JP2009282096A - カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器 - Google Patents

カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器 Download PDF

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Hidekazu Moriyama
英和 森山
Hiroshi Kiguchi
浩史 木口
Hiroshi Takiguchi
宏志 瀧口
Mitsuhiro Isobe
光宏 磯部
Akihiro Shintani
明広 新谷
Masaya Shibatani
正也 柴谷
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Abstract

【課題】本発明の目的は、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターの製造方法を提供すること、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを提供すること、また、該カラーフィルターを備えた画像表示装置、電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明のカラーフィルターの製造方法は、基板11を準備する基板準備工程と、基板11上に、着色部形成用の材料で構成された塗膜を形成し、フォトリソグラフィー法を用いて、各色の着色部12を形成する着色部形成工程と、インクジェット方式により、遮光材料を含む遮光部形成用材料のインク3を隣接する着色部12間に付与するインク付与工程と、インク3を乾燥させることにより、インク3から溶剤を除去し、固形状の遮光部13とする遮光部形成工程とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器に関する。
カラー表示を行う液晶表示装置(LCD)等には、一般に、カラーフィルターが用いられている。
このようなカラーフィルターの製造方法としては、近年、インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)を用いて、カラーフィルターの着色部を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方法は、カラーフィルター基板上にフォトリソグラフィー法を用いて遮光部を形成し、遮光部で囲まれた領域に着色部形成用の材料(着色部形成用組成物)の液滴(インク)を吐出し、乾燥、固化させることにより着色部を形成するものである。かかる方法では、着色部形成用の材料(着色部形成用組成物)の液滴の吐出位置等の制御が容易で、着色部形成用組成物の無駄を少なくすることができるため、環境への負荷を低減することができ、また、製造コストも抑制することができる。
ところが、従来、インクジェットヘッドを用いたカラーフィルターの製造方法では、形成される着色部の表面が、凹凸を有するものであり、十分に平坦なものでなかった。このように、形成される着色部が平坦にならない場合、カラーフィルターを用いた画像表示装置の明度やコントラスト比が高いものとならない問題があった。
特開2002−372613号公報
本発明の目的は、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターの製造方法を提供すること、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを提供すること、また、該カラーフィルターを備えた画像表示装置、電子機器を提供することにある。
このような目的は下記の本発明により達成される。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、複数色の着色部を備えたカラーフィルターの製造方法であって、
基板を準備する基板準備工程と、
前記基板上にフォトリソグラフィー法を用いて複数色の着色部を形成する着色部形成工程と、
前記基板上の隣接する前記着色部間に、遮光材料を含むインクをインクジェット方式で付与するインク付与工程と、
吐出された前記インクを乾燥させて、遮光部を形成する遮光部形成工程とを有することを特徴とする。
これにより、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを製造することができる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、赤色、緑色、および青色の着色部を有するものであり、
前記複数色の着色部は、フォトリソグラフィー法を用いて、緑色の着色部、赤色の着色部、青色の着色部の順に形成されることが好ましい。
これにより、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)の3色(RGB)で1画素を構成するフルカラー表示のカラーフィルターを、各色の着色部が特に平坦なものとして製造することができ、得られるカラーフィルターは、明度、コントラスト比が特に優れたものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、複数種の着色剤を含む着色部形成用組成物を用いて、前記複数色の着色部のうち少なくとも一色の着色部を形成することが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターの明度、コントラスト比を優れたものとしながらも、色彩のバリエーションが豊富なカラーフィルターを容易に得ることができる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、緑色の着色部を有し、
前記緑色の着色部は、着色剤として、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン36のうち少なくとも一方を含む緑色着色部形成用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターは、緑色の着色部の明度、コントラスト比が特に高いものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記緑色着色部形成用組成物は、着色剤として、さらにC.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターは、緑色の着色部の明度、コントラスト比が特に高いものとなるとともに、色再現範囲がより広いものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、赤色の着色部を有し、
前記赤色の着色部は、着色剤として、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254のうち少なくとも一方を含む赤色着色部形成用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターは、赤色の着色部の明度、コントラスト比が特に高いものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記赤色着色部形成用組成物は、着色剤として、さらにC.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターは、赤色の着色部の明度、コントラスト比が特に高いものとなるとともに、色再現範囲がより広いものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、青色の着色部を有し、
前記青色の着色部は、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23とを含む青色着色部形成用組成物を用いて形成されたものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターは、青色の着色部の明度、コントラスト比が特に高いものとなるとともに、色再現範囲がより広いものとなる。
本発明のカラーフィルターの製造方法では、前記インクは、カーボンブラックを含む遮光材料と、当該遮光材料を分散させる分散媒と、バインダー樹脂とを含むものであることが好ましい。
これにより、得られるカラーフィルターのコントラスト比をさらに優れたものとすることができる。
本発明のカラーフィルターは、本発明のカラーフィルターの製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを提供することができる。
本発明のカラーフィルターでは、前記遮光部の高さは、前記複数色の着色部の高さよりも低いものであることが好ましい。
これにより、カラーフィルターの明度は特に優れたものとなる。
本発明の画像表示装置は、本発明のカラーフィルターを備えたことを特徴とする。
これにより、表示部に、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを備えた画像表示装置を提供することができる。
本発明の電子機器は、本発明の画像表示装置を備えたことを特徴とする。
これにより、表示部に、明度およびコントラスト比に優れたカラーフィルターを備えた電子機器を提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、画像表示装置、および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
まず、本発明のカラーフィルターの製造方法を説明するのに先立って、本発明のカラーフィルターの製造方法を用いて製造されるカラーフィルターについて説明する。
《カラーフィルター》
図1は、本発明のカラーフィルターの好適な実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、カラーフィルター1は、基板11と、着色部12とを備えている。着色部12としては、互いに異なる色の第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部12Cが設けられている。そして、隣接する着色部12の間には、遮光部13が設けられている。
<基板>
基板11は、光透過性を有する板状の部材で、着色部12、遮光部13を保持する機能を有している。
基板11は、実質的に透明な材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルター1を透過する光により、より鮮明な画像を形成することができる。
また、基板11は、耐熱性、機械的強度に優れたものであるのが好ましい。これにより、例えば、カラーフィルター1の製造時に加わる熱による変形等を確実に防止することができる。このような条件を満足する基板11の構成材料としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ノルボルネン系開環重合体やその水素添加物等が挙げられる。
<着色部>
着色部12(12A、12B、12C)は、着色剤、感光性樹脂等を含む着色部形成用組成物を用いて、後述するようなフォトリソグラフィー法を用いて形成されたものである。
このような着色部12は、その表面が平坦なものとなっている。そのため、カラーフィルター1の明度、コントラスト比を優れたものとすることができる。
各着色部12は、後述する遮光部13により囲まれた領域に設けられている。
第1の着色部12A、第2の着色部12B、および第3の着色部12Cは、互いに異なる色のものである。例えば、第1の着色部12Aを緑色フィルター領域(G)、第2の着色部12Bを赤色フィルター領域(R)、第3の着色部12Cを青色フィルター領域(B)とすることができる。そして、一組の異なる色の着色部12A、12B、12Cで1画素を構成している。そして、カラーフィルター1においては、その横方向および縦方向に、着色部12が所定数配置されている。例えば、カラーフィルター1が、ハイビジョン用のカラーフィルターである場合には1366×768個の画素が配置されており、フルハイビジョン用のカラーフィルターである場合には1920×1080個の画素が配置されており、スーパーハイビジョン用のカラーフィルターである場合には7680×4320個の画素が配置されている。なお、カラーフィルター1は、例えば、有効領域外に予備の画素を備えたものであってもよい。
<遮光部>
隣接する着色部12の間には、遮光部(バンク)13が設けられている。
本発明において、遮光部13は、遮光性を有する材料で構成されたものである。これにより、コントラストに優れた画像を表示することができる。遮光部(遮光部)13の色は、特に限定されないが、黒色であるのが好ましい。これにより、表示される画像のコントラストを特に優れたものとすることができる。
このような遮光部13は、後述するように、各色の着色部12をフォトリソグラフィー法を用いて形成した後に、インクジェット方式により、形成された着色部12間に遮光部形成用の材料(遮光部形成用組成物)の液滴を吐出し、乾燥、固化することにより形成されるものである。これにより、カラーフィルター1の明度、コントラスト比を優れたものとすることができる。また、カラーフィルター1は、着色部12の発色性に優れたものとなる。
また、後述するようなカラーフィルターの製造方法を用いることにより、製造されるカラーフィルター1の遮光部13の高さは、着色部12の高さよりも低くすることができる。一般に、着色部および遮光部の表面上には、共通電極が形成されるため、着色部と遮光部の高さはそれぞれ同じ高さであるのが好ましいが、カラーフィルター1の遮光部13の高さが着色部12の高さよりも低いと、カラーフィルター1は、さらに高い明度を有するものとなる。また、このようなカラーフィルター1を備える画像表示装置は、より鮮明な画像表示を行うことができるものとなる。
なお、遮光部13の構成材料については、カラーフィルターの製造方法において詳述する。
《カラーフィルターの製造方法》
次に、上述したようなカラーフィルター1の製造方法の好適な実施形態について説明する。
図2は、カラーフィルターの製造方法を示す断面図、図3は、カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図、図4は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図、図5は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図、図6は、図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。
図2に示すように、本実施形態では、基板11を準備する基板準備工程(1a)と、基板11上に、着色部形成用の材料(着色部形成用組成物)で構成された塗膜を形成し、フォトマスクを介して光を照射する感光(露光)処理、現像処理を行うフォトリソグラフィー法を用いて、各色の着色部12を形成する着色部形成工程(1b、1c、1d)と、インクジェット方式により、遮光材料を含む遮光部形成用材料(遮光部部形成用組成物)のインク(液滴)3を隣接する着色部12間に付与するインク付与工程(1e)と、インク3を乾燥させることにより、インク3から溶剤(分散媒)を除去し、固形状の遮光部(遮光部)13とする遮光部形成工程(1f)とを有している。
<基板準備工程>
まず、基板11を準備する(1a)。
基板11を構成する材料としては、上述したような材料を用いることができる。また、本工程で準備する基板11は、洗浄処理が施されたものであるのが好ましい。また、本工程で準備する基板11は、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理が施されたものであってもよい。
<着色部形成工程>
次に、基板11上に各色の着色部12(12A、12B、12C)を、フォトリソグラフィー法を用いて形成する。
まず、着色部形成用の材料(着色部形成用組成物)を基板11の一方の面のほぼ全体に付与し、塗膜20を形成する。
フォトリソグラフィー法を用いた着色部12の形成方法では、第1の着色部12A形成用の材料(着色部12A形成用材料)を基板11の一方の面のほぼ全面に付与し、塗膜20(20A)を形成する(1b)。このようにして形成された塗膜20(20A)に対して、フォトマスクを介して放射線を付与し(露光処理)、現像処理を経て第1の着色部12Aを形成する(1c)。その後、第1の着色部12Aが形成された基板11上に、上記と同様にして第2の着色部12B、第3の着色部12Cを順次形成し、基板11上に着色部12(12A、12B、12C)が設けられる(1d)。
このような着色部形成用組成物としては、特に限定されないが、着色剤、感光性樹脂、官能性モノマー、重合開始剤を含むものが挙げられる。
着色剤としては、顔料、染料が挙げられ、形成すべき着色部の色調に応じて、顔料、染料、またはこれらの混合物を用いることができる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,40,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,53:1,57,57:1,57:2,58:2,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,81,81:1,83,88,90:1,97,101,102,104,105,106,108,108:1,112,113,114,122,123,144,146,149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,180,185,187,188,190,193,194,202,206,207,208,209,215,216,220,224,226,242,243,245,254,255,264,265;C.I.ピグメントグリーン7,36,15,17,18,19,26,50,58;C.I.ピグメントブルー1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,17:1,18,60,27,28,29,35,36,60,80;C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,15,16,17,20,24,31,34,35,35:1,37,37:1,42,43,53,55,60,61,65,71,73,74,81,83,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138,139,150,151,152,153,154,155,156,157,166,168,175,180,184,185;C.I.ピグメントバイオレット1,3,14,16,19,23,29,32,36,38,50;C.I.ピグメントオレンジ1,5,13,14,16,17,20,20:1,24,34,36,38,40,43,46,49,51,61,63,64,71,73,104;C.I.ピグメントブラウン7,11,23,25,33;C.I.ピグメントブラック1,7や、これらの誘導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料としては、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、縮合多環芳香族カルボニル染料、インジゴイド染料、カルボニウム染料、フタロシアニン染料、メチン,ポリメチン染料等が挙げられる。染料の具体例としては、例えば、C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,28,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,221,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247;C.I.アシッドレッド35,42,51,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,145,151,154,157,158,211,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,319,336,337,361,396,397;C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55;C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46;C.I.ダイレクトバイオレット7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101;C.I.アシッドバイオレット5,9,11,34,43,47,48,51,75,90,103,126;C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34;C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48;C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,142,144,161,163;C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227;C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42;C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40;C.I.アシッドグリーン16;C.I.アシッドブルー9,45,80,83,90,185;C.I.ベーシックオレンジ21,23等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したような顔料、染料の中でも、着色剤として、顔料を用いるのが好ましい。顔料は、同じ着色剤として用いられる染料に比べて、耐湿性、耐光性等の観点から有利である。
また、着色部形成用組成物は、着色剤として、上述したような複数種の着色剤を含むものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルター1の色再現範囲をさらに広いものとすることができる。また、一般に、インクジェット方式で着色部形成用組成物を吐出して着色部を形成するようなカラーフィルターの製造方法では、着色剤として2種以上の顔料および/または染料を含むインクを用いると、インクの分散性が低下し、増粘する。このようなインクでは、長期間にわたって安定した液滴吐出を行うことができない。これに対して、フォトリソグラフィー法を用いて着色部を形成する本発明のカラーフィルターの製造方法では、基板11上のほぼ全面に対して着色部形成用組成物を塗布するものであるため、着色部形成用組成物が増粘しても、十分に均一な塗膜20を形成することができる。
特に、緑色の着色部を構成する着色剤としては、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン36のうちのいずれかを含むものであるのが好ましい。このような材料は、発色性に優れており、緑色の着色部の明度を特に高いものとすることができる。また、これらの材料の中でも、C.I.ピグメントグリーン58は、特に発色性に優れており、緑色の着色部を構成する着色剤として特に好適である。
また、緑色の着色部は、着色剤として、上述したC.I.ピグメントグリーン58、および/またはC.I.ピグメントグリーン36に加えて、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルターの色再現範囲をさらに広くすることができる。
また、特に、赤色の着色部を構成する着色剤としては、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントグリーン254のうちのいずれかを含むものであるのが好ましい。このような材料は、発色性に優れており、赤色の着色部の明度を特に高いものとすることができる。
また、赤色の着色部は、着色剤として、上述したC.I.ピグメントレッド177、および/またはC.I.ピグメントレッド254に加えて、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものであるのが好ましい。これにより、カラーフィルターの色再現範囲をさらに広くすることができる。
また、特に、青色の着色部を構成する着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23とを含むものが好ましい。これにより、青色の着色部の明度を特に高いものとすることができる。
また、感光性樹脂としては、特に限定されないが、塗膜20を露光処理した後に、炭酸ナトリウム等の無機アルカリや、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機アルカリ等のアルカリ現像液を用いて現像処理を行う観点から、アルカリ現像液溶解性を有する材料が好ましい。このような材料としては、アクリル樹脂が挙げられる。また、アクリル樹脂の中でも、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合して得られるカルボキシル基含有アクリル樹脂がより好ましい。これにより、着色部形成用組成物中での着色剤の分散性を特に優れたものとすることができ、形成される着色部の明度を特に優れたものとすることができる。また、着色剤として、顔料を用いた場合には、感光性樹脂と顔料との高い親和性により、現像処理時に、顔料が基板上に残留する現像残さを確実に防止することができる。これにより、カラーフィルターのコントラスト比をさらに優れたものとすることができる。
また、官能性モノマーとしては、例えば、主鎖に炭素―炭素二重結合(C=C)を有するラジカル重合性のモノマーや、オキシラン基を有するカチオン重合性のモノマー等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド等の高沸点ビニルモノマーが好ましい。このようなビニルモノマーは、着色部形成用組成物中に含まれる感光性樹脂を好適に溶解させることができるため、着色部形成用組成物の粘度を低下させ、形成される塗膜20の厚さをより均一なものとすることができる。
また、重合開始剤としては、放射線が付与されると、光反応を開始させる活性種を生成するような各種ラジカル重合開始剤、各種カチオン重合開始剤を用いることができる。
また、上述したような材料を基板11上に均一に塗布するために、着色部形成用組成物は、溶剤を含んでいてもよい。このような溶剤としては、芳香族系、アルコール系、グリコール系、エステル系、ケトン系の各種溶剤を、使用する着色剤、感光性樹脂に応じて適宜選択して用いることができる。
以上のような材料で構成された着色部形成用組成物を基板11上に塗布する。
このような着色生成用組成物の塗布には、スピンコーター、ロールコーター、バーコーター等を用いるのが好ましい。これにより、基板11上に着色部形成用組成物を均一な厚さで塗布することができる。その結果、得られる塗膜20の膜厚は均一なものとなる。
なお、基板11上に着色部形成用組成物を付与した後、必要に応じて、プリベーク処理を行ってもよい。プリベーク処理は、例えば、加熱温度:50〜150℃、加熱時間:30〜600秒という条件で行うことができる。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射(露光)して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、さらに、アルカリ現像液を用いた現像処理を行うことにより、第1の着色部12Aが形成される(1c)。PEBは、例えば、加熱温度:50〜150℃、加熱時間:30〜600秒、放射線照射強度:1〜500mJ/cmという条件で行うことができる。また、現像処理は、例えば、液盛り法、ディッピング法、振動浸漬法等により行うことができ、現像処理時間は、例えば、10〜300秒とすることができる。また、現像処理の後、必要に応じて、ポストベーク処理を行ってもよい。ポストベーク処理は、例えば、加熱温度:150〜280℃、加熱時間:3〜120分という条件で行うことができる。
その後、上記と同様にして、第2の着色部12B、第3の着色部12Cを順次形成する(1d)。なお、本実施形態では、第1の着色部12Aとして緑色(G)の着色部、第2の着色部12Bとして赤色(R)の着色部、第3の着色部12Cとして青色(B)の着色部をそれぞれ形成した。
このようにして形成される各色の着色部12はそれぞれが独立して密着しないように形成されたものである。このようにして形成される着色部12は、基板11上に島状に形成されている。
また、上述したように、本実施形態では、緑色の着色部(第1の着色部12A)、赤色の着色部(第2の着色部12B)、青色の着色部(第3の着色部12C)の順に各色の着色部を形成するものである。各色の着色部中に含まれる着色剤の含有量は、各色の着色剤自体の発色性によりそれぞれ異なるものであり、一般的に、緑色の着色部、赤色の着色部、青色の着色部の順に少なくなる。そのため、各色の着色部形成用組成物中の着色剤含有量、および固形分(着色剤、感光性樹脂等)濃度は、緑色のものが最も高く、赤色のもの、青色のものの順に低くなる。本実施形態では、固形分濃度が低く、より粘度が低い着色部形成用組成物をより後から塗布することにより、全ての色の着色部12を確実に均一な厚さで形成することができる。
また、このようにして形成された着色部12に対して、撥液処理を行ってもよい。これにより、後述するインク付与工程において、基板11上に遮光部形成用材料で構成されたインク3を吐出する際に、インク3を隣接する着色部12間に均一に濡れ広がらせることができる。また、最終的に得られるカラーフィルター1において、着色部12上に遮光材料が付着するのを確実に防止することができ、よりコントラストの高い画像表示が可能となる。このような撥液処理としては、特に限定されないが、例えば、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング等を好適に用いることができる。
<インク付与工程>
次に、基板11上に形成された隣接する着色部12間に遮光材料を含む遮光部形成用材料(遮光部形成用組成物)のインク3を付与する(1e)。
上述したように、着色部12は、基板11上に島状に形成されたものである。したがって、隣接する着色部12間に付与されたインク3は、基板11上の各着色部12間を埋めるように海状に濡れ広がる。このため、インク3の厚さを、基板11上で均一なものとすることができる。結果として、形成される遮光部13の厚さも均一なものとすることができ、製造されるカラーフィルター1の明度、コントラスト比を特に優れたものとすることができる。また、このように、インク3は自己組織的に基板11上で均一な厚さを保持するため、遮光部13の製造工程を簡素化することができる。
このような遮光部形成用組成物(インク3)は、遮光材料と、遮光材料を分散させる分散媒と、バインダー樹脂とを含むものである。
遮光材料としては、遮光性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、チタンブラック、酸化鉄等の金属酸化物、硫化ビスマス等の金属硫化物等、ペリレンブラック等の有機顔料等が挙げられるが、遮光性、遮光部形成用組成物中の分散性等の点でカーボンブラックが好ましい。
また、分散媒としては、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ヒドロキシケトン、炭酸ジエステル、環状アミド化合物等を用いることができ、中でも、(1)多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等)の縮合物としてのエーテル(多価アルコールエーテル)や、多価アルコールまたは多価アルコールエーテルのアルキルエーテル(例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル等)、エステル(例えば、ホルメート、アセテート、プロピオネート等)、(2)多価カルボン酸(例えば、こはく酸、グルタル酸等)のエステル(例えば、メチルエステル等)、(3)分子内に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つのカルボキシル基とを有する化合物(ヒドロキシ酸)のエーテル、エステル等、(4)多価アルコールとホスゲンとの反応で得られるような化学構造を有する炭酸ジエステルが好ましい。液性媒体を構成する液体として用いることのできる化合物としては、例えば、2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビス(2−ブトキシエチル)エーテル、グルタル酸ジメチル、エチレングリコールジn−ブチレート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1,6−ジアセトキシヘキサン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシプロパノール、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、オクタン酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸シクロヘキシル、こはく酸ジエチル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、こはく酸ジメチル、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、ジアセチン、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチルグリコレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ビス(2−プロポキシエチル)エーテル、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールブチルエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルプロピルエーテル、トリエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、n−ノニルアルコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、またはトリプロピレングリコールn−ブチルエーテル等が挙げられ、これらから選択される少なくとも一種の溶剤を用いることができる。
また、遮光部形成用組成物は、バインダー樹脂を含むものである。このようなバインダー樹脂としては、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂、および各種光硬化性樹脂等を用いることができるが、多官能性分子が重合したアクリル樹脂や、エポキシ系樹脂であるのが好ましい。これらの樹脂材料は、硬度が高いものであるとともに、熱収縮量が小さい。このため、着色部の基板への密着性を特に優れたものとすることができる。
また、遮光部形成用組成物は、必要に応じて、遮光材料の分散性を向上させる分散剤を含むものであってもよい。このような分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類;ポリエチレンイミン類等のほか、以下商品名で、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)、Disperbyk(ビックケミー・ジャパン(株)製)、ソルスパース3000,5000,11200,12000,13240,13650,13940,16000,17000,18000,20000,21000,22000,24000SC,24000GR(日本ルブリゾール(株)製)、サーフィノール、ダイノール(エアープロダクト社製)等が挙げられる。
このようなインク3の吐出は、図3〜図6に示すような液滴吐出装置を用いて行う。
図3に示すように、本工程で用いる液滴吐出装置100は、インク3を保持するタンク101と、チューブ110と、チューブ110を介してタンク101からインク3が供給される吐出走査部102とを備える。吐出走査部102は、複数の液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド)114をキャリッジ105に搭載してなる液滴吐出手段103と、液滴吐出手段103の位置を制御する第1位置制御装置104(移動手段)と、前記工程で遮光部13が形成された基板11(以下、単に「基板11」とも言う。)を保持するステージ106と、ステージ106の位置を制御する第2位置制御装置108(移動手段)と、制御手段112とを備えている。タンク101と、液滴吐出手段103における複数の液滴吐出ヘッド114とは、チューブ110で連結されており、タンク101から複数の液滴吐出ヘッド114のそれぞれにインク3が圧縮空気によって供給される。
第1位置制御装置104は、制御手段112からの信号に応じて、液滴吐出手段103をX軸方向、およびX軸方向に直交するZ軸方向に沿って移動させる。さらに、第1位置制御装置104は、Z軸に平行な軸の回りで液滴吐出手段103を回転させる機能も有する。本実施形態では、Z軸方向は、鉛直方向(つまり重力加速度の方向)に平行な方向である。第2位置制御装置108は、制御手段112からの信号に応じて、X軸方向およびZ軸方向の双方に直交するY軸方向に沿ってステージ106を移動させる。さらに、第2位置制御装置108は、Z軸に平行な軸の回りでステージ106を回転させる機能も有する。
ステージ106は、X軸方向とY軸方向との双方に平行な平面を有する。また、ステージ106は、基板11をその平面上に固定、または保持できるように構成されている。
上述のように、液滴吐出手段103は、第1位置制御装置104によってX軸方向に移動させられる。一方、ステージ106は、第2位置制御装置108によってY軸方向に移動させられる。つまり、第1位置制御装置104および第2位置制御装置108によって、ステージ106に対する液滴吐出ヘッド114の相対位置が変わる(ステージ106に保持された基板11と、液液滴吐出手段103とが相対的に移動する)。
制御手段112は、インク3を吐出すべき相対位置を表す吐出データを外部情報処理装置から受け取るように構成されている。
図4に示すように、液滴吐出手段103は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴吐出ヘッド114と、これらの液滴吐出ヘッド114を保持するキャリッジ105とを有している。本実施形態では、液滴吐出手段103に保持される液滴吐出ヘッド114の数は8個である。それぞれの液滴吐出ヘッド114は、後述する複数のノズル118が設けられた底面を有している。それぞれの液滴吐出ヘッド114のこの底面の形状は、2つの長辺と2つの短辺とを有する多角形である。液滴吐出手段103に保持された液滴吐出ヘッド114の底面はステージ106側を向いており、さらに、液滴吐出ヘッド114の長辺方向と短辺方向とは、それぞれX軸方向とY軸方向とに平行である。
図5に示すように、液滴吐出ヘッド114は、X軸方向に並んだ複数のノズル118を有する。これら複数のノズル118は、液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXPが所定の値となるように配置されている。ノズルピッチHXPの具体的な値は、特に限定されないが、例えば、50〜90μmとすることができる。ここで、「液滴吐出ヘッド114におけるX軸方向のノズルピッチHXP」は、液滴吐出ヘッド114におけるノズル118のすべてをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像間のピッチに相当する。
本実施形態では、液滴吐出ヘッド114における複数のノズル118は、ともにX軸方向に延びるノズル列116Aと、ノズル列116Bとをなす。ノズル列116Aと、ノズル列116Bとは、間隔を空けて並行に配置されている。そして、本実施形態においては、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれにおいて、90個のノズル118が一定間隔LNPでX軸方向に一列に並んでいる。LNPの具体的な値は、特に限定されないが、100〜180μmとすることができる。
ノズル列116Bの位置は、ノズル列116Aの位置に対して、ノズルピッチLNPの半分の長さだけX軸方向の正の方向(図5の右方向)にずれている。このため、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズルピッチHXPは、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズルピッチLNPの半分の長さである。
したがって、液滴吐出ヘッド114のX軸方向のノズル線密度は、ノズル列116A(またはノズル列116B)のノズル線密度の2倍である。なお、本明細書において「X軸方向のノズル線密度」とは、複数のノズルをY軸方向に沿ってX軸上に射像して得られた複数のノズル像の単位長さ当たりの数に相当する。もちろん、液滴吐出ヘッド114が含むノズル列の数は、2つだけに限定されない。液滴吐出ヘッド114はM個のノズル列を含んでもよい。ここで、Mは1以上の自然数である。この場合には、M個のノズル列のそれぞれにおいて複数のノズル118は、ノズルピッチHXPのM倍の長さのピッチで並ぶ。さらに、Mが2以上の自然数の場合には、M個のノズル列のうちの一つに対して、他の(M−1)個のノズル列は、ノズルピッチHXPのi倍の長さだけ重複無くX軸方向にずれている。ここで、iは1から(M−1)までの自然数である。
さて、本実施形態では、ノズル列116Aおよびノズル列116Bのそれぞれが90個のノズル118からなるため、1つの液滴吐出ヘッド114は180個のノズル118を有する。ただし、ノズル列116Aの両端のそれぞれ5ノズルは「休止ノズル」として設定されている。同様に、ノズル列116Bの両端のそれぞれ5ノズルも「休止ノズル」として設定されている。そして、これら20個の「休止ノズル」からはインク3が吐出されない。このため、液滴吐出ヘッド114における180個のノズル118のうち、160個のノズル118がインク3を吐出するノズルとして機能する。
図4に示すように、液滴吐出手段103においては、複数個の上記液滴吐出ヘッド114がX軸方向に沿って2列に配置されている。一方の列の液滴吐出ヘッド114と他方の列の液滴吐出ヘッド114とは、休止ノズル分を考慮して、Y軸方向から見て一部重なるように配置されている。これにより、液滴吐出手段103においては、基板11のX軸方向の寸法分の長さに渡り、インク3を吐出するノズル118が前記ノズルピッチHXPでX軸方向に連続するように構成されている。
本実施形態の液滴吐出手段103では、基板11のX軸方向の寸法分の長さ全体をカバーするように液滴吐出ヘッド114を配置しているが、本発明における液滴吐出手段は、基板11のX軸方向の寸法分の長さの一部をカバーするようにものでもよい。
図に示すように、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、インクジェットヘッドである。より具体的には、それぞれの液滴吐出ヘッド114は、振動板126と、ノズルプレート128とを備えている。振動板126と、ノズルプレート128との間には、タンク101から孔131を介して供給されるインク3が常に充填される液たまり129が位置している。
また、振動板126と、ノズルプレート128との間には、複数の遮光部122が位置している。そして、振動板126と、ノズルプレート128と、1対の遮光部122とによって囲まれた部分がキャビティ120である。キャビティ120はノズル118に対応して設けられているため、キャビティ120の数とノズル118の数とは同じである。キャビティ120には、1対の遮光部122間に位置する供給口130を介して、液たまり129からインク3が供給される。
振動板126上には、それぞれのキャビティ120に対応して、振動子124が位置する。振動子124は、ピエゾ素子124Cと、ピエゾ素子124Cを挟む1対の電極124A、124Bとを含む。この1対の電極124A、124Bとの間に駆動電圧を与えることで、対応するノズル118からインク3が吐出される。なお、ノズル118からZ軸方向にインク3が吐出されるように、ノズル118の形状が調整されている。
また、ノズルプレート128は、ステンレスで構成された基材と、基材を覆うようにして設けられ主としてシリカ化合物で構成されたシリカ膜と、シリカ膜を覆うようにして設けられ、フルオロアルキル化合物を含む撥液膜とによって構成されている。
また、シリカ膜は、撥液膜とステンレスの基材とを密着させる機能を有するとともに、ステンレスの基材を保護する機能を有する。
制御手段112(図3参照)は、複数の振動子124のそれぞれに互いに独立に信号を与えるように構成されていてもよい。つまり、ノズル118から吐出されるインク3の体積が、制御手段112からの信号に応じてノズル118毎に制御されてもよい。また、制御手段112は、塗布走査の間に吐出動作を行うノズル118と、吐出動作を行わないノズル118とを設定することでもできる。
本明細書では、1つのノズル118と、ノズル118に対応するキャビティ120と、キャビティ120に対応する振動子124とを含んだ部分を「吐出部127」と表記することもある。この表記によれば、1つの液滴吐出ヘッド114は、ノズル118の数と同じ数の吐出部127を有する。
上記のような液滴吐出装置100を用いて、基板11上の着色部12間にインク3を付与する。上記のような装置を用いることにより、着色部12上にインク3を付着させることなく、選択された位置に効率良くインク3を付与することができる。これにより、得られるカラーフィルターの明度、コントラスト比を確実に高いものとすることができる。
なお、本発明では、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として、ピエゾ素子の代わりに静電アクチュエータを用いるものでもよい。また、液滴吐出ヘッド114は、駆動素子として電気熱変換素子を用い、この電気熱変換素子による材料の熱膨張を利用して遮光部形成用組成物(インク)を吐出する構成であってもよい。
<遮光部(遮光部)形成工程>
次に、基板11上に付与されたインク3を乾燥させ、分散媒を除去することにより、遮光部13が形成される(1f)。これにより、カラーフィルター1が得られる。このように、本発明において、遮光部13は着色部12を形成した後にインクジェット方式でインク3を吐出することにより形成されるものである。これにより、前述した着色部形成工程において、着色部形成用組成物をフォトマスクを介して露光する際に、フォトマスクの位置がずれ、着色部12の形成位置がずれた場合でも、遮光部13と着色部12とが重なるのを確実に防止することができる。これにより、カラーフィルター1の生産性(歩留まり)を向上させることができる。また、上述したように、遮光部13と着色部12とが重ならない上に、各色の着色部12の表面は確実に平坦なものとなる。その結果、カラーフィルター1の明度、コントラスト比を優れたものとすることができる。
また、このように、インク3を乾燥させて形成される遮光部13の高さは、溶媒が除去されることにより、着色部12の高さよりも低くすることができる。これにより、カラーフィルター1の色度をより高いものとすることができる。
本工程は、通常、加熱により行う。
本工程での加熱温度は、特に限定されないが、50〜260℃であるのが好ましく、80〜240℃であるのがより好ましい。これにより、インク3の対流をより抑えながら、インク3から好適に分散媒を除去できる。
また、本工程においては、例えば、活性エネルギー線の照射や、インク3が付与された基板11を減圧環境下に置く等の処理を行ってもよい。例えば、遮光部形成用組成物中のバインダー樹脂として光硬化性樹脂材料を用いた場合には、活性エネルギー線を照射することにより、光硬化性樹脂材料の硬化反応を効率よく進行させたり、加熱温度を比較的低いものとした場合であっても、光硬化性樹脂材料の硬化反応を確実に進行させることができ、基板11等への悪影響の発生がより確実に防止される等の効果が得られる。活性エネルギー線としては、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線、g線、i線、エキシマレーザー等を使用することができる。また、インク3が付与された基板11を減圧環境下に置くことにより、加熱温度を比較的低いものとした場合であっても、分散媒を確実に除去することができ、基板11、先に形成した着色部12等への悪影響の発生がより確実に防止される。
以上のようにして、隣接する着色部12間に遮光部13が設けられたカラーフィルター1が得られる。上述したように、このようにして形成される遮光部13の厚さは、均一なものとなる。
また、以下に示すような方法を用いることにより、基板11全面にわたって、遮光部13の厚さをより均一なものとすることができる。
図11は、カラーフィルター基板上の着色部のパターンの一例を示す平面図である。
図11に示す構成は、着色部12が形成された基板11を平面視した際に、遮光部形成用材料で構成されたインク3が基板11の外部に濡れ広がるのを防止するための外周部の隔壁14と、互いに基板11の中心で直交するような1行1列の着色部間の隔壁15が設けられており、着色部12は、基板11上において外周部の隔壁14と着色部間の隔壁15とによって4つの区画に分割されている。なお、外周部の隔壁14および着色部間の隔壁15の幅は、いずれも十分に狭く、各色の着色部12により表示される画像のコントラストに影響を及ぼさない幅で設けられている。
このような外周部の隔壁14および着色部間の隔壁15は、着色部12を構成するいずれかの色(赤、緑、青)の着色部形成用材料を用いて形成されたものであり、上述した着色部形成工程において、各色の着色部12を形成するのと同時にフォトリソ法を用いて形成することができる。なお、図11の構成においては、一例として、着色部間の隔壁15が、青色の着色部形成用材料を用いて、青色の着色部12Cと同時にフォトリソ法を用いて形成されたものである。
このように、基板11上に隔壁(外周部の隔壁14および着色部間の隔壁15)が設けられることにより、インク付与工程において、各区画に吐出されたインク3は、それぞれの区画外に流出することがないため、インク3を乾燥させて形成される遮光部13の厚さは、より均一なものとなる。これにより、最終的に得られるカラーフィルター1の明度、コントラスト比を特に優れたものとすることができる。また、図11に示す構成のように、複数の区画に分割された基板11上にインク3を付与するため、例えば、基板11として、厚さにばらつきを有するようなものを用いた場合でも、形成される遮光部13が場所によって厚さが異なるといった不具合をより確実に防止することができる。
《画像表示装置》
次に、カラーフィルター1を有する画像表示装置(電気光学装置)である液晶表示装置の好適な実施形態について説明する。
図7は、液晶表示装置の好適な実施形態を示す断面図である。同図に示すように、液晶表示装置60は、カラーフィルター1と、カラーフィルター1の着色部12が設けられた面側に配された基板(対向基板)66と、カラーフィルター1と基板66との間の空隙に封入された液晶よりなる液晶層62と、カラーフィルター1の基板11の液晶層62に対向する面とは反対の面側(図7中下側)に設けられた偏光板67と、基板66の液晶層62に対向する面とは反対の面側(図7中上側)に設けられた偏光板68とを有している。そして、カラーフィルター1の着色部12および遮光部13が設けられた面(着色部12および遮光部13の基板11に対向する面とは反対の面)には、共通電極61が設けられており、基板(対向基板)66の液晶層62、カラーフィルター1に対向する面には、カラーフィルター1の各着色部12に対応する位置に、マトリクス状に、画素電極65が配されている。さらに、共通電極61と液晶層62との間には配向膜64が設けられ、基板66(画素電極65)と液晶層62との間には配向膜63が設けられている。
基板66は、可視光に対して光透過性を有する基板であり、例えば、ガラス基板である。
共通電極61、画素電極65は、可視光に対して光透過性を有する材料で構成されたものであり、例えば、ITO等で構成されている。
また、図中省略しているが、各画素電極65に対応するように、複数のスイッチング素子(例えば、TFT:薄膜トランジスタ)が設けられている。そして、各着色部12に対応する各画素電極65について、共通電極61との間での電圧の印加状態を制御することにより、各着色部12(各画素電極65)に対応する領域での、光の透過性を制御することができる。
液晶表示装置60では、図示しないバックライトから発せられた光が、偏光板68側(図7中上側)から入射するようになっている。そして、液晶層62を透過し、カラーフィルター1の各着色部12(12A、12B、12C)に入射した光は、各着色部12(12A、12B、12C)に対応する色の光として、偏光板67(図7中下側)から出射する。
《電子機器》
前述したようなカラーフィルター1を有する液晶表示装置等の画像表示装置(電気光学装置)1000は、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図8は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が画像表示装置1000を備えている。
図9は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、画像表示装置1000を表示部に備えている。
図10は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、画像表示装置1000が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、上述したパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、携帯電話機、ディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビ(例えば、液晶テレビ)や、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。中でも、テレビは、近年の表示部の大型化の傾向が顕著であるが、このような大型の表示部(例えば、対角線長80cm以上の表示部)を有する電子機器では、従来のカラーフィルター用インクを用いて製造されるカラーフィルターを適用した場合、色むら、濃度むら等の問題を特に生じ易かったが、本発明を適用すれば、このような問題の発生を確実に防止することができる。すなわち、上記のような大型の表示部を有する電子機器に適用した場合に、本発明の効果は、より顕著に発揮される。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態では、着色部形成工程において、緑色の着色部、赤色の着色部、青色の着色部の順に形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、各色の着色部を任意の順で形成してもよい。
また、カラーフィルター、画像表示装置、電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。例えば、本発明のカラーフィルターにおいては、着色部の基板に対向する面とは反対の面側に、着色部を被覆する保護膜が設けられていてもよい。これにより、着色部の損傷や劣化等をより効果的に防止することができる。
また、前述した実施形態では、カラーフィルターが、光の三原色に対応する3種(3色)の着色部を備える場合について中心的に説明したが、着色部の色は、これら3種に限定されるものではない。例えば、本発明のカラーフィルターは、4種以上の着色部を備えるものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[1]カラーフィルターの製造
(実施例1)
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、緑色の着色部形成用組成物を、基板上に付与し、塗膜を形成する。なお、このような緑色の着色部形成用組成物は、以下のようにして得られる。まず、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート:20重量部と、メチルメタアクリレート:50重量部と、メタクリル酸:15重量部を、シクロヘキサノン:300重量部に添加し混合した。その後、アゾイソブチロニトリル:0.5重量部を加え、窒素雰囲気化で、温度:60℃の条件で10時間反応させた。その後、反応生成物を含む上記の溶液をn−ヘキサン中で沈殿精製、減圧乾燥し、反応生成物を得た。次に、このようにして得られた反応生成物:20重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントグリーン58:13.5重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1.5重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練し、緑色の着色部形成用組成物を得た。
このようにして得られた緑色の着色部形成用組成物を、1000rpm、60秒の条件でスピンコート法により、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、緑色の着色部を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された着色部の平均厚さは、2.1μmであった。
その後、緑色の着色部形成用組成物の代わりに赤色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部を形成した。さらに、その後、赤色の着色部形成用組成物の代わりに青色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部を形成した。なお、赤色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:16重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントレッド254:9重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。また、青色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:12重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントブルー15:6:7重量部と、C.I.ピグメントバイオレット23:0.8重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。
次に、形成された着色部に対してプラズマ処理を行い、撥液性を付与した後、図3〜図6に示すような液滴吐出装置を用いて、隣接する着色部間に、遮光部形成用組成物の液滴(インク)を吐出した。
このような遮光部形成用組成物(インク)としては、以下のようにして製造したものを用いた。
まず、樹脂材料としての樹脂Lを以下のようにして合成した。
四つ口フラスコに、n−ヘキサン:320重量部、メタアクリル酸:86重量部、トリエチルアミン:111重量部を投入した後、この四つ口フラスコに、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口を取り付けた。この四つ口フラスコを、氷水で冷却しつつ、トリメチルクロルシラン:120重量部を滴下した。この際、反応系内の温度が25℃以下となるようにした。その後、25℃で1時間反応を続けた。次に、トリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、得られたろ液から減圧下でn−ヘキサンを除去した後、減圧蒸留にて精製し、シリルアセテート構造を有するエチレン性不飽和単量体を得た。
次に、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口が取り付けられ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:100重量部を仕込んだ四つ口フラスコを用意した。この四つ口フラスコ内のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを攪拌しつつ60℃まで昇温した後、上記エチレン性不飽和単量体:27重量部と、メタアクリル酸グリシジル:30重量部と、スチレン:38重量部と、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):6重量部との混合物を1時間かけて滴下した。滴下後60℃にて1時間保持した後、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.08重量部を加え、さらに60℃で6時間反応させ、その後、未反応のモノマーを減圧処理により除去することにより、エポキシ構造を有するエポキシ系樹脂としての樹脂Lの溶液を得た。
一方、50重量部のジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用意し、これに、分散剤としてのディスパロンDA−703−50(楠本化成社製):3.6重量部、フローレンDOPA−22(共栄化学社製):1.2重量部と、カーボンブラック:6重量部とを添加した。その後、ビーズミル(ジルコニアビーズ:0.65mm使用)へ導入し、顔料の粉砕を行い、顔料分散液を得た。
その後、上記樹脂Lの溶液:4.4重量部と、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート:12重量部、顔料分散液:83.6量部とを混合することにより、遮光部形成用組成物を調製した。
その後、ホットプレート上にて60℃で30分間の加熱処理を施し、さらに200℃のオーブン内で1時間加熱処理を施すことにより、遮光部が形成された。これにより、図1に示すようなカラーフィルターが得られた。なお、カラーフィルター1の遮光部の平均厚さは、2.0μmであった。
上記のような方法を用いて、5000枚のカラーフィルターを製造した。
(実施例2)
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、青色の着色部形成用組成物を、基板上に付与し、塗膜を形成する。なお、このような緑色の着色部形成用組成物は、以下のようにして得られる。まず、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート:20重量部と、メチルメタアクリレート:50重量部と、メタクリル酸:15重量部を、シクロヘキサノン:300重量部に添加し混合した。その後、アゾイソブチロニトリル:0.5重量部を加え、窒素雰囲気化で、温度:60℃の条件で10時間反応させた。その後、反応生成物を含む上記の溶液をn−ヘキサン中で沈殿精製、減圧乾燥し、反応生成物を得た。次に、このようにして得られた反応生成物:20重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントブルー15:6:7重量部と、C.I.ピグメントバイオレット23:0.8重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練し、緑色の着色部形成用組成物を得た。
このようにして得られた青色の着色部形成用組成物を、1000rpm、60秒の条件でスピンコート法により、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、緑色の着色部を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された着色部の平均厚さは、2.1μmであった。
その後、青色の着色部形成用組成物の代わりに赤色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部を形成した。さらに、その後、赤色の着色部形成用組成物の代わりに緑色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして緑色の着色部を形成した。なお、赤色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:16重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントレッド254:9重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。また、緑色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:12重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントグリーン58:13.5重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1.5重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。
その後、形成された着色部に対してプラズマ処理を行い、撥液性を付与した後、実施例1と同様にして、遮光部を形成し、図1に示すようなカラーフィルターが得られた。なお、カラーフィルター1の遮光部の平均厚さは、2.0μmであった。
上記のような方法を用いて、5000枚のカラーフィルターを製造した。
(実施例3)
本実施例では、前述した図11に示すような構成のカラーフィルターを製造する。
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板11(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、基板11上に各色の着色部12を形成する。
まず、緑色の着色部形成用組成物を、基板11上に付与し、塗膜を形成する。なお、このような塗膜は、前記実施例1と同様の緑色の着色部形成用組成物および方法を用いて形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行った。これにより、緑色の着色部12Aと、基板11上の外周部に、後述する遮光部形成用組成物が基板11から流れるのを防止するための外周部の隔壁14とが形成される。なお、PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された着色部の平均厚さは、2.1μmであった。
その後、緑色の着色部形成用組成物の代わりに、赤色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部12Bを形成した。さらに、その後、赤色の着色部形成用組成物の代わりに青色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして青色の着色部12Cを形成するとともに、図11に示すように、基板11の中心で直交するような1行1列の着色部間の隔壁15を形成する。なお、赤色の着色部形成用組成物、青色の着色部形成用組成物としては、それぞれ、前記実施例1と同様にして得られる赤色の着色部形成用組成物、青色の着色部形成用組成物を用いた。このようにして形成された着色部は、個々の着色部の平均寸法が、540×300μmであった。また、平面視した際に、外周部の隔壁14の平均幅は、20μmであり、着色部間の隔壁15の平均幅は、10μmであった。
その後、形成された着色部に対してプラズマ処理を行い、撥液性を付与した後、実施例1と同様にして、遮光部を形成し、図1に示すようなカラーフィルターが得られた。なお、カラーフィルター1の遮光部の平均厚さは、2.0μmであった。このようにして得られるカラーフィルターは、遮光部の厚さが、ばらつきがなく、特に均一なものであるとともに、上述した外周部の隔壁14で囲まれた領域外に遮光部形成用材料の付着が認められないものであった。
上記のような方法を用いて、5000枚のカラーフィルターを製造した。
(比較例1)
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、カーボンブラックを含む遮光部形成用の感放射線性組成物を、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し、塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、遮光部を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された遮光部の平均厚さは、2.1μmであった。
次に、緑色の着色部形成用組成物を、基板上に付与し、塗膜を形成する。なお、このような緑色の着色部形成用組成物は、以下のようにして得られる。まず、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート:20重量部と、メチルメタアクリレート:50重量部と、メタクリル酸:15重量部を、シクロヘキサノン:300重量部に添加し混合した。その後、アゾイソブチロニトリル:0.5重量部を加え、窒素雰囲気化で、温度:60℃の条件で10時間反応させた。その後、反応生成物を含む上記の溶液をn−ヘキサン中で沈殿精製、減圧乾燥し、反応生成物を得た。次に、このようにして得られた反応生成物:20重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントグリーン58:13.5重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1.5重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練し、緑色の着色部形成用組成物を得た。
このようにして得られた緑色の着色部形成用組成物を、1000rpm、60秒の条件でスピンコート法により、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、緑色の着色部を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された着色部の平均厚さは、2.1μmであった。
その後、緑色の着色部形成用組成物の代わりに赤色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部を形成した。さらに、その後、赤色の着色部形成用組成物の代わりに青色の着色部形成用組成物を用いて、上記と同様にして赤色の着色部を形成した。なお、赤色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:16重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントレッド254:9重量部と、C.I.ピグメントイエロー138:1重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。また、青色の着色部形成用組成物は、上述した反応生成物:12重量部をシクロヘキサノン:100重量部に溶かし、C.I.ピグメントブルー15:6:7重量部と、C.I.ピグメントバイオレット23:0.8重量部とを添加し、3本ロールで十分に混練することにより得られるものである。
上記のような方法を用いて、5000枚のカラーフィルターを製造した。
(比較例2)
カラーフィルターの製造に先立ち、着色部形成用のインク(カラーフィルター用インク)を調整した。
<樹脂aの合成>
四つ口フラスコに、n−ヘキサン:320重量部、メタアクリル酸:86重量部、トリエチルアミン:111重量部を投入した後、この四つ口フラスコに、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口を取り付けた。この四つ口フラスコを、氷水で冷却しつつ、トリメチルクロルシラン:120重量部を滴下した。この際、反応系内の温度が25℃以下となるようにした。その後、25℃で1時間反応を続けた。次に、トリエチルアミンの塩酸塩を濾別し、得られたろ液から減圧下でn−ヘキサンを除去した後、減圧蒸留にて精製し、シリルアセテート構造を有するエチレン性不飽和単量体を得た。
次に、温度計、還流冷却器、撹拌機および窒素ガス導入口が取り付けられ、溶媒としての2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート:100重量部を仕込んだ四つ口フラスコを用意した。この四つ口フラスコ内の2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテートを攪拌しつつ60℃まで昇温した後、上記エチレン性不飽和単量体:27重量部と、メタアクリル酸グリシジル:30重量部と、スチレン:38重量部と、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):6重量部との混合物を1時間かけて滴下した。滴下後60℃にて1時間保持した後、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル):0.08重量部を加え、さらに50℃で25分間反応させ、その後、未反応のモノマーを減圧処理により除去することにより、シリルアセテート構造とエポキシ構造とを有するエポキシ系樹脂としての樹脂aの溶液を得た。
<カラーフィルター用インクの調整>
まず、100重量部の2−(2−メトキシ−1−メチルエトキシ)−1−メチルエチルアセテート(液性媒体)を用意し、これに、分散剤としてのDisperbyk−161(ビックケミー・ジャパン社製、シアメリド環を有する化合物):4.9重量部と、着色剤としてのC.I.ピグメントグリーン36:10.5重量部とを添加した。その後、ビーズミル(ジルコニアビーズ:0.65mm使用)へ導入し、顔料の粉砕を行い、顔料分散液を得た。
その後、上記樹脂aの溶液と、顔料分散液とを混合することにより、緑色のカラーフィルター用インク(グリーンインク(Gインク))を調製した。グリーンインク中におけるC.I.ピグメントグリーン36、ならびにC.I.ピグメントイエロー150が混在した系の平均粒径は、いずれも、160nmであった。
また、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36の代わりにC.I.ピグメントレッド254を用いた以外は、グリーンインクと同様にして赤色のカラーフィルター用インク(レッドインク(Rインク))を調製した。レッドインク中におけるC.I.ピグメントレッド254、およびC.I.ピグメントイエロー150が混在した粒子の平均粒径は、いずれも、160nmであった。
また、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36の代わりにC.I.ピグメントブルー15:6を用いた以外は、グリーンインクと同様にして青色のカラーフィルター用インク(ブルーインク(Bインク))を調製した。ブルーインク中におけるC.I.ピグメントブルー15:6の平均粒径は、160nmであった。
これにより、上記のような3種のインク(カラーフィルター用インク)からなるカラーフィルター用インクセットが得られた。
その後、このようにして得られた3色のインクを用いて、カラーフィルターを製造する。
まず、両面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO)膜が形成されたソーダガラス製の基板(G5サイズ:1100×1300mm)を用意し、洗浄処理を施した。
次に、カーボンブラックを含む遮光部形成用の感放射線性組成物を、洗浄済の基板の一方の面の全体に付与し、塗膜を形成した。
次に、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒という条件でプリベーク処理を行った。
その後、フォトマスクを介して、放射線を照射して、ポストエキスポジャーベーク処理(PEB)を行い、引き続き、アルカリ現像液を用いた現像処理を行い、さらに、ポストベーク処理を行うことにより、遮光部を形成した。PEBは、加熱温度:110℃、加熱時間:120秒、放射線照射強度:150mJ/cmという条件で行った。また、現像処理は、例えば、振動浸漬法により行った。現像処理時間は、60秒とした。また、ポストベーク処理は、加熱温度:150℃、加熱時間:5分という条件で行った。形成された遮光部の平均厚さは、2.1μmであった。
次に、図3〜図6に示すような液滴吐出装置を用いて、隔壁で囲まれた領域としてのセル内に、カラーフィルター用インクを吐出した。この際、3色のカラーフィルター用インクを用い、各色のカラーフィルター用インクが混色しないようにした。
その後、ホットプレート上にて100℃で10分間の加熱処理を施し、さらに200℃のオーブン内で1時間加熱処理を施すことにより、3色の着色部が形成された。これにより、図1に示すようなカラーフィルターが得られた。
上記のような方法を用いて、5000枚のカラーフィルターを製造した。
[2]カラーフィルターの評価
上記のようにして得られた各カラーフィルターを用いて、以下のような評価を行った。
[2.1]色むら、濃度むら
前記各実施例および各比較例のカラーフィルター用インク(インクセット)を用いて製造されたカラーフィルターのうち、それぞれ、5000枚目に製造されたカラーフィルターを用いて、同条件で図7に示すような液晶表示装置を製造した。
これらの液晶表示装置を用いて、暗室で、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示、白色の単色表示を行った状態で目視による観察を行い、各部位での色むら、濃度むらの発生状況を、以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:色むら、濃度むらが全く認められない。
B:色むら、濃度むらがほとんど認められない。
C:色むら、濃度むらがわずかに認められる。
D:色むら、濃度むらがはっきりと認められる。
E:色むら、濃度むらが顕著に認められる。
[2.2]コントラスト比の評価
[2.1]で製造した前記各実施例および各比較例の液晶表示装置について、下記に示すような評価を行った。液晶表示装置を用いて、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示を行い、コントラストテスター(壺坂電機社製、CT−1)を用いて、淡色表示を行っていない場合と比較してのコントラスト比(CR)を求め、下記のようにして評価を行った。
赤色の単色表示の場合、以下の3段階の基準に従い、評価した。
A:CRが3200以上。
B:CRが2000以上3200未満。
C:CRが2000未満。
緑色の単色表示の場合、以下の3段階の基準に従い、評価した。
A:CRが11000以上。
B:CRが5500以上11000未満。
C:CRが5500未満。
青色の単色表示の場合、以下の3段階の基準に従い、評価した。
A:CRが2900以上。
B:CRが2600以上2900未満。
C:CRが2600未満。
[2.3]明度の評価
[2.1]で製造した前記各実施例および各比較例の液晶表示装置について、下記に示すような評価を行った。液晶表示装置について、赤色の単色表示、緑色の単色表示、青色の単色表示を行い、色度計(ミノルタ社製、CM−3700d)を用いて、xyY表色法による三刺激値を求め、以下の5段階の基準に従い、評価した。
A:明度Yが61.0以上。
B:明度Yが59.0以上61.0未満。
C:明度Yが57.0以上59.0未満。
D:明度Yが55.5以上57.0未満。
E:明度Yが55.5未満。
なお、上記の各評価においては、各カラーフィルターについて、同様の条件で観察、測定を行った。
これらの結果を、表1に示す。
Figure 2009282096
表1から明らかなように、本発明では、得られたカラーフィルターは、明度、コントラスト比に優れたものであった。また、本発明のカラーフィルターは、色むら、濃度むら、光漏れの発生が抑制されていた。これに対し、各比較例では、満足な結果が得られなかった。また、本発明で得られたカラーフィルターは、各比較例で得られたカラーフィルターに比べて、鮮明なものであった。
また、市販の液晶テレビを分解し、液晶表示装置部分を、上記のようにして製造したものと交換して、上記と同様の評価を行ったところ、上記と同様な結果が得られた。
本発明のカラーフィルターの好適な実施形態を示す断面図である。 カラーフィルターの製造方法を示す断面図である。 カラーフィルターの製造に用いる液滴吐出装置を示す斜視図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出手段をステージ側から観察した図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドの底面を示す図である。 図3に示す液滴吐出装置における液滴吐出ヘッドを示す図であり、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。 液晶表示装置の実施形態を示す断面図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 カラーフィルター基板上の着色部のパターンの一例を示す平面図である。
符号の説明
1…カラーフィルター 11…基板 12…着色部 12A…第1の着色部 12B…第2の着色部 12C…第3の着色部 13…遮光部 14…外周部の隔壁 15…着色部間の隔壁 20、20A…塗膜 3…インク 60…液晶表示装置 61…共通電極 62…液晶層 63、64…配向膜 65…画素電極 66…基板(対向基板) 67、68…偏光板 100…液滴吐出装置 101…タンク 102…吐出走査部 103…液滴吐出手段 104…第1位置制御装置 105…キャリッジ 106…ステージ 108…第2位置制御装置 110…チューブ 112…制御手段 114…液滴吐出ヘッド(インクジェットヘッド) 116A、116B…ノズル列 118…ノズル 120…キャビティ 122…遮光部 124…振動子 124A、124B…電極 124C…ピエゾ素子 126…振動板 127…吐出部 128…ノズルプレート 129…液たまり 130…供給口 131…孔 1000…画像表示装置 1100…パーソナルコンピュータ 1102…キーボード 1104…本体部 1106…表示ユニット 1200…携帯電話機 1202…操作ボタン 1204…受話口 1206…送話口 1300…ディジタルスチルカメラ 1302…ケース(ボディー) 1304…受光ユニット 1306…シャッタボタン 1308…回路基板 1312…ビデオ信号出力端子 1314…データ通信用の入出力端子 1430…テレビモニタ 1440…パーソナルコンピュータ

Claims (13)

  1. 複数色の着色部を備えたカラーフィルターの製造方法であって、
    基板を準備する基板準備工程と、
    前記基板上にフォトリソグラフィー法を用いて複数色の着色部を形成する着色部形成工程と、
    前記基板上の隣接する前記着色部間に、遮光材料を含むインクをインクジェット方式で付与するインク付与工程と、
    吐出された前記インクを乾燥させて、遮光部を形成する遮光部形成工程とを有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、赤色、緑色、および青色の着色部を有するものであり、
    前記複数色の着色部は、フォトリソグラフィー法を用いて、緑色の着色部、赤色の着色部、青色の着色部の順に形成される請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 複数種の着色剤を含む着色部形成用組成物を用いて、前記複数色の着色部のうち少なくとも一色の着色部を形成する請求項1または2に記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、緑色の着色部を有し、
    前記緑色の着色部は、着色剤として、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン36のうち少なくとも一方を含む緑色着色部形成用組成物を用いて形成されたものである請求項1ないし3のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 前記緑色着色部形成用組成物は、着色剤として、さらにC.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものである請求項4に記載のカラーフィルターの製造方法。
  6. 前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、赤色の着色部を有し、
    前記赤色の着色部は、着色剤として、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド254のうち少なくとも一方を含む赤色着色部形成用組成物を用いて形成されたものである請求項1ないし5に記載のカラーフィルターの製造方法。
  7. 前記赤色着色部形成用組成物は、着色剤として、さらにC.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー138、およびC.I.ピグメントイエロー139から選択される少なくとも一種を含むものである請求項6に記載のカラーフィルターの製造方法。
  8. 前記カラーフィルターは、前記複数色の着色部として、青色の着色部を有し、
    前記青色の着色部は、C.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23とを含む青色着色部形成用組成物を用いて形成されたものである請求項1ないし7のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
  9. 前記インクは、カーボンブラックを含む遮光材料と、当該遮光材料を分散させる分散媒と、バインダー樹脂とを含むものである請求項1ないし8のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のカラーフィルターの製造方法を用いて製造されたことを特徴とするカラーフィルター。
  11. 前記遮光部の高さは、前記複数色の着色部の高さよりも低いものである請求項10に記載のカラーフィルター。
  12. 請求項11に記載のカラーフィルターを備えたことを特徴とする画像表示装置。
  13. 請求項12に記載の画像表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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