にITOなどの透明電極を
形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置などの部
品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高
めるため、必要に応じ、画像上にポリアミド、ポリイミ
ドなどのトップコート層を設けることもできる。また一
部、平面配向型駆動方式(IPSモード)などの用途に
おいては、透明電極を形成しないこともある。
【0084】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の実施例およ
び比較例において、使用した(a)成分(色材)の詳細
は、表−1に示したとおりであり、(a)成分(色材)の
全固形分に占める割合(重量%)は、表−2に示したと
おりである。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】[実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例
2] <硬化性樹脂組成物の調製>液状の硬化性樹脂組成物を
構成する各成分を、それぞれ表−3に記載した量を秤量
し、さらに全量に対して3.6重量倍のジルコニアビー
ズ(直径0.5mm)を、ペイントシェーカーに収納し、
7時間分散処理を行って調製した。
【0088】
【表3】
【0089】
【化1】
【0090】
【化2】
【0091】<カラーフィルタの製造>縦370mm、横
470mm、厚さ0.7mmのガラス基板(旭硝子社製、A
N635)に、液状で黒色の硬化性樹脂組成物を、ダイ
コーターを使用したダイコート法によって塗布した。な
お、使用したダイコーターは、幅手360mmのステンレ
ス製であり、リップ間隔を200μm、ガラス基板面と
のギャップは100μmとして塗布した。塗布に際して
は、乾燥後の塗布膜厚が0.7μmとなるように液吐出
量を調整した。その後、60℃で1分間乾燥した後、1
10℃で2分間加熱乾燥した。その後、硬化性樹脂組成
物の塗布膜上に、乾燥乾燥後の膜厚が1.5μmになる
ようにポリビニルアルコール水溶液を塗布した後に乾燥
して、酸素遮断層を形成した。
【0092】次いで、幅30μm、縦330μm、横1
10μmのピッチで繰り返すブラックマトリクス用ネガ
フォトマスクを使用し、2kW高圧水銀灯により、30
0mJ/cm2の露光量で露光処理を行った。その後、現像
処理を、0.1重量%炭酸ナトリウム水溶液を使用し、
現像液温度23℃で現像を行なった。ついで、3kg/cm
2の水圧で30秒間スプレー水洗処理を行い、ブラック
マトリクスを形成した。その後、温度200℃で、7分
間の熱硬化処理を行った。
【0093】次いで、赤色、緑色、青色の各材料を含有
する液状の硬化性樹脂組成物を使用し、上記と同様の手
順で、塗布、予備乾燥、加熱乾燥、露光、現像、水洗、
熱硬化の各処理を行い、各色パターンを順次に形成し、
カラーフィルタを得た。この際、乾燥膜厚は1.3μm
となるように液吐出量を調整した。露光量は、各色共5
00mJ/cm2、現像処理は、0.1重量%炭酸ナトリウ
ム水溶液を使用し、現像液温度25℃で現像を行った。
現像後、10kg/cm2の水圧で30秒間スプレー水洗処
理を行った。各色の最後に200℃、15分間の熱硬化
処理を実施した。なお、現像機は上記のブラックマトリ
クス形成に用いたものと同じものを使用した。このよう
にして、実施例1〜実施例2、比較例1〜比較例2の溶
剤組成を有する硬化性樹脂組成物を用いて、100枚ず
つの樹脂ブラックマトリクス付きカラーフィルタを作製
した。
【0094】<カラーフィルタの評価試験>得られたカ
ラーフィルタにつき、異物欠陥発生の有無を測定し、そ
の異物欠陥発生率を表−4に示した。表−4において、
黒色、赤色、緑色、青色は各色の液状の硬化性樹脂組成
物(レジスト)を意味する。なお、異物欠陥とは、
[(長径)2+(短径)2]の平方根が60μm以上のも
のを異物と定義し、各色レジストの凝集に起因する異物
欠陥が認められたカラーフィルタの枚数を、全製造枚数
(100枚)で割った値を異物欠陥発生率と定義した。
【0095】
【表4】
【0096】表−1〜表−4より、次のことが明らかで
ある。 (1)本発明に係る硬化性樹脂組成物を使用したカラーフ
ィルタは、(a)成分(色材)の割合が、硬化性樹脂組成
物に含まれる全固形分{(b)成分を除く成分}に占める4
4重量%以下とされているので、異物欠陥発生率が少な
い(実施例1〜実施例2参照)。 (2)これに対して、比較例1のものは、(a)成分(色材)
の割合が45重量%とされており、本発明の請求項1で
必須とする範囲を超えているので、異物欠陥発生率が高
い。 (3)また、比較例2のものは、(a)成分(色材)の割合が
50重量%とされており、本発明の請求項1で必須とす
る範囲を超えているので、異物欠陥発生率が比較例1の
ものより高い。
【0097】
【発明の効果】本発明は、以上詳細に説明したとおりで
あり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上
の利用価値は極めて大である。 1.本発明に係る硬化性樹脂組成物は、色材が高濃度で
あっても、基板表面に塗布する工程で、乾燥凝集し難
く、異物の発生が極めて少ない。 2.本発明に係る硬化性樹脂組成物を基板表面に塗布す
る際に、ダイコート法によるとダイリップに凝集塊が生
じ難く、高品質の製品を高歩留りで得ることができる。 3.本発明に係るカラーフィルタの製造方法によるとき
は、画素欠陥の少ない高品質の製品を、高歩留りで得る
ことができる。 4.本発明に係るカラーフィルタは、高品質であるの
で、これを使用したカラーディスプレー、液晶表示装置
なども高品質のものが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 BA11 BA43 BA45 BA47 BA48 BB02 BB42 2H091 FA02Y FB04 FB07 FB13 FC10 FC26 FC29 FC30 GA16 4J027 AA01 AA02 BA04 BA05 BA06 BA07 BA14 BA19 BA24 BA26 CA34 CB10 CC02 CD05 CD08 CD10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材{(a)成分}、溶剤成分{(b)成分}、
    バインダ樹脂{(c1)成分}および/またはその単量体{(c
    2)成分}を含有する硬化性樹脂組成物であって、溶剤成
    分{(b)成分}を除く成分中に占める色材{(a)成分}が、
    44重量%以下であることを特徴とする、硬化性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 光重合開始剤系{(d)成分}を含有する、
    請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 硬化性樹脂組成物が、カラーフィルタ用
    硬化性樹脂組成物である、請求項1または請求項2に記
    載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 硬化性樹脂組成物が、ダイコート法用の
    硬化性樹脂組成物である、請求項1ないし請求項3のい
    ずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のカラーフィルタ用硬化
    性樹脂組成物によって形成された画素を有することを特
    徴とする、カラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 カラーフィルタ用基板上に、請求項3に
    記載のカラーフィルタ用硬化性樹脂組成物を塗布する塗
    布工程、これを露光する露光工程、および露光後にこれ
    を現像する現像工程を経て画素を形成するカラーフィル
    タの製造方法において、塗布工程をダイコート法によっ
    て行うことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のカラーフィルタを用い
    て得られたものであることを特徴とする、液晶表示装
    置。
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