JP2010230979A - カラーフィルタ基板の製造方法 - Google Patents

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雅仁 西山
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Abstract

【課題】インクジェット法を用いたカラーフィルタ基板の製造方法において低コストながらも画素平坦性が優れ、かつムラの無い高品質ながらも十分な耐薬品性を有するカラーフィルタ基板を提供する。
【解決手段】透明基板上にブラックマトリクスおよび少なくとも複数の着色層が形成されたカラーフィルタ基板の製造方法であって、以下の工程を順次行うことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
(A)少なくとも着色剤、熱硬化性樹脂、有機溶剤を含み、かつゲル化点の温度がTaである熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
(B)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
(C)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
(ここで、5℃≦Ta−Tb≦30℃、かつ20℃≦Tc−Ta≦80℃である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット法を用いたカラーフィルタ基板の製造方法、特に液晶表示装置のカラーフィルタに好適なカラーフィルタ基板の製造方法に関する。
液晶ディスプレイパネルには、主要な構成要素として、カラーフィルタ基板と、液晶セル基板、バックライトユニットが含まれている。カラーフィルタ基板には、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3原色がライン状またはモザイク状に繰り返しパターン化されている。液晶セル基板の液晶は、カラーフィルタ基板と、TFT(薄膜トランジスタ)との間に封入されている。バックライトユニットは、液晶セル基板の裏面に設けた光源であり、このバックライトユニットから発する光が液晶パネルを通過する際、その透過率を液晶への印加電圧により制御し、画像が表示される。
従来、カラーフィルタ基板の製造は、顔料が分散されたフォトレジスト液を透明基板上に塗布してから、乾燥、露光、現像、及び硬化などの工程を繰り返すことによって製造されていた。しかし、液晶ディスプレイパネルの大型化に伴い、生産性が低く、低コストの要求が高くなっている。このような要求に伴い、インクジェット法によるカラーフィルタ基板の製造が注目されてきている。
インクジェット法を利用するカラーフィルタは、コストパフォーマンスの面で利点があり、広く検討がなされている。インクジェット法で液滴付与して着色画素を形成する場合は、遮光性の隔壁が設けられた基板上に、直接着色画素を形成してカラーフィルタを作製する。また、互いに隣接する着色領域間でインクの混色を防ぐために、一般に隔壁には撥液処理が施されている(例えば特許文献1)。そして、吐出された着色領域のインクは乾燥、硬化処理を経て、カラーフィルタとなる。また、インクジェット法を用いると、画素を形成する樹脂中に光や熱により着色しやすい感光基を含む必要がないため、耐熱性の高い熱硬化剤を用いることができるという利点もある。
しかしながら、従来のインクジェット法においては1画素ごとの開口部にインクを吐出する原理上、製造方法の条件によって画素の平坦性が異なってしまっており、液晶表示装置とした場合のムラや光漏れなどの表示品位の低下の原因となっていた。画素の平坦性について解決する方法として、例えば特許文献2には表面張力の温度変化が小さいカラーフィルタ用インクが開示されている。また、特許文献3にはインクの粘度の大きさに応じて、粘度の大きなものほど高い温度で乾燥させる方法が開示されている。さらには、特許文献4にはインクを特定の乾燥条件にて乾燥して得られたインク残部の粘度が40〜4000mP・sであるインクなどが提案されているが、これらの方法においては平坦性については若干の改善効果はあるものの、カラーフィルタ基板として必要となる耐薬品性やムラなどの表示品位については課題として残されたままであり、解決が望まれていた。
特開平7−35916号公報 特開平7−216276号公報 特開2002−372613号公報 特開2007−310315号公報
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェット法を用いたカラーフィルタ基板の製造方法において画素平坦性が優れ、かつムラの無い高品質ながらも十分な耐薬品性を有するカラーフィルタ基板を低コストで製造可能な液晶表示用のカラーフィルタ基板の製造方法及びそれらのカラーフィルタ基板を用いた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下の構成により達成される。すなわち、
(1)透明基板上にブラックマトリクスおよび少なくとも複数の着色層が形成されたカラーフィルタ基板の製造方法であって、以下の工程を順次行うことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
(A)少なくとも着色剤、熱硬化性樹脂、有機溶剤を含み、かつゲル化点の温度がTaである熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
(B)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
(C)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
(ここで、5℃≦Ta−Tb≦30℃、かつ20℃≦Tc−Ta≦80℃である。)
(2)前記Taの温度が150℃〜200℃であることを特徴とする(1)に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
(3)前記(B)工程において、減圧下にてカラーフィルタ基板の加熱を行うことを特徴とする(1)または(2)に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
(4)有機溶剤が複数種類の有機溶剤からなり、かつそのうち最も高い沸点を示す溶媒の沸点をTdとしたときに5℃≦Tc−Td≦20℃であることを特徴とする(1)〜(3)に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法によって製造されたカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
本発明によれば、熱硬化性着色組成物のゲル化点よりも低い好適な温度条件において加熱(乾燥)を行う工程と、ゲル点よりも高い好適な温度条件において加熱(硬化)を行う工程を経てカラーフィルタ基板を製造することにより、画素平坦性が優れ高品質であり、かつ十分な耐薬品性を有するカラーフィルタ基板を低コストで製造することが可能である。

本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の概略の一例を表す図である。 本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の概略の一例を表す図である。
本発明に使用するカラーフィルタ用熱硬化性着色組成物としては、少なくとも、着色剤、熱硬化性樹脂、有機溶媒を含有する。
着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔料等を用いることができるが、耐熱性、透明性の面から有機顔料が好ましい。中でも透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが好ましい。代表的な有機顔料の具体的な例をカラ−インデックス(CI)ナンバ−で示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ−(以下PYと略す)12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、180、185などが使用される。
また、オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などが使用される。
また、赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254などが使用される。
また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)19、23、29、30、32、37、40、50などが使用される。
また、青色顔料の例としては、ピグメントブル−(以下PBと略す)15、15:3、15:4、15:6、22、60、64、80などが使用される。
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリ−ン(以下PGと略す)7、10、36、58などが使用される。
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理をされていてもかまわない。
上記顔料は、例えばカラ−フィルタのR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)3色の画素が、CRT(陰極線管)蛍光体の色度特性、バックライトや液晶ディスプレイに用いる液晶特性に合うように、数色組み合わせて調色され使用される。
R(レッド)の場合を例にあげると、PR−254とPR−177の組合せ、PR−254とPY−138の組合せ、PR−254とPY−139の組合せ、PR−209とPO−38の組合せ等で色度が調色される。
G(グリーン)の場合は、PG−7やPG−36と上記黄色顔料、例えば、PY−17、PY−83の組合せやPY−138の組合せ、PY−139の組合せ、PY−150の組合せ等で色度が調色される。
本発明の熱硬化性着色組成物において、顔料は前記着色組成物の全固形分中に、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜45質量%の範囲で用いる。顔料の量が5%より少ないと色純度が低くなり所望の色相を得ることができなくなるため好ましくなく、60質量%より多いとカラーフィルタ基板とした時の耐薬品性が不良になる傾向があるため好ましくない。
熱硬化性樹脂としてはポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、オキセタン樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、などが挙げられるがこれらに限定されるものでは無い。また、2種類以上を組み合わせて使用することもでき、さらに熱硬化性を有しない他の樹脂と混合しても良い。
これらの中でもポリイミド樹脂は好ましく、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸の状態であっても良いし、骨格にヒドロキシル基やスルホニル基などの極性基を導入することにより溶剤への溶解性を向上させた可溶性ポリイミドを用いても良い。ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの反応により得ることができ、脂肪族系または脂環式系、芳香族系、フッ素含有のものなど、任意のものを用いることができる。また、ジアミンの一部として、シロキサンジアミンを用いると、無機基板との接着性を良好にすることができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例としては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンなどが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル、及び、1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル等が上げられる。
また、アクリル樹脂も好ましく用いられ、特に限定はないが、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を好ましく用いることができる。不飽和カルボン酸の例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、あるいは酸無水物などが挙げられる。これらは単独で用いても良いが、他の共重合可能なエチレン性不飽和化合物と組み合わせて用いても良い。共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリシリコーンなどのマクロモノマーなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。
また、アクリル樹脂用のモノマーとしてはオリゴマーあるいは多官能モノマーとして公知のものが使用でき、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ジシクロペンタンジエニルジアクリレート、もしくはこれらのアルキル変性物、アルキルエーテル変性物やアルキルエステル変性物、酸無水物による変性物などを用いることができる。
これらの中でも、例えば下記構造式(1)で表されるものが、画素平坦性と耐溶剤性を両立しやすいため特に好ましい。
Figure 2010230979
(式中、nは1〜4の整数を表し、−Rは−Hもしくは−CHを表し、−Zは、−OCO−C(R)=CHもしくは−OHを表す)
メラミン樹脂としては、例えばメチル化メラミン、ブチル化メラミン、それらの混合エーテル化メラミン、グアナミン樹脂、メラミンアルキッド樹脂等が挙げられる。前記メラミン樹脂としては塗膜特性、耐熱性、ハイソリッド化等の面から、下記構造式(2)で表されるメチル化メラミンを使用するのが特に好ましい。
Figure 2010230979
これら熱硬化性樹脂の中でも常温にて液状のものが好ましく、その粘度は20〜2000cPのものが好ましく、50〜1000cPのものがより好ましい。また、分子量としては5000以下であることが好ましい。
これらの熱硬化性樹脂は2種類以上を組み合わせて使用することもでき、特にアクリル樹脂とメラミン樹脂の組み合わせが相溶性や保存安定性の点で好ましく、中でも上記構造式(1)と上記構造式(2)を混合することがより好ましい。
前記熱硬化性樹脂は、熱硬化性着色組成物の固形分全量に対して、通常、20〜80質量%の割合で配合する。ここで、配合割合を特定するための熱硬化性着色組成物の固形分とは、溶剤を除くすべての成分を含み、液状のオリゴマーあるいは多官能モノマーなども固形分に含まれる。
有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル―3―メトキシプロピオネート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテート、γブチロラクトンなどのエステル類、あるいは、エタノール、3―メチル―3―メトキシブタノールなどのアルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類を用いることができ、さらには、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、N−メチルピロリドン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、マロン酸ジエチル、β―プロピオラクトン、γ―ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、δ―バレロラクトン、γ―カプロラクトン、ε―カプロラクトン、ダイアセトンアルコール、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテートなどが挙げられ、これらの溶剤を2種類以上組み合わせて使用することもできる。
これらの溶剤の中でも、インクジェットノズルの乾燥を防ぐ観点から言えば、できるだけ高沸点である方が好ましく、沸点は180℃以上のものを含むことが好ましく、さらには210℃以上のものを含むことがより好ましい。しかし、一方で溶剤の沸点が高すぎるものを使用した場合には、カラーフィルタ基板のムラの原因や耐溶剤性の低下などを引き起こすことがあるため、さらには、該有機溶剤に含まれるもののうち最も高い沸点を示す溶剤の沸点をTdとしたときに熱硬化性着色組成物のゲル化点Tcとの関係が5℃≦Tc−Td≦20℃を満たすことが好ましい。Tc−Tdの値が5℃より小さいと耐溶剤性が悪化する傾向があるため好ましくなく、Tc−Tdの値が20℃より大きいと画素平坦性が悪化する傾向があるため好ましくない。
本発明の熱硬化性着色組成物は、その他添加剤を含有していてもよい。例えば、高分子分散剤や顔料誘導体などの顔料分散に効果のあるものや、密着改良剤、界面活性剤、有機酸、有機アミノ化合物、熱重合開始剤、重合禁止剤や酸化防止剤などが挙げられる。
高分子分散剤としては、通常、カラーフィルタ用に使用されるものであれば、特に限定されず、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、などのポリマー、またはこれらの共重合体など、種々のものを単独、または混合して用いることができる。
密着改良剤は、塗膜の基板への密着性を向上させる目的で、好ましく添加することができる。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤が挙げられる。
界面活性剤は、熱硬化性着色組成物の塗布性、および着色層の表面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で添加することができる。かかる界面活性剤の添加量は、顔料に対して、好ましくは0.001〜10質量%、さらに好ましくは0.01〜1質量%であるのがよい。添加量がこの範囲より少ないと、塗布性、着色膜表面の均一性の改良、あるいは顔料分散性の改良の効果が小さく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こる場合があるため好ましくない。具体的には、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤やシリコン系界面活性剤などがあげられる。前記界面活性剤は、1種または2種以上混合して用いることもできる。
熱重合開始剤としては、有機過酸化物系化合物、アゾ系化合物、トリアジン系化合物やハロメチルオキサジアゾールなどが挙げられる。これら熱重合開始剤の中でも常温ではほとんど反応しないものが保存安定性の観点から好ましく、例えば、アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などが好ましい例として挙げられる。
重合禁止剤としては、例えばヒドロキノン系、カテコール系、リン系、イオウ系、アミン系、ヒンダードフェノール系などが挙げられ、いずれのものを用いても良い。これらの中でもヒドロキノン系とカテコール系のものが、溶剤への溶解性や顔料の分散安定性を阻害しない点で好ましく、より具体的には、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノンやカテコール、tert−ブチルカテコールなどが好ましく用いられる。これらの重合禁止剤を適量含むことにより、熱硬化性着色組成物の安定性を向上させることができ、さらには、後で述べるゲル化点などの熱硬化性をコントロールすることもできるため、好ましい。これら重合禁止剤の好ましい添加量としては、熱硬化性着色組成物の固形分に対して、0.01%〜5%、さらに好ましくは0.1%〜3%である。重合禁止剤が0.01%より小さいと効果が小さく、5%以上にすると過剰添加となり膜が硬化しなくなるおそれがあるため好ましくない。
このような熱硬化性着色組成物の物理的性状としては、できるだけ低粘度、かつ低粘弾性が好適である。具体的には、固形分濃度としては、15〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。固形分濃度が15質量%より小さい場合は、インク液滴を多量に吐出しなければならないため混色の懸念があり、50質量%よりも高い場合にはノズルの詰まりが発生する可能性が高くなるため好ましくない。熱硬化性着色組成物の粘度としては、3〜20cPが好ましく、5〜10cPがより好ましい。粘度をこの範囲にすることで、安定したインクジェット吐出が可能になるとともに、熱硬化性着色組成物が画素内に均一に濡れ広がることができる。3cPより低い場合は吐出安定性が悪化する傾向にあり、20cPを超えると画素内に完全には濡れ広がらず、白抜けが発生しカラーフィルタの欠陥となる場合がある。熱硬化性着色組成物の表面張力としては、20〜40mN/mが好ましく、25〜35mN/mがより好ましい。表面張力の測定方法としては、リング法、プレート法、懸滴法などが挙げられるが、測定誤差の小ささから懸滴法が好ましい。懸滴法による測定装置としては、例えば協和界面科学株式会社の“Drop Master 500”があげられる。表面張力が上記の範囲を超えると、インクジェット吐出において熱硬化性着色組成物の飛び散りなどが起こりやすく安定した吐出が困難となる。熱硬化性着色組成物を上記の範囲にするためには、熱硬化性着色組成物の樹脂成分として高分子量成分はあまり好ましくなく、特に限定はされないがオリゴマーまたは低分子量ポリマーに架橋成分を添加し、吐出後に熱で架橋して硬化する方法が有効である。より具体的には分子量が5000を超える成分を熱硬化性着色組成物の固形分中において好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下であれば良い。
本発明の熱硬化性着色組成物のゲル化点は、以下のようにして測定することができる。まず、該熱硬化性着色組成物を硬化後の膜厚が2μmになるようにガラス基板上に塗布し、所定の温度のオーブンで10分間加熱乾燥させる。その後、溶剤、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに浸漬し1分間揺動させる。ここで塗膜が再溶解した場合、加熱乾燥温度はゲル化点より低いと見なすことができ、塗膜が再溶解せずに保持した場合は熱硬化が進行している、つまり加熱乾燥温度はゲル化点より高いと見なすことができる。このような実験を繰り返し行うことで、塗膜が再溶解する温度と再溶解しない温度の境界の温度を見つけ、再溶解しない温度の下限の温度をゲル化点と見なすことができる。ゲル化点としては、150℃〜200℃が好ましく、160℃〜180℃がより好ましい。ゲル化点が150℃より低い場合には熱硬化が進行するタイミングが早いために流動性に劣り画素形状が平坦になりにくいため好ましくなく、200℃より大きい場合には熱硬化するタイミングが遅すぎるため、熱硬化性樹脂成分が硬化する前に気化してしまうことがあり、信頼性に劣る傾向があるため好ましくない。
本発明の熱硬化性着色組成物は、分散機を用いて樹脂溶液中に直接着色剤を分散させる方法により製造しても良いが、着色剤として顔料を用いる場合は均一に分散することが困難であるため、予め有機溶剤中に顔料を分散させた顔料分散液を調製し、この顔料分散液を樹脂溶液、場合によっては樹脂、高分子分散剤、重合性モノマーを含む溶液と混合する方法により製造することが好ましい。顔料の分散方法には特に限定はなく、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミルなど、種々の方法が採用される。
前記顔料分散液は、分散機を用いて有機溶剤中に顔料を分散して製造される。
次に本発明の熱硬化性着色組成物を用いたカラーフィルタ基板の製造方法の例を示す。
(カラーフィルタ基板の製造方法)
以下、添付図面を参照して、本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明のカラーフィルタ基板の製造方法の一実施形態を示す概略図である。
図1のように透明基板1上に形成されたブラックマトリクス2の上層に撥液層3を設ける。その開口部にインクジェット装置4を用いて熱硬化性着色組成物5を塗布・乾燥して画素を形成する。もしくは、図2のように透明基板1上に形成された撥液性を付与したブラックマトリクス2を設け、その開口部にインクジェット装置4を用いて熱硬化性着色組成物5を塗布・乾燥して画素を形成する。
透明基板としては、特に限定されず、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラスや、プラスチックフィルム、シートなどを用いることができ、場合により駆動素子が形成されていても良い。
ブラックマトリクスに反撥性を付与する方法としては、公知のものが使用でき、例えばフッ素元素を含むガスの存在下にてプラズマ照射する方法や、ブラックマトリクス材料にフッ素樹脂やシリコーン樹脂、もしくは微粒子を添加する方法、遮光層の上に撥液性の高い層を積層させる方法などをとることができる。これらの中でも図1のようにブラックマトリクスの下層部を遮光層とし、その上に撥液性の高い撥液層を積層させる方法が好ましい。この方法によればブラックマトリクスの上層部のみが撥液性であり、画素内の基板上およびブラックマトリクスの下層部の遮光層は親液性であるためにインクが画素内に均一に拡がるのに非常に都合がよいため好ましい。
ブラックマトリクスの形成について述べる。ブラックマトリクスは、下層を遮光層、上層を撥液層とする2層構造であることが好ましい。遮光層の形成には黒色樹脂層を用い、該黒色樹脂層を形成すべき組成物に感光性を付与してフォトリソグラフィの方法によってパターン化してもよいし、感光性を付与せずフォトレジスト法によってパターン化しても良い。
遮光層に用いられる材料が感光性の場合について述べる。この場合、遮光層のみをパターニングした後、しかるべき方法によって撥液層をパターニングすることによって、遮光層と撥液層が積層したブラックマトリクスを得ることができる。遮光層は、感光性黒色樹脂組成物を用いてパターニングすることが好ましい。感光性黒色樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を着色組成物中に浸漬する方法、着色組成物を基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることができる。上記により、基板上に黒色樹脂組成物を塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより溶剤を除去し、塗膜を形成する。この後、必要に応じて塗膜上に酸素遮断膜を設けても良い。続いて該塗膜上にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。ついでアルカリ性現像液で現像を行う。ここで、現像液として非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を0.01〜1質量%添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られるため好ましい。得られた遮光層の塗膜パターンは、その後、加熱処理することによってパターンニングされた遮光層となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
次に、パターニングされた遮光層の上層に撥液層を形成させる。撥液層に用いる材料としては感光性樹脂組成物が好ましく、ネガ型レジスト、ポジ型レジストのどちらも使用することができるが、ポジ型レジストを使用することが好ましい。撥液性のポジ型レジストとした場合には、パターニングされた遮光層の上に、遮光層の塗膜形成と同様の方法にて撥液層の塗膜を形成し、その後、透明基板側から紫外線を照射するいわゆる裏露光を行うことが好ましい。かかる方法によれば、レジストを露光する時にレジスト用マスクを使用することなく、パターニングされた遮光層自身をマスクとして利用出来る為、レジスト用マスクと既形成の遮光層との位置合わせが不要になり工程が簡単となる。露光工程に使用できるランプとしては、超高圧水銀灯、ケミカル灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、紫外線LEDランプ等を用いることができる。次に現像工程を行う。撥液層の塗膜パターンを得た後、加熱処理することによってパターニングされた撥液層となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
一方、遮光層に用いられる材料が非感光性の場合について述べる。この場合、遮光層自体をフォトリソ法によりパターニングすることは出来ないため、印刷法、転写法、フォトレジスト法などにより、パターニングした遮光層を得ることができるが工程が長く、コスト的に不利である。よって、好ましくは、遮光層の塗膜を形成した後にパターン化することなく、その上に撥液層となる感光性樹脂組成物層を形成し、この感光性樹脂組成物層をレジストとしてフォトリソ法によりパターン化し、さらにそのレジストパターンをマスクとして遮光層をエッチングし、パターン化する。この方法によれば、1回のフォトリソ工程で遮光層と撥液層を同時に形成することが出来る。撥液層となる感光性樹脂組成物は、ネガ型レジストでもポジ型レジストでも良い。
次に(A)少なくとも着色剤、熱硬化性樹脂、有機溶剤を含み、かつゲル点の温度がTaである熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する工程
を行う。図1のようにインクジェット装置4に着色層の材料である熱硬化性着色組成物を供給し、インクジェット装置のノズルから滴状に熱硬化性着色組成物5を噴射して、基板上の各画素に対応する位置に付着させる。インクジェット装置から噴射するインク滴の直径は5〜100μmであり、1画素を1滴でカバーすることはできず、1画素に対して3〜20滴を付着させる。
インクジェット装置としては、インク噴出のための機構として、ピエゾ方式、“バブルジェット(登録商標)”方式があり、また、インキ噴出ノズルが一つまたは少数でそれぞれから噴出されるインク滴について電解で基板上の着地点を制御する方法や多数のインク噴出ノズルを備え、着地点に相対するノズルの位置決めのみで基板上の着地点にインク滴を付着させる方法がある。本発明は特にインクジェット装置の方式によらず有効であるが、吐出安定性の良好なピエゾ方式が好ましい。
次に、(B)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程を行う。
この工程は、インクジェットノズルより吐出した熱硬化性着色組成物1色ごとに行っても良いし、全ての着色層、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の全ての色をまとめて行っても良いが、全ての色をまとめて行った方が工程が簡略となるためより好ましい。この工程において、インクジェットノズルより吐出した熱硬化性着色組成物の乾燥を行うことができる。加熱温度Tbとしては、ゲル化点の温度Taとの関係が5℃≦Ta−Tb≦30℃を満たすことが好適である。この工程においては、熱硬化性着色組成物の乾燥を優先して行うことが好ましく、樹脂の熱硬化が進行してしまうと画素の平坦性が悪くなってしまう。すなわち、温度Tbがゲル化点対して30℃より低い場合には、溶剤の乾燥すらまともに行われないため好ましくなく、ゲル化点との差が5℃未満である場合には、樹脂の熱硬化が進行してしまうため画素平坦性が劣る結果となるため好ましくない。なお、ここで言う加熱温度とは、加熱工程における基板の最高到達温度のことであり市販のサーモラベルや熱電対などを用いて測定することができる。該温度は、通常はオーブンやホットプレートの設定温度と同等である。
これらの加熱の方法としては、公知の方法を使用することができ、ホットプレート、コンベクションオーブン(熱風乾燥機)、減圧乾燥、真空乾燥、赤外線照射による乾燥、などにより行うことができる。これらの方法の中でもホットプレートでの加熱と減圧乾燥を併用して行うことが、樹脂の熱硬化を進行させないまま溶剤の乾燥を優先して行うことができるため好ましく、好ましい到達圧力としては、10〜200Paの減圧条件が好ましく、30〜100Paの減圧条件がより好ましい。
第1加熱工程における温度、時間は、熱硬化性着色組成物の組成や形成された着色領域の厚みに依存するが、80〜200℃の温度範囲で10秒〜30分加熱することが好ましい。減圧にした場合は溶剤の乾燥が進行するため、上記のような減圧条件下にて80〜200℃の温度範囲で10秒〜5分加熱することが好ましい。
また、(A)での塗布工程終了から、(B)第1加熱工程の始まりまでの時間は比較的短い方が良く、好ましくは5秒〜5分、より好ましくは5秒〜60秒であることが好ましい。5秒より短いと、実質的に基板を搬送することが困難であるため好ましくなく、5分より長いと溶剤の一部が揮発することにより画素平坦性の悪化やムラの原因となることがあるため好ましくない。
次に、(C)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程を行う。
この時の加熱温度Tcは、ゲル化点Taとの関係が20℃≦Tc−Ta≦80℃を満たすことが好適である。ゲル化点の温度との差が20℃未満であると耐熱性や耐薬品性、耐水性などのカラーフィルタ基板としての信頼性が劣るため好ましくなく、80℃を超えると逆に熱硬化性樹脂が焼け付くことにより黄変や透過率の低下を招くため好ましくない。
前記着色領域を熱硬化するときの温度、時間は、熱硬化性着色組成物の組成や形成された着色領域の厚みに依存するが、180〜270℃の温度範囲で5分〜60分加熱することが好ましい。
熱硬化後の着色画素の平均膜厚は、0.5〜3.0μmが好ましく、1.0〜2.5μmがより好ましい。0.5μmより薄いと所望の色特性を得ることが難しいため好ましくなく、3.0μmより厚いと着色組成物を形成する際に、ブラックマトリクスへの乗り上げや混色などが起こりやすいため好ましくない。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば画素内段差は0.8μm未満、好ましくは0.5μm未満、より好ましくは0.2μm未満にすることができるため、画素平坦性が良好なカラーフィルタ基板を製造することが可能となり、結果として液晶の配向を乱すことなく液晶表示装置として高品位なものを作ることが出来る。なお、ここでの画素内段差とは1画素内における最も膜厚の薄い箇所と最も厚い箇所の差のことを言う。
また、カラーフィルタ基板としてのムラを観察した場合に、スジムラ、モヤムラ、風ムラなどの無い、良好なカラーフィルタ基板を製造することができる。
これらのカラーフィルタ基板には画素上に平坦化層としてオーバーコート層を形成することもできる。具体的には、エポキシ膜、アクリルエポキシ膜、アクリル膜、シロキサンポリマ系の膜、ポリイミド膜、ケイ素含有ポリイミド膜、ポリイミドシロキサン膜等が挙げられる。また、必要に応じてカラーフィルタ上に柱状の固定式スペーサーや液晶配向のための突起などが配置されていてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
A.遮光層材料(BM−1)の作製
カーボン粉(MA−8、三菱マテリアル製)30重量部、アクリル共重合体溶液(“サイクロマーP”ACA−250、ダイセル化学工業)20重量部、シクロヘキサノン37重量部を混合し、ホモジナイザーにて1時間分散をおこなった後、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート10重量部、光重合開始剤“イルガキュア”369(チバ・スペシャリティケミカルズ)3重量部を混合し、遮光層材料(BM−1)を得た。
B.撥液層材料(PP−1)の作製
o−ナフトキノンジアジド/フェノールノボラック系ポジ型感光剤(マイクロポジットRC100、シプレー社)60重量部、“シンナー”C(シプレー社)20重量部、フッ素系界面活性剤(EF−123A、トーケムプロダクツ)5重量部、(F179、大日本インキ)5重量部を混合し、撥液層材料(PP−1)を得た。
C.熱硬化性着色組成物(INK−1R、INK−1G、INK−1B)の作製
顔料としてピグメントレッド177、ピグメントレッド254、及びピグメントイエロー150(42/30/28)の混合物を15重量部、高分子分散剤としてPB821(味の素ファインテクノ)を5重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAとする)を20重量部、1,3ブチレングリコールジアセテート(以下BGDAとする)を60重量部混合した後、ジルコニアビーズが充填されてミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。
次にこの顔料分散液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート“KAYARAD”DPHA(日本化薬)を10重量部、トリペンタエリスリトールアクリレート“T−PE−A”(広栄化学工業)を10重量部、密着改良剤としてKBM503(信越化学工業)を0.3重量部、界面活性剤として“メガファック”R−08(DIC)を0.1重量部、および溶剤としてBGDAを79.6重量部を混合して、赤色着色組成物(INK−1R)を作製した。同様にして、顔料としてピグメントグリーン36とピグメントイエロー150(65/35)の混合物を用いて緑色着色組成物(INK−1G)を、顔料としてピグメントブルーPB15:6とピグメントバイオレット23(90/10)の混合物を用いて青色着色組成物(INK−1B)を作製した。また、これらの熱硬化性
着色組成物のゲル化点を測定したところ、それぞれ175℃であった。
D.ブラックマトリクス(BM)の作製
コーニングジャパン株式会社製0.7mm厚ガラス基板“1737”上に、上記Aで作製した遮光層材料(BM−1)を熱処理後の膜厚が1.5μmとなるようスピンナーで塗布して塗膜を形成した。該塗膜を、120℃のホットプレートで120秒プリベークを行った後、キャノン株式会社製紫外線露光機“PLA−501F”を用い、各色画素の周辺部に格子状にBMが残るフォトマスクパターンを介して露光した。水酸化ナトリウムの2.0%の水溶液からなる現像液に浸漬してパターニングし、230℃のオーブンで30分ポストベークを行った。次に、遮光層パターンの上に撥液層材料(PP−1)を熱処理後の膜厚が0.5μmとなるようによりスピンナーにて塗布を行った。塗布後、90℃のホットプレートで120秒プリベークを行った。次に、遮光層パターンをマスクの代わりとしガラス基板側よりいわゆる裏露光を100mJ/cm(365nmの紫外線強度)で露光した。露光後、水酸化ナトリウムを0.5重量%、炭酸ナトリウムを0.4重量%含む溶液からなる現像液を用いてシャワー現像を60秒、続いて純水シャワーにより20秒リンスを行い、遮光層の上に撥液層を形成するようにパターニングを行った。次に、200℃のオーブンで空気中40分加熱硬化を行った。こうして、厚さ1.5μmの遮光層の上に厚さ0.5μmの撥液層が積層したブラックマトリクスを作製した。
E.カラーフィルタの作製
(a)熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
上記Dで作製したBM付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて対応する位置に、赤色、緑色、青色の各熱硬化性着色組成物(INK−1R、INK−1G、INK−1B)を各色に対応したノズルより噴射し塗布した。このとき、硬化後の各画素の平均膜厚が2.0μmとなるように、吐出量を調整した。
(b)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
上記(a)で、熱硬化性着色組成物が塗布された基板を、50Paまで減圧できる減圧乾燥設備を具備したホットプレートにて、温度Tbが150℃となるように120秒間加熱を行った。
(c)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
上記(b)で、第1加熱工程を経た基板を、熱風オーブンにて温度Tcが240℃となるように15分間加熱を行った。
F.カラーフィルタの評価
上記Eにて作製した、赤(R)、緑(G)、青(B)の各画素が形成されたカラーフィルタ基板の画素内段差を触針色膜厚計(“サーフコム”、東京精密製)にて測定し、画素平坦性の評価を行った。各色とも0.2μm未満と平坦性良好な結果が得られた。
評価基準
◎:画素内段差0.2μm未満
○:画素内段差0.2μm以上0.5μm未満
△:画素内段差0.5μm以上0.8μm未満
×:画素内段差0.8μm以上
また、作製したカラーフィルタ基板を目視検査によりムラを観察した。ムラは観察されなかった。
評価基準
○:目視にてムラの無いこと
△:目視にてよく見ればムラが観察されるもの
×:明らかにムラのあるもの
さらに、作製したカラーフィルタ基板の各画素の色度を顕微分光装置(“MCPD−2000”、大塚電子製)にて測定した後、有機溶剤であるN−メチルピロリドンに30分浸漬し、基板を取り出した後の色度と比較することで色差(ΔE)を算出した。各色とも色度変化はほとんどなく、耐溶剤性は良好であった。
評価基準
○:浸漬前との色度変化がほとんどなかった(ΔE<3)
△:浸漬前との色度変化が若干あった(3≦ΔE<5)
×:浸漬前との色度変化が大きかった(5≦ΔE)
これらのカラーフィルタの評価結果は表1にまとめた。
G.液晶表示装置の作製
実施例1で作製したカラーフィルタ基板に1400オングストロームの膜厚でITO膜を製膜し、次に高さ3μmの固定スペーサーを形成した。透明絶縁膜、その上にパターン加工されたITO膜などの透明電極が形成され、さらにそれらの基板上に設けられた液晶配向のためのラビング処理を施した液晶配向膜を形成した対抗基板と該カラーフィルタ基板とを対向させて、シールし貼り合わせた。なお、対抗基板上には、透明絶縁膜、透明電極以外に、光拡散用の突起物、薄膜トランジスタ(TFT)素子や薄膜ダイオード(TFD)素子、および走査線、信号線などを設けることができる。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封入し、次に、ICドライバー等を実装することにより液晶表示装置を作製した。液晶表示装置の作成において、配向膜としては通常使用されているTN方式用の配向膜、ならびにTN液晶を用いた。
得られた液晶表示装置について表示特性を検査したところ、色特性、コントラストとも良好でかつムラなどの欠陥の無い良好な表示特性が得られた。
実施例2
実施例1のE(b)における第1加熱工程の温度Tbを160℃にした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性、ムラ、耐溶剤性とも良好な結果が得られた。
実施例3
実施例1のE(b)における第1加熱工程の温度Tbを170℃にした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性、ムラ、耐溶剤性とも良好であり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例4
実施例2のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを200℃にした以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性は良好であり、ムラも無かった。耐溶剤性は若干劣ってはいるもののカラーフィルタ基板としては問題ないレベルであり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例5
実施例2のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを210℃にした以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性は良好であり、ムラも無かった。耐溶剤性は若干劣ってはいるもののカラーフィルタ基板としては問題ないレベルであり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例6
実施例2のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを230℃にした以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性は良好であり、ムラも無かった。耐溶剤性は若干劣ってはいるもののカラーフィルタ基板としては問題ないレベルであり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例7
実施例2のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを250℃にした以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性は良好であり、ムラも無く、耐溶剤性も良好であった。
実施例8
実施例2のE(b)における第2加熱工程の際、常圧下にて加熱を行った以外は実施例2と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性は良好であり、よく見れば観察される程度のムラがあったが、カラーフィルタ基板としては問題ないレベルであり、また耐溶剤性も良好でカラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例9
C.熱硬化性着色組成物(INK−2R、INK−2G、INK−2B)の作製
顔料としてピグメントレッド177、ピグメントレッド254、及びピグメントイエロー150(42/30/28)の混合物を15重量部、高分子分散剤としてPB821(味の素ファインテクノ)を5重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAとする)を20重量部、1,3ブチレングリコールジアセテート(以下BGDAとする)を60重量部混合した後、ジルコニアビーズが充填されてミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。
次にこの顔料分散液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート“KAYARAD”DPHA(日本化薬)を15重量部、メチル化メラミン樹脂“ニカラック”MW−100LM(三和ケミカル)を5重量部、密着改良剤としてKBM503(信越化学工業)を0.3重量部、界面活性剤として“メガファック”R−08(DIC)を0.1重量部、および溶剤としてBGDAを79.6重量部を混合して、赤色着色組成物(INK−2R)を作製した。同様にして、顔料としてピグメントグリーン36とピグメントイエロー150(65/35)の混合物を用いて緑色着色組成物(INK−2G)を、顔料としてピグメントブルーPB15:6とピグメントバイオレット23(90/10)の混合物を用いて青色着色組成物(INK−2B)を作製した。また、これらの熱硬化性着色組成物のゲル化点を測定したところ、それぞれ150℃であった。
E.カラーフィルタの作製
(a)熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
上記Dで作製したBM付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて対応する位置に、赤色、緑色、青色の各熱硬化性着色組成物(INK−2R、INK−2G、INK−2B)を各色に対応したノズルより噴射し塗布した。このとき、硬化後の各画素の平均膜厚が2.0μmとなるように、吐出量を調整した。
(b)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
上記(a)で、熱硬化性着色組成物が塗布された基板を、50Paまで減圧できる減圧乾燥設備を具備したホットプレートにて、温度Tbが130℃となるように120秒間加熱を行った。
(c)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
上記(b)で、第1加熱工程を経た基板を、熱風オーブンにて温度Tcが220℃となるように15分間加熱を行った。
F.カラーフィルタの評価
上記実施例1に従ってカラーフィルタの評価を行ったところ、画素平坦性はやや劣るもののムラは無かった。耐溶剤性については若干劣っているものの良好であり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例10
C.熱硬化性着色組成物(INK−3R、INK−3G、INK−3B)の作製
顔料としてピグメントレッド177、ピグメントレッド254、及びピグメントイエロー150(42/30/28)の混合物を15重量部、高分子分散剤としてPB821(味の素ファインテクノ)を5重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAとする)を20重量部、1,3ブチレングリコールジアセテート(以下BGDAとする)を60重量部混合した後、ジルコニアビーズが充填されてミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。
次にこの顔料分散液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート“KAYARAD”DPHA(日本化薬)を20重量部、密着改良剤としてKBM503(信越化学工業)を0.3重量部、界面活性剤として“メガファック”R−08(DIC)を0.1重量部、および溶剤としてBGDAを79.6重量部混合して、赤色着色組成物(INK−3R)を作製した。同様にして、顔料としてピグメントグリーン36とピグメントイエロー150(65/35)の混合物を用いて緑色着色組成物(INK−3G)を、顔料としてピグメントブルーPB15:6とピグメントバイオレット23(90/10)の混合物を用いて青色着色組成物(INK−3B)を作製した。また、これらの熱硬化性着色組成物のゲル化点を測定したところ、それぞれ200℃であった。
E.カラーフィルタの作製
(a)熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
上記Dで作製したBM付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて対応する位置に、赤色、緑色、青色の各熱硬化性着色組成物(INK−3R、INK−3G、INK−3B)を各色に対応したノズルより噴射し塗布した。このとき、硬化後の各画素の平均膜厚が2.0μmとなるように、吐出量を調整した。
(b)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
上記(a)で、熱硬化性着色組成物が塗布された基板を、50Paまで減圧できる減圧乾燥設備を具備したホットプレートにて、温度Tbが170℃となるように120秒間加熱を行った。
(c)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
上記(b)で、第1加熱工程を経た基板を、熱風オーブンにて温度Tcが240℃となるように15分間加熱を行った。
F.カラーフィルタの評価
上記実施例1に従ってカラーフィルタの評価を行ったところ、画素平坦性はやや劣るもののムラ、耐溶剤性については良好であり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例11
実施例10のE(b)における第1加熱工程の温度Tbを190℃にした以外は、実施例10と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性、ムラ、耐溶剤性とも良好な結果が得られた。
実施例12
C.熱硬化性着色組成物(INK−4R、INK−4G、INK−4B)の作製
顔料としてピグメントレッド177、ピグメントレッド254、及びピグメントイエロー150(42/30/28)の混合物を15重量部、高分子分散剤としてPB821(味の素ファインテクノ)を5重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAとする)を20重量部、1,3ブチレングリコールジアセテート(以下BGDAとする)を60重量部混合した後、ジルコニアビーズが充填されてミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。
次にこの顔料分散液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート“KAYARAD”DPHA(日本化薬)を19.5重量部、重合禁止剤としてヒドロキノン0.5重量部、密着改良剤としてKBM503(信越化学工業)を0.3重量部、界面活性剤として“メガファック”R−08(DIC)を0.1重量部、および溶剤としてBGDAを79.6重量部混合して、赤色着色組成物(INK−4R)を作製した。同様にして、顔料としてピグメントグリーン36とピグメントイエロー150(65/35)の混合物を用いて緑色着色組成物(INK−4G)を、顔料としてピグメントブルーPB15:6とピグメントバイオレット23(90/10)の混合物を用いて青色着色組成物(INK−4B)を作製した。また、これらの熱硬化性着色組成物のゲル化点を測定したところ、それぞれ210℃であった。
E.カラーフィルタの作製
(a)熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
上記Dで作製したBM付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて対応する位置に、赤色、緑色、青色の各熱硬化性着色組成物(INK−4R、INK−4G、INK−4B)を各色に対応したノズルより噴射し塗布した。このとき、硬化後の各画素の平均膜厚が2.0μmとなるように、吐出量を調整した。
(b)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
上記(a)で、熱硬化性着色組成物が塗布された基板を、50Paまで減圧できる減圧乾燥設備を具備したホットプレートにて、温度Tbが190℃となるように120秒間加熱を行った。
(c)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
上記(b)で、第1加熱工程を経た基板を、熱風オーブンにて温度Tcが240℃となるように15分間加熱を行った。
F.カラーフィルタの評価
上記実施例1に従ってカラーフィルタの評価を行ったところ、画素平坦性はやや劣るものの良好であり、ムラも無く、耐溶剤性についても良好であり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例13
C.熱硬化性着色組成物(INK−4R、INK−4G、INK−4B)の作製
顔料としてピグメントレッド177、ピグメントレッド254、及びピグメントイエロー150(42/30/28)の混合物を15重量部、高分子分散剤としてPB821(味の素ファインテクノ)を5重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下PMAとする)を20重量部、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下DPMAとする)を60重量部混合した後、ジルコニアビーズが充填されてミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。
次にこの顔料分散液100重量部に対し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート“KAYARAD”DPHA(日本化薬)を10重量部、トリペンタエリスリトールアクリレート“T−PE−A”(広栄化学工業)を10重量部、密着改良剤としてKBM503(信越化学工業)を0.3重量部、界面活性剤として“メガファック”R−08(DIC)を0.1重量部、および溶剤としてDPMAを79.6重量部を混合して、赤色着色組成物(INK−4R)を作製した。同様にして、顔料としてピグメントグリーン36とピグメントイエロー150(65/35)の混合物を用いて緑色着色組成物(INK−4G)を、顔料としてピグメントブルーPB15:6とピグメントバイオレット23(90/10)の混合物を用いて青色着色組成物(INK−4B)を作製した。また、これらの熱硬化性着色組成物のゲル化点を測定したところ、それぞれ175℃であった
E.カラーフィルタの作製
(a)熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
上記Dで作製したBM付き基板の画素部にインクジェット噴射装置を用いて対応する位置に、赤色、緑色、青色の各熱硬化性着色組成物(INK−4R、INK−4G、INK−4B)を各色に対応したノズルより噴射し塗布した。このとき、硬化後の各画素の平均膜厚が2.0μmとなるように、吐出量を調整した。
(b)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
上記(a)で、熱硬化性着色組成物が塗布された基板を、50Paまで減圧できる減圧乾燥設備を具備したホットプレートにて、温度Tbが160℃となるように120秒間加熱を行った。
(c)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
上記(b)で、第1加熱工程を経た基板を、熱風オーブンにて温度Tcが240℃となるように15分間加熱を行った。
F.カラーフィルタの評価
上記実施例1に従ってカラーフィルタの評価を行ったところ、画素平坦性は劣るものであったが製品として問題の無いレベルであり、ムラも無く耐溶剤性についても良好であり、カラーフィルタ基板として良好な結果が得られた。
実施例14
実施例13のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを220℃にした以外は、実施例13と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性、ムラ、耐溶剤性とも良好な結果が得られた。
比較例1
実施例1のE(b)における第1加熱工程の温度Tbを140℃にした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性が悪く、またムラもひどくカラーフィルタ基板として品位の悪いものであった。
比較例2
実施例1のE(b)における第1加熱工程の温度Tbを180℃にした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性が悪く、またムラもひどくカラーフィルタ基板として品位の悪いものであった。
比較例3
実施例1のE(c)における第2加熱工程の温度Tcを260℃にした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性が悪く、またムラもひどくカラーフィルタ基板として品位の悪いものであった。
比較例4
実施例9のE(b)における第2加熱工程の温度Tcを160℃にした以外は、実施例9と同様にしてカラーフィルタ基板の製造を行った。画素平坦性が悪く、またムラもひどくカラーフィルタ基板として品位の悪いものであった。
Figure 2010230979

1:透明基板
2:ブラックマトリクス
3:撥液層
4:インクジェット装置
5:熱硬化性着色組成物

Claims (5)

  1. 透明基板上にブラックマトリクスおよび少なくとも複数の着色層が形成されたカラーフィルタ基板の製造方法であって、以下の工程を順次行うことを特徴とするカラーフィルタ基板の製造方法。
    (A)少なくとも着色剤、熱硬化性樹脂、有機溶剤を含み、かつゲル化点の温度がTaである熱硬化性着色組成物をインクジェットノズルより吐出して開口部に塗布する塗布工程
    (B)該基板を温度Tbで加熱を行う第1加熱工程
    (C)該基板を温度Tcで加熱を行う第2加熱工程
    (ここで、5℃≦Ta−Tb≦30℃、かつ20℃≦Tc−Ta≦80℃である。)
  2. 前記Taの温度が150℃〜200℃であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  3. 前記(B)工程において、減圧下にてカラーフィルタ基板の加熱を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  4. 有機溶剤が複数種類の有機溶剤からなり、かつそのうち最も高い沸点を示す溶媒の沸点をTdとしたときに5℃≦Tc−Td≦20℃であることを特徴とする請求項1〜3に記載のカラーフィルタ基板の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって製造されたカラーフィルタ基板を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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