JP4835154B2 - カラーフィルタ製造用テストパターン基板 - Google Patents
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Description
まず、本発明のカラーフィルタ製造用テストパターン基板の第1実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板は、撥液性領域中に、インクジェットノズルから着色層形成用塗工液を塗布するための親液性パターンがパターン状に形成されているものであって、円形状に形成された上記親液性パターンが、ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されている第1パターン、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と相似形状に形成された上記親液性パターンが、上記ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されている第2パターン、円形状に形成された上記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されている第3パターン、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と同一の形状に形成された上記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されている第4パターンからなる群から選択される少なくとも2つのテストパターンを有することを特徴とするものである。
本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板は、撥液性領域中に、インクジェットノズルから着色層形成用塗工液を塗布するための親液性パターンがパターン状に形成されているものであって、所定の形状に形成された上記親液性パターンが、所定の領域に配置されている上記4つのテストパターンのうち、少なくとも2つ以上のテストパターンが形成されているものである。
本実施態様における第1パターンは、円形状に形成された上記親液性パターンが、ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されているテストパターンである。
次に、本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板に形成される第2パターンについて説明する。上記第2パターンは、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と相似形状に形成された上記親液性パターンが、上記ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されているテストパターンである。
次に、本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板に形成される第3パターンについて説明する。本実施態様における第3パターンは、円形状に形成された上記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されているテストパターンである。上記第3パターンは、実際に上記着色層を形成する際の各着色層形成用領域に吐出される着色層形成用塗工液の量を検査するのに有用である。これは、上記親液性パターンが円形とされていることから、上記親液性パターンに塗布された着色層形成用塗工液の塗布量を、親液性パターン上の着色層形成用塗工液の体積等から容易に求めることが可能であり、また上記親液性パターンが製造されるカラーフィルタの上記着色層のピッチに合わせて配置されていることから、実際に着色層を形成する際と同様の条件によって着色層形成用塗工液を塗布することが可能となることによるものである。
次に、本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板に形成される第4パターンについて説明する。本実施態様における第4パターンは、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と同一の形状に形成された上記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されているテストパターンである。上記第4パターンは、実際に着色層を形成した際に、形成される着色層に色ムラや白抜け等の不具合が生じるか否かを検査するのに有用である。
次に、本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板について説明する。本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板は、上記第1パターン、第2パターン、第3パターン、および第4パターンからなる群から選択される少なくとも2つのテストパターンを有するものであればよく、例えば上記親液性パターン領域以外の領域に、例えばブラックマトリクス等の他の部材が形成されているものであってもよい。なお、このようなブラックマトリクス等の他の部材は、一般的なカラーフィルタ製造用テストパターン基板に形成されるものと同様とすることができる。
次に、本発明のカラーフィルタ製造用テストパターン基板の第2実施態様について説明する。本実施態様のカラーフィルタ製造用テストパターン基板は、撥液性領域中に、インクジェットノズルから着色層形成用塗工液を塗布するための親液性パターンがパターン状に形成されているカラーフィルタ製造用テストパターン基板であって、上記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と相似形状に形成されており、かつ上記親液性パターンが上記ノズルピッチに合わせて配置されていることを特徴とするものである。
(カラーフィルタ製造用テストパターン基板の作製)
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィー法にて樹脂製のブラックマトリクス(膜厚1.5μm)を形成した。ブラックマトリクスを用いて下記の4種類のパターンを形成した。まず、第1パターンとして、開口部を直径120μmの円形とし、この開口部をインクジェットヘッドのノズルピッチである150μmピッチにて横方向に1列に1000個、縦方向に500μmピッチで100列形成した。
続いて、第2パターンとして、開口部を製造されるカラーフィルタの開口部と同様の形状である100μm×300μmとし、これをインクジェットヘッドのノズルピッチである150μmピッチに横方向に1列に1000個配置し、これを縦方向に500μmピッチにて100列形成した。
さらに、第3パターンとして、開口部を直径120μmの円形とし、これを製造されるカラーフィルタの着色層のピッチである横150μm、縦350μmにて横に1000個、縦に100列形成した。
また第4パターンとして、開口部、配列ピッチともに製造されるカラーフィルタと同様の開口部、すなわち開口部の大きさを100μm×300μmとし、これをカラーフィルタの着色層のピッチである横150μm、縦350μmにて横に1000個、縦に100列形成した。
上記カラーフィルタ製造用テストパターン基板に対し、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、ブラックマトリクスの表面を撥液性に、それ以外の部分(開口部)を親液性とした。このとき表面張力40mN/mの液体との接触角は、ブラックマトリクス上で65°、開口部で10°であった。これにより、撥液性領域中に親液性パターンが形成されたカラーフィルタ形成用パターン基板が得られた。
上記カラーフィルタ製造用テストパターン基板の第1パターンに対し、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布した。塗工液はカラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等からなるRGB各色の顔料分散型インクを用い、第1パターンの1つの親液性パターンあたり130滴にて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計した。このときのインクジェットヘッドへの印加電圧は75V、パルス幅は6μsであった。インクジェットヘッドは1ヘッドに対し100ノズルを有するものを用い、1色につき1ヘッド、すなわちRGB3色にて3ヘッドを用いた。塗布はブラックマトリクスの1つの開口部(1画素)あたり1ノズルが配置されるように位置決めして行い、かつ着色層形成用塗工液の吐出液滴が上記親液性パターン内に着弾するように行った。この際、ヘッド角度等を調整することなく、容易にノズルと開口部の位置を合わせることができた。
上記手法にて、3枚のカラーフィルタ製造用テストパターン基板に、第1パターンの1つの親液性パターンあたり、100滴、120滴、140滴の着色層形成用塗工液を着弾させた。着色層形成用塗工液は横方向にRGBの順に繰り返し配置し、縦方向には同色が並ぶように配置した。各色の着色層形成用塗工液は親液性パターン全域に塗れ広がり、かつ異なる色同士が混色することは無かった。
その後、上記着色層形成用塗工液を着弾させた基板を120℃のホットプレートに設置し、10分間プリベイクした。プリベイク後の着色層形成用塗工液は、先端の直径が12μmの針で5mgの圧力にて表面を触針しても傷が入らない程度に固化し、混色しない状態であった。
上記着色層形成用塗工液を第1パターン上に塗布した3種類のカラーフィルタ製造用テストパターン基板の、各画素の分光光度を、大塚電子製顕微鏡型分光光度計LCF−seriesにて測定し、測定値より色度Rx、Gy、Byを算出した。各画素すなわちインクジェットヘッドの各ノズルから吐出する吐出液滴数と色度の関係を求め、検量線を作成した。
さらに、上述したカラーフィルタ製造用テストパターン基板を作製し、上記と同様の方法により、第1パターンの各親液性パターンあたり130滴のインク液滴を着弾させ、プリベイクを実施し、これを検量線の作成にて記載した手法と同手法にて各画素の分光光度を測定し、色度分布を算出した。この色度分布に対し、検量線より、各画素の色度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴量を算出した。
上記第1パターンを用いて算出された液滴量から、各親液性パターンに必要とされる液滴数を算出し、この液滴数に基づいて、着色層形成用塗工液をカラーフィルタ用テストパターン基板の第2パターンに対して着弾させた。上述した方法と同様の方法により、プリベイク、分光光度測定、および色度の算出を行った。この結果、各親液性パターンにおいて開口部の4隅に白抜けが発生、色度も目標値に対し、Rx、Gy、Byともに0.001〜0.003足りないことがわかった。その後、上記第1パターンを用いて形成した検量線に基づき、必要とされる液滴数を算出し、開口部に白抜けの無い状態とした。
次に、インクジェットヘッドのノズルのピッチを、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせるべく、ヘッド角度を調整した。カラーフィルタ製造用テストパターン基板の第3パターンを用い、インクジェットのノズルのピッチと第3パターンの円形状の親液性パターンのピッチが一致するように配置し、上記吐出量の微調整で導出した吐出条件にて着色層形成用塗工液を塗布した。
上記と同様の方法によりプリベイク、分光光度測定、色度の算出を行った結果、色度の分布が無いことを確認した。
カラーフィルタ形成用テストパターン基板の第4パターンに対し、第3パターンと同様の吐出条件にて吐出を実施した。上記と同様の手法にてプリベイク、分光光度測定、色度の算出を行った結果、色度の分布は無く、かつ白抜け等の外観不良も無いことを確認した。
カラーフィルタ作製用条件を整えることができた。
各ノズルより、カラーフィルタ製造用テストパターン基板の第4パターン上に着色層形成用塗工液を塗布した際と同条件にて、実際にカラーフィルタを製造するためのカラーフィルタ形成用基板に着色層形成用塗工液を着弾させ、上記と同様の手法にてプリベイクし、ポストベイクを240℃、30分間行うことにより、色ムラ、輝度ムラの少ないカラーフィルタを作製することができた。
カラーフィルタを連続して製造した結果、250枚目において、基板引き抜きによる目視検査により濃淡のムラが検出された。そこで、生産を一時停止し、上記カラーフィルタ製造用テストパターン基板の第4パターンに対し、調整時と同様の吐出条件にて吐出を実施し、上記と同様の手法にてプリベイク、分光光度測定、色度の算出を行い、色度の分布を検出した。この色度分布に対し、上記方法により得られた検量線より、各画素の色度の差を無くすために必要な各ノズルからの液滴量を算出した。各ノズルより算出した液滴数に基づいた液滴数にて、上記第4パターンに、再度着色層形成用塗工液を着弾させ、上記と同様の手法にてプリベイク、分光光度測定、色度の算出を行った。この結果、色度の分布が収束した。
上記方法により導出した条件を用いてカラーフィルタの作製を再開した。カラーフィルタ形成用基板を使用することなく、テストパターンにおいて吐出条件を調整することができた。
(カラーフィルタ製造用テストパターン基板の作製)
カラーフィルタ用ガラス材として用いられている厚み0.7mm、横370mm、縦470mmのCorning社製EAGLE2000を用意し、このガラス基材上にフォトリソグラフィー法にて樹脂製のブラックマトリクス(膜厚1.5μm)を形成した。ブラックマトリクスは下記のパターンとした。開口部をカラーフィルタの開口部(170μm×510μm)と相似形状の100μm×300μmとし、これをインクジェットヘッドのノズルピッチである150μmピッチに横方向に1列に1000個配置し、これを縦方向に500μmピッチにて100列形成した。その後、実施例1と同様に、上記ブラックマトリクス上を撥液性、開口部を親液性とし、本発明のカラーフィルタ製造用テストパターン基板が得られた。
(上記カラーフィルタ製造用テストパターン基板を用いた色度の調整)
上述した第1実施態様と同様の方法により、色度の検量線を作成し、色度による検査および吐出液滴数の調整を行った。これにより得られた調整条件にてカラーフィルタを製造したところ、色度ムラや輝度ムラのない、カラーフィルタとすることができた。
2 …親液性パターン
Claims (2)
- 撥液性領域中に、インクジェットノズルから着色層形成用塗工液を塗布するための親液性パターンがパターン状に形成されてなるカラーフィルタ製造用テストパターン基板であって、
円形状に形成された前記親液性パターンが、ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されている第1パターン、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と相似形状に形成された前記親液性パターンが、前記ノズルピッチの整数倍に合わせて配置されている第2パターン、円形状に形成された前記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されている第3パターン、製造されるカラーフィルタの着色層の形状と同一の形状に形成された前記親液性パターンが、製造されるカラーフィルタの着色層のピッチに合わせて配置されている第4パターンからなる群から選択される少なくとも2つのテストパターンを有することを特徴とするカラーフィルタ製造用テストパターン基板。 - 前記第1パターン、前記第2パターン、および前記第3パターンの3つのテストパターンを有することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ製造用テストパターン基板。
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