JP5239984B2 - 吐出パターンの生成方法、生成装置、カラーフィルタ及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

吐出パターンの生成方法、生成装置、カラーフィルタ及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット印刷法を使用してディスプレイの表示画面用着色パターンを形成するにあたり、この表示画面を構成する各画素(セル)ごとにその特定する吐出パターンを生成する方法に関するものである。また、加えて、本発明は、この方法を実行する装置を提供する。本発明に係る表示画面用着色パターンとは、例えば、カラーの液晶ディスプレイに利用されるカラーフィルタであり、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイに適用される有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)である。
例えば液晶ディスプレイに利用されるカラーフィルタは、従来、フォトリソグラフィー工程を繰り返す顔料分散法等が用いられてきた。しかし、そのコストダウン化を図るために、近年は工程数が少なく、カラーフィルタの各着色層を同時に形成することが可能なインクジェット装置を用いたインクジェット印刷法が検討されている。
この方法でカラーフィルタを製造する際には、まず、その基板に隔壁を設けて基板表面を多数の領域に区分し、こうして隔壁で区切った領域をセルとする。そして、これら多数のセルのうち一方向に直線状に並ぶ複数のセルの列をセルラインとして、このセルラインに沿ってインクジェットノズルを走査しながら、このノズルからカラーフィルタの各色に対応する着色インクを吐出し、これらセルを着色する。そして、一つのセル当たり複数回の吐出を繰り返して、これら各セルに必要な濃度の着色層を形成する。なお、前記隔壁は、吐出された着色インキが隣接するセルに流れ込むことを防ぐ役割を果たすものである。
一方、カラーフィルタとしては、画像表示装置等の高解像度化、それに伴う高精細化によって、年々微細化する傾向にある。カラーフィルタの画素の微細化に従って、インクジェットで塗工するパターンピッチは狭くなっていくため、インクジェットノズルからのインキの吐出量を少量でかつ均一となるように高い精度で制御する必要がある。このため、インクジェット装置を用いたカラーフィルタの製造方法においては、まず、複数のインクジェットノズルをノズルヘッドに設け、こうして複数のノズルを搭載したノズルヘッドをさらに集合整列させてノズルヘッドユニットとしている。そして、このノズルヘッドユニットを前記セルラインに沿って走査しながら着色インクを吐出してカラーフィルタを印刷するのである。したがって、この場合、前記セルラインは複数のインクジェットノズルので構成されるインクジェットノズルセットから吐出されたインクで着色されることになる。言い換えると、完成したカラーフィルタの前記セルラインに属するセルは、同一のインクジェットノズルセットから吐出されたインクで構成されるのである。
しかしながら、インクジェットノズルはそれぞれ個性をもっており、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ)は、それぞれのノズルによってわずかに異なる。また、これに伴い、それぞれのインクジェットノズルセットによって形成される前記セルラインに付着する着色インクの量は、対応するインクジェットノズルセットによってわずかに異なる。このため、単位ドロップの多いインクジェットノズルセットによって形成されたセルラインの濃度は高く、他方、単位ドロップの少ないインクジェットノズルセットによって形成されたセルラインの濃度は低くなり、この差が視覚的に各画素間の色ムラとして現われ、カラーフィルタの品質および歩留まりを低下させる原因となっていた。
そこで、単位ドロップの少ないインクジェットノズルセットを適用するセルラインにつ
いては、吐出回数を増やすことも考えられるが、吐出回数を増やせばこのインクジェットノズルによって形成されたセルラインの濃度は高くなるため、要求品質に適合せず、また、別の色ムラが発生する結果となる。
このような問題を解決するため、セルラインを構成する複数のセルを特定領域と非特定領域とに区別し、この特定領域に吐出する回数を非特定領域に吐出する回数と変えて、セルライン全体として、要求品質に適合する着色層を形成する方法が提案されている(特許文献1)。そして、この方法によれば、特定領域と非特定領域との配置は乱数によって決定される。このため、画面全体を観察したときに各セルの濃淡の違いは認識されないのである。
特開2007−178956号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、特定領域と非特定領域との配置は乱数を用いて決定することから、各セルの濃淡の違いによって、その振幅スペクトルに、人間の目にノイズとして検知される周波数成分が含まれることがある。この結果、視覚的にざらつき感を与えるという問題があった。
なお、カラーフィルタの場合、視覚的にざらつき感を与えるセルのピッチは数100μm程度であるため、カラーフィルタからそのざらつき感を取り除くことは極めて困難なのである。
そこで、本発明は、色ムラを低減し、かつ、視覚的なざらつき感を抑えた高品質なカラーフィルタ及び有機機能性素子を製造することができる吐出パターン生成方法を提供することを課題としている。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
基板表面が多数のセルに区分されており、これら多数のセルのうち直線上に並ぶ複数のセルの列をセルラインとして、このセルラインに沿ってインクジェットノズルを走査しながらこのノズルから着色インクを吐出しこれらセルを着色して、ディスプレイの表示画面用着色パターンを形成するにあたり、各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とに基づいて、前記着色インクの吐出回数をノズルの着弾位置ごとに特定する吐出パターンを生成する方法であって、
前記単位ドロップ量に基づいて、各セルに必要な着色インクの量の平均を、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分し、
この調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって、前記セルライン方向と、前記セルライン方向と交差する方向との2方向の各着弾位置に振り分けることにより標準ドロップ量を調整して吐出パターンを生成することを特徴とする吐出パターンの生成方法である。
この発明によれば、1回の吐出によって付着させることのできない半端な量のインクについて前記セルライン方向と、前記セルライン方向と交差する方向との2方向の各着弾位置に割り当て、これを前記標準ドロップ量に振り分ける吐出パターンを生成しているから、画面全体を観察したときに各セルの濃淡の違いは認識されず、しかも、前記割り当てを多値誤差拡散法によって行っているから、画面の粒状度を低下させて、視覚的なざらつき感を抑えることが可能となる。
次に、請求項2に記載の発明は、特定の多値誤差拡散法を利用することにより、さらに画面の粒状度を低下させ、一層そのざらつき感を抑えることを可能としたものである。
すなわち、請求項2に記載の発明は、前記多値誤差拡散法が誤差拡散フィルタを用いる方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法である。
また、請求項3に記載の発明は、前記誤差拡散フィルタが2行3列のフィルタであり、その1行目の係数を左から順番にA,B,C、2行目の係数を左から順番にD,E,Fとし、着目セルをB、拡散対象となるセルをC,D,E,Fとするとき、次の2つの式を充足するものであることを特徴とする請求項2に記載の方法である。
C=D<E
F=0
請求項3に記載の発明によれば、隣接する開口部間の色ムラを低減し、かつざらつき感を低減することができる。
また、請求項4に記載の発明は、前記誤差拡散フィルタの係数が、C=2,D=2,E=7,F=0であることを特徴とする請求項3に記載の方法である。この発明によれば、数100μmピッチで並ぶ開口部からなるパターンを、ディスプレイの一般的な観察距離(250mmから1000mm)で観察した際の色ムラとざらつき感を同時に低減することができる。
次に、請求項5に記載の発明は、請求項1の生成方法を実行する装置に関するものである。
すなわち、請求項5に記載の発明は、基板表面が多数のセルに区分されており、これら多数のセルのうち直線上に並ぶ複数のセルの列をセルラインとして、このセルラインに沿ってインクジェットノズルを走査しながらこのノズルから着色インクを吐出しこれらセルを着色して、ディスプレイの表示画面用着色パターンを形成するにあたり、各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とに基づいて、前記着色インクの吐出回数を着弾位置ごとに特定する吐出パターンを生成するする装置であって、
各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とを記憶するデータベースと、
前記単位ドロップ量に基づいて、各セルに必要な着色インクの量の平均を、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分すると共に、
この調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって前記セルライン方向と、前記セルライン方向と交差する方向との2方向の各着弾位置に振り分けることにより標準ドロップ量を調整して吐出パターンを生成する演算装置と、
を備えることを特徴とする吐出パターン生成装置である。
以上のように、本発明によれば、画面全体を観察したときにそのむらを観察できず、しかも、視覚的なざらつき感を抑えることが可能となるという効果を奏する。
インクジェット印刷装置の全体構成を示す概略図 シェアウェーブモードのインクジェットノズルヘッドのノズル概略図 シェアウェーブモードのインク吐出動作フローチャート インクジェットノズルヘッドの複数のノズルから、インクを吐出するノズルを選択する概略図 本発明に係る平均吐出回数の求め方を説明するための図 本発明に係る調整吐出回数の配置例を示す図 本発明に係わる単位ドロップとの差を配分するフィルタの係数例を示す図 VTF曲線を表す図 色ムラの周期を表す概念図 本発明に係わる単位ドロップとの差を配分するフィルタの係数例を示す図 色ムラ調整を行う前後の隣接輝度差のヒストグラムを示す図 濃度分布の測定結果より求めた粒状度の比較を示す図
(インキジェット印刷法)
本発明に係る吐出パターンの生成技術を説明するに先立ち、その前提となるインキジェット印刷法について、カラーフィルタを印刷する場合を例として説明する。
図1は、インキジェット印刷装置の全体構成の一例である。インキジェット印刷装置には、インクジェットノズルヘッドユニット2が搭載されており、このインクジェットノズルヘッドユニット2にはインクジェットノズルヘッド1が複数個配列されている。また、このインクジェットノズルヘッド1には複数のインクジェットノズルが複数列組み合わせて配置されている。特定のノズルヘッド1に属する複数列のノズルは、同一色の着色インクを吐出するもので、したがって、着色インクの色彩の数と同一かそれ以上の数のノズルヘッド1がヘッドユニット2に搭載されている。一般に、ディスプレイ用のカラーフィルタは赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の三色で構成されることから、ノズルヘッド1の数も3以上である。
そして、印刷対象の基板を基板置き台3に載置し、ヘッドユニット2を主走査方向に移動させながら、この基板上に画像描画を行って、カラーフィルタを製造する。このとき、この主走査方向に沿ってセルラインが発生する。すなわち、特定のインクジェットノズルは、前記ヘッドユニットの移動と共に主走査方向に移動しながら着色インクを吐出して印刷するから、このインクジェットノズルによって印刷された部分はその移動方向、すなわち、主走査方向に沿った直線状に配置され、セルラインを構成するのである。主走査方向の印刷が終了した後、ヘッドユニット2を1ピッチ副走査方向に移動させ、再び主走査方向に印刷する。
なお、印刷対象の基板は、この印刷に先立ち、その表面に隔壁を設けて、この隔壁によって多数のセルに区分しておくことが望ましい。そして、基板置き台3は、主走査方向と直行する副走査方向に移動可能であり、さらにθ方向に回転可能に構成されている。θ方向に回転可能なため、基板置き台の上に置かれた基板の隔壁とインクジェットノズルヘッドユニットを平行に合わせることができ、副走査方向に動作させることで画像描画を行うことができる。また、基板置き台には図示されていないが吸着機構を備えており、基板置
き台におかれた基板を固定することが可能である。
次に、ノズルヘッド1は、複数のノズルが配置された構成のものであれば適用可能であるが、例えば、図2のように、一列に配置されたノズルが、複数組み合わされているものを用いることができる。図2はインクジェットノズルヘッド1の断面図の模式図であり、複数のノズルが行に沿って配列しており、この行が3列組み合わされている。そして、これらのノズルの位置は、その行によって少しずつずれている。そして、同一の行に属する複数のノズルは、同一のタイミングで着色インクを吐出し、異なる行に属する複数のノズルは、異なるタイミングで着色インクを吐出する。すなわち、各行をノズルA相、ノズルB相、ノズルC相(以下A相、B相、C相と記す)と呼ぶと、インキが吐出されるタイミングはA相、B相、C相の順でずれる。この方式(シェアウェーブモード)では各ノズルの間隔、A相とB相との間隔、B相とC相との間隔を狭めることができ、高密度なインクジェットノズルヘッドとすることができるために、高精細な吐出パターン形成が必要なカラーフィルタの製造に適している。
そして、各相に属するノズルの吐出タイミングを制御するため、このインクジェットノズルヘッド1は、A相、B相、C相に対応するバッファ(ラインバッファ)を備えていて、各相のラインバッファは相互に情報を転送することができる。このインクジェットノズルヘッドから吐出されるまでの簡単な動作フローを図3に示す。
すなわち、まず、A相ラインバッファが、吐出パターン情報を受けとり、その転送された情報のうちA相に関する情報に基づいてA相インキ吐出口から吐出を開始する。また、A相インキ吐出口から吐出開始と同時に、吐出パターン情報をA相ラインバッファからB相ラインバッファに転送する。A相インキ吐出口から吐出終了後、B相インキ吐出口は、転送された吐出パターン情報のうちB相に関する情報に基づいて吐出を開始する。また、B相インキ吐出口から吐出開始と同時に、吐出パターン情報をB相ラインバッファからC相ラインバッファに転送する。B相インキ吐出口から吐出終了後、C相インキ吐出口は、転送された吐出パターン情報のうちC相に関する情報に基づいて吐出を開始する。C相インキ吐出口から吐出終了後、ラインカウンターにて設定回数ライン吐出を行ったかどうかの判定を行い、設定回数の吐出が行なわれていなければ、吐出パターン情報をA相ラインバッファに転送する。再び、A相インキ吐出口は吐出パターン情報に基づいて吐出開始する。以下、前述した動作をライン数分繰り返し行い、カラーフィルタの着色パターンを形成する。
なお、吐出パターン情報に基づいてノズルヘッド1のノズルからインキを吐出するためには、インクジェット印刷装置にインクジェットノズルヘッドコントローラー4を接続すればよい。このコントローラー4には、特定のノズルの吐出についての吐出パターン情報と、ノズルヘッドを駆動させるインクジェットノズルヘッドパラメータ情報とが格納されており、ノズルヘッド1と基板との相対的な位置関係に基づいて適切なタイミングで前記吐出パターン情報を各ノズルに転送し、インクジェットノズルヘッドパラメータ情報に基づいて吐出する。
なお、前記インクジェットノズルヘッドパラメータ情報として、インクジェットノズルヘッドごとに最適の電圧値のパラメータを設定できることが好ましい。全てのインクジェットノズルヘッドの駆動電圧を同じ値に設定すると、インクジェットノズルヘッドから吐出される液滴の量が個体差により変わるため、基板内にインキを均一に吐出することができなくなるおそれがある。ノズルヘッド1ごとに最適の電圧値のパラメータを設定できるようにすることによって、ノズルヘッド1ごとの吐出量を制御することが可能となり、各セルの吐出量を調整することができる。
また、前記位置関係は、予め入力された基板の位置情報と、ノズルヘッド1の位置情報に基づいて算出するものである。基板の位置情報としては、予め基板に設けられた隔壁パターンのピッチ、目的とするカラーフィルタのサイズ、画素部のパターン(ストライプ配列、セル配列、モザイク配列等の情報配列パターンを含む)等がある。また、ノズルヘッド1の位置情報としては、ノズルヘッド1や置き台の移動量等がある。
そして、このノズルヘッド1の位置情報から、それぞれのノズルから吐出されるインキの着弾位置を算出して、その着弾位置が目的とするセルの内部に位置するか否かを判断し、その着弾位置が適切と判断されたノズルのみを使用して前記吐出パターン情報を生成することが望ましい。着弾位置が不適切とされる場合には、例えば、そのノズルが物理的に吐出できないものである場合、そのノズルが目的とするセルに対面していない場合、あるいは、ノズルが斜め方向を向いていて、目的とするセルの外に着弾する場合などがある。
図4は、それぞれのノズルの着弾位置が適切か否かを判断して、インクを吐出するノズルを選択する方法を説明するための概略図である。ノズルヘッドのノズル5のうち、カラーフィルタ基板のセルの直上部にあたるノズルについては着弾位置が適切と判断し、インクを吐出するノズルとして選択される。他方、それ以外のノズルは不適切と判断し、インクを吐出しないノズルとされる。そして、これらの結果に基づいて選択された複数のノズルが、セルラインを形成するノズルセットとなる。これら複数のノズルのそれぞれに対応する着弾位置は、後述する調整工程において「画素」として扱われる。
(標準標準ドロップ量及び調整標準ドロップ量の算出)
次に、本発明の吐出パターンを生成する際に必要な標準標準ドロップ量と調整標準ドロップ量の算出方法を説明する。
いうまでもなく、特定のセルラインに属するセルは、すべて、設計値とおりの着色濃度を有することが望ましい。この場合、これらセルは、すべて、同一の着色濃度を有することになる。
ところで、各セルに吐出された着色インクの量は1回の吐出によってノズルから基板に吐出される着色インクの量(単位ドロップ量)と、吐出回数すなわちノズルから吐出された液滴の数(ドロップ数)によって決定されるから、各セルに吐出された着色インクの量は単位ドロップ量の整数倍でなければならない。そして、各セルの着色濃度は、各セルに吐出された着色インクの量と着色インクの濃度とで決定されるから、その着色濃度も単位ドロップ量によって制約される。したがって、各セルの着色濃度として任意の値を選択できるわけではない。そこで、着色濃度の設計値に対応する着色インクの量は、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分することができる。もちろん、調整ドロップ量は、1回の吐出によってノズルから基板に吐出される着色インクの量(単位ドロップ量)より少ない量である。後述する仮設例では、単位ドロップ量が9.8pl、調整ドロップ量は0.8plである。
そこで、本発明においては、調整ドロップ量を、そのセルラインに属する着弾位置に振り分けて、セルライン全体として前記設計値とおりの着色濃度を実現する。
ところで、前記単位ドロップ量については規格値があるものの、ノズルの個性に応じてこの規格値とはわずかに異なることが多い。そこで、まず、それぞれのノズルの単位ドロップ量を、実験によって算出する。
図5は単位ドロップ量の求め方を説明する図である。図5はRGBセルの配列を模式図
で示しており、主走査方向(図5の列方向)にRセルが10個、Gセルが10個、Bセルが10個各々連続に形成されており、該連続したR,G,Bのセルが副走査方向(図5では行方向)に9列形成されている。まず、カラーフィルタの全面のRGBセルをインクジェットパターン形成装置によってテスト的に形成する。次に、例えば、B1、B2に沿ったRGBの各セルの膜厚を膜厚計によって計る。この膜厚と着色インクの量とは比例関係があるから、この膜厚を用いてこれらセルに吐出された総量を算出することができる。そして、この総量をノズルの吐出回数(ドロップ数)で割ることにより、単位ドロップ量を算出することができる。
仮の例を挙げて詳細に説明すると、例えば、斜線で示したRセルの10個の各セルに対して、1ノズルあたり規格値10plを吐出するノズルで、2μmの膜厚を形成するテストを行う。この2μmの膜厚に対応する着色インクの量は400plである。すなわち、各セルに必要な着色インクの量の平均は400plである。また、着色インクの量と膜厚とは、着色インクの量/膜厚=400pl/2000nm=0.2pl/nmの関係にある。したがって、このテストにおいては、各セルに40回の吐出を行う(ドロップ数40)。
この結果、得られた着色膜の膜厚が1.96μmであったとする。そうすると、このセルに吐出された着色インクの総量は、1960nm*0.2pl/nm=392plであることが分かる。そして、このノズルの単位ドロップ量は、392pl/40回=9.8plであることが分かる。
次に、各セルに必要な着色インクの量の平均400plを、標準ドロップ量と調整ドロップ量とに分離する。標準ドロップ量は、各セルに必要な着色インク量の平均のうち、ノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量であり、単位ドロップ量の整数倍である。この例では、9.8pl×41回=401.8plである。
また、調整ドロップ量は、各セルに必要な着色インク量の平均のうち、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量で、単位ドロップ量より少ない量である。正負いずれの数値でもよい。この調整ドロップ量は、各セルに必要な着色インクの量の平均400plから標準ドロップ量401.8plを引いて求めることができる。この例では、400pl―401.8pl=―1.8plである。
以上を整理すると、次の3つの式で表現することができる。
ここで、aは標準ドロップ量に対応するドロップ数を意味する。Iは、各セルに必要な着色インク量の平均である。また、dは単位ドロップ量である。すなわち、第1式は、各セルに必要な着色インク量の平均から、標準ドロップ量に対応するドロップ数を算出することを示す式である。前記例では、I=400pl、d=9.8plで、a=41回である。
また、Sは標準ドロップ量である。すなわち、第2式は、標準ドロップ量に対応するドロップ数aに単位ドロップ量dをかけて標準ドロップ量Sを算出することを示す式である。前記例では、a=41回、d=9.8plで、S=401.8plである。
また、Xは調整ドロップ量である。すなわち、第3式は、各セルに必要な着色インク量の平均Iから標準ドロップ量S=a*dを引いて調整ドロップ量Xを算出することを示す式である。前記例では、I=400pl、S=a*d=401.8plで、X=―1.8plである。
(標準ドロップ量の調整)
次に、標準ドロップ量を調整する方法について説明する。標準ドロップ量の調整は、前記調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって前記セルライン上の各着弾位置に振り分けることにより標準ドロップ量を調整するものである。そして、この調整によって、セルライン上の各セルに吐出される着色インクの量の平均は、設計値とほぼ等しくされる。また、この値は、各セルに必要な着色インク量の平均Iとほぼ等しい。このため、ディスプレイの画面全体を観察した場合、濃度むらのない画面として知覚することができる。
また、この調整は多値誤差拡散法によって前記セルライン上の各セルに振り分けることによって行うため、得られたカラーフィルタは粒状度が低く、ざらつき感の少ないものとなる。
次に、多値誤差拡散法による振り分けについて説明する。多値誤差拡散法による振り分けには、例えば、誤差拡散フィルタを使用することができる。
誤差拡散フィルタを使用して振り分ける場合には、まず、前記調整ドロップ量を基準データとして、その配置図を準備する。図6に求められた基準データの例を示す。図6は単色の基準データの配置図であり、縦軸(列方向)は主走査方向、横軸(行方向)は副走査方向を示している。また、図6は、マトリクス状に配置された多数の画素と、この画素のそれぞれに対応する基準データ(調整ドロップ量)とを示している。
すなわち、図4に示す複数のインクジェットノズル6は、図6においては、横軸方向に並んで配置されており、これら複数のインクジェットノズル6を主走査方向(縦軸方向)に走査しながら、それぞれのノズルから各画素に着色インクを吐出して印刷する。なお、前述したように、「画素」はそれぞれのインクジェットノズル6の着弾位置に対応している。そして、このため、主走査方向(列方向)に並ぶ複数の画素の基準データ(調整ドロップ量)は同一の値である。また、副走査方向(行方向)に並ぶ複数の画素については、特定の画素に対応するノズルと、これに副走査方向(行方向)に並ぶ画素に対応するノズルとが異なり、これらのノズルは単位ドロップ量が互いに異なるため、その基準データ(調整ドロップ量)も互いに異なっている。
そして、隅部の画素を始点として、多値誤差拡散処理を開始する。図6の例では、図6左上の画素を最初の着目画素として多値誤差拡散処理を開始する。なお、ここでは、図7の誤差拡散フィルタを使用して説明する。
着目画素から見て右隣の画素は、図7のフィルタ係数の合計値16と、着目画素の右隣の係数7より、7/16*Xで求められる値を基準データにプラスする。以下、左下、下、右下と順番に該当する方向のフィルタ係数を用いて計算を実施する。次に着目画素を右隣のセルとして同様の計算を行う。1行目の画素全ての計算が終了したら、2行目の画素について同様に左端から右端に向かって計算を行う。以下、3行目から最終行まで同様に計算を行い、右下のセルで計算を終了する。なお、着目画素の選択手順はこの例に限定されるわけではない。例えば、奇数行は左端の画素から右端の画素に向かって計算し、偶数行は反対方向に計算することも可能である。
そして、この計算結果が、それぞれのノズルの単位ドロップ量を超えた場合、標準ドロップ量を調整して、吐出回数すなわちドロップ数を修正する。この修正を、前記画素のすべてについて繰り返して本発明にかかる吐出パターンを生成することができる。
次に、ざらつき感の少ない誤差拡散フィルタについて説明するにあたり、まず、ざらつ
き感の評価方法について説明し、次に、種々の誤差拡散フィルタを使用した場合のざらつき感の結果を説明する。そして、この結果から、ざらつき感の少ない誤差拡散フィルタの内容について説明する。
ざらつき感は、物理的量とこの物理的量に対する人間の内的な感覚との双方に関係する心理物理学的量である。しかし、後述する実施例から分かるように、このざらつき感は、物理的量である粒状度によって評価することができる。
すなわち、まず、画像の振幅スペクトルとVTF(Visual Transfer Function)曲線とに基づいてウィナースペクトルWSを算出し、このウィナースペクトルWSの積分値を粒状度として、前記ざらつき感を評価することができる。
本発明に係る画像の振幅スペクトルF(p,q)は、カラーフィルタ全体のセルに対する液量分布に基づくものである。
また、VTFは、入力画像に対する各種光学部材の出力画像のコントラストや解像度の再現性を表すMTF(Modulation Transfer Function)の一種である。図8に286mmの観察距離におけるVTF曲線を示す。図8より、VTF曲線は1cycle/mmにピークを持つバンドパス特性を示している。
ところで、カラーフィルタの色ムラにおいて最も周期の短い色ムラは、図9上段に示すとおり、隣り合うセル間で明暗を繰り返す場合(0.5cycle/cell)である。カラーフィルタのセルの幅はおよそ500μm程度であるから、0.5cycle/cellは1cycle/mmとなり、これがムラに関わる最大周波数となる。
そこで、副走査方向のセル列からなるパターンの周波数成分をp[cycles/mm]、主走査方向のセル列からなるパターンの周波数成分をq[cycles/mm]、観察距離をR[mm]とするとき、VTF曲線VTF(p,q)は次式で表される。
そこで、カラーフィルタ全体のセルに対する液量分布の前記振幅スペクトルF(p,q)とVTF曲線を掛け合わせ、二乗してウィナースペクトルW(p,q)を求めることができる。
そして、このウィナースペクトルWS(p,q)の積分値を粒状度Gとする。粒状度Gの値が小さいほど人間の目にざらつき感を感じさせる成分が少ないと評価できる。
Nx:副走査方向のセル数 Ny:主走査方向のセル数

次に、各種の誤差拡散フィルタを使用した場合のざらつき感の結果を説明する。図10(a)は2行3列の誤差拡散フィルタを示しており、A〜Fは対応する画素に対する係数を意味する。このうち、Bは着目画素に対応する。また、Aは着目画素Bから見て左側の画素の係数で、すでに計算が終了した画素なので常に0が入る。Cは着目画素Bから見て右側の画素、Dは着目画素Bから見て左下側の画素、Eは着目画素Bから見て下側の画素、
Fは着目画素Bから見て右下側の画素に、それぞれ、対応する係数である。
次に、図10(b)〜(g)は、図10(a)のA〜Fに具体的数値を当てはめた各種
の誤差拡散フィルタの例と、前述の方法で取得した基準データにそれぞれの誤差拡散フィルタを用いたときの粒状度Gを計算した結果である。セルのピッチは500μmであり、観察距離は250mmとした。用いる基準データによって粒状度Gの値は変化するが、各誤差拡散フィルタの粒状度の上下関係は変わらなかった。このうち、粒状度Gの値が0.1以下であるのは、図10(b)、図10(f)、図10(g)のフィルタである。
本発明において、例示した誤差拡散フィルタ以外にも複数の数字の組み合わせで誤差拡散フィルタを設計した結果、2行3列の誤差拡散フィルタについては図10(a)の係数が下記の条件を満たすとき粒状度が低くなることが分かった。なお、前記図10(b)、図10(f)、図10(g)のフィルタは、いずれもこの条件を満足している。
・C=D<E
・F=0
特に、本発明で設計した図10(f)の誤差拡散フィルタは、複数の基準データについて観察距離250mmから1000mmにおける粒状度を計算した結果、いずれの場合も最も小さい粒状度が得られた。図10(f)のA〜Fの各係数は、C=2,D=2,E=7,F=0である。
(この生成方法を実行する装置)
次に、この生成方法は、特定の情報を記憶したデータベースと、その情報に基づく演算を実行する演算装置とを備える装置で実行することができる。具体的には、前記データベースは、各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とを記憶していればよい。また、前記演算装置は、前記単位ドロップ量に基づいて、各セルに必要な着色インクの量の平均を、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分すると共に、
この調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって前記セルライン上の各セルに振り分ける標準ドロップ量を調整して吐出パターンを生成することができればよい。
(本発明を使用した素子の製造方法)
本発明は、インクジェット法を用いたパターンの形成において、吐出量の差を軽減し、ムラをなくすものであるから、インクジェット法を用いた素子の作製に適用可能である。以下に本発明を用いた素子の製造方法の例として、まず、カラーフィルタ及び有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の製造方法を説明する。
カラーフィルタあるいは有機EL素子のいずれの素子の製造についても、基板上に隔壁を形成し、そこにセルを形成することにより作製できる。
基板について以下に説明する。基板は、印刷物の支持基板として用いるものである。目的とする光学素子により、基板の種類は異なるが、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、ドライフィルム等、公知の透明基板材料を使用することができる。中でもガラス基板は、カラーフィルタ、有機EL素子用途において、透明性、強度、耐熱性、耐候性において優れている。
隔壁について以下に説明する。本発明ではインクジェット印刷装置により基板にインキを付与し、カラーフィルタあるいは有機機能性素子を形成する。異なる種類のインキ同士の混色(又は混合)を防止するため、基板上に予め隔壁を形成することが好ましい。
隔壁は、基板の表面を多数の領域に区分けすると共に、この多数の領域のそれぞれに吐出されたインキの混色を防止する機能を有するものである。混色を防止するため、隔壁に
は一定の撥インキ作用を示すものを用いることが望ましい。例えば、撥インキ剤を含む樹脂組成部により隔壁を形成する方法、樹脂組成物により形成した隔壁にプラズマ処理を行い撥インキ性を付与する方法、隔壁を光触媒層とともに形成し光触媒作用により隔壁に撥インキ性を付与する方法などを例示することができる。また、ディスプレイの表示画面を構成するカラーフィルタ、有機EL素子においては、この隔壁に遮光性を付与することで、表示画面のコントラストを向上させることができる。いずれの場合であっても、隔壁を樹脂組成物より形成する場合には、樹脂バインダーと撥インキ剤とを必須成分として含有する必要がある。
隔壁は印刷法、フォトリソグラフィー法等の公知の隔壁形成方法により形成することができる。
カラーフィルタの製造方法について以下に説明する。カラーフィルタを形成する場合、まず前記の基板上に、上記の方法で隔壁を形成する。着色インキを使用して、本発明の吐出パターン形成装置により着色層を形成する。着色インキは、着色顔料、溶媒、樹脂バインダーを必要に応じて含むことができる。
有機EL素子の製造方法について以下に説明する。有機EL素子を形成する場合にもまず前記の基板上に、隔壁を形成する。インキに有機発光材料を含むものとし、本発明の吐出パターン生成装置及び吐出方法を用いて基板上に吐出、有機機能層を形成し製造することができる。このインキは、有機発光材料、溶媒、樹脂バインダーを、必要に応じて含むことができる。溶媒、樹脂バインダーは、前記隔壁の形成で掲げたものと同様の材料を使用することができる。
有機発光材料について以下に説明する。有機発光材料としては、有機溶剤に可溶な有機発光材料が適用できる。例えば、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の有機発光材料である。また、この有機発光材料を高分子中に分散させたものも使用できる。高分子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等が例示できる。また、有機発光材料として高分子有機発光材料も使用できる。例えば、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系などの高分子有機発光材料である。
隔壁の形成方法を以下に説明する。撥インキ性を付与する材料を含有した感光性樹脂組成物として、下記組成比で配合した黒色感光性樹脂組成物を用いた。基板としては無アルカリガラス(1737:コーニング(株)製)を用い、その上にこの黒色感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布し、温度90℃のホットプレートにて1分間プリベーク処理をして基板上に膜厚2.0μmの被膜を形成した。
感光性樹脂組成物の組成は、次のとおりである。
シクロヘキサノン(沸点155.7℃) 80重量部
クレゾール−ノボラック樹脂:EP4050G(旭有機材工業(株)製) 15重量部
メラミン樹脂:MW30(三和ケミカル(株)製) 5重量部
カーボン顔料:MA−8(三菱マテリアル(株)製) 23重量部
分散剤:ソルスパース5000(ゼネカ(株)製) 1.4重量部
ラジカル重合性を有する化合物:トリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業社製) 5重量部
光重合開始剤:イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ(株)製)2重量部
含フッ素化合物:モディパーF−600(日本油脂(株)製、質量平均分子量35000)5重量部
続いてストライプ状のパターンであるフォトマスクを用いて、超高圧水銀灯により100mJ/cmの露光処理を施し、さらに現像処理を行うことで所望される隔壁パターンを得た。その後、熱風式焼成炉内にて加熱処理を施した。
着色インキの調整について以下に説明する。下記組成物を、窒素雰囲気下でアゾビスイソブチルニトリル0.75重量部を加え、70℃,5時間の条件で反応させ、アクリル共重合体樹脂を得た。
着色インキ組成物の組成は、次のとおりである。
メタクリル酸 20重量部
メチルメタクリレート 10重量部
ブチルメタクリレート 55重量部
ヒドロキシエチルメタクリレート 15重量部
乳酸ブチル 300重量部
次に、得られたアクリル共重合体樹脂が、全体に対して10重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて希釈し、アクリル共重合体樹脂の希釈液を得た。
この希釈液80.1gに対し、着色顔料19.0g、分散剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル0.9gを添加して、3本ロールにて混練し、赤色、緑色、青色の各着色ワニスを得た。なお、赤色顔料として、ピグメントレッド177を、緑色顔料としてピグメントグリーン36を、青色顔料としてピグメントブルー15を、各々使用した。
得られた各着色ワニスに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、その顔料濃度が12〜15重量%、粘度が15cpsになるように、各々調整して添加し、赤色、緑色、及び青色着インキを得た。
図1に示されるインクジェット印刷装置を用いて、着色層を形成した。ここで、セル数はノズルの並び方向に対して768セル、基板の搬送方向に対して1360セルである。
まず、本発明によるカラーフィルタの製造方法に用いられる基板と同様の隔壁パターンからなる検査用基板を用意し、インキの吐出を行った。次に、前述の基準データを得る手段として輝度計を選択し、この検査用基板の各セルの輝度値を測定することによって色ムラの分布を求めた。この結果、同一ノズルヘッドセットの組み合わせによって塗工された基板搬送方向のセルラインの吐出量バラツキは、セルライン間の吐出量バラツキに比べて十分小さかった。したがって、図6のように副走査方向へは測定で求められた基準データを各セルへ配置し、主走査方向へは副走査方向へ配置された基準データを繰り返し配置することで、隣接するセルライン間の輝度差(以下、隣接輝度差)を小さくする調整を行った。
輝度測定によって得られた基準データと図10(f)の誤差拡散フィルタを用いて多値誤差拡散法による調整を行った。調整前後の隣接輝度差のヒストグラムを図11に示す。
実験により隣接輝度差を0.1以下にすることで、人間の目に見える色ムラを解消できることが分かっているが、本発明による調整の結果、ほぼ全てのセルについて隣接輝度差を0.1以下に抑えることができた。
次にざらつき感について評価を行った。比較のため、基準データに基づき吐出量を変更
するセルを乱数によって配置する手法で基板を作製した。
まず、目視による比較を行った。光源としてNaランプを用意し、光源の前に多値誤差拡散法による調整を行った基板と乱数による調整を行った基板を並べた。20人の被験者に対して、2つの基板がどちらの手法で作製されたものかは伝えず、観察距離250mmから1000mmの間で両者を比較してもらい、ざらつき感が少なく感じる基板を選択してもらった。その結果、20人の被験者全てが多値誤差拡散法によって作製された基板をざらつき感が少ないと判断した。
次に、マイクロデンシトメータ(微小濃度計)によって2つの基板それぞれの濃度分布を測定し、濃度分布の振幅スペクトルとVTF曲線から粒状度を求めた。結果を図12に示す。図12は乱数による調整を行った基板の粒状度を100としたときの、多値誤差拡散法による調整を行った基板の粒状度を表している。図12より、全ての観察距離において、多値誤差拡散法によって作製された基板の粒状度が低いことが分かる。
したがって、目視による主観的な評価と、マイクロデンシトメータによる客観的な評価の双方で、本発明により作製されたカラーフィルタのざらつき感が少ないという結果が得られた。
以上のように、本発明によって、色ムラとざらつき感を同時に低減した高品質なカラーフィルタを作製することができることが確認できた。
1…インクジェットノズルヘッド
2…インクジェットノズルヘッドユニット
3…基板置き台
4…インクジェットノズルヘッドコントローラー
5…ノズル
6…有効なノズル
7…セル
8…調整セル

Claims (5)

  1. 基板表面が多数のセルに区分されており、これら多数のセルのうち直線上に並ぶ複数のセルの列をセルラインとして、このセルラインに沿ってインクジェットノズルを走査しながらこのノズルから着色インクを吐出しこれらセルを着色して、ディスプレイの表示画面用着色パターンを形成するにあたり、各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とに基づいて、前記着色インクの吐出回数をノズルの着弾位置ごとに特定する吐出パターンを生成する方法であって、
    前記単位ドロップ量に基づいて、各セルに必要な着色インクの量の平均を、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分し、
    この調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって、前記セルライン方向と、前記セルライン方向と交差する方向との2方向の各着弾位置に振り分けることにより標準ドロップ量を調整して吐出パターンを生成することを特徴とする吐出パターンの生成方法。
  2. 前記多値誤差拡散法が誤差拡散フィルタを用いる方法であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記誤差拡散フィルタが2行3列のフィルタであり、その1行目の係数を左から順番にA,B,C、2行目の係数を左から順番にD,E,Fとし、着目セルをB、拡散対象となるセルをC,D,E,Fとするとき、次の2つの式を充足するものであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
    C=D<E
    F=0
  4. 前記誤差拡散フィルタの係数が、C=2,D=2,E=7,F=0であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 基板表面が多数のセルに区分されており、これら多数のセルのうち直線上に並ぶ複数のセルの列をセルラインとして、このセルラインに沿ってインクジェットノズルを走査しながらこのノズルから着色インクを吐出しこれらセルを着色して、ディスプレイの表示画面用着色パターンを形成するにあたり、各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とに基づいて、前記着色インクの吐出回数を着弾位置ごとに特定する吐出パターンを生成するする装置であって、
    各セルに必要な着色インクの量の平均と、1回の吐出によって基板に付着する着色インクの量(単位ドロップ量)とを記憶するデータベースと、
    前記単位ドロップ量に基づいて、各セルに必要な着色インクの量の平均を、インクジェットノズルの吐出によって基板に付着させることのできる量(標準ドロップ量)と、1回の吐出によっては付着させることのできない半端な量(調整ドロップ量)とに区分すると共に、
    この調整ドロップ量を多値誤差拡散法によって前記セルライン方向と、前記セルライン方向と交差する方向との2方向の各着弾位置に振り分けることにより標準ドロップ量を調整して吐出パターンを生成する演算装置と、
    を備えることを特徴とする吐出パターン生成装置。
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